JP4205283B2 - コネクター用樹脂ペレット混合物およびその製造方法 - Google Patents

コネクター用樹脂ペレット混合物およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する利用分野】
本発明は、コネクター用ポリブチレンテレフタレート樹脂ペレット混合物及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、特定の酸化防止剤を含有するポリブチレンテレフタレートマスターバッチペレットを混合してなる耐熱安定性に優れ、色相の良好なコネクター用樹脂ペレット混合物及びその製造方法に関する。
【0002】
本発明は、耐熱安定性や良好な端子保持力が求められるハーネスコネクターのような自動車部品のごとき用途に有用なポリブチレンテレフタレート樹脂ペレット混合物及びその製造方法に関する。
【0003】
【従来の技術】
工程のフレキシビリティを確保しつつ、様々な機能性を付与した成形体を得る生産方法として、機能性付与剤を熱可塑性樹脂中に所定配合比の数倍〜数十倍の高濃度に分散させたマスターバッチが知られている。しかしながら、マスターバッチ中の含有成分によっては高濃度に配合するとマスターペレットの製造時に系外に昇華して失われたり、樹脂ペレット混合物を成形する際に金型汚れが生じる問題があり、また得られる成形品の耐熱性の向上は必ずしも満足できるものとはいえなかった。
【0004】
特許2503534号公報には、ポリブチレンテレフタレートに特定の離型剤及び酸化防止剤としてヒンダードフェノール系酸化防止剤及びホスファイト系酸化防止剤を配合してなるコネクター用樹脂組成物が開示され、離型性と耐熱安定性が改良されることが記載されている。
【0005】
特開平2−294357号公報には、ポリエステル樹脂、ポリエステルエラストマー、ビスオキサゾリン化合物、特定のリン化合物並びにチオエーテル系化合物及びヒンダードフェノール系化合物から選ばれる酸化防止剤を配合してなるポリエステル樹脂組成物が開示され、低温靭性に優れ、耐熱安定性、高温長期品質が改良されることが記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、酸化防止剤としてヒンダードフェノール系酸化防止剤を用いると、組成物中の微量不純物の影響で好ましくない着色が起こることがあり、さらに低分子量のヒンダードフェノール系酸化防止剤を用いると、マスターペレットの製造時に系外に昇華して失われたり、コネクター等の成形時に金型汚れの原因となる。
【0007】
本発明は、上記の従来技術の問題を解決しようとするものであり、マスターバッチ製造時に揮発成分が昇華せず、金型汚れの少ない、耐熱安定性に優れる、色相の良好なコネクター用樹脂ペレット混合物を提供することを目的とする。
【0008】
本発明はまた、ハーネスコネクター用途に好適な、耐熱性に優れ、端子保持力の改良されたコネクター用樹脂ペレット混合物を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(A−1)0.01〜5wt%とホスファイト系酸化防止剤(A−2)0.01〜5wt%とを含有してなるポリブチレンテレフタレートマスターバッチペレット(A)及びポリブチレンテレフタレートペレット(B)を(A)/(B)の重量比が2/98〜50/50となるように混合してなり、該マスターバッチペレット(A)を製造するときに、ポリブチレンテレフタレートとして水分率0.02〜0.20wt%のポリブチレンテレフタレートのペレットを用いてなるコネクター用樹脂ペレット混合物である。
【0010】
本発明はまた、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(A−1)0.01〜5wt%とホスファイト系酸化防止剤(A−2)0.01〜5wt%とを含有してなるポリブチレンテレフタレートマスターバッチペレット(A)及びポリブチレンテレフタレートペレット(B)を(A)/(B)の重量比が2/98〜50/50となるように混合してなるコネクター用樹脂ペレット混合物の製造方法であって、マスターバッチペレット(A)を製造する際に水分率0.02〜0.20wt%のポリブチレンテレフタレートペレットを用いることを特徴とする、コネクター用樹脂ペレット混合物の製造方法である。
以下、本発明を詳述する。
【0011】
[ポリブチレンテレフタレートマスターバッチ]
ポリブチレンテレフタレートマスターバッチ(A)は、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(A−1)0.01〜5wt%およびホスファイト系酸化防止剤(A−2)0.01〜5wt%を含有するポリブチレンテレフタレート樹脂組成物からなる。
【0012】
すなわち、ポリブチレンテレフタレートマスターバッチ(A)は、ポリブチレンテレフタレート、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(A−1)およびホスファイト系酸化防止剤(A−2)からなるポリブチレンテレフタレート樹脂組成物からなり、該樹脂組成物におけるヒンダードフェノール系酸化防止剤(A−1)の含有量が0.01〜5wt%、ホスファイト系酸化防止剤(A−2)の含有量が0.01〜5wt%である。
