JP2008261240A - ダブルローラ式ポンプ - Google Patents

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【課題】弾性チューブがローラに合流する領域あるいはローラから離脱する領域において、チューブに生ずる負荷を軽減したダブルローラ式ポンプを提供する。
【解決手段】ダブルローラ式ポンプは、回転軸10と、回転軸10に固定された取付ブロック13と、取付ブロック13に配置された複数の押圧ユニット2、3とを備えている。押圧ユニット2、3が弾性チューブTを押圧しながら公転することにより弾性チューブT内の被搬送物を搬送する。押圧ユニット2、3は、取付ブロック13に対向して配置された支軸17と、各支軸17に回転自在に装着され弾性チューブTを押圧するローラ19とを備えている。各支軸17、17はその間隔が変位可能であり、弾性チューブTがローラ19の公転軌跡に沿って配置される部分では、前記ローラ19が弾性チューブTを押圧する間隔に、前記支軸17、17間の間隔が変位する。
【選択図】図2

Description

本発明は、公転する2つのローラによってチューブを挟み込みチューブ内の被搬送物を搬送するダブルローラ式ポンプに関する。
従来から、弾性チューブTを挟んで対向して配置された2つのローラ301からなるローラ対301Pを回転軸302に固定し、回転軸302を一方向に回転させるスクイズ式のダブルローラ式ポンプが知られている。これは回転軸302を中心として回転するローラ対301Pが弾性チューブTを押しつぶし(押圧し)ながら弾性チューブTの軸方向に沿って移動し、弾性チューブT内部に充填されているコンクリートスラリー等(以下、単に「コンクリート」という)を回転方向下流側へと圧送するスクイズ式のポンプである(図12、図13)。
このようなダブルローラ式ポンプにあっては、弾性チューブT内のコンクリートを逆流させずに確実に下流側に送り出すために、各ローラ301、301は間に位置する弾性チューブTの互いに対向する内面同士が接触するような間隔にて固定されている。
ここで、図12に示すように、弾性チューブTはU字状に配置されている一方、ローラ対301Pは回転軸302を中心とした回転運動を繰り返すこととなる。このため、ローラ対301Pが一回転する間にローラ対301Pの間に弾性チューブTが合流し、ローラ対301Pが弾性チューブTを押圧しながら一定角度公転し、その後ローラ対301Pの間から弾性チューブTが離脱するというサイクルを繰り返している(特許文献1及び2)。
特開2001−263267号公報 特開平11−93858号公報
ところで、ローラ対301Pに対して弾性チューブTが合流する時には、ローラ対301Pは回転運動により円弧状の移動軌跡を描く一方、弾性チューブTは直線状に形成されているため、弾性チューブTは内周側からローラ対301Pの間に挿入されることとなる。すなわち、合流当初は、弾性チューブTの内周側のみがローラ対301Pによって押圧され、外周側はローラ対301Pに押圧されずに解放されている(図14(a))。そして、さらにローラ対301Pの回転が進むと、弾性チューブTの径方向の半分がローラ対301Pに押圧されることとなり(図14(b))、さらに弾性チューブTの外周側の一部を除く多くの部分がローラ対301Pに押圧され(図14(c))、最終的には弾性チューブT全体がローラ対301Pによって押圧されることとなる(図13)。
また、弾性チューブTがローラ対301Pから離脱する際には逆に弾性チューブTの外周側がまずローラ対301Pの押圧から解放され(図14(c))、弾性チューブTの内周側がローラ対301Pに押圧された状態を経て(図14(b)、(c))、最後に弾性チューブT全体がローラ対301Pの押圧から解放される。したがって、ローラ対301Pの間への合流領域及び離脱領域において弾性チューブTは外周側に比べて内周側がより頻繁にローラ対301Pと接触することとなり、弾性チューブT表面の摩耗や劣化等の負荷は外周側に比べて内周側の方が顕著となる。
弾性チューブT内はコンクリートが高圧で充填されていることから内周側がローラ対301Pに挿入されることにより内部に充填されていたコンクリートは外周側や弾性チューブTの軸方向両側へと移動することとなる。このとき、弾性チューブTのうちローラ対301Pによって押圧されている部分は内面同士が接触することになるためコンクリートによる内圧は作用せず、ローラ対301Pによって押圧されていない外周側にコンクリートによる内圧が作用する。このため、ローラ対301Pと弾性チューブTとの合流時には、弾性チューブTの内面は内周側に比して外周側に掛かる負荷が顕著となる。これは弾性チューブTがローラ対301Pから離脱する際にも該当する。すなわち、弾性チューブTがローラ対301Pから離脱する際には外周側から順次離脱する。すると、ローラ対301Pによる押圧から解放された外周側の内面には、その周囲からコンクリートが流入することとなる。このため、ローラ対301Pと弾性チューブTとの離脱時にも、弾性チューブTの内面は内周側に比して外周側に掛かる負荷が顕著となる。
本発明は、弾性チューブがローラ間に合流する領域あるいはローラ間から離脱する領域において、チューブに生ずる負荷を軽減したダブルローラ式ポンプを提供することにある。
