JP2008265013A - 液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置、液滴吐出ヘッドの製造方法及び液滴吐出装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易な構造及び簡易な製造プロセスでノズル間ピッチの増大を低減しつつ、吐出エネルギーを増大させることでインク吐出性能の向上を図るようにした液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置、液滴吐出ヘッドの製造方法及び液滴吐出装置の製造方法を提供する。
【解決手段】液滴吐出ヘッド100は、インクノズル9と、インクノズル9に連通し、底壁が振動板5となる圧力室6とからなる液体流路が形成されたキャビティプレート3と、振動板5にギャップ15を隔てて対向し、振動板5を駆動する個別電極11が形成された電極ガラス基板4とを接合した積層基板の2つを、各振動板5が圧力室6に対して対称位置となるようにキャビティプレート3同士で接合させたことを特徴とする。
【選択図】図4
【解決手段】液滴吐出ヘッド100は、インクノズル9と、インクノズル9に連通し、底壁が振動板5となる圧力室6とからなる液体流路が形成されたキャビティプレート3と、振動板5にギャップ15を隔てて対向し、振動板5を駆動する個別電極11が形成された電極ガラス基板4とを接合した積層基板の2つを、各振動板5が圧力室6に対して対称位置となるようにキャビティプレート3同士で接合させたことを特徴とする。
【選択図】図4
Description
本発明は、インクやその他の液体を吐出する液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置、液滴吐出ヘッドの製造方法及び液滴吐出装置の製造方法に関し、特にインクやその他の液体を吐出する際の吐出エネルギーの向上を図った液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置、液滴吐出ヘッドの製造方法及び液滴吐出装置の製造方法に関する。
近年、シリコン等を加工して微小な素子等を形成する微細加工技術(MEMS:Micro Electro Mechanical Systems)が急速に進歩している。この微細加工技術により形成される微細加工素子としては、たとえば、液滴吐出方式のプリンタのような記録(印刷)装置で用いられている液滴吐出ヘッド(インクジェットヘッド)やマイクロポンプ、光可変フィルタ、モータのような静電アクチュエータ、圧力センサ等がある。このうち、液滴吐出装置(インクジェット記録装置)のインク液滴を吐出させる方式には、静電気力を駆動手段に利用する方式(静電駆動方式)や、圧電振動子を駆動手段に利用する方式、発熱素子を駆動手段に利用する方式等がある。
その中でも特に、静電駆動方式によりインク液滴を吐出させる液滴吐出装置は、チップサイズの小型高密度化、印字性能の高品質化及び長寿命化できるという点で優れているという特徴を有している。このような液滴吐出装置に搭載されているインクジェットヘッドは、一般に、インク液滴を吐出するための複数のノズル孔が形成されたノズルプレートと、このノズルプレートに接合され、ノズル孔に連通する圧力室、リザーバ等のインク流路が形成されたキャビティプレートとを備え、駆動部により圧力室に圧力を加えることによりインク液滴を選択されたノズル孔より吐出するように構成されている。
このように構成されたインクジェットヘッドに対しては、印字や画質等の高品位化の要求が一段と強くなってきているとともに、ノズル孔の高密度化及びインク吐出性能の向上の要求も強くなってきている。インク吐出性能を向上させるためには、ノズル孔から吐出されるインクの直進性を高めるべくインク吐出時の吐出エネルギーを増大させることが望ましい。そこで、インク吐出時における吐出エネルギーの増大を図るようにしたインクジェットヘッドが種々提案されている。
ノズル孔の高密度化を図るものとして、「インク滴を吐出するための複数のノズルと、該ノズルのそれぞれに連通する圧力室と、該圧力室の少なくとも一方の壁を構成する振動板と、該圧力室にインクを供給する共通のインク室と、該振動板に変形を生じさせる駆動手段とを備え、前記駆動手段が前記振動板を静電気力により変形させる電極からなるインクジェットヘッドにおいて、(100)面方位のSi単結晶基板を構成部材とし、該Si単結晶基板の一方の面と他方の面のそれぞれに複数個の前記ノズルが等間隔に形成されている」インクジェットヘッドが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
また、インク吐出性能の向上を図るものとして、「電極と、該電極に第1の空隙を隔てて対向する第1の振動板と、該第1の振動板に前記電極と反対側で第2の空隙を隔てて対向する第2の振動板とを有し、前記電極と前記第1の振動板との間と、前記第1の振動板と前記第2の振動板との間とに、それぞれ電圧を印加することにより、前記電極と前記第1の振動板との間と、前記第1の振動板と前記第2の振動板との間とにそれぞれ静電引力を生じさせて、前記第1の振動板及び前記第2の振動板を同期的に駆動するように構成した」インクジェットヘッドが提案されている(たとえば、特許文献2参照)。
