JP2008254034A - 金属スラブの幅圧下方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】金属スラブ10を複数の搬送用ロールにより搬送しながら、その幅方向両側に対向配置された圧下用ロール11、12により、その搬送方向に渡って幅圧下する前に、金属スラブ10の幅方向両側に対向配置され、その両側面と平行な押圧部と、これに連接する傾斜部とを有する一対の金型13、14により、金属スラブ10の搬送方向の両端部をプレスする方法であって、金属スラブ10の搬送方向の両端部を金型13、14によりプレスし、金属スラブ10の基側から先側および後側へかけて縮幅する斜辺部と、これに連接しこの長さより長い予備平行部を形成した後、その少なくとも基側の一部を除く部分に対し、更に金型13、14によりプレスする。
【選択図】図1
Description
そこで、このクロップの形成を抑制しながら、スラブの幅圧下を行う方法として、以下に示す方法が提案されていた。
また、特許文献2には、スラブの先端部と後端部を先細形状にプレス処理(予成形)した後、このスラブの幅をその全長に渡って所定幅まで減少させる幅圧下方法が開示されている。
なお、スラブの予成形は、金属スラブの幅方向両側に対向配置され、しかも金属スラブの両側面と平行な押圧部と、この押圧部に連接して設けられた傾斜部とを有する一対の金型により行っている。
また、スラブの予成形の際に使用する金型は、金属スラブの両側面と平行な押圧部と、これに連接する傾斜部とを有するため、プレスによる1回の幅圧下量が大きくなるとともに、スラブと金型との接触面積が増加し、プレスに要する荷重が増大する。このため、このプレス荷重を実現するために、大がかりな新たな設備を建設する必要があり、経済的でない。
前記金属スラブの搬送方向の両端部を前記一対の金型によりそれぞれプレスし、該金属スラブの基側から先側および後側へかけて縮幅する斜辺部と、これに連接し、かつ該斜辺部の長さより長い予備平行部を形成した後、該予備平行部の少なくとも基側の一部を除く部分に対し更に前記一対の金型によりプレスして、新たな斜辺部と平行部を形成する。
手段(3)は、手段(1)および手段(2)において、前記平行部の形成は、前記金属スラブの搬送を停止した状態で、前記一対の金型を用いて繰り返しプレスすることにより行う。
手段(4)は、手段(3)において、前記一対の金型により前記繰り返しプレスを行って形成される前記金属スラブの幅と同一幅となるように、該金属スラブを搬送し前記一対の金型によるプレス位置をずらしながら繰り返しプレスすることにより行う。
手段(6)は、手段(1)〜手段(5)において、前記金属スラブの前記平行部の最小幅は、プレス前の前記金属スラブの幅の30%以上75%以下である。
手段(7)は、手段(1)〜手段(6)において、前記金属スラブの側面と、前記一対の金型の傾斜部の接触面とのなす角は、10度以上30度以下である。
更に、金属スラブを搬送し金型によるプレス位置をずらしながら繰り返しプレスする場合、そのプレスする領域を調整することにより、プレス荷重が過剰にかかることを防止できる。また、金属スラブに対する金型の押圧部の接触長さよりも長い平行部を、容易に形成できる。
更に、金属スラブの側面と金型の傾斜部の接触面とのなす角を規定する場合、金属スラブと金型との接触面積が過剰に大きくなることなく、しかも金型を滑らすことなく、金属スラブの予成形ができる。
ここで、図1は本発明の一実施の形態に係る金属スラブの幅圧下方法の説明図、図2は同金属スラブの幅圧下方法で使用するプレス式幅圧下装置の斜視図、図3は同金属スラブの幅圧下方法で使用する他のプレス式幅圧下装置の斜視図、図4(A)は同金属スラブの幅圧下方法で1段目のプレスを行った際の金属スラブ端部の部分平面図と部分側面図、(B)は2段目のプレスを行った際の金属スラブ端部の部分平面図と部分側面図、図5(A)はプレス式幅圧下装置による1段目のプレスの説明図、(B)は他の1段目のプレスの説明図、図6はプレス式幅圧下装置による2段目のプレスの説明図である。
この製鋼工程では、転炉で成分調整され精錬された溶鋼17が、ロングノズル18を介してタンディッシュ19へ供給された後、浸漬ノズル20により連続鋳造鋳型21へ供給され、冷却されて凝固しながら下流側へ引き抜かれる。そして、凝固した鋳片を切断機22により所定長さに切断し、得られた金属スラブ10をロール式幅圧下工程へと搬送する。
なお、ロール式幅圧下工程へ搬送する金属スラブ10は、例えば、長さ7〜30m程度、厚み230〜300mm程度、幅1500〜2200mm程度のものである。
