JP2008258022A - 電池用非水電解液及びそれを備えた非水電解液電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い難燃性を有し、且つ電池正極材に対して高い耐熱性を付与することが可能な電池用非水電解液を提供する。
【解決手段】下記一般式(I):
(NPR2)n ・・・ (I)
[式中、Rは、それぞれ独立してフッ素、アルコキシ基又はアリールオキシ基を表し;nは3〜4を表す]で表される環状ホスファゼン化合物、並びに酢酸メチル、プロピオン酸メチル及び酪酸メチルからなる群から選択される少なくとも1種のメチルエステル化合物を含む非水溶媒と、支持塩とを含むことを特徴とする電池用非水電解液である。
【選択図】なし
【解決手段】下記一般式(I):
(NPR2)n ・・・ (I)
[式中、Rは、それぞれ独立してフッ素、アルコキシ基又はアリールオキシ基を表し;nは3〜4を表す]で表される環状ホスファゼン化合物、並びに酢酸メチル、プロピオン酸メチル及び酪酸メチルからなる群から選択される少なくとも1種のメチルエステル化合物を含む非水溶媒と、支持塩とを含むことを特徴とする電池用非水電解液である。
【選択図】なし
Description
本発明は、電池用非水電解液及びそれを備えた非水電解液電池に関し、特に高い難燃性を有し、電池正極材に対して高い耐熱性を付与することが可能な電池用非水電解液と、優れた電池特性を有し、耐熱性が高い正極を備えた非水電解液電池に関するものである。
非水電解液は、リチウム電池やリチウムイオン2次電池、電気二重層キャパシタ等の電解質として使用されており、これらデバイスは、高電圧、高エネルギー密度を有することから、パソコン及び携帯電話等の駆動電源として広く用いられている。そして、これら非水電解液としては、一般にカーボネート化合物及びエーテル化合物等の非プロトン性有機溶媒に、LiPF6等の支持塩を溶解させたものが用いられている。しかしながら、非プロトン性有機溶媒は、可燃性であるため、上記デバイスから漏液した際に引火・燃焼する可能性があり、安全面での問題を有している。
この問題に対して、非水電解液を難燃化する方法が検討されており、例えば、非水電解液にリン酸トリメチル等のリン酸エステル類を用いたり、非プロトン性有機溶媒にリン酸エステル類を添加したりする方法が提案されている(特許文献1〜3参照)。しかしながら、これらリン酸エステル類は、充放電を繰り返すことで、徐々に負極で還元分解され、充放電効率及びサイクル特性等の電池特性が大きく劣化するという問題がある。
この問題に対して、非水電解液にリン酸エステルの分解を抑制する化合物を更に添加したり、リン酸エステルそのものの分子構造を工夫する等の方法も試みられている(特許文献4〜6参照)。しかしながら、この場合も、添加量に制限があり、また、リン酸エステル自体の難燃性の低下等の理由から、電解液が自己消火性になる程度で、電解液の安全性を十分に確保することができない。
また、特開平6−13108号公報(特許文献7)には、非水電解液に難燃性を付与するために、非水電解液にホスファゼン化合物を添加する方法が開示されている。該ホスファゼン化合物は、その種類によっては高い不燃性を示し、非水電解液への添加量を増量するに従い、非水電解液の難燃性が向上する傾向がある。しかしながら、高い不燃性を示すホスファゼン化合物は、概して支持塩の溶解性や誘電率が低いため、添加量を多くすると、支持塩の析出や導電性の低下を招き、電池の放電容量が低下したり、充放電特性に支障をきたすことがある。そのため、高い不燃性を示すホスファゼン化合物を添加する場合、添加量が制限されるという問題がある。
更に、上記非水電解液を難燃化することに加え、非水電解液と電池極材の熱分解反応を抑制することも、電池の安全性を向上させる上で重要である。特に、充電状態における電池極材は、放電状態の電池極材と比べ、低温で熱分解を起こし易く、これが電池の破裂、発火のトリガーとなる場合がある。電池極材の中でも正極は、一般的に金属酸化物が用いられることが多く、その金属の種類によっては、負極よりも低温で熱分解による発熱を起こし、更に熱分解時には遊離酸素を放出する。そして、遊離酸素の放出は、電池の破裂を引き起こし、また、発火や燃焼の助剤としても働くため、電池を危険にする大きな要因の一つとされている。このような正極の熱分解には、非水電解液が大きく影響しており、非水電解液が正極の分解温度や発熱量に大きな影響を与えていることも知られている(非特許文献1)。
このように、電池の安全性の向上には、電解液の不燃化と電池極材の耐熱性を向上させることが重要であるが、両者の両立という点で、従来技術は十分に満足できるレベルとはいえない。
