JP2008254941A - サファイア単結晶基板及びその製造方法 - Google Patents

サファイア単結晶基板及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】窒化物系化合物半導体素子、SOS(silicn−on−sapphire)デバイス等を作製する際のエピタキシャル成長法に好適な均一なステップ−テラス構造を有するサファイア単結晶基板をその傾斜角度に関わらず効率的に製造する方法を提供する。
【解決手段】(0001)面からの傾斜角度4が調整された主面を有し、かつ表面研磨されたサファイア単結晶基板を、不活性ガス雰囲気下、又は10容量%以下の酸素分圧を有する酸素ガス及び不活性ガスからなる混合ガス雰囲気下に熱処理を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、サファイア単結晶基板及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、窒化物系化合物半導体素子、SOS(silicn−on−sapphire)デバイス等を作製する際のエピタキシャル成長法に好適な均一なステップ−テラス構造を有するサファイア単結晶基板、及び該サファイア単結晶基板をその傾斜角度に関わらず効率的に製造する方法に関する。
従来、サファイア単結晶基板は、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ガリウム(GaN)、窒化インジウム(InN)、或いはこれらの混晶などからなる窒化物系半導体、又はSOS(silicn−on−sapphire)デバイス等を作製する際のエピタキシャル成長法用の基板として用いられている。
例えば、窒化物系半導体は、優れた発光・受光素子又は電子素子の材料として注目され、幅広く研究がなされている。この窒化物系半導体は、大型のバルク単結晶を作製することが著しく困難であるため、一般的にはサファイアなどの異種単結晶基板上に分子線エピタキシャル成長(MBE)法、有機金属気相成長(MOCVD)法、ハイドライド気相成長(HVPE)法などにより窒化物半導体膜をヘテロエピタキシャル成長することにより作製されている。
上記サファイア単結晶基板の製造方法としては、まず、一般的には、リボン結晶育成法(EFG法)、チョクラルスキー法(CZ法)などによって単結晶インゴットを作製し、次いで、単結晶インゴットを加工して、任意の結晶方位を表面に持ったウエハー形状の基板を得る。一般に、サファイア単結晶基板の形状は、円盤状であり、大きさは、2〜6インチ径(直径51〜154mm)及び厚さ0.3〜1mm程度である。また、サファイア単結晶基板の窒化物半導体をエピタキシャル成長させる側の表面は、清浄で、傷、スクラッチ及び微小な凹凸のない平滑かつ均一ないわゆる鏡面状態が望ましい。このため、特定の結晶面を露出させた後に、基板表面には、鏡面状態の表面を得るために、機械研磨及び化学研磨が行われる。しかしながら、機械研磨及び化学研磨を行っただけでは、表面にnmオーダーの凹凸、研磨時に生ずる引っかき傷、その他の研磨による損傷等の表面欠陥により、基板表面は均一な状態となっていない。このような欠陥を修復しないでおくと、基板上に成長させたエピタキシャル層にランダムに欠陥が増大し、特に電気的特性に悪影響を及ぼす。
この解決策として、基板の熱処理により、主面に均一なステップ−テラス構造を形成させることで、微少な凹凸、引っかき傷等を消失させて基板表面を均一化する方法が提案され、例えば、次の(イ)〜(ハ)の方法が開示されている。
なお、ステップ−テラス構造とは、原子層オーダーで階段状に原子が整列し、ステップとテラスが形成されている状態を示す。図1は、ステップ−テラス構造を有するサファイア単結晶基板の概略図である。ここで、主面の傾斜角度と熱処理条件により、ステップ−テラス構造を有するサファイア単結晶基板1は、特定の結晶面を優先的に再配列させ、同一結晶方位のテラス2及び直線状の規則的なステップ3をもち、特定の傾斜角度(オフアングル)4を有する基板表面が得られる。