ここで、プレス式幅圧下装置24について、図2を参照しながら説明する。
このプレス式幅圧下装置24は従来公知のものであり、各金型13、14は、平面視して台形状となっており、金属スラブ10の両側面と平行な押圧部25、26と、押圧部25、26にそれぞれ連接して設けられた傾斜部27、28とを有している。対向する傾斜部27、28間の距離は、金属スラブ10の搬送方向に徐々に狭くなるようにそれぞれ形成され、押圧部25、26は傾斜部27、28より搬送方向側に設けられている。なお、図2に示す金型13、14の下(上でもよい)には、金属スラブ10の両側面と平行な押圧部を有し、この押圧部に連接して設けられた対向する傾斜部間の距離が、傾斜部27、28とは反対方向に徐々に狭くなるように形成された金型が重ねて配置されている。
これにより、金型13、14とその下に配置された金型の切り替えを行うのみで、金属スラブ10の長手方向両端部をそれぞれ幅圧下できる。
また、各幅調整装置29、30のシリンダ33、34の基側端部には、主クランク装置35、36が連結されており、金属スラブ10の幅方向両端部に向けて各金型13、14を押し出すようにして、金属スラブ10に対して圧下力を付与可能な構成となっている。
この場合、各幅調整装置29、30によって外部からウォームを回転し、金型13、14間の幅を調整して金属スラブ10の圧下量を設定する。この後、金属スラブ10を搬送しながら、金型13、14を主クランク装置35、36で金属スラブ10の幅方向に往復移動させると同時に、金型同調装置39、40によって金型13、14を金属スラブ10の搬送方向にも往復駆動させる。
これにより、金型13、14を楕円形状に沿って動かすとともに、金属スラブ10を連続的に送りながらプレスすることができる。
このプレス式幅圧下装置24を使用して、図1および図4(A)、(B)に示す予成形を行う。
この予備平行部45は、図5(A)に示すように、金属スラブ10の搬送を停止した状態で、金型13、14を用いて、金属スラブ10の端部に対して複数回(ここでは、3回)繰り返しプレスした後、更に、金属スラブ10を矢印方向に搬送して、プレス位置をスラブの後側にずらして停止した後、再び後側にずらしながら複数回(ここでは、3回)繰り返しプレスを行うことで形成できる。なお、この金属スラブ10の走間プレスは、金型13、14により、最初の停止時での繰り返しプレスによって形成される金属スラブ10の幅と同一幅となるように、金属スラブ10を所定距離(金型13、14の押圧部25、26の長さの範囲内で)搬送した後、停止し、金型13、14による一定量のプレスを行うという動作を、繰り返し行う。
このように、金属スラブ10に対して斜辺部46と予備平行部45を形成した後、この予備平行部45の少なくとも基側の一部を除く部分に対してプレスする。これにより、新たな斜辺部47と、斜辺部46、47の間に形成される平行部48と、斜辺部47の先側に連結される平行部49が形成される。即ち、斜辺部46、47で順次連結された異なる幅の平行部48、49が複数段(ここでは、2段)形成されることになる。このため、予備平行部45の搬送方向の長さLは、金型13(または金型14)の傾斜部27(または傾斜部28)の長さより長い必要があるが、好ましくは、この金型13(または金型14)の傾斜部27(または傾斜部28)の長さに押圧部25(または押圧部26)の長さを加えた長さより長くする。
また、金属スラブ10の2段目の平行部49の長手方向の長さL2は、予備平行部45の長手方向の長さLより短く、例えば、50mm以上200mm以下程度である。
ここで、金属スラブ10の1段目の平行部48と2段目の平行部49の長さは、同一でもよく異なっていてもよい。
この2段目の平行部49は、図6に示すように、金属スラブ10を搬送方向とは逆方向に移動させた後、停止させた状態で、金型13、14を用いて、金属スラブ10の端部に対して複数回(ここでは、4回)繰り返しプレスする。
このようにして、金属スラブ10の搬送方向の先端部15および後端部16を、それぞれ搬送方向の先端および後端にかけて幅狭となるように、先端部15および後端部16に斜辺部46、47で順次連結された異なる幅の平行部48、49を形成する。
なお、金属スラブに複数の平行部を形成する際には、金属スラブの圧下量を全て同一としているが、異なる量としてもよい。このとき、金属スラブの変形のし易さを考慮すれば、平行部を形成するごとに、端部に向けてその圧下量を小さくしていくことが好ましい。
