JP2008266601A - ポリマーポリオール - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エチレン性不飽和化合物(E)を構成単位とする重合体粒子(JR)がポリオール(PL)中に含有されてなるポリマーポリオールにおいて、(PL)中の分子末端水酸基に基づく分子末端1級水酸基の割合が2〜10モル%であり、かつ、(PL)の重量に基づく、特定の1級水酸基含有分子末端を有するポリオール(PL1)の割合が2〜10%であることを特徴とするポリマーポリオール(A)。
【選択図】 なし
Description
すなわち本発明は、エチレン性不飽和化合物(E)を構成単位とする重合体粒子(JR)がポリオール(PL)中に含有されてなるポリマーポリオールにおいて、(PL)中の分子末端水酸基に基づく分子末端1級水酸基の割合が2〜10モル%であり、かつ、(PL)の重量に基づく、下記一般式(1)で表される1級水酸基含有分子末端を有するポリオール(PL1)の割合が2〜10%であることを特徴とするポリマーポリオール(A)である。
(1)本発明のポリマーポリオールを使用して製造したポリウレタンフォームは、機械物性に優れる。
(2)本発明のポリマーポリオールは、粘度が低く、例えばポリウレタンフォームを製造する際の成形性に優れる。
(E)としては、スチレン(以下Stと略記)、アクリロニトリル(以下、ACNと略記)、その他のエチレン性不飽和モノマー(e)等が使用できる。エチレン性不飽和化合物(E)としては、Stおよび/またはACNを必須成分とすることが好ましい。
(e2)としては、C8〜14、例えばα−メチルスチレン、ヒドロキシスチレン、クロルスチレン等が挙げられる。
(e3)としては、C4〜27、例えばメチル、ブチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、エイコシルおよびドコシル(メタ)アクリレート等のアルキル(アルキル基がC1〜24)(メタ)アクリレート;ヒドロキシポリオキシアルキレン(アルキレン基がC2〜8)モノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
なお、(メタ)アクリレートとは、アクリレートおよび/またはメタアクリレートを意味し、以下における(メタ)アクリル酸、(メタ)アリル等も同様であり、以下同様の表記法を用いる。
これらのうち好ましいのはアリルアルコールのAO付加物、ヒドロキシアルキル(C2〜12)(メタ)アクリレートのAO付加物である。AOの付加モル数は、好ましくは1〜9、特に好ましくは1〜6、最も好ましくは1〜3である。
上記AOとしては、C2〜12のものが含まれ、例えばエチレンオキサイド、1,2−プロピレンオキサイド、1,2−、2,3−および1,3−ブチレンオキサイド、テトラヒドロフランおよび3−メチル−テトラヒドロフラン(以下それぞれEO、PO、BO、THFおよびMTHFと略記 )、1,3−プロピレンオキサイド、イソBO、C5〜12のα−オレフィンオキサイド、置換AO(スチレンオキサイド、エピハロヒドリン等)、並びにこれらの2種以上の併用(ランダム付加および/またはブロック付加)が挙げられる。
AOとしては、C2〜8が好ましく、さらに好ましくはC2〜4、特に好ましくはC2〜3,最も好ましくはPOおよび/またはEOである。
また、AOとしては、単独の使用および2種以上のAOの併用が好ましく、さらに好ましくはPOまたはEOの単独並びにPOおよびEOの併用である。
(e4)のMnは、110〜490が好ましく、下限は、さらに好ましくは120、次にさらに好ましくは160、特に好ましくは170、最も好ましくは180であり、上限は、さらに好ましくは480、次にさらに好ましくは450、特に好ましくは420、最も好ましくは300である。Mnが110以上であると、ポリマーポリオールが低粘度となり取り扱い性の面で好ましく、それから得られるポリウレタンの硬度も良好となり、Mnが490以下であると、それを用いて得られるポリウレタンの硬度が良好である。
なお、SP値とは、下記に示すとおり凝集エネルギー密度と分子容の比の平方根で表されるものである。
SP値=(△E/V)1/2
ここで△Eは凝集エネルギー密度、Vは分子容を表し、その値は、Robert F.Fedorsらの計算によるもので、例えばポリマー エンジニアリング アンド サイエンス(Polymer engineering and science)第14巻、147〜154頁に記載されている。
(JR)の粒子径の範囲(μm)は、ポリマーポリオールの粘度およびポリウレタン物性の観点から好ましくは0.1〜100、さらに好ましくは0.1〜20、とくに好ましくは0.1〜5である。
(PL)中の分子末端水酸基に基づく分子末端1級水酸基の割合は、好ましくは2〜8モル%、さらに好ましくは3〜7モル%、最も好ましくは3.9〜6.9モル%である。該分子末端1級水酸基の割合が2モル%未満では(PL)の反応性および得られるポリウレタンの機械物性が悪くなり、10モル%を超えるとポリウレタンの成形性が悪くなる。ここにおいて、該分子末端1級水酸基の割合は、予め(PL)をエステル化して処理した後に1H−NMR分析法により求められる。
式(1)中のRの具体例としては、直鎖アルキル基(メチル、エチルおよびプロピル基等)、分岐アルキル基(イソプロピルおよび2−エチルヘキシル基等)、(アルキル置換)フェニル基(フェニルおよびp−メチルフェニル基等)、ハロゲン原子置換アルキル基(クロロメチル、ブロモメチル、クロロエチルおよびブロモエチル基等)、ハロゲン原子置換フェニル基(p−クロロ−およびp−ブロモフェニル基等)、およびこれらの2種以上の併用が挙げられる。
(PL1)は、活性水素含有化合物のAO付加物であって、末端の活性水素にC3以上の1,2−アルキレンオキサイド(以下1,2−AOと略記)が付加されてなり、上記一般式(1)で表される1級水酸基含有分子末端を有するポリオールである。