上記課題を解決するために請求項1に記載の発明は、チューブを間に挟んで公転するローラ対を備えたダブルローラ式ポンプにおいて、前記ローラ対を構成する2つのローラがチューブを押圧する間隔とチューブを押圧しない間隔との間で変位可能であり、前記2つのローラを、チューブがローラの公転軌跡に沿って配置される部分ではチューブを押圧する間隔に維持することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、前記2つのローラは、ローラの公転に伴って、チューブがローラ間から離脱する領域で同ローラがチューブを押圧しない間隔に向けて変位し、チューブがローラ間に合流する領域で同ローラがチューブを押圧する間隔に向けて変位することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、前記チューブは半円に亘ってローラの公転軌跡に沿って配置されており、前記ローラ対は公転方向において等間隔に複数配置されていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、回転軸と、回転軸に固定された取付ブロックと、取付ブロックに回転軸の周方向において等間隔に配置された複数の押圧ユニットとを備え、一部が円弧状に配置されたチューブを押圧ユニットが押圧しながら公転することによりチューブ内部の被搬送物を搬送するダブルローラ式ポンプにおいて、押圧ユニットは、取付ブロックに対向して配置された支軸と、各支軸に回転自在に取り付けられチューブを押圧するローラとを備え、前記対向して配置された支軸は押圧ユニットの公転に伴って回転軸方向における支軸間の間隔を変位可能に支持されており、前記チューブがローラの公転軌跡に沿って配置される部分では、前記ローラがチューブを押圧する間隔に前記支軸間の間隔が変位することを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、前記ダブルローラ式ポンプは、押圧ユニットの公転領域を覆うハウジングを備え、同ハウジングの内面にはローラの公転軸を中心とする円周形でかつ周方向において高さが異なる突条が対向して形成されており、一方、各支軸にはこの突条に当接する当接部が設けられており、同当接部が突条に当接することにより、前記対向して配置された支軸の間隔が変位することを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、前記各支軸は取付ブロックに対して回転軸方向に移動可能かつ周方向に移動不能に支持されていることを特徴とする。
本発明のダブルローラ式ポンプによれば、チューブがローラ間に合流する領域あるいはローラ間から離脱する領域において、チューブに生ずる負荷を軽減することができる。
以下、本発明を具体化したダブルローラ式コンクリート搬送ポンプ(以下、単に「ローラ式ポンプ」という。)の一実施形態(第一実施形態)を図1〜図5にしたがって説明する。図1は本実施形態のローラ式ポンプの側面図であり、図2(a)は図1の位置Aと位置Cとを結ぶ線に沿ってハウジング1を切断した正面図、図2(b)はその部分拡大図である。また、図3(a)は図2の上側に位置している押圧ユニットの部分拡大図であり、図3(b)は図2の下側に位置している押圧ユニットの部分拡大図である。なお、図1はハウジング内部の説明のためにハウジング1のうち図中手前側を開いた状態で図示している。
図1に示すように、ローラ式ポンプは、周囲を覆う円筒状のハウジング1と、このハウジング1内部に回転可能に配置された2組の押圧ユニット2、3とを備えている。弾性チューブTはその一部がハウジング1内部に円弧状に配置され、押圧ユニット2、3にて弾性チューブTを押圧して一定方向(図1中時計回り方向)に絞ることにより弾性チューブT内部に充填されているコンクリートを搬送するものである。このハウジング1は、一方の端面を覆う円形の前側板4(ただし、図1では図示略)と、他方の端面を覆う同じく円形の後側板5と、この前側板4と後側板5の両外周端に沿う円筒形状に形成された円周板6とから構成される。前側板4と円周板6及び後側板5と円周板6とはボルト等により相互に固定されている。また、ハウジング1は径方向が上下を向くように図示しない基台に設置され、同様に図示しない固定手段により基台に相対移動不能に固定されている。
ハウジング1の円周板6上であって、その頂部から周面上を少し下がった箇所にはハウジング1の内部に連通する上部開口6aが形成されている。また、上部開口6aからさらに周面上をそのまま下がり、底部に至る少し手前の箇所には、同様にハウジング1の内部に連通する下部開口6bが形成されている。この上部開口6aおよび下部開口6bは弾性チューブTをハウジング1内から導出および導入させるための開口であって、上部開口6aと下部開口6bの対向する辺部には弾性チューブTを支持する受材7がステー8を介して連結され固定されている(図2ではステー8を図示略している。)。
図1に示すように、弾性チューブTは、図中左側のハウジング1外部から下部開口6bを経て略直線状にハウジング1内部に導入され、続けてハウジング1の下端部から約180度の角度範囲にわたり円周板6の内周面に沿って円弧状に配置されてハウジング1の頂部に至っている。そして、弾性チューブTは、ハウジング1の頂部からはそのまま略直線状に上部開口6aへと延びそのままハウジング1外部へと導出されている。すなわち、弾性チューブTはハウジング1内で横向きU字形に配置されている。また、円周板6の内周面のうち弾性チューブTが円弧状に配置される部分には弾性チューブTの外周側外面に当接する規制リブ9が形成されている。
図2(a)に示すように、前側板4及び後側板5のそれぞれの中心部分にはそれぞれ円孔4a、5aが形成され、同円孔4a、5aを貫いて回転軸10が配置されている。回転軸10のうち前側板4に形成された円孔4aから突出する端部10aは前側板4の外側から円孔4aを覆うように取り付けられている軸受11に回転可能に支持されている。また、回転軸10のうち後側板5に形成された円孔5aから突出する端部10bは拡径され、その内側がくり抜かれて後側板5の円孔5a外面に設けられた減速機12の出力軸12aが一体回転可能に内嵌されている。減速機12の入力軸12bには図示しない駆動手段(モータ等)が連結されており、回転軸10は駆動手段の駆動力によって所定速度で回転する。
