JP2008249421A - 放射性固体廃棄物のガス化減容処理装置 - Google Patents

放射性固体廃棄物のガス化減容処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 処理残渣を充填したドラム缶の保管スペースを不要にする。
【解決手段】 投入コンベヤ2の下流側に設けた投入ダンパ3の下端部に、ガス化処理機4の入口側を、廃棄物供給プッシャー5を介して接続する。ガス化処理機4の出口側に設けた残渣取出ダンパ6の下端部に、残渣冷却機8の入口側を、残渣供給プッシャー10を介して接続する。残渣冷却機8の出口側に設けた排出ダンパ11の下端部に、排出コンベヤ12の上流側端部を接続する。投入コンベヤ2より投入ダンパ3に投入された放射性固体廃棄物1を、廃棄物供給プッシャー5によりガス化処理機4に装入して、放射性固体廃棄物1中の有機物をガス化し、減容された処理残渣7を、残渣取出ダンパ6へ取り出す。その後、処理残渣7は、残渣供給プッシャー10により残渣冷却機8へ装入して冷却させてから、排出コンベヤ12により下流側へ搬送させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、原子力プラントで発生する放射性固体廃棄物中の有機物をガス化して体積を縮小するために用いる放射性固体廃棄物のガス化減容処理装置に関するものである。
原子力プラントでは、その運転に伴って、古い作業衣、手袋、ウエス、ペーパータオル、ポリエチレンシート、木材、金属類(機械部品、配管等)、フィルタ類、ゴム、ビニール、ガラス、保温材、コンクリート等の雑固体廃棄物と云われる放射性固体廃棄物が発生する。上記のような放射性固体廃棄物は、セメント等を用いた固化処理を行って水に溶け出さない固化体とした後、浅地層処分することが検討されている。
上記雑固体廃棄物のような放射性固体廃棄物は、大量に発生するものであることから、固化処理を行う前に減容処理を行って、固化処理の対象物の体積を大幅に縮小することが望まれている。
又、上記放射性固体廃棄物に多量の有機物が含まれていると、固化処理した固化体を浅地層処分した後、該有機物が分解してメタンなどのガスが発生し、このガスが放射性物質と共に外部に拡散される虞も懸念される。
そのために、上記放射性固体廃棄物を、図2に示す装置を用いて該放射性固体廃棄物中に含まれている有機物の炭化温度以上で、且つ上記放射性固体廃棄物中の無機物の溶融温度以下となる、たとえば、200℃以上、660℃以下の温度で加熱することにより、上記有機物を分解してガス化させることで、放射性固体廃棄物を減容化し、その後、残渣を固化処理するようにすることが従来提案されてきている。
具体的には、図2に示す如く、ベルトコンベヤaと、該ベルトコンベヤaの搬送方向上流側端部の近傍位置に設けたドラム缶転倒装置bと、上記ベルトコンベヤaの長手方向中間部を所要の長さ範囲に亘り覆うよう設けた加熱装置cとから、放射性固体廃棄物のガス化減容処理装置が構成してある。上記加熱装置cは、入口と出口を、図示しないエアカーテンで仕切ることができるようにしてあると共に、内部をヒータにより最大500℃、最低320℃に加熱できるようにしてある。
上記構成としてある放射性固体廃棄物のガス化減容処理装置によれば、ドラム缶dに充填されている放射性固体廃棄物eを、ドラム缶転倒装置bによりベルトコンベヤa上に取り出す。次に、上記ベルトコンベヤa上に取り出された放射性固体廃棄物eが、ベルトコンベヤaによって図上、左から右方向に搬送される途中で上記加熱装置c内を通過するときに、上記放射性固体廃棄物e中に含まれている有機物をガス化(熱分解、炭化)させるようにしてある。この加熱装置cにて有機物をガス化することで発生するガスは、上記加熱装置cより排ガス処理装置fへ導いて所要の排ガス処理を行うようにしてある。
その後、上記加熱装置cにて有機物が分解、炭化されることによって減容化された後、上記ベルトコンベヤaによって上記加熱装置cの下流側へ排出される放射性固体廃棄物の処理残渣gは、冷却した後、予め用意してあるドラム缶hに充填する。
