JP2008254589A - パワーシリンダの配管取付構造およびこれを用いる車両用操舵装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】部品点数が少なく、且つ組み立てにかかる手間を少なくすることのできるパワーシリンダの配管取付構造およびこれを用いた車両用操舵装置を提供すること。
【解決手段】シリンダチューブ9aと単一の材料で一体に形成された膨出部24が設けられている。膨出部24の第1の孔28は、シリンダチューブ9aの径方向Rに延びて油室15に連通するとともに、膨出部24の第1の面25に開口27を形成している。膨出部24の第2の孔30は、第1の孔28の中途部28aから第1の孔28と交差して延びており、配管17が接続されている。膨出部24に配管17を固定する板金製の固定部材35が、開口27を閉塞する閉塞領域38と、配管17の抜脱を防止するように配管17に係止する溝40の縁部40aと、膨出部24に係止する第1のかしめ部39とを備えている。
【選択図】図2
【解決手段】シリンダチューブ9aと単一の材料で一体に形成された膨出部24が設けられている。膨出部24の第1の孔28は、シリンダチューブ9aの径方向Rに延びて油室15に連通するとともに、膨出部24の第1の面25に開口27を形成している。膨出部24の第2の孔30は、第1の孔28の中途部28aから第1の孔28と交差して延びており、配管17が接続されている。膨出部24に配管17を固定する板金製の固定部材35が、開口27を閉塞する閉塞領域38と、配管17の抜脱を防止するように配管17に係止する溝40の縁部40aと、膨出部24に係止する第1のかしめ部39とを備えている。
【選択図】図2
Description
本発明は、パワーシリンダの配管取付構造およびこれを用いる車両用操舵装置に関する。
例えば、自動車等に備えられる油圧式パワーステアリング装置では、パワーシリンダの一対の油室の一方を油圧ポンプに接続し、他方を油タンクに接続するように、油圧制御弁が設けられている。油圧制御弁とパワーシリンダの油室とを連通するための配管の一端が、パワーシリンダのシリンダチューブに接続される(例えば、特許文献1〜3参照)。
特開平3−246164号公報
特開昭59−226703号公報
特開平9−86428号公報
シリンダチューブの周辺に機器(例えば、エンジンのオイルパン)が配置される等して配管用のスペースが少なく、特許文献2,3に示すような、配管の一端をシリンダチューブの径方向に延ばした状態でシリンダチューブに接続する構成を採用できない場合がある。このような場合には、特許文献1に記載されているように、シリンダチューブの一端をシリンダチューブと平行に配置することが考えられる。
具体的には、シリンダチューブにエルボ継手を溶接で固定する。そして、シリンダチューブと平行に延ばした配管の一端にフランジ部を形成してこのフランジ部をエルボ継手の差込穴に差し込み、配管の外周に遊嵌したナット部材を差込孔に螺合してフランジ部を押さえることにより、配管の一端をエルボ継手に固定する。
しかしながら、この場合、エルボ継手およびナットが必要であり、部品点数が多い。また、エルボ継手の固定に、手間のかかる溶接作業が必要である。同様の課題は、油圧式パワーステアリング装置に限らず、パワーシリンダを備える他の一般の装置にも存在する。
しかしながら、この場合、エルボ継手およびナットが必要であり、部品点数が多い。また、エルボ継手の固定に、手間のかかる溶接作業が必要である。同様の課題は、油圧式パワーステアリング装置に限らず、パワーシリンダを備える他の一般の装置にも存在する。
本発明は、かかる背景のもとでなされたもので、部品点数が少なく、且つ組み立てにかかる手間を少なくすることのできるパワーシリンダの配管取付構造およびこれを用いた車両用操舵装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、配管(17)をパワーシリンダ(9)のシリンダチューブ(9a)に接続するためのパワーシリンダ(9)の配管取付構造(S)において、シリンダチューブ(9a)と単一の材料で一体に形成され、シリンダチューブ(9a)の径方向(R)に膨出した膨出部(24)と、この膨出部(24)に配管(17)を固定するための固定部材(35)とを備え、上記膨出部(24)は、第1の面(25)