ハウジング1の内部では、回転軸10に取付ブロック13が固定支持されている。この取付ブロック13は円筒状の中央部14と中央部14の両端に形成されたより大径のフランジ部15、15とからなる糸巻き筒形状をなしている。この取付ブロック13は中心が回転軸10に貫通されて固定されており、回転軸10と取付ブロック13とは軸方向及び周方向に相対移動不能であり一体に回転する。フランジ部15、15は回転軸10を中心として同心円上に形成された複数の頂点15aを有する多角形状に形成されており各頂点15aには回転軸10方向に向かうU字溝(図示略)が形成されている。フランジ部15、15の対向するU字溝の間にはガイドローラ16が掛け渡されている。このガイドローラ16は押圧ユニット2、3の回転時に弾性チューブTの内周側外面に当接し内側への移動を規制する役割を有している。
取付ブロック13には2組の押圧ユニット2、3が配置されている。各押圧ユニット2、3は同一形状にて構成されており、かつ回転軸10を中心として周方向に180度の間隔をあけて取付ブロック13に配置されている。以下、取付ブロック13に配置されている2組の押圧ユニット2、3のうち一の押圧ユニット2についてのみ具体的構成の説明を行い、他の押圧ユニット3の具体的構成の説明は省略する。
図2(a)、図2(b)、図3(a)、図3(b)に示すように、一の押圧ユニット2は、取付ブロック13を挟んで対向して配される2つの支軸17、17と各支軸17に装着された当接部としての軸受18及びローラ19とから構成される。取付ブロック13には、回転軸10の軸心から径方向外側に向かって一定距離離間した位置に回転軸10の軸線方向と平行な内側貫通孔13aが形成されている。また、回転軸10の軸心と内側貫通孔13aとを結ぶ線の延長上であって内側貫通孔13aより径方向外側には回転軸10の軸線方向と平行な外側貫通孔13bが形成されている。したがって、内側貫通孔13aと外側貫通孔13bは回転軸10に平行かつ回転軸10の軸心を通り軸線方向に直交する一の線上に形成されている。この内側貫通孔13aと外側貫通孔13bにはそれぞれ同じ長さのロッド20、20が挿入され、回転軸10の軸方向においてロッド20の前後両端がそれぞれ同じ長さ突出した状態で固定されている。取付ブロック13を挟んで対向する位置に配置されている各支軸17は、矩形状の基部21とその先端に形成された円筒の小径部22とから構成されている。基部21にはその軸方向の2箇所にロッド挿入孔21aが形成されており、取付ブロック13から突出する2本のロッド20、20がこのロッド挿入孔21aに挿入されている。
各支軸17に形成されているロッド挿入孔21aはロッド20の径よりわずかに大きく形成されており、ロッド挿入孔21aをロッド20に挿入させた状態で支軸17がロッド20上をその軸方向に移動可能となっている。また、支軸17はロッド20の軸方向における幅がロッド20の突出長さよりも十分短く形成されており、そのため支軸17はロッド20の軸線方向に沿って移動可能であり、そのおおよその移動ストロークはロッド20が取付ブロック13から突出している長さと支軸17の幅との差に相当する長さとなる。同じ方向に突出している2本のロッド20、20の先端には規制板23が掛け渡され、支軸17の抜け止めとして機能している。取付ブロック13と支軸17との間にはコイルバネ24が各ロッド20に外嵌された状態で配置されており、このコイルバネ24の作用により各支軸17は取付ブロック13に対して常時外側に向けて付勢されている。なお、回転軸10またはロッド20の軸線方向において各支軸17が取付ブロック13に近づく方向を内側、各支軸17が取付ブロック13から離間する方向を外側という。
各支軸17の小径部22の基端には軸受18が装着されている。この軸受18はラジアル軸受であり、軸受18の内周が小径部22の外周に装着され、軸受18の外周は回転自在となっている。また小径部22において軸受18よりも先端には略円筒形状に形成された金属製のローラ19が小径部22に対して回転(自転)可能に支持されている。このローラ19は基端側から先端近くまでは一定直径の円筒形状に形成された押圧部19aとなっているがその先端は先端に向かうほど直径が小さくなる円錐形状に形成されたテーパ部19bとなっている。押圧ユニット2は、取付ブロック13を挟んで対向して配置されている2つのローラ19、19(この取付ブロック13を挟んで対向配置された2つのローラ19、19がローラ対19Pとなる。)によって弾性チューブTを押圧するため、ローラ対19Pの間隔によって間に位置する弾性チューブTの断面形状が変化する。なお、本明細書中で押圧ユニット2及びそれを構成する要素(軸受18、ローラ19)が回転軸10の軸回りに回転することを公転といい、各要素の軸回りに回転することを自転という。
前記したように本実施形態では取付ブロック13に2組の押圧ユニット2、3が周方向に180度間隔で配置されており、両押圧ユニット2、3は同一構成であって同一の手段により取付ブロック13に取り付けられている。このため、他方の押圧ユニット3の説明は省略する。一方、ハウジング1を構成する前側板4及び後側板5の内面には、押圧ユニット2が公転する際における軸受18の公転軌跡に沿った形状(回転軸10を中心とするサークル状)にそれぞれ案内突条25が形成されている。この案内突条25は、一定の厚みを持った金属板材からなり、前側板4及び後側板5の内面からそれぞれ回転軸10の軸方向内側に向かって垂直に立ち上がるように形成されている。案内突条25の頂部は平坦に形成されておりこの頂部が当接面25aとなっている。押圧ユニット2ではコイルバネ24の付勢力により支軸17が常時外側方向に付勢されているため、軸受18の外周面が案内突条25の当接面25aに当接した状態となってする。