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の問題を解決し、高い難燃性を有し、且つ電池正極材に対して高い耐熱性を付与することが可能な電池用非水電解液と、該電池用非水電解液を備え、高負荷条件下でも安定した電池性能を発現し、且つ高い安全性を有する非水電解液電池を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、特定の環状ホスファゼン化合物と特定のメチルエステル化合物を組み合わせて非水電解液を構成することにより、電解液に高い難燃性を付与することができる上、該電解液を用いた非水電解液電池が高負荷条件下でも優れた放電性能を有し、更には、該電池の正極が高い耐熱性を有することを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明の電池用非水電解液は、下記一般式(I):
(NPR2)n ・・・ (I)
[式中、Rは、それぞれ独立してフッ素、アルコキシ基又はアリールオキシ基を表し;nは3〜4を表す]で表される環状ホスファゼン化合物、並びに酢酸メチル、プロピオン酸メチル及び酪酸メチルからなる群から選択される少なくとも1種のメチルエステル化合物を含む非水溶媒と、支持塩とを含むことを特徴とする。
(NPR2)n ・・・ (I)
[式中、Rは、それぞれ独立してフッ素、アルコキシ基又はアリールオキシ基を表し;nは3〜4を表す]で表される環状ホスファゼン化合物、並びに酢酸メチル、プロピオン酸メチル及び酪酸メチルからなる群から選択される少なくとも1種のメチルエステル化合物を含む非水溶媒と、支持塩とを含むことを特徴とする。
本発明の電池用非水電解液において、前記環状ホスファゼン化合物としては、前記一般式(I)において、Rのうち少なくとも4つがフッ素である化合物が好ましい。
本発明の電池用非水電解液の好適例においては、前記一般式(I)で表される環状ホスファゼン化合物の含有量が前記電池用非水電解液全体の30〜50体積%である。
本発明の電池用非水電解液の他の好適例においては、前記メチルエステル化合物の含有量が前記電池用非水電解液全体の30体積%以上である。
本発明の電池用非水電解液の他の好適例においては、前記非水溶媒が更にカーボネート溶媒を含む。ここで、該カーボネート溶媒としては、エチレンカーボネートが好ましい。
本発明の電池用非水電解液は、前記非水溶媒における、前記一般式(I)で表される環状ホスファゼン化合物と前記メチルエステル化合物との総含有量が60体積%以上であることが好ましい。
また、本発明の非水電解液電池は、上記電池用非水電解液と、正極と、負極とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、特定の環状ホスファゼン化合物及び特定のメチルエステル化合物を含む非水溶媒を用いることにより高い難燃性を有し、非水電解液電池に使用した際に高負荷条件下でも十分な放電特性を維持することが可能で、更に電池正極材に対し高い耐熱性を付与することが可能な非水電解液を提供することができる。また、該非水電解液を備え、高い安全性と優れた電池特性を有する非水電解液電池を提供することができる。
本発明の電池用非水電解液においては、メチルエステル化合物を用いることにより、該メチルエステル化合物との相溶性が高く且つ不燃性の高い環状ホスファゼン化合物を多量に使用することが可能となり、該環状ホスファゼン化合物の熱分解により生じる高不燃性ガス成分が、可燃性のメチルエステル化合物を用いても不燃性を発現するものと考えられる。また、理由は必ずしも明らかではないが、環状ホスファゼン化合物とメチルエステル化合物の相乗効果により生じる電極表面の皮膜が、薄く、低抵抗であるため、高負荷条件でも優れた放電特性が実現でき、また、この皮膜は耐熱性に優れるため、高温条件下でも電解液と電池極材との熱分解を抑制できるものと考えられる。なお、上記環状ホスファゼン化合物のみや上記メチルエステル化合物のみでは、上記のような効果は発現されず、また、ギ酸プロピルや酢酸エチルのようなメチルエステル化合物以外のエステル化合物、或いは他の非プロトン性溶媒と環状ホスファゼン化合物を組み合わせた場合には、上記のような効果は認められない。
<電池用非水電解液>
以下に、本発明の電池用非水電解液を詳細に説明する。本発明に係る電池用非水電解液は、上記一般式(I)で表される環状ホスファゼン化合物、並びに酢酸メチル、プロピオン酸メチル及び酪酸メチルからなる群から選択される少なくとも1種のメチルエステル化合物を含む非水溶媒と、支持塩とを含むことを特徴とし、更に、非水溶媒として、非プロトン性有機溶媒を含有してもよい。
以下に、本発明の電池用非水電解液を詳細に説明する。本発明に係る電池用非水電解液は、上記一般式(I)で表される環状ホスファゼン化合物、並びに酢酸メチル、プロピオン酸メチル及び酪酸メチルからなる群から選択される少なくとも1種のメチルエステル化合物を含む非水溶媒と、支持塩とを含むことを特徴とし、更に、非水溶媒として、非プロトン性有機溶媒を含有してもよい。
