JP2008258347A - コア及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 磁場中熱処理を行わずとも低角形で重畳特性が良好であり、かつカットコアよりも比初透磁率が高いコア、およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 コアの製造方法として、合金薄帯を巻いてコアとする工程と、結晶化温度に昇温するまでの時間が前記コアの各部で少なくとも10分以上の差がつくように熱処理を施す工程を設け、無磁場中で熱処理を行ったコアでも1kHzでの初透磁率が20000以上と高く、1kHzで10A/mの磁場を印加したときの透磁率が10000以上と重畳特性に優れたコアとする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、トランス、チョ−クコイル等の各種磁性部品に用いられる重畳特性に優れ、かつ高い透磁率を示すコアならびにコアの製造方法に関する。
コアの代表例として、Mn−Znフェライトコアや、溶融合金を急冷凝固して製造されるアモルファス磁性材料、及びナノ結晶磁性材料からなる金属磁性薄帯を巻回したコアがある。ナノ結晶磁性材料とは組織の少なくとも50%以上が結晶粒径50μm以下のナノ結晶組織からなる軟磁性材料であり、ナノ結晶組織を発現可能な組成の非晶質磁性材料を、結晶化温度以上で熱処理することにより製造される材料である。
ナノ結晶合金は優れた軟磁気特性を示すため、コモンモ−ドチョ−クコイル、高周波トランス、漏電警報器、パルストランス等の磁心に使用されている。代表的組成系としてはFe-Cu-Nb-Si-B系やFe-Cu-Nb-B系のナノ結晶合金が知られている。これらのナノ結晶合金は、通常、液相や気相から急冷し非晶質合金とした後、これを熱処理により微結晶化することにより作製されている。ナノ結晶合金はこれらの方法により作製した非晶質合金を微結晶化したもので、非晶質合金にみられるような熱的不安定性がほとんどなく、高飽和磁束密度、低磁歪で優れた軟磁気特性を示すことが知られている。更にナノ結晶合金は経時変化が小さく、温度特性にも優れていることが知られている。
漏電警報器をはじめとする電流センサ、磁気センサ等においても小型高感度および線形な出力を実現する観点から低角形比でB−Hル−プがフラットな形で恒透磁率性に優れ、かつ透磁率が高い材料が必要となっている。このため、例えば特許文献1に示されるように、磁場印加方向や熱処理パターンを改善し、比初透磁率を高く、かつ角形比を下げる方法が考案されている。
また、重畳特性を改善する方法として、例えば特許文献2に記載されているような、カットコアとすることが考えられる。カットコアとすることで、比初透磁率は下がるものの、カットコアではない閉磁路コアよりも重畳特性が改善され、上記の用途に適した磁気特性が得られる。
特許第3719449号公報 特開平9−27412号公報
しかし、重畳特性が良好なコアとして、外径が大きく、かつ比初透磁率がさらに高いものを要求された場合、上記の特許文献1、特許文献2のような対策では、満足する磁気特性を持つコアが得られない。
特許文献1に記載されるような磁場中熱処理方法では、熱処理中に磁場をコアの軸方向(合金薄帯の幅方向)に印加する必要がある。磁路長の方向(合金薄帯の長手方向)に印加する場合は、コアにコイルを巻き、コイルに電流を流せば外径の大きさに寄らず高い磁場を均一に印加することが可能であるが、コアの軸方向に磁場を均一に印加するには、熱処理炉の内部全体に均一磁場がかかるようにしなければならない。そのため、コアの外径全体を取り囲むようにコイルを巻きまわした熱処理炉が必要となる。コイル径が大きいほど使用する電力量が大きくなり、安全性のみならず、コストの点も考慮するとある程度の大きさの熱処理炉しか敷設されていないのが実状である。
また、特許文献2に記載されるようなカットコアでは、カッティングのためのコストが高いというだけでなく、閉磁路コアと比較して比初透磁率が極端に下がってしまうという問題がある。
