JP2008255277A - 樹脂ペレット - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、樹脂としてポリエステル樹脂を用いた場合であっても従来のような問題を伴うことなく添加剤として滑剤を含有することが可能な樹脂ペレットを提供することにある。
【解決手段】本発明の樹脂ペレットは、芯層部と、該芯層部の側面を覆う鞘層部とからなるものであって、該芯層部は、少なくとも1種のポリエステル樹脂と添加剤とを含み、該鞘層部は、少なくとも1種のポリエステル樹脂を含み、該添加剤は、炭素数18以上の脂肪酸、炭素数18以上の脂肪酸エステル、炭素数18以上の脂肪酸アミド、炭素数18以上のエチレンビス脂肪酸アミド、および該脂肪酸の金属塩からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、該芯層部または該鞘層部の少なくとも一方は、上記ポリエステル樹脂として10000以上20000以下の数平均分子量を有する低分子量ポリエステル樹脂を含むことを特徴としている。
【選択図】図1

Description

本発明は、特定の樹脂と添加剤とを含有する特定構造の樹脂ペレットに関する。
従来より、樹脂成形品を製造する原材料として樹脂ペレットが用いられてきた。このような樹脂ペレットには、樹脂とともに各種の添加剤が含まれることが多く、このような添加剤としては樹脂成形品を着色するための顔料等の着色剤が一般的に知られている(特許文献1〜3)。そして、このような添加剤を高濃度に含む樹脂ペレットは、一般にマスターバッチと呼ばれることが多い。
一方、各種の樹脂成形品を製造するに際しその製造工程中の作業性を改善することを目的として、あるいはその樹脂成形品自体に機能として滑性を付与することを目的として、滑剤を添加剤として含有した樹脂ペレットの提供が所望されている。
しかしながら、このような滑剤と樹脂とを単純にブレンドしただけの樹脂ペレットを用いて樹脂成形品を製造する場合、製造工程の初期において滑剤が樹脂ペレットの表面部に選択的に分離析出する傾向を示し、成形機に対して過度に滑性を示すこととなるため樹脂成形品を製造することが困難であるという問題があった。
このような問題を解決するために、上記滑剤を芯部に含有し、その表面を樹脂からなる鞘部で覆った構造の樹脂ペレットの採用が試みられている。しかし、このような構造の樹脂ペレットは、それ自体の製造時またはそのような樹脂ペレットを用いて樹脂成形品を製造する工程の初期においてこの芯部のみが容易に鞘部から抜け落ち、その結果このような樹脂ペレットは成形機に対して過度に滑性を示すため樹脂成形品の製造が困難になるという上記と同様の問題を有していた。
このような問題を解決するべく、樹脂を選択したり滑剤を選択したりすることにより改善が図られているが、樹脂としてポリエステル樹脂を用いた場合において有効な解決策は未だ提供されていない状況にある。
特開2000−080172号公報 特開2001−198918号公報 特開2001−064491号公報
本発明は、上記のような現状に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、樹脂としてポリエステル樹脂を用いた場合であっても上記のような問題を伴うことなく添加剤として滑剤を含有することが可能な樹脂ペレットを提供することにある。
本発明の樹脂ペレットは、芯層部と、該芯層部の側面を覆う鞘層部とからなるものであって、該芯層部は、少なくとも1種のポリエステル樹脂と添加剤とを含み、該鞘層部は、少なくとも1種のポリエステル樹脂を含み、該添加剤は、炭素数18以上の脂肪酸、炭素数18以上の脂肪酸エステル、炭素数18以上の脂肪酸アミド、炭素数18以上のエチレンビス脂肪酸アミド、および該脂肪酸の金属塩からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、該芯層部または該鞘層部の少なくとも一方は、上記ポリエステル樹脂として10000以上20000以下の数平均分子量を有する低分子量ポリエステル樹脂を含むことを特徴としている。
