JP2008255190A - ポリプロピレン系樹脂組成物およびそれからなる成形体 - Google Patents

ポリプロピレン系樹脂組成物およびそれからなる成形体 Download PDF

Info

Publication number
JP2008255190A
JP2008255190A JP2007097515A JP2007097515A JP2008255190A JP 2008255190 A JP2008255190 A JP 2008255190A JP 2007097515 A JP2007097515 A JP 2007097515A JP 2007097515 A JP2007097515 A JP 2007097515A JP 2008255190 A JP2008255190 A JP 2008255190A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
propylene
weight
ethylene
olefin
copolymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007097515A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5350600B2 (ja
Inventor
Hiroyoshi Nakajima
浩善 中嶋
Takashi Fujimoto
隆 藤元
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to US12/520,446 priority Critical patent/US20090326123A1/en
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to JP2007097515A priority patent/JP5350600B2/ja
Priority to CN200780051665.3A priority patent/CN101611087B/zh
Priority to PCT/JP2007/075386 priority patent/WO2008081980A1/ja
Priority to DE112007003153.0T priority patent/DE112007003153B4/de
Publication of JP2008255190A publication Critical patent/JP2008255190A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5350600B2 publication Critical patent/JP5350600B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

【課題】発泡セルが均一な成形体を得ることができるポリプロピレン系樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 プロピレン重合体(A)50〜90重量%と、
下記のオレフィン系重合体(B)5〜20重量%と、
下記のエチレン−α−オレフィン共重合体(C)5〜30重量%とを含有し、
230℃、2.16kg荷重でのメルトインデックスが40〜200g/10分である発泡成形用ポリプロピレン系樹脂組成物(ただし、(A)と(B)と(C)の合計を100重量%とする)。
オレフィン系重合体(B)は、プロピレン−エチレン−α−オレフィン共重合体(b1)25〜100重量%と、プロピレン単独重合体(b2)およびプロピレン−エチレン共重合体(b3)からなる群から選ばれる少なくとも1種のプロピレン重合体(b4)0〜75重量%からなる混合物100重量部を、(b1)と(b4)の混合物100重量部に対して0.001〜20重量部の有機過酸化物(b5)の存在下で熱処理して得られるオレフィン系重合体であり、230℃、2.16kg荷重でのメルトインデックスが10〜100g/10分である。(b1)のα−オレフィンの炭素数4〜20であり、分子量分布が1〜4であり、融解熱量が30J/g以下である。
エチレン−α−オレフィン共重合体(C)は、α−オレフィンの炭素数が4〜20であり、密度が0.85〜0.89g/cm3のエチレン−α−オレフィン共重合体である。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリプロピレン系樹脂組成物、無機フィラー含有ポリプロピレン系樹脂組成物およびそれからなる成形体に関するものである。更に詳しくは、発泡セルが均一であり、発泡成形性に優れる成形体を得ることができるポリプロピレン系樹脂組成物、無機フィラー含有ポリプロピレン系樹脂組成物およびそれからなる成形体に関するものである。
従来から、ポリプロピレン系樹脂は、高剛性で、耐衝撃性に優れることから、自動車用材料などに用いられている。
たとえば、特開平11−293058号公報には、剛性および耐衝撃性に優れた熱可塑性樹脂組成物として、ポリプロピレン系樹脂と、エチレン、プロピレン、およびα−オレフィンから選ばれた2種以上のオレフィンであって、それらの炭素数の合計が6以上でオレフィンを共重合して得られたオレフィン系共重合体と、無機充填材からなる熱可塑性樹脂組成物が記載されている。
また、特開2001−192509号公報には、柔軟性と耐熱性を改良する手段として、引張り切断時の強さが2MPa未満である非晶性オレフィン系重合体および、結晶性オレフィン系樹脂からなるショアA硬度が85以下であるオレフィン系樹脂組成物が記載されている。
特開平11−293058号公報 特開2001−192509号公報
しかしながら、上記の公報に記載のポリプロピレン系樹脂組成物においても、前記樹脂組成物を発泡成形体に成形したときの発泡セルの均一化が求められていた。
かかる状況の下、本発明の目的は、発泡セルが均一な成形体を得ることができるポリプロピレン系樹脂組成物、無機フィラー含有ポリプロピレン系樹脂組成物およびそれからなる成形体を提供することにある。
本発明者は、かかる実情に鑑み、鋭意検討の結果、本発明が上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の一は、
プロピレン単独重合体(A−1)およびプロピレン−エチレン共重合体(A−2)からなる群から選ばれる少なくとも1種のプロピレン重合体(A)50〜90重量%と、
下記のオレフィン系重合体(B)5〜20重量%と、
下記のエチレン−α−オレフィン共重合体(C)5〜30重量%とを含有し、
230℃、2.16kg荷重でのメルトインデックスが40〜200g/10分であるポリプロピレン系樹脂組成物(ただし、(A)と(B)と(C)の合計を100重量%とする)に係るものである。