(イ)サファイア基板の表面が、滑らかで真直ぐな境界を持つ結晶配列の揃った明確なテラスを含むように、サファイア基板を充分高温で充分長時間アニールする(例えば、特許文献1参照。)。ここで、アニールの雰囲気としては、サファイア表面テラスの形成速度を制御するため、基板を充分に酸化性雰囲気中で加熱する。または、サファイア表面テラスの化学量論比を制御するため、基板を充分に還元性雰囲気中で加熱する。なお、前記酸化性雰囲気としては、20%の酸素と80%のアルゴンからなる雰囲気と空気が開示されているのみである。
(ロ)単結晶サファイアのC(0001)面からA面方向に特定角度で傾斜させた面を主面とする単結晶サファイア基板において、特定の角度をパラメーターとする式を満たす加熱温度及び加熱時間で熱処理することにより、単結晶サファイア基板の主面にサファイアの酸素原子1層とそれに続くアルミニウム原子1層の高さで、滑らかで直線的な境界を有する単位ステップを規則的に形成する(例えば、特許文献2参照。)。ここで、傾斜の角度は0.05〜0.7°の範囲とすることが好ましく、角度が0.7°を超えると、熱処理条件に関わらず、単結晶サファイア基板表面上に単位ステップがうまく形成されないとしている。また、熱処理雰囲気に関しては開示されていない。
(ハ)サファイア単結晶基板上に成長させる異種物質の結晶格子にマッチングする原子ステップ高さに対応して該基板の面方位を選択し、該異種物質を成長させるに先立ち該基板を常圧雰囲気で900℃以上の温度に加熱する際、該基板の面方位に対応して加熱時間及び加熱温度を選択することによりサファイア基板表面の原子ステップ高さ及びテラス幅を制御する(例えば、特許文献3参照。)。ここで、前記常圧雰囲気としては、空気中が開示されているのみである。
上記(イ)〜(ハ)の方法では、主面を、所定の面方位のまま、或いは所定の面方位から微小な傾斜角度で傾斜させて作製したサファイア単結晶基板に特定の熱処理を行い、主面に均一なステップ−テラス構造を形成させることで、基板表面が均一化されるとしている。
ところで、近年、主面の傾斜角度を大きくしたサファイア単結晶基板を用いてエピタキシャル成長された薄膜表面には、マクロステップ(多原子層ステップ)が形成され、転位密度が著しく低減すること、すなわちマクロステップの形成が転位密度の低減に大きな役割を果たすことが報告されている。
例えば、サファイア単結晶基板上にエピタキシャル成長されたGaN層においては、該単結晶表面の傾斜角度が、分子線エピタキシャル成長(MBE)法の場合で1.0°以上、有機金属気相成長(MOCVD)法の場合は0.5°以上のときに、該GaN層の表面に多原子層高さのマクロステップが形成され、該GaN層の転位密度が低下することが開示されている(例えば、特許文献4参照。)。
また、主面が(0001)面のサファイア単結晶基板上に成長されたGaN膜の転位密度に関する研究において、表面の傾斜角度が2°のときに、転位密度が1桁程度低下することが報告されている(例えば、非特許文献1参照。)。
これらの技術によれば、傾斜角度が大きい基板上にエピタキシャル成長させると、基板上に形成されたステップを起点として2次元的に成長が起き、このとき、成長により形成されるステップは多原子層高さのマクロステップとなる。このマクロステップの横方向移動に起因した斜転位線が、成長方向(真上方向)に沿った転位線と転位ループを形成し、薄膜表面における貫通転位密度が低減されるとしている。これに対して、微小な傾斜角度の基板の場合には、単原子層ステップしかなく、マクロステップが形成されていない。
したがって、大きな、例えば、0.5°以上の傾斜角度を有するサファイア単結晶基板を用いて、その表面にエピタキシャル成長の起点となる均一なステップ−テラス構造を形成することができれば、転位密度が低減された薄膜を得ることができることになる。このため、大きな傾斜角度を有するサファイア単結晶基板に、上記(イ)〜(ハ)の方法に開示されるような従来の熱処理方法を応用したところ、その基板表面に均一なステップ−テラス構造を形成することが困難であった。すなわち、上記従来技術では、微小な傾斜角度の基板の表面にステップ−テラス構造を形成することができるが、これらの熱処理条件下では、大きな、例えば、1°以上の傾斜角度を有するサファイア単結晶基板において、その基板表面に均一なステップ−テラス構造を形成することができないことが判明した。
以上の状況から、サファイア単結晶基板の傾斜角度に関わらず、研磨等により形成された欠陥を無くし、均一なステップ−テラス構造を形成することができるサファイア単結晶基板の製造方法が求められていた。