本発明は、上記の問題を解決し、磁場中熱処理を行わずとも低角形で重畳特性が良好であり、かつカットコアよりも比初透磁率が高いコア、およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の手段は、コアの製造方法であって、合金薄帯を巻いてコアとする工程と、結晶化温度に昇温するまでの時間が前記コアの各部で少なくとも10分以上の差がつくように熱処理を施す工程を有することを特徴とする。一般的にFeCuNbSiB系のアモルファス合金は500℃付近に結晶化温度があり、少なくとも、コアの各部がこの温度結晶化温度になるまで10分以上の時間差を持たせるように熱処理を施す工程を有する。さらに好ましくは15分以上、さらに好ましくは20分以上の時間差があることが好ましい。
また、本発明は、合金薄帯を巻いたコアであって、前記コアは、巻かれた合金薄帯が少なくとも積層された10層以上の範囲で径方向にうねった部分を有することを特徴とする。合金薄帯がうねった部分は、合金薄帯が円弧形状に対して径方向に100μm以上の幅で波を打つ凹凸を持つものが好ましい。合金薄帯がうねった部分は、コアの中心角で5度以上の範囲を有するものが好ましい。コアは外径が100mm以上であるものに適用することが好ましい。
合金薄帯は、一般式:(Fe1-aa100-x-y-z-b-c-dAxM1yM2zXbSicBd(原子%)(式中MはCo,Niから選ばれた少なくとも1種の元素を、AはCu,Auから選ばれた少なくとも1種の元素、M1はTi,V,Zr,Nb,Mo,Hf,TaおよびWから選ばれた少なくとも1種の元素、M2はCr,Mn,Sn,Zn,Ag,In,白金属元素,Mg,NおよびSから選ばれた少なくとも1種の元素、XはC,Ge,Ga,AlおよびPから選ばれた少なくとも1種の元素を示し、a,x,y,z,b,cおよびdはそれぞれ0≦a≦0.1、0.1≦x≦3、1≦y≦10、0≦z≦10、0≦b≦10、11≦c≦17、3≦d≦10を満たす数である。)で表され、平均結晶粒径が60nm以下である結晶粒が組織の少なくとも50%以上を占めるナノ結晶合金を用いることができる。
本発明のコアは、1kHzでの初透磁率が20000以上、1kHzで10A/mの磁場を印加したときの透磁率が10000以上であることが特徴である。
本発明によれば、非現実的な大型の磁場中熱処理炉を用いずとも、低角形で重畳特性が良好なコアが得られる。また、カットコアよりも比初透磁率が高いコアが得られ、1kHzでの初透磁率が20000以上、1kHzで10A/mの磁場を印加したときの透磁率が10000以上の、従来にない磁気特性を持つコアが得られる。これらの磁気特性を持つコアは、コモンモ−ドチョ−クコイル、高周波トランス、漏電警報器、パルストランス等の磁心として有用である。
本発明では、コアの製造方法として、熱処理の際にコアの各部が熱傾斜を持つよう、熱を意図的に付与することが特徴である。結晶化温度に昇温するまでの時間が前記コア各部で少なくとも10分以上の差がつくように熱処理を施す。コアに意図的に熱傾斜ができるよう熱を付与することで、合金薄帯にうねりが発生し、磁路のうねり部分で磁場の進行が妨げられ、反磁界によってB−Hカーブが傾くと考えられる。特にナノ結晶の合金薄帯は、結晶化する再に収縮が起きるため、コア単体の温度分布の差がこのうねりを生じさせ易い。ここで、うねった部分とは合金薄帯に波型形状の変形が起きることを指す。コアの積層面を見ると、部分的に皺がよっている状態が認識できる。これは、合金薄帯のうねりによって、積層面で凹凸が発生したことによるものである。
温度勾配をつける熱処理方法として、例えば、熱がコアに極部的に与えられるように熱源を配置し、意図的にコアの一部のみをその熱源の近くに置いて熱処理する方法が用いられる。熱処理炉の内部雰囲気を循環させない熱処理方法も併用できる。コアの一部のみバーナーなどで熱を短時間かつ高温になるように吹付けてうねった部分を形成し、その後、通常の均一に熱を付与する熱処理で処理することもできる。このコアに熱処理時の温度差を利用してうねった部分を設けることは、熱処理炉の構成により適用できる方法は様々であるが、特に限定されるものではない。また、意図して熱を極部的にコアに付与することも当業者であれば容易に実施することは可能である。
