JP2008248722A - 固定容量型ピストン式圧縮機における冷媒吸入構造及び固定容量型ピストン式圧縮機における運転制御方法 - Google Patents

固定容量型ピストン式圧縮機における冷媒吸入構造及び固定容量型ピストン式圧縮機における運転制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ロータリバルブを用いた固定容量型ピストン式圧縮機の起動ショック緩和の効果を高める。
【解決手段】回転軸21内には軸内通路31が形成されており、回転軸21には第1ロータリバルブ35及び第2ロータリバルブ36がシリンダブロック11,12に対応して設けられている。軸内通路31の出口312,313と連通路32,33とが連通すると、軸内通路31及び連絡室57内の冷媒が圧縮室271,281に流入する。連絡室57と吸入室142とを接続する弁孔581は、弁体59によって開閉される。弁体59は、電磁ソレノイド48への通電によって、弁孔581を閉じる位置に配置される。電磁ソレノイド48への通電が停止されると、弁体59は、復帰バネ55のばね力によって弁孔581を開く位置に配置される。電磁ソレノイド48は、電磁クラッチ25の励磁を開始する前に励磁され、電磁クラッチ25を励磁した後に消磁される。
【選択図】図1

Description

本発明は、ピストンによってシリンダボア内に区画される圧縮室に吸入圧領域から冷媒を導入するための導入通路を有するロータリバルブを備え、該ロータリバルブが前記回転軸と一体的に回転する固定容量型ピストン式圧縮機における冷媒吸入構造及び固定容量型ピストン式圧縮機における運転制御方法に関する。
ロータリバルブを用いたピストン式圧縮機(例えば特許文献2,4を参照)は、リード弁型の吸入弁を用いたピストン式圧縮機(例えば特許文献1,3を参照)に比べて、シリンダボア内へ吸入ガスを吸入する際の吸入抵抗が少なく、エネルギー効率に優れる。
特許文献2の段落[0006]に記載のように、圧縮機の起動時にはガスの圧縮に伴ってトルクが急激に増大し、これが車両エンジン(内燃機関)に負荷として加わる。そのため、車両の走行速度が一瞬低下して車両の乗員がショックを感じるという起動ショックが生じる。
特許文献2に開示のピストン式圧縮機では、回転軸と一体的に回転するロータリバルブが回転軸の軸方向へ移動可能に設けられており、ロータリバルブは、制御圧室に供給される圧力に応じて、回転軸の軸方向における位置を変えられるようになっている。又、殆ど全てのシリンダボアをシリンダブロックの中心部に対して設けられた吸入口に連通可能なバイパス溝がロータリバルブに形成されている。ロータリバルブは、運転停止時と起動時には、バイパス溝が殆ど全てのシリンダボアを吸入口に連通可能な位置に来るように、回転軸の軸方向の位置に配置される。従って、起動時にはピストンがシリンダボア内のガスを圧縮する動作をしても、シリンダボア内のガスがバイパス溝を経由して吸入口へ戻ってしまうため、起動ショックが生じない。
ロータリバルブの周面におけるクリアランスは、この周面に沿ってガスが洩れないように、且つロータリバルブが回転できるように、可及的に小さくする必要がある。しかし、ロータリバルブを回転軸の軸方向へ移動可能とする構成では、ロータリバルブを回転軸の軸方向へも移動可能とするクリアランスが必要とされるが、このようなクリアランスの管理は非常に困難である。
特許文献3に開示のピストン式圧縮機では、吐出圧と吸入圧との差圧によって開閉する差圧感知開閉弁が設けられている。差圧感知開閉弁は、圧縮機外部から冷媒を導入する低圧冷媒管路と、圧縮機内の吸入室との間に介在されており、圧縮機が圧力バランスしている状態から起動すると、差圧感知開閉弁が閉状態になり、圧縮機外部から吸入室への冷媒の流入が止められる。これにより、起動ショックが緩和される。
特開昭64−88064号公報 特開平7−119631号公報 特開2000−145629号公報 特開2006−83835号公報
しかし、差圧感知開閉弁が閉状態になっても吸入室には冷媒が残っており、この残留冷媒がシリンダボアに吸入されて圧縮される。吸入室の容積は、吸入脈動を抑制するために大きくしてあるため、差圧感知開閉弁が閉状態になった状態でシリンダボアに吸入される冷媒量が多く、起動ショック緩和の効果は十分でない。
本発明は、起動ショック緩和の効果を高めることを目的とする。
請求項1乃至請求項11の発明は、回転軸の周囲に配列された複数のシリンダボア内にピストンが収容されており、前記ピストンが前記回転軸と一体化されたカム体を介して前記回転軸の回転に連動されており、前記ピストンによって前記シリンダボア内に区画される圧縮室に吸入圧領域から冷媒を導入するための導入通路を有するロータリバルブを備え、前記ロータリバルブは、前記回転軸と一体的に回転し、前記回転軸は、クラッチを介して外部駆動源に連結される固定容量型ピストン式圧縮機における冷媒吸入構造を対象とし、請求項1の発明は、圧縮機内の吸入圧領域と前記導入通路の出口とを連通する状態と遮断する状態とに切り換えられる切り換え手段が設けられており、前記切り換え手段は、前記圧縮機内の吸入圧領域と前記導入通路の出口とを連通する位置と遮断する位置とに切り換え配置される弁体と、前記弁体を電磁力によって駆動する電磁駆動手段とを備えていることを特徴とする。