本発明の電池用非水電解液に含まれる環状ホスファゼン化合物は、上記一般式(I)で表される。式(I)中のRは、それぞれ独立してフッ素、アルコキシ基又はアリールオキシ基を表し、nは3〜4を表す。
式(I)のRにおけるアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等や、二重結合を含むアリルオキシ基等、またはメトキシエトキシ基、メトキシエトキシエトキシ基等のアルコキシ置換アルコキシ基等が挙げられる。更に、Rにおけるアリールオキシ基としては、フェノキシ基、メチルフェノキシ基、キシレノキシ基(即ち、キシリルオキシ基)、メトキシフェノキシ基等が挙げられる。上記アルコキシ基及びアリールオキシ基中の水素元素は、ハロゲン元素で置換されていてもよく、フッ素で置換されていることが好ましい。また、式(I)中のRは他のRと連結していてもよく、この場合、2つのRは、互いに結合して、アルキレンジオキシ基、アリーレンジオキシ基又はオキシアルキレンアリーレンオキシ基を形成し、かかる二価の基としては、エチレンジオキシ基、プロピレンジオキシ基、フェニレンジオキシ基等が挙げられる。
上記一般式(I)中のRは、同一でも異なってもよい。また、式(I)のRは、不燃性及び低粘性の両立の点で、Rのうち4つ以上がフッ素であることが好ましい。
また、式(I)のnは、3〜4であり、上記環状ホスファゼン化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明の電池用非水電解液に含まれるメチルエステル化合物は、酢酸メチル、プロピオン酸メチル及び酪酸メチルからなる群から選択される。これらの中でも、沸点及びイオン導電性の両立の点で、プロピオン酸メチルが特に好ましい。これらメチルエステル化合物は、1種単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
本発明の非水電解液において、上記環状ホスファゼン化合物の含有量は、電池用非水電解液全体の20〜60体積%であることが好ましく、安全性と電池性能のバランスの観点から、30〜50体積%であることが更に好ましい。環状ホスファゼン化合物の含有量が60体積%を超えると、上記メチルエステル化合物を用いても、電池の負荷特性が低下してしまう。
また、上記環状ホスファゼン化合物を高含有率で相溶させるために、上記メチルエステル化合物の含有量は、電池用非水電解液全体の20体積%以上であることが好ましい。更に、上記環状ホスファゼン化合物との十分な相乗効果を得るために、上記メチルエステル化合物の含有量は、電池用非水電解液全体の30体積%以上であることが更に好ましい。
更に、非水溶媒中の上記環状ホスファゼン化合物と上記メチルエステル化合物との総含有量は、負荷特性と極材の耐熱性の向上の点で、60体積%以上であることが好ましい。
本発明の電池用非水電解液に用いる支持塩としては、リチウムイオンのイオン源となる支持塩が好ましい。該支持塩としては、特に制限はないが、例えば、LiClO4、LiBF4、LiBC4O8、LiPF6、LiCF3SO3、LiAsF6、LiC4F9SO3、Li(CF3SO2)2N、Li(C2F5SO2)2N等のリチウム塩が好適に挙げられる。これらの中でも、不燃性に優れる点で、LiPF6が更に好ましい。これら支持塩は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記非水電解液中の支持塩の濃度としては、0.2〜2.0mol/L(M)が好ましく、0.5〜1.2mol/L(M)が更に好ましい。支持塩の濃度が0.2mol/L未満では、電解液の導電性を充分に確保することができず、電池の放電特性及び充電特性に支障をきたすことがあり、2.0mol/Lを超えると、電解液の粘度が上昇し、リチウムイオンの移動度を充分に確保できないため、前述と同様に電解液の導電性を充分に確保できず、電池の放電特性及び充電特性に支障をきたすことがある。
また、上記非水溶媒には、本発明の目的を損なわない範囲で従来より電池用非水電解液に使用されている種々のカーボネート溶媒を添加することができる。該カーボネート溶媒として具体的には、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジフェニルカーボネート、エチルメチルカーボネート(EMC)、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ビニレンカーボネート(VC)等が挙げられる。これらの中でも、容量、サイクル特性に優れる点で、エチレンカーボネートが特に好ましい。これらカーボネート溶媒は、1種単独で使用してもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