特許文献1には、Si単結晶基板の両面にインク吐出用ノズルを、Si単結晶基板端面において千鳥状になるように配置、加工する基本的なプロセスでインクジェットヘッドを作成することが記載されている。このプロセスでは、Si単結晶基板の両面加工によりノズル間隔を小さくすることができ、ノズル孔の高密度化を実現することが可能となっている。しかしながら、ノズル孔の高密度化を実現することはできるものの、アクチュエータとしてのインク吐出特性の向上を図るものではなかった。つまり、信頼性の高いインクジェットヘッドを形成するためには、更なる改良が課題として残っていた。
特許文献2に記載のインクジェットヘッドは、2つの空隙をもつ静電アクチュエータを搭載し、2つの空隙それぞれに電界印加し、同期駆動するようにしたものである。このようにすることで、駆動電圧を抑制しつつ、振動板の面積を小さくすることができ、振動板の変位量の低下を防止して、十分な吐出エネルギーを発生させることを可能としている。このインクジェットヘッドの製造プロセスには、振動板の厚み、あるいは空隙の加工精度のコントロールに課題が残っていた。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、簡易な構造及び簡易な製造プロセスでノズル間ピッチの増大を低減しつつ、吐出エネルギーを増大させることでインク吐出性能の向上を図るようにした液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置、液滴吐出ヘッドの製造方法及び液滴吐出装置の製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る液滴吐出ヘッドは、インクノズルと、前記インクノズルに連通し、底壁が振動板となる圧力室とからなる液体流路が形成されたキャビティプレートと、前記振動板にギャップを隔てて対向し、前記振動板を駆動する個別電極が形成された電極ガラス基板とを接合した積層基板の2つを、各振動板が前記圧力室に対して対称位置となるように前記キャビティプレート同士で接合させたことを特徴とする。したがって、ノズル間ピッチの増大を抑制しつつ、圧力室の容量を増加させることができるので、吐出エネルギーを増大させ、インク吐出性能の向上を図ることができる。
本発明に係る液滴吐出ヘッド、前記インクノズルを、前記キャビティプレートの端面に開口させたことを特徴とする。したがって、インクノズルを圧力室と併せて加工することができるので、インクノズルのみを形成する製造工程を省略でき、製造工程の簡略化が実現できる。
本発明に係る液滴吐出ヘッドは、前記インクノズルと連通するノズル孔を形成したノズル基板を前記キャビティプレートの端面側に接合させたことを特徴とする。したがって、インクノズル及びノズル孔を経由して、インク等の液滴を吐出することができ、液滴の吐出性能を更に向上させることができる。
本発明に係る液滴吐出ヘッドは、前記圧力室に対して対称位置となっている各振動板に対向する個別電極への電荷の供給及び停止を同期させることを特徴とする。したがって、大きくした圧力室の容量を活用し、吐出エネルギーの増大を図ることができる。
本発明に係る液滴吐出装置は、上記の液滴吐出ヘッドを搭載したことを特徴とする。したがって、上記の液滴吐出ヘッドが有する効果を全部有することになるとともに、インク等の液滴の吐出性能が高く、信頼性の高いものとすることができる。
本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法は、インクノズルと、前記インクノズルに連通し、底壁が振動板となる圧力室とからなる液体流路が形成されたキャビティプレートと、前記振動板にギャップを隔てて対向し、前記振動板を駆動する個別電極が形成された電極ガラス基板とを接合して積層基板を形成し、前記積層基板の2つを、各振動板が前記圧力室に対して対称位置となるように前記キャビティプレート同士で接合させ、前記インクノズルを前記キャビティプレートの端面に開口させることを特徴とする。したがって、製造行程を複雑にすることなく、圧力室の容量を増大させることができるので、吐出エネルギーを増大させ、インク吐出性能の向上を図ることができる。
本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法は、各キャビティプレートと同一基板上にアライメントマークを形成し、前記アライメントマークを重ね合わせることで、前記キャビティプレート同士を接合させることを特徴とする。したがって、アライメントのための特別な行程を経ることなく、容易にアライメントマークを形成することができるとともに、高精度でアライメントすることが可能になる。
本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法は、前記アライメントマークを、前記キャビティプレートの中心対称となる位置に少なくとも2つ以上形成することを特徴とする。したがって、積層基板の貼り合わせ精度を高いものとすることができ、インク等の液滴の吐出性能が高く、信頼性を高いものとすることができる。
本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法は、前記アライメントマークを、赤外顕微鏡を使用して確認することを特徴とする。これによって、貼り合わせる基板それぞれの接合面側に形成されたアライメントマークを基板越しに視認することができ、貼り合わせ位置調整をより高精度にかつ容易に行うことができる。
本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法は、前記積層基板の2つを接合した後、前記インクノズルと連通するノズル孔を形成したノズル基板を前記キャビティプレートの端面側に接合させることを特徴とする。したがって、インクの吐出性能を更に向上させることができる。