オレフィン系重合体(B)は、プロピレン−エチレン−α−オレフィン共重合体(b1)25〜100重量%と、プロピレン単独重合体(b2)およびプロピレン−エチレン共重合体(b3)からなる群から選ばれる少なくとも1種のプロピレン重合体(b4)0〜75重量%からなる混合物100重量部を、(b1)と(b4)の混合物100重量部に対して0.001〜20重量部の有機過酸化物(b5)の存在下で熱処理して得られるオレフィン系重合体であり、230℃、2.16kg荷重でのメルトインデックスが10〜100g/10分である。(b1)のα−オレフィンの炭素数4〜20であり、分子量分布が1〜4であり、融解熱量が30J/g以下である。
エチレン−α−オレフィン共重合体(C)は、α−オレフィンの炭素数が4〜20であり、密度が0.85〜0.89g/cm3のエチレン−α−オレフィン共重合体である。
また、本発明の一は、
プロピレン単独重合体(A−1)およびプロピレン−エチレン共重合体(A−2)からなる群から選ばれる少なくとも1種のプロピレン重合体(A)50〜90重量%と、
下記のオレフィン系重合体(B)5〜20重量%と、
下記のエチレン−α−オレフィン共重合体(C)5〜30重量%とを含有するポリプロピレン系樹脂組成物(ただし、(A)と(B)と(C)の合計を100重量%とする)と、
無機フィラー(D)とを含有する無機フィラー含有ポリプロピレン系樹脂組成物であって、
前記ポリプロピレン系樹脂組成物100重量部に対して、無機フィラー(D)が0.1〜40重量部であり、230℃、2.16kg荷重でのメルトインデックスが40〜200g/10分である無機フィラー含有ポリプロピレン系樹脂組成物に係るものである。
オレフィン系重合体(B)は、プロピレン−エチレン−α−オレフィン共重合体(b1)25〜100重量%と、プロピレン単独重合体(b2)およびプロピレン−エチレン共重合体(b3)からなる群から選ばれる少なくとも1種のプロピレン重合体(b4)0〜75重量%からなる混合物100重量部を、(b1)と(b4)の混合物100重量部に対して0.001〜20重量部の有機過酸化物(b5)の存在下で熱処理して得られるオレフィン系重合体であり、230℃、2.16kg荷重でのメルトインデックスが10〜100g/10分である。(b1)のα−オレフィンの炭素数4〜20であり、分子量分布が1〜4であり、融解熱量が30J/g以下である。
エチレン−α−オレフィン共重合体(C)は、α−オレフィンの炭素数が4〜20であり、密度が0.85〜0.89g/cm3のエチレン−α−オレフィン共重合体である。
また、本発明の一は、上記のポリプロピレン系樹脂組成物または、無機フィラー含有ポリプロピレン系樹脂組成物からなる発泡成形体に係るものである。
本発明によれば、発泡セルが均一な成形体を得ることができるポリプロピレン系樹脂組成物、無機フィラー含有ポリオレフィン系樹脂組成物およびそれからなる成形体を得ることができる。
本発明では、プロピレン単独重合体(A−1)およびプロピレン−エチレン共重合体(A−2)からなる群から選ばれる少なくとも1種のプロピレン重合体(A)が用いられる。
プロピレン−エチレン共重合体(A−2)としては、プロピレン−エチレンランダム共重合体(A−2−1)または、プロピレン−エチレンブロック共重合体(A−2−2)が挙げられる。プロピレン−エチレンブロック共重合体(A−2−2)とは、プロピレン単独重合体成分と、プロピレン−エチレンランダム共重合体成分とからなる共重合体である。
プロピレン重合体(A)として、好ましくは、剛性、耐熱性または硬度を高めるという観点から、プロピレン単独重合体(A−1)または、プロピレン−エチレンブロック共重合体(A−2−2)である。
プロピレン単独重合体(A−1)の13C−NMRによって測定されるアイソタクチック・ペンタッド分率は0.95以上が好ましく、さらに好ましくは0.98以上である。
プロピレン−エチレンブロック共重合体(A−2−2)のプロピレン単独重合体成分の、13C−NMRによって測定されるアイソタクチック・ペンタッド分率は0.95以上が好ましく、さらに好ましくは0.98以上である。
アイソタクチック・ペンタッド分率とは、プロピレン重合体分子鎖中のペンタッド単位でのアイソタクチック連鎖、換言すればプロピレンモノマー単位が5個連続してメソ結合した連鎖の中心にあるプロピレンモノマー単位の分率である。アイソタクチック・ペンタッド分率の測定方法は、A.ZambelliらによってMacromolecules,6,925(1973)に記載されている方法、すなわち13C−NMRによって測定される方法である。(ただし、NMR吸収ピークの帰属は、その後発刊されたMacromolecules,8,687(1975)に基づいて決定される)。具体的には、13C−NMRスペクトルによって測定されるメチル炭素領域の吸収ピークの面積に対する、mmmmピークの面積の割合が、アイソタクチック・ペンタッド分率である。この方法によって測定された英国 NATIONAL PHYSICAL LABORATORYのNPL標準物質 CRM No.M19−14Polypropylene PP/MWD/2のアイソタクチック・ペンタッド分率は、0.944であった。
上記プロピレン単独重合体(A−1)の135℃のテトラリン溶媒中で測定される極限粘度([η]P)、ブロック共重合体(A−2−2)のプロピレン単独重合体成分の135℃のテトラリン溶媒中で測定される極限粘度([η]P)、ランダム共重合体(A−2−1)の135℃のテトラリン溶媒中で測定される極限粘度([η])は、通常、0.7〜5dl/gであり、好ましくは0.8〜4dl/gである。
また、プロピレン単独重合体(A−1)、ブロック共重合体(A−2−2)のプロピレン単独重合体成分、ランダム共重合体(A−2−1)のゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)で測定した分子量分布(Q値、Mw/Mn)として、好ましくは3以上7以下である。
上記ブロック共重合体(A−2−2)のプロピレン−エチレンランダム共重合体成分に含有されるエチレン含有量は20〜65重量%、好ましくは25〜50重量%である(ただし、プロピレン−エチレンランダム共重合体成分の全量を100重量%とする)。
上記ブロック共重合体(A−2−2)のプロピレン−エチレンランダム共重合体成分の135℃のテトラリン溶媒中で測定される極限粘度([η]EP)は、通常、1.5〜12dl/gであり、好ましくは2〜8dl/gである。
上記ブロック共重合体(A−2−2)を構成するプロピレン−エチレンランダム共重合体成分の含有量は、10〜60重量%であり、好ましくは10〜40重量%である。
上記プロピレン単独重合体(A−1)のメルトインデックス(MI)は、通常、0.1〜400g/10分であり、好ましくは1〜300g/10分である。但し、測定温度は230℃で、荷重は2.16kgである。
上記プロピレン−エチレン共重合体(A−2)のメルトインデックス(MI)は、通常、0.1〜200g/10分であり、好ましくは5〜150g/10分である。但し、測定温度は230℃で、荷重は2.16kgである。
