JP2008265375A - スライドドア装置 - Google Patents

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Yuji Kita
裕治 北
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Abstract

【課題】ドア完閉時におけるスライドドアの上下方向及び車幅方向へのガタツキを抑えることができ、且つ経年によるドア下がりを抑制することのできるスライドドア装置を提供する。
【解決手段】スライドドア1に設けたロアローラブラケット5に揺動可能に取り付けられたロアガイドローラ4を、車体に設けたロアガイドレール3に案内させて前記スライドドア1を開閉自在にスライドさせるスライドドア装置である。スライドドア1の閉状態時に、該スライドドア1を下から支えるドア支持手段を有し、そのドア支持手段をスライドドア1の真下近傍部に設けた。ドア支持手段は、ロアローラブラケット5に取り付けられたドア支持ブラケット9と、このドア支持ブラケット9に回動自在に取り付けられたドア支持ローラ10と、スライドドア1の開閉軌跡に沿って転動する前記ドア支持ローラ10をガイドする車体に固定されたドア支持板11と、からなる。
【選択図】図3

Description

本発明は、自動車のドアを車両前後方向にスライドさせて開閉自在としたスライドドア装置に関する。
スライドドア装置は、スライドドアを完全に閉めた状態とする全閉時において、走行中の振動によりスライドドアが上下方向及び車幅方向に振れ易く、走行時に騒音が発生するという課題がある。この課題を解決する技術として、例えば、特許文献1に記載されたような技術を、本願出願人が提案している。
かかる特許文献1に記載の技術は、車体上部に固定されたアッパガイドレールに沿って転動するアッパガイドローラが取り付けられたガイドローラブラケットに突起部を設け、その突起部をアッパガイドレールの先端に固定したブラケットに形成した穴に嵌合させることにより、アッパガイドレールとアッパガイドローラとの位置関係を規制して前記アッパガイドローラの振れを防止することで、走行中のスライドドアの振れを抑制する。
特開2005−145341号公報
しかし、特許文献1に記載の技術では、スライドドアのドア閉時における調整が難しい。
また、特許文献1に記載の技術では、ドア全閉時において突起とこの突起を嵌合させる穴とが強嵌合となり、スライドドアのロック解除時に騒音が発生することがある。さらに、突起と穴の取り付け位置を調整する作業が面倒で、その調整作業に長時間と熟練を要するという課題もある。
そこで、本発明は、ドア全閉時におけるスライドドアの上下方向及び車幅方向へのガタツキを抑えることができ、且つ経年によるドア下がりを抑制することのできるスライドドア装置を提供することを目的とする。
本発明は、スライドドアに設けたロアローラブラケットに揺動可能に取り付けられたロアガイドローラを、車体に設けたロアガイドレールに案内させて前記スライドドアを開閉自在にスライドさせるスライドドア装置において、前記スライドドアの閉状態時に、該スライドドアを下から支えるドア支持手段を有し、そのドア支持手段を前記スライドドアの真下近傍部に設けたことを特徴とする。
本発明のスライドドア装置によれば、スライドドアの閉状態時にスライドドアを下から支えるドア支持手段を、スライドドアの真下近傍部に設けたので、スライドドアの真下に近い箇所で当該スライドドアを支持できることからドア全閉時におけるスライドドアと車体との間のバラツキ(上下方向及び車幅方向のガタツキ)を抑えることができる。
また、本発明のスライドドア装置によれば、ドア支持手段でスライドドアを下から支えるため、経年によるドア下がりを抑制することができる。
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
「スライドドア装置の構成」
図1は本実施の形態のスライドドア装置を適用した自動車のドア部分を示す側面図、図2は本実施の形態のスライドドア装置を適用したスライドドアの側面図、図3はドア全閉時におけるスライドドア装置を車両外側から車両内側に向けて見たときの要部拡大斜視図、図4はドア全閉時におけるスライドドア装置を車両内側から車両外側に向けて見たときの要部拡大斜視図、図5はドア全閉時におけるスライドドア装置を車両後方から車両前方に向けて見たときの側面図、図6は本実施の形態のスライドドア装置の斜視図、図7はドア支持ローラをガイドするドア支持板が車体に取り付けられた部分を示す要部拡大斜視図である。