合金薄帯が円弧形状に対して径方向に100μm以上の幅で波を打つ凹凸を持つものが好ましい。凹凸の幅が狭いと磁場の進行を妨げる効果が十分に得られず、所望の重畳特性が得られない。好ましくは200μm、さらには300μm以上の幅で合金薄帯が円弧形状に対して径方向に波を打つ凹凸を持つものが好ましい。
合金薄帯がうねった部分は、コアの中心角で5度以上の範囲を有するものが好ましい。5度未満であると、上記と同様に磁場の進行を妨げる効果が十分に得られず、所望の重畳特性が得られない。1箇所だけでなく、複数箇所でうねった部分が発生しても良い。うねった部分の数で磁気特性に大きな差異は見られない。好ましくは10度以上、さらには15度以上の幅でうねった部分が存在するものが好ましい。
コアは外径が100mm以上であるものに適用することが好ましい。外径が大きいコアの方が熱処理した際にうねりが発生しやすく、本発明の低角形、重畳特性の改善、高い比初透磁率の磁気特性を得る効果が得やすい。また、外径が大きいものは、軸方向に磁場を印加できる熱処理炉を別途敷設する必要があるため、本発明の磁場を印加せずに磁気特性を改善できるコアの製造方法は有用である。また、磁場を印加するための電力コストも不要になる。コアの外径は、200mm以上、さらには250mm以上のものも適用でき、本発明の効果が得やすい。
本発明のコアに用いる合金薄帯は、上記したように、ナノ結晶の合金薄帯は、結晶化する再に収縮が起きるため、コア単体の温度分布の差がこのうねりを生じさせ易い。フェライトやFe基アモルファス合金では透磁率が低くこのような要求に答えるのは困難である。また、フェライトは温度特性が劣っており、特に室温以下で透磁率が急激に低下するという問題もある。Co基のアモルファス合金は透磁率が高いものが得易いが、周囲温度が高い場合には経時変化が大きく、しかも価格が高い問題があり、汎用として用いるのには限界がある。
好ましいナノ結晶合金薄帯の合金組成は、一般式:(Fe1-aa100-x-y-z-b-c-dAxM1yM2zXbSicBd(原子%)(式中MはCo,Niから選ばれた少なくとも1種の元素を、AはCu,Auから選ばれた少なくとも1種の元素、M1はTi,V,Zr,Nb,Mo,Hf,TaおよびWから選ばれた少なくとも1種の元素、M2はCr,Mn,Sn,Zn,Ag,In,白金属元素,Mg,NおよびSから選ばれた少なくとも1種の元素、XはC,Ge,Ga,AlおよびPから選ばれた少なくとも1種の元素を示し、a,x,y,z,b,cおよびdはそれぞれ0≦a≦0.1、0.1≦x≦3、1≦y≦10、0≦z≦10、0≦b≦10、11≦c≦20、2≦d≦15を満たす数である。)で表され、平均結晶粒径が60nm以下である結晶粒が組織の少なくとも50%以上を占めるナノ結晶合金を用いることができる。
Feの10原子%以下をCo,Niから選ばれた少なくとも一種の元素で置換できる。
Cu,Auは、製造したアモルファス合金薄帯を熱処理により結晶化させナノ結晶磁性材料として使用する場合に特に優れた効果があり、熱処理後に形成する結晶粒を微細化する効果および透磁率を向上させる効果があり、ナノ結晶磁性材料とした場合に優れた軟磁気特性を実現できる。A量xは0.1≦x≦3とすることが望ましい。
M1はアモルファス形成を促進する効果を有する元素である。添加料が少ないとこの効果が得られず、多いと必要とする磁気特性が悪化する。M1の一部をM2の元素で置換することもできる。
Si量cは20原子%以下が好ましい。Si量が20%を超えると薄帯が脆化し連続的な薄帯の製造が困難となる。また、11原子%未満ではその効果が得られない。