上記プロピレン重合体(A)の製造方法としては、例えば、公知の重合触媒を用いて、公知の重合方法によって製造する方法が挙げられる。
上記プロピレン重合体(A)の製造方法で用いられる公知の重合触媒としては、例えば、(1)マグネシウム、チタン、ハロゲンおよび電子供与体を必須成分として含有する固体触媒成分と、(2)有機アルミニウム化合物と(3)電子供与体成分からなる触媒系が挙げられる。この触媒の製造方法としては、例えば、特開平1−319508号公報、特開平7−216017号公報や特開平10−212319号公報に記載されている製造方法が挙げられる。
上記の製造方法で用いられる公知の重合方法としては、例えば、バルク重合法、溶液重合法、スラリー重合法、気相重合法等が挙げられる。これらの重合方法は、バッチ式、連続式のいずれでも良く、また、これらの重合方法を任意に組み合わせても良い。
上記のプロピレン−エチレンブロック共重合体(A−2−2)の製造方法として、好ましくは、前記の固体触媒成分(1)と、有機アルミニウム化合物(2)と電子供与体成分(3)からなる触媒系の存在下に少なくとも2槽からなる重合槽を直列に配置し、上記プロピレン−エチレンブロック共重合体のプロピレン単独重合体成分を製造した後、製造された前記成分を次の重合槽に移し、その重合槽でプロピレン−エチレンランダム共重合体成分を連続して製造して、プロピレン−エチレンブロック共重合体を製造する方法である。
上記の製造方法で用いられる固体触媒成分(1)、有機アルミニウム化合物(2)および電子供与体成分(3)の使用量や、各触媒成分を重合槽へ供給する方法は、適宜、決めれば良い。
重合温度は、通常、−30〜300℃であり、好ましくは20〜180℃である。重合圧力は、通常、常圧〜10MPaであり、好ましくは0.2〜5MPaである。分子量調整剤として、例えば、水素を用いても良い。
上記プロピレン重合体(A)の製造において、本重合を実施する前に、公知の方法によって、予備重合を行っても良い。公知の予備重合の方法としては、例えば、固体触媒成分(1)および有機アルミニウム化合物(2)の存在下、少量のプロピレンを供給して溶媒を用いてスラリー状態で実施する方法が挙げられる。
オレフィン系重合体(B)は、プロピレン−エチレン−α−オレフィン共重合体(b1)25〜100重量%と、プロピレン単独重合体(b2)およびプロピレン−エチレン共重合体(b3)からなる群から選ばれる少なくとも1種のプロピレン重合体(b4)0〜75重量%からなる混合物100重量部を、(b1)と(b4)の混合物100重量部に対して0.001〜20重量部の有機過酸化物(b5)の存在下で熱処理して得られるオレフィン系重合体であり、230℃、2.16kg荷重でのメルトインデックスが10〜100g/10分である。(b1)のα−オレフィンの炭素数4〜20であり、分子量分布が1〜4であり、融解熱量が30J/g以下である。
本発明で用いられるプロピレン−エチレン−α−オレフィン共重合体(b1)に用いられるα−オレフィンとしては、炭素数4〜20のα−オレフィンが挙げられる。
炭素数4〜20のα−オレフィンとしては、直鎖状のα−オレフィン、分岐状のα−オレフィンが挙げられ、直鎖状のα−オレフィンとしては、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−へプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ナノデセン、1−エイコセン等が挙げられる。分岐状のα−オレフィンとしては、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、2−エチル−1−ヘキセン等が挙げられる。
共重合体(b1)に含有されるプロピレン含量は、5〜99mol%、好ましくは、25〜99mol%、さらに好ましくは、35〜99mol%であり、
エチレン含量は、0〜60mol%、好ましくは、0〜55mol%であり、
α−オレフィン含量は、1〜35mol%、好ましくは1〜20mol%であり、さらに好ましくは1〜10mol%である。(ただし、プロピレン含量、エチレン含量、α−オレフィン含量の合計を100mol%とする。)
共重合体(b1)は下記式の関係を満足することが好ましい。
0.1<[y/(x+y)]≦1.0
より好ましくは、0.5<[y/(x+y)]≦1.0であり
さらに好ましくは、0.8<[y/(x+y)]≦1.0である。
上記式において、xは(b1)中のエチレンのモル含量を表し、yは(b1)中の炭素数4〜20のα−オレフィンのモル含量の合計を表す。
共重合体(b1)の製造方法としては、スラリー重合法、溶液重合法、塊状重合法、気相重合法等によって、所定のモノマーを、メタロセン系触媒を用いて重合する方法が挙げられる。
メタロセン系触媒としては、例えば、特開平3−163088号公報、特開平4−268307号公報、特開平9−12790号公報、特開平9−87313号公報、特開平11−80233号公報、特表平10−508055号公報等に記載されているメタロセン系触媒が挙げられる。
メタロセン系触媒を用いる共重合体(b1)の製造方法として、好ましくは、欧州特許出願公開第1211287号明細書に記載されている方法が挙げられる。
共重合体(b1)の135℃のテトラリン溶媒中で測定される極限粘度[η]は、0.5〜10dl/gであり、より好ましくは0.9〜5dl/gであり、さらに好ましくは1.2〜3dl/gである。
共重合体(b1)の分子量分布は、1〜4である。なお、該分子量分布は、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)であり、ゲルパーミエイションクロマトグラフ(GPC)により、標準ポリスチレンを分子量標準物質として測定される。
共重合体(b1)の融解熱量は、30J/g以下であり、好ましくは、20J/g以下であり、さらに好ましくは、10J/g以下である。
本発明で用いられるプロピレン単独重合体(b2)としては、プロピレン単独重合体(A−1)と同様のプロピレン単独重合体が挙げられる。
本発明で用いられるプロピレン−エチレン共重合体(b3)としては、プロピレン−エチレン共重合体(A−2)と同様のプロピレン−エチレン共重合体が挙げられる。
プロピレン重合体(b4)は、(b2)と(b3)を任意の比率で混合したものである。
オレフィン系重合体(B)において、(b4)は必須ではないが、配合する場合の(b1)と(b4)との混合比率は、合計100重量%に対し(b4)が75重量%以下であることが必要である。(b1)が25重量%以上存在しないと、本発明の目的である発泡セルの均一性が得られない。
本発明で用いられる有機過酸化物(b5)としては、従来公知の有機過酸化物が挙げられ、例えば、半減期が1分となる分解温度が120℃未満である有機過酸化物や半減期が1分となる分解温度が120℃以上である有機過酸化物が挙げることができる。