本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法は、前記キャビティプレート同士を接合する前、各キャビティプレートに、インクリザーバと、前記インクリザーバに液滴を供給するためのインク取り入れ口を形成し、前記キャビティプレート同士を接合した後、一方のインク取り入れ口を塞ぐようにすることを特徴とする。したがって、同一行程で作製した積層基板を貼り合わせることができるので、製造行程の簡略化が実現する。
本発明に係る液滴吐出装置の製造方法は、上記の液滴吐出ヘッドの製造方法を適用して液滴吐出装置を製造することを特徴とする。したがって、上記の液滴吐出ヘッドの製造方法が有する効果を全部有するとともに、インク液滴の吐出性能及び信頼性の高い液滴吐出装置を製造することが可能となる。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る液滴吐出ヘッド100を分解して示す分解斜視図である。図2は、液滴吐出ヘッド100の断面構成を示す縦断面図である。図1及び図2に基づいて、液滴吐出ヘッド100の構成及び動作について説明する。この実施の形態1では、静電駆動方式で駆動する静電アクチュエータを搭載したデバイスの代表として、インク液滴を基板の外周側面に設けられたノズル孔から吐出させるエッジエジェクトタイプの液滴吐出ヘッドを例に説明するものとする。なお、図1を含め、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る液滴吐出ヘッド100を分解して示す分解斜視図である。図2は、液滴吐出ヘッド100の断面構成を示す縦断面図である。図1及び図2に基づいて、液滴吐出ヘッド100の構成及び動作について説明する。この実施の形態1では、静電駆動方式で駆動する静電アクチュエータを搭載したデバイスの代表として、インク液滴を基板の外周側面に設けられたノズル孔から吐出させるエッジエジェクトタイプの液滴吐出ヘッドを例に説明するものとする。なお、図1を含め、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。
図1及び図2に示すように、この液滴吐出ヘッド100は、2つの電極ガラス基板4の間に、2つのキャビティプレート3が挟まれるように接合され、構成されている。この液滴吐出ヘッド100は、電極ガラス基板4及びキャビティプレート3で構成された2つの静電アクチュエータ50が、対向するようにキャビティプレート3側で貼り合わせられて構成されている。つまり、それぞれ2つの電極ガラス基板4とキャビティプレート3とが4層に積層されて構成されているのである。これらの対向配置される各静電アクチュエータ50は、互いに略対称構造となるように形成されている。
なお、以下では、一方の静電アクチュエータ50を中心に説明するが、特に断りのない限り、対向配置される他方の静電アクチュエータ50も含んでいるものとする。また、たとえば、電極ガラス基板4とキャビティプレート3とはそれぞれ陽極接合により接合し、キャビティプレート3同士はエポキシ樹脂等の接着剤を用いて接合するとよい。さらに、液滴吐出ヘッド100の電極ガラス基板4に形成する個別電極11は、図示省略のドライバIC等の電力供給手段によって駆動信号(パルス電圧)が供給されるようになっている。
[電極ガラス基板4]
電極ガラス基板4は、たとえば、厚さ1mmのホウ珪酸ガラス等のガラスを主要な材料として形成するとよい。ここでは、電極ガラス基板4がホウ珪酸ガラスで形成されている場合を例に示すが、電極ガラス基板4を単結晶シリコンで形成してもよい。この電極ガラス基板4の表面には、後述するキャビティプレート3の圧力室(吐出室)6の形状に合わせて複数のガラス溝12が形成されている。また、このガラス溝12の内部(特に底部)には、固定電極となる個別電極11が、一定の間隔を有してキャビティプレート3の各圧力室6(振動板5)と対向するように作製されている。
電極ガラス基板4は、たとえば、厚さ1mmのホウ珪酸ガラス等のガラスを主要な材料として形成するとよい。ここでは、電極ガラス基板4がホウ珪酸ガラスで形成されている場合を例に示すが、電極ガラス基板4を単結晶シリコンで形成してもよい。この電極ガラス基板4の表面には、後述するキャビティプレート3の圧力室(吐出室)6の形状に合わせて複数のガラス溝12が形成されている。また、このガラス溝12の内部(特に底部)には、固定電極となる個別電極11が、一定の間隔を有してキャビティプレート3の各圧力室6(振動板5)と対向するように作製されている。
このガラス溝12は、その一部が個別電極11を装着できるように、これらの形状に類似したやや大きめの形状にパターン形成されている。また、この個別電極11は、たとえばITO(Indium Tin Oxide:インジウム錫酸化物)を0.1μmの厚さでスパッタして作製するとよい。さらに、個別電極11は、リード部18及び端子部19が一体となって作製されている。そして、個別電極11は、その一端(端子部19)が図示省略の電力供給手段と接続されており、その電力供給手段から個別電極11に駆動信号が供給されるようになっている。なお、特に区別する必要がない限り、リード部18と端子部19とを組み合わせて個別電極11として説明するものとする。