本実施の形態は、図1に示すように、車体側面と平行に車両前後方向にスライドするスライドドア1を有した自動車2のスライドドア装置に本発明を適用したものである。スライドドア装置は、スライドドア1の前側上部と前側下部及び後側中間部にそれぞれ設けたローラブラケットに揺動可能に取り付けられたガイドローラを、車体側面の開口部の上縁部と下縁部及び開口部後方にそれぞれ設けたガイドレールに案内させて、前記スライドドア1を開閉自在にスライドさせる装置である。以下、図2のスライドドア1の下部に設けられたスライドドア機構部に関して説明する。
自動車2の車体側面の開口部の下縁部には、図3及び図4に示すように、ロアガイドレール3が設けられている。ロアガイドレール3は、例えばロールフォーミング加工などにより車体外側に開口する略コ字状(角張ったC字形状)の断面としたレールとして形成されている。このロアガイドレール3は、スライドドア1の全閉時に該スライドドア1を車体内側へと変位させるために、先端部を車両内側に湾曲させている。
スライドドア1の前側下部には、図3から図6に示すように、前記ロアガイドレール3に案内されて転動する2つの水平ローラ4Aと、スライドドア1の荷重を支持する垂直ローラ4Bと、これら水平ローラ4A及び垂直ローラ4Bを回動可能に取り付けるロアローラブラケット5と、が取り付けられている。
水平ローラ4Aは、ロアローラブラケット5の先端部に設けられた支持軸6を中心として揺動自在とされたローラ取付け部材7に回動自在に取り付けられている。かかる水平ローラ4Aは、前記ローラ取付け部材7に軸支されたローラ支持軸8を中心として回動され、前記ロアガイドレール3の側方開口からその内部に挿入されて転動するようになっている。なお、水平ローラ4Aは、スライドドア1を安定してスライドをさせるために、ローラ取付け部材7に対して2つ設けられている。
垂直ローラ4Bは、前記した2つの水平ローラ4A、4A間に設けられている。かかる垂直ローラ4Bは、前記水平ローラ4Aのローラ支持軸8に対して垂直な方向に軸芯を前記ローラ取付け部材7に取り付けたローラ支持軸(図示は省略する)に回動自在とされている。この垂直ローラ4Bは、ロアガイドレール3内を転動することで、スライドドア1の荷重を下から支える。
ロアローラブラケット5は、重いスライドドア1を支えるべく両側壁を立ち上げた剛性体として形成され、前記スライドドア1の内側下端部に固定されている。このロアローラブラケット5は、図2に示すように、水平ローラ4Aが取り付けられた先端側部が自由端となるいわゆる片持ち梁状態とされる。そのため、本実施の形態では、重いスライドドア1を下から支えてドア全閉時におけるスライドドア1のガタツキを抑え且つ経年によるドア下がりを抑制するためのドア支持手段を設けている。
ドア支持手段は、図5から図7に示すように、ロアローラブラケット5に取り付けられたドア支持ブラケット9と、このドア支持ブラケット9に回動自在に取り付けられたドア支持ローラ10と、前記スライドドア1の開閉軌跡に沿って転動するドア支持ローラ10をガイドする車体に固定されたドア支持板11と、からなる。
ドア支持ブラケット9は、図2で示すスライドドア1の重心Gの車幅方向における真下近傍部となる位置の前記ロアローラブラケット5に取り付けられている。このドア支持ブラケット9は、ドア支持ローラ10とドア支持板11との接触位置が調整可能となるように、前記ロアローラブラケット5に対してその取り付け位置を可変できるようにされている。具体的には、ドア支持ブラケット9に長孔12を形成し、その長孔12にボルト13を挿通させ、該ボルト13をロアローラブラケット5に取り付けることで、前記ドア支持ブラケット9をロアローラブラケット5に対してその取り付け位置を可変自在としている。
ドア支持ローラ10は、ロアガイドローラ4とは反対側の位置に取り付けられるドア支持ブラケット9の先端部に軸支されたローラ支持軸14に回動自在とされている。かかるドア支持ローラ10は、ドア支持板11に支持されて前記スライドドア1の荷重を車体の内側かつ上方に向かって斜め方向から支えるように前記ドア支持ブラケット9に対して斜めに取り付けられている。つまり、ドア支持ローラ10は、ドア支持ブラケット9の先端部9Aが斜め下方に折り曲げられ、その折り曲げられた先端部9Aに軸支されたローラ支持軸14に対して回動自在に取り付けられている。
なお、ドア支持ローラ10とローラ支持軸14は、スライドドア1の開閉操作力を出来るだけ小さなものとするために、転がり抵抗の少ないベアリングにより構成することが好ましい。