【0013】
[ポリブチレンテレフタレート]
ポリブチレンテレフタレートは、その酸成分がテレフタル酸、ジオール成分がテトラメチレングリコールからなる芳香族ポリエステルであり、その一部を共重合成分が置換したものでもよく、かかる共重合成分としては、イソフタル酸、フタル酸;メチルテレフタル酸、メチルイソフタル酸等のアルキル置換フタル酸;2,6−ナフタリンジカルボン酸、2,7−ナフタリンジカルボン酸、1,5−ナフタリンジカルボン酸等のナフタリンジカルボン酸;4,4’−ジフェニルジカルボン酸、3,4’−ジフェニルジカルボン酸等のジフェニルジカルボン酸;4,4’−ジフェノキシエタンジカルボン酸等のジフェノキシエタンジカルボン酸類などの芳香族ジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、デカンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂肪族又は脂環族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族ジオール、ハイドロキノン、レゾルシン等のジヒドロキシベンゼン;2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン等のビスフェノール化合物;ビスフェノール化合物とエチレングリコールのごときグリコールとから得られるエーテルジオールなどの芳香族ジオール;ε−オキシカプロン酸、ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシエトキシ安息香酸等のオキシカルボン酸等が挙げられる。共重合成分は、全酸成分またはジオール成分の、好ましくは30モル%以下、さらに好ましくは10モル%以下の割合で用いることができる。
【0014】
さらに上述の芳香族ポリエステルに分岐成分として、トリメシン酸、トリメリット酸のごとき多官能性のエステル形成能を有する酸又はグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多官能のエステル形成能を有するアルコールを1.0モル%以下、好ましくは0.5モル%以下、更に好ましくは0.3モル%以下の割合で共重合せしめてもよい。
【0015】
ポリブチレンテレフタレートは、極限粘度数が0.4〜1.2、好ましくは0.7〜1.1のものを用いることができる。0.4未満であると十分な特性が得られず、1.2を超えると熔融粘度が高く流動性が低下して成形性が損なわれるため好ましくない。ここで極限粘度数(固有粘度と同じ)は25℃でo−クロルフェノールを溶媒として測定したものである。
【0016】
[ペレット]
ポリブチレンテレフタレートマスターバッチペレット(A)とポリブチレンテレフタレートペレット(B)との配合割合は、(A)/(B)の重量比で2/98〜50/50である。(A)/(B)の重量比が2/98より小さいと成形時の可塑化工程だけではマスターバッチ中の配合成分の均一分散が困難となり、50/50を超えるとマスターバッチ方式による生産の経済的効果が得られない。
【0017】
[ヒンダードフェノール系酸化防止剤]
ヒンダードフェノール系酸化防止剤(A−1)は、ヒンダードフェノール化合物からなる酸化防止剤である。ヒンダードフェノール化合物は、その分子量が好ましくは500〜2000、さらに好ましくは600〜1500である。酸化防止剤として上記範囲の分子量のヒンダードフェノール化合物を用いることにより、マスターバッチペレットを製造する混練中に酸化防止剤が系外に昇華したり、金型汚れの原因となることを効果的に抑制することができる。
【0018】
そして、該ヒンダードフェノール化合物は、o−位にt−ブチル基を有するフェノール残基1個当りの分子量が、好ましくは150〜400、さらに好ましくは150〜350である。o−位にt−ブチル基を有するフェノール残基1個当りの分子量がこの範囲のヒンダードフェノール化合物を用いることにより、酸化防止剤の配合量あたりの効果として良好な酸化防止の効果を得ることができる。
【0019】
好ましいヒンダードフェノール系酸化防止剤(A−1)としては、1、1、3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ペンタエリスリチル テトラキス[3−(3、5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル 3−(3、5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N、N’−ヘキサメチレンビス(3、5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、1、3、5−トリメチル−2、4、6−トリス(3、5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、3,9−ビス[2−〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン、トリス−(3、5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキベンジル)−イソシアヌレートであり、特に好ましくは、ペンタエリスリチル テトラキス[3−(3、5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]である。