C3以上の1,2−AOとしては、前述のAOのうちC3〜12またはそれ以上の1,2−AOが含まれる。具体的には、PO、1,2−ブチレンオキサイド、C5〜12のα−オレフィンオキサイド、置換AO(スチレンオキサイド、エピハロヒドリン等)等が挙げられる。これらのうち、ポリマーポリオールの粘度およびポリウレタンの機械物性の観点から好ましいのは、PO、1,2−ブチレンオキサイド、C5〜12のα−オレフィンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロロヒドリン、さらに好ましいのはPO、1,2−ブチレンオキサイド、C5〜12のα−オレフィンオキサイド、とくに好ましくはPO、1,2−ブチレンオキサイド、最も好ましいのはPOである。
(α)としては、特開2000−344881号公報等に記載のものが挙げられ、具体的には、フッ素原子、(置換)フェニル基および/または3級アルキル基が結合したホウ素もしくはアルミニウム化合物であり、例えばホウ素化合物では、トリフェニルボラン、ジフェニル−t−ブチルボラン、トリ(t−ブチル)ボラン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、ビス(ペンタフルオロフェニル)−t−ブチルボラン、アルミニウム化合物では、トリフェニルアルミニウム、ジフェニル−t−ブチルアルミニウム、トリ(t−ブチル)アルミニウム、トリス(ペンタフルオロフェニル)アルミニウム、ビス(ペンタフルオロフェニル)−t−ブチルアルミニウム等が挙げられる。
これらのうち1級水酸基含有分子末端の生成及びAO付加の反応速度の観点から好ましいのはトリフェニルボラン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリフェニルアルミニウム、トリス(ペンタフルオロフェニル)アルミニウム、さらに好ましいのはトリス(ペンタフルオロフェニル)−ボランおよび−アルミニウムである。
AOの付加条件についても上記公報等に記載の条件と同様でよく、例えば、生成する開環重合体の重量に対して、通常0.0001〜10%、AO付加の反応速度及びポリウレタンを製造する際の反応性の観点から好ましくは0.001〜1%の上記触媒を用い、通常0〜250℃、AO付加の反応速度及びポリウレタンの機械物性の観点から好ましくは20〜180℃で反応させて行うことができる。
(PL2)の具体例としては、例えば、少なくとも2個(好ましくは2〜8個)の活性水素含有化合物(多価アルコール、多価フェノール、アミン、ポリカルボン酸、リン酸等)のAO付加物およびこれらの混合物が挙げられる。これらのうちポリウレタンの機械物性の観点から好ましいのは多価アルコールのAO付加物である。
(1)(POブロック)−(他のAOブロック)の順序でブロック付加したもの
(2)[(POブロック)−(他のAOブロック)]2の順序でブロック付加したもの
(3)(他のAOブロック)−(POブロック)−(他のAOブロック)の順序でブロック付加したもの
(4)(POブロック)−(他のAOブロック)−(POブロック)の順序でブロック付加したもの
(5)POおよび他のAOをランダム付加したもの
(6)米国特許第4226756号明細書記載の順序でランダムおよびブロック付加したもの。
なお、水酸基当量は、JIS K1557−1:2007に準拠して測定される水酸基価[試料1g中の水酸基と当量の水酸化カリウムの重量(mg)]で56100を除することにより算出される。
(1)(PL)中でエチレン性不飽和化合物(E)を重合させて製造する方法。
(2)エチレン性不飽和化合物(E)を重合させて(JR)を製造した後に、(JR)を(PL)中に分散させて製造する方法。
重合方法としては、ラジカル重合、配位アニオン重合、メタセシス重合およびディールス・アルダー重合等が挙げられるが、工業的な観点から好ましいのはラジカル重合である。
なお本発明において、エチレン性不飽和基を有する反応性分散剤はMn1,000以上であり、Mnが1,000未満の前記その他のエチレン性不飽和モノマー(e)とは区別される。
〔1〕ポリオール(PL)とエチレン性不飽和化合物を反応させたマクロマータイプの反応性分散剤
エチレン性不飽和基を有する変性ポリエーテルポリオール(例えば特開平08−333508号公報に記載のもの)等;
〔2〕ポリオールとオリゴマーを結合させたグラフトタイプの非反応性分散剤
(PL)との溶解度パラメーターの差が1.0以下の、(PL)親和性セグメント2個以上を側鎖、(E)の重合体との溶解度パラメーターの差が2.0以下の重合体粒子(JR)親和性セグメントを主鎖とするグラフト型重合体(例えば特開平05−059134号公報に記載のもの)等;
〔3〕高分子量ポリオールタイプの非反応性分散剤
(PL)の水酸基の少なくとも一部をメチレンジハライドおよび/またはエチレンジハライドと反応させて高分子量(平均分子量1000〜60,000)化した変性ポリオール(例えば特開平07−196749号公報に記載のもの)等;
〔4〕オリゴマータイプの反応性分散剤
1,000〜30,000の重量平均分子量(以下Mwと略記)[測定はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法による。]を有し、少なくとも一部が(PL)に可溶性であるビニルオリゴマーおよび該オリゴマーと前記〔3〕の高分子量化した変性ポリオールを反応させてなるビニル基含有変性ポリオールを併用してなる分散剤(例えば特開平09−77968号公報に記載のもの)等;
〔5〕(PL)と、少なくとも1個のエチレン性不飽和基を有する1価の活性水素含有化合物がポリイソシアネートを介して結合されてなる含窒素結合含有不飽和ポリオール(例えば特開2002−308920号公報に記載のもの)等の反応性分散剤等が挙げられる。