ここで、上記芯層部または上記鞘層部の少なくとも一方は、互いに異なった数平均分子量を有する2種以上のポリエステル樹脂を含むことが好ましく、上記ポリエステル樹脂のうち、最も小さい数平均分子量を有するポリエステル樹脂は、上記低分子量ポリエステル樹脂であることが好ましい。
また、上記芯層部は、第1ポリエステル樹脂と第2ポリエステル樹脂と添加剤とを含み、上記鞘層部は、ポリエステル樹脂として該第1ポリエステル樹脂のみを含み、上記第1ポリエステル樹脂は、上記第2ポリエステル樹脂の数平均分子量より小さい数平均分子量を有する上記低分子量ポリエステル樹脂であることが好ましい。また、上記芯層部と上記鞘層部との質量比は、上記鞘層部を1とする場合、上記芯層部は1以上100以下の範囲となることが好ましい。
本発明の樹脂ペレットは、上記のような構成を有することにより、樹脂成形品の製造工程において成形機に対して過度に滑性を示すという現象を防止し、以って樹脂成形品の製造が困難になるという問題を解決することに成功したものである。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
<樹脂ペレット>
本発明の樹脂ペレットは、芯層部と、該芯層部の側面を覆う鞘層部とからなる樹脂ペレットであって、該芯層部は、少なくとも1種のポリエステル樹脂と添加剤とを含み、該鞘層部は、少なくとも1種のポリエステル樹脂を含み、また該添加剤は、炭素数18以上の脂肪酸、炭素数18以上の脂肪酸エステル、炭素数18以上の脂肪酸アミド、炭素数18以上のエチレンビス脂肪酸アミド、および該脂肪酸の金属塩からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、かつ該芯層部または該鞘層部の少なくとも一方は、上記ポリエステル樹脂として10000以上20000以下の数平均分子量を有する低分子量ポリエステル樹脂を含むことを特徴としている。
このように本発明の樹脂ペレットは、樹脂成分としてポリエステル樹脂を用いた場合において芯層部の側面を鞘層部で覆う構造とし、その芯層部に滑剤となる添加剤を含有し、かつその芯層部または鞘層部の少なくとも一方に、ポリエステル樹脂として10000以上20000以下の数平均分子量を有する低分子量ポリエステル樹脂を含むことにより、樹脂ペレット自体の製造時または樹脂成形品の製造工程において芯層部が鞘層部から抜け落ちることを防止し、以って成形機に対して過度に滑性を示すという現象を防止することにより樹脂成形品の製造が困難になるという従来の問題を一掃することに成功したものである。
また、このような構造の樹脂ペレットは、芯層部の全表面を鞘層部で覆うことなく上記のような優れた効果が得られるため、樹脂ペレットの製造工程を簡略化することができ、製造コストを大幅に低減できるという効果をも有している。
ここで、本発明の樹脂ペレット1の形状は、たとえば図1(説明のためAで示した領域において鞘層部3の一部を取り除いている)に示すように、芯層部2と鞘層部3という複層構造となっていることを除き、その外郭形状は従来公知の樹脂ペレットの外郭形状をいずれも採用することができ、その外郭形状が特に限定されるものではない。通常、外径が0.5〜5mmであり、長さ(高さ)が1〜5mmの略円柱状の形状を有することが一般的であるがこれのみに限られるものではない。
また、芯層部2の側面20を覆う鞘層部3とは、該鞘層部3が芯層部2の側面20の全面を覆っていても良いし、あるいはその側面20の一部分を覆うことにより芯層部2がその側面20において一部表面に露出していても良いことを意味する。ただし、この芯層部2が滑剤となる添加剤を含有することを考慮すると、該鞘層部3は芯層部2の側面20の全面(あるいは一部分を覆う場合であってもある程度の大面積部)を覆うことが好ましい。
また、芯層部2の側面20とは、長さ(高さ)方向の外表面を意味し、よって端面21(あるいは上下面)は含まない(したがって、上記鞘層部3は、原則として芯層部2の端面21(あるいは上下面)を覆うものではない)。たとえば上記のように樹脂ペレット1が略円柱状の形状を有する場合、同じく略円柱状の形状を有することになる芯層部2の周面がこの側面20に該当することになる。
