JP2008255345A - 半導体固定用粘着テープ - Google Patents

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俊光 中村
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剛 竹内
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Abstract

【課題】被着体の汚染が少なくかつ帯電防止性能が高く、半導体部品のダイシングやバックグラインド処理においても回路面への影響が少ない半導体固定用粘着テープを安価に提供する。
【解決手段】少なくとも基材フィルムと粘着剤層から構成される粘着テープにおいて、基材フィルムの片面にポリチオフェン系ポリマーを含有する導電性樹脂組成物層が形成され、該樹脂組成物層上に粘着剤層が形成されている半導体固定用粘着テープ。
【選択図】なし

Description

本発明は、帯電防止性能を有する半導体固定用粘着テープに関し、特に電気、電子、半導体部品を生産する際に使用される帯電防止性能を有するダイシング用やバックグラインド用の粘着テープに関する。
従来から、電気、電子部品、半導体部品を生産する際に、ダイシング工程やその他の工程において部品の固定や保護を目的とする粘着テープが知られている。
このような粘着テープとしては、基材フィルムに再剥離性のアクリル系粘着剤層が設けられたものや、貼付時には外力に対し強い抵抗性があるが剥離時には小さい力で剥離可能な光架橋型再剥離性粘着剤層が設けられたものがある。該粘着テープは所定の処理工程が終了すると剥離されるが、このとき部品と粘着テープとの間に剥離帯電と呼ばれる静電気が発生する。この静電気による、被着体(例えば回路など)への悪影響を押さえるため、基材フィルムの背面側を帯電防止処理した粘着テープや、基材フィルムへ帯電防止剤を添加混合したテープ、粘着剤層へ帯電防止剤を添加混合した粘着テープ、基材フィルムと粘
着剤層との間に帯電防止中間層を作成した粘着テープが使用されている。
ところが回路を形成する部品の基板がセラミックスやガラスなどの絶縁材料である場合には、静電気の発生量が大きくしかも減衰に時間がかかる。このような部品には前記粘着テープを用いても帯電防止効果が十分ではなく、回路が破壊されてしまう危険が大きかった。このため、上記部品の生産工程においては、例えば周囲の環境をイオナイザー等の静電気除去装置をさらに使用しているのが実情である。
しかしながら、以上のような対策では、十分な帯電防止効果が得られず、生産性が低く、また保護性も十分とはいえない。
また粘着テープの剥離帯電を防止するための処理は、基材フィルム側ではなく粘着剤層側に施すのが効果的であると考えられている。ところが粘着剤に界面活性剤や導電性フィラー、カーボンブラックのような帯電防止効果のある材料を添加すると、粘着物性やその経時変化の調整ないしは抑制が困難であるばかりでなく、剥離する際に粘着剤や添加した材料自体が被着体に移行して汚染されるおそれがある。この場合、被着体の表面には目視可能な糊残りや顕微鏡レベルのパーティクル状物の付着、あるいは光学的に観測不能な液状物の付着が起こり、以降の工程において部品の接着不良などの悪影響を及ぼす。
また、基材フィルムに窒素原子−ホウ素原子錯体構造の電荷移動型ボロンポリマーを含有する帯電防止層を設けることで粘着剤による被着体への汚染や粘着物性の経時変化などによる信頼性低下を生ずることなく、帯電防止機能を付与できる半導体固定用粘着テープが開示されている(例えば、特許文献1参照)。このテープは所定の効果を得ることができるものの、場合によっては基材フィルムと帯電防止層の密着性に問題のあることがあり、改良が望まれていた。
特開2004−189769号公報
本発明は、被着体の汚染や粘着物性の経時変化が少なくかつ帯電防止性能が高く、半導体部品のダイシングやバックグラインド処理においても回路面への影響が少ない半導体固定用粘着テープを安価に提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意検討を行った結果、基材フィルムと粘着層から少なくとも構成される粘着テープにおいて、基材フィルムの少なくとも片面にポリチオフェン系ポリマーを含有する導電性樹脂組成物層を形成し、該樹脂組成物層上に粘着剤層を形成することにより、粘着剤による被着体への汚染や粘着物性の経時変化などによる信頼性低下を生ずることなく、帯電防止機能を付与でき、帯電防止層と基材フィルムとの密着性が良好であることを見い出し、この知見に基づき本発明をなすに至った。
すなわち本発明は、