また、非水電解液電池の形成に際して、本発明の非水電解液は、そのまま用いることも可能であるが、例えば、適当なポリマーや多孔性支持体、或いはゲル状物質に含浸させる等して保持させる方法等で用いることもできる。
<非水電解液電池>
次に、本発明の非水電解液電池を詳細に説明する。本発明の非水電解液電池は、上述の電池用非水電解液と、正極と、負極とを備え、必要に応じて、セパレーター等の非水電解液電池の技術分野で通常使用されている他の部材を備える。この場合、本発明の非水電解液電池は、1次電池としても、2次電池としても構成することができる。
次に、本発明の非水電解液電池を詳細に説明する。本発明の非水電解液電池は、上述の電池用非水電解液と、正極と、負極とを備え、必要に応じて、セパレーター等の非水電解液電池の技術分野で通常使用されている他の部材を備える。この場合、本発明の非水電解液電池は、1次電池としても、2次電池としても構成することができる。
本発明の非水電解液電池の正極活物質としては、V2O5、V6O13、MnO2、MnO3等の金属酸化物、LiCoO2、LiNiO2、LiMn2O4、LiFeO2、LiFePO4等のリチウム含有複合酸化物、TiS2、MoS2等の金属硫化物、ポリアニリン等の導電性ポリマー等が好適に挙げられる。上記リチウム含有複合酸化物は、Fe、Mn、Co、Al及びNiからなる群から選択される2種又は3種の遷移金属を含む複合酸化物であってもよく、この場合、該複合酸化物は、LiMnxCoyNi(1-x-y)O2[式中、0≦x<1、0≦y<1、0<x+y≦1]、LiMnxNi(1-x)O2[式中、0≦x<1]、LiMnxCo(1-x)O2[式中、0≦x<1]、LiCoxNi(1-x)O2[式中、0≦x<1]、LiCoxNiyAl(1-x-y)O2[式中、0≦x<1、0≦y<1、0<x+y≦1]、LiFexCoyNi(1-x-y)O2[式中、0≦x<1、0≦y<1、0<x+y≦1]、或いはLiMnxFeyO2-x-y等で表される。これらの中でも、熱分解反応を起こし易く、安全性が低いCo及び/又はNiを含む金属酸化物に対して、本発明の効果は顕著である。これら正極活物質は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の非水電解液電池の負極活物質としては、リチウム金属自体、リチウムとAl、In、Sn、Si、Pb又はZn等との合金、リチウムイオンをドープしたTiO2等の金属酸化物およびTiO2−P2O4等の金属酸化物複合材料、黒鉛等の炭素材料等が好適に挙げられる。これら負極活物質は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
上記正極及び負極には、必要に応じて導電剤、結着剤を混合することができ、導電剤としてはアセチレンブラック等が挙げられ、結着剤としてはポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等が挙げられる。これらの添加剤は、従来と同様の配合割合で用いることができる。
本発明の非水電解液電池に使用できる他の部材としては、非水電解液電池において、正負極間に、両極の接触による電流の短絡を防止する役割で介在させるセパレーターが挙げられる。セパレーターの材質としては、両極の接触を確実に防止し得、且つ電解液を通したり含んだりできる材料、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、セルロース系、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂製の不織布、薄層フィルム等が好適に挙げられる。これらは、単体でも、混合物でも、共重合体でもよい。これらの中でも、厚さ20〜50μm程度のポリプロピレン又はポリエチレン製の微孔性フィルム、セルロース系、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート等のフィルムが特に好適である。本発明では、上述のセパレーターの他にも、通常電池に使用されている公知の各部材が好適に使用できる。
以上に説明した本発明の非水電解液電池の形態としては、特に制限はなく、コインタイブ、ボタンタイプ、ペーパータイプ、角型又はスパイラル構造の円筒型電池等、種々の公知の形態が好適に挙げられる。ボタンタイプの場合は、シート状の正極及び負極を作製し、該正極及び負極でセパレーターを挟む等して、非水電解液電池を作製することができる。また、スパイラル構造の場合は、例えば、シート状の正極を作製して集電体を挟み、これにシート状の負極を重ね合わせて巻き上げる等して、非水電解液電池を作製することができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
