JP2008255312A - 接着剤組成物 - Google Patents

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実 杉浦
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Abstract

【課題】 多様な物質に対して優れた接着性を示す接着剤組成物を提供する。
【解決手段】ラジカル重合性のリン酸エステル化合物と、下記一般式(2)のポリウレタン樹脂を含む、接着剤組成物。一般式(2)
Figure 2008255312

(一般式(2)中、Xは芳香族環又は脂肪族環を含む2価の有機基、Yは分子量100〜10,000の2価の有機基、Zは4個以上の炭素を含む2価の有機基、n及びmは1〜100の整数である。)
【選択図】 なし

Description

本発明は、接着剤組成物に関する。
近年、半導体や液晶ディスプレイなどの分野で、電子部品の固定や、その回路接続を行うために各種の接着材料が使用されている。これらの用途では、ますます高密度化、高精細化がすすみ、接着剤にも高い接着力や信頼性が求められている。
例えば、前記液晶ディスプレイにおいては、高精細化に伴う電気回路の狭ピッチ化により、はんだによる接合が困難となった結果、導電粒子を含有させた異方導電接着フィルムによる接続、固定方法が発明され、現在主流となっている(例えば、特許文献1、2参照)。
さらに、液晶ディスプレイだけでなく、半導体実装においても、従来は金属フレームと基板をはんだ接合していたが、半導体の多ピン化や高密度化、生産性向上のために様々な実装様式が考案され、はんだ接合では対応困難となった結果、フリップチップ実装に代表される平面実装が考案された。フリップチップ実装は、近年の携帯電子機器の発達に伴って増加傾向にあり、今後主流となる実装形式と考えられる。
このような複雑で微細な構造を持つ電子機器や半導体実装技術は、テレビや携帯電話を初めとする各種民生機器にまで波及しているため、使用者の利便性を考慮すれば、長期にわたり故障をしない信頼性を持った製品を製造することが必要である。
一方、このような電子機器や半導体実装製品は、金属性無機物、非金属製無機物、有機物などの様々な物質が混在した構造を有している。例えば液晶ディスプレイでは、ガラスや透明電極、駆動ICチップ、金めっき電極、ポリイミド保護膜などで構成されており、これらを全て同時に接着固定する必要がある。接着が不十分な場合には、吸湿の影響による部分的な剥離や、電極の腐食が発生して故障の原因となり、重大な問題となる。
したがって、電子機器や半導体実装製品に対して用いられる接着剤は、混在する多様な物質に対して高い接着力を発揮することにより、製品の信頼性を高める必要があるが、半導体製品中には難接着性の物質が使われることがある。例えば、ポリイミドやフッ素樹脂は、難接着性の物質として一般的に知られている。これを改善するために、プラズマ処理やコロナ放電、紫外線照射によって表面を改質する方法や、接着剤に使用する物質を分子レベルから設計し、創製する手法が考えられる。
このような手法を用いても、複雑化した電子機器や半導体実装を構成する全ての材質に対して良好な接着性を示す、単独成分の接着剤を開発することは事実上困難であるため、添加剤を併用することにより、様々な材質に対して接着性を両立させた接着剤組成物が開発されている。例えば、金属表面に対する接着性を向上させるために、リン酸エステル構造を有する化合物が有効であることが広く知られている(例えば特許文献7〜9参照)。
しかし実際には、接着剤組成物の開発においては、このような添加剤を加えても接着性向上の効果が全く得られない組成が多く見出される。したがって、度重なる試行錯誤の結果、添加剤の効果が発揮される最適組成を見出すのが現状であり、多大な労力を必要とするだけでなく、試作過程で浪費されるエネルギーや、発生する廃棄物は地球環境へ多大な負荷を与えている。
原因としては、接着剤組成物の成分と添加剤の組み合わせによっては、添加剤を配合しても、接着剤組成物の表面に現れないため、その結果、添加剤が被接着体と直接作用できず、接着力が発揮されないためである。
特開昭60−084718号公報 特開昭61−274394号公報 特許第3819045号公報 特許第3522313号公報 特開2005−220339号公報 特開2005−220340号公報 特開平10−195403号公報 特開平07−292048号公報 国際公開第98/044067号パンフレット
以上の技術背景から、有機物だけでなく金属表面に対しても良好な接着性を示す接着剤組成物を開発するためには、添加剤であるリン酸エステル化合物が有効に機能できるように表面構造を制御する必要がある。
請求項1に記載の発明は、優れた接着性を示す接着剤組成物を提供するものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明に加え、最適な表面構造を有する接着剤組成物を提供するものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明に加え、さらに優れた接着性を示す接着剤組成物を提供するものである。
請求項4に記載の発明は、請求項1、2又は3に記載の発明に加えて、低温短時間でも反応可能であるポリウレタン樹脂を提供するものである。
請求項5に記載の発明は、接着信頼性を向上できる接着剤組成物を提供するものである。
請求項6に記載の発明は、低温短時間でも接続可能であり、さらに、接着性に優れる接着剤組成物を提供するものである。