この金属スラブ10の各平行部48、49のうち、最も幅が狭くなった部分の平行部49の幅は、プレス前の金属スラブ10の幅の30%以上75%以下とすることが好ましい。
ここで、なす角θが10度未満の場合、金属スラブと金型との接触面積が大きくなり、圧下に要する荷重が大きくなるため、1回で行う圧下量を小さくしなければならず、作業効率が低下する。
一方、なす角θが30度を超える場合、傾斜角度が大きくなり過ぎ、例えば、前記した図5(A)、(B)に示すように、金属スラブを所定距離移動させた後にプレスを行う場合、金型が金属スラブの斜面で滑り易くなり、プレスできなくなる恐れがある。
このロール式幅圧下装置51は従来公知のものであり、金属スラブ50の搬送方向に間隔を有して配置された2対(複数対でもよい)の圧下用ロール11、12と、その間に金属スラブ50の厚み方向両側に対向配置された圧延用ロール52、53とを有するものである。
金属スラブ50を、このロール式幅圧下装置51に対して往復移動させることにより、金属スラブ50の幅方向と厚み方向を圧下して、金属スラブ54を製造できる。
ここで、金属スラブ54の厚みは、例えば、230〜300mm程度、幅は、例えば、プレス前の金属スラブ10の幅の30%以上75%以下である。このため、プレス式幅圧下装置24によりプレスした最も幅狭の平行部49には、ロール式幅圧下装置51による幅圧下が行われないか、また行われたとしても極僅かである。
これにより、図1に示すように、金属スラブ10の大幅な幅圧下が可能になるとともに、クロップの発生も抑制される。なお、図1には、プレス式幅圧下装置24による予成形を行わない従来例も示しているが、この場合、金属スラブ55の搬送方向両端部に大きなクロップが発生(例えば、本発明で発生する突出部の長さの10〜30倍程度の長さ)していることが分かる。
Claims (7)
- 金属スラブを複数の搬送用ロールにより搬送しながら、該金属スラブの幅方向両側に対向配置された圧下用ロールにより、該金属スラブの搬送方向に渡って該金属スラブを幅圧下する前に、該金属スラブの幅方向両側に対向配置され、しかも該金属スラブの両側面と平行な押圧部と、該押圧部に連接して設けられた傾斜部とを有する一対の金型により、該金属スラブの搬送方向の両端部をそれぞれプレスする金属スラブの幅圧下方法であって、
前記金属スラブの搬送方向の両端部を前記一対の金型によりそれぞれプレスし、該金属スラブの基側から先側および後側へかけて縮幅する斜辺部と、これに連接し、かつ該斜辺部の長さより長い予備平行部を形成した後、該予備平行部の少なくとも基側の一部を除く部分に対し更に前記一対の金型によりプレスして、新たな斜辺部と平行部を形成することを特徴とする金属スラブの幅圧下方法。 - 請求項1記載の金属スラブの幅圧下方法において、形成される前記予備平行部に対し、前記一対の金型によりプレスする操作を繰り返し行うことにより、前記金属スラブの搬送方向の両端部に、前記各斜辺部で順次連結された異なる幅の前記平行部を複数段形成することを特徴とする金属スラブの幅圧下方法。
- 請求項1および2のいずれか1項に記載の金属スラブの幅圧下方法において、前記平行部の形成は、前記金属スラブの搬送を停止した状態で、前記一対の金型を用いて繰り返しプレスすることにより行うことを特徴とする金属スラブの幅圧下方法。
- 請求項3記載の金属スラブの幅圧下方法において、前記一対の金型により前記繰り返しプレスを行って形成される前記金属スラブの幅と同一幅となるように、該金属スラブを搬送し前記一対の金型によるプレス位置をずらしながら繰り返しプレスすることにより行うことを特徴とする金属スラブの幅圧下方法。
- 請求項1および2のいずれか1項に記載の金属スラブの幅圧下方法において、前記平行部の形成は、該金属スラブを搬送し前記一対の金型によるプレス位置をずらしながら繰り返しプレスすることにより行うことを特徴とする金属スラブの幅圧下方法。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の金属スラブの幅圧下方法において、前記金属スラブの前記平行部の最小幅は、プレス前の前記金属スラブの幅の30%以上75%以下であることを特徴とする金属スラブの幅圧下方法。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の金属スラブの幅圧下方法において、前記金属スラブの側面と、前記一対の金型の傾斜部の接触面とのなす角は、10度以上30度以下であることを特徴とする金属スラブの幅圧下方法。
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