これらのうちで(JR)の粒子径の観点から好ましいのは〔1〕、〔4〕および〔5〕さらに好ましいのは〔5〕である。
(C)としては、芳香族炭化水素(C6〜10、例えばベンゼン、トルエン、キシレン);飽和脂肪族炭化水素(C5〜15、例えばヘキサン、ヘプタン、ノルマルデカン);不飽和脂肪族炭化水素(C5〜30、例えばオクテン、ノネン、デセン);およびその他公知の溶剤(例えば特開2005−162791号公報等に記載のもの)等が使用できる。これらのうちポリマーポリオール(A)の粘度の観点から好ましいのは芳香族炭化水素溶剤である。
(C)の使用量(重量%)は、(E)の重量に基づいて、ポリマーポリオールの粘度およびポリウレタンの機械物性の観点から好ましくは0.1〜50、さらに好ましくは1〜40である。(C)は重合反応終了後に(A)中に残存してもよいが、ポリウレタンの機械物性の観点から重合反応終了後に減圧ストリッピング等により除去するのが望ましい。
(G)の使用量(重量%)は、(E)の重量に基づいて、(A)の粘度およびポリウレタンの機械物性の観点から好ましくは0.01〜2、さらに好ましくは0.1〜1である。
本発明のポリマーポリオール(A)を得る製造方法として生産性及び粒子径の観点から好ましいのは、バッチ式重合法および連続重合法、さらに好ましいのは多段一括重合法および多段連続重合法である。
多段一括重合法とは、n回(nは2以上の整数)の重合工程を含むバッチ式重合方法であり、下記(I)〜(III)の工程が含まれる。該製造方法は、(I)〜(III)の工程がこの順序で実施されればよく、各工程が実施される反応容器は同一でも異なっていてもいずれでもよい。
(I)工程:エチレン性不飽和化合物(E)、ポリオール(PL)、およびさらに必要により分散剤(B)、希釈溶剤(C)を添加後、ラジカル重合開始剤(K)を投入して重合させ、ベースポリマーポリオール(BA1)を得る工程。
(II)工程:得られた(BAi-1)に(E)、さらに必要により(PL)、(B)、(C)を加えて添加後、(K)を投入して重合させ、ベースポリマーポリオール(BAi)を得る工程[iは2〜(n−1)の整数]。なお、(II)の工程はnが2の場合は実施せず、nが3以上の場合に(n−2)回実施して、(II)工程の最後にベースポリマーポリオール(BAn-1)を得る。
(III)工程:得られた(BAn-1)に(E)、さらに必要により(PL)、(B)、(C)を添加後、(K)を投入して重合させ、ポリマーポリオール(A)を得る工程。
n(重合段数)は、重合を行う工程の数であり、上記(I)、(II)および(III)工程における重合工程の合計数である。
nは、粗大粒子含有量低減および生産性の観点から、好ましくは2〜7、さらに好ましくは2〜5、特に好ましくは3〜4である。
まず、種々の方法(例えば特開平5−148328号公報、特開平8−100006号公報に記載の方法)でエチレン性不飽和化合物を乳化重合または懸濁重合させることにより(JR)分散液を製造する。得られた(JR)分散液を必要により湿式分級機(沈降槽方式、機械式分級機方式、遠心分級機方式等)等を用いて分級処理を行う。こうして得た(JR)を(PL)中に分散させることで本発明のポリマーポリオール(A)を得ることができる。
分散させるに際しては、重合またはその後さらに湿式分級等分級処理して得られた(JR)分散液をそのまま用いてもよいし、(JR)分散液から分散媒を留去した後に用いてもよい。(JR)分散液をそのまま用いる場合は、(JR)分散液とポリオール(PL)を混合した後、分散媒を留去することで本発明のポリマーポリオールが得られる。
また、(JR)分散液から分散媒を留去した後に用いる場合は、(JR)を(PL)に分散させる際、高いせん断をかけて分散させると(JR)の凝集を容易に防ぐことができる。該分散に用いる装置としては、ホモミキサー等、高いシェアをかけることができる分散装置が好ましい。
難燃剤としては、種々の難燃剤(例えば特開2005−162791号公報記載のもの)が使用でき、ポリマーポリオールの粘度の観点から好ましいのは、低粘度(100mPa・s以下/25℃)の難燃剤、さらに好ましいのはトリス(クロロエチル)ホスフェートおよびトリス(クロロプロピル)ホスフェートである。
(A)中の溶媒および難燃剤の使用量(重量%)は、(JR)および(PL)の合計重量に基づいて、それぞれ通常10以下、ポリマーポリオールの粘度、ポリウレタンの難燃性、およびポリウレタンの機械物性の観点から好ましくはそれぞれ0.01〜5、さらに好ましくは0.05〜3である。
ポリオールとしては、前述したポリオール(PL)等が使用でき、公知のポリマーポリオールとしては、例えば特開2005−162791号公報等記載のポリマーポリオールが使用できる。
ポリオールの使用量(重量%)は、(A)の重量に基づいて、ポリウレタンの機械物性の観点から適宜調整することができるが、好ましくは1〜1,000である。
(A)以外の公知のポリマーポリオールの使用量(重量%)は、(A)の重量に基づいて、ポリウレタンの機械物性、およびポリウレタン製造装置のストレーナや吐出口の目詰まり低減の観点から好ましくは1〜100である。
これらのうちでポリウレタンの機械物性の観点から好ましいのは、2,4−および2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、これらの異性体の混合物、粗製TDI(TDIを精製した際の残留物);4,4'−および2,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、これらの異性体の混合物、粗製MDI(MDIを精製した際の残留物);およびこれらのポリイソシアネートより誘導される、ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基またはイソシアヌレート基等を含有する変性ポリイソシアネートである。