しかる後、上記処理残渣gが充填されたドラム缶hを、固化処理エリアへ移送し、該固化処理エリアにて、固化材サイロiからのセメントと、添加水タンクjからの水とを混練機kで混練して形成した固化材ペーストlを、上記処理残渣gが充填されているドラム缶hに注入することで、固化処理を行うようにしてある(たとえば、特許文献1参照)。
特開平7−333393号公報
ところが、上記図2に示した従来提案されている放射性固体廃棄物のガス化減容処理装置では、加熱装置cにより有機物の分解、炭化処理後に該加熱装置cの下流側へ排出される放射性固体廃棄物の処理残渣gを、自然冷却するようにしてあることから、該処理残渣gの冷却に要する処理時間が、たとえば、1日〜2日と長くなるという問題がある。
又、上記処理残渣gは、一旦ドラム缶hに充填して保管し、その後、上記ドラム缶hに充填された状態の処理残渣gを、固化処理を行うための固化処理エリアへ移送するようにしてあることから、放射性固体廃棄物eの処理量が多くなる場合にも対応できるようにするためには、上記処理残渣gを充填したドラム缶hを保管するためのスペースを、建屋内に広く確保しておく必要が生じてしまう。又、上記処理残渣gをドラム缶hに充填した状態で保管するための処理時間が必要になる。
更には、上記処理残渣gを後工程である固化処理に送るためには、該処理残渣gが充填してあるドラム缶hを、個々に保管スペースへ搬入する処理と、該保管スペース内に保管されている処理残渣gが充填してあるドラム缶hを、保管スペースから個々に搬出する処理が生じるため、上記処理残渣gの移送に時間を要するという問題もある。
そこで、本発明は、放射性固体廃棄物を連続的に減容化できると共に、取り出される処理残渣を、固化処理等の後工程へ連続的に直接供給できるようにして、上記処理残渣の冷却、移送のための処理時間を短縮化でき、しかも、上記処理残渣の保管のためのスペース及び処理時間を不要にすることができる放射性固体廃棄物のガス化減容処理装置を提供しようとするものである。
本発明は、上記課題を解決するために、請求項1に対応して、放射性固体廃棄物を搬送する投入コンベヤの下流側に、放射性固体廃棄物中の有機物をガス化するためのガス化処理機と、該ガス化処理機より取り出される処理残渣を冷却するための残渣冷却機と、冷却後の残渣を排出する排出コンベヤとを一連に備えてなる構成とする。
又、上記構成において、ガス化処理機が、中空円筒形状のケーシング内に、メッシュ構造の中空ケージを、入口側よりも出口側が低くなるようにして回転駆動可能に横置きし、且つ上記中空ケージの外周位置に配した加熱ヒータ、及び又は、上記ケーシングに接続した加熱ガス供給ライン及びガス排出ラインを備えてなる構成として、上記中空ケージ内に装入される放射性固体廃棄物を、上記加熱ヒータによる加熱、及び又は、上記加熱ガス供給ラインよりケーシング内へ供給してガス排出ラインへ流通させる加熱ガスにより、有機物の熱分解ガス化温度まで加熱できるようにした構成とする。
更に、上記各構成において、ガス化処理機のケーシングにおける出口側端部の底部に、溶融金属回収口を設けた構成とする。
上述の各構成における残渣冷却機が、中空円筒形状の冷却機ケーシング内に、メッシュ構造の中空ケージを、入口側よりも出口側が低くなるようにして回転駆動可能に横置きし、且つ上記冷却機ケーシングに接続した冷媒ガス供給ライン及び冷媒ガス排出ラインを備えてなる構成として、上記中空ケージ内に装入される処理残渣を、上記冷媒ガス供給ラインより冷却機ケーシング内へ供給して冷媒ガス排出ラインへ流通させる冷媒により冷却できるようにした構成とする。
本発明の放射性固体廃棄物のガス化減容処理装置によれば、以下のような優れた効果を発揮する。
(1)放射性固体廃棄物を搬送する投入コンベヤの下流側に、放射性固体廃棄物中の有機物をガス化するためのガス化処理機と、該ガス化処理機より取り出される処理残渣を冷却するための残渣冷却機と、冷却後の残渣を排出する排出コンベヤとを一連に備えてなる構成としてあるので、上記投入コンベヤより上記ガス化処理機へ供給される放射性固体廃棄物を、該放射性固体廃棄物中の有機物を熱分解しガス化することで減容化して処理残渣を得ることができ、更に、上記ガス化処理機にて生じる高温の処理残渣は、残渣冷却機で速やかに冷却した後、排出コンベヤへ導くことができるため、上記処理残渣の冷却に要する処理時間を大幅に短縮することができる。又、上記残渣冷却機による冷却後の処理残渣は、排出コンベヤによって所要の下流側機器へ直接且つ連続的に供給することができるため、上記処理残渣を、ドラム缶に充填して保管する必要をなくすことができる。そのため、上記処理残渣を充填したドラム缶を保管するためのスペースを建屋内に確保する必要がなくなるため、装置構成をコンパクトなものとすることができる。