B量dは2原子%以上15原子%以下が望ましい。B量zが3原子%未満では湯流れが悪くなり製造性が低下し好ましくなく、10原子%を越えると薄帯が製造中に脆化しやすくなり好ましくない。より好ましいB量dの範囲は3〜10原子%である。この範囲でそりの小さい合金薄帯が得られる。この範囲で特にそりの小さい合金薄帯が得られやすい。
また、Bの一部をC,Ge,Ga,AlおよびPから選ばれた少なくとも1種の元素で置換できる。
本発明において、周囲のガス、耐火物や原料から溶解中に混入するN,O,S等の不可避不純物を含んでも良い。
熱処理は露点が−30℃以下の不活性ガス雰囲気中で行なうことが望ましく、特に露点が−60℃以下の不活性ガス雰囲気中で熱処理を行なうと透磁率もより高くなり、高透磁率が必要とされる用途に対してはより好ましい結果が得られる。
雰囲気ガスは、軟磁気特性の劣化を小さくするため、窒素、アルゴン、ヘリウム、水素から選ばれた少なくとも1種のガスとすることが望ましい。必要に応じて大気中で熱処理しても良い。
本発明の合金薄帯およびコアは必要に応じてSiO2、MgO、Al2O3等の粉末あるいは膜で合金薄帯表面を覆ったり、化成処理により表面を処理し層間絶縁が行われる場合がある。これは特に高周波における渦電流の影響を低減し、透磁率や磁心損失を改善する効果がある。この効果は表面状態の良好でかつ広幅の薄帯から構成された磁心の場合に著しい。
次に本発明を実施例によって具体的に説明するが、これら実施例により本発明が限定されるものではない。
(実施例1)
単ロール法により幅25mm厚さ17μmのFebal.Cu1Nb3Si15.5B7アモルファス合金薄帯を作製した。次にこの合金薄帯をコロイダルシリカ溶液中に通した後200℃で乾燥し、厚さ約2μmの絶縁層を薄帯片面に形成した。外径がφ400mm、内径がφ200mmの環状のコアを作製した。次にこのコアを、磁場は印加せずに、窒素ガス雰囲気中で熱処理を行った。熱処理炉4は、図5に示すように、角部から加熱された不活性ガス5が噴出する構造を持つ。噴出した不活性ガスは炉内壁面に沿って移動する。コア1はこの熱処理炉の壁面に端部が近づくように設置し、付与される熱がコアの各部で異なるようにした。昇温速度は10℃/min、冷却速度は20℃/minとした。コアの各部には熱電対を設置し、熱処理中での温度分布を測定したところ、この条件で行った熱処理炉外壁側でのコア部の最大温度は590℃であり、熱処理炉中心側の温度は550℃であった。熱処理炉外壁側でのコア部が結晶化温度に達した時間から、熱処理炉中心側でのコアが結晶化温度に達した時間の差は最大で90minであった。結果を図3に示す。本発明に用いた合金薄帯は、結晶化温度に達すると、発熱を起こして温度が上昇する。そのため、コアの各部は結晶温度を越した部分から急激に温度が高くなる。コア各部での結晶化温度に達する時間差は、この急激に温度変化する時間を読み取って差を求めた。
この熱処理を行ったコア1は図4(a)、図4(b)に模式図を示すように熱処理炉外壁側に配置されたコア部1aの合金薄帯にうねり2が発生していた。積層面を観察すると、皺3のように見える範囲の幅はコアの中心角度θで約30℃の範囲で発生しており、また径方向で82mmの幅を持っていた。また、図4(c)の模式図に示すようにコア1の皺3a〜fの発生場所は熱処理時の不活性ガス5の発生する場所に対して左右対称となるような位置で形成されていた。
この皺の発生している部分の合金薄帯の径方向に波打つ凹凸の最大幅wを測定すると、1000μm以上の幅を持つことが解った。
また、図5に示すように比較例1として、熱処理炉の中央に上記と同様の熱処理前の環状コア1’を設置し、同様の条件で熱処理を行った。この条件で行ったコア各部の最大温度は550℃であり、かつ、コア各部の結晶化温度に達する時間差は最大で5minであった。
同様に積層面を観察したが、合金薄帯を巻き回した際に発生する軸方向へのブレ以外の凹凸は見られず、各部同じ光沢を示す積層面が観察された。