案内突条25は周上の位置によってその高さが異なっている。図4に、前側板4及び後側板5の内面に突設された案内突条25を展開した図を示す。同図は、サークル状に形成されている案内突条25について図1に示す位置Aを起点として位置A→位置B(サークル状である案内突条25の下端部)→位置C(位置Aから180度回転した位置)→位置D(案内突条25の上端部)→位置Aと直線状に展開し、その案内突条25を外周側から見た状態を模式的に示したものである。すなわち、周方向における案内突条25の高さの変化を示している。なお、案内突条25に当接している軸受18は、押圧ユニット2の公転に伴って案内突条25の当接面25aに当接し自転しながら図中左から右へと移動する。
位置Aでは案内突条25の高さは低部25Lに設定されている。位置Aから一定角度(例えば約45度)時計回り方向に回転した位置から案内突条25は上り傾斜部25Uとなって順次高さを増していき、位置Bにて高部25Hに至る。案内突条25は位置Bから位置Cを経て位置Dへと至る180度の角度範囲において高部25Hのままの高さを維持しており、位置Dから少し進んだ位置D′(例えば角度にして5度)から案内突条25は下り傾斜部25Dとなって順次高さを減らしていき一定角度(例えば約45度)回転した位置にて低部25Lとなり、そのまま位置Aへと至る。したがって、案内突条25は位置Aを起点及び終点として押圧ユニット2の公転方向に対して、低部25L−上り傾斜部25U−高部25H−下り傾斜部25D−低部25Lの順にその高さが変化している。
図4に示すように、前側板4及び後側板5にそれぞれ形成されている案内突条25は対向する位置ではともに同じ高さに形成されており、例えば前側板4に形成されている案内突条25が高部25Hのときには後側板5に形成されている案内突条25も同様に高部25Hに形成されている。案内突条25は、両支軸17、17にロッド20上の直線運動を付与するカムとしての役目を有しており、コイルバネ24により常時外側に向けて付勢されている支軸17は、軸受18が案内突条25の当接面25aに当接することによりそれ以上外側へ移動することができなくなる。図3(a)は、軸受18が案内突条25の高部25Hに当接している状態を示しており、支軸17は取付ブロック13に近接した位置となってローラ対19Pの間隔は最小となっている。したがって、弾性チューブTはローラ対19Pに押圧されて弾性チューブTの内面同士が接触する(弾性チューブが押圧された)状態となっている。また、図3(b)は、軸受18が案内突条25の低部25Lに当接している状態を示しており、支軸17は取付ブロック13から離間した位置となってローラ対19Pの間隔は最大となっている。したがって、この状態ではローラ対19Pの間に弾性チューブTが位置していた場合でもローラ対19Pによって押圧されない状態となっている。上り傾斜部25U及び下り傾斜部25Dは、押圧ユニット2が公転する際に支軸17がロッド20上を外側から内側へあるいは内側から外側にスムーズに移動することができるような傾斜角度に設定されている。
次に、この押圧ユニット2が公転する際の弾性チューブTに対する押圧ユニット2の挙動について説明する。
既に説明したように、弾性チューブTは、ハウジング1に形成されている下部開口6bからハウジング1内に導入されており、下部開口6bからハウジング1内の下端部へはほぼ直線のまま配置されている。また、弾性チューブTはハウジング1の下端部からは円周板6の規制リブ9に当接しながらハウジング1内を半周してハウジング1の頂部に至り、同頂部からほぼ直線のまま上部開口6aへと延び、そのままハウジング1外へと導出されている。したがって、弾性チューブTはハウジング1の内部にて少なくとも180度の角度範囲に亘って円弧状に配置されており、弾性チューブTは円弧状の部分において押圧ユニット2が公転する際にはローラ対19Pの間に位置することとなる。本実施形態では2組の押圧ユニット2、3が等間隔(180度間隔)で回転軸10に固定されているが、押圧ユニット2、3は取付ブロック13への取り付け位置が異なるのみであるため、一の押圧ユニット2の動きについて説明する。
位置Aでは案内突条25は低部25Lに形成されているため、押圧ユニット2がこの位置にあるときにはローラ対19Pは互いに離間している。また、この位置Aでは弾性チューブTはハウジング1の内部に配置されていないため、ローラ対19Pの間にも弾性チューブTはない。位置Aを起点として押圧ユニット2が公転を開始すると、各支軸17に設けられている軸受18はその外周面を案内突条25の当接面25aに当接させて自転しながら案内突条25に沿って移動を開始する。押圧ユニット2の公転を開始したしばらくは案内突条25が低部25Lのまま形成されているため、支軸17もロッド20上を移動することはなくローラ対19Pの間隔も離間した状態のままである(図5a)。
押圧ユニット2が位置Aから一定角度公転すると案内突条25は低部25Lから上り傾斜部25Uへと変化する。案内突条25に当接している軸受18は上り傾斜部25Uにおいて内側へと押されることによりこの軸受18が装着されている支軸17もロッド20上を内側方向へと移動する。対向して形成されている案内突条25も同様に高さが変化しているため、取付ブロック13を挟んで対向している両支軸17、17は同時にロッド20上を内側方向へと移動を開始することとなる。このため、上り傾斜部25Uにおいては押圧ユニット2の公転に伴ってローラ対19Pの間隔は順次狭くなってくる。また、このローラ対19Pの間隔が変化を始めるのと同期して下部開口6bからハウジング1内に導入された弾性チューブTが押圧ユニット2に合流し始め、ローラ対19Pの間にその内周側を挿入してくる。すなわち、ローラ19は回転軸10を中心として回転する一方、弾性チューブTは下部開口6bからハウジング1内に導入された当初はほぼ直線状であるため、押圧ユニット2が公転するにしたがって弾性チューブTがローラ19に外周側から接近してくることとなる(図5b)。