ドア支持板11は、スライドドア1の開閉軌跡に沿って転動するドア支持ローラ10をガイドし、ピラーインナー15のドア開口近傍部から車室内部へと伸びるように形成されている。このドア支持板11は、ピラーインナー15の内面に固定される固定部11Aと、ドア支持ローラ10を転動支持する車内床面側に傾斜するガイド部11Bとからなる。ガイド部11Bは、傾斜するドア支持ローラ10を転動させて支持する傾斜板として形成されている。このガイド部11Bには、ドア支持ローラ10が転動したときに発生する騒音を低減させるためのクッション部材16が設けられている。
「スライドドア装置の作用・効果」
以上のように構成されたスライドドア装置を備えたスライドドア1は、ドア開状態からドアを閉める動作がなされると、スライドドア1の前側上部、前側下部及び後側中間部に設けられたアッパローラブラケット(図示は省略する)、ロアローラブラケット5及びリアローラブラケット(図示は省略する)にそれぞれ回動自在に取り付けられたアッパガイドローラ(図示は省略する)、ロアガイドローラ4及びリアガイドローラ(図示は省略する)のぞれぞれが、車体側に設けられたアッパガイドレール(図示は省略する)、ロアガイドレール3及びリアガイドレール(図示は省略する)に転動されながらこれらアッパガイドレール、ロアガイドレール3及びリアガイドレールに案内されて車両前方へと車体側面に平行にスライドされて行く。
スライドドア1が車両前方へスライドされロアガイドローラ4が屈曲形状とされたロアガイドレール3の先端側部に到達すると、車両内側に向いて屈曲したロアガイドレール3に沿ってスライドドア1が車両内側前方へと引き込まれて行く。このとき、ロアローラブラケット5に取り付けられたドア支持ローラ10が、ピラーインナー15に設けられたドア支持板11のガイド部11Bに対して接触しスライドドア1の開閉軌跡に沿ってこのガイド部11B上を転動する。
ドア支持ローラ10がドア支持板11のガイド部11B上を転動することで、片持ち梁状態のロアローラブラケット5が、これらガイド部11B及びドア支持ローラ10で支えられる。このとき、ドア支持ローラ10がガイド部11B上を転動する位置は、スライドドア1の重心Gの真下近傍部であるため、出来る限りスライドドア1の荷重をドア本体真下近傍部で受けることが可能となる。
これにより、スライドドア1の上下方向(車両高さ方向)及び車幅方向のがたつきを抑えることができると共に経年によるドア下がりを抑制することができる。また、スライドドア1の真下近傍部でスライドドア1を支えることができるため、前記ロアガイドローラ4とその取り付け部分の剛性に大きく依存する必要が無くなり、これらの部位への負荷を低減することが可能となる。さらに、ドア支持ローラ10とローラ支持軸14は、転がり抵抗の少ないベアリングで構成されているため、スライドドア1の開閉時におけるスライド操作力を小さなものとすることができる。
また、ドア支持ローラ10は、スライドドア1の荷重を斜め方向から支えるようにドア支持ブラケット9に対して斜めに取り付けられており、しかもロアローラブラケット5に対してその取り付け位置が可変自在とされているので、スライドドア1が車両上下方向または車幅方向にバラツキを有していてもそれらのバラツキを吸収することができる。
また、ドア支持ブラケット9のドア支持ローラ10が転動するガイド部11Bにクッション部材16が設けられているため、スライドドア1の開閉操作時の騒音を低減することができる。
スライドドア1が完全に閉まった全閉時では、ドア支持板11の斜めに形成されたガイド部11Bにドア支持ローラ10が接触することで、スライドドア1を車幅方向内側へ押さえることができると共にスライドドア1を車両上方へ押し付けることができる。したがって、ドア全閉時におけるスライドドアと車体との間のバラツキ(上下方向及び車幅方向のガタツキ)が無くなり、振動による騒音も無くせる。
以上、本発明を適用した具体的な実施の形態について説明したが、上述の実施の形態は本発明の一例であり、この実施の形態に本発明が制限されるものではない。
本実施の形態のスライドドア装置を適用した自動車のドア部分を示す側面図である。 本実施の形態のスライドドア装置を適用したスライドドアの側面図である。 ドア全閉時におけるスライドドア装置を車両外側から車両内側に向けて見たときの要部拡大斜視図である。 ドア全閉時におけるスライドドア装置を車両内側から車両外側に向けて見たときの要部拡大斜視図である。 ドア全閉時におけるスライドドア装置を車両後方から車両前方に向けて見たときの側面図である。 本実施の形態のスライドドア装置の斜視図である。 ドア支持ローラをガイドするドア支持板が車体に取り付けられた部分を示す要部拡大斜視図である。
符号の説明
1…スライドドア
2…自動車
3…ロアガイドレール
4A…水平ローラ
4B…垂直ローラ
5…ロアローラブラケット
9…ドア支持ブラケット
10…ドア支持ローラ
11…ドア支持板
12…長孔
15…ピラーインナー
16…クッション部材