と、第1の面(25)と交差する第2の面(26)と、当該膨出部(24)をシリンダチューブ(9a)の径方向(R)に貫通して第1の面(25)に開口(27)を形成する第1の孔(28)と、この第1の孔(28)の中途部(28a)から第1の孔(28)と交差する方向(E)に分岐して第2の面(26)を貫通する第2の孔(30)とを含み、上記固定部材(35)は、第1の面(25)に沿う第1の部分(36)と、第1の部分(36)の一端から延設され第2の面(26)に沿う第2の部分(37)と、第1の部分(36)に設けられ第1の孔(28)の開口(27)を閉塞する閉塞領域(38)と、膨出部(24)に係止するかしめ部(39)と、第2の孔(30)に接続された配管(17)の抜脱を防止するように配管(17)に係止する配管係止部(40a)とを含むことを特徴とするパワーシリンダ(9)の配管取付構造(S)を提供するものである(請求項1)。
なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表す。以下、この項において同じ。
本発明によれば、シリンダチューブの径方向と交差する方向(例えば、シリンダチューブと平行な方向)に延びる配管の一端を第2の孔に接続して膨出部に固定できる。配管の一端をシリンダチューブと平行な向き等に配置するのにエルボ継手が不要となり、部品点数を少なくできる。また、簡易な作業であるかしめ(塑性変形)作業によって、膨出部にかしめつけられた固定部材を用いて配管の抜脱を防止していることにより、配管の固定に際して手間のかかる溶接作業が必要なく、配管の組付作業に手間がかからない。
本発明によれば、シリンダチューブの径方向と交差する方向(例えば、シリンダチューブと平行な方向)に延びる配管の一端を第2の孔に接続して膨出部に固定できる。配管の一端をシリンダチューブと平行な向き等に配置するのにエルボ継手が不要となり、部品点数を少なくできる。また、簡易な作業であるかしめ(塑性変形)作業によって、膨出部にかしめつけられた固定部材を用いて配管の抜脱を防止していることにより、配管の固定に際して手間のかかる溶接作業が必要なく、配管の組付作業に手間がかからない。
また、本発明において、上記固定部材(35)の第1の部分(36)の閉塞領域(38)と第1の孔(28)の開口縁部(51)との間に介在し両者間を封止する環状の弾性部材(43)を備える場合がある(請求項2)。この場合、第1の孔と第1の部分の閉塞領域との間からシリンダチューブ内の作動流体が漏れることを防止できる。
また、本発明において、上記弾性部材(43)は、第1の孔(28)の開口縁部(51)に設けられた環状溝(42)に収容されている場合がある(請求項3)。この場合、環状溝に弾性部材を配置することで弾性部材の位置決めを容易に行うことができる。
また、本発明において、上記弾性部材(43)は、第1の孔(28)の開口縁部(51)に設けられた環状溝(42)に収容されている場合がある(請求項3)。この場合、環状溝に弾性部材を配置することで弾性部材の位置決めを容易に行うことができる。
また、本発明において、上記かしめ部(39)は、第1の部分(36)の他端から延設され第2の部分(37)に平行な第3の部分(47)と、第3の部分(47)から延設され第1の部分(36)に平行な第4の部分(48)とを含む場合がある(請求項4)。この場合、固定部材の一部を折り曲げて塑性変形させるという簡易な作業でかしめ部を形成できる。
また、本発明において、上記配管係止部(40a)は、第2の部分(37)のうち第1の部分(36)に接続された端部(37a)とは反対側の端部(37b)に延びて開放する溝(40)の縁部(40a)を含む場合がある(請求項5)。この場合、溝の縁部を配管に嵌めるという簡易な作業で、配管係止部と配管とを係合することができる。
また、本発明において、操舵補助力を発生するパワーシリンダ(9)のシリンダチューブ(9a)に、上記のパワーシリンダ(9)の配管取付構造(S)を用いて配管(17)が取り付けられる場合がある(請求項6)。この場合、シリンダチューブの径方向と交差する方向から配管をシリンダチューブに取り付けることができ、配管のレイアウトの自由度を高くできる。配置スペースに制約の大きい車両用操舵装置に好適である。