弾性チューブTがローラ対19Pの間へ挿入され始めるのは支軸17がロッド20上を内側へ移動し始めたところであるため、ローラ対19Pの間隔には余裕があり、かつローラ19の先端はテーパ部19bが形成されているため、ローラ対19P間に弾性チューブTを無理なく挿入させることができる。押圧ユニット2が公転を進めるとローラ対19Pの間隔もさらに狭くなり、併せて弾性チューブTもより深くローラ対19Pの間に挿入されてくることとなるが、案内突条25の高さはまだ高部25Hには至っていないため、ローラ対19Pの間に挿入される弾性チューブTの表面に掛かる負荷は低い(図5c)。そして、押圧ユニット2が位置Bに至ると案内突条25の高さが高部25Hとなってローラ対19Pの間隔が最も狭くなるが、この状態では弾性チューブTも外周端が規制リブ9に当接して、ローラ対19Pの間に完全に位置することとなり、弾性チューブTはローラ対19Pにより挟まれて内面同士が接触する押圧された状態となる。また、弾性チューブTは規制リブ9によって外周側への移動が規制されることとなる(図5(d))。
案内突条25は位置Bからは約180度の角度範囲にわたって高部25Hのまま形成されており、また弾性チューブTも位置Bから位置Dまでの間の180度の角度範囲で円弧状に配置されている。このため、ローラ19の公転方向と弾性チューブTの配置方向とが一致し、ローラ対19Pが自転しながら弾性チューブTを押圧した状態のままで公転を続け、弾性チューブT内部に充填されているコンクリートを上流側に搬送する。押圧ユニット2が位置Dを少し過ぎた位置(位置D′)から案内突条25の高さが下り傾斜部25Dとなる。案内突条25に当接しながら移動している軸受18は下り傾斜部25Dにおいてコイルバネ24の付勢力により外側方向へと押されることとなって外側方向への移動を開始する。これに併せて支軸17もロッド20上を外側方向へと移動する。このため、位置D′を過ぎた地点からローラ対19Pの間隔も順次拡がり始める(図5e)。
位置Dまではローラ19の公転方向と一致する方向に配置されてきた弾性チューブTは、位置Dから上部開口6aへ向かって直線状に配置されているため、その配置方向とローラ19の公転方向とが異なることとなってローラ対19Pの間からローラ19の先端側への離脱を始める。この離脱開始に併せてローラ対19Pの間隔も拡がり始めるため弾性チューブTに作用しているローラ19の押圧力が緩和され、ローラ対19Pの間からの弾性チューブTの離脱が容易となる(図5(f))。ローラ対19Pがその間隔を拡げながらさらに一定角度公転したところで案内突条25の高さが低部25Lとなり、そのまま位置Aへと続くため、ローラ対19Pの間隔も離間したまま位置Aへと進み、以後この挙動を繰り返す。このように、ローラ対19Pは、弾性チューブTとの合流時において合流当初はその間の間隔を大きくとる一方、合流完了後には弾性チューブTを押圧する間隔を維持する。このため、合流時にはローラ対19Pの間への弾性チューブTの合流を容易にするとともに弾性チューブTに掛かる負荷が軽減される。
また、ローラ対19Pは、弾性チューブTとの離脱時にはそれまで弾性チューブTを押圧していた状態から間隔を広げ、弾性チューブTの離脱を容易にするとともに離脱時に弾性チューブTに掛かる負荷が軽減される。なお、押圧ユニット2、3は回転軸に180度間隔で2組設けられている。一方、案内突条25は180度を僅かに超える角度範囲(例えば185度)において高部25Hが連続して形成されている。押圧ユニット2の公転時において一方の押圧ユニット2が弾性チューブTの押圧を解除する位置(位置D′)にあるとき、他方の押圧ユニット3は位置Aを少し過ぎた位置にあって弾性チューブTを押圧する状態となっている。このため、少なくともいずれか一方の押圧ユニット2が弾性チューブTを押圧している状態が維持され、押圧ユニット2、3の公転にともなってローラ対19Pの間隔が変化する場合であっても、2つの押圧ユニット2、3におけるローラ対19Pの間隔が同時に大きくなることはない。
上記実施形態のローラ式ポンプによれば、以下のような効果を得ることができる。
(1).上記実施形態では、弾性チューブTを挟むローラ対19Pの間隔を可変とし、ローラ19に弾性チューブTが合流する前にはローラ対19Pの間隔が広くなっており、合流中にはローラ対19Pの間隔が順次狭くなっていく、合流完了時にはローラ対19Pは弾性チューブTが押圧される間隔となる。このため、ローラ対19Pの間への弾性チューブTの合流が容易となってローラ対19Pの間へ弾性チューブTが合流する領域において弾性チューブTへの負荷が減少する。
(2).また、弾性チューブTがローラ対19Pの間に挿入される際にはローラ対19Pは弾性チューブTを押圧するための間隔とはなっていない。このため、合流時に弾性チューブTの表面とローラ19とが激しくこすれ合うことがなく、ローラ対19Pの間へ弾性チューブTが合流する領域における弾性チューブTの摩耗が生じにくい。また、弾性チューブTの内面でも内周側のみ押圧され外周側が押圧されない状態とはならないため、内面における負荷が減少する。
(3).弾性チューブTがローラ19から離脱する際にも両者の離脱の開始と併せてローラ対19Pの間隔を拡げている。このため、弾性チューブTへのローラ19の押圧が弱くなった状態で離脱することとなるためローラ対19Pの間からの離脱が容易となり、ローラ対19Pの間から弾性チューブTが離脱する領域において弾性チューブへの負荷が減少する。
(4).また、弾性チューブTがローラ対19Pの間から離脱する際にはローラ対19Pの間隔も順次広くなる。このため、離脱時に弾性チューブT表面とローラ19とが激しくこすれ合うことがなく、離脱領域における弾性チューブT表面の摩耗が生じにくく、内面における負荷も減少する。
(5).サークル状に形成した案内突条25に軸受18の外周を当接させながら押圧ユニット2を公転させ、この公転にあわせて支軸17がロッド20上をその軸方向へ移動する方式とした。このため構造が簡易である。
