以下、本発明に係る実施形態を図面に基づき説明する。なお、以下実施形態を説明するにあたっては、電気光学装置としての液晶装置、具体的には反射半透過型のTFT(Thin Film Transistor)アクティブマトリックス方式の液晶装置、また、その液晶装置を用いた電子機器について説明するが、これに限られるものではない。また、以下の図面においては各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等が異なっている。
(第1の実施形態)
図1は本発明に係る第1の実施形態の液晶装置の概略斜視図、図2は図1の液晶装置のA−A断面図、図3は図1の液晶装置の底面図、図4は図3の液晶装置の領域E(第1のヒータ電極)の平面図である。
(液晶装置の構成)
液晶装置1は、液晶パネル2と、液晶パネル2に接続された回路基板3と、液晶パネル2を加熱するための液晶パネルヒータ4とを備えている。なお、液晶装置1は、液晶パネル2を支持する図示を省略したフレーム、偏光板等のその他の付帯機構が必要に応じて付設される。
液晶パネル2は、基板5と、基板5に対向するように設けられた基板6と、基板5,6の間に設けられたシール材7及び基板5,6により封止された図示しない液晶とを備えている。液晶には、例えばTN(Twisted Nematic)が用いられている。
基板5及び基板6は、例えばガラスや合成樹脂といった透光性を有する材料からなる板状部材である。基板5の液晶側には、ゲート電極8、ソース電極9、薄膜トランジスタ素子T及び画素電極10が形成されており、基板6の液晶側には、共通電極6aが形成されている。
ゲート電極8はX方向に、ソース電極9はY方向に、それぞれ例えばアルミニウム等の金属材料等によって形成されている。ソース電極9は、例えば図1に示すように上半分が左側に、下半分が右側に引き回されて形成されている。なお、ゲート電極8及びソース電極9の本数は、液晶装置1の解像度や表示領域の大きさに応じて適宜変更可能である。
薄膜トランジスタ素子Tは、ゲート電極8、ソース電極9及び画素電極10にそれぞれ接続される3つの端子を備えている。薄膜トランジスタ素子Tは画素電極10、ゲート電極8、ソース電極9に接続されている。これにより、ゲート電極8に電圧を印加したときにソース電極9から画素電極10に又はその逆に電流が流れるように構成されている。
また、基板5は、基板6の外縁から張り出した領域(以下、「張り出し部」と表記する)5aを備えている。張り出し部5aの面上には、入力配線11〜13、出力配線14〜16が付設されていると共に、例えば液晶を駆動するためのドライバIC17,18,19が実装されている。
入力配線11は、図2に示すように、その一端部である基板側入力端子11aが後述するドライバIC17のドライバ側入力端子23に導電粒子28を介して接続されている。入力配線11の他端部11bは、回路基板3の可撓性基材31に付設された配線36に図示しないACF等を介して接続されている。なお、入力配線12,13は、それぞれ一端部の図示しない入力端子がドライバIC18,19の図示しないドライバ側入力端子に接続される等している。
出力配線14は、図2に示すように、その一端部である基板側出力端子14aがドライバIC17のドライバ側出力端子24に導電粒子28を介して接続されている。出力配線14の他端部は、ゲート電極8に繋がっている。なお、出力配線15,16は、その一端部の図示しない出力端子がそれぞれドライバIC18,19の図示しないドライバ側出力端子に接続される等している。
ドライバIC17は、図2に示すように、ドライバIC17と基板5との間に設けられた例えばACF25により基板5に接着されている。
ドライバIC17は、図2に示すように、基材20と、基材20の基板5と対向する実装面20a側に設けられた例えばアルミニウム製の電極パッド21,22と、電極パッド21,22にそれぞれ接続されドライバIC17の実装面20a側に突設された複数のドライバ側入力端子23、複数のドライバ側出力端子24とを備えている。
電極パッド21は、基材20の実装面20a側にゲート電極8の配列方向(Y方向)に配列して設けられている。電極パッド22は、電極パッド22から離間して基材20の実装面20a側にゲート電極8の配列方向(Y方向)に配列して設けられている。
ドライバ側入力端子23、ドライバ側出力端子24は、それぞれ図2に示す電極パッド21,22に接続されてそれぞれゲート電極8の配列方向(Y方向)に配列して設けられている。
ACF25は、例えば樹脂製の弾性粒子が金属膜により被覆された導電粒子28が、ACF25の接着材29中に含まれて構成されている。
回路基板3は、図1に示すように、張り出し部5aに例えばACF等の接着材を介して接続されている。回路基板3は、可撓性基材31と、可撓性基材31に設けられた出力配線32、入力配線33と、例えばドライバIC17等を制御するために可撓性基材31に実装された半導体IC34とを備えている。
出力配線32は、図1に示すように、例えばX方向に引き回されており、その一端が、可撓性基材31に形成された図2に示すスルーホール内に設けられた接続部材37を介して可撓性基材31に付設された配線36の端部に接続されている。出力配線32の他端は、ACF等を介して半導体IC34の図示を省略した出力端子に接続されている。
入力配線33は、図1に示すように、例えばX方向に引き回されている。入力配線33の一端は、図1に示すように例えば半導体IC34の図示しない入力端子にACF等を介して接続されている。入力配線33の他端は、例えば図示しない外部装置に接続されている。