半減期が1分となる分解温度が120℃未満である有機過酸化物としては、例えば、ジアシルパーオキサイド化合物、パーカボネート化合物(分子骨格中に下記式(1)で表される構造を有する化合物(I)やアルキルパーエステル化合物(分子骨格中に下記式(2)で表される構造を有する化合物(II))等が挙げられる。
Figure 2008255190
上記式(1)で表される構造を有する化合物(I)としては、ジ−3−メトキシブチル パーオキシジカルボネート、ジ−2−エチルヘキシル パーオキシジカルボネート、ビス(4−t−ブチル シクロヘキシル)パーオキシジカルボネート、ジイソプロピル パーオキシジカルボネート、t−ブチル パーオキシイソプロピルカーボネート、ジミリスチル パーオキシカルボネート等があげられる。
上記式(2)で表される構造を有する化合物(II)としては、1,1,3,3−テトラメチル ブチル ネオデカノエート、α―クミル パーオキシ ネオデカノエート、t−ブチル パーオキシ ネオデカノエート等が挙げられる。
また、半減期が1分となる分解温度が120℃以上である有機過酸化物としては、例えば、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、2,5ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブテン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、n−ブチル−4,4−ビス(t−ベルオキシ)バレラート、ジ−t−ブチルベルオキシイソフタレート、ジクミルパーオキサイド、α−α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシジイソプロピル)ベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等が挙げられる。
有機過酸化物(b5)の使用量として、好ましくは、プロピレン−エチレン−α−オレフィン共重合体(b1)とオレフィン重合体(b4)の混合物100重量部に対して0.001〜20重量部であり、より好ましくは0.05〜3重量部である。
オレフィン重合体(B)の製造方法としては、(b1)と(b4)の混合物と、(b5)を混合し、溶融混練することで得られる。溶融混練する温度としては、150℃〜300℃が好ましい。混練に用いられる装置としては、一軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、熱ロール等が挙げられる。
オレフィン重合体(B)の含有量としては、5〜20重量%、好ましくは、6〜15重量%、さらに好ましくは8〜12重量%である。但し、(A)と(B)と(C)の合計量を100重量%とする。
本発明で用いられるエチレン−α−オレフィン共重合体(C)は、エチレン−α−オレフィンランダム共重合体、または、これらの混合物が挙げられる。
共重合体(C)の密度は、0.850〜0.890g/cm3、好ましくは0.850〜0.880g/cm3であり、より好ましくは0.855〜0.875g/cm3である。
共重合体(C)に含有されるエチレン含量は、20〜95重量%であり、好ましくは、30〜90重量%であり、α−オレフィン含量は、80〜5重量%であり、好ましくは70〜10重量%である。
共重合体(C)のMI(測定温度は190℃、荷重は2.16kg)は、0.5〜100g/10分であり、好ましくは1〜50g/10分である。
共重合体(C)に用いられるα−オレフィンとしては、炭素数4〜20のα−オレフィンが挙げられ、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−エイコセン等が挙げられる。これらのα−オレフィンは単独で用いても良く、少なくとも2種を併用しても良い。α−オレフィンとして、好ましくは、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン等の炭素数4〜12のα−オレフィンである。
共重合体(C)の製造方法としては、共重合体(B)の製造に用いられる方法と同様の製造方法が挙げられる。共重合体(C)の製造に用いられる触媒としては、共重合体(B)の製造に用いられる触媒と同様のメタロセン触媒が挙げられる。
無機フィラー(D)としては、例えば、炭素繊維、金属繊維、ガラスビーズ、マイカ、炭酸カルシウム、チタン酸カリウムウィスカー、タルク、ベントナイト、スメクタイト、マイカ、セピオライト、ワラストナイト、アロフェン、イモゴライト、繊維状マグネシウムオキシサルフェート、硫酸バリウム、ガラスフレーク等が挙げられるが、好ましくはタルクである。
無機フィラー(D)の平均粒子径としては、通常、0.01〜50μmであり、好ましくは0.1〜30μmであり、より好ましくは0.1〜5μmである。ここで無機フィラー(D)の平均粒子径とは、遠心沈降式粒度分布測定装置を用いて水、アルコール等の分散媒中に懸濁させて測定した篩下法の積分分布曲線から求めた50%相当粒子径D50のことを意味する。
無機フィラー(D)は、無処理のまま使用しても良く、ポリプロピレン系樹脂組成物との界面接着強度を向上させるために、またはポリプロピレン系樹脂組成物中での無機フィラーの分散性を向上させるために、公知の各種シランカップリング剤、チタンカップリング剤、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸塩類あるいは他の界面活性剤で無機フィラーの表面を処理して使用しても良い。
プロピレン重合体(A)の含有量としては、50〜90重量%、好ましくは、55〜85重量%、さらに好ましくは60〜80重量%である。プロピレン−エチレン−α−オレフィン共重合体(B)の含有量としては、5〜20重量%、好ましくは、5〜15重量%、さらに好ましくは7〜15重量%である。エチレン−α−オレフィンランダム共重合(C)の含有量としては、5〜30重量%、好ましくは、10〜30重量%、さらに好ましくは、13〜25重量%である。
但し、(A)と(B)と(C)の合計量を100重量%とする。
無機フィラー(D)の含有量としては、(A)と(B)と(C)を含有するポリプロピレン系樹脂組成物100重量部に対して、0.1〜40重量部であり、好ましくは、剛性を向上させるという観点から、1〜30重量部、さらに好ましくは5〜20重量部である。