本発明は、下記一般式(1)のラジカル重合性のリン酸エステル化合物と、下記一般式(2)のポリウレタン樹脂を含む、接着剤組成物に関する。
Figure 2008255312
(一般式(1)中、Rは炭素数1〜50の2価の有機基、Rは水素、または炭素数1〜50の1価の有機基、aは1〜3の整数である。)
Figure 2008255312
(一般式(2)中、Xは芳香族環又は脂肪族環を含む2価の有機基、Yは分子量100〜10,000の2価の有機基、Zは4個以上の炭素を含む2価の有機基、n及びmは1〜100の整数である。)
また、本発明は、接着剤組成物表面において、上記一般式(1)のラジカル重合性のリン酸エステル化合物に起因した突起物が存在する、前記の接着剤組成物に関する。
また、本発明は、上記一般式(2)の−Z−が、下記一般式(3)、(4)及び(5)の組み合わせからなり、(a)が10〜90mol%、(b)が0〜90mol%及び(c)が0〜90mol%であるポリウレタン樹脂を含む、前記の接着剤組成物に関する。
Figure 2008255312
Figure 2008255312
Figure 2008255312
(一般式(3)、(4)、(5)中、Aは4個以上の炭素を含む4価の有機基、Rは反応性を有する基である。)
また、本発明は、上記一般式(4)、(5)中の反応性を有する基が、1つ以上の(メタ)アクリレート基を有する基であるポリウレタン樹脂を含む、前記の接着剤組成物に関する。
また、本発明は、さらに、三次元架橋性樹脂を含む、前記の接着剤組成物に関する。
さらに、本発明は、上記三次元架橋性樹脂が、ラジカル重合性物質であり、光照射又は加熱により遊離ラジカルを発生する硬化剤を含む、前記の接着剤組成物に関する。
本発明になる接着剤組成物は、半導体や液晶ディスプレイなどの製造において、半導体素子の接着で優れた接着性を示す。特に、故障の原因となる高湿度条件下において卓越した接着力を発揮し、高い信頼性を与える。
本発明では、下記一般式(1)で表されるラジカル重合性のリン酸エステル化合物を使用する。ラジカル重合性のリン酸エステル化合物は、無水リン酸と2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの反応生成物として得られる。具体的には、モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート、ジ(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート等が有り、単独でも混合して使用しても良い。
Figure 2008255312
(一般式(1)中、Rは炭素数1〜50の2価の有機基、Rは水素、または炭素数1〜50の1価の有機基、aは1〜3の整数である。)
接着剤組成物の表面において、前記ラジカル重合性のリン酸エステル化合物に起因する構造体が、突起状の形状物となることが好ましい。この突起状の形状物の高さは、接着性の観点から100nm以下が好ましく、30nm以下がより好ましく、10nm以下がさらに好ましい。構造体の高さが100nmを超えると、被接着体と密着できる面積が減り、接着力が低下する傾向がある。窪んだ形状の場合には、接着時に該物質が組成物内部に潜り込むことによって効果が低下し、接着性が向上しない。
前記ラジカル重合性のリン酸エステル化合物を用いて、良好な接着性を得るためには、接着剤組成物の表面における面積率で1.5〜50%となるように配合することが好ましい。1.5%未満では接着力向上の効果が得られず、50%を超えると、かえって接着性が低下する傾向がある。特に10〜30%となるように配合すると、接着性と信頼性の観点から、さらに好ましい。なお、面積率による該物質の存在比が上記範囲内であっても、保存安定性を損なわないように、必要最小量で使用する。
接着剤組成物の表面分析法は、該物質起因の構造体を検出できる方法であれば、特に制限はない。例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)、透過型電子顕微鏡(TEM)、X線光電子分光法(XPS)、オージェ電子分光法(AES)、エネルギー分散X線分析(EDX)、電子プローブマイクロアナライザー(EPMA)、走査型プローブ顕微鏡(SPM)等が挙げられ、それぞれ単独でも複数の手法を使用しても差し支えない。
本発明に用いられるポリウレタン樹脂は、下記一般式(2)で表されるものであり、一般式(2)中、Xは芳香族環あるいは脂肪族環を含む2価の有機基、Yは分子量100〜10,000の2価の有機基、Zは4個以上の炭素を含む2価の有機基、Rは反応性を有する基、n及びmは1〜100の整数であり、1〜50がより好ましい。
Figure 2008255312
上記一般式(2)中の、Xで表される芳香族環又は脂肪族環を含む2価の有機基は、ジイソシアネート残基であり、例えば、下記に示す構造式(6)に示すもの等が挙げられ、これらは1種類又は2種類以上の組み合わせで用いることができる。
Figure 2008255312
上記一般式(2)中のYで表される分子量100〜10,000の2価の有機基は、ジオール残基であり、例えば、下記の化学式(7)に示すもの等の繰り返し単位を有するものが挙げられ、これらは1種類又は2種類以上の組み合わせて用いることができる。これらの平均分子量は100〜10,000である必要があり、500〜5,000であればより好ましい。
Figure 2008255312