ポリウレタンフォームを製造する場合、さらに必要により整泡剤をポリウレタン形成性組成物に含有させることができる。 整泡剤としては種々の整泡剤(例えば特開2005−162791号公報に記載のもの)が使用でき、ポリウレタンフォーム中のセル径の均一性の観点から好ましいのはシリコーン界面活性剤(例えばポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体)である。
整泡剤の使用量(重量%)は、ポリウレタン形成性組成物の全重量に基づいて通常5以下、好ましくは0.01〜2である。
難燃剤の使用量(重量%)は、ポリウレタン形成性組成物の全重量に基づいて通常30以下、好ましくは0.01〜10である。
ポリウレタンの製造には従来から用いられている製造装置(低圧あるいは高圧の機械装置等)を用いることができる。無溶媒の場合は、ニーダーやエクストルーダー等の装置を用いることができる。また、非発泡または発泡ポリウレタンを製造する際には、閉鎖モールドまたは開放モールドを用いることができる。
(1)ポリオール
ポリオール(PL−1):グリセリンにPO−EO−POの順にブロック付加させた、水酸基価=56、内部EO単位含量=5%、1級水酸基の比率2モル%のポリオール
ポリオール(PL−2):ペンタエリスリトールにPO−EOの順にブロック付加させた、水酸基価=32、末端EO単位含量=12%、1級水酸基の比率80モル%のポリオール
ポリオール(PL−3):特開2000−344881号公報に準じて製造したグリセリンにPOを付加させた、水酸基価=56、内部EO単位含量=0%、1級水酸基の比率74%のポリオール{(PL−3)の内、74%が1級水酸基含有分子末端を有するポリオール(PL1)に相当する}
ポリオール(PL−4):特許第3943493号公報に準じて製造したグリセリンにPOを付加させた後、EOを付加させた、水酸基価=56.5、末端EO単位含量=16.7%、1級水酸基の比率90%のポリオール
(2)ラジカル重合開始剤
K−1:2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)〔商品名「V−65」、和光純薬工業(株)製〕
K−2:1,1’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)〔商品名「V−59」、和光純薬工業(株)製〕
K−3:1,1−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)〔商品名「V−40」、和光純薬工業(株)製〕
K−4:ジクミル パーオキサイド〔商品名「パークミルD」、日本油脂(株)製〕
(3)分散剤
B−1 :ポリオール(PL−2)0.14モルと2−ヒドロキシエチルメタクリレート0.07モルをTDI0.16モルでジョイントして得られる、水酸基価=20、不飽和基数/含窒素基結合基数=0.22/1の反応性分散剤〔特開2002−308920号公報に記載のもの〕
(4)ポリイソシアネート
TDI−80:商品名「コロネートT−80」〔日本ポリウレタン工業(株)製〕
(5)触媒
触媒A:商品名「ネオスタンU−28」(オクチル酸第1スズ)〔日東化成(株)製〕
触媒B:商品名「DABCO」(トリエチレンジアミン)〔日本乳化剤(株)製〕
(6)整泡剤
商品名「SRX−280A」(ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン)〔東レダウコーニングシリコーン(株)製〕
<重合体粒子(JR)の含有量:(PC)>
SUS製遠心分離用50ml遠沈管に、ポリマーポリオール約5gを精秤し、ポリマーポリオール重量(W1)とする。メタノール15gを加えて希釈する。冷却遠心分離機[型番:GRX−220、トミー精工(株)製]を用いて、18,000rpm×60分間、20℃にて遠心分離する。上澄み液をガラス製ピペットを用いて除去する。残留沈降物にメタノール15gを加えて希釈し、上記と同様に遠心分離して上澄み液を除去する操作を、さらに3回繰り返す。遠沈管内の残留沈降物を、2,666〜3,999Pa(20〜30torr)で60℃×60分間減圧乾燥し、乾燥した沈降物を重量測定し、該重量を(W2)とする。次式(2)で算出した値を、重合体粒子含有量(重量%)とする。
重合体粒子含有量(重量%)=(W2)×100/(W1) (2)
重合率は、仕込みモノマー量に対する各モノマーの残存モノマー含量から算出し求めた。残存モノマー含量は、ガスクロマトグラフ法により、内部標準物質に対する面積比から算出した。具体的な分析方法はスチレンを例に以下に示す。
重合率[重量%]
=100−100×[(残存スチレン含量[%] /(原料中のスチレン仕込量[%]))
残存スチレン含量[%]=L/M ×(内部標準物質に対するファクター)
L=(残存スチレンのピーク面積)/(ポリマーポリオールの重量[g])
M=(内部標準のピーク面積)/(内部標準の重量[g])
内部標準物質に対するファクターは、内部標準物質と同重量にした際の各モノマーのピーク面積を内部標準物質のピーク面積で除したものである。
ガスクロマトグラフの測定条件(スチレンの場合)
ガスクロマトグラフ :GC−14B〔(株)島津製作所製〕
カラム :内径4mmφ、長さ1.6m、ガラス製
カラム充填剤 :ポリエチレングリコール20M〔信和化工(株)製〕
内部標準物質 :ブロモベンゼン〔ナカライテスク(株)製〕
希釈剤 :ジプロピレングリコールモノメチルエーテル 1級〔和光純薬(株)製〕
インジェクション温度 :200℃
カラム温度 :110℃
昇温速度 :5℃/min
カラムファイナル温度 :200℃
試料注入量 :1μl
(測定方法)
試料約30mgを直径5mmの1H−NMR用試料管に秤量し、約0.5mlの重水素化溶媒を加え溶解させる。その後、約0.1mlの無水トリフルオロ酢酸を添加してよく振り混ぜ25℃で約5分間静置して、ポリオールをトリフルオロ酢酸エステルとし、分析用試料とする。この分析用試料を1H−NMRで測定する。