また、本発明において、操舵補助力を発生するパワーシリンダ(9)のシリンダチューブ(9a)に、上記のパワーシリンダ(9)の配管取付構造(S)を用いて配管(17)が取り付けられる場合がある(請求項6)。この場合、シリンダチューブの径方向と交差する方向から配管をシリンダチューブに取り付けることができ、配管のレイアウトの自由度を高くできる。配置スペースに制約の大きい車両用操舵装置に好適である。
本発明の好ましい実施の形態を添付図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の一実施の形態にかかるパワーシリンダの配管取付構造が適用された、車両用操舵装置としての油圧式パワーステアリング装置の要部の一部破断側面図である。図1を参照して、パワーステアリング装置1は、ラック歯2aを有するラック軸2とピニオン(図示せず)を含む油圧式パワーアシスト付きのラックアンドピニオン機構を備えている。
図1は、本発明の一実施の形態にかかるパワーシリンダの配管取付構造が適用された、車両用操舵装置としての油圧式パワーステアリング装置の要部の一部破断側面図である。図1を参照して、パワーステアリング装置1は、ラック歯2aを有するラック軸2とピニオン(図示せず)を含む油圧式パワーアシスト付きのラックアンドピニオン機構を備えている。
ラック軸2は、車体の左右方向に延設される筒状のラックハウジング3およびこのラックハウジング3の一端に連なるギヤハウジング4の内部に、軸長方向に摺動自在に支持されている。ラック軸2の両端部は、図示しない前輪にそれぞれ連なるタイロッド5にボールジョイント6を介して連結されている。
ラック軸2の一部にはロッド7が形成され、このロッド7と、ロッド7の周囲を取り囲むラックハウジング3との間を、左右一対のロッドシール8,8で封止することにより、操舵補助力発生用のパワーシリンダ9が構成されている。したがって、ラックハウジング3の一部によってパワーシリンダ9のシリンダチューブ9aが構成されることになる。
ラック軸2の一部にはロッド7が形成され、このロッド7と、ロッド7の周囲を取り囲むラックハウジング3との間を、左右一対のロッドシール8,8で封止することにより、操舵補助力発生用のパワーシリンダ9が構成されている。したがって、ラックハウジング3の一部によってパワーシリンダ9のシリンダチューブ9aが構成されることになる。
ギヤハウジング4側のロッドシール8は、シリンダチューブ9a内において後述する支持筒部10の端部に当接する位置に圧入されている。他方のロッドシール8は、シリンダチューブ9aの端部に固定されるラックブッシュ21に当接して位置決めされている。
ギヤハウジング4は、ラックハウジング3の一端に圧入連結される支持筒部10と、この支持筒部10に対して斜交する態様で斜め上方へ延びる主ハウジング11とを備えている。
ギヤハウジング4は、ラックハウジング3の一端に圧入連結される支持筒部10と、この支持筒部10に対して斜交する態様で斜め上方へ延びる主ハウジング11とを備えている。
パワーステアリング装置1の入力軸12の一端が、主ハウジング11から突出してステアリングホイール等の操舵部材13に一体回転可能に連結されている。主ハウジング11内には、図示していないが、ピニオンを形成する出力軸と、入力軸12および出力軸を互いに相対角変位可能に連結するトーションバーとが収容されている。
また、主ハウジング11の上部の内部には、入、出力軸間の相対角変位に基づいて油圧ポンプPからの圧油を、ピストン14によって互いに仕切られるパワーシリンダ9の左右の油室15,16の一方に択一的に供給すると共に、他方の油室からの油を油タンクTに戻すコントロールバルブCが内蔵されている。パワーシリンダ9への油圧の給排を司る油制御装置Aは、主ハウジング11の上部からなるハウジングHと、このハウジングH内に内蔵されるコントロールバルブCとを含んで構成されている。
また、主ハウジング11の上部の内部には、入、出力軸間の相対角変位に基づいて油圧ポンプPからの圧油を、ピストン14によって互いに仕切られるパワーシリンダ9の左右の油室15,16の一方に択一的に供給すると共に、他方の油室からの油を油タンクTに戻すコントロールバルブCが内蔵されている。パワーシリンダ9への油圧の給排を司る油制御装置Aは、主ハウジング11の上部からなるハウジングHと、このハウジングH内に内蔵されるコントロールバルブCとを含んで構成されている。