上記一般式(2)中の−Z−は、下記一般式(3)、(4)及び(5)の組み合わせが好ましく、式中、Aは4個以上の炭素を含む4価の有機基、Rは反応性を有する基であり、(a)が10〜90mol%、(b)が0〜90mol%及び(c)が0〜90mol%であり、好ましくは(a)が20〜80mol%、(b)が0〜80mol%及び(c)が0〜80mol%である。
Figure 2008255312
Figure 2008255312
Figure 2008255312
上記一般式(3)、(4)及び(5)中のAで表される4個以上の炭素を含む4価の有機基はテトラカルボン酸無水物残基であり、例えば、下記に示す構造式(8)
Figure 2008255312
等が挙げられ、これらは1種類又は2種類以上の組み合わせで用いることができる。
上記一般式(4)及び(5)中のRで表される基は反応性を有する基であり、一つ以上の(メタ)アクリレート基を含むものが好ましく、下記一般式(9)で表されるものが挙げられる。
Figure 2008255312
(一般式(9)中、Rで表される基は、炭素数1〜50の2価の有機基である。)
本発明に用いられるポリウレタン樹脂は、溶液重合法等の通常の方法で合成することができる。例えば、溶液重合法の場合、生成するポリウレタン樹脂が溶解する溶媒、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)などにジイソシネート及びジオールを溶解し70℃〜180℃で1時間〜5時間反応させ、ウレタンオリゴマを合成する。
その後、テトラカルボン酸二無水物を添加し70℃〜180℃で1時間〜10時間反応させてポリウレタン樹脂のNMP溶液が得られるが、場合により、さらに1価のアルコール、オキシム、アミン、イソシアネート、酸無水物等を添加し反応を続け、ポリウレタン樹脂の末端を修飾することもできる。
また、合成の際には、水、アルコール、第3級アミンなどを触媒として用いることもできる。
ポリウレタン樹脂の合成は、(I)一般式(10)、(11)及び(12)で表される混合物及び(II)イソシアネート末端ウレタンオリゴマとの重縮合により得られる。
(一般式(10)、(11)及び(12)中の、A及びRは、一般式(3)、(4)及び(5)と同じ。)
Figure 2008255312
Figure 2008255312
Figure 2008255312
(I)一般式(10)、(11)及び(12)で表される混合物は、テトラカルボン酸二無水物と所定量のヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートを溶媒中70℃〜100℃で1時間から10時間反応させることにより得られ、場合により、触媒として3級アミン類等、また、(メタ)アクリレートの重合を抑制する目的で、フェノール類等の重合禁止剤を用いることができる。
(II)のイソシアネート末端ウレタンオリゴマは、溶媒中、過剰のジイソシアネート及びジオールを70℃〜160℃で1時間から10時間反応させることにより得られ、場合により一般的なウレタン合成に使用される触媒を用いることもできる。
次いで、(I)及び(II)を混合し、70℃〜100℃で1時間〜10時間、場合により触媒を用いて反応させることにより、ポリウレタン樹脂溶液を得ることができる。また、場合により、さらに1価のアルコール、オキシム、アミン、イソシアネート、酸無水物等をさらに添加し反応を続け、ポリウレタン樹脂の末端を修飾することもできる。
合成に用いる溶媒は(I)合成時及び(II)合成時同じでも異なっていてもよいが、ポリウレタン樹脂が溶解する溶媒を用いることが、高分子量化するためには好ましい。
得られたポリウレタン樹脂溶液は、目的に応じ、水による再沈殿法等によりポリウレタン樹脂を分離することもできる。ウレタンオリゴマを構成するジイソシアネートとジオールの組成比は、ジイソシネート1.0に対して、ジオール成分0.1〜1.0mol%が好ましい。ポリウレタン樹脂を構成するポリウレタンオリゴマと上記一般式(2)中で−Z−で表される構造物の組成比は、ポリウレタンオリゴマ1.0に対して、0.1〜2.0mol%が好ましい。
以上、本発明で用いるポリウレタン樹脂は、例えば、半導体又は液晶ディスプレイ等の表示システム等において、半導体素子の実装あるいは回路接続用等の接着剤として使用することができる。
ポリウレタン樹脂は、それ単独での接着性に優れるが、さらに接続信頼性を向上させる目的で、三次元架橋性樹脂と硬化剤を組み合わせて用いることができる。
本発明に用いられる三次元架橋性樹脂は、エポキシ樹脂、シアネートエステル樹脂、イミド系樹脂、ラジカル重合物質であるアクリレート・メタクリレート・マレイミド化合物等が挙げられ、硬化剤と共に用いられる。
エポキシ樹脂の場合、硬化剤としては、公知のイミダゾール系、ヒドラジド系、三フッ化ホウ素−アミン錯体、スルホニウム塩、アミンイミド、ポリアミンの塩、ジシアンジアミド等の硬化剤又はその混合物が用いられる。
エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA・F・S・AD等から誘導されるビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック、クレゾールノボラックから誘導されるエポキシノボラック型樹脂、ナフタレン骨格を有するナフタレン系エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビフェニル・脂環式等の1分子内に2個以上のグリシジル基を有する各種のエポキシ化合物、その他公知のエポキシ樹脂が単独又は混合して用いられる。