特開平9−129651号公報(第1頁、第2頁) 特開2002−293692号公報(第1頁、第2頁) 特許3015261号(第1頁、第2頁) 特開2006−60164号公報(第1頁、第2頁) アプライド フィジクス レターズ(APPLIED PHISICS LETTERS),(米国),2005年, 86,021912
本発明の目的は、上記の従来技術の問題点に鑑み、窒化物系化合物半導体素子、SOS(silicn−on−sapphire)デバイス等を作製する際のエピタキシャル成長法に好適な均一なステップ−テラス構造を有するサファイア単結晶基板をその傾斜角度に関わらず効率的に製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために、サファイア単結晶基板の製造方法について、鋭意研究を重ねた結果、(0001)面からの傾斜角度が調整された主面を有し、かつ表面研磨されたサファイア単結晶基板を、特定のガス雰囲気下に熱処理を行ったところ、その傾斜角度に関わらず、エピタキシャル成長法に好適な均一なステップ−テラス構造を有するサファイア単結晶基板が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、(0001)面からの傾斜角度が調整された主面を有し、かつ表面研磨されたサファイア単結晶基板を、不活性ガス雰囲気下、又は10容量%以下の酸素分圧を有する酸素ガス及び不活性ガスからなる混合ガス雰囲気下に熱処理を行うことを特徴とするサファイア単結晶基板の製造方法が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、前記傾斜角度は、(0001)面から(11−20)面又は(1−100)面方向に0.05〜10°であることを特徴とするサファイア単結晶基板の製造方法が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明において、前記熱処理の温度は、700〜1700℃であることを特徴とするサファイア単結晶基板の製造方法が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第1〜3いずれかの発明の製造方法によって得られる、主面にステップ−テラス構造が形成されていることを特徴とするサファイア単結晶基板が提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、第4の発明において、前記主面の傾斜角度は、(0001)面から(11−20)面又は(1−100)面方向に1〜10°であることを特徴とするサファイア単結晶基板が提供される。
本発明のサファイア単結晶基板の製造方法は、サファイア単結晶基板の傾斜角度に関わらず、サファイア単結晶基板の主面に研磨等により形成された欠陥を除去すると同時に均一なステップ−テラス構造を形成することができ、それにより得られるサファイア単結晶基板を用いてエピタキシャル成長することにより、表面に起伏がなく、高品質な薄膜単結晶を作製することができるので、その工業的価値は極めて大きい。
この薄膜単結晶を用いて、優れた特性を有する窒化物系化合物半導体素子、SOS(silicn−on−sapphire)デバイス等の電子部品材料及び光学用部品材料が得られる。さらに、サファイア単結晶基板として、特に大きな傾斜角度を有するものを用いることにより、その上に形成する窒化物系半導体薄膜の転位密度を著しく低減させることできるので、この特性を活かした転位の少ない高特性の電子部品材料及び光学用部品材料が得られる。
以下、本発明のサファイア単結晶基板及びその製造方法を詳細に説明する。
本発明のサファイア単結晶基板の製造方法は、(0001)面からの傾斜角度が調整された主面を有し、かつ表面研磨されたサファイア単結晶基板を、不活性ガス雰囲気下、又は10容量%以下の酸素分圧を有する酸素ガス及び不活性ガスからなる混合ガス雰囲気下に熱処理を行うことを特徴とする。
本発明において、所定値に傾斜角度が調整された主面を有するサファイア単結晶基板を表面研磨し、その後不活性ガス雰囲気下、又は10容量%以下の酸素分圧を有する酸素ガス及び不活性ガスからなる混合ガス雰囲気下に熱処理を行うことが重要である。これによって、サファイア単結晶基板の主面に研磨等により形成された欠陥を除去すると同時に均一なステップ−テラス構造を形成することができる。