(6).コイルバネ24により支軸17を常時外側に付勢させている。このため、案内突条25によって規制されない限り支軸17は互いに離間した状態となって、支軸17に設けられているローラ対19Pも互いに離間した状態となるため、弾性チューブTが合流する際にはローラ対19Pは離間した状態を維持しており合流が容易となる。
(7).ローラ19の先端を先端に向かうほど小径となるテーパ部19bとした。このため、ローラ19の先端から合流してくる弾性チューブTがローラ対19Pの間に位置決めしやすく、またテーパ部19bの部分ではローラ対19Pの間隔が広いため弾性チューブTの合流が容易となる。
(8).2つの押圧ユニット2、3のうち一方の押圧ユニット2が案内突条25の高部25Hによる規制を解除されてローラ対19Pの間隔が広がる際には他の押圧ユニット3が高部25Hによる規制を受けて弾性チューブTを押圧した状態となっている。したがって、一方の押圧ユニット2による弾性チューブTの押圧が解除されても弾性チューブT内部のコンクリートが逆流することがない。
次に、本発明を具体化したローラ式ポンプの第二実施形態を図6〜図8にしたがって説明する。なお、第二実施形態の特徴的構成を中心に説明し、第一実施形態と同様の構成についてはその詳細な説明を省略する。
図6、図7(a)、図7(b)に示すように、押圧ユニット102、103の基本構成は第一実施形態のものと同じであるが、その具体的構成において相違している。すなわち、取付ブロック113を挟んで対向して配置されている両支軸117、117は、取付ブロック113に固定されたロッド120上を取付ブロック113と規制板123との間で移動可能に配置されており、コイルバネ124により常時外側に向けて付勢されている。この支軸117は、矩形状の基部121とその先端に形成された円筒の小径部122とから構成されており、小径部122の基端には軸受(第一軸受)118が配置されている。一方、支軸117の小径部122は第一実施形態よりも長く形成されている。小径部122にはローラ119が自転可能に配置されており、このローラ119は円筒形状の押圧部119aと先端に向かうほど小径となるテーパ部119bとから構成され、第一実施形態に比してテーパ部119bが短くなっており、この分ローラ119の全長も短いものとなっている。また、テーパ部119bの上面は開口されており、ここから小径部122の先端が突出している。つまり、小径部122はローラ119を貫通してさらに先端に突出している。この小径部122のうちローラ119の上端から突出している突出部126には軸受(第二軸受)127が装着されている。この第二軸受127もラジアル軸受であり、その外周側が回転自在となるように突出部126に装着されている。
ハウジング101において、前側板104及び後側板105には第一実施形態と同形状の案内突条(第一案内突条)125がそれぞれ回転軸110を中心としてサークル状に突出形成されている。一方、円周板106の内周面の軸方向両端には周方向に連続する第二案内突条128がそれぞれ形成されている。第二案内突条128はそれぞれの内側面が当接面128aとして形成されており、この当接面128aはローラ119の第二軸受127の公転軌跡に沿って形成されている。また、第一案内突条125は第一実施形態と同様に図4に示すように周方向において高さが異なっており、押圧ユニット102が公転すると第一案内突条125の高さ(125H、125L)に沿って第一軸受118が移動する(図8(a)、図8(b))。
一方、第二案内突条128も第一案内突条125と同じ位相にてその高さ(前側板104及び後側板105から当接面128aまでの長さ)が異なるように形成されている。したがって、支軸117に設けられている第一軸受118が第一案内突条125の当接面125aに当接しているときに、同時に第二軸受127も第二案内突条128の当接面128aに当接することとなり、押圧ユニット102が公転すると第二案内突条128の高さ(128H、128L)に沿って第二軸受127が移動する。このため、第一案内突条125の高さと第二案内突条128の高さが同時に変化し、公転している第一軸受118と第二軸受127も同時に回転軸110方向への荷重を受けてこれを支軸117に伝え、支軸117はロッド120上を移動することとなる。また、ローラ対119Pが弾性チューブTを押圧する際にローラ119はその基端側に位置する第一案内突条125と先端側に位置する第二案内突条128の2つから荷重を受け、逆に弾性チューブTからの荷重を第一案内突条125と第二案内突条128の2つに分散することとなる。
上記実施形態のローラ式ポンプによれば、第一実施形態の効果に加えて以下のような効果を得ることができる。
(1).上記実施形態では、同位相に形成された第一案内突条125と第二案内突条128とを設け、これに同時に当接する第一軸受118と第二軸受127を支軸117に装着させている。このため、支軸117のロッド120上の移動は支軸の軸方向において異なる箇所に形成された2つの軸受によって行われるため安定したものとなる。
(2).第一軸受118と第二軸受127とは支軸117の上でローラ119を挟んだ状態で配置されている。このため、ローラ119にて弾性チューブを押圧する際には、ローラ119の両端を支持した状態で押圧することとなるため、押圧の際に支軸117に掛かる負荷が軽減される。
第三実施形態
さらに、本発明を具体化したローラ式ポンプの第三実施形態を図9〜図11にしたがって説明する。第三実施形態は押圧ユニット202、203の構成を変更した点に特徴を有しているため、特徴的な構成についての説明を中心とし、他の実施形態と同様の構成についてはその詳細な説明を省略する。