これらのエポキシ樹脂には不純物イオンである、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、ハロゲンイオン、特に塩素イオンや加水分解性塩素等を300ppm以下に低減した高純度品を用いることがエレクトロマイグレーション防止や回路金属導体の腐食防止のために好ましい。
シアネートエステル樹脂としては、ビス−(4−シアナトフェニル)エタン、2,2−ビス−(4−シアナトフェニル)プロパン、2,2−ビス−(3,5−ジメチル−4−シアナトフェニル)メタン、2,2−ビス−(4−シアナトフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、α,α’−ビス−(4−シアナトフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン、フェノール付加ジシクロペンタジエン重合体のシアネートエステル化物等が挙げられ、そのプレポリマーなどが単独又は混合して用いられる。その中でも、2,2−ビス−(4−シアナトフェニル)プロパン、2,2−ビス−(3,5−ジメチル−4−シアナトフェニル)等が硬化物の誘電特性が特に良好であるため好ましい。
シアネートエステル樹脂の硬化剤として金属系反応触媒類が用いられ、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛等の金属触媒類が用いられ、具体的には、2−エチルヘキサン酸塩やナフテン酸塩等の有機金属塩化合物及びアセチルアセトン錯体などの有機金属錯体として用いられる。
金属系反応触媒の配合量は、シアネートエステル類化合物に対して1〜3000ppmとすることが好ましく、1〜1000ppmとすることがより好ましく、2〜300ppmとすることがさらに好ましい。金属系反応触媒の配合量が1ppm未満では反応性及び硬化性が不十分となる傾向があり、3000ppmを超えると反応の制御が難しくなったり、硬化が速くなりすぎたりする傾向があるが、特に制限するものではない。
本発明に用いられるラジカル重合性化合物(ラジカル重合性物質)は、ラジカルにより重合する官能基を有する化合物で、(メタ)アクリレート樹脂、マレイミド樹脂、シトラコンイミド樹脂、ナジイミド樹脂などがあり、2種類以上を混合して使用してもよい。
また、ラジカル重合性化合物は、モノマー、オリゴマーいずれの状態でも使用することができ、モノマーとオリゴマーを混合して用いてもよい。
(メタ)アクリレート樹脂としては、(メタ)アクリレートをラジカル重合させることで得られるもので、(メタ)アクリレートとしてはメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、エテレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールテトラ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジアクリロキシプロパン、2,2−ビス−[4−(アクリロキシメトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス−[4−(アクリロキシエトキシ)フェニル]プロパン、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ウレタン(メタ)アクリテート、イソシアヌル酸エチレンオキシド変性ジアクリレートなどが有り、単独又は2種類以上を混合して用いても良い。また必要によっては、ハイドロキノン、メチルエーテルハイドロキノン等のラジカル重合禁止剤を硬化性が損なわれない範囲で使用しても良い。(ここで、(メタ)アクリレートは、メタアクリレート、アクリレート及びそれらの混合物を意味する。)
マレイミド樹脂としては、分子中にマレイミド基を少なくとも1個有しているもので、例えば、フェニルマレイミド、1−メチル−2,4−ビスマレイミドベンゼン、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、N,N’−p−フェニレンビスマレイミド、N,N’−4,4−ビフェニレンビスマレイミド、N,N’−4,4−(3,3−ジメチルビフェニレン)ビスマレイミド、N,N’−4,4−(3,3−ジメチルジフェニルメタン)ビスマレイミド、N,N’−4,4−(3,3−ジエチルジフェニルメタン)ビスマレイミド、N,N’−4,4−ジフェニルメタンビスマレイミド、N,N’−4,4−ジフェニルプロパンビスマレイミド、N,N’−4,4−ジフェニルエーテルビスマレイミド、N,N’−4,4−ジフェニルスルホンビスマレイミド、2,2−ビス−(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス−(3−s−ブチル−3,4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、1,1−ビス−(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)デカン、4,4−シクロヘキシリデン−ビス−(1−(4−マレイミドフェノキシ)フェノキシ)−2−シクロヘキシルベンゼン、2,2−ビス−(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン等が挙げられ、単独でも2種類以上を混合して使用しても良い。
