JP2008253189A - 土付着防止構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明に係る土付着防止構造は、耕耘部を覆うロータリカバーの内表面に、シート状の土付着防止部材をその内表面が前記耕耘部と対向するように装着することで、前記ロータリカバーの前記内表面に土が付着することを防止する。該土付着防止構造は、前記土付着防止部材の少なくとも第1端辺が部分的又は全体的に差し込まれることで該土付着防止部材の第1端辺を支持する係止部材を備えている。前記土付着防止部材のうち前記係止部材に差し込まれる係入領域の内表面には、前記耕耘部の軸線を基準にして径方向外方へ凹む凹部が設けられている。
【選択図】図2
Description
斯かる土付着防止構造を具備することにより、飛散土は土付着防止部材に付着し、ロータリカバーに飛散土が直接付着することを防止できる。
この為、メンテナンス時に、前記段差に付着した土を取り除き難いという問題があった。さらに、前記段差に付着した土は除去し難いが故に、該土が固まって土塊となって溜まり、この土塊に更に飛散土が付着して、前記土塊が肥大するという悪循環を引き起こす為、その改善が求められている。
また、クランプ部材の自由端部が耕耘部の爪の回転方向と対向するように配置されている場合、該爪により跳ね上げられた飛散土が自由端部の端面に向かって飛散してくる為、上記のように段差が存在すると、この部分に飛散土が特に付着し易くなる。
斯かる構成の土付着防止構造によれば、前記土付着防止部材の係入領域の内表面に前記凹部が設けられているので、前記土付着防止部材の係入領域を前記係止部材に差し込んだ際、前記土付着防止部材の内表面と係止部材との境界部分に段差が生じることを防止できる。
従って、土付着防止部材に於いて、土の溜まり易い部分が無くなり、さらに、前記境界部分に付着した土を簡単に除去することができる。よって、メンテナンスの簡略化を図ることができる。
斯かる構成の土付着防止構造によれば、前記土付着防止部材の係入領域を前記係止部材に差し込んだ際に、前記係止部材の係止片の内表面から土付着防止部材の内表面にかけて略同一面を形成するので、土前記付着防止部材の内表面と前記係止部材の自由端部との境界部分に実質的に段差が生じることを防止できる。従って、この境界部分に付着した土を簡単に除去することができる。
斯かる構成の土付着防止構造によれば、前記係止部材の係止片の対向面が自由端側に行くに従って前記土付着防止部材の内表面に近接するように側面視先細形状とされているので、前記土付着防止部材の内表面と前記係止部材との境界部分に段差が生じることを防止できる。従って、土の溜まり易い部分が無くなり、さらに、前記境界部分に付着した土を簡単に除去することができる。
以下、本発明に係る土付着防止構造の好ましい実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る土付着防止構造が適用されたトラクタAを示す側面図である。
なお、前記トラクタ本機200が設けられている側が、トラクタAの進行方向である。方向を示す用語として、トラクタAの進行方向側を「前」、トラクタAの進行方向と反対側を「後」という場合がある。
前記作業機装着装置220は、トップリンク221や左右一対のロアリンク222等より構成されている。前記ロアリンク222は、前記ミッションケース50上部に配設した油圧ケース51に設けられたリフトアーム223にリフトロッド224を介して連結されている。
前記ロータリ耕耘機300は、前記リフトアーム223が前記油圧ケース51内の図示しない油圧シリンダの伸縮によって上下回動することにより、前記作業機装着装置220及び連結機構210を介して昇降回動可能とされている。
なお、本第1実施形態においては、前記ロータリ耕耘機300はセンターロータリ型とされている。
前記ロータリ耕耘機300は、図1及び図2に示すように、前記PTO軸15に前記自在継ぎ手16を介して作動連結される入力軸310と、伝動部材(図示しない)を介して前記入力軸310に作動連結された耕耘軸320と、該耕耘軸320に相対回転不能とされた耕耘爪331を有する耕耘部330と、前記トップリンク221にリンク連結されるアッパーアーム340と、該アッパーアーム340に連結されるローターケース350であって、前記入力軸310及び前記耕耘軸320を支持すると共に、前記伝動部材を収容するローターケース350と、該ローターケース350の両側面にそれぞれ連結された一対のメインビーム360と、前記耕耘部330の回転軌跡330Rを覆うように前記一対のメインビーム360に支持されたロータリカバー400と、前記ロータリカバー400の内表面に着脱可能に装着される土付着防止部材500とを備えている。
なお、本発明に於いて、「内表面」とは、耕耘部330と面する側の表面をいい、「外表面」とは、耕耘部330と反対側の表面をいう。
