JP2008257101A - 液晶パネル基板ラビング材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】経糸がパイル糸1本につき複数本の割合で繰り返し配置されて緯糸と交絡したベース織地の織組織を構成し、パイル面がカットパイルに成る経パイル織物によって構成されるラビング材において、パイル片30のベース織地に沈み込む沈込部50の上を越えて係止する緯糸10を、そのパイル片を間に挟んで隣り合う左右片側の経糸21の下に潜らせ、その左右隣り合う他の片側の経糸22の上を越えるように織り込む。パイル片を間に挟む経糸間21・22の中心線Aが緯糸10の軸芯Bに傾斜するので、その傾斜する経糸間の中心線Aに交叉するパイル片30の軸芯Sも緯糸の軸芯Bに対して傾斜する。
【選択図】図3
Description
ラビング材としての経パイル織物の厚みは概して1.5〜4.0mmであり、パイルや緯糸や経糸には繊度(太さ)が概して15〜100綿番手の糸条が使用され、ベース織地(地組織)の経糸密度は概して20〜180本/25.4mmに、緯糸密度は概して30〜150本/25.4mmに設定されている。
パイルは、その潜り抜ける沈込部によってベース織地に係止され、その対を成す2つのパイル片は、その係止する緯糸の前後に分かれてベース織地から突出している。
そのパイルの沈込部が潜り抜ける緯糸の数、その潜り抜ける緯糸と経糸によって構成されるベース織地の織組織を変えることによって、経糸の長さ方向(L)におけるパイル片の傾き具合が変化し、パイルが経糸の長さ方向(L)において傾斜した経パイル織物を得ることが出来る。
ラビング材としての経パイル織物は、回転ロールに巻き付けて使用されるものであり、その回転ロールの回転方向に沿ってパイルが傾斜したものが好適とされ、その経糸の長さ方向(L)を回転方向に合わせ、緯糸の長さ方向(W)を軸芯方向に向けて回転ロールに巻き付けられる。このため、ラビング材として、ラビングロールの幅に応じた織幅の経パイル織物が必要になる。
従って、ラビング処理に2.3mを超える広幅のラビングロールに使用し、液晶パネル基板の生産効率を高めようとする場合には、ラビング材用経パイル織物を、その緯糸の長さ方向(W)を回転方向に向け、経糸の長さ方向(L)を軸芯方向に向けて回転ロールに巻き付け、そのロールを回転しつつパイル面を撫でてパイルを回転方向に沿ってパイルを傾斜させる。
太い経糸21は、細い経糸22との繊度の差に応じて、その間に挟まれたパイル糸のパイル片30の根元60に強く乗り掛かっている。
その乗り掛かる程度に応じて、太い経糸21と細い経糸22の間に挟まれたパイル片30は、その乗り掛かる太い経糸21によって細い経糸側22へと押し倒されて傾斜するようになっている。
パイル片30はルーズパイルを構成しているので、その構成するルーズパイルも2本1組の太い経糸21と細い経糸22に合わせて市松模様状に並ぶ。
従って、全てのパイル糸の形成するカットパイルは、同じ緯糸に沿って一直線上には並ばず、隣り合うパイル糸のカットパイルが各緯糸10の上に交互に現われ、その交互するカットパイルとカットパイルの間に無パイルスペース80が現われる(図1参照)。
そのようにパイル面には、無パイルスペース80が市松模様状に生じるので、緯糸密度を緻密にしてパイル密度を緻密にしようとしても限度がある。
本発明の第2の目的は、殊更太い経糸を使用することなく、パイル片が緯糸に沿って同じ織幅方向(W)に傾斜し、経糸の長さ方向(L)を軸芯方向に平行に向けて回転ロールに装着することが出来るラビング材を得ることにある。
そのように、パイル片30を間に挟む経糸間21・22の中心線Aが緯糸の軸芯Bに傾斜するので、その傾斜する経糸間の中心線Aに交叉するパイル片30の軸芯Sも緯糸の軸芯Bに対して傾斜することになる(図2参照)。
そのため、パイル片30の軸芯Sを緯糸の軸芯Bに対して傾斜させるために、先願ラビング材(図1参照)のように、そのパイル片30を間に挟む一方の経糸21を他方の経糸22よりも太くする必要はなく、その太くする必要がなくなる分だけ経糸密度を緻密にする余裕が生じるので、パイル片30が織幅方向Wに傾斜したパイル密度の緻密なラビング材を得ることが出来る。
経パイル織物の裏面(非パイル面)には接着剤を塗布し、パイル片31・32の沈込部50をベース織地に接着固定するとよい。その接着剤の塗布量は概して50〜80g/m2 (乾燥重量)にするとよい。