本発明のプロピレン重合体組成物のMI(測定温度は230℃、荷重は2.16kg)は、40〜200g/10分、好ましくは40〜150g/10分、より好ましくは40〜120g/10分である。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物、および無機フィラー含有ポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法は、各成分を混練する方法が挙げられ、混練に用いられる装置としては、一軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、熱ロール等が挙げられる。混練の温度は、通常、170〜250℃であり、時間は、通常、1〜20分である。また、各成分の混練は同時に行なってもよく、分割して行なってもよい。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物、および無機フィラー含有ポリプロピレン系樹脂組成物には、必要に応じて、添加剤を含有させても良く、例えば、中和剤、酸化防止剤、耐光剤、紫外線吸収剤、銅害防止剤、滑剤、加工助剤、可塑剤、分散剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、造核剤、難燃剤、発泡剤、気泡防止剤、架橋剤、着色剤、顔料等が挙げられる。
本発明の成形体は、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物または、無機フィラー含有ポリプロピレン系樹脂組成物からなる成形体であり、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物、または、無機フィラー含有ポリプロピレン系樹脂組成物を成形する方法としては、射出成形法、押出成形法、回転成形法、真空成形法、発泡成形法、ブロー成形法等が挙げられる。
本発明の発泡成形体は、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物または、無機フィラー含有ポリプロピレン系樹脂組成物に発泡剤を添加し、成形することによって得られるものである。本発明で使用される発泡剤としては、化学発泡剤、物理発泡剤などの公知の発泡剤が挙げられる。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物または、無機フィラー含有ポリプロピレン系樹脂組成物を発泡成形する方法は、具体的には、射出発泡成形法、プレス発泡成形法、押出発泡成形法、スタンパブル発泡成形法などの公知の方法が挙げられる。
本発明の発泡成形体は、インサート成形、接着などの方法により表皮材を貼合して加飾発泡成形体とすることもできる。
該表皮材としては、公知の表皮材を使用できる。具体的な表皮材としては、織布、不織布、編布、熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマーからなるフィルム、シート等が例示される。さらに、これらの表皮材に、ポリウレタン、ゴム、熱可塑性エラストマー等のシートを積層した複合表皮材を使用してもよい。
表皮材には、さらにクッション層を設けることができる。かかるクッション層を構成する材料は、ポリウレタンフォーム、EVAフォーム、ポリプロピレンフォーム、ポリエチレンフォーム等が例示される。
本発明の成形体の用途としては、例えば、自動車内装部品または外装部品、二輪車部品、家具や電気製品の部品等が挙げられる。
自動車内装部品としては、例えば、インストルメンタルパネル、トリム、ドアーパネル、サイドプロテクター、コンソールボックス、コラムカバー等が挙げられ、自動車外装部品としては、例えば、バンパー、フェンダー、ホイールカバー等が挙げられ、二輪車部品としては、例えば、カウリング、マフラーカバー等が挙げられる。
以下、実施例および比較例によって、本発明を説明する。
実施例または比較例では、以下に示した樹脂および添加剤を用いた。
(1)プロピレン−エチレンブロック共重合体(A−1)
特開平7−216017記載の固体触媒成分を用いて溶媒重合法により製造した。
MI:130g/10分
プロピレン−エチレンブロック共重合体全体の極限粘度[η]T:1.4dl/g
プロピレン単独重合体成分の極限粘度[η]P:0.8dl/g
プロピレン−エチレンランダム共重合体成分の共重合体全体に対する重量比率:12重量%
エチレン−プロピレンランダム共重合体成分の極限粘度[η]EP:6.0dl/g
エチレン−プロピレンランダム共重合体成分のエチレン単位含量:30重量%
(2)プロピレン単独重合体(A−2)
特開平7−216017記載の固体触媒成分を用いて気相重合法により製造した。
MI:20g/10分
(3)プロピレン単独重合体(A−3)
住友化学(株)社製 商品名:U501E1
MI:120g/10分
(4)プロピレン単独重合体(A−4)
特開平7−216017記載の固体触媒成分を用いて気相重合法により製造した。
MI:300g/10分
(5)プロピレン単独重合体(A−5)
住友化学(株)社製 商品名:FS2011DG3
(6)プロピレン−1−ブテン共重合体(B)
攪拌機を備えた100LのSUS製重合器中で、プロピレンと1−ブテンとを、分子量調節として水素を用い、以下の方法で連続的に共重合させて、プロピレン−1−ブテン共重合体(B−1)を得た。重合器の下部から、重合溶媒としてのヘキサンを100L/時間の供給速度で、プロピレンを24.00Kg/時間の供給速度で、1−ブテンを1.81Kg/時間の供給速度で、それぞれ連続的に供給した。
重合器の上部から、重合器中の反応混合物が100Lの量を保持するように、反応混合物を連続的に抜き出した。
重合器の下部から、重合触媒の成分として、ジメチルシリル(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライドを0.005g/時間の供給速度で、トリフェニルメチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートを0.298g/時間の供給速度で、トリイソブチルアルミニウムを2.315g/時間の供給速度で、それぞれ連続的に供給した。
共重合反応は、重合器の外部に取り付けられたジャケットに冷却水を循環させることによって、45℃で行った。
重合器の上部から連続的に抜き出された反応混合物に少量のエタノールを添加して重合反応を停止させた後、脱モノマー及び水洗浄し、次いで、大量の水中でスチームによって溶媒を除去することによって、プロピレン−1−ブテン共重合体(B−1)を得、これを80℃で1昼夜減圧乾燥した。重合体(B−1)の生成速度は7.10Kg/時間であった。得られたプロピレン−1−ブテン共重合体(B−1)の物性評価結果を表1に示す。
Figure 2008255190
(7)非晶性オレフィン重合体マスターバッチ
(7−1)非晶性オレフィン重合体マスターバッチ(B−2)
上記で得られたプロピレン−1−ブテン共重合体(B−1)70重量%とプロピレン単独重合体(A−5)30wt%とからなるプロピレン−1−ブテン共重合体マスターバッチ。MIは2.6g/10分であった。
(7−2)非晶性オレフィン重合体マスターバッチ(B−3)
上記で得られた非晶性オレフィン重合体マスターバッチ(B−2)100重量部に、有機過酸化物(化薬アクゾ社製、商品名:パーカドックス14)0.12重量部を加え、均一に予備混合した後、40mmφフルフライトスクリュー単軸混練機(田辺プラスチック(株)製、L/D=28)を用いて、250℃、スクリュー回転数100rpmの条件で混練押出して、マスターバッチペレット(B−3)を製造した。MIは27.5g/10分であった。