もっとも、前記耕耘部330は、逆転方向(前記耕耘部330の耕耘軸320より車輌前方側において、前記耕耘部330の前記耕耘爪331が土中から上方へ抜き出るように、前記耕耘部330が回転する方向)に回転する構成とされてもよい。
斯かる構成の土付着防止部材500は、耕耘作業時において飛散土が、前記ロータリカバー400の内表面に付着することを防止している。
前記リアカバー430は、前記耕耘部330の後方で、土壌を整地する為の整地用部材431を有しており、前記整地用部材431が土壌の高さ変化に対応して上下動し得るように、前記メインカバー410にヒンジ部420を介して揺動自在に連結されている。
前記メインカバー用土付着防止部材510A及び前記リアカバー用土付着防止部材530は互いに独立しており、前記ロータリカバー400に対して個別に着脱し得るようになっている。
図4は、図3におけるIV部の拡大図であって、前記メインカバー用土付着防止部材510Aを係止部材411Aに差し込んだ状態を示す部分拡大断面図である。
図5は、前記メインカバー410を前記耕耘部の側から視た部分平面図である。
斯かる係止部材411Aは、差し込まれた前記メインカバー用土付着防止部材510Aの前記第1端辺511Aを支持する。ここで、本明細書において土付着防止部材の第1端辺のうち、係止部材に差し込まれる部分を「係入領域」という。
また、前記固定片412Aと前記係止片413Aとの間には、前記係入領域512Aが差し込まれる差し込み空間が形成されている。
この固定片412Aの前方部は、前記メインカバー410の後端内表面に形成された段部に接合されて固定されており、該固定片412Aの内表面は、前記メインカバー410の内表面と同一面を形成するように構成されている。
好ましくは、前記固定片412Aの後方部をリアカバー430側へ延出させることができ、該延出された固定片412Aの後方部によって、ヒンジ部420に飛散土が付着することを有効に防止し得る。
なお、本実施の形態においては、前記係止片413Aの後端部は前記固定片412Aの後端部と同一位置まで後方へ延在されている(図3及び図4参照)。
なお、前記固定片412Aの前記メインカバー410への接合方法や前記係止片413Aの基部414Aの前記固定片412Aへの接合方法は、特に限定されず、例えば、溶接による接合手段を用いることができる。
前記係入領域512Aには、その内表面に、前記耕耘部330の軸線を基準にして径方向外方へ凹む凹部513が設けられている。
前記各凹部513は、図6に示すように、前記メインカバー用土付着防止部材510Aの係入領域を前記係止部材411Aに差し込んだ際に、前記係止片413Aの自由端部の端面413A’に対向する第1面514aと、前記係止片413Aの外表面に対向する第2面514b(係入領域の内表面)と、前記係止片413Aの前記耕耘部330の軸線方向両側面にそれぞれ対向する第3面514c及び第4面514dと、によって構成されている。
前記第1面514aの上下方向(前記耕耘部330の軸線方向に直交する方向)の長さは、特に限定されないが、好ましくは、前記自由端部の端面413A’の上下方向の長さと略同一に形成される。斯かる構成により、凹部513の深さと係止片413Aの肉厚が略同じとなるから、メインカバー用土付着防止部材510Aの係入領域を係止部材411Aに支持させた状態で、前記係止片413Aの内表面と前記メインカバー用土付着防止部材510Aの土付着防止領域512A’の内表面を実質的に同一面状に形成することができる。
なお、本第1実施形態においては、前記係止片413Aは平板直方体状のものが用いられているので、該係止片413Aの自由端部の端面413A’と係止片413Aの外表面とが直交状に形成されている。従って、上記好ましい構成例のように、前記第1面514a及び前記第2面514bを、係止片413Aの端面413A’及び係止片413Aの外表面にそれぞれ当接させるため、前記第1面514aと前記第2面514bとは直交状に形成されている。もっとも、前記係止片413Aの端面413A’と外表面とが、例えば、鈍角状又は鋭角状に形成されている場合には、その形状に対応して、前記第1面514aと前記第2面514bとが鈍角状又は鋭角状に形成されてもよい。
なお、本実施形態に於いては、前記メインカバー用土付着防止部材510Aの第2端辺515A(耕耘部330の回転方向下流側端辺)は、図2に示すように、前記メインカバー410の前端側と前記第2端辺515Aとにそれぞれ設けられた貫通孔に、ボルトを挿入し且つナットを締結することによって支持されている。
よって、土付着防止部材500に、土の溜まり易い部分を無くすことができる。このため、前記耕耘部330の回転方向に拘わらず(つまり、耕耘部330の回転によって、飛散土が、係止片413Aの端面413A’に向かって跳ね上げられても)、土が部分的に溜まることを防止できる。