実施例1と比較例1で行ったコアのB−Hループを測定した結果を図1に示す。実施例1で得られたコアは、比較例で得た従来のコアと比較して、B−Hループが高磁束密度側で傾斜した形状を有している。
また、重畳磁界と透磁率との関係を測定した結果を図2に示す。測定した周波数は1kHzとした。実施例1で得られたコアは、比較例で得た従来のコアと比較して、比初透磁率が20000〜35000程度に低下しているものの、5A/mを境に透磁率の大小関係が逆転しており、良好な重畳特性を有している。重畳磁界が10A/mの時の透磁率は、11000〜16000であり、全て10000以上の高い透磁率を持つことが確認できた。
Figure 2008258347
(実施例2)
コアの外径寸法による影響を調べた。実施例1と同様に単ロール法により幅25mm厚さ17μmのFebal.Cu1Nb3Si15.5B7アモルファス合金薄帯を作製した。次にこの合金薄帯をコロイダルシリカ溶液中に通した後、厚さ約2μmの絶縁膜を形成した。この合金薄帯を巻き回して環状のコアとした。コアの内外径比は1:2となるように作製し、コアの外径を100mmとした。コアの結晶化温度到達時において各部の結晶化時間の最大時間差は13minであった。
熱処理後のコア表面には、幅wが200μm、角度10°の皺が発生しており、1kHz透磁率が0Aの重畳無し時で28000、10A/mの重畳磁界印加時で15000の良好な磁気特性が得られた。
(実施例3)
単ロール法により幅25mm厚さ17μmのFebal.Cu1Nb3Si15.5B7アモルファス合金薄帯を作製した。次にこの合金薄帯をコロイダルシリカ溶液中に通した後、厚さ約2μmの絶縁膜を形成した。この合金薄帯を巻き回して環状のコアとした。コアの内外径比は1:2となるように作製し、コアの外径を200mmとした。コアの結晶化温度到達時において各部の結晶化時間の最大時間差は40minであった。
熱処理後のコア表面には、幅wが400μm、角度10°の皺が発生しており、1kHz透磁率が0Aの重畳無し時で26000、10A/mの重畳磁界印加時で16000の良好な磁気特性が得られた。
(実施例4)
単ロール法により幅25mm厚さ17μmのFebal.Cu1Nb3Si15.5B7アモルファス合金薄帯を作製した。次にこの合金薄帯をコロイダルシリカ溶液中に通した後、厚さ約2μmの絶縁膜を形成した。この合金薄帯を巻き回して環状のコアとした。コアの内外径比は1:2となるように作製し、コアの外径を600mmとした。コアの結晶化温度到達時において各部の結晶化時間の最大時間差は114minであった。
熱処理後のコア表面には、幅wが1000μm、角度25°の皺が発生しており、1kHz透磁率が0Aの重畳無し時で23000、10A/mの重畳磁界印加時で14000の良好な磁気特性が得られた。
(実施例5)
単ロール法により幅25mm厚さ17μmのFebal.Cu1Nb3Si15.5B7アモルファス合金薄帯を作製した。次にこの合金薄帯をコロイダルシリカ溶液中に通した後、厚さ約2μmの絶縁膜を形成した。この合金薄帯を巻き回して環状のコアとした。コアの内外径比は1:2となるように作製し、コアの外径を800mmとした。コアの結晶化温度到達時において各部の結晶化時間の最大時間差は132minであった。
熱処理後のコア表面には、幅wが1500μm、角度35°の皺が発生しており、1kHz透磁率が0Aの重畳無し時で22000、10A/mの重畳磁界印加時で13000の良好な磁気特性が得られた。
(比較例2)
単ロール法により幅25mm厚さ17μmのFebal.Cu1Nb3Si15.5B7アモルファス合金薄帯を作製した。次にこの合金薄帯をコロイダルシリカ溶液中に通した後、厚さ約2μmの絶縁膜を形成した。この合金薄帯を巻き回して環状のコアとした。コアの内外径比は1:2となるように作製し、コアの外径を100mmとした。比較例1と同様にしてコアを熱処理炉の中央に配置して熱処理を行った。コアの結晶化温度到達時において各部の結晶化時間の最大時間差は3minであった。