(8)エラストマー(C)
エチレン−ブテン共重合体ゴム
商品名: CX5505(住友化学(株)社製)
密 度: 0.878(g/cm
MI(190℃、2.16kg荷重):14(g/10分)
(9)タルクマスターバッチ(D’)
住友化学(株)社製 商品名:MF110
エチレン−プロピレンブロック共重合体とタルクを含み、タルク含有量が70重量%であるタルクマスターバッチ
[実施例1、比較例1〜2]
各成分を表2に示した重量割合で、タンブラーで均一に予備混合した後、二軸混練押出機(日本製鋼所社製TEX44SS 30BW−2V型)を用いて、シリンダー温度200℃、押出量30〜50kg/hr、スクリュー回転数300rpm、ベント吸引下で混練押出して、無機フィラー含有ポリプロピレン系重合体組成物を製造した。
この無機フィラー含有ポリプロピレン系樹脂組成物を用い、エンゲル社製ES2550/400HL−MuCell(型締力400トン)射出成形機を用いて、射出発泡成形を行った。発泡剤として、二酸化炭素を超臨界状態で、シリンダ部分に注入して成形した。
金型として、成形体概略寸法が、図1に示した箱型形状成形品が得られる金型を用いた。成形品部寸法は、290mm×370mm、高さ45mmであり、型締めした状態の基本キャビティクリアランス(初期板厚)1.5mmtであり、ゲート構造がダイレクトゲートの金型を用いた。
シリンダ温度250℃、金型温度55℃に設定し、型締め後、発泡剤を含む前記組成物の射出を開始した。前記組成物を、金型キャビティ内に完全に射出充填した後、金型のキャビティ壁面を2.0mm後退させて該キャビティを増加させて組成物を発泡させた。発泡した組成物を更に冷却し、完全に固化させて発泡成形体を得た。この発泡成形体について後記する方法で発泡セル状態の評価を行った。結果を表2に示す。
実施例および比較例で用いた樹脂成分及び組成物の物性の測定法を以下に示した。
(1)メルトインデックス(MI、単位:g/10分)
JIS−K−6758に規定された方法に従って測定した。
230℃、2.16kg荷重にて測定した。
(2)プロピレン−エチレンブロック共重合体の構造分析
(2−1)プロピレン−エチレンブロック共重合体の固有粘度
(2−1−a)プロピレン単独重合体成分の固有粘度:[η]P
プロピレン−エチレンブロック共重合体のプロピレン単独重合体成分の固有粘度:[η]Pはその製造時に、プロピレン単独重合体の重合後に重合槽内よりプロピレン単独重合体を取り出し、取り出されたプロピレン単独重合体の[η]Pを測定して求めた。
(2−1−b)プロピレン−エチレンランダム共重合体成分の固有粘度:[η]EP
プロピレン−エチレンブロック共重合体のプロピレン−エチレンランダム共重合体成分の固有粘度:[η]EPは、プロピレン単独重合体成分の固有粘度:[η]Pとプロピレン−エチレンブロック共重合体全体の固有粘度:[η]Tをそれぞれ測定し、プロピレン−エチレンランダム共重合体成分のプロピレン−エチレンブロック共重合体全体に対する重量比率:Xを用いて次式から計算により求めた。
[η]EP=[η]T/X−(1/X−1)[η]P
[η]P:プロピレン単独重合体成分の固有粘度(dl/g)
[η]T:プロピレン−エチレンブロック共重合体全体の固有粘度(dl/g)
(2−1−c)プロピレン−エチレンランダム共重合体成分のプロピレン−エチレンブロック共重合体全体に対する重量比率:X
プロピレン−エチレンランダム共重合体成分のプロピレン−エチレンブロック共重合体全体に対する重量比率:Xはプロピレン単独重合体成分とプロピレン−エチレンブロック共重合体全体の結晶融解熱量をそれぞれ測定し、次式を用いて計算により求めた。結晶融解熱量は、示差走査型熱分析(DSC)により測定した。
X=1−(ΔHf)T/(ΔHf)P
(ΔHf)T:ブロック共重合体全体の融解熱量(cal/g)
(ΔHf)P:プロピレン単独重合体成分の融解熱量(cal/g)
(3)プロピレン−エチレンブロック共重合体中のプロピレン−エチレンランダム共重合体成分のエチレン含量:(C2')EP
プロピレン−エチレンブロック共重合体のプロピレン−エチレンランダム共重合体成分のエチレン含量:(C2')EPは、赤外線吸収スペクトル法によりプロピレン−エチレンブロック共重合体全体のエチレン含量(C2')Tを測定し、次式を用いて計算により求めた。
(C2')EP=(C2')T/X
(C2')T:プロピレン−エチレンブロック共重合体全体のエチレン含量(重量%)
(C2')EP:プロピレン−エチレンランダム共重合体成分のエチレン含量(重量%)
X:プロピレン−エチレンランダム共重合体成分のプロピレン−エチレンブロック共重合体全体に対する重量比率
(4)共重合体(B)の融解熱量
示差走査熱量計(セイコー電子工業(株)製DSC RDC220)を用い以下の条件で測定した。
(i)試料約5mgを室温から30℃/分の昇温速度で200℃まで昇温し、昇温完了後、5分間保持した。
(ii)次いで、200℃から10℃/分の降温速度で−100℃まで降温した。
(iii)上記の降温完了後、5分間、保持した後、−100℃から10℃/分の昇温速度で200℃まで昇温した。
(iv)において観察されるピークが融解ピークであり、ピーク面積から融解熱量を算出した。
(5)共重合体(B)の分子量分布
ゲルパーミエイションクロマトグラフ(GPC)法を用い、下記の条件により測定を行った。
得られた結果から、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を算出し、分子量分布(Mw/Mn)を算出した。
装置:Waters社製 150C ALC/GPC
カラム:昭和電工社製Shodex Packed ColumnA−80M 2本
温度:140℃
溶媒:o−ジクロロベンゼン
溶出溶媒流速:1.0ml/min
試料濃度:1mg/ml
測定注入量:400μl
分子量標準物質:標準ポリスチレン
検出器:示差屈折
(6)発泡体の発泡セル状態の評価
発泡成形により得られたポリプロピレン系樹脂組成物発泡成形体のゲ−ト部から20mm離れた部位の断面と、ゲート部から100mm離れた部位の断面を目視で評価し、以下に示すように判定した。
○:天面ゲートから20mmと100mmの部位の発泡セル構造がほぼ同等で、発泡成形体の発泡状態が均一である
×:天面ゲートから100mmの部位の発泡セルに破れ、裂け等が見られ、発泡成形体の発泡状態が不均一である。
Figure 2008255190
D’成分5.0%は、ポリプロピレン1.5%と、タルク3.5%で構成されている。A、B、C成分および、D’成分中のポリプロピレンの合計が100重量%である。
実施例において作製したプロピレン重合体組成物発泡成形体の斜視図である。
符号の説明
1:ゲート
2:断面の発泡状態を評価した部位