Claims (5)

  1. スライドドアに設けたロアローラブラケットに揺動可能に取り付けられたロアガイドローラを、車体に設けたロアガイドレールに案内させて前記スライドドアを開閉自在にスライドさせるスライドドア装置であって、、
    前記スライドドアの閉状態時に、該スライドドアを下から支えるドア支持手段を有し、そのドア支持手段を前記スライドドアの真下近傍部に設けた
    ことを特徴とするスライドドア装置。
  2. 請求項1に記載のスライドドア装置であって、
    前記ドア支持手段は、前記ロアローラブラケットに取り付けられたドア支持ブラケットと、このドア支持ブラケットに回動自在に取り付けられたドア支持ローラと、前記スライドドアの開閉軌跡に沿って転動する前記ドア支持ローラをガイドする車体に固定されたドア支持板と、からなる
    ことを特徴とするスライドドア装置。
  3. 請求項2に記載のスライドドア装置であって、
    前記ドア支持板は、車体に固定される固定部と、前記ドア支持ローラを転動支持する車内床面側に傾斜するガイド部を有し、
    前記ドア支持ローラは、前記ガイド部に転動支持されて前記スライドドアの荷重を斜め方向から支えるように前記ドア支持ブラケットに対して斜めに取り付けられた
    ことを特徴とするスライドドア装置。
  4. 請求項2または請求項3に記載のスライドドア装置であって、
    前記ドア支持板の前記ドア支持ローラが転動するガイド部にクッション材が設けられた
    ことを特徴とするスライドドア装置。
  5. 請求項2から請求項4の何れか一つに記載のスライドドア装置であって、
    前記ドア支持ブラケットは、前記ロアローラブラケットに対してその取り付け位置が可変自在とされ、前記ドア支持ローラと前記ドア支持板との接触位置を調整可能とした
    ことを特徴とするスライドドア装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016002831A (ja) * 2014-06-16 2016-01-12 スズキ株式会社 車両用スライドドアのロアアーム周辺構造

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