一方、このような芯層部と鞘層部との質量比は、鞘層部を1とする場合、芯層部は1以上100以下の範囲とすることが好ましく、より好ましくは1以上9以下の範囲とすることができる。芯層部と鞘層部との質量比をこのような範囲に設定することにより、芯層部の側面を鞘層部により所望通りに被覆することができ、上記のような好適な効果を達成することが可能となる。
なお、本発明において芯層部と鞘層部との境界(界面)は、たとえば光学顕微鏡で観察することにより特定することができる。
<ポリエステル樹脂>
本発明で用いられるポリエステル樹脂は、従来公知のポリエステル樹脂をいずれも使用することができる。たとえば、このようなポリエステル樹脂としては、ジカルボン酸成分とグリコール成分とが縮合したエステル単位、あるいはジカルボン酸成分やグリコール成分とヒドロキシカルボン酸成分とが縮合したエステル単位等を、エステル単位として含むポリマー(すなわちエステル結合を有するポリマー)を挙げることができる。
上記ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、またはアジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸等を挙げることができる。上記グリコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等を挙げることができる。また、上記ヒドロキシカルボン酸の例としてp−ヒドロキシ安息香酸等を挙げることができる。
なお、上記のようなポリエステル樹脂は、結晶性であっても良いし非晶性であっても良い。また、このようなポリエステル樹脂は、熱可塑性のものが好ましい。
<添加剤>
本発明で用いられる添加剤は、炭素数18以上の脂肪酸、炭素数18以上の脂肪酸エステル、炭素数18以上の脂肪酸アミド、炭素数18以上のエチレンビス脂肪酸アミド、および該脂肪酸の金属塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である。これらの化合物は、上記ポリエステル樹脂に混合されることにより滑剤として作用するものである。ポリエステル樹脂に対して滑剤として作用する化合物は、上記のような化合物以外にも種々のものが知られているが、本発明においては上記の化合物を用いることを特徴とする。
上記炭素数18以上の脂肪酸としては、たとえばステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、エルカ酸、オレイン酸等を挙げることができる。また、この脂肪酸の金属塩を構成する金属としては、Na、K、Ca、Ba、Mg、Al、Li、Zn等を挙げることができる。
上記炭素数18以上の脂肪酸エステルとしては、たとえばステアリン酸ステアリル、ベヘニン酸ベヘニル、ペンタエリスリトールテトラステアレート(C(CH2OOCC17354)、ペンタエリスリトールジステアレート(C(CH2OH)2(CH2OOCC17352)、水酸化カルシウムにより部分鹸化されたモンタン酸ブチレングリコールエステル(Licowax OP;Clariant Corporation製)、モンタン酸グリセロールエステル(Licolub WE4;Clariant Corporation製)、アジピン酸を含むモンタン酸ペンタエリスリトールエステル(Licolub WE40;Clariant Corporation製)等を挙げることができる。
上記炭素数18以上の脂肪酸アミドとしては、たとえばステアリン酸アミド、アラキン酸アミド、ベヘン酸アミド、リグノセリン酸アミド、セロチン酸アミド、モンタン酸アミド、メリシン酸アミド、エルカ酸アミド、オレイン酸アミド等を挙げることができる。