液晶パネルヒータ4は、図1〜図3に示すように、基板5に平面的に重なるように配置された透明導電膜41(図1参照)と、透明導電膜41に電気的に接続された第1のヒータ電極42、第2のヒータ電極43(図3参照)と、第1のヒータ電極42、第2のヒータ電極43を覆うように配置された第1のヒータ用可撓性基板44、第2のヒータ用可撓性基板45(図3参照)と、少なくとも第1のヒータ用可撓性基板44、第2のヒータ用可撓性基板45及び透明導電膜41の間に配置されたACF46と、第1のヒータ電極42、第2のヒータ電極43等から引き出された第1のヒータ配線47、第2のヒータ配線48と、図示しない電源等を備えている。なお、この電源には、例えば直流電源が用いられる。
透明導電膜41は、図2に示すように、例えば基板5の基板6側の面とは反対側の一面5A(外面)の略全面に配置されている。透明導電膜41の構成材料には、例えば透明材料であるITO(Indium Tin Oxide)等が用いられている。
第1のヒータ電極42は、図3に示すように、液晶パネル2の長手方向(図3のX方向)に直角に交わる方向(図3のY方向)に亘って配置されており、図2に示すようにACF46(の導電粒子46A)を介して、透明導電膜41に電気的に接続されている。第1のヒータ電極42は、図3に示すように、液晶パネル2の長手方向(図3のX方向)の一側(張り出し部5a側)の端部で電気的に接続されている。
第1のヒータ電極42は、図4に示すように、第1のヒータ用可撓性基板44より平面的に狭い範囲(又は同じ範囲)に形成されている。なお、第1のヒータ電極42が第1のヒータ用可撓性基板44と平面的に同じ範囲に形成されていてもよい。第1のヒータ電極42は、図4に示すように、凹形状を有している。例えば、第1のヒータ電極42は、図4に示すように、液晶パネル2の長手方向(図3のX方向)の幅が第1の幅w1である矩形状を有すると共に、液晶パネル2の中心側で幅方向(図3のY方向)に配設された複数の第1の凹状部42Aと、液晶パネル2の中心側とは反対側で幅方向(図3のY方向)に配設された複数の第2の凹状部42Bとを有している。第1のヒータ電極42は、金メッキが施されている。
第1の凹状部42Aは、図4に示すように、第1のヒータ電極42の外縁に形成されており、液晶パネル2の中心から離れるように長手方向(図3のX方向)に凹んでいる。第2の凹状部42Bは、第1のヒータ電極42の外縁に形成されており、液晶パネル2の中心に近づくように長手方向(図3のX方向)に凹んでいる。第2の凹状部42Bが凹む長さd2は、第1の凹状部42Aが凹む長さd1より長い。
第2のヒータ電極43は、第1のヒータ電極42に比べて、図3に示すように、透明導電膜41にACF56を介して電気的に接続されている位置が異なる。第2のヒータ電極43は、図3に示すように、液晶パネル2の長手方向(図3のX方向)の他側である張り出し部5a側とは反対側の端部で透明導電膜41にACF56(の図示を省略した導電粒子)を介して電気的に接続されている。
第1のヒータ用可撓性基板44は、例えばポリイミド等の樹脂材料で形成されている。第1のヒータ用可撓性基板44は、図2〜4に示すように、第1のヒータ電極42を覆うように配置されている。第1のヒータ用可撓性基板44は、第1のヒータ電極42よりも大きい平面的形状を有している。第1のヒータ用可撓性基板44の幅である第2の幅w2は、図4に示すように、第1のヒータ電極42の第1の幅w1より大きい。第1のヒータ用可撓性基板44は、図2〜図4に示すように、貫通口44aが複数形成されている。貫通口44aは、図4に示すように、第1のヒータ電極42と平面的に重ならない位置に形成されている。貫通口44aは、図4に示すように、第1のヒータ用可撓性基板44の対となる辺の、それぞれの辺に沿って第1のヒータ電極42の外縁の外側に配設されている。貫通口44a内には、図2、図4に示すようにACF46が流入されている。
第2のヒータ用可撓性基板45は、図3に示すように、第1のヒータ用可撓性基板44に比べて、第2のヒータ電極43を覆うように配置されている点が異なる。第2のヒータ用可撓性基板45は、図3に示すように、ACF56が配置された貫通口45aが複数形成されている。
ACF46は、図4に示すように、第1のヒータ用可撓性基板44と透明導電膜41との間で、第1のヒータ電極42の第1の凹状部42A、第2の凹状部42Bに流入されている。また、ACF46は、図2、図4に示すように、第1のヒータ用可撓性基板44の貫通口44a内に流入されている。更に、ACF46は、図2に示すように、透明導電膜41と第1のヒータ用可撓性基板44との間で少なくとも第1のヒータ電極42の第1の幅w1より大きい第2の幅w2で配置されている。ACF46は、第1のヒータ用可撓性基板44と透明導電膜41との間で、少なくとも第1のヒータ電極42と平面的に重なりかつ、第1のヒータ電極42の外縁42Hの外側まで存在している。
第1のヒータ配線47は、第1のヒータ電極42から引き出された第1の配線49と、第1のヒータ用可撓性基板44から延出された第1のヒータ用配線基板50とを備えている。第1の配線49は図示しない電源の例えば正極端子に接続されている。
第2のヒータ配線48は、第2のヒータ電極43から引き出された第2の配線51と、第2のヒータ用可撓性基板45から延出された第2のヒータ用配線基板52とを備えている。第2の配線51は図示しない電源の例えばアース電極に接続されている。