シトラコンイミド樹脂としては、分子中にシトラコンイミド基を少なくとも1個有しているシトラコンイミド化合物を重合させたもので、シトラコンイミド化合物としては、例えば、フェニルシトラコンイミド、1−メチル−2,4−ビスシトラコンイミドベンゼン、N,N’−m−フェニレンビスシトラコンイミド、N,N’−p−フェニレンビスシトラコンイミド、N,N’−4,4−ビフェニレンビスシトラコンイミド、N,N’−4,4−(3,3−ジメチルビフェニレン)ビスシトラコンイミド、N,N’−4,4−(3,3−ジメチルジフェニルメタン)ビスシトラコンイミド、N,N’−4,4−(3,3−ジエチルジフェニルメタン)ビスシトラコンイミド、N,N’−4,4−ジフェニルメタンビスシトラコンイミド、N,N’−4,4−ジフェニルプロパンビスシトラコンイミド、N,N’−4,4−ジフェニルエーテルビスシトラコンイミド、N,N’−4,4−ジフェニルスルホンビスシトラコンイミド、2,2−ビス−(4−(4−シトラコンイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス−(3−s−ブチル−3,4−(4−シトラコンイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、1,1−ビス−(4−(4−シトラコンイミドフェノキシ)フェニル)デカン、4,4−シクロヘキシリデン−ビス−(1−(4−シトラコンイミドフェノキシ)フェノキシ)−2−シクロヘキシルベンゼン、2,2−ビス−(4−(4−シトラコンイミドフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン等が挙げられ、単独でも2種類以上を混合して使用しても良い。
ナジイミド樹脂としては、分子中にナジイミド基を少なくとも1個有しているナジイミド化合物を重合したもので、ナジイミド化合物としては、例えば、フェニルナジイミド、1−メチル−2,4−ビスナジイミドベンゼン、N,N’−m−フェニレンビスナジイミド、N,N’−p−フェニレンビスナジイミド、N,N’−4,4−ビフェニレンビスナジイミド、N,N’−4,4−(3,3−ジメチルビフェニレン)ビスナジイミド、N,N’−4,4−(3,3−ジメチルジフェニルメタン)ビスナジイミド、N,N’−4,4−(3,3−ジエチルジフェニルメタン)ビスナジイミド、N,N’−4,4−ジフェニルメタンビスナジイミド、N,N’−4,4−ジフェニルプロパンビスナジイミド、N,N’−4,4−ジフェニルエーテルビスナジイミド、N,N’−4,4−ジフェニルスルホンビスナジイミド、2,2−ビス−(4−(4−ナジイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス−(3−s−ブチル−3,4−(4−ナジイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、1,1−ビス−(4−(4−ナジイミドフェノキシ)フェニル)デカン、4,4,−シクロヘキシリデン−ビス−(1−(4−ナジイミドフェノキシ)フェノキシ)−2−シクロヘキシルベンゼン、2,2−ビス−(4−(4−ナジイミドフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン等が挙げられ、単独でも2種類以上を混合して使用しても良い。
上記ラジカル重合性化合物を使用した場合には、硬化剤として重合開始剤を使用する。重合開始剤としては、熱又は光によってラジカルを発生する化合物であれば特に制限はなく、過酸化物、アゾ化合物等があり、目的とする接続温度、接続時間、保存安定性等を考慮し適宜選択されるが、高反応性と保存安定性の点から、半減期10時間の温度が、40℃以上かつ、半減期1分の温度が180℃以下の有機過酸化物が好ましく、半減期10時間の温度が、50℃以上かつ、半減期1分の温度が170℃以下の有機過酸化物が特に好ましい。接続時間を10秒とした場合、十分な反応率を得るための硬化剤の配合量は、1〜20重量%が好ましく、2〜15重量%が特に好ましい。
有機過酸化物の具体的な化合物としては、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、パーオキシエステル、パーオキシケタール、ジアルキルパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、シリルパーオキサイド等から選定できるが、パーオキシエステル、ジアルキルパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、シリルパーオキサイドは、開始剤中の塩素イオンや有機酸が5000ppm以下であり、加熱分解後に発生する有機酸が少なく、電子回路の腐食を抑えることができるため特に好ましい。
ジアシルパーオキサイド類としては、イソブチルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、スクシニックパーオキサイド、ベンゾイルパーオキシトルエン、ベンゾイルパーオキサイド等が挙げられる。