パワーシリンダ9の各油室15,16は、それぞれ対応する配管17,18を介してコントロールバルブCに接続されている。具体的には、一方の配管17が、油制御装置AのハウジングHの周面に形成されてコントロールバルブCに連通する第1のポート19と、パワーシリンダ9のシリンダチューブ9aに形成されて油室15に連通する第2のポート20とを連通している。配管17の端部17aは、後述する膨出部24を介してパワーシリンダ9のシリンダチューブ9aに接続されており、この配管17の取付構造Sにより、本実施の形態のパワーシリンダの配管取付構造が構成されている。
また、他方の配管18が、油制御装置AのハウジングHの周面に形成されてコントロールバルブCに連通する第1のポート22と、パワーシリンダ9のシリンダチューブ9aに形成されて油室16に連通する第2のポート23とを連通している。
図2は、取付構造Sの要部の断面図である。図3は、取付構造Sの要部の平面図である。図4は、取付構造Sの要部の一部分解斜視図である。図2を参照して、シリンダチューブ9aと単一の材料(例えば、アルミニウム合金)で一体に形成された膨出部24が、シリンダチューブ9aの径方向Rの外方に膨出している。
図2は、取付構造Sの要部の断面図である。図3は、取付構造Sの要部の平面図である。図4は、取付構造Sの要部の一部分解斜視図である。図2を参照して、シリンダチューブ9aと単一の材料(例えば、アルミニウム合金)で一体に形成された膨出部24が、シリンダチューブ9aの径方向Rの外方に膨出している。
膨出部24は、互いに交差する側面としての第1および第2の面25,26を含んでいる。第1の面25は、シリンダチューブ9aの軸線Bと平行に延びており、第2の面26は、シリンダチューブ9aの軸線Bと直交して延びて第1の面25と直交している。なお第1の面25と第2の面26とは、互いに交差していればよく、互いに傾いて交差していてもよい。
膨出部24は、この膨出部24をシリンダチューブ9aの径方向Rに貫通して第1の面25に開口27を形成するともにシリンダチューブ9aの第2のポート20に連通する第1の孔28と、第1の孔28の軸線方向Dに関する中途部28aから第1の孔28と交差する交差方向Eに分岐して第2の面26を貫通し、第2の面26に開口29を形成する第2の孔30とを有している。
第1の孔28は、シリンダチューブ9aの径方向Rに沿ってドリル等の工具を進めて膨出部24に穿孔することにより、容易に形成することができる。交差方向Eは、例えば、第1の孔28の軸線方向Dと直交し且つシリンダチューブ9aの軸線Bに平行な方向とされている。なお、交差方向Eは、第1の孔28の軸線方向Dと交差していればよく、軸線方向Dに対して傾斜していてもよい。第2の孔30は、交差方向Eに沿ってドリル等の工具を進めて膨出部24に穿孔することにより、容易に形成することができる。
配管17の端部17aは、第2の孔30に差し込まれており、第2の孔30、第1の孔28および第2のポート20を介して油室15に連通している。配管17の端部17aには、膨出により形成された中間フランジ31が設けられている。この中間フランジ31よりも末端の部分は、先にいくほど拡径されたフレア部32となっている。
フレア部32には、中間フランジ31に接する状態で、封止部材としてのOリング33が外嵌されており、Oリング33が、フレア部32の外周と第2の孔30の内周との間を封止している。中間フランジ31は、第2の孔30の入口縁部に形成された環状溝34に収容されており、第2の面26から突出しないようにされている。
フレア部32には、中間フランジ31に接する状態で、封止部材としてのOリング33が外嵌されており、Oリング33が、フレア部32の外周と第2の孔30の内周との間を封止している。中間フランジ31は、第2の孔30の入口縁部に形成された環状溝34に収容されており、第2の面26から突出しないようにされている。
図2および図4を参照して、膨出部24には固定部材35が取り付けられており、固定部材35によって配管17の端部17aが膨出部24に固定されている。固定部材35は、板金部材を用いて形成されており、第1の面25に沿う第1の部分36と、第1の部分36の一端から延設され第2の面26に沿う第2の部分37と、第1の部分36に設けられ第1の孔28の開口27を閉塞する閉塞領域38と、膨出部24に係止する第1のかしめ部39と、第2の孔30に接続された配管17の抜脱を防止するように配管17の端部17aに係止する配管係止部としての溝40の縁部40aと、を含んでいる。