上記炭素数18以上のエチレンビス脂肪酸アミドとしては、たとえばエチレンビスエルカ酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスアラキン酸アミド、エチレンビスベヘン酸アミド、エチレンビスリグノセリン酸アミド、エチレンビスセロチン酸アミド、エチレンビスモンタン酸アミド、エチレンビスメリシン酸アミド等を挙げることができる。
なお、本発明の添加剤は、上記のような化合物を1種単独で用いても良いし、複数のものを組み合わせて用いても良い。また、不可避不純物が含まれていても差し支えない。
このような上記添加剤は、本発明の樹脂ペレット中に0.05〜15質量%の範囲で含有されていることが好ましく、より好ましくは0.1〜12質量%の範囲で含有されていることが好適である。0.05質量%未満では、滑剤としての十分な作用を示すことができず、15質量%を超えると樹脂中に均一に練り込むことができず、樹脂ペレットを形成することができない場合があるからである。
<その他の成分>
本発明の樹脂ペレットは、上記のポリエステル樹脂と上記の添加剤以外に他の成分を含むこともできる。このような他の成分としては、この種の樹脂ペレットの構成成分として知られる従来公知の成分をいずれも使用することができ、たとえばポリエステル以外の樹脂、顔料や染料等の着色剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、難燃化剤、抗菌剤、帯電防止剤、銅害防止剤、金属不活性化剤、粘着付与剤、スリップ剤、内部離型剤、防曇剤、付香剤、界面活性剤、湿潤剤、防腐剤、防かび剤、充填剤、補強剤、安定剤、保温剤、発泡剤、防震剤、耐衝撃性向上剤、表面処理剤、分散剤、架橋剤等を挙げることができる。
なお、このような他の成分は、芯層部に含まれていても良いし、鞘層部に含まれていても良い。
<芯層部>
本発明の芯層部は、少なくとも1種の上記ポリエステル樹脂と上記添加剤とを含む。すなわち、本発明は、上記添加剤をこの芯層部に含むことを特徴としており、その側面を鞘層部で覆ったことにより上記のような好適な作用がもたらされるものである。
ここで、この芯層部に含まれるポリエステル樹脂としては、好ましくは2種以上のポリエステル樹脂を用いることが好ましい。特に、互いに異なった数平均分子量を有する2種以上のポリエステル樹脂を用いることが好適である。この場合、数平均分子量が異なる限り、ポリエステル樹脂の化学構造は、同じであっても良いし異なっていても良い。
より具体的には、数平均分子量が25000以上45000以下の範囲にあるポリエステル樹脂と、数平均分子量が10000以上20000以下の範囲にあるポリエステル樹脂とを併用することが特に好適である。このようなポリエステル樹脂の併用により、樹脂ペレット自体の製造時または樹脂成形品の製造時において芯層部が鞘層部から抜け落ちるという現象を有効に防止することができる。
なお、本発明においてポリエステル樹脂の数平均分子量は、GPC−IR(ゲル浸透クロマトグラフ−赤外)分析により測定することができる。
なお、本発明において、2種以上のポリエステル樹脂(あるいは異なるポリエステル樹脂)という場合は、化学構造が互いに異なるポリエステル樹脂を意味する場合、数平均分子量が互いに異なるポリエステル樹脂を意味する場合、および化学構造と数平均分子量の両者が異なるポリエステル樹脂を意味する場合、のいずれの場合をも含むものとする。
<鞘層部>
本発明の鞘層部は、少なくとも1種の上記ポリエステル樹脂を含むものである。換言すれば、本発明の鞘層部には上記添加剤は含まれない。すなわち、本発明においては、このような鞘層部により上記芯層部の側面を覆うことを特徴としている。
ここで、この鞘層部に含まれるポリエステル樹脂としては、1種のものを単独で使用しても良いし、2種以上のポリエステル樹脂を併用しても良い。2種以上のポリエステル樹脂を併用する場合は、互いに異なった数平均分子量を有する2種以上のポリエステル樹脂を用いることができる。
2種以上のポリエステル樹脂を用いる場合は、数平均分子量が25000以上45000以下の範囲にあるポリエステル樹脂と、数平均分子量が10000以上20000以下の範囲にあるポリエステル樹脂とを併用することが好ましい。