図7において、隣り合う一方のパイル糸71を間に挟んで隣り合う左右の経糸21・22は、4本の緯糸11・12・13・14と3/1経畦織組織を構成しているが、その隣り合う他方のパイル糸72を間に挟んで隣り合う左右の経糸21・22は、打ち込み順序が半レピートずれた4本の緯糸13・14・11・12と3/1経畦織組織を構成している。
パイルや緯糸や経糸には繊度(太さ)が10〜100綿番手の糸条が使用される。
パイル糸には、セルロース系繊維を主材とする糸条を使用することが望ましい。
パイル片30を間に挟む一方の経糸21を他方の経糸22よりも太くする場合、繊度の太い経糸21の繊度(dtex)を細い経糸22の繊度(dtex)の1.2倍〜4.0倍に、好ましくは1.4〜3.0倍にする。
繊度30綿番手(60/2s綿番手)のコットン(綿)繊維紡績糸を細い経糸とし、繊度13綿番手(30/2s綿番手)のコットン(綿)繊維紡績糸を太い経糸とし、繊度20綿番手(40/2s綿番手)のコットン(綿)繊維紡績糸を緯糸とし、繊度20綿番手(40/2s綿番手)のコットン(綿)繊維紡績糸をパイル糸とし、太い経糸とパイル糸と細い経糸の順に各筬羽間に通して配列し、太い経糸と細い経糸が交互に緯糸と交絡する平織組織をベース織地の織組織とし、ルーズパイルのパイル片の沈込部を係止する緯糸の片側の上を太い経糸が越え、その緯糸の他の片側の下に細い経糸が潜る経糸密度80本/25.4mm、緯糸密度80本/25.4mm、厚み3.0mm(パイル長2.2mm)の経パイル織物(図3と図4参照)をダブルモケット織機により織成し、裏面にアクリル樹脂系接着剤(エマルジョン)を塗布(乾燥塗布量65g/m2 )してラビング材に仕上げた。
繊度30綿番手(60/2s綿番手)のコットン(綿)繊維紡績糸を細い経糸とし、繊度13綿番手(30/2s綿番手)のコットン(綿)繊維紡績糸を太い経糸とし、繊度20綿番手(40/2s綿番手)のコットン(綿)繊維紡績糸を緯糸とし、繊度20綿番手(40/2s綿番手)のコットン(綿)繊維紡績糸をパイル糸とし、太い経糸とパイル糸と細い経糸の順に各筬羽間に通して配列し、太い経糸と細い経糸が2本引き揃えの組を成して緯糸と交絡する2本緯畦(2/2緯畦)織組織をベース織地の織組織とし、その各組2本の太い経糸と細い経糸が交絡して上を越える緯糸に係止されるルーズパイルのカットパイルを成し、経糸密度80本/25.4mm、緯糸密度80本/25.4mm、厚み3.0mm(パイル長2.2mm)の経パイル織物(図1参照)をダブルモケット織機により織成し、裏面にアクリル樹脂系接着剤(エマルジョン)を塗布(乾燥塗布量65g/m2 )してラビング材に仕上げた。
それぞれパイル面を織幅方向(W)に撫でて実施例のラビング材と比較例のラビング材のパイル片の織幅方向(W)への傾斜の度合いを比較すると、実施例のラビング材のパイル片が比較例のラビング材のパイル片に比して織幅方向(W)に強く傾斜していることが感じ取られた。
20・21・22:経糸
30・31・32:パイル片
41:ルーズパイル
42:ファーストパイル
50・51・52:沈込部
60:根元
71・72:パイル糸
80:無パイルスペース
Claims (3)
- (a) パイル面がカットパイルによって構成される経パイル織物によって構成され、
(b) 経糸(21・22)が、パイル糸1本につき複数本の割合で繰り返し配置され、緯糸(10)と交絡してベース織地の織組織を構成しており、
(c) パイル片(30)のベース織地に沈み込む沈込部(50)の上を越えてそのパイル片を係止する緯糸(10)が、そのパイル片を間に挟んで隣り合う左右片側の経糸(21)の下に潜り、その左右隣り合う他の片側の経糸(22)の上を越えており、
(d) 緯糸(10)に係止されるパイル片(30)を間に挟んで左右隣り合う全ての2本の経糸(21aと22a、21bと22b、21cと22c………)の中の沈込部(50)の上を越える全ての左右片側の経糸(21a、21b、21c………)と、沈込部(50)の下に潜る全ての左右隣り合う他の片側の経糸(22a、22b、22c………)とのパイル片(30)を間に挟んで隣り合う左右の配置が同じである液晶パネル基板ラビング材。 - パイル片(30)を係止する緯糸(10)が下に潜る経糸(21)の繊度が、そのパイル片(30)を係止する緯糸(10)が上を越える経糸(22)の繊度よりも太い前掲請求項1に記載の液晶パネル基板ラビング材。
- カットパイルがファーストパイル(42)である前掲請求項1または2に記載の液晶パネル基板ラビング材。
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