【0020】
ヒンダードフェノール系酸化防止剤(A−1)は、1種類を用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。ヒンダードフェノール系酸化防止剤(A−1)のマスターバッチへの配合量は、マスターバッチを構成する樹脂組成物の全重量の0.01〜5wt%、好ましくは0.1〜3wt%である。
【0021】
そして、マスターバッチペレットとポリブチレンテレフタレートペレットとの混合物たるコネクター用樹脂ペレット混合物中の、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(A−1)の含有割合は、コネクター用樹脂ペレット混合物の全重量あたり好ましくは0.01〜2wt%、さらに好ましくは0.02〜1wt%である。
【0022】
[ホスファイト系酸化防止剤]
ホスファイト系酸化防止剤(A−2)は、ホスファイト化合物からなる酸化防止剤である。ホスファイト化合物は、その分子量が好ましくは500〜2000、さらに好ましくは600〜1500である。酸化防止剤として上記範囲の分子量のホスファイト化合物を用いることにより、マスターバッチペレットを製造する混練中に酸化防止剤が系外に昇華したり、金型汚れの原因となることを効果的に抑制することができる。
【0023】
そして、該ホスファイト化合物は、三価のリン原子1個当りの分子量が、好ましくは200〜500、さらに好ましくは250〜400である、三価のリン原子1個当りの分子量がこの範囲のホスファイト化合物を用いることにより、酸化防止剤の配合量あたりの効果として良好な酸化防止の効果を得ることができる。なお、三価のリン原子1個当りの分子量は、ホスファイト化合物の分子量を、該ホスファイト化合物を構成する三価のリン原子の数で割ることにより算出される。
【0024】
好ましいホスファイト系酸化防止剤(A−2)としては、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2、4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビスオクタデシルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(4−メチル−2、6−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトであり、特に好ましくは、ビス(2、4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトである。
【0025】
ホスファイト系酸化防止剤(A−2)は、1種類を用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。ホスファイト系酸化防止剤(A−2)のマスターバッチへの配合量は、マスターバッチを構成する樹脂組成物の全重量の0.01〜5wt%、好ましくは0.1〜3wt%である。
【0026】
そして、マスターバッチペレットとポリブチレンテレフタレートペレットとの混合物たるコネクター用樹脂ペレット混合物中の、ホスファイト系酸化防止剤(A−2)の含有割合は、コネクター用樹脂ペレット混合物の全重量あたり好ましくは0.01〜2wt%、さらに好ましくは0.02〜1wt%である。
【0027】
[ポリエステルエラストマー]
ポリエステルエラストマーは、単独で融点200℃以上の結晶性を有する芳香族ポリエステルブロック(ア)と、分子量500以上のポリオキシアルキレングリコールからなるブロック(イ)とから構成されるポリエステルブロック共重合体である。
【0028】
結晶性を有する芳香族ポリエステルブロック(ア)は、テレフタル酸またはそのエステル形成誘導体とテトラメチレングリコールまたはそのエステル形成誘導体からなるポリブチレンテレフタレートからなる。ポリブチレンテレフタレートには、第三成分が共重合されていても良い。第三成分には、例えばジカルボン酸成分、ジオール成分がある。
【0029】
第三成分のジカルボン酸成分としては、例えば、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸;アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族を例示することができる。これらは、全ジカルボン酸成分あたり10モル%以下、好ましくは5モル%以下の範囲で共重合可能である。
【0030】
第三成分のジオール成分としては、例えば、エチレングリコール、ヘキサメチレングリコール等の脂肪族グリコール;シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族ジオール;ビスフェノールA、ハイドロキノン等の芳香族ジオールを例示することができる。これらは、全ジオール成分あたり10モル%以下、好ましくは5モル%以下の範囲で共重合可能である。第三成分は10モル%を超えて共重合すると、ポリエステルエラストマーの結晶性が低下して、ブロッキング、溶着などの問題が発生し、取り扱いが困難となる場合がある。