(2)更に、上記処理残渣をドラム缶に充填した状態で保管するための処理時間や、処理残渣を充填したドラム缶を個別に搬送する必要がなくなるため、上記処理残渣の冷却、移送のための処理時間を大幅に短縮化することが可能になる。
(3)ガス化処理機が、中空円筒形状のケーシング内に、メッシュ構造の中空ケージを、入口側よりも出口側が低くなるようにして回転駆動可能に横置きし、且つ上記中空ケージの外周位置に配した加熱ヒータ、及び又は、上記ケーシングに接続した加熱ガス供給ライン及びガス排出ラインを備えてなる構成として、上記中空ケージ内に装入される放射性固体廃棄物を、上記加熱ヒータによる加熱、及び又は、上記加熱ガス供給ラインよりケーシング内へ供給し、ガス排出ラインへ流通させる加熱ガスにより、有機物の熱分解ガス化温度まで加熱できるようにした構成とすることにより、上記放射性固体廃棄物の熱分解、ガス化処理して減容化させるためのガス化処理機を容易に実現できる。
(4)ガス化処理機のケーシングにおける出口側端部の底部に、溶融金属回収口を設けた構成とすることにより、放射性固体廃棄物中に含まれていた鉛やアルミニウム等の低融点金属の溶融金属を、上記メッシュ構造としてある中空ケージの周壁面の貫通孔を通してケーシングの内底部に落下させた後、上記溶融金属回収口を通して回収できる。このため、上記放射性固体廃棄物の処理残渣から上記溶融金属を容易に分離できて、該処理残渣の体積を、更に縮小させることが可能になる。
(5)残渣冷却機が、中空円筒形状の冷却機ケーシング内に、メッシュ構造の中空ケージを、入口側よりも出口側が低くなるようにして回転駆動可能に横置きし、且つ上記冷却機ケーシングに接続した冷媒ガス供給ライン及び冷媒ガス排出ラインを備えてなる構成として、上記中空ケージ内に装入される処理残渣を、上記冷媒ガス供給ラインより冷却機ケーシング内へ供給して冷媒ガス排出ラインへ流通させる冷媒により冷却できるようにした構成とすることにより、処理残渣を速やかに冷却するための残渣冷却機を容易に実現できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の放射性固体廃棄物のガス化減容処理装置の実施の一形態を示すもので、放射性固体廃棄物1を搬送する投入コンベヤ2の下流側端部に、投入ダンパ3の上端部を接続する。該投入ダンパ3の下端部には、放射性固体廃棄物1を熱分解、炭化して、該放射性固体廃棄物1中の有機物をガス化するためのガス化処理機4の入口側を、放射性固体廃棄物供給装置としての廃棄物供給プッシャー5を介して接続する。これにより、上記投入コンベヤ2より投入ダンパ3に投入されて、該投入ダンパ3の下端部まで導かれる放射性固体廃棄物1を、上記廃棄物供給プッシャー5により上記ガス化処理機4に装入できるようにする。
上記ガス化処理機4の出口側には、残渣取出ダンパ6の上端部を接続する。該残渣取出ダンパ6の下端部には、上記ガス化処理機4で発生する放射性固体廃棄物1の処理残渣7を冷媒としての所要の不活性ガス、たとえば、窒素ガス9により冷却できるようにしてある残渣冷却機8の入口側を、処理残渣供給装置としての残渣供給プッシャー10を介して接続する。これにより、上記ガス化処理機4の出口より残渣取出ダンパ6へ取り出される処理残渣7を、該残渣取出ダンパ6の下端部より上記残渣供給プッシャー10によって上記残渣冷却機8へ装入できるようにする。
更に、上記残渣冷却機8の出口側には、排出ダンパ11の上端部を接続し、且つ該排出ダンパ11の下端部に、排出コンベヤ12の上流側端部を接続してなる構成とする。