電極ガラス基板4とキャビティプレート3とを接合すると、キャビティプレート3の接合面(振動板5)と個別電極11との間には、振動板5が撓む(変位する)ことができる一定のギャップ(空隙)5が、ガラス溝12により形成されるようになっている。なお、電極ガラス基板4とキャビティプレート3と接合した後に、ギャップ5を封止するための封止材13を形成するとよい(図2参照)。また、電極ガラス基板4には、図示省略の外部のインクタンクから供給される液体を取り入れる流路となるインク取り入れ口14が設けられている。
さらに、電極ガラス基板4に作製される複数の個別電極11は、長辺及び短辺を有する長方形状に形成されており、互いの長辺が平行になるように配置されている。そして、個別電極11の短辺方向に伸びる2つの電極列を示している。なお、個別電極11の短辺が長辺に対して斜めに形成されており、個別電極11が細長い平行四辺形状になっている場合には、長辺方向に直角方向に伸びる電極列を形成すればよい。なお、液滴吐出ヘッド100の製造工程で詳細を説明するが、静電アクチュエータを対向配置させた際、いずれかの電極ガラス基板4に形成したインク取り入れ口14を塞ぐようにしてもよい。
[キャビティプレート3]
キャビティプレート3は、たとえば厚さ約50μm(マイクロメートル)のシリコン単結晶基板(以下、単にシリコン基板と称する)を主要な材料として構成されている。このキャビティプレート3には、底壁が振動板5となる圧力室6が複数形成されている。この圧力室6は、個別電極11の電極列に対応して形成されるようになっている。この複数の圧力室6は、図1の紙面手前側から紙面奥側にかけて平行に並んで形成されているものとする。また、キャビティプレート3には、各圧力室6にインク等の液滴を供給するためのインクリザーバ8となる凹部が形成されている。
キャビティプレート3は、たとえば厚さ約50μm(マイクロメートル)のシリコン単結晶基板(以下、単にシリコン基板と称する)を主要な材料として構成されている。このキャビティプレート3には、底壁が振動板5となる圧力室6が複数形成されている。この圧力室6は、個別電極11の電極列に対応して形成されるようになっている。この複数の圧力室6は、図1の紙面手前側から紙面奥側にかけて平行に並んで形成されているものとする。また、キャビティプレート3には、各圧力室6にインク等の液滴を供給するためのインクリザーバ8となる凹部が形成されている。
このキャビティプレート3の全面には、振動板5と個別電極11との間を電気的に絶縁するためのTEOS膜(ここでは、Tetraethyl orthosilicate Tetraethoxysilane:テトラエトキシシラン(珪酸エチル)を用いてできるSiO2 膜をいう)からなる絶縁膜22をプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition:TEOS−pCVDともいう)法を用いて、1μm成膜している。これは、振動板5の駆動時における絶縁破壊及びショートを防止するためと、インク等の液滴によるキャビティプレート3のエッチングを防止するためのものである。
ここでは、絶縁膜22がTEOS膜である場合を示しているが、これに限定するものではなく、絶縁性能が向上する物質であればよい。たとえば、Al2O3(酸化アルミニウム(アルミナ))を用いてもよい。また、キャビティプレート3にも、インク取り入れ口14が設けられている(電極ガラス基板4に設けられたインク取り入れ口14と連通するようになっている)。さらに、図示省略の電力供給手段から振動板5に個別電極11と反対の極性の電荷を供給する際の端子となる共通電極端子10を備えている。
なお、振動板5は、高濃度のボロンドープ層で形成するようにしてもよい。水酸化カリウム水溶液等のアルカリ溶液による単結晶シリコンのエッチングにおけるエッチングレートは、ドーパントがボロンの場合、約5×1019atoms/cm3 以上の高濃度の領域において、非常に小さくなる。このため、振動板5の部分を高濃度のボロンドープ層とし、アルカリ溶液による異方性エッチングによって圧力室6を形成する際に、ボロンドープ層が露出してエッチングレートが極端に小さくなる、いわゆるエッチングストップ技術を用いることにより、振動板5を所望の厚さに形成することができる。
以上のように構成される電極ガラス基板4とキャビティプレート3とを接合することによって静電アクチュエータ50が形成される。そして、静電アクチュエータ50を構成するキャビティプレート3同士を接合することで、1つのインク流路が形成された液滴吐出ヘッド100が完成する。各キャビティプレート3に形成した圧力室6及びインクリザーバ8で、1つのインク流路が形成されるようになっている。すなわち、各静電アクチュエータ50は、振動板5が互いに対向する位置となるように、更には個別電極11が各振動板5に対峙する位置になるように貼り合わせられるようになっているのである。
また、各静電アクチュエータ50を貼り合わせた状態において、インクリザーバ8と圧力室6とを連通する部分には、インク供給口7が形成されるようになっている。さらに、各静電アクチュエータ50を貼り合わせた状態において、圧力室6の一端(圧力室6のインクリザーバ8側ではない方の一端)には、インクノズル9が形成されるようになっている。なお、図1及び図2では、インクノズル9が直線的に形成されている場合を例に示しているが、これに限定するものではない。たとえば、段差を設けてインクノズル9を形成してもよく、テーパ状にインクノズル9を形成してもよい。