(液晶装置1の製造方法)
次に、液晶装置1の製造方法について図面を参照しながら説明する。
図5は第1の実施形態の液晶装置1の製造工程を示すフローチャートである。なお、本実施形態では、液晶パネルヒータ4をこの液晶パネルに接続する工程等(ステップS2〜S3)について中心的に説明する。
まず、例えば液晶パネル2を製造する(ステップS1)。
次いで、この液晶パネル2の基板5の一面5Aに、例えば略全面に亘るように透明導電膜41を形成する(ステップS2)。なお、基板5の一面5Aには、偏光板等は配置されていない。
次に、例えば第1のヒータ電極42がパターニングされた第1のヒータ用可撓性基板44に、例えばエッチングやレーザ加工を施し、貫通口44aが形成された第1のヒータ用可撓性基板44を製造する。
次に、液晶パネル2の張り出し部5a側の端部に配置された透明導電膜41上に、導電粒子46Aを含むACF46を貼り付ける。そして、第1のヒータ用可撓性基板44上に形成された第1のヒータ電極42を、ACF46に平面的に重なるように位置させ、図示しない圧着ヘッドにより第1のヒータ用可撓性基板44と共に第1のヒータ電極42を加熱圧着する(ステップS3)。
このとき、第1のヒータ用可撓性基板44と、透明導電膜41との間に配置されていたACF46が、図4に示すように、例えば矢印P方向に第1の凹状部42A及び第2の凹状部42Bに押し出される。これにより、第1の凹状部42A及び第2の凹状部42B内にACF46が流入する。また、ACF46は、第1のヒータ用可撓性基板44に形成された貫通口44a内に押し出される。これにより、貫通口44a内にACF46が流入する。更に、透明導電膜41と第1のヒータ用可撓性基板44との間で少なくとも第2の幅w2でACF46が配置される。この結果、第1の凹状部42Aの外側にはみ出すACF46の量が、第2の凹状部42Bの外側にはみ出すACF46の量より少なくなる。
そして、液晶パネル2と、ステップS4で製造した回路基板3とを図示を省略した導電性の接着材等を介して電気的に接続し(ステップS5)、バックライトや偏光板、反射シート等を設ける等して液晶装置1を製造する(ステップS6)。
以上で液晶装置1の製造方法についての説明を終了する。
このように本実施形態によれば、液晶を挟持する基板5,6を有する液晶パネル2と、基板5上の外面側に配置された透明導電膜41と、透明導電膜41とACF46を介して電気的に接続される第1のヒータ電極42を有する第1のヒータ用可撓性基板44とを有し、第1のヒータ電極42は、第1のヒータ用可撓性基板44より平面形状が狭い範囲に形成され、第1のヒータ用可撓性基板44は第1のヒータ用可撓性基板44の側面側に形成された貫通口44aを有し、ACF46は貫通口44aにも充填されている。従って、貫通口44aに流入したACF46により透明導電膜41と第1のヒータ用可撓性基板44とを確実に接着することができる。これにより、例えば第1のヒータ用可撓性基板44が最も剥離し易い位置である第1のヒータ用可撓性基板44の外縁側をACF46により確実に接着することができる。この結果、透明導電膜41と第1のヒータ電極42との密着性を向上させることができる。
また、第1のヒータ電極42は、第1のヒータ用可撓性基板44より平面形状が狭い範囲に形成され、第1のヒータ電極42を被覆するように配置された第1のヒータ用可撓性基板44を備えているので、第1のヒータ用可撓性基板44とACF46とにより第1のヒータ電極42が密封された状態となっている。このため、外部からの影響を受けて第1のヒータ電極42が腐食することを防止し、第1のヒータ電極42と透明導電膜41との接続の電気的信頼性を向上させることができる。
更に、第1のヒータ電極42は、ACF46が流入した第1の凹状部42A、第2の凹状部42Bを備えている。このため、第1の凹状部42A、第2の凹状部42Bを有する第1のヒータ電極42とACF46との接着面積を増加させることができる。その結果、第1の凹状部42A、第2の凹状部42Bに流入したACF46により、透明導電膜41に対する第1のヒータ電極42の接着力を向上させることができる。例えば、ACF46を介して透明導電膜41に対して第1のヒータ電極42を圧着する場合に、押圧面積が小さくなり、より大きな力で例えばACF46中の導電粒子46Aを確実に押し潰すことができる。この結果、ACF46の導電粒子46Aを介して透明導電膜41と第1のヒータ電極42とを確実に電気的に接続することができる。
また、第1のヒータ用可撓性基板44の貫通口44a内には、第1のヒータ電極42を透明導電膜41に圧着したときにACF46が流入している。この結果、貫通口44aに流入したACF46によりACF46と第1のヒータ用可撓性基板44との接触面積が増加し、第1のヒータ用可撓性基板44の接着力を向上させることができる。
更に、貫通口44aは、第1のヒータ用可撓性基板44の対となる辺の、それぞれの辺に沿って第1のヒータ電極42の外縁の外側に設けられているので、例えばACF46を介して透明導電膜41に対して第1のヒータ電極42を圧着したときに、透明導電膜41と第1のヒータ電極42との間のACF46を直ぐに貫通口44aに流入させることができる。これにより、第1のヒータ電極42及び第1のヒータ用可撓性基板44の浮きをより確実に防止することができる。