ここでの重水素化溶媒とは、重水素化クロロホルム、重水素化トルエン、重水素化ジメチルスルホキシド、重水素化ジメチルホルムアミド等であり、試料を溶解させることのできる溶媒を適宜選択する。
(1級水酸基比率の計算方法)
1級水酸基の結合したメチレン基由来の信号は4.3ppm付近に観測され、2級水酸基の結合したメチン基由来の信号は5.2ppm付近に観測されることから、末端水酸基の1級OH化率は下式により算出する。
1級水酸基比率(モル%)=[r/(r+2s)]×100
r:4.3ppm付近の1級水酸基の結合したメチレン基由来の信号の積分値
s:5.2ppm近の2級水酸基の結合したメチン基由来の信号の積分値
50mlのガラス製ビーカーにメタノール30mlを入れ、ポリマーポリオールを2mg投入し、長径2cm、短径0.5cmのスターラーピースを用いてマグネチックスターラーで400rpm×3分間撹拌、混合して均一液とする。混合後、5分間以内に測定セルに投入し、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置[型番:LA−750、(株)堀場製作所製]を用いて体積基準による体積平均粒子径を測定する。
ポリマーポリオールを、BL型粘度計〔東京計器(株)製〕を用いて、3号ローター、12rpmもしくは6rpm、25℃の条件にて測定する。
ポリマーポリオールを、色彩色差計〔コニカミノルタホールディングス(株)製〕を用いて測定する。
ポリマーポリオールの白色度およびポリウレタンフォームの物性を次の基準で評価し判定した。
☆ 白色度が3以下であり、フォーム物性良好
◎ 白色度が3より大きく、4.5以下であり、フォーム物性良好
○ 白色度が4.5より大きく、5.5以下であり、フォーム物性良好
△ 白色度が5.5より大きく、6.0以下であり、フォーム物性良好
× 白色度が6.0より大きく、またはフォーム物性不良
〔第I工程〕 SUS製耐圧反応容器に、25℃で、ポリオール(PL−1)406部、ポリオール(PL−3)29部、ACN35部、St84部、アリルアルコールPO2.2モル付加物7.6部、ジビニルベンゼン0.36部、分散剤(B−1)44.2部およびキシレン32部を入れ、撹拌下100℃に温度調整した。ここにラジカル重合開始剤(K−1)1.19部、(K−2)0.36部および(K−3)0.12部をキシレン8部に溶解させた液を5秒間で仕込んで混合し、重合を開始させた。ラジカル重合開始剤溶液投入後、重合反応は1分以内に速やかに開始し、約6分で最高到達温度約160℃に到達した。該温度に到達してから150〜170℃で約10分間熟成させた後、25℃に冷却して、ポリマーポリオール中間体(BA1−1)を得た。
〔第II工程〕 引き続いて反応容器に、25℃で、ポリオール(PL−1)37部、ポリオール(PL−3)3部、ACN45部、St108部、アリルアルコールPO2.2モル付加物8.5部およびジビニルベンゼン0.46部を入れ、撹拌下、95℃に温度調整した。ここに(K−1)1.53部、(K−2)0.46部および(K−3)0.15部をキシレン11部に溶解させた液を5秒間で仕込んで混合し、重合を開始させた。ラジカル重合開始剤溶液投入後、重合反応は1分以内に速やかに開始し、約6分で最高到達温度約160℃に到達した。該温度に到達してから150〜170℃で約10分間熟成させた後、25℃に冷却して、ポリマーポリオール中間体(BA1−2)を得た。
〔第III工程〕 引き続いて反応容器に、25℃で、ACN50部、St120部、アリルアルコールPO2.2モル付加物8.5部およびジビニルベンゼン0.51部を入れ、撹拌下、90℃に温度調整した。ここに(K−1)1.70部、(K−2)0.51部、(K−3)0.17部および(K−4)0.17部をキシレン13部に溶解させた液を5秒間で仕込んで混合し、重合を開始させた。ラジカル重合開始剤溶液投入後、重合は1分以内に速やかに開始し、約6分で最高到達温度約160℃に到達した。該温度に到達してから150〜170℃で約10分間熟成させた後、25℃に冷却して、ポリマーポリオール中間体(BA1−3)を得た。(BA1−3)から未反応モノマーとキシレンを2,666〜3,999Pa(20〜30torr)で2時間、減圧下ストリッピングして、ポリマーポリオール(A−1)を得た。上記の方法で(A−1)を測定、評価した。結果を表1に示す。
実施例1において、第I工程で、ポリオール(PL−1)406部およびポリオール(PL−3)29部の代わりに、ポリオール(PL−1)423部およびポリオール(PL−3)12部、第II工程で、ポリオール(PL−1)37部およびポリオール(PL−3)3部の代わりに、ポリオール(PL−1)39部およびポリオール(PL−3)1部を用いた以外は実施例1と同様にして、ポリマーポリオール(A−2)を得た。(A−2)について、実施例1と同様に測定、評価した。結果を表1に示す。
実施例1において、第I工程で、ポリオール(PL−1)406部およびポリオール(PL−3)29の代わりに、ポリオール(PL−1)391部およびポリオール(PL−3)44部、第II工程で、ポリオール(PL−1)37部およびポリオール(PL−3)3部の代わりに、ポリオール(PL−1)36部およびポリオール(PL−3)4部を用いた以外は実施例1と同様にして、ポリマーポリオール(A−3)を得た。(A−3)について、実施例1と同様に測定、評価した。結果を表1に示す。
〔第I工程〕 SUS製耐圧反応容器に、25℃で、ポリオール(PL−1)409部、ポリオール(PL−3)26部、ACN48.2部、St77.4部、アリルアルコールPO2.2モル付加物7.6部、ジビニルベンゼン0.38部、分散剤(B−1)44.2部およびキシレン35.7部を入れ、撹拌下100℃に温度調整した。ここにラジカル重合開始剤(K−1)1.26部、(K−2)0.38部および(K−3)0.13部をキシレン8.8部に溶解させた液を5秒間で仕込んで混合し、重合を開始させた。ラジカル重合開始剤溶液投入後、重合反応は1分以内に速やかに開始し、約6分で最高到達温度約160℃に到達した。該温度に到達してから150〜170℃で約10分間熟成させた後、25℃に冷却して、ポリマーポリオール中間体(BA4−1)を得た。