(1)少なくとも基材フィルムと粘着剤層から構成される粘着テープにおいて、基材フィルムの片面にポリチオフェン系ポリマーを含有する導電性樹脂組成物層が形成され、該樹脂組成物層上に粘着剤層が形成されていることを特徴とする半導体固定用粘着テープ、
(2)少なくとも基材フィルムと粘着剤層から構成される粘着テープにおいて、基材フィルムの両面にポリチオフェン系ポリマーを含有する導電性樹脂組成物層が形成され、該樹脂組成物層の片面に粘着剤層が形成されていることを特徴とする半導体固定用粘着テープ、
(3)前記導電性樹脂組成物は、さらにバインダー成分を含有することを特徴とする(1)または(2)記載の半導体固定用粘着テープ、
(4)前記バインダー成分が、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂およびアクリル系樹脂よりなる群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする(3)記載の半導体固定用粘着テープ、および、
(5)前記粘着剤層が紫外線硬化型の粘着剤層であり、当該粘着剤層の厚みが1μm〜60μm厚であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の半導体固定用粘着テープ、
を提供するものである。
本発明の半導体固定用粘着テープは、基材フィルムにポリチオフェン系ポリマーを含有する導電性樹脂組成物層が形成され帯電防止性に優れ、その上、その樹脂組成物層上に粘着剤層が形成されているので、被着体であるシリコンウェハやガラス、セラミックス等の基板に導電性樹脂組成物が触れることはない。そのため半導体固定用粘着テープ剥離後には、顕微鏡レベルのパーティクル状物の付着や光学的に観測不能な液状物の付着がほとんど無くきわめて良好である。
また本発明の半導体固定用粘着テープは、ダイシング加工時に使用される場合には、半導体ウェハをチップに切断後エキスパンドされ、チップをピックアップすることが行われるが、本発明の半導体固定用粘着テープは、導電性樹脂組成物層は柔軟性が高く、また基材フィルムと粘着剤層との密着性が高いので、剥離帯電等の問題が生じることはない。
さらに、ポリチオフェン系ポリマーは公知の導電性ポリマーに比べ紫外線透過率が高く、本発明の導電性樹脂組成物層を有する粘着テープでは、紫外線硬化型の粘着剤層を有するテープの場合、粘着剤の硬化が容易で、ダイシング工程後のピックアップ等に好都合である。
また、紫外線硬化型粘着剤層の厚みを1μm〜60μmとすれば、テープの表面抵抗値が低く、帯電防止性に優れる。
本発明の半導体固定用粘着テープの好ましい実施の態様について、詳細に説明する。
本発明の帯電防止層である導電性樹脂組成物層を含む半導体固定用粘着テープに用いられる基材フィルムは、半導体を加工するときの衝撃からの保護や水洗浄等に対する耐水性等が重要である。
したがって、基材フィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリブテンのようなポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体およびエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体のようなエチレン共重合体、軟質ポリ塩化ビニル、半硬質ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミド、天然ゴムならびに合成ゴムなどの高分子材料が好ましい。そして、これらの単層フィルム又は複層フィルムが用いられる。基材フィルムは、可視光透過性であるものが好ましく、特に後述の粘着剤層として紫外線硬化型の材料を使用する場合には紫外線透過性であるものが好ましい。
基材フィルムの厚さは、特に制限するものではないが、好ましくは10〜500μmであり、より好ましくは40〜500μm、特に好ましくは60〜250μmである。
本発明の導電性樹脂組成物層に用いられる導電性樹脂として、光学特性、外観、帯電防止効果および帯電防止効果の加熱時、加湿時での安定性が良好であるという点でポリチオフェン系ポリマーが使用される。ポリチオフェン系ポリマーは、水溶性導電性ポリマーまたは水分散性導電性ポリマーとして使用することができる。ポリチオフェン系ポリマーとしては、例えば、ポリエチレンジオキシチオフェン、ポリチオフェン、ポリエチレンビニレンが挙げられる。