パーオキシジカーボネート類としては、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス−(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシメトキシパーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシルパーオキシ)ジカーボネート、ジメトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチルパーオキシ)ジカーボネート等が挙げられる。
パーオキシエステル類としては、クミルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシノエデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、1,1−ビス−(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノネート、t−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(m−トルオイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシアセテート等が挙げられ。
パーオキシケタール類では、1,1−ビス−(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス−(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス−(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、2,2−ビス−(t−ブチルパーオキシ)デカン等が挙げられる。
ジアルキルパーオキサイド類では、α,α’−ビス−(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド等が挙げられる。
ハイドロパーオキサイド類では、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等が挙げられる。
シリルパーオキサイド類としては、t−ブチルトリメチルシリルパーオキサイド、ビス−(t−ブチル)ジメチルシリルパーオキサイド、t−ブチルトリビニルシリルパーオキサイド、ビス−(t−ブチル)ジビニルシリルパーオキサイド、トリス(t−ブチル)ビニルシリルパーオキサイド、t−ブチルトリアリルシリルパーオキサイド、ビス−(t−ブチル)ジアリルシリルパーオキサイド、トリス(t−ブチル)アリルシリルパーオキサイド等が挙げられる。
また、電子回路の腐食を抑えるために、硬化剤中に含有される塩素イオンや有機酸は5000ppm以下であることが好ましく、さらに、加熱分解後に発生する有機酸が少ないものがより好ましい。
また、接着剤組成物の安定性が向上することから室温(25℃)、常圧下で24時間の開放放置後に20重量%以上の重量保持率を有することが好ましい。これらは適宜混合して用いることができる。
これらの遊離ラジカル発生剤は単独又は混合して使用することができ、分解促進剤、抑制剤等を混合して用いても良い。
また、これらの硬化剤をポリウレタン系、ポリエステル系の高分子物質等で被覆してマイクロカプセル化したものは、可使時間が延長されるために好ましい。
本発明になる接着剤組成物は、上記一般式(2)で示される構造からなるポリウレタン樹脂(A)と三次元架橋性樹脂(B)の配合比が重量部で(A):(B)=1:99〜99:1で使用することができ、好ましくは10:90〜90:10である。
本発明になる接着剤組成物には、流動性、物性の向上又は導電性、異方導電性、熱伝導性の機能の付加を目的に、発明の効果を損なわない範囲で、フィラーや粒子を添加して用いることができる。
このようなフィラーや粒子としては、シリカ、三酸化二アンチモン、金、銀、銅、ニッケル、アルミニウム、ステンレス、カーボン、セラミック、又は上記金属、非導電性のガラス、セラッミク、プラスチック等を核としこの核に前記金属やカーボンを被覆したものでもよい。フィラーや粒子の使用量は特に制限は受けないが、ポリウレタン樹脂を含む接着剤組成物のトータル100体積に対して0.1〜50体積%とすることが好ましく、0.1〜30体積%がさらに好ましく、1〜15体積%が特に好ましい。
本発明になる接着剤組成物は、接着力及び接着剤の物性の向上を目的として、発明の効果を損なわない範囲で、種々のポリマを適宜添加してもよい。使用するポリマは特に制限を受けない。
このようなポリマとしては、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂やビスフェノールF型フェノキシ樹脂、ビスフェノールA・ビスフェノールF共重合型フェノキシ樹脂等の汎用フェノキシ樹脂類、ポリメタクリレート類、ポリアクリレート類、ポリイミド類、ポリウレタン類、ポリエステル類、ポリビニルブチラール、SBS及びそのエポキシ変性体、SEBS及びその変性体などを用いることができる。これらは単独又は2種類以上を混合して用いることができる。
さらに、これらポリマ中にはシロキサン結合やフッ素置換基が含まれていても良い。これらは、混合する樹脂同士が完全に相溶するか又はミクロ相分離が生じて白濁する状態であれば接着剤組成物としては好適に用いることができる。
上記ポリマの分子量は特に制限はないが、一般的な平均分子量としては5,000〜150,000が好ましく、10,000〜80,000が特に好ましい。この値が、5,000未満では接着剤の物性が低下する傾向があり、また150,000を超えると他の成分との相溶性が悪くなる傾向がある。