【0031】
分子量500以上のポリオキシアルキレングリコールからなるブロック(イ)を構成するポリオキシアルキレングリコールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールを例示することができ、好ましくはポリテトラメチレングリコールである。ポリテトラメチレングリコールを用いる場合、その分子量は、好ましくは500〜4000、さらに好ましくは800〜4000である。この範囲の分子量のポリテトラメチレングリコールを用いることにより、良好な靭性および伸度を得ることができ、同時にポリブチレンテレフタレートとの充分な相溶性を維持することができる。
【0032】
ポリエステルエラストマーにおけるブロック(ア)とブロック(イ)との重量比は、好ましくはブロック(ア)95〜20重量%対ブロック(イ)5〜80重量%、さらに好ましくはブロック(ア)80〜30重量%対ブロック(イ)20〜70重量%である。
【0033】
ポリエステルエラストマーはマスターバッチペレットに配合することが好ましい。この場合の配合量は、マスターバッチペレットの樹脂組成物の全重量に対して好ましくは1〜30wt%、さらに好ましくは1〜20wt%である。この範囲で配合することにより、成形時にペレットがスリップして計量が困難になることがなく、さらに良好な成形作業性を備えるとともに特に靭性に優れる樹脂組成物を得ることができる。
【0034】
[離型剤]
離型剤としては、高級脂肪酸、そのエステルまたは金属塩、ポリエチレンワックスを用いることができる。
【0035】
高級脂肪酸としては、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸等の炭素数16〜32の脂肪酸を好ましく用いることができる。
【0036】
好適な離型剤は、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸、グリセリンモノステアレート、ペンタエリスリトールモノステアレート、モンタン酸エステル、ステアリン酸カルシウム、モンタン酸ナトリウム、モンタン酸部分鹸化エステル、高密度タイプポリエチレンワックス、マレイン酸変性ポリエチレンワックス、酸化タイプポリエチレンワックスである。モンタン酸エステルが特に好ましい。離型剤は1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
【0037】
離型剤はマスターバッチペレットに配合することが好ましい。この場合の配合量は、マスターバッチペレットの樹脂組成物の全重量に対して好ましくは0.1〜5wt%、さらに好ましくは0.1〜3wt%である。この範囲で配合することにより、良好な計量安定性および良好な離型性を得ることができる。
【0038】
[マスターバッチペレットの水分含有率]
マスターバッチペレット(A)は、ポリブチレンテレフタレートに、上述の配合剤を比較的高濃度に配合して製造される。このマスターバッチペレットを製造する際には、水分率0.02〜0.20wt%のポリブチレンテレフタレートペレットを用いる。この範囲の水分率のものを用いることで、b*値の低下が抑制され、白色度の高い成形品を得ることができる。
【0039】
[添加剤]
コネクター用ペレット混合物には、本発明の目的を損なわない範囲で、ガラス繊維、炭素繊維等のごとき繊維状の強化材;粒状、無定形、板状、燐片状等の無機充填剤;核剤、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、帯電防止剤、顔料等の添加剤;更に難燃剤、衝撃改良剤、流動性改良剤等の改質剤を含有せしめることができる。これらの添加剤は、ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物のマスターバッチペレット(A)、ポリブチレンテレフタレートペレット(B)の何れかまたは両方に含有させてもよく、ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物のマスターバッチペレット(A)、ポリブチレンテレフタレートペレット(B)の混合時に添加しても良い。
【0040】
【実施例】
以下、実施例を挙げ本発明を詳述する。なお、実施例中の部は重量部を意味する。ポリブチレンテレフタレートを「PBT」と略記することがある。ポリエステルエラストマーとしては、帝人(株)製ヌーベランB4032を用いた。これは、芳香族ポリエステルブロックと、ポリオキシアルキレングリコールからなるブロックとから構成されるポリエステルブロック共重合体からなるポリエステルエラストマーである。酸化防止剤としてはイルガノックス1010(分子量が1178、o−位にt−ブチル基を有するフェノール残基1個当りの分子量が294のヒンダードフェノール系酸化防止剤)およびPEP−24G(分子量が604、三価のP原子1個当りの分子量が302のホスファイト系酸化防止剤)を用いた。
【0041】
マスターバッチペレットは下記方法により製造した。機械的特性および端子保持力の評価のための試験片は、下記方法により製造した。
ペレットの色相は、東京電色(株)製 カラーアナライザーTC-1800MK-2を用いて測定した。
【0042】
[機械的特性]
試験片(ASTM 4号試験片、1mmt)を下記の成形条件で成形した。