水溶性導電性ポリマーや水分散性導電性ポリマーを用いることにより、帯電防止層を形成する際の塗布液(ポリマー組成物)を水溶液または水分散液として調製でき、塗布液に有機溶剤を用いる必要がない。そのため、有機溶剤による基材フィルム基材の変質や劣化を抑制することができる。水溶液または水分散液は、溶媒を水のみとするのが密着性の点から好ましいが、親水性溶媒を含有していてもよい。親水性溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−アミルアルコール、イソアミルアルコール、sec−アミルアルコール、tert−アミルアルコール、1−エチル−1−プロパノール、2−メチル−1−ブタノール、n−ヘキサノール、及びシクロヘキサノール等のアルコール類があげられる。
水溶性または水分散性のポリチオフェンのポリスチレン換算による重量平均分子量は400000以下であることが好ましく、さらに好ましくは300000以下である。
水溶性導電ポリマーの水溶性とは、水100gに対する溶解度が5g以上の場合をいう。
前記水溶性導電ポリマーの水100gに対する溶解度は20〜30gであることが好ましい。水分散性導電性ポリマーとは、ポリチオフェン系樹脂が微粒子状で水中に分散しているものであり、水分散液は液粘度が小さく薄膜塗工が容易であるばかりか、塗布層の均一性に優れている。ここで微粒子のサイズとしては1μm以下のものが帯電防止層の均一性という点から好ましい。
また、前記水溶性または水分散性導電性ポリマーであるポリチオフェン系樹脂は、分子中に親水性官能基を有することが好ましい。親水性官能基としては、たとえばスルホン基、アミノ基、アミド基、イミノ基、四級アンモニウム塩基、ヒドロキシル基、メルカプト基、ヒドラジノ基、カルボキシル基、硫酸エステル基、リン酸エステル基、またはそれらの塩などがあげられる。分子内に親水性官能基を有することにより水に溶けやすくなったり、水に微粒子状で分散しやすくなり、前記水溶性導電性ポリマーまたは水分散性導電性ポリマーを容易に調製することができる。
水溶性ポリチオフェン系ポリマーの市販品の例としては、ポリチオフェン系導電性ポリマー(ナガセケムテックス社製、デナトロンシリーズ)などがあげられる。
本発明の導電性樹脂組成物としては、皮膜形成性、基材フィルムへの密着性の向上などを目的としてバインダー成分を含有することが好ましい。導電性樹脂として水溶性導電性ポリマーまたは水分散性導電性ポリマーを用いる場合には、水溶性または水分散性のバインダー成分を用いることが好ましい。
バインダー成分としては、例えば、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレングリコール、ペンタエリスリトールなどがあげられる。特にポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂が好ましい。また、バインダー成分として、アクリル系オリゴマー(又はポリマー)やアクリルウレタン系オリゴマー(又はポリマー)などの不飽和二重結合を有する樹脂を用いてもよい。
これらバインダー成分は1種または2種以上を適宜その用途に合わせて用いることができる。バインダー成分の使用量は、導電性ポリマーの種類にもよるが、導電性ポリマー100重量質量部に対して10〜500質量部であることが好ましく、より好ましくは50〜400質量部、特に好ましくは100〜300質量部である。
前記帯電防止層である導電性樹脂組成物層の表面固有抵抗値は、1×1012Ω/□以下であることが好ましく、より好ましくは1×1011Ω/□以下、特に好ましくは1×109Ω/□以下である。
本発明の半導体固定用テープは、基材フィルムの片面または両面に導電性樹脂組成物層が形成される。導電性樹脂組成物層が片面に設けられた場合には、その層上に粘着剤層が形成される。また導電性樹脂組成物層が両面に設けられた場合には、その一方の面に粘着剤層が形成される。
本発明の半導体固定用粘着テープは、基材フィルムに導電性樹脂組成物層が形成され、その樹脂組成物層上に粘着剤層が形成されているので、被着体であるシリコンウェハやガラス、セラミックス等に導電性樹脂組成物が触れることはない。そのため半導体固定用粘着テープ剥離後には、顕微鏡レベルのパーティクル状物の付着や光学的に観測不能な液状物の付着がない。
また導電性樹脂組成物層が基材フィルムの両面に形成され、その一方の面に粘着剤層が形成された場合には、他方の面には導電性樹脂組成物層が形成されているので、ロール状で供給される本発明の半導体固定用テープを引き出して使用する際に発生する静電気に対して、帯電防止機能を付与することができる。
本発明の半導体固定用粘着テープは基材フィルム上に導電性樹脂組成物層を介してその片面に、アクリル系粘着剤又はその溶液を塗布又は塗布後乾燥して得られる粘着剤層を形成することができる。