ここで、実施の形態1の特徴事項について簡単に説明する。図1及び図2に示すように、液滴吐出ヘッド100は、2つの静電アクチュエータ50をキャビティプレート3が向かい合うように接合し、各静電アクチュエータ50に形成したインクリザーバ8、インク供給口7、圧力室6及びインクノズル9で1つのインク流路が形成されるようになっている。すなわち、液滴吐出ヘッド100は、同形状に加工された静電アクチュエータ50を、インク流路に対して対称配置させることによって、圧力室6を挟んで互いに対向する位置に振動板5が配置されるようになっており、圧力室6及びインクリザーバ8の容量を大きくしているのである。
次に、液滴吐出ヘッド100の動作について説明する。インクリザーバ8には、インク取り入れ口14を介して外部からインク滴が供給されている。また、圧力室6には、インク供給口7を介してインクリザーバ8からインク滴が供給されている。そして、ドライバIC等の電力供給手段によって選択された個別電極11には0V〜40V程度のパルス電圧が印可され、その個別電極11を正に帯電させる。ここでは、1つの圧力室6を挟んで互いに対向する位置に配置している振動板5を駆動する2つの個別電極11に同期させてパルス電圧を印加する。
このとき、共通電極端子10を介してキャビティプレート3には負の極性を有する電荷が供給され、正に帯電された個別電極11に対応する振動板5を相対的に負に帯電させる。そのため、選択された個別電極11と振動板5との間には静電気力が発生することになる。そうすると、振動板5は、静電気力によって個別電極11側に引き寄せられて撓むことになる。つまり、1つの圧力室6に対して2つの個別電極11に対してパルス電圧を印加し、2つの振動板5を同時に駆動させ、このとき生じる圧力室6の容積変動によって、多くのインク滴をインク供給口7よりインクリザーバ8を介し、取り入れることができるようになっている。
その後、1つの圧力室6を挟んでいる振動板5に対応する2つの個別電極11への電荷の供給を同期させて止めると、振動板5と個別電極11との間の静電気力がなくなり、振動板5はその弾性力により元の状態に復元する。このとき、圧力室6の容積が急激に減少するため、圧力室6内部の圧力が急激に上昇する。これにより、圧力室6内のインクの一部がインク滴としてインクノズル9より吐出されることになる。インクノズル9から吐出されたインク滴が、たとえば記録紙に着弾することによって印刷等が行われるようになっている。その後、インク滴がインクリザーバ8からインク供給口7を通じて圧力室6内に補給され、初期状態に戻る。
この実施の形態1に係る液滴吐出ヘッド100は、2つの静電アクチュエータ50のキャビティプレート3に形成した圧力室6を向かい合わせて接合するようにしているので、インクノズル9間のピッチの増大を抑制しつつ圧力室6の容量を大きくすることができる。それに伴って、その圧力室6を挟んでいる2つの振動板5を同期させて駆動するようにしているので、大きな容量を有する圧力室6からインクノズル9を介して吐出されるインク滴の吐出エネルギーを増加させることができる。
次に、液滴吐出ヘッド100の製造工程について、キャビティプレート3の製造工程を中心に説明する。図3及び図4は、液滴吐出ヘッド100の製造工程の一例を示した縦断面工程図である。なお、液滴吐出ヘッド100の製造工程の中で、電極ガラス基板4の製造工程についても簡単に説明するものとする。また、キャビティプレート3、電極ガラス基板4及びキャビティプレート3と電極ガラス基板4とを接合した静電アクチュエータ50の製造工程については、図3及び図4で図示するものに限定されるものではない。
液滴吐出ヘッド100のキャビティプレート3となる、たとえば厚さ525μmのシリコン基板3aを用意する。このシリコン基板3aの両面を鏡面研磨した後、シリコン基板3aを熱酸化する(図3(a))。つまり、シリコン基板3aの全面に、熱酸化装置であるプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)によってTEOS(TetraEthylOrthosilicate)からなる厚さ約1μmの絶縁膜23を形成する。なお、この絶縁膜23を形成する前に、エッチングストップのためのボロンドープ層を形成するようにしてもよい。このボロンドープ層から振動板5を形成することにより、厚み精度の高い振動板5を形成することができる。
次に、シリコン基板3aの片面にレジストをコーティングし、露光、現像等の一連のフォトリソプロセスを経て絶縁膜23の圧力室6となる部分6a及びインクリザーバ8となる部分8aをパターニングする(図3(b))。そして、シリコン基板3aをウエットエッチング(たとえば、水酸化カリウム水溶液(25wt%、80℃)等によってアルカリエッチング)することにより、圧力室6となる部分6a及びインクリザーバ8となる部分8aを所定の厚さになるまで選択的にエッチング加工する(図3(c))。絶縁膜23を保護膜とし、アルカリウエットエッチングにより圧力室6を形成するため、振動板5の加工形状精度を高くできるとともに、キャビティプレート3同士の貼り合わせ精度も高くできる。
それから、シリコン基板3aの片面にレジストをコーティングし、露光、現像等の一連のフォトリソプロセスを経て絶縁膜23の共通電極端子10を形成する部分10aをパターニングする。そして、シリコン基板3aをウエットエッチング(たとえば、水酸化カリウム水溶液(25wt%、80℃)等によってアルカリエッチング)することにより、共通電極端子10を形成する部分10aを所定の厚さになるまで選択的にエッチング加工する(図3(d))。このとき、インクノズル9となる部分9a及びインク供給口7となる部分7aも所定の厚さにエッチングするとよい。ウエットエッチング後は、たとえばフッ酸水溶液を使用して、シリコン基板3aに残った絶縁膜23を全面剥離する(図3(e))。