酪酸メチル 30体積%と、上記一般式(I)においてnが3であって、全Rのうち1つがシクロヘキシルオキシ基で、5つがフッ素である環状ホスファゼン化合物 30体積%と、エチレンカーボネート 13体積%と、ジメチルカーボネート 27体積%とからなる混合溶媒に、LiPF6を1mol/Lになるように溶解させて、非水電解液を調製した。次に、得られた非水電解液の難燃性を下記(1)の方法で評価し、表1に示す結果を得た。
酪酸メチル 30体積%と、上記一般式(I)においてnが3であって、全Rのうち1つがシクロヘキシルオキシ基で、5つがフッ素である環状ホスファゼン化合物 30体積%と、エチレンカーボネート 13体積%と、ジメチルカーボネート 27体積%とからなる混合溶媒に、LiPF6を1mol/Lになるように溶解させて、非水電解液を調製した。次に、得られた非水電解液の難燃性を下記(1)の方法で評価し、表1に示す結果を得た。
(1)難燃性の評価
UL(アンダーライティングラボラトリー)規格のUL94HB法をアレンジした方法で、大気環境下において着火した炎の燃焼長及び燃焼時間を測定・評価した。具体的には、UL試験基準に基づき、127mm×12.7mmのSiO2シートに上記電解液1.0mLを染み込ませて試験片を作製して評価を行った。以下に不燃性・難燃性・自己消火性・燃焼性の評価基準を示す。
<不燃性の評価>試験炎を点火しても全く着火しなかった場合(燃焼長:0mm)を不燃性ありと評価した。
<難燃性の評価>着火した炎が、装置の25mmラインまで到達せず且つ網からの落下物にも着火が認められなかった場合を難燃性ありと評価した。
<自己消火性の評価>着火した炎が25〜100mmラインで消火し且つ網からの落下物にも着火が認められなかった場合を自己消火性ありと評価した。
<燃焼性の評価>着火した炎が、100mmラインを超えた場合を燃焼性と評価した。
UL(アンダーライティングラボラトリー)規格のUL94HB法をアレンジした方法で、大気環境下において着火した炎の燃焼長及び燃焼時間を測定・評価した。具体的には、UL試験基準に基づき、127mm×12.7mmのSiO2シートに上記電解液1.0mLを染み込ませて試験片を作製して評価を行った。以下に不燃性・難燃性・自己消火性・燃焼性の評価基準を示す。
<不燃性の評価>試験炎を点火しても全く着火しなかった場合(燃焼長:0mm)を不燃性ありと評価した。
<難燃性の評価>着火した炎が、装置の25mmラインまで到達せず且つ網からの落下物にも着火が認められなかった場合を難燃性ありと評価した。
<自己消火性の評価>着火した炎が25〜100mmラインで消火し且つ網からの落下物にも着火が認められなかった場合を自己消火性ありと評価した。
<燃焼性の評価>着火した炎が、100mmラインを超えた場合を燃焼性と評価した。
次に、正極活物質としてリチウムコバルト複合酸化物[LiCoO2]を用い、該酸化物と、導電剤であるアセチレンブラックと、結着剤であるポリフッ化ビニリデンとを、質量比で94:3:3で混合し、これをN-メチルピロリドンに分散させてスラリーとしたものを、正極集電体としてのアルミニウム箔に塗布・乾燥した後、直径12.5mmの円盤状に打ち抜いて、正極を作製した。また、負極活物質として人造グラファイトを用い、該人造グラファイトと、結着剤であるポリフッ化ビニリデンとを質量比で90:10で混合し、これを有機溶媒(酢酸エチルとエタノールとの50/50質量%混合溶媒)に分散させてスラリーとしたものを、負極集電体としての銅箔に塗布・乾燥した後、直径12.5mmの円盤状に打ち抜いて、負極を作製した。次いで、正極端子を兼ねたステンレスケース内に、正極と負極とを、電解液を含浸したセパレーター(微孔性フィルム:ポリプロピレン製)を介して重ねて収容し、ポリプロピレン製ガスケットを介して負極端子を兼ねるステンレス製封口板で密封して、直径20mm、厚さ1.6mmのコイン型電池(非水電解液2次電池)を作製した。また、得られたコイン型電池に対して、下記(2)の方法で負荷特性評価を行った。更に、同様にして作製したコイン型電池に対して、下記(3)の方法で正極耐熱性評価を行った。
(2)コイン型電池による負荷特性評価
上記のようにして作製したコイン型電池を用い、20℃の環境下で、4.2〜3.0Vの電圧範囲で、0.3mA/cm2の電流密度による充放電サイクルを2回繰り返し、この時の放電容量を求め、更に同様の充電条件で充電後、1.2mA/cm2の電流密度による放電容量を求め、下記の式:
高負荷放電率=1.2mA/cm2での放電容量/0.3mA/cm2での放電容量×100(%)
に従って高負荷放電率を算出し、負荷特性の指標とした。結果を表1に示す。