図9、図10(a)及び図10(b)に示すように、取付ブロック213には2つの押圧ユニット202、203が回転軸210を中心として180度の間隔を持って配置されている。押圧ユニット202、203は、取付ブロック213に対向して配置された2つの支軸217、217を有している。各支軸217の基端部には支持ピン226が挿通されており、この支持ピン226の両端は取付ブロック213に形成されたブラケット227に支持されている。したがって、支軸217はブラケット227に支持された支持ピン226を中心として揺動可能となっている。一方、取付ブロック213と支軸217との間には板バネ224が配置されて支軸217を常時外側に傾動するように付勢している。また、支軸217の先端には円筒形状のローラ219が支軸217に貫通された状態で自転可能に配置されており、ローラ219の上面から突出する支軸217の突出部229には軸受218が装着されている。この軸受218は上記各実施形態と同様にラジアル軸受であり、その外周が回転自在となっている。なお、ローラ219は基端から先端に至るまでその径が一定の円筒形状に形成されている。
一方、円周板206の内周面の軸方向両端には周方向に連続する案内突条225がそれぞれ形成されている。案内突条225はそれぞれの内側面が当接面225aとして形成されており、この当接面225aは軸受218の公転軌跡に沿って形成されている。また、各案内突条225は第一実施形態と同様に図4に示すように周方向において高さ(前側板204及び後側板205から当接面225aまでの長さ)が異なっている。支軸217は常に外側に傾動するように付勢されているため、支軸217の先端に装着されている軸受218が案内突条225の当接面225aに当接している。押圧ユニット202が公転すると、軸受218は案内突条225の当接面225aに沿って移動し、案内突条225の当接面225aの高さが変化すると軸受218もこれに追随する。このため、案内突条225が高部225Hのときには支軸217は直立し、間に位置する弾性チューブTはローラ対219Pによって押圧された状態となる(図11(a))。一方、案内突条225が低部225Lのときには支軸217は傾動してローラ対219Pの間隔が拡がり、間に弾性チューブTが配置されていたとしてもローラ対219Pによって押圧されない状態となる(図11(b))。なお、支軸217の揺動に伴いその先端に装着されている軸受218も軸の角度が変更するため、案内突条225の高さが変位する場合には当接面225aの角度、幅(外周板206からの長さ)も併せて変更している。
案内突条225の高さは第一実施形態と同様に設定されているため、押圧ユニット202が位置Aから約45度公転すると案内突条225は低部225Lから上り傾斜部へと変化する。案内突条225に当接している軸受218は上り傾斜部において内側方向へと押されることにより支軸217は支持ピン226を支点として直立する方向へと揺動する。対向して形成されている案内突条225も同様に高さが変化するよう形成されているため、取付ブロック213を挟んで対向している両支軸217、217は同時に揺動を開始する。このため、上り傾斜部においては押圧ユニット202の公転に伴ってローラ対219Pの間隔は順次狭くなってくる。
また、このローラ対219Pの間隔が変化を始めるのと同期して弾性チューブTがローラ対219Pの間へと挿入されてくる。押圧ユニット202が位置Bに至ると案内突条225の高さが高部225Hとなってローラ対219Pの間隔が最も狭くなる。このときは弾性チューブTの内周側はガイドローラ216に、また外周側は規制リブ209に当接してローラ対219Pの間に完全に位置することとなり、弾性チューブTはローラ対219Pに押圧されて内面同士が当接する押圧状態となる(図11(a))。案内突条225は位置Bからは約180度の角度範囲にわたって高部225Hのまま形成され、弾性チューブTも位置Bから位置Dまでの間の180度の角度範囲で円弧状に配置されているため、ローラ対219Pは弾性チューブTを押圧ながら公転し、内部のコンクリートを上流側へと搬送する。押圧ユニット202が位置Dを少し過ぎた位置(位置D′)から案内突条225の高さが下り傾斜部となる。案内突条225に当接しながら移動している軸受218は下り傾斜部においても板バネ224の付勢力により案内突条225の当接面225aに当接して移動するため支軸217は外側方向への揺動を開始し、位置D′を過ぎた地点からローラ対219Pの間隔も順次拡がり始める。
ローラ対219Pの間隔が拡がり始めることに併せて弾性チューブTの延びる方向がローラ219の公転方向と異なることとなるため、弾性チューブTに作用しているローラ対219Pの押圧力が緩和され、ローラ対219Pの間からの弾性チューブTの離脱が容易となる。
上記実施形態のローラ式ポンプによれば、以下のような効果を得ることができる。
(1).上記実施形態では、支軸217を揺動させて弾性チューブTの押圧及び解放を行っている。支軸がロッド上を移動する構成ではないため摺動する部位における工作精度を高くする必要がない。
(2).一つの支軸217に対して一つの軸受218を設ければよいため構成が簡易なものとなる。
なお、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 上記実施形態では、案内突条25の高部25Hを、位置Aから位置D′までの180度を少し超える角度範囲(例えば185度)に亘って形成していたが、高部25Hが形成されている角度範囲はこれに限られない。公転時に押圧ユニット2、3の少なくとも一つが弾性チューブTを押圧していればよいため、2組の押圧ユニット2、3を備える場合には案内突条25の高部25Hは180度であれば足りる。
○ 上記各実施形態では押圧ユニット2、3を2組に設けていたが、3組以上の押圧ユニットを設けてもよい。
○ 上記各実施形態では、対向して形成している案内突条(25、125、128、225)を対向する位置にて同じ形状に形成していたが、傾斜部(25U、25D等)において位相をずらせて形成してもよい。