熱処理後のコア表面には、皺が見られず、1kHz透磁率が0Aの重畳無し時で80000、10A/mの重畳磁界印加時で5300であり、重畳電流10A/m印加時の透磁率が特定の用途として不適な磁気特性であった。
(比較例3)
単ロール法により幅25mm厚さ17μmのFebal.Cu1Nb3Si15.5B7アモルファス合金薄帯を作製した。次にこの合金薄帯をコロイダルシリカ溶液中に通した後、厚さ約2μmの絶縁膜を形成した。この合金薄帯を巻き回して環状のコアとした。コアの内外径比は1:2となるように作製し、コアの外径を50mmとした。実施例1と同様に、熱処理は熱処理炉外壁側に配置し、各部の温度差がでるように配置したが、コアの結晶化温度到達時において各部の結晶化時間の最大時間差は8minであった。
熱処理後のコア表面には、皺が見られず、1kHz透磁率が0Aの重畳無し時で100000、10A/mの重畳磁界印加時で4800であり、重畳電流10A/m印加時の透磁率が特定の用途として不適な磁気特性であった。
(比較例4)
比較例1で用いた環状コアを中心で切断してカットコアとした。ギャップをなしとした時の重畳電流特性を測定した結果を図2に併記する。
カットコアでは良好な重畳特性を持つものの1kHz透磁率が0Aの重畳無し時で5700、10A/mの重畳磁界印加時で5900であり、特定の用途として不適な磁気特性であった。
本発明と従来のコアのB−Hループを測定した図である。 本発明と従来のコアおよびカットコアの透磁率と重畳磁場との関係を測定した図である。 熱処理炉中のコア各部の温度と熱処理時間との関係を示す図である。 本発明のコアの積層面の外観を示す図である。 本発明で行った熱処理方法の一態様を示す図である。
符号の説明
1:コア、1a:コア部、2:合金薄帯のうねり部、3:積層面に観察される皺、4:熱処理炉、5:不活性ガスの流れる方向

Claims (7)

  1. コアの製造方法であって、合金薄帯を巻いてコアとする工程と、結晶化温度に昇温するまでの時間が前記コアの各部で少なくとも10分以上の差がつくように熱処理を施す工程を有することを特徴とするコアの製造方法。
  2. 熱処理を無磁場中で行ったコアであり、1kHzでの初透磁率が20000以上、1kHzで10A/mの磁場を印加したときの透磁率が10000以上であることを特徴とするコア。
  3. 合金薄帯を巻いたコアであって、前記コアは、巻かれた合金薄帯が少なくとも10層以上の範囲で径方向にうねった部分を有することを特徴とするコア。
  4. 前記合金薄帯がうねった部分は、合金薄帯が円弧形状に対して径方向に100μm以上の幅で波を打つ凹凸を持つことを特徴とする請求項3に記載のコア。
  5. 前記合金薄帯がうねった部分は、コアの中心角で5度以上の範囲を有することを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のコア。
  6. 前記コアは外径が100mm以上であることを特徴とする請求項2乃至請求項5に記載のコア。
  7. 前記合金薄帯は、一般式:(Fe1-aa100-x-y-z-b-c-dAxM1yM2zXbSicBd(原子%)(式中MはCo,Niから選ばれた少なくとも1種の元素を、AはCu,Auから選ばれた少なくとも1種の元素、M1はTi,V,Zr,Nb,Mo,Hf,TaおよびWから選ばれた少なくとも1種の元素、M2はCr,Mn,Sn,Zn,Ag,In,白金属元素,Mg,NおよびSから選ばれた少なくとも1種の元素、XはC,Ge,Ga,AlおよびPから選ばれた少なくとも1種の元素を示し、a,x,y,z,b,cおよびdはそれぞれ0≦a≦0.1、0.1≦x≦3、1≦y≦10、0≦z≦10、0≦b≦10、11≦c≦17、3≦d≦10を満たす数である。)で表され、平均結晶粒径が60nm以下である結晶粒が組織の少なくとも50%以上を占めるナノ結晶合金を用いることを特徴とする請求項2乃至請求項6に記載のコア。
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