上記のようにして作製したコイン型電池を用い、20℃の環境下で、4.2〜3.0Vの電圧範囲で、0.3mA/cm2の電流密度による充放電サイクルを2回繰り返し、この時の放電容量を求め、更に同様の充電条件で充電後、1.2mA/cm2の電流密度による放電容量を求め、下記の式:
高負荷放電率=1.2mA/cm2での放電容量/0.3mA/cm2での放電容量×100(%)
に従って高負荷放電率を算出し、負荷特性の指標とした。結果を表1に示す。
(3)DSC測定による正極耐熱性評価
上記と同じコイン型電池を作製し、20℃の環境下で、4.2〜3.0Vの電圧範囲で、0.3mA/cm2の電流密度による充放電サイクルを2回繰り返し、更に同様の充電条件で4.2Vまで充電を行い満充電状態とした後、該電池を分解し、電解液を保持したままの正極板を4mmφに打ち抜き、サンプル片を得た。このサンプル片をステンレス製耐圧密閉容器に封入し、示差走査熱量測定装置(DSC:Differential Scanning Calorimetry)にて10℃/分の昇温条件で室温から400℃まで昇温し、初期の発熱ピーク温度を測定し、正極耐熱性の指標とした。結果を表1に示す。
上記と同じコイン型電池を作製し、20℃の環境下で、4.2〜3.0Vの電圧範囲で、0.3mA/cm2の電流密度による充放電サイクルを2回繰り返し、更に同様の充電条件で4.2Vまで充電を行い満充電状態とした後、該電池を分解し、電解液を保持したままの正極板を4mmφに打ち抜き、サンプル片を得た。このサンプル片をステンレス製耐圧密閉容器に封入し、示差走査熱量測定装置(DSC:Differential Scanning Calorimetry)にて10℃/分の昇温条件で室温から400℃まで昇温し、初期の発熱ピーク温度を測定し、正極耐熱性の指標とした。結果を表1に示す。
(実施例2)
プロピオン酸メチル 70体積%と、上記一般式(I)においてnが3であって、全Rのうち2つがメトキシ基で、4つがフッ素である環状ホスファゼン化合物 5体積%と、上記一般式(I)においてnが3であって、全Rのうち1つがフェノキシ基で、5つがフッ素である環状ホスファゼン化合物 25体積%とからなる混合溶媒に、LiPF6を1.0mol/Lになるように溶解させて、非水電解液を調製し、得られた非水電解液の難燃性を評価した。また、実施例1と同様にして非水電解液2次電池を作製し、負荷特性および正極耐熱性をそれぞれ評価した。結果を表1に示す。
プロピオン酸メチル 70体積%と、上記一般式(I)においてnが3であって、全Rのうち2つがメトキシ基で、4つがフッ素である環状ホスファゼン化合物 5体積%と、上記一般式(I)においてnが3であって、全Rのうち1つがフェノキシ基で、5つがフッ素である環状ホスファゼン化合物 25体積%とからなる混合溶媒に、LiPF6を1.0mol/Lになるように溶解させて、非水電解液を調製し、得られた非水電解液の難燃性を評価した。また、実施例1と同様にして非水電解液2次電池を作製し、負荷特性および正極耐熱性をそれぞれ評価した。結果を表1に示す。
(実施例3)
酢酸メチル 40体積%と、上記一般式(I)においてnが3であって、全Rのうち2つがプロピレンジオキシ基で連結され、4つがフッ素である環状ホスファゼン化合物 10体積%と、上記一般式(I)においてnが4であって、全Rのうち1つがエトキシ基で、7つがフッ素である環状ホスファゼン化合物 30体積%と、エチレンカーボネート 10体積%と、エチルメチルカーボネート 10体積%とからなる混合溶媒に、LiPF6を1.0mol/Lになるように溶解させて、非水電解液を調製し、得られた非水電解液の難燃性を評価した。また、実施例1と同様にして非水電解液2次電池を作製し、負荷特性および正極耐熱性をそれぞれ評価した。結果を表1に示す。
酢酸メチル 40体積%と、上記一般式(I)においてnが3であって、全Rのうち2つがプロピレンジオキシ基で連結され、4つがフッ素である環状ホスファゼン化合物 10体積%と、上記一般式(I)においてnが4であって、全Rのうち1つがエトキシ基で、7つがフッ素である環状ホスファゼン化合物 30体積%と、エチレンカーボネート 10体積%と、エチルメチルカーボネート 10体積%とからなる混合溶媒に、LiPF6を1.0mol/Lになるように溶解させて、非水電解液を調製し、得られた非水電解液の難燃性を評価した。また、実施例1と同様にして非水電解液2次電池を作製し、負荷特性および正極耐熱性をそれぞれ評価した。結果を表1に示す。
(実施例4)
プロピオン酸メチル 45体積%と、上記一般式(I)においてnが3であって、全Rのうち1つがエトキシ基で、5つがフッ素である環状ホスファゼン化合物 50体積%と、エチレンカーボネート 5体積%とからなる混合溶媒に、LiPF6を1.0mol/Lになるように溶解させて、非水電解液を調製し、得られた非水電解液の難燃性を評価した。また、実施例1と同様にして非水電解液2次電池を作製し、負荷特性および正極耐熱性をそれぞれ評価した。結果を表1に示す。