その後、シリコン基板3aを再度熱酸化する(図4(f))。つまり、シリコン基板3aの全面に、熱酸化装置であるプラズマCVDによってTEOSからなる厚さ約100nmの絶縁膜22を形成する。それから、シリコン基板3aに図示省略のエッチングマスクを重ね合わせ、絶縁膜22を部分的にエッチング開口し、白金スパッタにより共通電極端子10を形成する(図4(g))。このようにシリコン基板3aを加工して、キャビティプレート3を作製する。そして、キャビティプレート3と電極ガラス基板4との間に電圧をかけて陽極接合し、接合基板を作成することによって、静電アクチュエータ50を形成する(図4(h))。
液滴吐出ヘッド100の電極ガラス基板4は、以下のように作製するとよい。まず、たとえば硼珪酸ガラス製のガラス基板(厚さ1mm程度)を用意する。このガラス基板の一方の表面にたとえばCr/Au膜(クロム・金合金膜)をスパッタ等により形成する。次に、フォトリソ工程によりガラス溝12に対応する形状にCr/Au膜をパターニングする。そして、ガラス溝12に対応する部分におけるCr/Au膜をエッチングにより選択的に除去する。
それから、たとえばフッ酸水溶液でガラス基板をエッチングしてガラス溝12を形成する。その後、Cr/Au膜をエッチングによりすべて除去し、全体にITO膜をスパッタ等により成膜する。次に、フォトリソ工程によりITO膜に個別電極11に対応する形状をパターニングし、個別電極11となる部分以外のITO膜をエッチングにより除去して個別電極11を形成する。そして、インク取り入れ口14をダイヤモンドドリル等で穿孔して形成する。このようにガラス基板を加工して、電極ガラス基板4を作製するとよい。
キャビティプレート3と電極ガラス基板4とを陽極接合した後、電極ガラス基板4のガラス溝12によって形成されるギャップ15内にHMDS(hexamethyl−disilazane:ヘキサメチルヂシラザン)ガスを充填させることにより気相処理し、樹脂等の封止材13によりギャップ15を封止する(図4(i))。このようにして、キャビティプレート3と電極ガラス基板4とを接合させた静電アクチュエータ50が完成する。そして、上記製造工程を経て形成された各積層基板(各静電アクチュエータ50)をエポキシ樹脂等の接着剤を使用して貼り合わせる。このとき、各積層基板(ウエハ)の貼り合わせアライメントが問題となるが、このアライメントの問題は図5で詳細に説明するものとする。
以上のような製造工程を経て液滴吐出ヘッド100が完成する。この液滴吐出ヘッド100は、同じ製造工程を経て作製される各積層基板を貼り合わせて形成できるので、インクノズルを形成する製造工程を省略でき、製造工程の簡略化が実現できる。また、2つのキャビティプレート3に形成した圧力室6を向かい合わせて接合するようにしているので、圧力室6の容量を大きくすることができ、インクノズル9を介して吐出されるインク滴の吐出エネルギーを増加させることができる。さらに、キャビティプレート3の加工形状精度に優れているため、容易に対称構造の圧力室6を作製することができ、振動板5の挙動を比較的容易に同期させることができる。
図5は、ウエハ60の貼り合わせアライメントを説明するための説明図である。図5に基づいて、ウエハ60の貼り合わせアライメントについて詳細に説明する。図5(a)は、ウエハ60を上面から見た際の平面図を、図5(b)は、ウエハ60を側面から見た際の断面透視図をそれぞれ示している。図5(a)に示すように、ウエハ60の中心対称となる位置に2つのアライメントマーク40が形成されている。つまり、アライメントマーク40は、製品チップパターン51(各液滴吐出ヘッド100)が配置されている領域以外のウエハ60の外周部に形成されているのである。
このアライメントマーク40は、ウエハ60に製品チップパターン51をフォトリソパターニングする際、同一レイヤ(たとえば、キャビティプレート3)に形成することができる。そのため、アライメントマーク40は、製品チップパターン51に対し、ウエハ60内での位置精度がきわめて高いものとすることができる。つまり、ウエハ60を構成する同一レイヤに製品チップパターン51とアライメントマーク40とを形成するために、製品チップパターン51に対してアライメントマーク40が位置ズレすることがないのである。
アライメント方法は、図5(b)に示すように、貼り合わせるそれぞれのウエハ60(キャビティプレート3と電極ガラス基板4とを陽極接合させた積層基板)の各キャビティプレート3上に形成したアライメントマーク40を赤外顕微鏡41等で確認し、各キャビティプレート3に形成したアライメントマーク40同士が重なり合うように、それぞれのウエハ60の位置を調整することで行なうことができる。したがって、各ウエハ60を高精度でアライメントすることができる。
なお、ここでは、アライメントマーク40がウエハ60の外周部に2箇所形成されている場合を例に示しているが、これに限定するものではなく、ウエハ60の外周部の少なくとも2箇所アライメントマーク40が形成されていればよい。たとえば、ウエハ60の外周部に中心対称となる位置であれば、2箇所以上にアライメントマーク40を形成してもよい。また、アライメントマーク40の確認を赤外顕微鏡41で確認する場合を例に説明したが、これに限定するものではなく、キャビティプレート3に形成したアライメントマーク40を確認できるものであればよい。
実施の形態2.