また、第1のヒータ電極42は、液晶パネル2の中心側に形成された複数の第1の凹状部42Aと、液晶パネル2の中心側とは反対側に複数の第2の凹状部42Bとを備えている。また、第2の凹状部42Bが凹む長さd2は、第1の凹状部42Aが凹む長さd1より長い。このため、例えばACF46を介して透明導電膜41に対して第1のヒータ電極42を圧着したときに、複数の第2の凹状部42B間より複数の第1の凹状部42A間により多くのACF46を流入させることができる。従って、液晶パネル2の中心側にACF46の配置されない領域を確保し、この領域に例えば図示しない偏光板等を確実に配置することができる。
更に、第1のヒータ電極42は、液晶パネル2の第1の角部K1で第1の配線49に接続されており、第2のヒータ電極43は、第1の角部K1に対向する液晶パネル2の第2の角部K2(第1の角部K1を通る液晶パネル2の対角線L上の第2の角部K2)で第2の配線51に接続されている。これにより、例えば第1の配線49を介して液晶パネル2の第1の角部K1近い位置を起点として液晶パネル2を加熱すると共に、第2の配線51を介して液晶パネル2の第2の角部K2近い位置を起点として液晶パネル2を加熱することができる。従って、液晶パネル2を加熱するときに供給される熱の平面的な偏りを低減し、平面的に偏りなく液晶パネル2を加熱することができる。
また、透明導電膜41は基板5の一面5Aに形成されているので、液晶装置1の薄型化を図ることができると共に、製造工程の増加を抑えることができる。
そして、第1のヒータ電極42が、ドライバIC17〜19に平面的に重なる位置ではなく、基板5,6の間に設けたシール材7に平面的に重なる位置に配置されている。これにより、第1のヒータ電極42を基板5に圧着するときに容易に平坦度を保ち確実に圧着することができる。また、第1のヒータ電極42が液晶に近い位置(シール材7と平面的に重なる位置)に配置されているので、液晶を効率的に温めることができる。
なお、液晶装置の液晶パネルの表面に静電気が帯電する可能性がある場合に、帯電した電気を逃がすために透明導電膜41を兼用するようにしてもよい(FFS(Fring Field Switching))。
図6は別の液晶装置のヒータ電極(ベタ電極)の部分平面図、図7は図6の液晶装置のB−B断面図である。
図6、図7に示すように、液晶装置が、第1の実施形態の凹状の第1のヒータ電極42に代えて、図6に示すように、矩形状の第1のヒータ電極70を備えている。
第1のヒータ電極70は、図6、図7に示すように、第1のヒータ用可撓性基板44の第2の幅w2より小さい第1の幅w1を有する矩形状を有している。第1のヒータ電極70は、図6に示すように、第1のヒータ用可撓性基板44に形成された貫通口44aから幅方向(図6のX方向)に離間した位置に配置されている。
第1のヒータ用可撓性基板44は、図6、図7に示すように、貫通口44aが複数形成されている。図6、図7に示すように、透明導電膜41と、第1のヒータ用可撓性基板44との間に加えて、貫通口44a内にACF71が流入している。
このように、透明導電膜41と、第1のヒータ用可撓性基板44との間に加えて、貫通口44a内にACF71が流入しているので、貫通口44a内に流入したACF71と第1のヒータ用可撓性基板44との接着面積を増加させることができる。この結果、ACF71を介した第1のヒータ電極70と、透明導電膜41との密着性を向上させることができる。また、第1のヒータ用可撓性基板44に第1のヒータ電極70を形成するときに、電極パターンを形成する必要がないので、低コスト化を図ることができる。
(第1の変形例)
次に、本発明に係る第1の変形例の液晶装置、液晶装置の製造方法について説明する。なお、本変形例以降においては、上記実施形態と同一の構成部材等には同一の符号を付しその説明を省略し、異なる箇所を中心に説明する。
図8は第1の変形例の液晶装置の概観斜視図、図9は図8の液晶装置のC−C断面図、図10は図8の液晶装置の領域F(第1のヒータ電極)の平面図である。
本変形例の液晶装置1’は、液晶パネル2’と、液晶パネル2’に接続された回路基板3と、液晶パネルヒータ4’とを備えている。なお、回路基板3の構成等については、第1の実施の形態と略同様なのでその説明を省略する。
液晶パネル2’は、第1の実施の形態の液晶パネル2に比べて、基板5の外側に例えは偏光板55等が配置されている。
液晶パネルヒータ4’は、図8、図9に示すように、透明な基板60と、基板60に配置された透明導電膜41’と、透明導電膜41’に電気的に接続された第1のヒータ電極42’、第2のヒータ電極43’と、第1のヒータ電極42’、第2のヒータ電極43’を覆うように配置された第1のヒータ用可撓性基板44’、第2のヒータ用可撓性基板45’と、少なくとも第1のヒータ用可撓性基板44’、第2のヒータ用可撓性基板45’及び透明導電膜41’の間に配置されたACF46’と、第1のヒータ電極42’、第2のヒータ電極43’等から引き出された第1のヒータ配線47’、第2のヒータ配線48’と、図示しない電源等を備えている。なお、この電源には、例えば直流電源が用いられる。
基板60は、例えばガラスや合成樹脂といった透光性を有する材料からなる板状部材である。
透明導電膜41’は、図9に示すように、例えば基板60の基板5側の面60Aの略全面に配置されている(図8参照)。透明導電膜41’の構成材料には、例えば透明材料であるITO等が用いられている。
第1のヒータ電極42’は、図8に示すように、液晶パネル2の長手方向(図8のX方向)に直角に交わる方向(図8のY方向)に亘って配置されており、図9に示すようにACF46’(の導電粒子46A’)を介して、透明導電膜41’に電気的に接続されている。第1のヒータ電極42’は、図8に示すように、液晶パネル2の長手方向(図8のX方向)の一側である張り出し部5a側の端部で透明導電膜41’に接続されている。