プロピオン酸メチル 45体積%と、上記一般式(I)においてnが3であって、全Rのうち1つがエトキシ基で、5つがフッ素である環状ホスファゼン化合物 50体積%と、エチレンカーボネート 5体積%とからなる混合溶媒に、LiPF6を1.0mol/Lになるように溶解させて、非水電解液を調製し、得られた非水電解液の難燃性を評価した。また、実施例1と同様にして非水電解液2次電池を作製し、負荷特性および正極耐熱性をそれぞれ評価した。結果を表1に示す。
(実施例5)
酢酸メチル 20体積%と、プロピオン酸メチル 35体積%と、上記一般式(I)においてnが3であって、全Rのうち1つがトリフルオロエトキシ基で、5つがフッ素である環状ホスファゼン化合物 40体積%と、エチレンカーボネート 5体積%とからなる混合溶媒に、LiPF6を1.0mol/Lになるように溶解させて、非水電解液を調製し、得られた非水電解液の難燃性を評価した。次に、実施例1で用いたLiCoO2正極に代えて、LiCo0.15Ni0.8Al0.05O2を用いた以外は実施例1と同様にして非水電解液2次電池を作製し、負荷特性および正極耐熱性をそれぞれ評価した。結果を表1に示す。
酢酸メチル 20体積%と、プロピオン酸メチル 35体積%と、上記一般式(I)においてnが3であって、全Rのうち1つがトリフルオロエトキシ基で、5つがフッ素である環状ホスファゼン化合物 40体積%と、エチレンカーボネート 5体積%とからなる混合溶媒に、LiPF6を1.0mol/Lになるように溶解させて、非水電解液を調製し、得られた非水電解液の難燃性を評価した。次に、実施例1で用いたLiCoO2正極に代えて、LiCo0.15Ni0.8Al0.05O2を用いた以外は実施例1と同様にして非水電解液2次電池を作製し、負荷特性および正極耐熱性をそれぞれ評価した。結果を表1に示す。
(比較例1)
エチレンカーボネート 33体積%と、エチルメチルカーボネート 67体積%からなる混合溶媒に、LiPF6を1.0mol/Lになるように溶解させて、非水電解液を調製し、得られた非水電解液の難燃性を評価した。また、実施例1と同様にして非水電解液2次電池を作製し、負荷特性および正極耐熱性をそれぞれ評価した。結果を表1に示す。
エチレンカーボネート 33体積%と、エチルメチルカーボネート 67体積%からなる混合溶媒に、LiPF6を1.0mol/Lになるように溶解させて、非水電解液を調製し、得られた非水電解液の難燃性を評価した。また、実施例1と同様にして非水電解液2次電池を作製し、負荷特性および正極耐熱性をそれぞれ評価した。結果を表1に示す。
(比較例2)
酢酸メチル 20体積%と、プロピオン酸メチル 35体積%と、エチレンカーボネート 5体積%と、ジメチルカーボネート 40体積%とからなる混合溶媒に、LiPF6を1.0mol/Lになるように溶解させて、非水電解液を調製し、得られた非水電解液の難燃性を評価した。次に、実施例1で用いたLiCoO2正極に代えて、LiCo0.15Ni0.8Al0.05O2を用いた以外は実施例1と同様にして非水電解液2次電池を作製し、負荷特性および正極耐熱性をそれぞれ評価した。結果を表1に示す。
酢酸メチル 20体積%と、プロピオン酸メチル 35体積%と、エチレンカーボネート 5体積%と、ジメチルカーボネート 40体積%とからなる混合溶媒に、LiPF6を1.0mol/Lになるように溶解させて、非水電解液を調製し、得られた非水電解液の難燃性を評価した。次に、実施例1で用いたLiCoO2正極に代えて、LiCo0.15Ni0.8Al0.05O2を用いた以外は実施例1と同様にして非水電解液2次電池を作製し、負荷特性および正極耐熱性をそれぞれ評価した。結果を表1に示す。
(比較例3)
上記一般式(I)においてnが3であって、全Rのうち1つがシクロヘキシルオキシ基で、5つがフッ素である環状ホスファゼン化合物 15体積%と、エチレンカーボネート 28体積%と、ジメチルカーボネート 57体積%とからなる混合溶媒に、LiPF6を1.0mol/Lになるように溶解させて非水電解液を調製し、得られた非水電解液の難燃性を評価した。また、実施例1と同様にして非水電解液2次電池を作製し、負荷特性および正極耐熱性をそれぞれ評価した。結果を表1に示す。
上記一般式(I)においてnが3であって、全Rのうち1つがシクロヘキシルオキシ基で、5つがフッ素である環状ホスファゼン化合物 15体積%と、エチレンカーボネート 28体積%と、ジメチルカーボネート 57体積%とからなる混合溶媒に、LiPF6を1.0mol/Lになるように溶解させて非水電解液を調製し、得られた非水電解液の難燃性を評価した。また、実施例1と同様にして非水電解液2次電池を作製し、負荷特性および正極耐熱性をそれぞれ評価した。結果を表1に示す。