粘着剤ベースポリマーとしては、従来公知のものが広く用いられ得るが、アクリル系粘着剤が好ましく、具体的には、アクリル酸エステルを主たる構成単量体単位とする単独重合体および共重合体から選ばれたアクリル系重合体、その他の官能性単量体との共重合体およびこれら重合体の混合物が用いられる。たとえば、アクリル酸エステルとしては、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸2−ヒドロキシエチルなど、また上記のアクリル酸エステルをたとえばメタクリル酸エステルに代えたものなども好ましく使用できる。
さらに接着性や凝集力を制御する目的でアクリル酸あるいはメタクリル酸、アクリロニトリル、酢酸ビニルなどのモノマーを共重合させてもよい。これらのモノマーを重合して得られるアクリル系重合体の重量平均分子量は、5×10〜4×10であり、好ましくは、2.0×10〜2.0×10である。
上記のような粘着剤は、硬化剤を使用することにより接着力と凝集力とを任意の値に設定することができる。このような硬化剤としては、多価イソシアナート化合物、多価エポキシ化合物、多価アジリジン化合物、キレート化合物等がある。
多価イソシアナート化合物としては、具体的にはトルイレンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナートおよびこれらのアダクトタイプのもの等が用いられる。
多価エポキシ化合物としては、具体的にはエチレングリコールジグリシジルエーテル、テレフタル酸ジグリシジルエステルアクリレート等が用いられる。
多価アジリジン化合物としては、具体的にはトリス−2,4,6−(1−アジリジニル)−1,3,5−トリアジン、トリス〔1−(2−メチル)−アジリジニル〕ホスフィンオキシド、ヘキサ〔1−(2−メチル)−アジリジニル〕トリホスファトリアジン等が用いられる。
またキレート化合物としては、具体的にはエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)等が用いられる。
本発明の半導体固定用粘着テープの粘着剤層は、光硬化型、特に紫外線硬化型の粘着剤層が好ましい。
上記のような粘着剤層中に光重合性化合物を含ませることによって、該粘着剤層に紫外線を照射することにより硬化し、粘着力を低下させることができる。このような光重合性化合物としては、たとえば特開昭60−196956号公報および特開昭60−223139号公報に開示されているような光照射によって三次元網状化しうる分子内に光重合性炭素−炭素二重結合を少なくとも2個以上有する低分子量化合物(オリゴマー)が広く用いられる。
具体的には、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートあるいは1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、市販のオリゴエステルアクリレートなどが用いられる。
さらに、光照射用の場合には、上記の粘着剤中に光開始剤を混入することにより、光照射による重合硬化時間ならびに光照射量を少なくすることができる。
このような光開始剤としては、具体的には、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジフェニルサルファイド、テトラメチルチウラムモノサルファイド、アゾビスイソブチロニトリル、ジベンジル、ジアセチル、β−クロールアンスラキノンなどが挙げられる。光開始剤は、通常光重合性化合物100質量部に対し0.1〜10質量部の量が用いられる。このようにして形成される光架橋型粘着剤層に対し、光、好ましくは紫外線を照射することにより、初期の接着力が大きく低下し、容易に被着体から該粘着テープを剥離することができる。
このような上記の紫外線硬化型の粘着剤において、ポリチオフェン系ポリマー以外の導電性ポリマーを用いた場合、その導電性ポリマー自身が紫外線を吸収してしまい、粘着層の硬化を阻害してしまう。例えば、導電性ポリマーとして広く知られているポリアニリンでは、ポリチオフェンに比べ、紫外線の透過率が6割ほどである。そのため、近年半導体加工に用いられるダイサーに内蔵されている紫外線硬化用のブラックライトでは、著しく粘着剤の硬化が阻害されてしまい、その後の工程に悪影響を及ぼすおそれがある。
したがって、ポリチオフェン系ポリマー含有の樹脂組成物層と紫外線硬化型の粘着剤層の組み合わせは、半導体固定用粘着テープには極めて好都合である。
さらに、上記紫外線硬化型粘着剤を基材フィルム上に導電性樹脂組成物層を介して塗布した場合において、粘着剤が紫外線により硬化した後のその表面固有抵抗値は、1×1013Ω/□以下であることが好ましく、より好ましくは1×1012Ω/□以下、特に好ましくは1×1011Ω/□以下である。