詳述すると、上記ガス化処理機4は、細長い円筒形状とし、且つ周壁面に所要サイズの貫通孔14を多数具備してなるメッシュ構造の中空ケージ13を、中空円筒形状のケーシング15内に、入口13a側となる一端部よりも出口13b側となる他端部の方が低くなるように傾斜させて横置きして、入口13a側と出口13b側の端部外周を、それぞれターニングローラ16上に載置する。更に、所要個所、たとえば、上記ケーシング15の出口側端部の上側に設けたモータ18と、該モータ18の出力軸に取り付けてある駆動ローラ20の回転駆動力を、動力伝達用ローラ21を介して、上記中空ケージ13の出口13b側端部外周に伝達できるようにした動力伝達機構19とから、ケージ回転装置17を構成する。これにより、上記モータ18を運転することで、上記駆動ローラ20と動力伝達用ローラ21を介して上記中空ケージ13を回転駆動できるようにしてある。よって、上記中空ケージ13内へ入口13a側より装入されるものを、該中空ケージ13の回転に伴って出口13b側へ順次送ることができるようにしてある。
上記ケーシング15には、上記中空ケージ13を取り囲むように加熱ヒータ22が設けてある。更に、上記ケーシング15の出口寄りの下部所要個所に、窒素又は窒素と低濃度の酸素からなる加熱ガス23を供給するための加熱ガス供給ライン24を接続すると共に、上記ケーシング15の入口側端部の頂部に、ガス排出ライン25を接続する。これにより、上記加熱ヒータ22による加熱と、上記加熱ガス供給ライン24より、上記ケーシング15内へ供給し、中空ケージ13の周壁面の貫通孔14を通して該中空ケージ13内へ吹き込んだ後、上記ガス排出ライン25へ向けて流通させる加熱ガス23により、中空ケージ13内に、長手方向に沿って、入口13a側の常温から、出口13b側で最高300℃〜700℃となる温度勾配を形成した状態で、上記廃棄物供給プッシャー5により上記中空ケージ13内へ装入される放射性固体廃棄物1を加熱できるようにしてある。
更に、上記ケーシング15における出口側端部の底部には、溶融金属回収口26が設けてある。これにより、上記放射性固体廃棄物1中に含まれている鉛やアルミニウム等の低融点金属が、中空ケージ13内で加熱されることで溶融して溶融金属27とされた後、回転駆動される上記中空ケージ13の周壁面の貫通孔14を通してケーシング15の内底部に落下すると、このケーシング15の内底部の溶融金属27を、上記溶融金属回収口26を通して外部へ回収できるようにしてある。
上記残渣冷却機8は、細長い円筒形状とし、且つ周壁面に所要サイズの貫通孔29を多数具備してなるメッシュ構造の中空ケージ28を、中空円筒形状の冷却機ケーシング30内に、入口28a側となる一端部よりも出口28b側となる他端部の方が低くなるように傾斜させて横置きして、入口28a側と出口28b側の端部外周を、それぞれターニングローラ31上に載置する。更に、所要個所、たとえば、上記冷却機ケーシング30の出口側端部の上側に設けたモータ33と、該モータ33の出力軸に取り付けてある駆動ローラ35の回転駆動力を、動力伝達用ローラ36を介して、上記中空ケージ28の出口28b側端部外周に伝達できるようにした動力伝達機構34とから、ケージ回転装置32を構成する。これにより、上記モータ33を運転することで、上記駆動ローラ35と動力伝達用ローラ36を介して上記中空ケージ28を回転駆動できるようにしてある。よって、上記中空ケージ28内へ入口28a側より装入されるものを、該中空ケージ28の回転に伴って出口28b側へ順次送ることができるようにしてある。
上記冷却機ケーシング30の出口寄りの下部所要位置には、冷媒としての窒素ガス9を供給するための冷媒ガス供給ライン37を接続すると共に、上記冷却機ケーシング30の入口側端部の頂部に、冷媒ガス排出ライン38を接続する。これにより、上記ガス化処理機4における放射性固体廃棄物1の熱分解、炭化処理によって生じた後、残渣取出ダンパ6へ取り出される高温状態の処理残渣7を、該残渣取出ダンパ6の下端部より残渣供給プッシャー10によって上記中空ケージ28内へ装入して、上記冷媒ガス供給ライン37より上記冷却機ケーシング30内へ供給し、中空ケージ28の周壁面の貫通孔29を通して該中空ケージ28内へ吹き込んだ後、上記冷媒ガス排出ライン38へ向けて流通させる窒素ガス9により、該中空ケージ28内の処理残渣7を冷却できるようにしてある。