第1の部分36は、細長い平坦な板状をなしており、第1の面25に形成された凹溝25aに収容されて第1の面25からシリンダチューブ9の径方向Rに突出しないようにされている。閉塞領域38は、第1の部分36の中央部に配置されており、第1の孔28、および第1の孔28の開口縁部51に設けられた環状溝42を覆っている。
環状溝42には、封止部材としての環状の弾性部材43が収容されている。弾性部材43は、例えばOリングからなり、固定部材35の第1の部分36の閉塞領域38と第1の孔28の開口縁部51との間に介在して両者と液密的に接触し、閉塞領域38と開口縁部51との間を封止している。
環状溝42には、封止部材としての環状の弾性部材43が収容されている。弾性部材43は、例えばOリングからなり、固定部材35の第1の部分36の閉塞領域38と第1の孔28の開口縁部51との間に介在して両者と液密的に接触し、閉塞領域38と開口縁部51との間を封止している。
溝40の縁部40aは、第2の部分37に設けられている。この溝40の縁部40aは、第2の部分37のうち第1の部分36に接続された一端部37aとは反対側の端部である他端部37bから、これら一端部37aと他端部37bとの間の中間部にかけて設けられており、中間部から他端部37bに延びて開放するU字状をなしている。
溝40の幅Fは、配管17の外径Gと略同じにされている(F≒G)。溝40の縁部40aに配管17が挿通されており、この縁部40aが、配管17の中間フランジ31を受けている。これにより、中間フランジ31は、溝40の縁部40aと第2の孔30の環状溝34の底面34aとに挟持されて固定されている。
溝40の幅Fは、配管17の外径Gと略同じにされている(F≒G)。溝40の縁部40aに配管17が挿通されており、この縁部40aが、配管17の中間フランジ31を受けている。これにより、中間フランジ31は、溝40の縁部40aと第2の孔30の環状溝34の底面34aとに挟持されて固定されている。
図3および図4を参照して、第2の部分37には、溝40の縁部40aを挟んだ両端に第2のかしめ部44がそれぞれ設けられている。各第2のかしめ部44は、膨出部24の第2の面26の裏側に回りこむようにU字状に折り曲げられて塑性変形されており、これら第2のかしめ部44に対応して膨出部24の一端に一対の第2の鍔部45が形成されている。各第2のかしめ部44は、対応する第2の鍔部45にそれぞれかしめつけられている。
図3および図5を参照して、各第2のかしめ部44の先端44aは、膨出部24に設けられて第1の面25とは反対を向く受け面46に受けられて、第2の鍔部45からの抜けを防止されている。
図2および図4を参照して、第1のかしめ部39は、固定部材35の一部を塑性変形して形成されており、第1の部分36の他端から延設され第2の部分37に平行な第3の部分47と、第3の部分47から延設され第1の部分36に平行な第4の部分48とを含んでいる。
図2および図4を参照して、第1のかしめ部39は、固定部材35の一部を塑性変形して形成されており、第1の部分36の他端から延設され第2の部分37に平行な第3の部分47と、第3の部分47から延設され第1の部分36に平行な第4の部分48とを含んでいる。
第3の部分47は、膨出部24のうち第2の面26が形成された端部とは反対側の端部に形成された第1の鍔部49の一側面49aに接している。第4の部分48は、第3の部分47に対して折り曲げて形成され、第1の鍔部49の裏面49bに当接している。
上記の構成により、固定部材35は、溝40の縁部40aと配管17との係合によって、溝40の幅方向に移動することが規制され、第1および第2のかしめ部39,44と対応する第1の鍔部49の裏面49bおよび受け面46とのそれぞれの係合によって、第1の面25からの浮き上がりが防止され、第2の部分37と第1のかしめ部39の第3の部分47とが膨出部24を挟み込むことにより、シリンダチューブ9aの軸方向への移動が規制されている。
上記の構成により、固定部材35は、溝40の縁部40aと配管17との係合によって、溝40の幅方向に移動することが規制され、第1および第2のかしめ部39,44と対応する第1の鍔部49の裏面49bおよび受け面46とのそれぞれの係合によって、第1の面25からの浮き上がりが防止され、第2の部分37と第1のかしめ部39の第3の部分47とが膨出部24を挟み込むことにより、シリンダチューブ9aの軸方向への移動が規制されている。