したがって、本発明の半導体固定用粘着テープは、形成される粘着剤層の厚みは、1μm〜60μm厚で、好ましくは3μm〜30μm、更に好ましくは5μm〜10μm厚であることが好ましい。この厚みが薄過ぎると塗布が面倒であるし接着力が低下し、厚過ぎると表面固有抵抗値が1×1013Ω/□を越えることとなる。
本発明の半導体固定用粘着テープは、電気、電子、半導体部品を製造する際に、例えばシリコンウェハやガラス、セラミックス、ポリマー等の基板の保護用あるいはダイシング用の粘着テープとして有用である。
以下本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明し、比較例と共に性能試験例を示し、本発明の優れた効果を明示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔実施例1〕
厚さ100μmのポリエチレン(PE)フィルムを基材フィルムとして用い、この基材フィルムの一方の主面上にバインダーとしてポリエステル樹脂を加えたポリエチレンジオキシチオフェンの水溶液(商品名:デナトロンP−502RG、ナガセケムテックス(株)製)を塗工し、乾燥させ0.5μm厚の導電性樹脂組成物層を形成した。その後、アクリル系粘着剤(2−エチルヘキシルアクリレートとn−ブチルアクリレートの共重合体)100質量部にポリイソシアネート化合物(日本ポリウレタン(株)製、商品名コロネートL)4質量部、イソシアヌレート化合物としてトリス−2−アクリロキシエチルイソシアヌレート100質量部および光重合開始剤としてα−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン1質量部を添加混合して放射線硬化性粘着剤を得た。この粘着剤を得られる乾燥後の厚さが10μmとなるように導電性樹脂組成物層の表面に塗工して放射線硬化性の半導体固定用粘着テープを得た。
〔実施例2〕
実施例1のバインダーとしてポリエステル樹脂を加えたポリエチレンジオキシチオフェンの水溶液に代えてバインダーとしてアクリル樹脂を加えたポリエチレンジオキシチオフェンの水溶液(商品名:コニソルF−205、インスコンテック(株)製)を塗工して導電性樹脂組成物層を形成した以外は実施例1と同様にして、半導体固定用粘着テープを得た。
〔実施例3〕
実施例1の導電性樹脂組成物層をフィルムの両面に形成した以外は実施例1と同様にして、半導体固定用粘着テープを得た。
〔実施例4〕
実施例2の放射線硬化性粘着剤の乾燥後の厚さが30μmとなるように塗工した以外は実施例2と同様にして、半導体固定用粘着テープを得た。
〔実施例5〕
実施例2の放射線硬化性粘着剤の乾燥後の厚さが60μmとなるように塗工した以外は実施例2と同様にして、半導体固定用粘着テープを得た。
〔比較例1〕
上記実施例1において、導電性樹脂組成物層を設けないこと以外は同様にして放射線硬化性の半導体固定用粘着テープを得た。
〔比較例2〕
上記実施例2の導電性樹脂組成物層を窒素原子−ホウ素原子錯体構造の電荷移動型ボロンポリマー(商品名:ハイボロン、ボロンインターナショナル社製)からなる帯電防止層としたこと以外は実施例2と同様にして、放射線硬化性の半導体固定用粘着テープを得た。
〔比較例3〕
上記実施例1において、導電性樹脂組成物層を設けず、放射線硬化性粘着剤にポリエステル樹脂を加えたポリエチレンジオキシチオフェンの水溶液を0.5部加えたこと以外は実施例1と同様にして放射線硬化性の半導体固定用粘着テープを得た。
〔半導体固定用粘着テープの性能試験〕
上記実施例1、2、3および比較例1、2、3で得られた各粘着テープについて、以下に示す各試験により、その表面固有抵抗(塗工された粘着剤の表面)、基材背面(粘着剤が塗工されていない面)の表面固有抵抗、平衡帯電圧、半減期、表面汚染性(パーティクル)、初期粘着力、エキスパンド性、耐水性、基材密着性、を評価したところ、表1の結果を得た。
(1)表面固有抵抗値
JIS K6911に準拠して、UV照射前の粘着テープについて(株)アドバンテスト製R−8340(商品名)を用いて測定した。
(2)平衡帯電圧および半減期
シシド静電気社製のスタティックオネストメーターを用いて印加電圧10kVとして測定した。
(3)表面汚染性(パーティクル)
半導体ウエハに粘着テープを貼付し、これを200mJ/cmでUV照射した後、粘着テープを剥離した。粘着テープ剥離後の該ウエハ上の0.3μm以上のパーティクルの数(5インチウエハあたり(約12000mm当たり平均)を表面異物検査装置(商品名「Surfscan6420」、KLA−Tencor社製)を用いて測定した。
(4)初期粘着力