〔第II工程〕 引き続いて反応容器に、25℃で、ポリオール(PL−1)38部、ポリオール(PL−3)2.0部、ACN58.2部、St93.5部、アリルアルコールPO2.2モル付加物8.2部およびジビニルベンゼン0.46部を入れ、撹拌下、95℃に温度調整した。ここに(K−1)1.62部、(K−2)0.46部、および(K−3)0.15部をキシレン10.6部に溶解させた液を5秒間で仕込んで混合し、重合を開始させた。ラジカル重合開始剤溶液投入後、重合反応は1分以内に速やかに開始し、約6分で最高到達温度約160℃に到達した。該温度に到達してから150〜170℃で約10分間熟成させた後、25℃に冷却して、ポリマーポリオール中間体(BA4−2)を得た。
〔第III工程〕 連続重合装置(送液ライン、オーバーフローラインを接続したSUS製耐圧反応容器)を準備し、反応容器にあらかじめ、第II工程にて作成したポリマーポリオール(BA4−2)2,400部を仕込み、130℃に昇温した。ついで、(BA4−2)872.1部、ACN63.2部、St101.5部、アリルアルコールPO2.2モル付加物8.2部、ジビニルベンゼン0.49部、キシレン8部、ラジカル重合開始剤(K−2)1.65部の原料混合液をスタティックミキサーを用いてラインブレンドした後、100部/分の速度で後述するオーバーフロー反応液の一部(Z)と合流させ反応容器へ連続的に送液した。一方重合槽からは、反応液を2,100部/分でオーバーフローさせ、オーバーフローさせたポリマーポリオールを含む反応液の一部(Z)は、130℃に冷却しながら反応容器へ入る直前の原料混合液に2,000部/分の速度で合流させて重合槽へ送液した。この操作を連続的に行い、130℃にて重合させポリマーポリオール中間体(BA4−3)を得た。(BA4−3)から未反応モノマーとキシレンを2,666〜3,999Pa(20〜30torr)で2時間、減圧下ストリッピングして、ポリマーポリオール(A−4)を得た。重合体(A−4)について、実施例1と同様に測定、評価した。結果を表1に示す。
実施例1において、第I工程で、ポリオール(PL−1)406部およびポリオール(PL−3)29.0部の代わりに、ポリオール(PL−1)391部およびポリオール(PL−3)44.0部、第II工程で、ポリオール(PL−1)37部およびポリオール(PL−3)3部の代わりに、ポリオール(PL−1)36部およびポリオール(PL−3)4部を用いた以外は実施例1と同様にして、ポリマーポリオール(A−5)を得た。(A−5)について、実施例1と同様に測定、評価した。結果を表1に示す。
〔第I工程〕 SUS製耐圧反応容器に、25℃で、ポリオール(PL−1)406部、ポリオール(PL−3)29部、ACN56.9部、St111.7部、アリルアルコールPO2.2モル付加物7.9部、ジビニルベンゼン0.51部、分散剤(B−1)58.0部およびキシレン31.6部を入れ、撹拌下100℃に温度調整した。ここにラジカル重合開始剤(K−1)1.69部、(K−2)0.51部および(K−3)0.17部をキシレン12部に溶解させた液を5秒間で仕込んで混合し、重合を開始させた。ラジカル重合開始剤溶液投入後、重合反応は1分以内に速やかに開始し、約6分で最高到達温度約160℃に到達した。該温度に到達してから150〜170℃で約10分間熟成させた後、25℃に冷却して、ポリマーポリオール中間体(BA6−1)を得た。
〔第II工程〕 引き続いて反応容器に、25℃で、ポリオール(PL−1)37部、ポリオール(PL−3)3部、ACN66.9部、St131.3部、アリルアルコールPO2.2モル付加物8.5部およびジビニルベンゼン0.59部を入れ、撹拌下、95℃に温度調整した。ここに(K−1)1.98部、(K−2)0.59部、および(K−3)0.20部をキシレン13.9部に溶解させた液を5秒間で仕込んで混合し、重合を開始させた。ラジカル重合開始剤溶液投入後、重合反応は1分以内に速やかに開始し、約6分で最高到達温度約160℃に到達した。該温度に到達してから150〜170℃で約10分間熟成させた後、25℃に冷却して、ポリマーポリオール中間体(BA6−2)を得た。
〔第III工程〕 引き続いて反応容器に、25℃で、ACN71.9部、St141.1部、アリルアルコールPO2.2モル付加物8.5部およびジビニルベンゼン0.64部を入れ、撹拌下、90℃に温度調整した。ここに(K−1)2.13部、(K−2)0.64部、(K−3)0.21部および(K−4)0.21部をキシレン16部に溶解させた液を5秒間で仕込んで混合し、重合を開始させた。ラジカル重合開始剤溶液投入後、重合は1分以内に速やかに開始し、約6分で最高到達温度約160℃に到達した。該温度に到達してから150〜170℃で約10分間熟成させた後、25℃に冷却して、ポリマーポリオール中間体(BA6−3)を得た。(BA6−3)から未反応モノマーとキシレンを2,666〜3,999Pa(20〜30torr)で2時間、減圧下ストリッピングして、ポリマーポリオール(A−6)を得た。前記の測定、評価方法で(A−6)を評価した。結果を表1に示す。
実施例1において、第I工程、第II工程、第III工程で、アリルアルコールPO2.2モル付加物の部数を0部にした以外は実施例1と同様にして、ポリマーポリオール(A−7)を得た。(A−7)について、実施例1と同様に測定、評価した。結果を表1に示す。