図6は、本発明の実施の形態2に係る液滴吐出ヘッド200の断面構成を示す縦断面図である。図6に基づいて、液滴吐出ヘッド200の構成について説明する。この実施の形態2では、静電駆動方式で駆動する静電アクチュエータを搭載したデバイスの代表として、インク液滴を基板の外周側面に設けられたノズル孔から吐出させるエッジエジェクトタイプの液滴吐出ヘッドを例に説明するものとする。なお、この実施の形態2では上述した実施の形態1との相違点を中心に説明するものとし、実施の形態1と同一部分には、同一符号を付して説明を省略するものとする。
図6は、本発明の実施の形態2に係る液滴吐出ヘッド200の断面構成を示す縦断面図である。図6に基づいて、液滴吐出ヘッド200の構成について説明する。この実施の形態2では、静電駆動方式で駆動する静電アクチュエータを搭載したデバイスの代表として、インク液滴を基板の外周側面に設けられたノズル孔から吐出させるエッジエジェクトタイプの液滴吐出ヘッドを例に説明するものとする。なお、この実施の形態2では上述した実施の形態1との相違点を中心に説明するものとし、実施の形態1と同一部分には、同一符号を付して説明を省略するものとする。
液滴吐出ヘッド200は、キャビティプレート3と電極ガラス基板4との積層基板の側面にノズル基板30を貼り合わせている点で、液滴吐出ヘッド100と異なっている。このノズル基板30には、インクノズル9と連通するノズル孔31が形成されている。また、ノズル孔31の流路断面形状は、円形状となっている。図6では、ノズル孔31を直線的に形成した場合を例に示しているが、これに限定するものではなく、ノズル孔31を複数段に形成してもよく、テーパ状に形成してもよい。
液滴吐出ヘッド200は、液滴吐出ヘッド100と同様に、電極ガラス基板4及びキャビティプレート3で構成された2つの静電アクチュエータ50が対向するようにキャビティプレート3側で貼り合わせられて構成されている。そして、キャビティプレート3に形成するインクノズル9は、ウエットエッチングにより作製するために、その流路断面の形状が多角形状となる。そこで、液滴吐出ヘッド200は、流路断面の形状を円形状としたノズル孔31を形成したノズル基板30を貼り合わせることで、インク滴の吐出安定性の向上を図るようにしている。
ノズル基板30は、たとえば厚さ約100μmのシリコン基板を主要な材料として構成されている。ノズル基板30には、キャビティプレート3の圧力室6と連通するインクノズル9と連通するノズル孔31が形成されている。このノズル孔31は、たとえばウエットエッチングやICP(Inductively Coupled Plasma)放電によるドライエッチング等で形成することができる。各ノズル孔31は、圧力室6及びインクノズル9から移送されたインク滴を外部に吐出するようになっている。このノズル孔31は、たとえば円筒状の第1のノズル孔と、第1のノズル孔と連通し、第1のノズル孔よりも径の大きい円筒状の第2のノズル孔とで複数段に形成したり、テーパ状に形成したりするとよい。
ノズル基板30の貼り合わせアライメントは、ノズル基板30にアライメントマークを形成し、キャビティプレート3にアライメントマークを形成し、これらのアライメントマークを赤外顕微鏡41等で確認し、これらのアライメントマーク同士が重なり合うように、位置を調整することで行なうことができる。また、ノズル基板30の貼り合わせは、エポキシ樹脂等の接着剤を使用して実行することができる。このようにして液滴吐出ヘッド200を構成するので、液滴吐出ヘッド100のようにインク滴の吐出エネルギーを増加させることができるとともに、インク滴の吐出安定性を向上させることが可能になる。
実施の形態3.