製造後2週間以内のテープサンプルについて、JIS Z0237に準拠してUV照射(UV照射量は、200mJ/cm)前後のそれぞれの粘着力を測定した。試験用の被着体はシリコンウエハーミラー面とし、試験は90゜剥離、剥離速度50mm/分で行った。
(5)エキスパンド性
金蒸着(厚さ10000Å)膜付き、サイズ12.70cm(5インチ)、厚さ350μmのSiウエハに、各放射線硬化型粘着テープを貼り、これを下記の条件でダイシングを行った。
ダイシング装置 :DISCO社製 DAD−340
ブレード :DISCO社製 NBC−ZH2050 27H
EDD
ブレード回転数 :30000rpm
切削速度 :100mm/秒
切り残し厚み :50μm
切削水量 :1.5リットル/分
切削水温度 :20℃
ダイシングサイズ :5mm角
ウエハの裏面研削粗さ:#325研磨面
その後、NECマシナリー製:ピックアップダイボンダーCPS−100を用い、毎秒3mmのスピードで8秒間拡張した時点で拡張を停止し、その状態で顕微鏡観察にて、全てのシリコンチップ間隔を100倍の倍率で観察しながら測定し、基材フィルム押出方向に伸ばされたチップ間隔D1n、基材フィルム押出方向と垂直の方向に伸ばされたチップ間隔D2n、それぞれの平均値の比(μD1n/μD2n=N)の値を算出した。試験結果は以下の通り、判定した。
判定
N<1.2:○, 1.2≦N<1.5:△, 1.5≦N:×
(6)耐水性
粘着テープに貼り付けて固定した半導体ウエハを1mm角の半導体チップにダイシングし超純水で洗浄を行った際の半導体チップの剥離の有無を観察し、
チップの剥離しなかったもの:○, 剥離したもの:× とした。
(7)基材密着性
JIS K5400(碁盤目テープ法)に準拠して、試験を行い、0〜10点の点数で評価した。
Figure 2008255345
表1より明らかなように、比較例1及び3の粘着テープは、導電性樹脂組成物層を持たないため、表面固有抵抗値及び平行帯電圧ともに高く非常に帯電しやすい。
これに対し、実施例1及び2及び3の結果から明らかなように、本発明の半導体固定用テープは、帯電防止性能が良好で、UV照射前の粘着力は高くUV照射後の粘着力は低く、かつ、被着体表面を汚染しないことがわかる。一般的には、帯電防止層(導電性層)を設けることで、エキスパンド性、被着帯汚染性、耐水性が損なわれるが、本発明の半導体固定用粘着テープは、帯電防止性能は高く、その他のテープ特性へのマイナス要因もないことが分かる。
また、電荷移動型ボロンポリマーを帯電防止層とした比較例2及び粘着剤中に導電性樹脂組成物を加えた比較例3では、基材密着性に劣るが、実施例1〜3ではいずれも基材と導電性樹脂組成物層との密着性に優れている。尚、ポリチオフェン、ポリチオフェンビニレンについても試験を行なった結果ポリチオフェンとほぼ同様の結果が得られた。
〔半導体固定用粘着テープの性能試験〕
上記粘着剤層の厚みの異なる実施例2、4、5について、その表面固有抵抗値を測定したところ、表2の結果を得た。
Figure 2008255345
表2より明らかなように、放射線硬化型粘着剤層の厚みが増すにつれてその表面固有抵抗値は上昇することがわかり、その厚みが60μmのときが、好ましい範囲の上限に近いことがわかる。

Claims (5)

  1. 少なくとも基材フィルムと粘着剤層から構成される粘着テープにおいて、基材フィルムの片面にポリチオフェン系ポリマーを含有する導電性樹脂組成物層が形成され、該樹脂組成物層上に粘着剤層が形成されていることを特徴とする半導体固定用粘着テープ。
  2. 少なくとも基材フィルムと粘着剤層から構成される粘着テープにおいて、基材フィルムの両面にポリチオフェン系ポリマーを含有する導電性樹脂組成物層が形成され、該樹脂組成物層の片面上に粘着剤層が形成されていることを特徴とする半導体固定用粘着テープ。
  3. 前記導電性樹脂組成物は、さらにバインダー成分を含有することを特徴とする請求項1または2記載の半導体固定用粘着テープ。
  4. 前記バインダー成分が、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂およびアクリル系樹脂よりなる群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項3記載の半導体固定用粘着テープ。
  5. 前記粘着剤層が紫外線硬化型の粘着剤層であり、当該粘着剤層の厚みが1μm〜60μm厚であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体固定用粘着テープ。
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