これに対して、従来の熱処理方法で用いられていた空気等の高酸素雰囲気下では、サファイヤ基板のエッチング(熱分解)レートが速いため、基板表面上に均一なステップ−テラス構造が形成されない。
上記製造方法に用いる(0001)面からの傾斜角度が調整された主面を有し、かつ表面研磨されたサファイア単結晶基板としては、特に限定されるものではなく、種々の方法により傾斜角度と表面が調製された基板が用いられる。
例えば、上記傾斜角度と表面が調製された基板を製造する方法としては、まず、サファイア単結晶を加工し、特定の結晶方位を主面とするウエハー形状の基板を得る工程、次いで、表面研磨する工程からなる方法が用いられる。
上記サファイア単結晶としては、特に限定されるものではなく、リボン結晶育成法(EFG法)、チョクラルスキー法(CZ法)などの通常の単結晶育成方法により製造されたものが用いられる
上記サファイア単結晶の加工工程としては、特に限定されるものではなく、単結晶インゴットから基板へ加工する際に従来から行われてきた一般的なウエハー加工プロセスが用いられる。例えば、まず、インゴットの円筒研削加工で、単結晶の直径をスライスされるウエハーの外径に調整する。次に、オリフラ加工で、円筒研削されたインゴットにウエハーの結晶方位や表裏を識別するために用いられるオリエンテーションフラットなどの切りかき状の形状を形成する。これらの加工には、ダイヤモンド固定砥石を用いた研削加工を用いるのが一般的である。次に、ウエハースライスで、インゴットから所定の結晶方位を主面とする所望の厚さのウエハーを切り出す。
上記主面としては、(0001)面、又は(0001)面から(11−20)面若しくは(1−100)面方向に所定の角度で傾斜させた面が選ばれる。すなわち、主面方位を低指数方向に傾斜させることにより、後続の熱処理において、直線的なステップが得られやすいからである。ここで、傾斜角度としては、特に限定されるものではなく、熱処理を行う雰囲気の条件にもよるが、0.05〜10°の範囲が好ましく、0.5〜10°がより好ましく、1〜10°がさらに好ましい。すなわち、傾斜角度が0.05°未満では、傾斜角度が小さすぎるので明瞭なステップ−テラス構造が形成されない。また、傾斜角度が0.5°未満では、それにより得られるサファイア単結晶基板を用いてエピタキシャル成長された薄膜にマクロステップが形成されにくいので、転移密度の低減が制限される。一方、傾斜角度が10°を超えると、テラス幅が狭くなりすぎて、明瞭なステップ−テラス構造が形成されない。
上記表面研磨工程としては、特に限定されるものではなく、特定の結晶方位を主面とするウエハー形状の基板の表面を機械的及び化学的に鏡面研磨する。表面研磨の方法としては、例えば、研磨材を使用して機械研磨した後、化学研磨液中で化学エッチングされた後、アルカリ、酸、及び有機洗浄を適宜組合せて表面洗浄される。この際、傾斜角度の精度を保持しつつ、平坦で歪やキズのない清浄な表面状態を達成することが肝要である。例えば、機械研磨及び化学研磨された後のサファイア単結晶基板は、電子間力顕微鏡(AFM:Atomic Force Microscope)測定で表面粗さ(Ra)が1nm程度の平滑な状態に鏡面仕上げされる。このような表面研磨は、後続の熱処理の過程で表面原子の面内拡散を均一化し、均一な高さをもつステップを形成する上で有効な前処理である。
上記サファイア単結晶の加工工程及び表面研磨工程により、(0001)面からの傾斜角度が調整された主面を有し、かつ表面研磨されたサファイア単結晶基板が得られる。しかしながら、このサファイア単結晶基板は、表面にnmオーダーの凹凸、研磨時に生ずる引っかき傷、その他の研磨による損傷等の表面欠陥を含み、基板表面は必ずしも十分に均一な状態となっているとはいえない。
上記熱処理としては、不活性ガス雰囲気下、又は10容量%以下の酸素分圧を有する酸素ガス及び不活性ガスからなる混合ガス雰囲気下、すなわち酸素を0〜10容量%の分圧で含む不活性ガス雰囲気下、好ましくは酸素を4〜10容量%の分圧で含む不活性ガス雰囲気下に行う。なお、不活性ガスには、窒素ガス又はアルゴン等の希ガスを含む。すなわち、熱処理のガス雰囲気として、不活性ガス雰囲気、又は10容量%以下の酸素分圧を有する酸素ガス及び不活性ガスからなる混合ガス雰囲気を用いることにより、直線的なステップを均一に形成することができる。一方、酸素分圧が10容量%を超えると、大きな、例えば、1°以上の傾斜角度では、基板表面上に均一なステップ−テラス構造が形成できなくなる。