使用量としては接着剤組成物100重量部に対して20〜320重量部とすることが好ましい。この使用量が、20重量部未満又は320重量部を超える場合は、流動性や接着性が低下する傾向がある。
本発明になる接着剤組成物には、適宜、軟化剤、促進剤、老化防止剤、着色剤、難燃剤、カップリング剤を添加しても良い。
また、本発明になる接着剤組成物は、常温で液状である場合にはペースト状で使用することができる。室温で固体の場合には、加熱して使用する他、溶剤を使用してペースト化してもよい。
使用できる溶剤としては、接着剤組成物及び添加剤と反応性がなく、かつ十分な溶解性を示すものであれば、特に制限はないが、常圧での沸点が50〜150℃であるものが好ましい。沸点が50℃未満の場合、室温で放置すると揮発する恐れがあり、開放系での使用が制限され、沸点が150℃を超えると、溶剤を揮発させることが難しく、接着後の信頼性に悪影響を及ぼす恐れがある。
本発明になる接着剤組成物は、フィルム状にして用いることもできる。接着剤組成物に必要により溶剤などを加えた溶液を、フッ素樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、離形紙等の剥離性基材上に塗布し又は不織布などの基材に前記溶液を含浸させて剥離性基材上に載置して、溶剤などを除去してフィルムとして使用することができる。フィルムの形状で使用すると取扱性等の点から一層便利である。
本発明になる接着剤組成物は、熱膨張係数の異なる異種の被着体の接着剤として使用することができる。具体的には銀ペースト、銀フィルム、異方導電接着剤等に代表される回路接続材料、CSP用エラストマー、CSP用アンダーフィル材、LOCテープ、ダイボンド接着材等に代表される半導体素子接着剤として使用することができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれに制限するものではない。
(ポリウレタン樹脂の合成:PU)
ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(1.0mol)、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート(1.0mol)及び平均分子量1,000のポリテトラメチレングリコール(0.8mol)を1−メチル−2−ピロリドン中で窒素雰囲気下、100℃で1時間反応させ、そこに、4,4’−オキシジフタル酸無水物(1.0mol)、トリエチルアミン及び1−メチル−2−ピロリドンを添加し、100℃で3時間撹拌した。
さらに、ベンジルアルコールを添加し100℃で1時間撹拌し、反応を終了した。得られた溶液を激しく撹拌させた水に入れ沈殿物を濾別し、真空中80℃で8時間乾燥させポリウレタン樹脂PUを得た。得られたポリウレタン樹脂の分子量を、GPCを用いて測定した結果、ポリスチレン換算で、Mw=51,000、Mn=22,000であった。
(変性ポリウレタン樹脂の合成:PU−M)
オキシジフタル酸二無水物(1.0mol)及び2−ヒドロキシエチルメタクリレート(0.2mol)、トリエチルアミン(0.01mol)、ヒドロキノン(0.01mol)をγ−ブチロラクトン中で窒素雰囲気下、80℃で5時間撹拌し、一部、エチルメタクリレートが付加したオキシジフタル酸二無水物混合液を得た。
ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(1.0mol)、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート(1.0mol)及び平均分子量2,000のポリテトラメチレングリコール(0.8mol)を1−メチル−2−ピロリドン中で窒素雰囲気下、100℃で2時間反応させ、そこに、前記一部、エチルメタクリレートが付加したオキシジフタル酸二無水物混合液を加え、80℃で5時間反応させた。
さらに、ベンジルアルコールを添加し80℃で2時間撹拌し、反応を終了した。得られた溶液を激しく撹拌させた水に入れ沈殿物を濾別し、さらにメタノールで洗浄後、真空中60℃で8時間乾燥させ変性ポリウレタン樹脂PU−Mを得た。得られた変性ポリウレタン樹脂の分子量を、GPCにより測定した結果、ポリスチレン換算で、Mw=27000、Mn=12500であった。
(実施例1)
固形分重量比でPUを70重量部、PU−Mを30重量部、ラジカル重合性のリン酸エステル化合物としてジ(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート(共栄社化学製ライトエステルP−2M)を1.5重量部及び硬化剤として2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン(日本油脂株式会社製、商品名パーヘキサ25O)を4重量部配合し、メチルエチルケトンにそれぞれを溶解させた後に、厚み50μmのPETセパレータ(帝人製)に塗工装置を用いて塗布し、70℃で10分の熱風乾燥によって接着剤層の厚みが16μmの接着フィルムを得た。
得られた接着フィルムの表面を、走査型プローブ顕微鏡(SPM、型式SPM4000+SPA300HV)を用いて測定した。測定方法はダイナミックフォースモード、探針はシリコン結晶製のばね定数20N/m、振動周波数120kHz及び走査速度0.5Hz、以上の条件により表面形状を取得し、装置付属のソフトウェアにより、接着フィルム表面形状を解析した。図1に接着フィルムのSPM表面形状像を示した。図1からP−2Mに起因する突起形状物が観察されていることがわかる。