さらに、上記のように境界部分に段差が生じないので、メンテナンス時に、該境界部分に付着した土を、簡単に除去できる。この為、メンテナンスの簡略化を図ることができる。
上記実施形態において、前記係止部材411Aにおける固定片412Aは、前記メインカバー410とは別部材とされているが、前記メインカバー410と一体的に形成されていてもよい。
さらに、上記実施形態においては、前記係止片413Aは、前記固定片412Aとは別部材とされているが、前記固定片412Aと一体的に形成することも可能である。
図7に、前記係止片413A及び前記固定片412Aが一体形成された係止部材411Aの一例を示す。
図7に示された係止部材411Aは、メインカバー用土付着防止部材510Aの第1端辺511Aを支持する係止片413Aと、該係止片413Aの後方部に形成され且つ耕耘部の軸線を基準にして径方向外方へ湾曲した連結部415Aと、該連結部415Aを介して係止片413Aと一体的に形成され且つメインカバー410の内表面と略平行に延びる固定片412Aとを有している。図7に示す係止部材411Aは、その固定片412Aの前方部を、メインカバー410の後端内表面に形成された段部に接合することにより、メインカバー410に固定され得る。
第2実施形態の土付着防止構造は、土付着防止部材の第1端辺を係止部材に差し込んだ際の構成が上記第1実施形態と異なる。
以下、本第2実施形態について説明するが、前記第1実施形態と異なる構成及び効果について主として説明し、前記第1実施形態と同様の構成及び効果については、その説明を省略し、用語及び符号を援用する場合がある。以下、他の実施形態についても同様である。
図8に示すように、本第2実施形態の係止部材411Bは、前記メインカバー410に固定される固定片412Bと、前記固定片412Bに支持される係止片413Bと、を有している。
前記固定片412Bと前記係止片413Bは、一体的に形成されている。かかる固定片412Bと前記係止片413Bとの間には、前記メインカバー用土付着防止部材510Bの第1端辺511Bを差し込んで支持可能な差し込み空間が形成されている。
この係止片413Bの自由端部413B’と前記メインカバー410の後端との間には、隙間が確保されている。
この隙間は、前記メインカバー用土付着防止部材510Bの第1端辺511Bを前記差し込み空間に差し込むための差し込み口となる部分である。
なお、前記差し込み口は、前記メインカバー用土付着防止部材510Bの第1端辺511Bを挿入可能な大きさに形成されており、好ましくは、前記第1端辺511Bの厚みと略同一とされる。斯かる好ましい構成により、前記係止片413Bの自由端部413B’が、前記メインカバー用土付着防止部材510Bの内表面に当接するので、飛散土が前記差し込み空間に侵入し難くなる。
前記メインカバー用土付着防止部材510Bは、本第2実施形態において、前記係入領域512Bと前記土付着防止領域512B’が同じ厚みのシート材で構成され、上記第1実施形態における凹部は形成されていない。
本第2実施形態では、前記係止片413Bは、メインカバー410の内表面と同一な固定片412Bの内表面に対して鋭角状に延設されているので、前記係止片413Bの内表面から前記土付着防止領域512B’にかけて、図8に示す仮想曲線Zに沿った略同一曲面が形成されている。
前記係止部材411Bは、前記メインカバー410とは別部材とされているが、前記メインカバー410と一体的に形成されていてもよい。
また、係止部材411Bは、固定片412Bを介してメインカバー410に固定されているが、係止部材411Bは、メインカバー410以外の部位に固定されていてもよい。
第3実施形態の土付着防止構造は、係止部材の係止片が側面視先細形状に形成されている。
図10は、本第3実施形態に係る土付着防止構造100Cが適用された前記メインカバー410の部分拡大断面図である。
本第3実施形態において、係止部材411Cは、図10に示すように、前記メインカバー410の後端内表面に固定される固定片412Cと、前記固定片412Cに支持される係止片413Cと、を有している。
前記固定片412Cと係止片413Cとの間には、前記土付着防止部材510Cの係入領域512Cが差し込まれる差し込み空間が形成されている。
この固定片412Cは、前記メインカバー410の後端内表面に形成された段部に接合されており、該固定片412Cの内表面は、前記メインカバー410の内表面と同一面を形成するように構成されている。
一方、前記係止片413Cの後端部には、耕耘部330の軸線を基準にして径方向外方へ湾曲した連結部415Cを介して、固定片412Cと略平行に延びる基部414Cが一体的に形成されている。かかる基部414Cを前記固定片412Cの内表面に接合することによって、前記係止片413Cは、固定片412Cの前端内表面との間に前記差し込み空間を有した状態で、固定片412Cに固定されている。