(実施例6)
プロピオン酸メチル 25体積%と、上記一般式(I)においてnが3であって、全Rのうち1つがエトキシ基で、5つがフッ素である環状ホスファゼン化合物 25体積%と、エチレンカーボネート 5体積%と、エチルメチルカーボネート 45体積%とからなる混合溶媒に、LiPF6を1.0mol/Lになるように溶解させて非水電解液を調製し、得られた非水電解液の難燃性を評価した。また、実施例1と同様にして非水電解液2次電池を作製し、負荷特性および正極耐熱性をそれぞれ評価した。結果を表1に示す。
プロピオン酸メチル 25体積%と、上記一般式(I)においてnが3であって、全Rのうち1つがエトキシ基で、5つがフッ素である環状ホスファゼン化合物 25体積%と、エチレンカーボネート 5体積%と、エチルメチルカーボネート 45体積%とからなる混合溶媒に、LiPF6を1.0mol/Lになるように溶解させて非水電解液を調製し、得られた非水電解液の難燃性を評価した。また、実施例1と同様にして非水電解液2次電池を作製し、負荷特性および正極耐熱性をそれぞれ評価した。結果を表1に示す。
表1の実施例1〜5に示すように、式(I)のホスファゼン化合物とメチルエステル化合物を60体積%以上含む非水電解液が不燃性を示すと共に、該非水電解液を用いた電池が高負荷条件下でも優れた放電特性を有し、また、一般的に用いられる電解液(比較例1)と比較して、充電正極に対し高い耐熱性を付与できることが分る。このように、本発明の非水電解液により、不燃性を発現しつつ、電池性能と正極耐熱性に優れた非水電解液電池が得られることが確認された。
一方、比較例2に示すように、メチルエステル化合物だけを用い、式(I)のホスファゼン化合物を加えなかった場合には、電解液が可燃性であり、実施例5で確認されたような、高い極材熱安定化効果は認められないことが分る。
また、比較例3のようにメチルエステル化合物を用いない場合には、式(I)のホスファゼン化合物を多量に使用すると2層分離が起こってしまうため、式(I)のホスファゼン化合物を16体積%以上添加することができなかった。その結果、難燃性を付与できるものの、比較例1と比較して負荷特性の低下を招き、また、実施例1に示したような正極耐熱性の向上は実現できないことが分る。
なお、実施例6に示すように、式(I)で表されるホスファゼン化合物とメチルエステル化合物の総含有量が50体積%の場合、不燃性は発現され、負荷特性や正極耐熱性もある程度向上するものの、実施例1〜5に示したような大幅な向上は実現できなかった。従って、式(I)の環状ホスファゼン化合物とメチルエステル化合物との総含有量は、60体積%以上が好ましいことが分る。
以上の結果から、式(I)で表される環状ホスファゼン化合物とメチルエステル化合物とを含有することを特徴とする非水電解液を用いることにより、不燃性と電池性能に優れ、正極の耐熱性を向上させた非水電解液電池を提供できることが分る。
Claims (8)
- 下記一般式(I):
(NPR2)n ・・・ (I)
[式中、Rは、それぞれ独立してフッ素、アルコキシ基又はアリールオキシ基を表し;nは3〜4を表す]で表される環状ホスファゼン化合物、並びに酢酸メチル、プロピオン酸メチル及び酪酸メチルからなる群から選択される少なくとも1種のメチルエステル化合物を含む非水溶媒と、支持塩とを含むことを特徴とする電池用非水電解液。 - 前記一般式(I)において、Rのうち少なくとも4つがフッ素であることを特徴とする請求項1に記載の電池用非水電解液。
- 前記一般式(I)で表される環状ホスファゼン化合物の含有量が、前記電池用非水電解液全体の30〜50体積%であることを特徴とする請求項1に記載の電池用非水電解液。
- 前記メチルエステル化合物の含有量が、前記電池用非水電解液全体の30体積%以上であることを特徴とする請求項1に記載の電池用非水電解液。
- 前記非水溶媒が、更にカーボネート溶媒を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電池用非水電解液。
- 前記カーボネート溶媒としてエチレンカーボネートを含むことを特徴とする請求項5に記載の電池用非水電解液。
- 前記非水溶媒における、前記一般式(I)で表される環状ホスファゼン化合物と前記メチルエステル化合物との総含有量が60体積%以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の電池用非水電解液。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の電池用非水電解液と、正極と、負極とを備えた非水電解液電池。
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