図7は、実施の形態1の液滴吐出ヘッド100又は実施の形態2の液滴吐出ヘッド200を搭載した液滴吐出装置150の一例を示した斜視図である。図7に示す液滴吐出装置150は、一般的なインクジェットプリンタである。なお、この液滴吐出装置150は、周知の製造方法によって製造することができる。実施の形態1で得られた液滴吐出ヘッド100及び実施の形態2で得られた液滴吐出ヘッド200は、圧力室6の容量を大きくしており、インクノズル9間のピッチの増大を抑制しつつ、インク滴の吐出エネルギーの増大が図れるものである。
図7は、実施の形態1の液滴吐出ヘッド100又は実施の形態2の液滴吐出ヘッド200を搭載した液滴吐出装置150の一例を示した斜視図である。図7に示す液滴吐出装置150は、一般的なインクジェットプリンタである。なお、この液滴吐出装置150は、周知の製造方法によって製造することができる。実施の形態1で得られた液滴吐出ヘッド100及び実施の形態2で得られた液滴吐出ヘッド200は、圧力室6の容量を大きくしており、インクノズル9間のピッチの増大を抑制しつつ、インク滴の吐出エネルギーの増大が図れるものである。
なお、実施の形態1の液滴吐出ヘッド100及び実施の形態2の液滴吐出ヘッド200は、図7に示す液滴吐出装置150の他に、液滴を種々変更することで、液晶ディスプレイのカラーフィルタの製造、有機EL表示装置の発光部分の形成、生体液体の吐出等にも適用することができる。また、実施の形態1の液滴吐出ヘッド100及び実施の形態2の液滴吐出ヘッド200は、圧電駆動方式の液滴吐出装置や、バブルジェット(登録商標)方式の液滴吐出装置にも使用できる。さらに、本発明の液滴吐出ヘッドの製造方法及び液滴吐出装置の製造方法は、本発明の実施の形態1で説明した内容に限定されるものではなく、本発明の思想の範囲内において変更することができる。
3 キャビティプレート、3a シリコン基板、4 電極ガラス基板、4a ガラス基板、5 振動板、6 圧力室、6a 圧力室となる部分、7 インク供給口、7a インク供給口となる部分、8 インクリザーバ、8a インクリザーバとなる部分、9 インクノズル、9a インクノズルとなる部分、10 共通電極端子、10a 共通電極端子を形成する部分、11 個別電極、12 ガラス溝、13 封止材、14 インク取り入れ口、15 ギャップ、18 リード部、19 端子部、22 絶縁膜、23 絶縁膜、30 ノズル基板、31 ノズル孔、40 アライメントマーク、41 赤外顕微鏡、50 静電アクチュエータ、51 製品チップパターン、60 ウエハ、100 液滴吐出ヘッド、150 液滴吐出装置、200 液滴吐出ヘッド。
Claims (12)
- インクノズルと、前記インクノズルに連通し、底壁が振動板となる圧力室とからなる液体流路が形成されたキャビティプレートと、
前記振動板にギャップを隔てて対向し、前記振動板を駆動する個別電極が形成された電極ガラス基板とを接合した積層基板の2つを、
各振動板が前記圧力室に対して対称位置となるように前記キャビティプレート同士で接合させた
ことを特徴とする液滴吐出ヘッド。 - 前記インクノズルを、前記キャビティプレートの端面に開口させた
ことを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出ヘッド。 - 前記インクノズルと連通するノズル孔を形成したノズル基板を前記キャビティプレートの端面側に接合させた
ことを特徴とする請求項2に記載の液滴吐出ヘッド。 - 前記圧力室に対して対称位置となっている各振動板に対向する個別電極への電荷の供給及び停止を同期させる
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液滴吐出ヘッド。 - 前記請求項1〜4のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドを搭載した
ことを特徴とする液滴吐出装置。 - インクノズルと、前記インクノズルに連通し、底壁が振動板となる圧力室とからなる液体流路が形成されたキャビティプレートと、
前記振動板にギャップを隔てて対向し、前記振動板を駆動する個別電極が形成された電極ガラス基板とを接合して積層基板を形成し、
前記積層基板の2つを、
各振動板が前記圧力室に対して対称位置となるように前記キャビティプレート同士で接合させ、前記インクノズルを前記キャビティプレートの端面に開口させる
ことを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。 - 各キャビティプレートと同一基板上にアライメントマークを形成し、
前記アライメントマークを重ね合わせることで、前記キャビティプレート同士を接合させる
ことを特徴とする請求項6に記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。 - 前記アライメントマークを、前記キャビティプレートの中心対称となる位置に少なくとも2つ以上形成する
ことを特徴とする請求項7に記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。 - 前記アライメントマークを、赤外顕微鏡を使用して確認する
ことを特徴とする請求項7又は8に記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。 - 前記積層基板の2つを接合した後、
前記インクノズルと連通するノズル孔を形成したノズル基板を前記キャビティプレートの端面側に接合させる
ことを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。 - 前記キャビティプレート同士を接合する前、
各キャビティプレートに、
インクリザーバと、前記インクリザーバに液滴を供給するためのインク取り入れ口を形成し、
前記キャビティプレート同士を接合した後、一方のインク取り入れ口を塞ぐようにする
ことを特徴とする請求項6〜10のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。 - 前記請求項6〜11のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドの製造方法を適用して液滴吐出装置を製造する
ことを特徴とする液滴吐出装置の製造方法。
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JP2016185604A (ja) * | 2015-03-27 | 2016-10-27 | セイコーエプソン株式会社 | インクジェットヘッドの製造方法 |
JP2019064272A (ja) * | 2018-12-19 | 2019-04-25 | セイコーエプソン株式会社 | 電子デバイスの製造方法、インクジェットヘッドの製造方法 |
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2007
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