第1のヒータ電極42’は、図10に示すように、凹形状を有している。例えば、第1のヒータ電極42’は、図10に示すように、液晶パネル2の長手方向(図10のX方向)の幅が第1の幅w1であると共に、液晶パネル2’の中心側で幅方向(図10のY方向)に配設された複数の第1の凹状部42A’と、液晶パネル2の中心側とは反対側で幅方向(図10のY方向)に配設された複数の第2の凹状部42B’とを有している。
第1の凹状部42A’は、図10に示すように、第1のヒータ電極42’の側面で、液晶パネル2の中心から離れるように長手方向(図8のX方向)に凹んでいる。第2の凹状部42B’は、第1のヒータ電極42’の側面で、液晶パネル2の中心に近づくように長手方向(図10のX方向)に凹んでいる。第2の凹状部42B’が凹む長さd2’は、第1の凹状部42A’が凹む長さd1’より長い。
第2のヒータ電極43’は、図9に示すように、第1のヒータ電極42’に比べて、透明導電膜41’にACF56’を介して電気的に接続されている位置が異なる。第2のヒータ電極43’は、図9に示すように、液晶パネル2の長手方向(図9のX方向)の他側である張り出し部5a側とは反対側の端部で透明導電膜41’に図9に示すようにACF56’(の導電粒子56A’)を介して電気的に接続されている。
第1のヒータ用可撓性基板44’は、例えばポリイミド等の樹脂材料で形成されている。第1のヒータ用可撓性基板44’は、図8〜10に示すように、第1のヒータ電極42’を覆うように配置されている。第1のヒータ用可撓性基板44’の幅である第2の幅w2は、図8に示すように、第1のヒータ電極42’の第1の幅w1と略同じ大きさである。第1のヒータ用可撓性基板44’の対となる辺には、それぞれ辺に沿って凹状部が形成される。例えば、図10に示すように、第3の凹状部44A’、第4の凹状部44B’が複数形成されている。第3の凹状部44A’は、第1のヒータ電極42’の第1の凹状部42A’に平面的に重なるように配置されている。第4の凹状部44B’は、第2のヒータ電極43’の第2の凹状部43B’に平面的に重なるように配置されている。
第2のヒータ用可撓性基板45’は、図9に示すように、第1のヒータ用可撓性基板44’に比べて、第2のヒータ電極43’に平面的に重なりかつ覆うように配置されている点が異なる。
ACF46’は、図9に示すように第1のヒータ用可撓性基板44’と透明導電膜41’との間、図10に示すように第1のヒータ電極42’の第1の凹状部42A’、第2の凹状部42B’に流入されている。また、ACF46’は、図9、図10に示すように、透明導電膜41’と第1のヒータ用可撓性基板44’との間で少なくとも第1のヒータ電極42’の第1の幅w1と略同じ第1のヒータ用可撓性基板44’の第2の幅w2で配置されている。なお、ACF56’についても同様である。
第1のヒータ配線47’は、図8に示すように、第1のヒータ電極42’から引き出された第1の配線49’と、第1のヒータ用可撓性基板44’から延出された第1のヒータ用配線基板50’とを備えている。第1の配線49’は図示しない電源の例えば正極端子に接続されている。
第2のヒータ配線48’は、図8に示すように、第2のヒータ電極43’から引き出された第2の配線51’と、第2のヒータ用可撓性基板45’から延出された第2のヒータ用配線基板52’とを備えている。第2の配線51’は図示しない電源の例えばアース電極に接続されている。
(液晶装置1’の製造方法)
次に、液晶装置1’の製造方法について図面を参照しながら説明する。
本変形例では、回路基板3の製造工程等については公知技術と同様なのでその説明を省略し、液晶パネルヒータ4’をこの液晶パネル2’に接続する工程等について中心的に説明する。
まず、例えば液晶パネル2’を製造する。このとき、基板5の外側に偏光板55等を配置する。
次いで、基板60の面60Aに略全面に亘るように透明導電膜41’を形成する。
次に、例えば第1のヒータ用可撓性基板44’となる可撓性基板上に第1のヒータ電極42’となる金属膜が形成された配線基板に、例えばパンチ加工を施し、第1の凹状部42A’、第2の凹状部42B’が形成された第1のヒータ電極42’を製造する。
次に、基板60の一端側で透明導電膜41’上に、導電粒子46A’を含むACF46’を貼り付け、他端側でACF56’を貼り付ける。そして、第1のヒータ用可撓性基板44’上に形成された第1のヒータ電極42’を、ACF46’に平面的に重なるように位置させ、図示しない圧着ヘッドにより第1のヒータ用可撓性基板44’及び第1のヒータ電極42’を加熱圧着する(なお、第2のヒータ電極43’側も同様である)。
このとき、第1のヒータ用可撓性基板44’と、透明導電膜41’との間に配置されていたACF46’が、図10に示すように、例えば矢印P方向に第1の凹状部42A’及び第2の凹状部42B’に押し出される。これにより、第1の凹状部42A’及び第2の凹状部42B’内にACF46’が流入する。更に、透明導電膜41’と第1のヒータ用可撓性基板44’との間で少なくとも第2の幅w2でACF46’が流入される。
そして、液晶パネル2と、回路基板3とを図示を省略した導電性の接着材等を介して電気的に接続し、バックライト等を設ける等して液晶装置1’を製造する。
以上で液晶装置1’の製造方法についての説明を終了する。