本実施形態に於いては、前記メインカバー用土付着防止部材510Cは、第1端辺511Cの係入領域512Cが他の領域と同じ厚みのシート材が用いられている。従って、メインカバー用土付着防止部材510Cの内表面は、係止部材411Cの差し込み空間に差し込まれた状態で、係止片413Cの当接面417と略平行となっている。
よって、第3実施形態に係る土付着防止構造100Cも、上記第1実施形態と同様の効果を奏する。
上記第3実施形態において、前記係止片413Cの当接面417は、前記固定片412Cの内表面に対し略平行とされているが、例えば、図11に示すように、前記係止片413Cの対向面418が固定片412Cの内表面に対し略平行に形成され、且つ係止片413Cが自由端部に向かうに従って側面視先細形状に形成されていてもよい。
この場合、前記メインカバー用土付着防止部材510Cの第1端辺511Cは、前記係止片413Cの当接面417の傾斜に対応して側面視テーパ状に形成されていることが好ましい。
また、上記第3実施形態において、前記係止片413Cの先端(自由端)形状は、刃先の如く鋭角状に形成されているが、前記メインカバー用土付着防止部材510Cの内表面との間に大きな段差を生じない程度に円弧状に形成(角取り)されていてもよい。
次に、本発明の前記第1〜第3実施形態に共通する変形例について説明する。
また、上記第1〜第3実施形態においては、係止部材は、前記メインカバー後端内表面に複数個、設けられているが、例えば、1個のみ設けられていてもよい。この場合、係止部材は、前記メインカバー用土付着防止部材の前記第1端辺の略全体を支持するために、前記軸線方向幅全体に延びるように形成されることが好ましい。
さらに、上記第1〜第3実施形態においては、本発明に係る土付着防止構造をセンターロータリ型耕耘機に適用した場合を例に説明したが、本発明をサイドロータリ型耕耘機に適用することも可能である。
200 トラクタ本機
300 ロータリ耕耘機
320 耕耘軸
330 耕耘部
400 ロータリカバー
410 メインカバー
411A,411B,411C 係止部材
412A,412B,412C 固定片
413A,413B,413C 係止片
417 係止部の当接面
418 係止部の対向面
420 ヒンジ部
430 リアカバー
500 土付着防止部材
510A,510B,510C メインカバー用土付着防止部材
511A,511B,511C 第1端辺
512A,512B 係入領域
513 凹部
Claims (3)
- 耕耘部を覆うロータリカバーの内表面に、シート状の土付着防止部材をその内表面が前記耕耘部と対向するように装着することで、前記ロータリカバーの前記内表面に土が付着することを防止する土付着防止構造であって、
前記土付着防止部材の少なくとも第1端辺が部分的又は全体的に差し込まれることで該土付着防止部材の第1端辺を支持する係止部材を備え、
前記土付着防止部材のうち前記係止部材に差し込まれる係入領域の内表面には、前記耕耘部の軸線を基準にして径方向外方へ凹む凹部が設けられていることを特徴とする土付着防止構造。 - 耕耘部を覆うロータリカバーにおける所定領域の内表面に、シート状の土付着防止部材をその内表面が前記耕耘部と対向するように装着することで、前記ロータリカバーの前記内表面に土が付着することを防止する土付着防止構造であって、
前記土付着防止部材における少なくとも前記耕耘部の回転方向一方側の第1端辺が部分的又は全体的に差し込まれる係止部材を備え、
前記係止部材は、固定部位に固定される固定片と、前記固定片に支持された係止片とを有し、
前記係止片は、前記所定領域における前記第1端辺に対応した側の終端との間に前記第1端辺の差し込み口を存した状態で前記耕耘部の回転方向一方側へ延び、且つ、内表面が前記所定領域上に位置する前記土付着防止部材の内表面と略同一面に位置されていることを特徴とする土付着防止構造。 - 耕耘部を覆うロータリカバーの内表面に、シート状の土付着防止部材をその内表面が前記耕耘部と対向するように装着することで、前記ロータリカバーの前記内表面に土が付着することを防止する土付着防止構造であって、
前記土付着防止部材における耕耘部の回転方向上流側及び下流側にそれぞれ位置する第1端辺及び第2端辺のうちの少なくとも一方が部分的又は全体的に差し込まれる係止部材を備え、
前記係止部材は、固定部位に固定される固定片と、前記一方の端辺より前記耕耘部に近接し且つ自由端が前記第1及び第2端辺の他方へ向かうように前記固定片に支持された係止片とを有し、
前記係止片は、前記土付着防止部材の内表面に当接される当接面と、前記当接面とは反対側で前記耕耘部と対向する対向面とを有し、
前記係止片は、前記対向面が自由端側へ行くに従って前記土付着防止部材の内表面に近接するように側面視先細形状とされていることを特徴とする土付着防止構造。
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