なお、このような鞘層部に含まれるポリエステル樹脂は、上記芯層部に含まれるポリエステル樹脂と同じであっても良いし異なっていても良い。
<低分子量ポリエステル樹脂>
本発明の上記芯層部または上記鞘層部の少なくとも一方は、上記ポリエステル樹脂として10000以上20000以下の数平均分子量を有する低分子量ポリエステル樹脂を含むことを特徴としている。この数平均分子量は、より好ましくはその上限が18000以下であり、下限が12000以上である。
この構成を採用したことにより、詳細なメカニズムは未だ不明ながら恐らくこのような特定範囲の数平均分子量を有する低分子量ポリエステル樹脂が芯層部と鞘層部とを接着させる作用を示すことにより樹脂ペレット自体の製造時または樹脂成形品の製造工程において芯層部が鞘層部から抜け落ちることを極めて有効に防止することができ、以って成形機に対して過度に滑性を示すという現象を防止することにより樹脂成形品の製造が困難になるという従来の問題を一掃することに成功したものである。
ここで、上記数平均分子量が10000未満となる場合、製造された樹脂ペレットが脆くなり好ましくなく、また、上記数平均分子量が20000を超えると、芯層部が鞘層部から抜け落ちることが防止できず好ましくない。
なお、このような低分子量ポリエステル樹脂は、上記のような数平均分子量を有する限り、化学構造が限定されるものではない。
<好適な態様>
本発明の上記芯層部および上記鞘層部において、上記芯層部または上記鞘層部の少なくとも一方は、互いに異なった数平均分子量を有する2種以上のポリエステル樹脂を含むことが好ましい。これにより、上記低分子量ポリエステル樹脂の使用と相俟って芯層部が鞘層部から抜け落ちることを特に有効に防止することができる。
そして、このように芯層部および鞘層部に含まれるポリエステル樹脂のうち、最も小さい数平均分子量を有するポリエステル樹脂は、上記低分子量ポリエステル樹脂であることが好ましい。これにより、芯層部と鞘層部間の接着性を特に有効に高めることができる。
さらに本発明の樹脂ペレットにおいては、上記芯層部は、第1ポリエステル樹脂と第2ポリエステル樹脂と上記添加剤とを含み、上記鞘層部は、ポリエステル樹脂として上記第1ポリエステル樹脂のみを含み、該第1ポリエステル樹脂は、上記第2ポリエステル樹脂の数平均分子量より小さい数平均分子量を有する上記低分子量ポリエステル樹脂であることが特に好ましい。このようにポリエステル樹脂として、芯層部に数平均分子量が互いに異なる2種のポリエステル樹脂を含み、かつその2種のポリエステル樹脂のうち数平均分子量の小さい方のポリエステル樹脂(すなわち低分子量ポリエステル樹脂)のみにより鞘層部を構成することにより、一層上記の効果が助長される。これは、恐らく芯層部および鞘層部の両者において低分子量ポリエステル樹脂が含まれることにより上記添加剤(滑剤)との相溶性が向上し、芯層部と鞘層部間の接着性が促進されるためではないかと考えられる。
ここで、上記第1ポリエステル樹脂と第2ポリエステル樹脂の化学構造は同じであっても良いし異なっていても良い。なお、上記第2ポリエステル樹脂の数平均分子量は、25000以上45000以下の範囲とすることが好ましい。
<製造方法>
本発明の樹脂ペレットは、芯鞘構造の樹脂ペレットの製造方法として知られる従来公知のいかなる方法によっても製造することができ、その製造方法が限定されるものではない。たとえば、上記特許文献2に記載されている芯鞘型のダイを用いる溶融押出法により製造することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1>
ペレット状の低分子量ポリエステル樹脂(テレフタル酸とイソフタル酸とをジカルボン酸成分とし、エチレングリコールとネオペンチルグリコールとをジグリコール成分とする飽和共重合ポリエステル樹脂:数平均分子量17000、ガラス転移温度67℃、以下第1ポリエステル樹脂という)35.6質量部、パウダー状のポリエステル樹脂(Eastar(商標)PETG コポリエステル6763(イーストマン ケミカル カンパニー製):数平均分子量26000、ガラス転移温度81℃、以下第2ポリエステル樹脂という)35.6質量部、および添加剤としてモンタン酸8.8質量部を、芯層部形成用配合物としてあらかじめ75Lミキサーで混合した後、2条二軸押出機(外径φ46mm、L/D(長さ/外径)=38)に供給した。