〔第1工程〕 温度調節器、バキューム攪拌翼、滴下ポンプ、減圧装置、ジムロート冷却管、窒素流入口および流出口を備えた4口フラスコに、ポリオール(PL−1)239部、ポリオール(PL−4)57部、分散剤(B−1)57.4部およびキシレン124部を投入し、窒素置換後、窒素雰囲気下(重合終了まで)で撹拌下130℃に昇温した。ついで、ポリオール(PL−1)142部、ACN105部、スチレン245部、ジビニルベンゼン0.35部、アリルアルコールPO2.2モル付加物40.3部、分散剤(B−1)17.5部、(K−2)3.50部およびキシレン10.5部を予め混合したモノマー含有混合液(Z1)を滴下ポンプを用いて25部/分の速度で連続的に滴下し、滴下終了後さらに130℃で30分重合させた。さらに、25℃に冷却し、ポリマーポリオール中間体(BA8−1)を得た。
〔第2工程〕 連続重合装置(送液ライン、オーバーフローラインを接続した2LのSUS製耐圧反応容器)を2槽用意し、1槽目のオーバーフローラインを2槽目の重合槽の入口と接続し直列に配置する。1槽目および2槽目の重合槽にそれぞれ、あらかじめポリオール(PL−1)2000部を充液し、130℃に昇温した。ポリマーポリオール中間体(BA8−1)127.8部、ポリオール(PL−1)196部、ポリオール(PL−4)11部、ACN29.0部、スチレン67.7部、ジビニルベンゼン1.21部、アリルアルコールPO2.2モル付加物6.8部、(B−1)29.0部、(K−2)0.97部およびキシレン39.9部を混合した原料混合液(G1−1)をスタティックミキサーを用いてラインブレンドした後、113部/分の送液速度で1槽目の重合槽へ連続的に送液し、重合槽からオーバーフローさせポリマーポリオール中間体(BA8−2)を得た。1槽目の重合槽からオーバーフローさせたポリマーポリオール中間体(BA8−2)は113部/分の送液速度で2槽目の重合槽へ連続的に送液した。
〔第3工程〕 1槽目の重合槽から113部/分の送液速度の速度でオーバーフローさせたポリマーポリオール中間体(BA8−2)とポリオール(PL−1)112部、ポリオール(PL−4)6部、ACN91.8部、スチレン214部、(K−2)3.06部およびキシレン9.2部を混合した原料混合液(G1−2)をスタティックミキサーを用いてラインブレンドした後、96.9部/分の送液速度の速度で2槽目の重合槽へ連続的に送液し、重合槽からオーバーフローさせた反応液をSUS製の受け槽にストックして、ポリマーポリオール中間体(BA8−3)を得た。(BA8−3)から未反応モノマーとキシレンを2,666〜3,999Pa(20〜30torr)で2時間、130〜140℃減圧下でストリッピングして、ポリマーポリオール(A−8)を得た。(A−8)について、実施例1と同様に測定、評価した。結果を表1に示す。
〔第I工程〕 SUS製耐圧反応容器に、25℃で、ポリオール(PL−1)316部、ポリオール(PL−3)4部、ACN45.0部、St108.7部、ジビニルベンゼン0.46部、分散剤(B−1)54.4部およびキシレン22.7部を入れ、撹拌下100℃に温度調整した。ここにラジカル重合開始剤(K−1)1.53部、(K−2)0.46部および(K−3)0.15部をキシレン11部に溶解させた液を5秒間で仕込んで混合し、重合を開始させた。ラジカル重合開始剤溶液投入後、重合反応は1分以内に速やかに開始し、約6分で最高到達温度約160℃に到達した。該温度に到達してから150〜170℃で約10分間熟成させた後、25℃に冷却して、ポリマーポリオール中間体(BAR1−1)を得た。
〔第II工程〕 引き続いて反応容器に、25℃で、ポリオール(PL−1)39部、ポリオール(PL−3)1部、ACN55.0部、St131.9部およびジビニルベンゼン0.56部を入れ、撹拌下、95℃に温度調整した。ここに(K−1)1.87部、(K−2)0.56部、および(K−3)0.19部をキシレン13.1部に溶解させた液を5秒間で仕込んで混合し、重合を開始させた。ラジカル重合開始剤溶液投入後、重合反応は1分以内に速やかに開始し、約6分で最高到達温度約160℃に到達した。該温度に到達してから150〜170℃で約10分間熟成させた後、25℃に冷却して、ポリマーポリオール中間体(BAR1−2)を得た。
〔第III工程〕 引き続いて反応容器に、25℃で、ACN60.0部、St143.9部およびジビニルベンゼン0.61部を入れ、撹拌下、90℃に温調した。ここに(K−1)2.04部、(K−2)0.61部、(K−3)0.20部および(K−4)0.20部をキシレン15.3部に溶解させた液を5秒間で仕込んで混合し、重合を開始させた。ラジカル重合開始剤溶液投入後、重合は1分以内に速やかに開始し、約6分で最高到達温度約160℃に到達した。該温度に到達してから150〜170℃で約10分間熟成させた後、25℃に冷却して、ポリマーポリオール中間体(BAR1−3)を得た。(BAR1−3)から未反応モノマーとキシレンを2,666〜3,999Pa(20〜30torr)で2時間、減圧下ストリッピングして、ポリマーポリオール(R−1)を得た。前記の測定、評価方法で(R−1)を評価した。結果を表1に示す。
〔第I工程〕 SUS製耐圧反応容器に、25℃で、ポリオール(PL−1)377部、ポリオール(PL−3)73.0部、ACN100.0部、St34.6部、アリルアルコールPO2.2モル付加物7.4部、ジビニルベンゼン0.40部、分散剤(B−1)43.8部およびキシレン32.5部を入れ、撹拌下100℃に温度調整した。ここにラジカル重合開始剤(K−1)1.35部、(K−2)0.40部および(K−3)0.13部をキシレン9部に溶解させた液を5秒間で仕込んで混合し、重合を開始させた。ラジカル重合開始剤溶液投入後、重合反応は1分以内に速やかに開始し、約6分で最高到達温度約160℃に到達した。該温度に到達してから150〜170℃で約10分間熟成させた後、25℃に冷却して、ポリマーポリオール中間体(BAR2−1)を得た。