上記投入ダンパ3は、二重ダンパ形式として、上記ガス化処理機4に供給した加熱ガス23、及び、ガス化処理機4における放射性固体廃棄物1の熱分解、炭化処理時に発生するガスが、上記投入ダンパ3を下端側から上向きに逆流して外部へ漏れる虞を解消できるようにしてある。
又、上記残渣取出ダンパ6は、二重ダンパ形式として、該残渣取出ダンパ6を介して接続してある上記ガス化処理機4の出口側と、上記残渣冷却機8の入口側との間で、互いの内部雰囲気ガスが流通する虞が生じないようにしてある。
更に、上記排出ダンパ11は、二重ダンパ形式として、上記残渣冷却機8に冷媒として供給している窒素ガス9が、上記排出ダンパ11を吹き抜けて排出コンベヤ12側へ漏れる出る虞を解消できるようにしてある。
なお、上記ガス化処理機4よりガス排出ライン25へ排出されるガス、及び、上記残渣冷却機8より冷媒ガス排出ライン38へ排出されるガスは、それぞれ図示しないガス処理装置へ導いて処理するようにしてあるものとする。
以上の構成としてある放射性固体廃棄物のガス化減容処理装置を使用する場合は、投入コンベヤ2により放射性固体廃棄物1を搬送して、投入ダンパ3へ投入させる。
上記投入ダンパ3へ投入された後、該投入ダンパ3の下端部へ導かれた放射性固体廃棄物1は、廃棄物供給プッシャー5の所要時間間隔の反復作動により上記ガス化処理機4へ所要量ずつ継続して装入される。
上記ガス化処理機4へ装入された放射性固体廃棄物1は、中空ケージ13の回転により出口13b側へ移送される間に、加熱ヒータ22と、該ガス化処理機4へ供給されている加熱ガス23によって上記中空ケージ13内に長手方向に沿って形成されている温度勾配に応じて徐々に加熱され、最終的に該中空ケージ13の出口13b側で最高300℃〜700℃とされることで、放射性固体廃棄物1中の有機物が熱分解されてガス化され、処理残渣としては、固体炭素と灰分が主成分となることで上記放射性廃棄物1に比して、大幅に減容される。この際、上記放射性固体廃棄物1は徐々に加熱されるため、有機物のガス化反応が急激に進む虞はない。
更に、上記加熱によって、放射性固体廃棄物1中に含まれていた鉛やアルミニウム等の処分時に問題となる可能性のある低融点金属は溶融金属27とされた後、回転する上記中空ケージ13の周壁面の貫通孔14を通してケーシング15の内底部に落下した後、溶融金属回収口26を通して回収されるため、上記放射性固体廃棄物1の処理残渣7とは分離される。上記ガス化処理機4内で発生した処理残渣7が、上記中空ケージ13の出口13bより残渣取出ダンパ6へ投入されると、上記処理残渣7は、残渣取出ダンパ6の定期的な作動によって該残渣取出ダンパ6の下端部へ導かれる。
上記残渣取出ダンパ6の下端部に達した処理残渣7は、残渣供給プッシャー10の所要時間間隔の反復作動により上記残渣冷却機8へ所要量ずつ継続して装入される。
上記残渣冷却機8へ装入された処理残渣7は、中空ケージ28の回転により出口28b側へ移送される間に、該残渣冷却機8へ冷媒として供給されている窒素ガス9によってほぼ常温まで急速に冷却される。
上記残渣冷却機8で冷却された処理残渣7が、上記中空ケージ28の出口28bより排出ダンパ11へ投入されると、上記冷却後の処理残渣7は、排出ダンパ11の定期的な作動によって下方へ送られて、排出コンベヤ12の搬送方向上流側端部へ投入されるようになる。
したがって、上記排出コンベヤ12の運転により、上記冷却後の処理残渣7は、該排出コンベヤ12の下流側に設けてある所要機器、たとえば、後工程で実施する固化処理用の固化処理装置へ連続的に搬送されるようになる。
このように、本発明の放射性固体廃棄物のガス化減容装置によれば、ガス化処理機4にて放射性固体廃棄物1中の有機物をガス化させることによって減容化を図る処理と、この処理により発生する高温の処理残渣7を残渣冷却機8にて冷却する処理とを連続して行うことができるため、上記処理残渣7の冷却に要する処理時間を大幅に短縮することができる。
又、上記冷却後の処理残渣7は、排出コンベヤ12によって所要の下流側機器へ直接且つ連続的に供給することができるため、従来提案されている手法のように、放射性固体廃棄物を有機物のガス化によって減容処理した後の処理残渣を、ドラム缶に充填して保管する必要をなくすことができる。そのために、上記処理残渣を充填したドラム缶を保管するためのスペースを建屋内に確保する必要がなくなるため、装置構成をコンパクトにまとめることができる。