一方、鞘層部形成用配合物として20質量部の上記第1ポリエステル樹脂のみを単軸押出機(外径φ30mm、L/D(長さ/外径)=22)に供給した。
次いで、上記それぞれの押出機から温度200〜280℃で上記各配合物を芯鞘型ダイ(口金4個)に供給することにより、そのダイの口金から4本のストランドを押し出した。引き続き、その押し出された4本のストランドを水槽に通して冷却した後、ペレタイザーにてカッティングすることにより、芯層部(第1ポリエステル樹脂と第2ポリエステル樹脂とモンタン酸とを含む)と、該芯層部の側面を覆う鞘層部(第1ポリエステル樹脂を含む)とからなる本発明の樹脂ペレットを製造した。
この樹脂ペレットは、外径が3mm、長さが3.5mm、鞘層部の厚みが0.1mmである略円柱状の形状を有していた。また、この樹脂ペレットの上記芯層部と上記鞘層部との質量比は、上記鞘層部を1に対して、上記芯層部は4であった。
このようにして得られた樹脂ペレット100個を目視観察したところ、鞘層部から芯層部が抜け落ちているものは1個であった。この樹脂ペレット6質量部と第2ポリエステル樹脂94質量部とを用いて、押出成形機により樹脂成形品としてシートを成形したところ、問題なくシートを製造することができた。
<実施例2>
実施例1において、鞘層部形成用配合物として20質量部の第2ポリエステル樹脂のみを用いることを除き、他はすべて実施例1と同様にして本発明の樹脂ペレットを得た。
このようにして得られた樹脂ペレットは、実施例1の樹脂ペレットと同様の形状を有しており、芯層部と鞘層部の質量比も実施例1の樹脂ペレットと同様であった。
このようにして得られた樹脂ペレット100個を目視観察したところ、鞘層部から芯層部が抜け落ちているものは7個であった。この樹脂ペレットを用いて、実施例1と同様にしてシートを成形したところ、問題なくシートを製造することができた。
<実施例3>
実施例1において、鞘層部形成用配合物として10質量部の第1ポリエステル樹脂と10質量部の第2ポリエステル樹脂とを用いることを除き、他はすべて実施例1と同様にして本発明の樹脂ペレットを得た。
このようにして得られた樹脂ペレットは、実施例1の樹脂ペレットと同様の形状を有しており、芯層部と鞘層部の質量比も実施例1の樹脂ペレットと同様であった。
このようにして得られた樹脂ペレット100個を目視観察したところ、鞘層部から芯層部が抜け落ちているものは2個であった。この樹脂ペレットを用いて、実施例1と同様にしてシートを成形したところ、問題なくシートを製造することができた。
<実施例4>
実施例1において、芯層部形成用配合物として、第2ポリエステル樹脂71.2質量部およびモンタン酸(添加剤)8.8質量部を用いることを除き、他はすべて実施例1と同様にして本発明の樹脂ペレットを得た。
このようにして得られた樹脂ペレットは、実施例1の樹脂ペレットと同様の形状を有しており、芯層部と鞘層部の質量比も実施例1の樹脂ペレットと同様であった。
このようにして得られた樹脂ペレット100個を目視観察したところ、鞘層部から芯層部が抜け落ちているものは11個であった。この樹脂ペレットを用いて、実施例1と同様にしてシートを成形したところ、問題なくシートを製造することができた。
<実施例5>
実施例1において、添加剤としてステアリン酸アミド8.8質量部を用いることを除き、他はすべて実施例1と同様にして本発明の樹脂ペレットを得た。
このようにして得られた樹脂ペレットは、実施例1の樹脂ペレットと同様の形状を有しており、芯層部と鞘層部の質量比も実施例1の樹脂ペレットと同様であった。
このようにして得られた樹脂ペレット100個を目視観察したところ、鞘層部から芯層部が抜け落ちているものは2個であった。この樹脂ペレットを用いて、実施例1と同様にしてシートを成形したところ、問題なくシートを製造することができた。