〔第II工程〕 引き続いて反応容器に、25℃で、ポリオール(PL−1)34部、ポリオール(PL−3)6部、ACN110.0部、St38.1部、アリルアルコールPO2.2モル付加物7.7部およびジビニルベンゼン0.44部を入れ、撹拌下、95℃に温度調整した。ここに(K−1)1.48部、(K−2)0.44部、および(K−3)0.15部をキシレン10.4部に溶解させた液を5秒間で仕込んで混合し、重合を開始させた。ラジカル重合開始剤溶液投入後、重合反応は1分以内に速やかに開始し、約6分で最高到達温度約160℃に到達した。該温度に到達してから150〜170℃で約10分間熟成させた後、25℃に冷却して、ポリマーポリオール中間体(BAR2−2)を得た。
〔第III工程〕 引き続いて反応容器に、25℃で、ACN115.0部、St39.8部、アリルアルコールPO2.2モル付加物7.7部およびジビニルベンゼン0.46部を入れ、撹拌下、90℃に温度調整した。ここに(K−1)1.55部、(K−2)0.46部、(K−3)0.15部および(K−4)0.15部をキシレン11.6部に溶解させた液を5秒間で仕込んで混合し、重合を開始させた。ラジカル重合開始剤溶液投入後、重合は1分以内に速やかに開始し、約6分で最高到達温度約160℃に到達した。該温度に到達してから150〜170℃で約10分間熟成させた後、25℃に冷却して、ポリマーポリオール中間体(BAR2−3)を得た。(BAR2−3)から未反応モノマーとキシレンを2,666〜3,999Pa(20〜30torr)で2時間、減圧下ストリッピングして、ポリマーポリオール(R−2)を得た。前記の方法で(R−2)を測定、評価した。結果を表1に示す。
実施例1の第I工程にて得られた(H−1)から未反応モノマーとキシレンを実施例1と同様の方法にて減圧下ストリッピングして、ポリマーポリオール(R−3)を得た。(R−3)について、実施例1と同様に測定、評価した。結果を表1に示す。
実施例1において、第I工程でポリオール(PL−1)413部およびポリオール(PL−3)22部の代わりに、ポリオール(PL−1)435部、第II工程で、ポリオール(PL−1)38部およびポリオール(PL−3)2部の代わりに、ポリオール(PL−1)40部を用いた以外は実施例1と同様にして、ポリマーポリオール(R−4)を得た。(R−4)について、実施例1と同様に測定、評価した。結果を表1に示す。
実施例1〜8で得られたポリマーポリオール(A−1〜A−8)および比較例1〜4で得られた比較のポリマーポリオール(R−1〜R−4)を使用し、表2記載の配合比で、以下に示す発泡処方によりポリウレタンフォームを製造した。これらのフォームの物性を下記の方法により評価した。結果を表2に示す。
<発泡処方>
〔1〕 ポリマーポリオール、ポリオール(PL−1)およびポリイソシアネートをそれぞれ25±2℃に温度調整した。
〔2〕 ポリマーポリオール、ポリオール(PL−1)、整泡剤、水、触媒の順で容量1Lのステンレス製ビーカーに仕込み、25℃±2℃で撹拌混合し、直ちにポリイソシアネートを加え、撹拌機〔ホモディスパー、特殊機化(株)製〕を用いて撹拌した(撹拌条件:2,000rpm×8秒間)。
〔3〕 撹拌停止後、25×25×10cmの木箱(25℃±2℃)に混合したビーカー内容物を投入して発泡させ、ポリウレタンフォームを得た。
(1)密度(kg/m3):JIS K6400−1997〔項目5〕に準拠。
(2)25%ILD(硬度)(kgf/314cm2):JIS K6382−1995〔項目5.3〕に準拠。
(3)引張強度(kgf/cm2):JIS K6301−1995〔項目3〕に準拠。
(4)引裂強度(kgf/cm):JIS K6301−1995〔項目9〕に準拠
(5)切断伸度(%):JIS K6301−1995〔項目3〕に準拠
(6)圧縮永久歪(%):JIS K6382−1995〔項目5.5〕に準拠。
(7)通気性(cc/cm2/s):JIS K6400−7:2004に準拠。
なお、通常ポリウレタンフォームの物性としては、25%ILD、引張強度、引裂強度、切断伸度及び通気性は数値が大きいほど、また、圧縮永久歪は数値が小さいほど良好であることを表す。
本発明のポリウレタン形成性組成物から形成されるポリウレタンは、各種の幅広い用途に使用されるが、とくにポリウレタンフォームとして自動車内装部品や家具の室内調度品等に好適に用いられる。
Claims (6)
- エチレン性不飽和化合物(E)を構成単位とする重合体粒子(JR)がポリオール(PL)中に含有されてなるポリマーポリオールにおいて、(PL)中の分子末端水酸基に基づく分子末端1級水酸基の割合が2〜10モル%であり、かつ、(PL)の重量に基づく、下記一般式(1)で表される1級水酸基含有分子末端を有するポリオール(PL1)の割合が2〜10%であることを特徴とするポリマーポリオール(A)。
- 重合体粒子(JR)の含有量がポリマーポリオール(A)の重量に基づいて40〜60%である請求項1に記載のポリマーポリオール。
- エチレン性不飽和化合物(E)が、(E)の重量に基づいて0.1〜40重量%のアクリロニトリルを含有してなる請求項1又は2記載にポリマーポリオール(A)。
- エチレン性不飽和化合物(E)が、0.1〜10重量%の末端不飽和アルコール(炭素数3〜24)のアルキレン(アルキレン基の炭素数2〜8)オキサイド付加物を含有してなる請求項1〜3のいずれかに記載のポリマーポリオール。
- ポリオール成分とイソシアネート成分とを反応させることからなるポリウレタンの製造方法において、ポリオール成分が請求項1〜4のいずれかに記載のポリマーポリオールをポリオール成分の重量に基づいて、10〜100重量%含有することを特徴とするポリウレタンの製造方法。
- 請求項1〜4のいずれか記載のポリマーポリオールをポリオール成分の重量に基づいて、10〜100重量%含有してなるポリオール成分とイソシアネート成分から形成されてなるポリウレタン。
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