Claims (3)

  1. プロピレン単独重合体(A−1)およびプロピレン−エチレン共重合体(A−2)からなる群から選ばれる少なくとも1種のプロピレン重合体(A)50〜90重量%と、
    下記のオレフィン系重合体(B)5〜20重量%と、
    下記のエチレン−α−オレフィン共重合体(C)5〜30重量%とを含有し、
    230℃、2.16kg荷重でのメルトインデックスが40〜200g/10分である発泡成形用ポリプロピレン系樹脂組成物(ただし、(A)と(B)と(C)の合計を100重量%とする)。
    オレフィン系重合体(B)は、プロピレン−エチレン−α−オレフィン共重合体(b1)25〜100重量%と、プロピレン単独重合体(b2)およびプロピレン−エチレン共重合体(b3)からなる群から選ばれる少なくとも1種のプロピレン重合体(b4)0〜75重量%からなる混合物100重量部を、(b1)と(b4)の混合物100重量部に対して0.001〜20重量部の有機過酸化物(b5)の存在下で熱処理して得られるオレフィン系重合体であり、230℃、2.16kg荷重でのメルトインデックスが10〜100g/10分である。(b1)のα−オレフィンの炭素数4〜20であり、分子量分布が1〜4であり、融解熱量が30J/g以下である。
    エチレン−α−オレフィン共重合体(C)は、α−オレフィンの炭素数が4〜20であり、密度が0.85〜0.89g/cm3のエチレン−α−オレフィン共重合体である。
  2. プロピレン単独重合体(A−1)およびプロピレン−エチレン共重合体(A−2)からなる群から選ばれる少なくとも1種のプロピレン重合体(A)50〜90重量%と、
    下記のオレフィン系重合体(B)5〜20重量%と、
    下記のエチレン−α−オレフィン共重合体(C)5〜30重量%とを含有するポリプロピレン系樹脂組成物(ただし、(A)と(B)と(C)の合計を100重量%とする)と、
    無機フィラー(D)とを含有する発泡成形用無機フィラー含有ポリプロピレン系樹脂組成物であって、前記ポリプロピレン系樹脂組成物100重量部に対して、無機フィラー(D)が0.1〜40重量部であり、230℃、2.16kg荷重でのメルトインデックスが40〜200g/10分である無機フィラー含有ポリプロピレン系樹脂組成物。
    オレフィン系重合体(B)は、プロピレン−エチレン−α−オレフィン共重合体(b1)25〜100重量%と、プロピレン単独重合体(b2)およびプロピレン−エチレン共重合体(b3)からなる群から選ばれる少なくとも1種のプロピレン重合体(b4)0〜75重量%からなる混合物100重量部を、(b1)と(b4)の混合物100重量部に対して0.001〜20重量部の有機過酸化物(b5)の存在下で熱処理して得られるオレフィン系重合体であり、230℃、2.16kg荷重でのメルトインデックスが10〜100g/10分である。(b1)のα−オレフィンの炭素数4〜20であり、分子量分布が1〜4であり、融解熱量が30J/g以下である。
    エチレン−α−オレフィン共重合体(C)は、α−オレフィンの炭素数が4〜20であり、密度が0.85〜0.89g/cm3のエチレン−α−オレフィン共重合体である。
  3. 請求項1に記載のポリプロピレン系樹脂組成物または、請求項2に記載の無機フィラー含有ポリプロピレン系樹脂組成物からなる発泡成形体。
JP2007097515A 2006-12-26 2007-04-03 ポリプロピレン系樹脂組成物およびそれからなる成形体 Expired - Fee Related JP5350600B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US12/520,446 US20090326123A1 (en) 2006-12-26 2006-12-26 Polypropylene resin composition and molded article made thereof
JP2007097515A JP5350600B2 (ja) 2007-04-03 2007-04-03 ポリプロピレン系樹脂組成物およびそれからなる成形体
CN200780051665.3A CN101611087B (zh) 2006-12-26 2007-12-26 聚丙烯类树脂组合物及含有其的成形体
PCT/JP2007/075386 WO2008081980A1 (ja) 2006-12-26 2007-12-26 ポリプロピレン系樹脂組成物およびそれからなる成形体
DE112007003153.0T DE112007003153B4 (de) 2006-12-26 2007-12-26 Polypropylenharzzusammensetzung, daraus hergestelltes Formteil und Verwendung der Zusammensetzung