固定部材35は、配管17の端部17aを第2の孔30に差し込み、且つ弾性部材43を第1の孔28の環状溝42に載置した後で、膨出部24に取り付けられる。具体的には、固定部材35の第1の部分36の他端から延設された部分(第1のかしめ部39となる部分)を図4の2点鎖線Jで示すように真っ直ぐに延ばし、且つ第2の部分37の溝40を挟んだ両側部分(第2のかしめ部44となる部分)を図4の2点鎖線Kで示すように真っ直ぐに延ばしておく。この状態で、溝40の縁部40aに配管17を通して第1の部分36が第1の面25の凹溝25aに嵌った後に、上記図4の2点鎖線J,kで示す部分をそれぞれ折り曲げて(塑性変形して)、対応する第1の鍔部49および第2の鍔部45にかしめつけて、第1のかしめ部39および第2のかしめ部44を形成する。
以上説明したように、本実施の形態によれば、以下の作用効果を発揮することができる。すなわち、シリンダチューブ9aの径方向Rと交差する方向としてのシリンダチューブ9aと平行な方向に延びる配管17の端部17aを第2の孔30に接続して膨出部24に固定できる。配管17の端部17aをシリンダチューブ9aと平行な向きに配置するのにエルボ継手が不要となり、部品点数を少なくできる。
また、簡易な作業であるかしめ(塑性変形)作業によって、膨出部24にかしめつけられた固定部材35を用いて、配管17の抜脱を防止している。これにより、配管17の固定に際して手間のかかる溶接作業が必要なく、配管17の組付作業に手間がかからない。製造コストも安く済ますことができる。
また、固定部材35の第1の部分36の閉塞領域38と第1の孔28の開口縁部51との間に弾性部材43を設けることにより、第1の孔28と第1の部分36の閉塞領域38との間からシリンダチューブ9a内の作動流体が漏れることを防止できる。
また、固定部材35の第1の部分36の閉塞領域38と第1の孔28の開口縁部51との間に弾性部材43を設けることにより、第1の孔28と第1の部分36の閉塞領域38との間からシリンダチューブ9a内の作動流体が漏れることを防止できる。
さらに、弾性部材43を、第1の孔28の開口縁部51の環状溝42に収容している。これにより、環状溝42に弾性部材43を配置することで弾性部材43の位置決めを容易に行うことができる。
また、第1のかしめ部39が第3の部分47と第4の部分48とを含む構成にしている。これにより、固定部材35の一部を折り曲げて塑性変形させるという簡易な作業で第1のかしめ部39を形成できる。
また、第1のかしめ部39が第3の部分47と第4の部分48とを含む構成にしている。これにより、固定部材35の一部を折り曲げて塑性変形させるという簡易な作業で第1のかしめ部39を形成できる。
同様に、固定部材35の一部を折り曲げて塑性変形させるという簡易な作業で第2のかしめ部44を形成できる。
さらに、配管17の径方向の外方から溝40の縁部40aを配管17に嵌めるという簡易な作業で、溝40の縁部40aと配管17の中間フランジ31とを係合することができる。
さらに、配管17の径方向の外方から溝40の縁部40aを配管17に嵌めるという簡易な作業で、溝40の縁部40aと配管17の中間フランジ31とを係合することができる。
また、シリンダチューブ9aの径方向Rと交差する交差方向Eから配管17をシリンダチューブ9aに取り付けることができ、シリンダチューブ9aの近くに機器(例えば、エンジンのオイルパン)が配設されている場合でもこの機器に干渉することなく配管17をシリンダチューブ9aに接続でき、配管17のレイアウトの自由度を高くできる。配置スペースに制約の大きい車両のパワーステアリング装1に好適である。
さらに、第1および第2のかしめ部39,44の屈曲部分を真っ直ぐになるように変形させることにより、第1のかしめ部39と第1の鍔部49との係合、および第2のかしめ部44と第2の鍔部45との係合がそれぞれ解除され、固定部材35を膨出部24から容易に取り外すことができる。配管17やシリンダチューブ9aの分解・メンテナンス作業を容易に行うことができる。