<実施例6>
実施例1において、添加剤としてエチレンビスステアリン酸アミド8.8質量部を用いることを除き、他はすべて実施例1と同様にして本発明の樹脂ペレットを得た。
このようにして得られた樹脂ペレットは、実施例1の樹脂ペレットと同様の形状を有しており、芯層部と鞘層部の質量比も実施例1の樹脂ペレットと同様であった。
このようにして得られた樹脂ペレット100個を目視観察したところ、鞘層部から芯層部が抜け落ちているものは2個であった。この樹脂ペレットを用いて、実施例1と同様にしてシートを成形したところ、問題なくシートを製造することができた。
<比較例1>
実施例1において、芯層部形成用配合物として、第2ポリエステル樹脂71.2質量部およびモンタン酸(添加剤)8.8質量部を用いることおよび鞘層部形成用配合物として20質量部の第2ポリエステル樹脂のみを用いること(すなわち芯層部および鞘層部のいずれにおいても低分子量ポリエステル樹脂を含まないこと)を除き、他はすべて実施例1と同様にして比較用の樹脂ペレットを得た。
このようにして得られた樹脂ペレット100個を目視観察したところ、鞘層部から芯層部が抜け落ちているものは55個であった。この樹脂ペレット(抜け落ちた芯層部を含む)を用いて、実施例1と同様にしてシートを成形したところ、樹脂組成物が成形機の中で滑ってしまいシートを製造することができなかった。
すなわち、この比較例1の結果と対比することにより、本発明の構成を有する上記実施例1〜6のものが極めて優れた効果を有していることが確認できた。
以上のように本発明の実施の形態および実施例について説明を行なったが、上述の各実施の形態および実施例の構成を適宜組み合わせることも当初から予定している。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の樹脂ペレットを示す概念図である。
符号の説明
1 樹脂ペレット、2 芯層部、20 側面、21 端面、3 鞘層部。

Claims (5)

  1. 芯層部と、該芯層部の側面を覆う鞘層部とからなる樹脂ペレットであって、
    前記芯層部は、少なくとも1種のポリエステル樹脂と添加剤とを含み、
    前記鞘層部は、少なくとも1種のポリエステル樹脂を含み、
    前記添加剤は、炭素数18以上の脂肪酸、炭素数18以上の脂肪酸エステル、炭素数18以上の脂肪酸アミド、炭素数18以上のエチレンビス脂肪酸アミド、および前記脂肪酸の金属塩からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
    前記芯層部または前記鞘層部の少なくとも一方は、前記ポリエステル樹脂として10000以上20000以下の数平均分子量を有する低分子量ポリエステル樹脂を含むことを特徴とする樹脂ペレット。
  2. 前記芯層部または前記鞘層部の少なくとも一方は、互いに異なった数平均分子量を有する2種以上のポリエステル樹脂を含むことを特徴とする請求項1記載の樹脂ペレット。
  3. 前記ポリエステル樹脂のうち、最も小さい数平均分子量を有するポリエステル樹脂は、前記低分子量ポリエステル樹脂であることを特徴とする請求項1または2記載の樹脂ペレット。
  4. 前記芯層部は、第1ポリエステル樹脂と第2ポリエステル樹脂と添加剤とを含み、
    前記鞘層部は、ポリエステル樹脂として前記第1ポリエステル樹脂のみを含み、
    前記第1ポリエステル樹脂は、前記第2ポリエステル樹脂の数平均分子量より小さい数平均分子量を有する前記低分子量ポリエステル樹脂であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂ペレット。
  5. 前記芯層部と前記鞘層部との質量比は、前記鞘層部を1とする場合、前記芯層部は1以上100以下の範囲となることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂ペレット。
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