このような構成によれば、第1のヒータ電極42’は、ACF46’を介して第1のヒータ電極42’を透明導電膜41’に圧着したときに、ACF46’が流入した第1の凹状部42A’、第2の凹状部42B’を備えている。このため、ACF46’と第1の凹状部42A’、第2の凹状部42B’との接触面積を増加させることができる。この結果、第1の凹状部42A’、第2の凹状部42B’に流入したACF46’により第1のヒータ電極42’、第1のヒータ用可撓性基板44’の接着力を向上させることができる。また、例えば第1のヒータ電極42’を透明導電膜41’に圧着したときに、押圧面積が小さくなり、より大きな力で例えばACF46’中の導電粒子46A’を確実に押し潰すことができる。この結果、ACF46’の導電粒子46A’を介して透明導電膜41’と第1のヒータ電極42’とを確実に電気的に接続することができる。
また、第1のヒータ用可撓性基板44’の第3の凹状部44A’、第4の凹状部44B’が第1のヒータ電極42’の第1の凹状部42A’、第2の凹状部42B’に平面的に重なって設けられている。このため、例えば第1のヒータ電極42’の第1の凹状部42A’、第2の凹状部42B’と、第1のヒータ用可撓性基板44’の第3の凹状部44A’、第4の凹状部44B’との形状が異なる場合に比べて、第1の凹状部42A’と第3の凹状部44A’と(第2の凹状部42B’と第4の凹状部44B’と)をパンチ加工により一括形成することができるので、低コスト化を図ることができる。また、例えばACF46’を介して透明導電膜41’に対して第1のヒータ電極42’を圧着したときに、第1のヒータ用可撓性基板44’の第3の凹状部44A’、第4の凹状部44B’にACF46’が押し出される。この結果、透明導電膜41’と第1のヒータ用可撓性基板44’との間から、ACF46’がより容易に押し出され、より容易に透明導電膜41’に対して第1のヒータ電極42’を圧着することができる。従って、ACF46’を介して透明導電膜41’と第1のヒータ電極42’との電気的により確実に接続することができる。
更に、第1のヒータ用可撓性基板44’の第3の凹状部44A’、第4の凹状部44B’は、第1のヒータ用可撓性基板44’の対となる辺の、それぞれの辺に沿って第1のヒータ電極42’の外縁の外側に設けられている。このため、例えばACF46’を介して透明導電膜41’に対して第1のヒータ電極42’を圧着したときに、透明導電膜41’と第1のヒータ電極42’との間のACF46’を直ぐに第1の凹状部42A’、第2の凹状部42B’に流入させることができる。従って、第1のヒータ電極42’の近くで第1の凹状部42A’、第2の凹状部42B’にACF46’を直接的に流入させることで、第1のヒータ電極42’及び第1のヒータ用可撓性基板44’の浮きをより確実に防止することができる。
また、基板5の一面5A上に第1のヒータ電極42’を圧着する必要がないので、基板5上の広い一面5Aに容易に偏光板55を配置することができる。
そして、液晶パネル2’を製造し、一方で基板60に透明導電膜41’を形成した後で、これらを組み合わせることで、液晶装置1’を製造することができる。このため、液晶装置1’を容易に製造することができる。
なお、本変形例では、基板60の基板5側の面に透明導電膜41’を形成する例を示した。しかし、基板60の基板5側の面とは反対側の面に透明導電膜41’を形成するようにしてもよい。
(第2の変形例)
次に、本発明に係る第2の変形例の液晶装置について説明する。
図11は第2の変形例の液晶装置のヒータ電極の部分平面図である。
本変形例は、図6に示す例に比べて、第1のヒータ用可撓性基板44に形成された貫通口44aの位置が異なっている。なお、第2のヒータ用可撓性基板45に形成された貫通口45aの位置についても同様であるので説明を省略する。
本変形例では、図11に示すように、貫通口44aが形成された第1のヒータ用可撓性基板44に代えて、貫通口144aが形成された第1のヒータ用可撓性基板144を備えている。
第1のヒータ用可撓性基板144は、図11に示すように、貫通口144aが複数形成されている。貫通口144aは、図11に示すように、第1のヒータ電極70の外縁の外側に平面的に隣接するように配設されている。貫通口144a内には、図11に示すようにACF71が流入している。
このように本変形例によれば、貫通口144aは、第1のヒータ電極70の外縁の外側に平面的に隣接するように設けられている。このため、例えばACF71を介して透明導電膜41に対して第1のヒータ電極70を圧着したときに、透明導電膜41と第1のヒータ電極70との間のACF71を矢印Pに示すように直ぐに貫通口144aに流入させることができる。従って、第1のヒータ電極70の近くで貫通口144aにACF71をすぐに流入させることで、第1のヒータ電極70及び第1のヒータ用可撓性基板144の浮きをより確実に防止することができる。
(第3の変形例)
次に、本発明に係る第3の変形例の液晶装置について説明する。
図12は第3の変形例の液晶装置のヒータ電極の部分平面図である。
本変形例は、第1の変形例の液晶装置1’に比べて、第1のヒータ電極42’に形成された第1の凹状部42A’、第2の凹状部42B’の形状及び第1のヒータ用可撓性基板44’に形成された第3の凹状部44A’、第4の凹状部44B’の形状が異なっている。
本変形例では、第1のヒータ電極42’の代わりに第1のヒータ電極75を備え、第1のヒータ用可撓性基板44’の代わりに第1のヒータ用可撓性基板76を備えている。