本発明は、以上の実施の形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。例えば、図6に示すように、固定部材35の第1の部分36の閉塞領域38の一部に凸部50を設けて弾性部材43の内周と接触させてもよい。この場合、閉塞領域38と弾性部材43との密着をより高めて作動流体の漏れをより確実に防止することができる。
その他、本発明は、操舵部材と舵取り機構との機械的な連結が解かれた、いわゆるステアバイワイヤシステムの車両用操舵装置において、操舵用アクチュエータとしてのパワーシリンダの配管の取付構造に適用することができ、また、パワーシリンダを備える他の一般の装置における配管の取付構造に適用することができる。
1…パワーステアリング装置(車両用操舵装置)、9…パワーシリンダ、9a…シリンダチューブ、17…配管、24…膨出部、25…第1の面、26…第2の面、27…(第1の孔の)開口、28…第1の孔、28a…(第1の孔の)中途部、30…第2の孔、35…固定部材、36…第1の部分、37…第2の部分、37a(第2の部分の)一端部(第1の部分に接続された端部)、37b…(第2の部分の)他端部(反対側の端部)、38…閉塞領域、39…第1のかしめ部(かしめ部)、40…溝、40a…(溝の)縁部(配管係止部)、42…環状溝、43…弾性部材、47…第3の部分、48…第4の部分、51…(第1の孔の)開口縁部、E…交差方向(交差する方向)、R…(シリンダチューブの)径方向、S…配管取付構造。
Claims (6)
- 配管をパワーシリンダのシリンダチューブに接続するためのパワーシリンダの配管取付構造において、
シリンダチューブと単一の材料で一体に形成され、シリンダチューブの径方向に膨出した膨出部と、
この膨出部に配管を固定するための固定部材とを備え、
上記膨出部は、第1の面と、第1の面と交差する第2の面と、当該膨出部をシリンダチューブの径方向に貫通して第1の面に開口を形成する第1の孔と、この第1の孔の中途部から第1の孔と交差する方向に分岐して第2の面を貫通する第2の孔とを含み、
上記固定部材は、第1の面に沿う第1の部分と、第1の部分の一端から延設され第2の面に沿う第2の部分と、第1の部分に設けられ第1の孔の開口を閉塞する閉塞領域と、膨出部に係止するかしめ部と、第2の孔に接続された配管の抜脱を防止するように配管に係止する配管係止部とを含むことを特徴とするパワーシリンダの配管取付構造。 - 請求項1において、上記固定部材の第1の部分の閉塞領域と第1の孔の開口縁部との間に介在し両者間を封止する環状の弾性部材を備えることを特徴とするパワーシリンダの配管取付構造。
- 請求項2において、上記弾性部材は、第1の孔の開口縁部に設けられた環状溝に収容されていることを特徴とするパワーシリンダの配管取付構造。
- 請求項1〜3の何れか1項において、上記かしめ部は、第1の部分の他端から延設され第2の部分に平行な第3の部分と、第3の部分から延設され第1の部分に平行な第4の部分とを含むことを特徴とするパワーシリンダの配管取付構造。
- 請求項1〜4の何れか1項において、上記配管係止部は、第2の部分のうち第1の部分に接続された端部とは反対側の端部に延びて開放する溝の縁部を含むことを特徴とするパワーシリンダの配管取付構造。
- 操舵補助力を発生するパワーシリンダのシリンダチューブに、請求項1〜5の何れか1項に記載のパワーシリンダの配管取付構造を用いて配管が取り付けられたことを特徴とする車両用操舵装置。
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---|---|---|---|
JP2007099226A JP2008254589A (ja) | 2007-04-05 | 2007-04-05 | パワーシリンダの配管取付構造およびこれを用いる車両用操舵装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011027051A (ja) * | 2009-07-28 | 2011-02-10 | Hitachi Koki Co Ltd | 空気圧縮機 |
-
2007
- 2007-04-05 JP JP2007099226A patent/JP2008254589A/ja active Pending
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