○ 上記各実施形態では、案内突条25等に下り傾斜部25Dを設けて序々にローラ対19Pの間隔を拡げていた(図4)。この下り傾斜部25Dの傾斜角度をより急角度にしてローラ対19Pに押圧されている弾性チューブTをより短時間のうちに解放させるようにしてもよい。
○ 上記各実施形態では、コイルバネ24、124、板バネ224により支軸17等をその間隔が広がる方向に付勢していたが、これらバネを省略してもよい。
○ 第一実施形態において、軸受18の位置を変更してもよい。すなわち、支軸17のより基端側(回転軸10に近い位置)に装着したり、或いはローラ19の先端から小径部を突出させてその突出部分に装着してもよい。
○ 第二実施形態において第二案内突条128は円周板106の内周面にそれぞれ取り付けていたが、前側板104及び後側板105の外周端に形成してもよい。
○ 第二実施形態にて形成した第二案内突状とこれに当接する第二軸受について、第二案内突状をハウジング101の円周板106に形成した溝あるいは段差に変更してもよい。すなわち、ハウジング101の円周板106に一定深さの溝あるいは段差を形成し、この溝あるいは段差を周方向に第一案内突状と同じ位相でその高さ(前側板104及び後側板105から当接面128aまでの長さ)を変更させる。また、支軸117の先端部がこの溝に挿入されるあるいは段差に係合される長さとする。押圧ユニット102、103の公転時には支軸117の先端部が溝あるいは段差によってロッド120の軸方向における位置が規制されるため同様の効果が得られる。また、このハウジングの内周板に形成した溝あるいは段差は第三実施形態についても適用することができる。
本実施形態に係るダブルローラ式ポンプの側面図。 図1のA−C線部分断面図、(a)は全体図、(b)はローラの部分拡大図。 本実施形態に係る押圧ユニットの拡大図、(a)は押圧ユニットが位置B〜D′のいずれかにいるとき、(b)は押圧ユニットが位置Aにいるとき。 前側板及び後側板に形成された案内突条の展開模式図。 ローラ対による弾性チューブの押圧を示す模式図、(a)(b)(c)(d)(e)(f)は、それぞれ異なる位置におけるローラ対と弾性チューブとの状態を示した図。 第二実施形態に係るダブルローラ式ポンプの側面図。 図6のA−C線部分断面図、(a)は全体図、(b)はローラの部分拡大図。 第二実施形態に係る押圧ユニットの拡大図、(a)は押圧ユニットが位置B〜D′のいずれかにいるとき、(b)は押圧ユニットが位置Aにいるとき。 第三実施形態に係るダブルローラ式ポンプの側面図。 図9のA−C線部分断面図、(a)は全体図、(b)はローラの部分拡大図。 第三実施形態に係る押圧ユニットの拡大図、(a)は押圧ユニットが位置B〜D′のいずれかにいるとき、(b)は押圧ユニットが位置Aにいるとき。 従来のローラ式ポンプの側面図。 従来のローラ式ポンプの部分断面図。 従来のローラ対による弾性チューブの押圧を示す説明図。
符号の説明
1…ハウジング、2(102、202)…押圧ユニット、3(103、203)…押圧ユニット、10(110、210)…回転軸、13(113、213)…取付ブロック、17(117、217)…支軸、18(118、127、218)…軸受(当接部)、19(119、219)…ローラ、19P(119P、219P)…ローラ対、25(125、225)…案内突条(突条)。

Claims (6)

  1. チューブを間に挟んで公転するローラ対を備えたダブルローラ式ポンプにおいて、
    前記ローラ対を構成する2つのローラがチューブを押圧する間隔とチューブを押圧しない間隔との間で変位可能であり、
    前記2つのローラを、チューブがローラの公転軌跡に沿って配置される部分ではチューブを押圧する間隔に維持することを特徴とするダブルローラ式ポンプ。
  2. 前記2つのローラは、ローラの公転に伴って、チューブがローラ間から離脱する領域で同ローラがチューブを押圧しない間隔に向けて変位し、チューブがローラ間に合流する領域で同ローラがチューブを押圧する間隔に向けて変位することを特徴とする請求項1に記載のダブルローラ式ポンプ。
  3. 前記チューブは半円に亘ってローラの公転軌跡に沿って配置されており、前記ローラ対は公転方向において等間隔に複数配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のダブルローラ式ポンプ。
  4. 回転軸と、回転軸に固定された取付ブロックと、取付ブロックに回転軸の周方向において等間隔に配置された複数の押圧ユニットとを備え、一部が円弧状に配置されたチューブを押圧ユニットが押圧しながら公転することによりチューブ内部の被搬送物を搬送するダブルローラ式ポンプにおいて、
    押圧ユニットは、取付ブロックに対向して配置された支軸と、各支軸に回転自在に取り付けられチューブを押圧するローラとを備え、前記対向して配置された支軸は押圧ユニットの公転に伴って回転軸方向における支軸間の間隔を変位可能に支持されており、
    前記チューブがローラの公転軌跡に沿って配置される部分では、前記ローラがチューブを押圧する間隔に前記支軸間の間隔が変位することを特徴とするダブルローラ式ポンプ。
  5. 前記ダブルローラ式ポンプは、押圧ユニットの公転領域を覆うハウジングを備え、同ハウジングの内面にはローラの公転軸を中心とする円周形でかつ周方向において高さが異なる突条が対向して形成されており、
    一方、各支軸にはこの突条に当接する当接部が設けられており、同当接部が突条に当接することにより、前記対向して配置された支軸の間隔が変位することを特徴とする請求項4に記載のダブルローラ式ポンプ。
  6. 前記各支軸は取付ブロックに対して回転軸方向に移動可能かつ周方向に移動不能に支持されていることを特徴とする請求項4又は5に記載のダブルローラ式ポンプ。
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