成形機:東芝IS75E射出成形機
シリンダー温度(℃):260/260/260/250、
金型温度(℃):40、
[端子保持力]
コネクターの形状の試験片を下記の条件で成形した。
成形機:東芝IS75E射出成形機
シリンダー温度(℃):260/260/260/250、
金型温度(℃):40
[マスターバッチペレットの製造]
表1脚注に記載された所定の成分割合になるように、各配合剤を予め均一にブレンドし、スクリュー径44mmのベント付二軸押出機を用いてシリンダー温度240〜265℃、スクリュー回転数160rpm、吐出量40kg/hにて溶融混練し、スレッド状に押出し、冷却後切断してマスターバッチペレット*1及び*2を得た。
【0043】
参考例1]
表1に記載の樹脂ペレットを表1所定の割合で均一にブレンドして樹脂ペレット混合物を得た。
この樹脂ペレット混合物を用いて試験片の成形を行った。得られた試験片の初期の機械的特性およびギアオーブン中で150℃に1000時間暴露後の機械的特性の保持率を求めて耐熱性を評価した。結果を表1に示す。
【0044】
【表1】
Figure 0004205283
【0045】
上記樹脂ペレット混合物を用いてハーネスコネクターの成形を行った。得られた100個のハーネスコネクターからランダムに10個をサンプリングし、No.1〜22の端子位置に端子を挿入し引き抜き抵抗を測定して端子保持力を評価した。結果を表2に示す。本発明の樹脂ペレット混合物から得られたハーネスコネクターは、良好な端子保持力を有していることがわかる。
【0046】
【表2】
Figure 0004205283
【0047】
[比較例1]
参考例1と同様に、表1に記載の樹脂ペレットを表1所定の割合で均一にブレンドして試験片の成形を行い、耐熱性を評価した。結果を表1に示す。
本発明の樹脂ペレット混合物から得られた成形体は、150℃/1000時間暴露後の機械的特性が高いレベルに保持され、ハーネスコネクター用途に有用な特性を有していることがわかる。
【0048】
[実施例、参考例
水分率の異なるポリブチレンテレフタレートペレットを用いて、表3に記載された所定の成分割合になるように各配合剤を予め均一にブレンドした後、スクリュー径44mmのベント付二軸押出機を用いてシリンダー温度240〜265℃、スクリュー回転数160rpm、吐出量40kg/hにて溶融混練し、スレッド状に押出し、冷却後切断してマスターバッチペレットを得た。マスターペレットの色相を評価した。結果を表3に示す。
【0049】
【表3】
Figure 0004205283
【0050】
【発明の効果】
本発明によれば、マスターバッチ製造時に揮発成分が昇華せず、金型汚れの少ない、耐熱安定性に優れる、色相の良好なコネクター用樹脂ペレット混合物を提供することができる。本発明によれば、ハーネスコネクター用途に好適な、耐熱性に優れ、端子保持力の改良されたコネクター用樹脂ペレット混合物を提供することができる。

Claims (5)

  1. ヒンダードフェノール系酸化防止剤(A−1)0.01〜5wt%とホスファイト系酸化防止剤(A−2)0.01〜5wt%とを含有してなるポリブチレンテレフタレートマスターバッチペレット(A) 及び
    ポリブチレンテレフタレートペレット(B) を
    (A)/(B)の重量比が2/98〜50/50となるように混合してなり、該マスターバッチペレット(A)を製造するときに、ポリブチレンテレフタレートとして水分率0.02〜0.20wt%のポリブチレンテレフタレートのペレットを用いてなるコネクター用樹脂ペレット混合物。
  2. ヒンダードフェノール系酸化防止剤(A−1)が、分子量500〜2000のヒンダードフェノール化合物であり、該ヒンダードフェノール化合物はo−位にt−ブチル基を有するフェノール残基1個当りの分子量が150〜400である、請求項1記載のコネクター用樹脂ペレット混合物。
  3. ホスファイト系酸化防止剤(A−2)が、分子量500〜2000のホスファイト化合物であり、該ホスファイト化合物は三価のP原子1個当りの分子量が200〜500である、請求項1記載のコネクター用樹脂ペレット混合物。
  4. マスターバッチペレット(A)が、
    ヒンダードフェノール系酸化防止剤(A−1)0.01〜5wt%、
    ホスファイト系酸化防止剤(A−2)0.01〜5wt%、
    ポリエステルエラストマー1〜30wt% および
    離型剤0.1〜5wt%
    を含有してなる請求項1記載のコネクター用樹脂ペレット混合物。
  5. ヒンダードフェノール系酸化防止剤(A−1)0.01〜5wt%とホスファイト系酸化防止剤(A−2)0.01〜5wt%とを含有してなるポリブチレンテレフタレートマスターバッチペレット(A) 及び
    ポリブチレンテレフタレートペレット(B) を
    (A)/(B)の重量比が2/98〜50/50となるように混合してなるコネクター用樹脂ペレット混合物の製造方法であって、マスターバッチペレット(A)を製造するときに、ポリブチレンテレフタレートとして水分率0.02〜0.20wt%のポリブチレンテレフタレートのペレットを用いる、コネクター用樹脂ペレット混合物の製造方法。
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