これによって、サファイア単結晶基板の主面に上記研磨等により形成された欠陥を除去すると同時に均一なステップ−テラス構造を形成することができる。
上記熱処理の方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、まず、熱処理装置内に上記サファイア単結晶基板を設置し、処理室内の雰囲気を真空排気した後に、所定の酸素分圧になるように、不活性ガス又は酸素ガス及び不活性ガスからなる混合ガスを処理室内に導入して処理室内を大気圧とする。その後、所定温度に昇温して、所定時間加熱する。なお、真空排気を行うことは、必ずしも必要なことではないが、熱処理装置内を所定の酸素分圧に早く置換するために有効である。ここで、上記熱処理装置としては、抵抗加熱炉、赤外線加熱炉、誘導加熱炉等を適宜用いることができる。
上記熱処理の温度としては、特に限定されるものではないが、700〜2000℃が好ましく、700〜1700℃がより好ましい。すなわち、温度が700℃未満では、表面反応が促進されないので均一なステップ−テラス構造が形成できない。一方、上限温度としては、サファイアの融点(約2050℃)よりも低い2000℃以下が選ばれ、特に基板材料の分解により表面が荒れることを避けるためには1700℃以下が選ばれる。
上記熱処理の時間としては、特に限定されるものではなく、熱処理の温度により、適切なステップ−テラス構造が形成できる時間が選ばれる。
本発明の製造方法で得られるサファイア単結晶基板は、(0001)面からの傾斜角度が調整された主面を有し、主面に均一なステップ−テラス構造が形成されているものである。この中で、主面の傾斜角度が、(0001)面から(11−20)面又は(1−100)面方向に0.5〜10°であるサファイア単結晶基板は、それを用いてエピタキシャル成長することにより、転位の少ない高品質な薄膜単結晶を作製することができる。また、主面の傾斜角度が、(0001)面から(11−20)面又は(1−100)面方向に1〜10°であるサファイア単結晶基板は、さらに転位の少ない高品質な薄膜単結晶を作製することができるので好ましい。
以下に、本発明の実施例及び比較例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例によってなんら限定されるものではない。
(実施例1)
傾斜角度が(0001)面から(1−100)面方向に6°である主面を有するサファイア単結晶基板を準備し、その表面を機械研磨及び化学研磨により鏡面研磨した。研磨後のサファイア単結晶基板の表面は、AFM測定で、表面粗さ(Ra)が1nm以下であった。その後、熱処理装置(赤外線ゴールドイメージ炉 アルバック理工株式会社製 RHL−E64−VHT)にサファイア単結晶基板をセットし、処理室内の雰囲気を真空排気した後、雰囲気ガスとして、酸素濃度10容量%及び窒素濃度90容量%の混合ガスを処理室に導入し、処理室内を大気圧にした。次に、昇温し、1400℃の温度で30分間保持した後、室温まで冷却し、基板を取り出した。その後、得られたサファイア単結晶基板をAFMにより評価した。結果を図2に示す。図2は、傾斜角度6°の(0001)面サファイア単結晶基板を観察したAFM像である。図2より、基板表面には、研磨等により形成された欠陥が修復され均一なステップ−テラス構造が形成されていることが分かる。なお、上記サファイア単結晶基板を用いて、エピタキシャル成長することにより、転位の少ない高品質な薄膜単結晶を作製することができる。
(実施例2)
雰囲気ガスとして、酸素濃度4容量%及び窒素濃度96容量%の混合ガスを用いたこと以外は、実施例1と同様に行い、得られた基板をAFMにより評価した。結果を図3に示す。図3は、傾斜角度6°の(0001)面サファイア単結晶基板を観察したAFM像である。図3より、基板表面には、研磨等により形成された欠陥が修復され均一なステップ−テラス構造が形成されていることが分かる。なお、上記サファイア単結晶基板を用いて、エピタキシャル成長することにより、転位の少ない高品質な薄膜単結晶を作製することができる。
(実施例3)