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007097515A JP5350600B2 (ja) 2007-04-03 2007-04-03 ポリプロピレン系樹脂組成物およびそれからなる成形体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008255190A true JP2008255190A (ja) 2008-10-23
JP5350600B2 JP5350600B2 (ja) 2013-11-27

Family

ID=39979097

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007097515A Expired - Fee Related JP5350600B2 (ja) 2006-12-26 2007-04-03 ポリプロピレン系樹脂組成物およびそれからなる成形体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5350600B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010038777A1 (ja) 2008-09-30 2010-04-08 ユニ・チャーム株式会社 吸収性物品の製造方法
JP2010121054A (ja) * 2008-11-20 2010-06-03 Japan Polypropylene Corp ポリプロピレン系樹脂組成物およびその発泡ブロー成形体
JP2010121053A (ja) * 2008-11-20 2010-06-03 Japan Polypropylene Corp ポリプロピレン系樹脂組成物およびその発泡ブロー成形体

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08176363A (ja) * 1994-12-21 1996-07-09 Gunze Ltd ポリオレフィン系樹脂組成物
JPH10120845A (ja) * 1996-10-24 1998-05-12 Mitsubishi Chem Corp 熱可塑性エラストマー組成物
WO1999011705A1 (fr) * 1997-08-28 1999-03-11 Mitsui Chemicals, Inc. Composition d'elastomere d'olefine thermoplastique
JPH11302473A (ja) * 1998-02-23 1999-11-02 Sumitomo Chem Co Ltd 熱可塑性エラストマ―組成物
JP2002105258A (ja) * 2000-07-27 2002-04-10 Basell Technology Co Bv 透明なエラストマー熱可塑性ポリオレフィン組成物
JP2004292668A (ja) * 2003-03-27 2004-10-21 Sumitomo Chem Co Ltd オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物および該組成物からなる成形体
JP2006056914A (ja) * 2004-08-17 2006-03-02 Sumitomo Chemical Co Ltd 押出ラミネート用樹脂組成物および積層体
JP2006225537A (ja) * 2005-02-18 2006-08-31 Sumitomo Chemical Co Ltd ポリプロピレン系樹脂組成物およびそれからなるシート

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08176363A (ja) * 1994-12-21 1996-07-09 Gunze Ltd ポリオレフィン系樹脂組成物
JPH10120845A (ja) * 1996-10-24 1998-05-12 Mitsubishi Chem Corp 熱可塑性エラストマー組成物
WO1999011705A1 (fr) * 1997-08-28 1999-03-11 Mitsui Chemicals, Inc. Composition d'elastomere d'olefine thermoplastique
JPH11302473A (ja) * 1998-02-23 1999-11-02 Sumitomo Chem Co Ltd 熱可塑性エラストマ―組成物
JP2002105258A (ja) * 2000-07-27 2002-04-10 Basell Technology Co Bv 透明なエラストマー熱可塑性ポリオレフィン組成物
JP2004292668A (ja) * 2003-03-27 2004-10-21 Sumitomo Chem Co Ltd オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物および該組成物からなる成形体
JP2006056914A (ja) * 2004-08-17 2006-03-02 Sumitomo Chemical Co Ltd 押出ラミネート用樹脂組成物および積層体
JP2006225537A (ja) * 2005-02-18 2006-08-31 Sumitomo Chemical Co Ltd ポリプロピレン系樹脂組成物およびそれからなるシート

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010038777A1 (ja) 2008-09-30 2010-04-08 ユニ・チャーム株式会社 吸収性物品の製造方法
JP2010121054A (ja) * 2008-11-20 2010-06-03 Japan Polypropylene Corp ポリプロピレン系樹脂組成物およびその発泡ブロー成形体
JP2010121053A (ja) * 2008-11-20 2010-06-03 Japan Polypropylene Corp ポリプロピレン系樹脂組成物およびその発泡ブロー成形体

Also Published As

Publication number Publication date
JP5350600B2 (ja) 2013-11-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8871825B2 (en) Polypropylene resin composition, method for producing the same, and foam molded article
JP5513503B2 (ja) 改質ポリプロピレン組成物を調製するプロセス
US8552116B2 (en) Polypropylene resin, polypropylene resin composition, and foam-injection-molded article
WO2007142193A1 (ja) ポリプロピレン系樹脂組成物およびそれからなる自動車用射出成形体
JP2011528733A5 (ja)
JP5247067B2 (ja) ポリプロピレン系樹脂組成物およびそれからなる自動車用射出成形体
JP2010043162A (ja) ポリプロピレン系樹脂組成物およびその製造方法、ならびに、発泡成形体
US20090326123A1 (en) Polypropylene resin composition and molded article made thereof
JP2008019346A (ja) ポリプロピレン系樹脂組成物
JP5350600B2 (ja) ポリプロピレン系樹脂組成物およびそれからなる成形体
JP5548353B2 (ja) ポリプロピレン系樹脂組成物およびその製造方法、ならびに、発泡成形体
JP5548354B2 (ja) ポリプロピレン系樹脂組成物およびその製造方法、ならびに、発泡成形体
JP2007092050A (ja) プロピレン系樹脂組成物、その製造方法および射出成形体
JP2012229303A (ja) プロピレン系樹脂組成物及びその射出成形体
JP2006152271A (ja) ポリプロピレン系樹脂およびその射出発泡成形体
JP5176658B2 (ja) ポリプロピレン系樹脂組成物及びそれからなる発泡成形体
JP2008274265A (ja) ポリプロピレン系樹脂組成物及びそれからなる発泡成形体
JP6229384B2 (ja) ポリプロピレン系樹脂組成物およびそれからなる成形体
JP2014172915A (ja) 発泡用繊維強化ポリプロピレン系樹脂組成物及びそれを発泡成形してなる成形体
JP2009108229A (ja) ポリプロピレン系樹脂組成物及びその製造方法、並びに成形体
JP2008179795A (ja) ポリプロピレン系樹脂組成物およびそれからなる成形体
JP2010043160A (ja) ポリプロピレン系樹脂組成物、ポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法および発泡成形体
JP5076450B2 (ja) ポリプロピレン系樹脂組成物およびそれからなる成形体
JP2008274263A (ja) ポリプロピレン系樹脂組成物及びそれからなる発泡成形体
JP2014172916A (ja) 発泡用繊維強化ポリプロピレン系樹脂組成物及びそれを発泡成形してなる成形体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20091126

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121218

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130205

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130806

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130822

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5350600

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees