JP2008252044A - Mim容量素子を備える半導体装置及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】上部電極と下部電極との間にリーク電流が生じにくいMIM容量素子を備える半導体装置及びその製造方法の提供。
【解決手段】上部電極部110が、容量絶縁膜120に対向する表面に上部電極111、サイドウォール113、及び上部電極ダミー部112を備えており、MIM容量素子は、上部電極111、容量絶縁膜120、及び下部電極130によって形成されている。上部電極111の周囲にサイドウォール113を有しており、サイドウォール113の周囲に上部電極ダミー部112を有しており、上部電極111と上部電極ダミー部112とは電気的に絶縁されており、少なくとも上部電極ダミー部112と容量絶縁膜120とが接触している。
【選択図】図1
【解決手段】上部電極部110が、容量絶縁膜120に対向する表面に上部電極111、サイドウォール113、及び上部電極ダミー部112を備えており、MIM容量素子は、上部電極111、容量絶縁膜120、及び下部電極130によって形成されている。上部電極111の周囲にサイドウォール113を有しており、サイドウォール113の周囲に上部電極ダミー部112を有しており、上部電極111と上部電極ダミー部112とは電気的に絶縁されており、少なくとも上部電極ダミー部112と容量絶縁膜120とが接触している。
【選択図】図1
Description
本発明は、下部電極用金属膜−容量絶縁膜−上部電極用金属膜(Metal−Insulator−Metal)構造のMIM容量素子を備える半導体装置及びその製造方法に関するものであり、特に、MIM容量素子の上部電極の周囲にサイドウォールとダミー電極とを備えることによって上部電極と下部電極との間にリーク電流が生じにくいMIM容量素子を備える半導体装置及びその製造方法に関するものである。
アナログ集積回路などの半導体装置では、高精度な容量素子を形成するために、基板から離れた多層配線上に容量素子を形成して、基板との容量や基板からのノイズを低減する手法がとられている。
そして、そのような容量素子として、一般的に多層配線工程とのプロセスの整合性を図った金属膜−絶縁膜−金属膜で構成されたMIM容量素子を形成することが多い。この場合、MIM容量素子の金属膜としては、例えばアルミニウム、チタン、タンタル、タングステンなどの金属配線層を構成する材料が用いられている。また、容量絶縁膜としては、例えばSiO2、SiON、SiNなどの多層配線の層間絶縁膜材料が用いられている。
一方、半導体装置は、プロセス微細化の進展により高集積化が進められている。このため、半導体装置に搭載されるMIM容量素子は単位面積当たりの容量を増加させることが必要になっている。
一般にMIM容量素子の静電容量Cは C=ε・S/d で表される。ここでεは容量絶縁膜の誘電率、SはMIM容量素子の面積、dは容量絶縁膜の厚さである。この式から静電容量Cを大きくするためには、(1)誘電率が大きい容量絶縁膜にする、(2)MIM容量素子面積を大きくする、(3)容量絶縁膜を薄くする、という3つの方法があることがわかる。
上記(1)の場合、誘電率が大きい容量絶縁膜にすると、多層配線工程とMIM容量素子形成のプロセスとの整合を図ることが困難になる。多層配線工程では、プロセスの微細化に伴って配線間の容量を低減する必要があるため、より誘電率の低い材料を使う傾向があるからである。また、MIM容量素子を形成する部分に専用の高誘電率の膜を使うことは、製造設備に専用の設備が必要になったり専用の材料が必要になったりするなど、製造コストを押し上げる要因になる。
また、上記(2)の場合、MIM容量素子面積を大きくすると、チップ面積が増大することに繋がる。チップ面積が増大すると、チップ当たりの製造コスト増加が避けられなくなる。また、チップ面積を大きくすることなくMIM容量素子の面積を大きくするためには、例えば凹凸を形成した表面にMIM容量素子を形成する方法がある。しかしこの場合も工程数が増加するため、製造コストが増加する。
以上のことから、コストの増加を抑えて単位面積当たりの容量を増加させる方法としては上記(3)方法を用いることが効果的であることがわかる。即ち、容量絶縁膜を薄くすることが有効な方法である。
ここで、一般的なMIM容量素子の形成方法を図を用いて説明する。
はじめに、図17のように、半導体基板501に、第1絶縁膜502、下部電極用金属膜503、第2絶縁膜504、上部電極用金属膜505を順に堆積する。
次に、図18のように、上部電極用金属膜505を選択的に除去し、上部電極510を形成する。
次に、図19のように、第2絶縁膜504を選択的に除去し、容量絶縁膜520を形成する。このとき、容量絶縁膜520の外周部はエッチングダメージにより絶縁耐性が劣化する場合がある。そのため、容量絶縁膜520を上部電極510より大きく形成し、容量絶縁膜520の外周部と上部電極510との距離を大きくするように形成する。このように形成すると、静電容量を大きくするために容量絶縁膜520を薄くした場合でも容量絶縁膜520の外周部を流れるリーク電流を抑えることができる。
次に、図20のように、下部電極用金属膜503を選択的に除去し、容量素子の下部電極530を形成する。
次に、図21のように、第3絶縁膜507を堆積し、必要であれば平坦化処理をしたあと、下部電極530、上部電極510のそれぞれに接続する導電性プラグ541、542及び上層配線551、552を形成してMIM容量素子を形成する。
しかし、この方法では、上部電極、容量絶縁膜、下部電極それぞれに対してフォトマスク工程、及びエッチング工程を繰り返す必要がある。そのため、マスク枚数と工程数との増加のために製造コストが増加するという問題があった。
この問題を解決する方法として特許文献1に示すようなサイドウォールを使う方法がある。
特許文献1の方法では、はじめに図12のように、半導体基板601に、第1絶縁膜602、下部電極金属膜603、第2絶縁膜604、上部電極用金属膜605を順に堆積する。
次に、図23のように、上部電極用金属膜605を選択的に除去し、上部電極611を形成する。
次に、図24のように、第3絶縁膜606を堆積する。
次に、図25のように、第3絶縁膜606をRIE法により除去し、上部電極611にサイドウォール613を形成する。
次に、図26のように、上部電極611及びサイドウォール613をマスクとして第2絶縁膜604をRIE法により除去し、容量絶縁膜620を形成する。このように形成することで、容量絶縁膜620のエッチングダメージによって絶縁耐性が劣化した外周部を、サイドウォール613の幅だけ上部電極611から遠ざけることができる。そのため、容量絶縁膜620の外周部を流れるリーク電流を抑えることができる。
次に、図27のように、下部電極金属膜603を選択的に除去し、下部電極630を形成する。
次に、図28のように、第4絶縁膜607を堆積し、必要であれば平坦化処理をしたあと、下部電極630及び上部電極611のそれぞれに接続する導電性プラグ641、642及び上層配線651,652を形成してMIM容量素子を形成する。
このように、特許文献1の方法では、容量絶縁膜用のマスクを使用せずに工程数を削減し、MIM容量素子を形成することができる。
特開2004−71840号公報(平成16年(2004年)3月4日公開)
しかしながら、上記従来の構成では、大きな静電容量Cを持つMIM容量素子を形成しようとすると、上部電極と下部電極との間にリーク電流が生じやすいという問題点を有している。
特許文献1の方法では、容量絶縁膜620を形成する場合に、上部電極611及びサイドウォール613をマスクとして用いていた。そして、上部電極611と下部電極630との絶縁は、容量絶縁膜620及びサイドウォール613によって形成された絶縁膜によって行なっていた。
上述のようにサイドウォール613は堆積した第3絶縁膜606をRIE法によって除去したときに上部電極611の側面に形成される絶縁層であるため、本来幅が狭い。そのため、図26に示す工程などでオーバーエッチングが生じると、図29に示すように上部電極611と容量絶縁膜620の外周部とが接近し、容量絶縁膜620の外周部をリーク電流が流れる可能性がある。
特に単位面積当たりの静電容量Cを増やすために容量絶縁膜を薄くした場合、このリーク電流が発生する可能性がより顕著になる。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、大きな静電容量Cを持つMIM容量素子を形成する場合に、上部電極と下部電極との間にリーク電流が生じにくいMIM容量素子を備える半導体装置及びその製造方法を提供することにある。
本発明の半導体装置は、上記課題を解決するために、上部電極部と下部電極部との間に容量絶縁膜を備えた容量素子を含む半導体装置であって、上記上部電極部が、上記容量絶縁膜に対向する表面に上部第1電極、上部第1絶縁膜、及び上部第2電極を備えており、上記容量素子は、上記上部第1電極、上記容量絶縁膜、及び上記下部電極部によって形成されており、上記上部第1電極の周囲に上記上部第1絶縁膜を有しており、上記上部第1絶縁膜の周囲に上記上部第2電極を有しており、上記上部第1電極と上記上部第2電極とは電気的に絶縁されており、少なくとも上記上部第2電極と上記容量絶縁膜とが接触していることを特徴としている。
上記の構成によれば、上部第1電極、容量絶縁膜、及び下部電極部によって容量素子が形成されており、上部第1電極の周囲に上部第1絶縁膜を有し、さらに上部第2電極を有している。上部第2電極に接触する位置まで容量絶縁膜が配置されているので、上部第1電極と容量絶縁膜の外周部とは少なくとも上部第1絶縁膜が形成されている距離だけ離れた位置に配置されている。そして上部第1電極と上部第2電極とは電気的に絶縁されているので、上部第1電極から下部電極部に電流が流れる(リーク電流が生じる)場合、電流は少なくとも上部第1絶縁膜と容量絶縁膜の外周部とを伝達して流れることになる。つまり容量絶縁膜の外周部を伝達して流れるリーク電流を抑えることができる。
この効果は容量絶縁膜を薄く形成し、外周部を流れるリーク電流の影響が顕著になる場合であっても効果的に作用するので、大きな静電容量Cを持ち、かつリーク電流が生じにくいMIM容量素子を形成することが可能になる。
また、上部第1電極を上部第2電極が囲む配置となるため、マスクパターンの粗密による加工の変動を小さくすることができ、高精度のMIM容量素子を形成することができる。
また、上記上部電極部が、さらに上記上部第2電極の周囲に上部第2絶縁膜を有している構成であってもよい。
また、上記容量素子は、上記上部第2絶縁膜と上記容量絶縁膜とが接触している構成であってもよい。
これにより、上部第1電極と容量絶縁膜の外周部とは少なくとも上部第2電極の外側に形成されている上部第2絶縁膜の位置まで離れた位置に配置されている。上部第1電極と上部第2電極とは電気的に絶縁されているので、上部第1電極から下部電極部に電流が流れる(リーク電流が生じる)場合、電流は少なくとも上部第1絶縁膜、上部第2電極、上部第2絶縁膜、及び容量絶縁膜の外周部とを伝達して流れることになる。つまり容量絶縁膜の外周部を伝達して流れるリーク電流をさらに抑えることができる。
この効果は容量絶縁膜を薄く形成し、外周部を流れるリーク電流の影響が顕著になる場合であっても効果的に作用するので、大きな静電容量Cを持ち、かつリーク電流が生じにくいMIM容量素子を形成することが可能になる。
また、上記上部第1電極と上記上部第2電極とは50〜1000nm離れた位置に配置されている構成であってもよい。
これにより、上部第1電極を形成する場合にそのパターンの粗密によって生じる寸法誤差を少なくすることができる。つまり、容量素子の静電容量の精度を向上することができる。また、上部第1電極及び上部第2電極の側壁の形状を容量絶縁膜に対して垂直に近い形状に形成することができる。そのため、上部第1絶縁膜及び上部第2絶縁膜を安定に、かつ厚く形成することが可能となる。
また、上部第1電極と上部第2電極とを近づけ過ぎる場合、上部第1絶縁膜の形成が困難になるとともに上部第1電極と上部第2電極との間に生じる寄生容量が大きくなるので、これらの電極は近づけすぎる位置に形成しないことが好ましい。
また、上記上部第1絶縁膜及び上記上部第2絶縁膜は、SiO2、SiON、SiN、SiC、SiOC、SiOFの何れかで形成されている絶縁膜、またはこれらの組み合わせによる積層膜である構成であってもよい。
上記に示した部材は、一般に多層配線を半導体装置に形成する工程で用いる部材である。そのため、本発明の半導体装置を形成するために専用の装置などの設備を必要としない。また設備を変更することなく容量絶縁膜に対するエッチングの選択比が大きい部材で上部第1絶縁膜及び上部第2絶縁膜を形成することができる。
また、これらの部材を単独で用いるだけでなく、例えばエッチング条件による除去選択性の高い部材と、被積層部材の形状に依存せずに平坦に積層することができる部材とを組み合わせて用いることも可能である。組み合わせて用いることにより、本発明の半導体装置をさらに安定に構成することが可能になる。
また、上記上部第2電極が、上記半導体装置の外部に電気的に接続されている構成であってもよい。
これにより、容量素子に寄生している浮遊容量、例えば上部第1電極と上部第2電極との間に生じる寄生容量、及び上部第2電極と下部電極部との間に生じる寄生容量を低減することができる。
また、上記上部第2電極が、電気的に接地されている構成であってもよい。
これにより、容量素子に寄生している浮遊容量、例えば上部第1電極と上部第2電極との間に生じる寄生容量、及び上部第2電極と下部電極部との間に生じる寄生容量を低減することができる。
本発明の半導体装置の製造方法は、上記課題を解決するために、上部電極部と下部電極部との間に容量絶縁膜を備えた容量素子を含む半導体装置の製造方法であって、上部電極部形成工程、容量絶縁膜形成工程、及び下部電極部形成工程を含んでおり、上記上部電極部形成工程が、基板上に、下部電極用金属部材、容量絶縁膜形成絶縁部材、上部電極用金属部材を、この順に隣接して積層する第1積層工程と、上記上部電極用金属部材を選択的に除去して上部第1電極と、上記上部第1電極の周囲に上部第2電極とを形成する上部電極形成工程と、上記上部第1電極、上記上部第2電極、及び上記上部電極形成工程で露出した上記容量絶縁膜形成絶縁部材の表面に密着するように上部絶縁部材を堆積する第2積層工程と、上記上部絶縁部材を全面エッチングし、上記上部第1電極及び上記上部第2電極の間に上部第1絶縁膜を形成するとともに上記上部第2電極の周囲に上部第2絶縁膜を形成する上部絶縁膜形成工程とを含んでおり、容量絶縁膜形成工程が、上記上部第1電極、上記上部第1絶縁膜、上記上部第2電極、及び上記上部第2絶縁膜を含む上部電極部をマスクとして上記容量絶縁膜形成絶縁部材をエッチングし、上記容量絶縁膜を形成する工程であり、下部電極部形成工程が、上記下部電極用金属部材を選択的に除去して上記下部電極部を形成する工程であることを特徴としている。
上記の構成によれば、密着するように形成された上部第1電極、上部第1絶縁膜、上部第2電極、及び上部第2絶縁膜をマスクとして容量絶縁膜を形成するため、容量絶縁膜の外周部を上部第1電極の端部から離れた位置に形成することができる。
容量絶縁膜はエッチングによって形成されるので、容量絶縁膜の外周部がエッチングのダメージによってリーク電流を伝達する場合が生じるが、上述の製造方法によれば容量絶縁膜の外周部が上部第1電極から離れた位置に形成されるので、容量絶縁膜の外周部を伝達して流れるリーク電流を抑えることができる。
この効果は容量絶縁膜を薄く形成し、外周部を流れるリーク電流の影響が顕著になる場合であっても効果的に作用するので、大きな静電容量Cを持ち、かつリーク電流が生じにくいMIM容量素子を形成することが可能になる。
また、既存の設備を用いて製造することができ、かつ従来法に比べて工程数が増加しないので、上下電極間のリーク電流を抑えることのできる容量素子を有する半導体装置を容易かつ製造コストを抑えて製造することができる。
また、上記上部絶縁膜がエッチング条件による除去選択性の高い高除去選択性部材と、被積層部材の形状の凸凹を埋めて堆積する段差被覆部材とを含み、上記第2積層工程が、上記高除去選択性部材の堆積工程と、上記段差被覆部材の堆積工程とを含み、上記上部絶縁膜形成工程が、上記段差被覆部材を全面エッチングし、さらに上記段差被覆部材をマスクとして全面エッチングし、上記上部第1電極及び上記上部第2電極の間に上部第1絶縁膜を形成するとともに上記上部第2電極の周囲に上部第2絶縁膜を形成する工程である構成であってもよい。
これにより、エッチング条件による除去選択性の高い部材と、被積層部材の形状に依存せずに段差を均一に被覆するように堆積することができる部材とを組み合わせて用いることが可能となる。
そのため、本発明の半導体装置をさらに効果的に形成することが可能になる。
本発明の半導体装置は、以上のように、上記上部電極部が、上記容量絶縁膜に対向する表面に上部第1電極、上部第1絶縁膜、及び上部第2電極を備えており、上記容量素子は、上記上部第1電極、上記容量絶縁膜、及び上記下部電極部によって形成されており、上記上部第1電極の周囲に上記上部第1絶縁膜を有しており、上記上部第1絶縁膜の周囲に上記上部第2電極を有しており、上記上部第1電極と上記上部第2電極とは電気的に絶縁されており、少なくとも上記上部第2電極と上記容量絶縁膜とが接触している構成である。
そのため、上部第1電極、容量絶縁膜、及び下部電極部によって容量素子が形成されており、上部第1電極の周囲に上部第1絶縁膜を有し、さらに上部第2電極を有している。上部第2電極に接触する位置まで容量絶縁膜が配置されているので、上部第1電極と容量絶縁膜の外周部とは少なくとも上部第1絶縁膜が形成されている距離だけ離れた位置に配置されている。そして上部第1電極と上部第2電極とは電気的に絶縁されているので、上部第1電極から下部電極部に電流が流れる(リーク電流が生じる)場合、電流は少なくとも上部第1絶縁膜と容量絶縁膜の外周部とを伝達して流れることになる。つまり容量絶縁膜の外周部を伝達して流れるリーク電流を抑えることができる。
この効果は容量絶縁膜を薄く形成し、外周部を流れるリーク電流の影響が顕著になる場合であっても効果的に作用するので、大きな静電容量Cを持ち、かつリーク電流が生じにくいMIM容量素子を形成することが可能になる。
また、上部第1電極を上部第2電極が囲む配置となるため、マスクパターンの粗密による加工の変動を小さくすることができ、高精度のMIM容量素子を形成することができる。
また、本発明の半導体装置の製造方法は、以上のように、上部電極部形成工程、容量絶縁膜形成工程、及び下部電極部形成工程を含んでおり、上記上部電極部形成工程が、基板上に、下部電極用金属部材、容量絶縁膜形成絶縁部材、上部電極用金属部材を、この順に隣接して積層する第1積層工程と、上記上部電極用金属部材を選択的に除去して上部第1電極と、上記上部第1電極の周囲に上部第2電極とを形成する上部電極形成工程と、上記上部第1電極、上記上部第2電極、及び上記上部電極形成工程で露出した上記容量絶縁膜形成絶縁部材の表面に密着するように上部絶縁部材を堆積する第2積層工程と、上記上部絶縁部材を全面エッチングし、上記上部第1電極及び上記上部第2電極の間に上部第1絶縁膜を形成するとともに上記上部第2電極の周囲に上部第2絶縁膜を形成する上部絶縁膜形成工程とを含んでおり、容量絶縁膜形成工程が、上記上部第1電極、上記上部第1絶縁膜、上記上部第2電極、及び上記上部第2絶縁膜を含む上部電極部をマスクとして上記容量絶縁膜形成絶縁部材をエッチングし、上記容量絶縁膜を形成する工程であり、下部電極部形成工程が、上記下部電極用金属部材を選択的に除去して上記下部電極部を形成する工程である構成である。
そのため、密着するように形成された上部第1電極、上部第1絶縁膜、上部第2電極、及び上部第2絶縁膜をマスクとして容量絶縁膜を形成するので、容量絶縁膜の外周部を上部第1電極の端部から離れた位置に形成することができる。
容量絶縁膜はエッチングによって形成されるので、容量絶縁膜の外周部がエッチングのダメージによってリーク電流を伝達する場合が生じるが、上述の製造方法によれば容量絶縁膜の外周部が上部第1電極から離れた位置に形成されるので、容量絶縁膜の外周部を伝達して流れるリーク電流を抑えることができる。
この効果は容量絶縁膜を薄く形成し、外周部を流れるリーク電流の影響が顕著になる場合であっても効果的に作用するので、大きな静電容量Cを持ち、かつリーク電流が生じにくいMIM容量素子を形成することが可能になる。
また、既存の設備を用いて製造することができ、かつ従来法に比べて工程数が増加しないので、上下電極間のリーク電流を抑えることのできる容量素子を有する半導体装置を容易かつ製造コストを抑えて製造することができる。
それゆえ、大きな静電容量Cを持つMIM容量素子を形成する場合に、上部電極と下部電極との間にリーク電流が生じにくいMIM容量素子を備える半導体装置及びその製造方法を提供することができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態について図1〜図16に基づいて説明すれば、以下の通りである。
図1は、本実施の形態の下部電極用金属膜−容量絶縁膜−上部電極用金属膜(Metal−Insulator−Metal)構造のMIM容量素子を備える半導体装置を示す断面図である。
本実施の形態の半導体装置100は、半導体基板101上に第1絶縁膜102、下部電極130(下部電極部)、容量絶縁膜120、及び上部電極部110がこの順に形成されている。上部電極部110は上部電極111(上部第1電極)、上部電極ダミー部112(上部第2電極)、及びサイドウォール113(上部第1絶縁膜)を備えており、下部電極130、容量絶縁膜120、及び上部電極111がMIM容量素子を形成している。尚、図1のようにサイドウォール114(上部第2絶縁膜)をさらに備えていてもよい。上部電極部110の構成の詳細は後述する。
また、これらの部材については周知のMIM容量素子を備える半導体装置を形成する部材を用いることができる。例えば、第1絶縁膜102は900nmの厚さに堆積したSiO2膜を用いることができる。また下部電極130は200nmの厚さに堆積したTiN膜を用いることができる。また容量絶縁膜120は40nmの厚さに堆積したSiN膜を用いることができ、上部電極111は200nmの厚さに堆積したTiN膜を用いることができる。
そして下部電極130は上層配線151に電気的に接続している導電性プラグ141に接続されており、上部電極111は上層配線152に電気的に接続している導電性プラグ142に接続されている。これらの部材についても周知のMIM容量素子を備える半導体装置を形成する部材を用いることができる。例えば導電性プラグ141,142はTiN膜及びタングステン膜によって形成してもよい。また上層配線151,152は、例えば周知のようにTi、TiN、AlCu、TiNをこの順にそれぞれ15nm、10nm、500nm、25nmの厚さに堆積して形成しても良い。
上部電極部110は、容量絶縁膜120上に形成されている。上部電極部110の上部電極111の周囲には、絶縁性のサイドウォール113が形成されており、その周囲には上部電極ダミー部112が形成されている。さらに上部電極ダミー部112の周囲には、絶縁性のサイドウォール114が形成されている。上部電極ダミー部112は、上部電極111と同じ部材で形成されており、例えば200nmの厚さに堆積したTiN膜を用いることができる。また、絶縁性のサイドウォール113、114は、周知のMIM容量素子を備える半導体装置を形成する部材で形成することができる。例えば、SiO2、SiON、SiN、SiC、SiOC、SiOFのいずれか、あるいはこれらを用いた積層膜として形成されていてもよい。具体的には、上部電極111と同じ厚さ、例えば200nmの厚さのSiO2膜であっても良い。
上記に示したサイドウォール113、114に用いることのできる部材は、多層配線を半導体装置に形成する工程で通常用いる部材である。そのため、形成するために専用の装置などの設備を必要としない。
また設備を変更することなく容量絶縁膜に対するエッチングの選択比が大きい部材でサイドウォール113、114を形成することができる。
また、これらの部材は、後述する製造工程において容量絶縁膜120を形成するためのエッチングのマスクとなる。そのため、サイドウォール113、114に用いることのできる部材は、容量絶縁膜120とのエッチングに対する選択性(選択比)が高く、段差カバレッジに優れる部材であることが好ましい。そのため、上記のような部材を単独で用いるだけでなく、例えばエッチングの選択比が高い部材と、段差カバレッジに優れた部材とを組み合わせて用いることも可能である。詳しい形成方法については後述する。
また、上部電極111、サイドウォール113、上部電極ダミー部112、及びサイドウォール114の詳しい形状については後述する。
そして、下部電極130、容量絶縁膜120、上部電極111、サイドウォール113、114、導電性プラグ141,142は第4絶縁膜107によって覆われている。上層配線151、152の絶縁を確保するために、必要に応じてさらに第5絶縁膜108が形成されていても良い。
図2(a)〜(d)は、本実施の形態の上部電極111、サイドウォール113、上部電極ダミー部112、及びサイドウォール114の形状の一例を示す平面図である。
図示する形状は一例に過ぎないが、例えば図2(a)に示す上部電極部110の上部電極ダミー部112のように、途切れずに上部電極111を完全に囲む形状でも良い。図2(a)では四角形に形成された上部電極111の周囲に中央がくりぬかれた四角形が形成されている。上部電極111と上部電極ダミー部112との距離は特に指定しないが、例えば上部電極111から50〜1000nm離れた位置に上部電極ダミー部112が配置されるように形成することができる。例えば上部電極ダミー部112は、上部電極111から300nm離れた位置に上部電極111を囲むように形成してもよい。
このように上部電極111の周囲を上部電極ダミー部112が囲む配置にすると、マスクパターンの粗密による加工の変動を小さくすることができるので高精度のMIM容量素子を形成することができる。
また上部電極111と上部電極ダミー部112との距離が1000nm以下となるように形成すると、上部電極111を形成する場合にマスクパターンのパターンの粗密によって生じる形成時の寸法誤差をさらに少なくすることができる。つまり、容量素子の静電容量の精度をさらに向上することができる。また、上部電極111及び上部電極ダミー部112の側壁の形状を容量絶縁膜120に対して垂直に近い形状に形成することができる。そのため、後述するサイドウォール113,114を安定に、かつ厚く形成することが可能となる。
そして上部電極111の周囲であり、上部電極111と上部電極ダミー部112との間にサイドウォール113が形成されている。また、上部電極ダミー部112の周囲には、絶縁性のサイドウォール114が形成されている。
上部電極111の形状は周知のように必要に応じて形成すれば良いので、上記のような四角形の形状に限定されず、必要な形状に形成すれば良い。本実施の形態では、説明を複雑にしないために上部電極111の形状が四角形である場合について記載している。
また、上部電極111の周囲に形成される上部電極ダミー部112及びサイドウォール113,114の形状は上記に限定されない。例えば図2(b)に示す上部電極部110bの上部電極ダミー部112bのように上部電極ダミー部の一部が開放されており、サイドウォール113と114とが繋がった形状のサイドウォール113bが形成されていても良い。また、図2(c)に示す上部電極部110cの上部電極ダミー部112c及び図2(d)に示す上部電極部110dの上部電極ダミー部112dのように、複数の上部電極ダミー部112c、112dで上部電極111を囲むように形成しても良い。この場合も、上部電極111の周囲及び上部電極ダミー部112c,112dの周囲には一体的な形状に繋がったサイドウォール113c、113dが形成される。尚、上部電極ダミー部112,112b、112c、112dの幅は、例えば1000nm程度の大きさに形成しても良い。
尚、上部電極111と上部電極ダミー部112との距離を50nmよりも小さく形成する場合、サイドウォール113の形成が困難であるとともに、上部電極111と上部電極ダミー部112との間に生じる寄生容量が大きくなることが考えられるため、上部電極111と上部電極ダミー部112とは極端に近づけすぎない方が好ましい。
図3は、本実施の形態の半導体装置100の断面の拡大図であり、上部電極111、サイドウォール113,114、上部電極ダミー部112、容量絶縁膜120、及び下部電極130の間に生じる静電容量を示す模式図である。
図3では、導体である上部電極111及び下部電極130に挟まれている容量絶縁膜120にMIM容量素子として好ましい静電容量C1が生じている。また、上部電極111及び上部電極ダミー部112に挟まれているサイドウォール113に寄生容量C2が生じており、上部電極ダミー部112及び下部電極130に挟まれている容量絶縁膜120に寄生容量C3が生じている。
このうち、寄生容量C2は上述のように上部電極111と上部電極ダミー部112との距離に反比例して生じるため、寄生容量C2を小さくするためには上部電極111と上部電極ダミー部112とは極端に近づけすぎないことが好ましい。
次に、本実施の形態の半導体装置100の製造方法について図4,5,7〜11に示す断面図及び図6に示す平面図を用いて説明する。
はじめに、図4に示すように、半導体基板101上に第1絶縁膜102、下部電極用金属膜103(下部電極用金属部材)、第2絶縁膜104(容量絶縁膜形成絶縁部材)、上部電極用金属膜105(上部電極用金属部材)をこの順に堆積する。これらの部材については周知のMIM容量素子を備える半導体装置を形成する部材を用いることができる。例えば、第1絶縁膜102はSiO2膜を900nm堆積することで形成し、下部電極用金属膜103は、TiN膜を200nm堆積し、第2絶縁膜104は、SiN膜を40nm堆積し、上部電極用金属膜105は、TiN膜を200nm堆積することで形成することができる。
次に、図5のように、上部電極用金属膜105を公知のマスク技術及びエッチング技術により選択的に除去し、上部電極111及び上部電極ダミー部112を形成する。このようなエッチング技術については特に限定されないが、たとえばフォトリソグラフィ技術やイオンミリング技術などの異方性エッチング技術を用いて形成しても良い。
上部電極111と上部電極ダミー部112との距離は特に指定しないが、例えば上部電極111から50〜1000nm離れた位置に上部電極ダミー部112が配置されるように形成することができる。例えば上部電極ダミー部112は、上部電極111から300nm離れた位置に上部電極111を囲むように形成してもよい。
上述のように、上部電極111と上部電極ダミー部112との距離が1000nm以下となるように形成すると、上部電極111を形成する場合にそのパターンの粗密によって生じる寸法誤差を少なくすることができる。また、上部電極111及び上部電極ダミー部112の側壁の形状を容量絶縁膜120に対して垂直に近い形状に形成することができる。
また、上部電極111と上部電極ダミー部112との形状は例えば上述のように図2(a)〜(d)のような形状に形成してもよい。
図6(a)〜(d)は、本実施の形態の第2絶縁膜104の表面に形成された上部電極111と上部電極ダミー部112との形状を示す平面図である。
即ち、図6(a)の上部電極ダミー部112のように途切れずに上部電極111を完全に囲んでいてもよく、図6(b)の上部電極ダミー部112bのように一部が開放されていてもよい。また、図6(c)の上部電極ダミー部112c及び図6(d)の上部電極ダミー部112dのように複数の上部電極ダミー部112c、112dで上部電極111を囲んでもよい。上部電極ダミー部112,112b、112c、112dの幅は、例えば1000nm程度の大きさに形成しても良い。
次に、図7のように、第3絶縁膜106(上部絶縁部材)を堆積する。第3絶縁膜106の部材も特に限定されないが、周知のMIM容量素子を備える半導体装置を形成する部材を用いることができる。例えば、SiO2、SiON、SiN、SiC、SiOC、SiOFのいずれか、あるいはこれらを用いた積層膜として形成しても良い。また、形成方法についても周知の方法を用いることができる。具体的には、HDP−CVD法(high-density plasma chemical vapor deposition:高密度プラズマ化学気相成長法)などにより、SiO2膜を200nm堆積してもよい。この堆積によって、上部電極111と上部電極ダミー部112との間は、この第3絶縁膜106により埋め込まれる。
このとき、上部電極111及び上部電極ダミー部112は第2絶縁膜104より表面に盛り上がった形状に形成されているため、第3絶縁膜106は上部電極111及び上部電極ダミー部112の間と、上部電極ダミー部112の周囲とに厚く堆積する。
上記に示した第3絶縁膜106に用いることのできる部材は、多層配線を半導体装置に形成する工程で通常用いる部材である。そのため、形成するために専用の装置などの設備を必要としない。
次に、図8のように、第3絶縁膜106をRIE法(reactive ion etching:反応性イオンエッチング法)などの公知のエッチング法により全面に対してエッチングを行う。このエッチングにより、上部電極111、上部電極ダミー部112、及び第2絶縁膜104の表面を露出させ、上部電極部110を形成する。このとき、第3絶縁膜106が上部電極111及び上部電極ダミー部112の間と、上部電極ダミー部112の周囲とに厚く堆積しているので、上部電極111及び上部電極ダミー部112の間には絶縁性のサイドウォール113が形成され、上部電極ダミー部112の周囲には絶縁性のサイドウォール114が形成される。
即ち、上部電極111及び上部電極ダミー部112の間と、上部電極ダミー部112の周囲とはサイドウォール113、114に被覆され、第2絶縁膜104は露出しない。
次に、図9のように、上部電極111、上部電極ダミー部112、及びサイドウォール113,114をマスクとして、第2絶縁膜104をRIE法などの公知のエッチング法によって除去する。このように形成することにより、上部電極111、上部電極ダミー部112、及びサイドウォール113,114と下部電極用金属膜103との間に形成されていた第2絶縁膜104を容量絶縁膜120として形成する。
次に、図10のように、下部電極用金属膜103を公知のフォト及びエッチング技術により選択的に除去し、下部電極130を形成する。
そして、図11のように、第4絶縁膜107を堆積し、必要であれば平坦化処理をしたあと、下部電極130、上部電極111に接続する導電性プラグ141、142、及び上層配線151、152を形成してMIM容量素子を形成する。このような第4絶縁膜107の形成や、導電性プラグ141、142、上層配線151、152の形成は周知のMIM容量素子を備える半導体装置の形成方法を用いることができる。
例えば、プラズマCVD法(plasma chemical vapor deposition)によってSiO2膜を800nm堆積して第4絶縁膜107を形成した後、CMP法(chemical mechanical polishing:化学機械研磨法)によってSiO2膜を平坦化する。そして公知のマスク、エッチング技術によってSiO2膜に接続孔を形成し、CVD法によってTiN膜及びタングステン膜を堆積して接続孔を埋め込む。CMP法によって接続孔内以外の場所に形成された不要なTiN膜及びタングステン膜を除去した後、スパッタリング法により上層配線部材を構成するTi、TiN、AlCu、TiNをこの順にそれぞれ15nm、10nm、500nm、25nmの厚さに堆積し、公知のマスク、エッチング技術によって上層配線部材を選択的に除去して、上層配線151、152を形成する。
尚、上層配線151、152の絶縁を確保するために、必要に応じて第5絶縁膜108を周知の方法で形成しても良い。
以上のように容量絶縁膜パターニング用のマスクと工程数を削減するとともに、上下電極間のリーク電流を抑えることのできるMIM容量素子を有する半導体装置100を形成することができる。
そして上記のように形成される本実施の形態の半導体装置100では、容量絶縁膜120の外周部の縁は上部電極ダミー部112のさらに外側に形成されているサイドウォール114の下部に位置する。そのため、エッチングによりダメージを受けた容量絶縁膜120の外周部をサイドウォール113、上部電極ダミー部112、及びサイドウォール114が形成する距離だけ上部電極111から遠ざけることができる。
容量絶縁膜120の外周部の縁では、上記のように形成される場合のエッチング工程によってダメージを受け、絶縁耐性が劣化する可能性があったが、本実施の形態の半導体装置100ではサイドウォール113及び上部電極ダミー部112が形成されているので、容量絶縁膜120の外周部をそれだけ上部電極111から遠ざけることができる。そのため、製造工程において絶縁耐性が劣化することがない。
そのため、MIM容量素子の静電容量を大きくするために容量絶縁膜120を薄く形成した場合であっても、容量絶縁膜120の外周部を流れるリーク電流を抑えることができる。
尚、上部電極111及び上部電極ダミー部112の側壁の形状を容量絶縁膜120に対して垂直に近い形状に形成する場合、上部電極111及び上部電極ダミー部112の間には第3絶縁膜106をさらに厚く堆積することができる。
図12(a)、(b)は、上部電極111及び上部電極ダミー部112の側壁の形状を容量絶縁膜120に対して垂直に近い形状に形成した場合の本実施の形態の半導体装置100の断面図であり、図13(a)、(b)は、上部電極111及び上部電極ダミー部112の側壁の形状をテーパー形状、即ち垂直に形成しなかった場合の本実施の形態の半導体装置100’の断面図である。
図12(a)に示すように、上部電極111及び上部電極ダミー部112の側壁の形状を容量絶縁膜120に対して垂直に近い形状に形成した場合、第3絶縁膜106は上述のように上部電極111及び上部電極ダミー部112に沿って堆積し、その結果上部電極111及び上部電極ダミー部112の間には図12(a)に示すように第3絶縁膜106が多く堆積する。
一方、図13(a)に示すように上部電極111及び上部電極ダミー部112の側壁の形状をテーパー形状に形成した場合には、第3絶縁膜106は上部電極111及び上部電極ダミー部112の側壁の形状に沿って堆積するため、上部電極111及び上部電極ダミー部112の間には図12(a)に示すよりも第3絶縁膜106が少なく堆積することになる。
この状態で第3絶縁膜106をRIE法などの公知の方法でエッチングし、上部電極111、上部電極ダミー部112、及び第2絶縁膜104の表面を露出させた場合、エッチングによって取り除かれる第3絶縁膜106の厚さが図12の場合と図13の場合とで等しいと考えるならば、第3絶縁膜106が上部電極111及び上部電極ダミー部112の間に多く堆積している図12(b)の場合の方が図13(b)の場合よりもサイドウォール113が厚く形成されると考えることができる。
また、第3絶縁膜106は、上記のように容量絶縁膜120を形成するためのエッチングのマスクとなる部材である。そのため、容量絶縁膜120のエッチングにおいてエッチング条件による除去選択性の高い(エッチングの選択比が高く)、堆積時に被積層部材となる上部電極111及び上部電極ダミー部112などの形状の凸凹を埋めて堆積する段差カバレッジに優れた部材であることが好ましい。
また、上記のような部材を単独で用いるだけでなく、例えばエッチングの選択比が高い部材と、段差カバレッジに優れた部材とを組み合わせて用いることも可能である。
図14(a)〜(d)は、容量絶縁膜120のエッチングにおいてエッチングされにくい(エッチングの選択比が高い)部材と、段差カバレッジに優れた部材とを組み合わせて用いる場合の製造方法を示す断面図であり、上記の図7〜図9の工程に対応する断面図である。
図14(a)は、上記の図7に対応する工程を示している。図14(a)では、第3絶縁膜106の代わりにまずエッチングされにくい第3絶縁膜106a(高除去選択性部材)を堆積した後、段差カバレッジに優れる第3絶縁膜106b(段差被覆部材)を堆積している。
次に、図14(b)のように、第3絶縁膜106bをRIE法などの公知のエッチング法により全面に対してエッチングを行い、第3絶縁膜106aの表面を露出させる。このとき、第3絶縁膜106bが上部電極111及び上部電極ダミー部112の間と、上部電極ダミー部112の周囲とに厚く堆積しているので、上部電極111及び上部電極ダミー部112の間には絶縁性のサイドウォール113bが形成され、上部電極ダミー部112の周囲には絶縁性のサイドウォール114bが形成される。
そして図14(c)のように、第3絶縁膜106bをマスクにして第3絶縁膜106aをRIE法などの公知のエッチング法により全面に対してエッチングを行い、上部電極111、上部電極ダミー部112、及び第2絶縁膜104の表面を露出させる。この工程によって上部電極111及び上部電極ダミー部112の間には絶縁性のサイドウォール113cが形成され、上部電極ダミー部112の周囲には絶縁性のサイドウォール114cが形成される。
さらに、図14(d)のように、上部電極111、上部電極ダミー部112、及びサイドウォール113c,114cをマスクとして、第2絶縁膜104をRIE法などの公知のエッチング法によって除去する。このように形成することにより、上部電極111、上部電極ダミー部112、及びサイドウォール113c,114cと下部電極用金属膜103との間に形成されていた第2絶縁膜104を容量絶縁膜120として形成する。このエッチングによってサイドウォール113c及び114cはエッチングされ、サイドウォール113d及び114dのように形成される。もしサイドウォール113c,114cがこのエッチングの工程によってエッチングされ易く、図14(d)に示す工程で残っていない場合であっても、エッチングされにくい第3絶縁膜106aが上部電極111及び上部電極ダミー部112の間と、上部電極ダミー部112の周囲とに残るのでサイドウォール113d及び114dが安定して形成され、容量絶縁膜120を保護することができる。
尚、上記の実施の形態では下部電極130は、下部電極用金属膜103から形成される場合について記載したが、図示しない他の半導体素子との電気的な接続のためにすでに形成されている配線部材から形成される場合として、上述の上層配線151などと同様の方法で形成した下層配線231を用いる構成としても良い。
図15は、下部電極130の代わりに下層配線231を形成した半導体装置200を示す断面図である。図15に示す半導体装置200では、下層配線231以外の部材については本実施の形態の半導体装置100と同様の構造をしており、同様に形成することができるため、同じ符号を付し、説明を省略する。
下層配線231は、上述の上層配線151、152などと同様に周知のMIM容量素子を備える半導体装置の形成方法を用いることができる。
例えば、スパッタリング法により下層配線部材を構成するTi、TiN、AlCu、TiNをこの順にそれぞれ15nm、10nm、500nm、25nmの厚さに堆積し、その後は上記実施の形態と同様に半導体装置200を形成することができる。
このように形成された半導体装置200では、配線部材である下層配線231を下部電極部材として用いることができる。そのため、配線と同時に下部電極を加工することで下部電極130を形成するために必要となる下部電極130形成用のマスクと工程数とを削減することができる。
また、図16に示す半導体装置300のように、上部電極ダミー部112に電気的に接続する導電性プラグ343及び上層配線353を形成してもよい。これにより、上部電極ダミー部112の電位を例えば接地し、電位を固定することができる。このため、半導体装置300が備えるMIM容量素子の浮遊容量を低減することができる。
なお本発明は、以上説示した各構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能である。
以上のように、本発明では、MIM容量素子の上部電極の周囲にサイドウォールとダミー電極とを備えているので、製造工程などによってダメージを受けた容量絶縁膜の外周部をMIM容量素子の上部電極から遠ざけることができる。そのため、MIM容量素子の静電容量を大きくするために容量絶縁膜を薄く形成した場合であっても、容量絶縁膜の外周部を流れるリーク電流を抑えることができる。このようなMIM容量素子の高容量化、高精度化は、アナログ集積回路などの高精度の半導体装置に関わる分野に広く応用することが可能である。
100,100’,200,300 半導体装置
101 半導体基板
102 第1絶縁膜
103 下部電極用金属膜(下部電極用金属部材)
104 第2絶縁膜(容量絶縁膜形成絶縁部材)
105 上部電極用金属膜(上部電極用金属部材)
106 第3絶縁膜(上部絶縁部材)
106a 第3絶縁膜
(上部絶縁部材、高除去選択性部材)
106b 第3絶縁膜(上部絶縁部材、段差被覆部材)
107 第4絶縁膜
108 第5絶縁膜
110 上部電極部
111 上部電極(上部第1電極)
112,112b,112c,112d 上部電極ダミー部(上部第2電極)
113,113b,113c,113d サイドウォール(上部第1絶縁膜)
114,114b,114c,114d サイドウォール(上部第2絶縁膜)
120 容量絶縁膜
130 下部電極(下部電極部)
141,142,343 導電性プラグ
151,152,353 上層配線
231 下層配線
C1 静電容量
C2,C3 寄生容量
101 半導体基板
102 第1絶縁膜
103 下部電極用金属膜(下部電極用金属部材)
104 第2絶縁膜(容量絶縁膜形成絶縁部材)
105 上部電極用金属膜(上部電極用金属部材)
106 第3絶縁膜(上部絶縁部材)
106a 第3絶縁膜
(上部絶縁部材、高除去選択性部材)
106b 第3絶縁膜(上部絶縁部材、段差被覆部材)
107 第4絶縁膜
108 第5絶縁膜
110 上部電極部
111 上部電極(上部第1電極)
112,112b,112c,112d 上部電極ダミー部(上部第2電極)
113,113b,113c,113d サイドウォール(上部第1絶縁膜)
114,114b,114c,114d サイドウォール(上部第2絶縁膜)
120 容量絶縁膜
130 下部電極(下部電極部)
141,142,343 導電性プラグ
151,152,353 上層配線
231 下層配線
C1 静電容量
C2,C3 寄生容量
Claims (10)
- 上部電極部と下部電極部との間に容量絶縁膜を備えた容量素子を含む半導体装置であって、
上記上部電極部が、上記容量絶縁膜に対向する表面に上部第1電極、上部第1絶縁膜、及び上部第2電極を備えており、
上記容量素子は、
上記上部第1電極、上記容量絶縁膜、及び上記下部電極部によって形成されており、
上記上部第1電極の周囲に上記上部第1絶縁膜を有しており、
上記上部第1絶縁膜の周囲に上記上部第2電極を有しており、
上記上部第1電極と上記上部第2電極とは電気的に絶縁されており、
少なくとも上記上部第2電極と上記容量絶縁膜とが接触していることを特徴とする半導体装置。 - 上記上部電極部が、さらに上記上部第2電極の周囲に上部第2絶縁膜を有していることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
- 上記容量素子は、上記上部第2絶縁膜と上記容量絶縁膜とが接触していることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
- 上記上部第1電極と上記上部第2電極とは50〜1000nm離れた位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
- 上記上部第1絶縁膜は、SiO2、SiON、SiN、SiC、SiOC、SiOFの何れかで形成されている絶縁膜、またはこれらの組み合わせによる積層膜であることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
- 上記上部第2絶縁膜は、SiO2、SiON、SiN、SiC、SiOC、SiOFの何れかで形成されている絶縁膜、またはこれらの組み合わせによる積層膜であることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
- 上記上部第2電極が、上記半導体装置の外部に電気的に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
- 上記上部第2電極が、電気的に接地されていることを特徴とする請求項7に記載の半導体装置。
- 上部電極部と下部電極部との間に容量絶縁膜を備えた容量素子を含む半導体装置の製造方法であって、上部電極部形成工程、容量絶縁膜形成工程、及び下部電極部形成工程を含んでおり、
上記上部電極部形成工程が、
基板上に、下部電極用金属部材、容量絶縁膜形成絶縁部材、上部電極用金属部材を、この順に隣接して積層する第1積層工程と、
上記上部電極用金属部材を選択的に除去して上部第1電極と、上記上部第1電極の周囲に上部第2電極とを形成する上部電極形成工程と、
上記上部第1電極、上記上部第2電極、及び上記上部電極形成工程で露出した上記容量絶縁膜形成絶縁部材の表面に密着するように上部絶縁部材を堆積する第2積層工程と、
上記上部絶縁部材を全面エッチングし、上記上部第1電極及び上記上部第2電極の間に上部第1絶縁膜を形成するとともに上記上部第2電極の周囲に上部第2絶縁膜を形成する上部絶縁膜形成工程とを含んでおり、
容量絶縁膜形成工程が、上記上部第1電極、上記上部第1絶縁膜、上記上部第2電極、及び上記上部第2絶縁膜を含む上部電極部をマスクとして上記容量絶縁膜形成絶縁部材をエッチングし、上記容量絶縁膜を形成する工程であり、
下部電極部形成工程が、上記下部電極用金属部材を選択的に除去して上記下部電極部を形成する工程であることを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 上記上部絶縁膜がエッチング条件による除去選択性の高い高除去選択性部材と、被積層部材の形状の凸凹を埋めて堆積する段差被覆部材とを含み、
上記第2積層工程が、上記高除去選択性部材の堆積工程と、上記段差被覆部材の堆積工程とを含み、
上記上部絶縁膜形成工程が、上記段差被覆部材を全面エッチングし、さらに上記段差被覆部材をマスクとして全面エッチングし、上記上部第1電極及び上記上部第2電極の間に上部第1絶縁膜を形成するとともに上記上部第2電極の周囲に上部第2絶縁膜を形成する工程であることを特徴とする請求項9に記載の半導体装置の製造方法。
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---|---|---|---|
JP2007094988A JP2008252044A (ja) | 2007-03-30 | 2007-03-30 | Mim容量素子を備える半導体装置及びその製造方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007094988A JP2008252044A (ja) | 2007-03-30 | 2007-03-30 | Mim容量素子を備える半導体装置及びその製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2008252044A true JP2008252044A (ja) | 2008-10-16 |
Family
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Family Applications (1)
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015012019A (ja) * | 2013-06-26 | 2015-01-19 | シャープ株式会社 | 半導体装置 |
CN109755181A (zh) * | 2019-01-22 | 2019-05-14 | 苏州华太电子技术有限公司 | 基于Dummy结构的MIM电容 |
FR3122284A1 (fr) * | 2021-04-21 | 2022-10-28 | Stmicroelectronics (Rousset) Sas | Circuit intégré comportant au moins un élément capacitif et procédé de fabrication correspondant. |
-
2007
- 2007-03-30 JP JP2007094988A patent/JP2008252044A/ja active Pending
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JP2015012019A (ja) * | 2013-06-26 | 2015-01-19 | シャープ株式会社 | 半導体装置 |
CN109755181A (zh) * | 2019-01-22 | 2019-05-14 | 苏州华太电子技术有限公司 | 基于Dummy结构的MIM电容 |
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