上記製法によって得た接着フィルムを用いて、厚さ40μmのポリイミドフィルム上にライン幅50μm、ピッチ100μm及び厚み10μmの銅回路500本を蒸着により形成した2層フレキシブル回路板(FPC)と、0.2μmの酸化インジウム(ITO)の薄層を形成したガラス(厚み1.1mm、表面抵抗20Ω/□)を、熱圧着装置(加熱方式:コンスタントヒート型、東レエンジニアリング株式会社製)を用いて160℃、3MPaで10秒間の加熱加圧を行って幅2mmにわたり接続し、接続体を作製した。さらに得られた接続体を80℃、95%RHで15時間、恒温恒湿装置に入れ、耐湿試験を実施した。
得られた接続体の接着強度を、JIS−Z0237に準じて90度剥離法で測定し、評価した。ここで、接着強度の測定装置は東洋ボールドウィン株式会社製、商品名テンシロンUTM−4(剥離速度50mm/min、25℃)を使用した。接着力測定の結果を表1に示した。
(実施例2)
固形分重量比でPUを70重量部、イソシアヌル酸EO変性ジアクリレート(東亞合成製、商品名アロニックスM215)を30重量部、ラジカル重合性のリン酸エステル化合物としてジ(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート(共栄社化学製ライトエステルP−2M)を1.5重量部及び硬化剤として2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン(日本油脂株式会社製、商品名パーヘキサ25O)を4重量部配合し、実施例1と同様に接着フィルムを作製し、表面構造解析と接着力測定を実施した。図2に接着フィルムのSPM表面形状像を示した。図2からP−2Mに起因する突起形状物が観察されていることがわかる。また接着力測定の結果を表1に示した。
(比較例1)
実施例1の組成でP−2Mを配合しない接着フィルムを作製し、同様に表面構造解析と接着力測定を実施した。図3に接着フィルムのSPM表面形状像を示した。このものはP−2Mを配合していないので、図3にはP−2Mに起因する突起形状物は存在しない。また、接着力測定の結果を表1に示した。
(比較例2)
実施例1のPU、PU−Mの代わりに、ウレタンアクリレート(NKオリゴ、新中村化学工業株式会社製、商品名UA−511)を100重量部配合した接着フィルムを作製し、同様に表面構造解析と接着力測定を実施した。図4に接着フィルムのSPM表面形状像を示した。このものはP−2Mを配合しているが、図4にはP−2Mに起因する突起形状物は存在しない。また接着力測定の結果を表1に示した。
Figure 2008255312
表1に示されるように、本発明になる接着剤組成物を用いた実施例1及び2は、1000N/m以上の高い接着力であることが明らかである。これに対し、比較例1及び2は、それぞれ740N/m及び830N/mと低い接着力であった。
実施例1の接着フィルムのSPM表面形状像を示す顕微鏡写真である。 実施例2の接着フィルムのSPM表面形状像を示す顕微鏡写真である。 比較例1の接着フィルムのSPM表面形状像を示す顕微鏡写真である。 比較例2の接着フィルムのSPM表面形状像を示す顕微鏡写真である。

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)のラジカル重合性のリン酸エステル化合物と、下記一般式(2)のポリウレタン樹脂を含む、接着剤組成物。
    Figure 2008255312
    (一般式(1)中、Rは炭素数1〜50の2価の有機基、Rは水素、または炭素数1〜50の1価の有機基、aは1〜3の整数である。)
    Figure 2008255312
    (一般式(2)中、Xは芳香族環又は脂肪族環を含む2価の有機基、Yは分子量100〜10,000の2価の有機基、Zは4個以上の炭素を含む2価の有機基、n及びmは1〜100の整数である。)
  2. 接着剤組成物表面において、上記一般式(1)のラジカル重合性のリン酸エステル化合物に起因した突起物が存在する、請求項1に記載の接着剤組成物。
  3. 上記一般式(2)の−Z−が、下記一般式(3)、(4)及び(5)の組み合わせからなり、(a)が10〜90mol%、(b)が0〜90mol%及び(c)が0〜90mol%であるポリウレタン樹脂を含む、請求項1又は請求項2に記載の接着剤組成物。
    Figure 2008255312
    Figure 2008255312
    Figure 2008255312
    (一般式(3)、(4)、(5)中、Aは4個以上の炭素を含む4価の有機基、Rは反応性を有する基である。)
  4. 上記一般式(4)、(5)中の反応性を有する基が、1つ以上の(メタ)アクリレート基を有する基であるポリウレタン樹脂を含む、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の接着剤組成物。
  5. さらに、三次元架橋性樹脂を含む、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の接着剤組成物。
  6. 上記三次元架橋性樹脂が、ラジカル重合性物質であり、光照射又は加熱により遊離ラジカルを発生する硬化剤を含む、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の接着剤組成物。
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