第1のヒータ電極75は、図12に示すように、例えば、液晶パネル2の長手方向(図12のX方向)が第1の幅w1である略矩形状を有すると共に、液晶パネル2の幅方向(図12のY方向)に配設された複数の第1の凹状部75Aと、液晶パネル2の幅方向(図12のY方向)に配設された複数の第2の凹状部75Bとを有している。
第1の凹状部75Aは、図12に示すように、液晶パネル2の中心から離れるように長手方向(図12のX方向)に半円弧状に凹んでいる。第2の凹状部75Bは、図12に示すように、液晶パネル2の中心に近づくように長手方向(図12のX方向)に半円弧状に凹んでいる。
第1のヒータ用可撓性基板76は、例えば第1のヒータ電極75に平面的に重なるように配置されている。例えば第1のヒータ用可撓性基板76は、第1のヒータ電極75と略同形状であると共に、液晶パネル2の幅方向(図12のY方向)に配設された複数の第3の凹状部76Aと、液晶パネル2の幅方向(図12のY方向)に配設された複数の第4の凹状部76Bとを有している。
第3の凹状部76Aは、図12に示すように、液晶パネル2の中心から離れるように長手方向(図12のX方向)に半円弧状に凹んでいる。第4の凹状部76Bは、図12に示すように、液晶パネル2の中心に近づくように長手方向(図12のX方向)に半円弧状に凹んでいる。
第1の凹状部75A、第3の凹状部76Aは、例えば、パンチ加工により一括形成され、第2の凹状部75B、第4の凹状部76Bはパンチ加工により一括形成されている。
このように本変形例によれば、第1の凹状部75A、第3の凹状部76Aは、例えば、パンチ加工により一括形成されると共に、第2の凹状部75B、第4の凹状部76Bはパンチ加工により一括形成されている。このため、例えば半円弧状の第1の凹状部75A、第3の凹状部76Aをパンチ加工により一括成形することができるので、製造コストを低下させることができる。
また、圧着時に、第1のヒータ用可撓性基板76に形成された第3の凹状部76A、第4の凹状部76Bに、ACF77が押し出される。このため、押圧面積を小さくして圧力を大きくして透明導電膜41に対して第1のヒータ電極75等を確実に圧着することができる。
(第4の変形例)
次に、本発明に係る第4の変形例の液晶装置について説明する。
図13は第4の変形例の液晶装置のヒータ電極の部分平面図である。
本変形例は、図6に示す液晶装置に比べて、第1のヒータ用可撓性基板44に形成された貫通口44aの位置が異なっている。なお、第2のヒータ用可撓性基板45に形成された貫通口45aの位置についても同様であるので説明を省略する。
本変形例では、第2の変形例の貫通口44aが形成された第1のヒータ用可撓性基板44に代えて、貫通口244aが形成された第1のヒータ用可撓性基板244を備えている。
第1のヒータ用可撓性基板244は、図13に示すように、貫通口244aが複数形成されている。貫通口244aは、図13に示すように、第1のヒータ電極70の外縁の外側に平面的に隣接するように配設されている。貫通口244aは、例えば半円形状である。貫通口244a内には、図13に示すようにACF71が流入している。
この半円形状の貫通口244aは、例えば第1のヒータ電極70をマスクとして用い、エッチングにより形成することができる。
このように本変形例によれば、貫通口244aは、第1のヒータ電極70の外縁の外側に平面的に隣接するように設けられている。このため、例えばACF71を介して透明導電膜41に対して第1のヒータ電極70を圧着したときに、透明導電膜41と第1のヒータ電極70との間のACF71を矢印Pに示すように直ぐに貫通口244aに流入させることができる。従って、第1のヒータ電極70及び第1のヒータ用可撓性基板244の浮きをより確実に防止することができる。
また、貫通口244a内に流入したACF71と第1のヒータ用可撓性基板244との接着面積を増加させることができる。従って、透明導電膜41に対する第1のヒータ用可撓性基板244及び第1のヒータ電極70の密着性を向上させることができる。
なお、本変形例において、第1のヒータ用可撓性基板244に形成された半円形状の貫通口244aを円形状の貫通口にして、この貫通口の周縁(のうち例えば半分の周縁)に平面的に重なるように第1のヒータ電極70に凹状部を形成するようにしてもよい。これにより、第1のヒータ用可撓性基板244を圧着するときに、より効果的にACFを円形状の貫通口から流出させて、第1のヒータ電極70の密着性を向上させることができる。
(第5の変形例)
次に、本発明に係る第5の変形例の液晶装置について説明する。
図14は第5の変形例の液晶装置のヒータ電極の部分平面図、図15は図14の液晶装置のD−D断面図である。
本変形例は、図6に示す液晶装置に比べて、図6の矩形状の第1のヒータ電極70の代わりに図14の第1のヒータ電極80を備え、図6のACF71の代わりに図15のNCF(Non Conductive Film)81を備えている。
第1のヒータ電極80は、矩形状を有しており、透明導電膜41に向けて突出し、透明導電膜41に接触する複数の突出部80Aを備えている。第1のヒータ電極80は、複数の突出部80Aを介して透明導電膜41に接続されている。
NCF81は、例えばACFに含まれている導電粒子を含まない接着材である。
NCF81は、第1のヒータ用可撓性基板44と、透明導電膜41との間において少なくとも第2の幅w2で配置されている。また、NCF81は、貫通口44a内にも流入されている。