更に、上記処理残渣をドラム缶に充填した状態で保管するための処理時間や、処理残渣を充填したドラム缶を個別に搬送する必要がなくなるため、上記処理残渣7の冷却、移送のための処理時間を大幅に短縮化することが可能になる。
なお、本発明は、上記実施の形態にのみ限定されるものではなく、ガス化処理機4としては、放射性固体廃棄物1を不活性雰囲気又は低酸素雰囲気下で有機物の熱分解温度以上に加熱して該有機物をガス化させて放射性固体廃棄物1の減容化を図ることができるようにしてあれば、中空ケージ13を回転駆動させるためのケージ回転装置17の配設位置を変更したり、モータ18の回転駆動力を上記中空ケージ13に伝えるための動力伝達機構の形式を変更するようにしてもよい。又、加熱ガス23の流通のみ、あるいは、加熱ヒータのみによって放射性固体廃棄物の所要温度までの加熱を行わせるようにしてもよい。更には、たとえば、スクリューコンベヤの外周に加熱ヒータを取り付けてなる形式のガス化処理機等、図示した形式以外のガス化処理機を採用してもよい。
残渣冷却機8としては、ガス化処理機4より取り出される高温状態の処理残渣7を、該残渣冷却機8に流通させる不活性な冷媒ガスによって強制的に且つ急速に冷却することができれば、冷媒として、窒素ガス9以外の不活性ガスを用いるようにしてもよい。更に、図示した構成以外の残渣冷却機を採用してもよい。
その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更を加え得ることは勿論である。
本発明の放射性固体廃棄物のガス化減容処理装置の実施の一形態を示す概略切断側面図である。 従来提案されている放射性固体廃棄物の処理方法の概要を示す図である。
符号の説明
1 放射性固体廃棄物
2 投入コンベヤ
4 ガス化処理機
7 処理残渣
8 残渣冷却機
9 窒素ガス(冷媒)
12 排出コンベヤ
13 中空ケージ
13a 入口
13b 出口
14 貫通孔
15 ケーシング
22 加熱ヒータ
23 加熱ガス
24 加熱ガス供給ライン
25 ガス排出ライン
26 溶融金属回収口
27 溶融金属
28 中空ケージ
28a 入口
28b 出口
29 貫通孔
30 冷却機ケーシング
37 冷媒ガス供給ライン
38 冷媒ガス排出ライン

Claims (4)

  1. 放射性固体廃棄物を搬送する投入コンベヤの下流側に、放射性固体廃棄物中の有機物をガス化するためのガス化処理機と、該ガス化処理機より取り出される処理残渣を冷却するための残渣冷却機と、冷却後の残渣を排出する排出コンベヤとを一連に備えてなる構成を有することを特徴とする放射性固体廃棄物のガス化減容処理装置。
  2. ガス化処理機が、中空円筒形状のケーシング内に、メッシュ構造の中空ケージを、入口側よりも出口側が低くなるようにして回転駆動可能に横置きし、且つ上記中空ケージの外周位置に配した加熱ヒータ、及び又は、上記ケーシングに接続した加熱ガス供給ライン及びガス排出ラインを備えてなる構成として、上記中空ケージ内に装入される放射性固体廃棄物を、上記加熱ヒータによる加熱、及び又は、上記加熱ガス供給ラインよりケーシング内へ供給してガス排出ラインへ流通させる加熱ガスにより、有機物の熱分解ガス化温度まで加熱できるようにした請求項1記載の放射性固体廃棄物のガス化減容処理装置。
  3. ガス化処理機のケーシングにおける出口側端部の底部に、溶融金属回収口を設けた請求項1又は2記載の放射性固体廃棄物のガス化減容処理装置。
  4. 残渣冷却機が、中空円筒形状の冷却機ケーシング内に、メッシュ構造の中空ケージを、入口側よりも出口側が低くなるようにして回転駆動可能に横置きし、且つ上記冷却機ケーシングに接続した冷媒ガス供給ライン及び冷媒ガス排出ラインを備えてなる構成として、上記中空ケージ内に装入される処理残渣を、上記冷媒ガス供給ラインより冷却機ケーシング内へ供給して冷媒ガス排出ラインへ流通させる冷媒により冷却できるようにした請求項1、2又は3記載の放射性固体廃棄物のガス化減容処理装置。
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