雰囲気ガスとして、窒素ガスを用いたこと、及び熱処理の時間を120分としたこと以外は、実施例1と同様に行い、得られた基板をAFMにより評価した。結果を図4に示す。図4は、傾斜角度6°の(0001)面サファイア単結晶基板を観察したAFM像である。図4より、基板表面には、研磨等により形成された欠陥が修復され均一なステップ−テラス構造が形成されていることが分かる。なお、上記サファイア単結晶基板を用いて、エピタキシャル成長することにより、転位の少ない高品質な薄膜単結晶を作製することができる。
(実施例4)
傾斜角度が(0001)面から(1−100)面方向に3°である主面を有するサファイア単結晶基板を準備したこと以外は、実施例1と同様に行い、得られた基板をAFMにより評価した。結果を図5に示す。図5は、傾斜角度3°の(0001)面サファイア単結晶基板を観察したAFM像である。図5より、基板表面には、研磨等により形成された欠陥が修復され均一なステップ−テラス構造が形成されていることが分かった。なお、上記サファイア単結晶基板を用いて、エピタキシャル成長することにより、転位の少ない高品質な薄膜単結晶を作製することができる。
(実施例5)
傾斜角度が(0001)面から(1−100)面方向に0.75°である主面を有するサファイア単結晶基板を準備したこと以外は、実施例1と同様に行い、得られた基板をAFMにより評価した。結果を図6に示す。図6は、傾斜角度0.75°の(0001)面サファイア単結晶基板を観察したAFM像である。図6より、基板表面には、研磨等により形成された欠陥が修復され均一なステップ−テラス構造が形成されていることが分かった。なお、上記サファイア単結晶基板を用いて、エピタキシャル成長することにより、転位の少ない高品質な薄膜単結晶を作製することができる。
(比較例1)
雰囲気ガスとして、空気を用いたこと、及び熱処理の時間を60分としたこと以外は、実施例1と同様に行い、得られた基板をAFMにより評価した。結果を図7に示す。図7は、傾斜角度6°の(0001)面サファイア単結晶基板を観察したAFM像である。図7より、基板表面には、均一なステップ−テラス構造が形成されないことが分かる。
本発明のサファイア単結晶基板を利用することで、エピタキシャル成長法により、表面状態が良好で、かつ低転位密度の窒化物系半導体薄膜が得られ、高性能な電子部品材料、及び光学用部品材料となる。
ステップ−テラス構造を有するサファイア単結晶基板の構造を表わす図である。 実施例1で得られた、傾斜角度6°の(0001)面サファイア単結晶基板を観察したAFM像である。 実施例2で得られた、傾斜角度6°の(0001)面サファイア単結晶基板を観察したAFM像である。 実施例3で得られた、傾斜角度6°の(0001)面サファイア単結晶基板を観察したAFM像である。 実施例4で得られた、傾斜角度3°の(0001)面サファイア単結晶基板を観察したAFM像である。 実施例5で得られた、傾斜角度0.75°の(0001)面サファイア単結晶基板を観察したAFM像である。 比較例1で得られた、傾斜角度6°の(0001)面サファイア単結晶基板を観察したAFM像である。
符号の説明
1 ステップ−テラス構造を有するサファイア単結晶基板
2 テラス
3 ステップ
4 傾斜角度(オフアングル)

Claims (5)

  1. (0001)面からの傾斜角度が調整された主面を有し、かつ表面研磨されたサファイア単結晶基板を、不活性ガス雰囲気下、又は10容量%以下の酸素分圧を有する酸素ガス及び不活性ガスからなる混合ガス雰囲気下に熱処理を行うことを特徴とするサファイア単結晶基板の製造方法。
  2. 前記傾斜角度は、(0001)面から(11−20)面又は(1−100)面方向に0.05〜10°であることを特徴とする請求項1に記載のサファイア単結晶基板の製造方法。
  3. 前記熱処理の温度は、700〜1700℃であることを特徴とする請求項1又は2に記載のサファイア単結晶基板の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法によって得られる、主面にステップ−テラス構造が形成されていることを特徴とするサファイア単結晶基板。
  5. 前記主面の傾斜角度は、(0001)面から(11−20)面又は(1−100)面方向に1〜10°であることを特徴とする請求項4に記載のサファイア単結晶基板。
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