このように本変形例によれば、第1のヒータ電極80は、透明導電膜41に向けて突出し、透明導電膜41に接触する複数の突出部80Aを備えている。このため、例えば接着材にNCF81を用いても、第1のヒータ電極80の複数の突出部80Aを介して透明導電膜41と第1のヒータ電極80との導通を図ることができる。また、NCF81は、第1のヒータ用可撓性基板44と、透明導電膜41との間において少なくとも第2の幅w2で配置されていると共に、貫通口44a内にも流入されている。従って、NCF81と第1のヒータ用可撓性基板44との接着面積を増加させ、第1のヒータ用可撓性基板44と、透明導電膜41との密着性を向上させることができる。
(第2の実施形態・電子機器)
次に、上述した液晶装置1を備えた電子機器について説明する。
図16は本発明に係る携帯電話機の外観概略図、図17はパーソナルコンピュータの外観概略図である。
例えば、携帯電話機500は、図16に示すように複数の操作ボタン571の他、受話口572、送話口573を有する外枠に例えば、液晶装置1を備えている。
また、パーソナルコンピュータ600は、図17に示すようにキーボード681を備えた本体部682と、液晶表示ユニット683とから構成されており、液晶表示ユニット683は外枠に例えば、液晶装置1を備えている。
これらの電子機器は、液晶装置1の他に図示しないが表示情報出力源、表示情報処理回路等の様々な回路及びそれらの回路に電力を供給する電源回路等からなる表示信号生成部等を含んで構成される。
更に液晶装置1には例えば、パーソナルコンピュータ600の場合にあってはキーボード681から入力された情報に基づき表示信号生成部によって生成された表示信号が供給されることによって、表示画像が液晶装置1に表示される。
本実施形態によれば、透明導電膜41と第1のヒータ電極42との接続における密着性及び電気的信頼性に優れた液晶装置1を備えるので、表示品位に優れた電子機器を得ることができる。
尚、電子機器としては、他に液晶装置が搭載されたタッチパネル、プロジェクタ、液晶テレビやビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション、ページャ、電子手帳、電卓等が挙げられる。そして、これらの各種電子機器の表示部として、上述した例えば液晶装置1が適用可能なのは言うまでもない。
また、本発明は上述したいずれの実施形態にも限定されず、本発明の技術思想の範囲内で適宜変更して実施できる。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、上述した各実施形態を組み合わせ得る。
例えば上述した実施形態では、液晶装置の一例として薄膜トランジスタ素子アクティブマトリクス型の液晶装置について説明したがこれに限られるものではなく、例えば、薄膜ダイオード素子アクティブマトリクス型やパッシブマトリクス型の液晶装置であってもよい。
なお、上記実施形態等では、貫通口44a等の形状が円形状である例や半円形状である例を示した。しかし、貫通口44aの形状はこれらに限定されない。例えば多角形状であってもよいし、スリット状であってもよい。
また、上記実施形態等では、第1のヒータ電極42が、液晶パネル2の中心側とその反対側に第1の凹状部42A、第2の凹状部42Bを備える例を示した。しかし、これに限定されず、例えば、第1のヒータ電極42が、第2の凹状部42Bを備え、第1の凹状部42Aを備えないようにしてもよい。このようにすることで、液晶パネル2の中心側にACF46がはみ出す量を確実に減少させて、偏光板等を正確に配置することができる。
また、上記実施例等では、ヒータ用可撓性基板に形成される凹状部または貫通口は、対となる辺の、それぞれの辺に沿って形成されると説明した。しかし、これに限定されるものではなく、どちらか一方の辺に沿って凹状部または貫通口を形成するようにしてもよい。
1’,1…液晶装置、2’,2…液晶パネル、3…回路基板、4’,4…液晶パネルヒータ、5,6,60…基板、5A…一面、5a…張り出し部、6a…共通電極、7…シール材、8…ゲート電極、9…ソース電極、10…画素電極、11,12,13,33…入力配線、11a…基板側入力端子、11b…他端部、14,15,16,32…出力配線、14a…基板側出力端子、17,18,19…ドライバIC、20…基材、20a…実装面、21,22…電極パッド、23…ドライバ側入力端子、24…ドライバ側出力端子、25,46’,46,56’,56,71,77…ACF、28,46A’,46A,56A’…導電粒子、29…接着材、31…可撓性基材、34…半導体IC、36…配線、37…接続部材、41’,41…透明導電膜、42’,42,70,75,80…第1のヒータ電極、42A’,42A,75A…第1の凹状部、42B’,42B,43B’,75B…第2の凹状部、42H…外縁、43’,43…第2のヒータ電極、44’,44,76,144,244…第1のヒータ用可撓性基板、44a,45a,144a,244a…貫通口、44A’,76A…第3の凹状部、44B’,76B…第4の凹状部、45’,45…第2のヒータ用可撓性基板、47’,47…第1のヒータ配線、48’,48…第2のヒータ配線、49’,49…第1の配線、50’,50…第1のヒータ用配線基板、51’,51…第2の配線、52’,52…第2のヒータ用配線基板、55…偏光板、60A…面、80A…突出部、81…NCF、500…携帯電話機、600…パーソナルコンピュータ、d1’,d1,d2’,d2…凹む長さ、E,F…領域、K1…第1の角部、K2…第2の角部、L…対角線、P…矢印、T…薄膜トランジスタ素子、w1…第1の幅、w2…第2の幅。