弁体が前記遮断する位置に配置されていると、圧縮機内の吸入圧領域と導入通路の出口との連通が遮断される。圧縮機の運転が開始される際(回転軸の回転が開始される際)には、切り換え手段が前記遮断する状態にされた後に回転軸の回転が開始されると、起動ショックが緩和される。圧縮機内の吸入圧領域と導入通路の出口との連通が遮断されるため、切り換え手段が前記遮断する状態にあるときに圧縮される冷媒量が少なく、起動ショック緩和の効果が高い。
好適な例では、前記切り換え手段は、前記連通する位置に前記弁体を復帰させる復帰バネを備え、前記電磁駆動手段は、前記連通する位置から前記遮断する位置に向けて前記弁体を駆動する。
電磁駆動手段が励磁から消磁へ切り換えられると、弁体が復帰バネのばね力によって前記連通する位置へ復帰する。電磁駆動手段を励磁できなくなったような場合にも、切り換え手段は、連通する状態に保持される。復帰バネの採用は、弁体を連通する位置へ復帰させる上で簡便な構成である。
好適な例では、前記切り換え手段は、圧力室形成凹部を備え、前記弁体は、前記圧力室形成凹部内にスライド可能に収容されており、前記弁体は、前記圧力室形成凹部内に圧力室を区画し、前記圧力室は、前記圧縮機内の吸入圧領域に連通されており、前記圧縮機内の吸入圧領域の圧力と前記圧力室内の圧力とは、前記弁体を介して対抗しており、前記復帰バネは、前記圧力室に収容されており、前記復帰バネは、前記圧力室形成凹部内から飛び出させる方向に前記弁体を付勢し、前記電磁駆動手段は、前記弁体を前記圧力室形成凹部内に押し込むように前記弁体を駆動する。
電磁駆動手段を励磁できなくなったような場合にも、弁体は、圧力室内の復帰バネのばね力によって前記連通する位置に保持される。
好適な例では、前記切り換え手段は、圧力室形成凹部を備え、前記弁体は、前記圧力室形成凹部内にスライド可能に収容されており、前記弁体は、前記圧力室形成凹部内に前記圧力室を区画し、前記圧力室は、前記圧縮機内の吸入圧領域に連通されており、前記圧縮機内の吸入圧領域の圧力と前記圧力室内の圧力とは、前記弁体を介して対抗しており、前記切り換え手段は、前記弁体を前記圧力室形成凹部内に押し込んで前記遮断する位置に前記弁体を保持するための保持バネを備え、前記電磁駆動手段は、前記連通する位置から前記遮断する位置に向けて前記弁体を駆動する。
電磁駆動手段を励磁すれば、弁体を前記遮断する位置に確実に保持することができる。保持バネのばね力を適宜設定しておけば、電磁駆動手段を消磁した状態で圧縮機が運転状態にあるときには、圧縮機内の吸入圧領域の圧力と前記圧力室内の圧力との差圧により、弁体が前記連通する位置に配置され、圧縮機内の吸入圧領域の冷媒が導入通路を経由して圧縮室へ流入する。
好適な例では、前記切り換え手段が前記遮断する状態にあるときには、前記弁体は、前記導入通路の入口を前記圧縮機内の吸入圧領域から遮断する位置に配置される。
圧縮機内の吸入圧領域と導入通路の入口との連通が遮断されるため、切り換え手段が前記遮断する状態にあるときに圧縮される冷媒量が少なく、起動ショック緩和の効果が高い。
好適な例では、前記弁体は、前記遮断する位置で平面の弁座面に面接触する平面のシール面を有する。
平面のシール面と平面の弁座面とが面接触した状態では、導入通路の出口が圧縮機内部の吸入圧領域から遮断される。平面のシール面と平面の弁座面とを面接触させる構成は、冷媒洩れを防止する上で有利である。
好適な例では、前記導入通路は、前記ロータリバルブの端面に入口を有すると共に、前記ロータリバルブの周面に出口を有し、前記ロータリバルブの回転軸線は、前記端面と交差し、前記ロータリバルブを回転可能に収容するバルブ収容室の外部で前記回転軸線を包囲するガイド筒がその筒内を前記導入通路の入口に連通するように設けられており、前記弁体は、前記ガイド筒にスライド可能に嵌合されており、前記弁体は、前記ガイド筒の筒内に連通する内部通路を有し、前記内部通路の入口は、前記弁体が前記遮断する位置にあるときには、前記圧力室形成凹部内に入り込んで遮蔽され、前記内部通路の入口は、前記弁体が前記連通する位置にあるときには、前記圧力室形成凹部外にあって前記圧縮機内の吸入圧領域内に露出する。
弁体の内部通路の入口が圧力室形成凹部内に対して出入りする構成は、十分な通路断面積を確保する上で好適である。
好適な例では、前記ガイド筒は、前記弁体以外の部材に対して前記回転軸の半径方向へ移動を許容されるように前記弁体以外の部材とは別体に形成されている。
圧力室形成凹部を形成する部材とガイド筒とが別部材である場合、圧力室形成凹部の軸芯とガイド筒の軸芯とが一致しないと、弁体と圧力室形成凹部を形成する部材との間のクリアランス、あるいは弁体とガイド筒との間のクリアランスを小さくすることが難しい。このクリアランス管理は、冷媒洩れを防止する上で重要である。回転軸に対して回転軸の半径方向へガイド筒の移動を許容する構成は、圧力室形成凹部の軸芯とガイド筒の軸芯との一致を容易にする。
好適な例では、前記導入通路は、前記ロータリバルブの端面に入口を有すると共に、前記ロータリバルブの周面に出口を有し、前記弁体は、前記導入通路の入口から該導入通路内に嵌入されており、前記切り換え手段が前記遮断する状態にあるときには、前記弁体は、前記導入通路の内部で前記出口を前記圧縮機内の吸入圧領域から遮断する位置に配置される。
導入通路の内部で弁体によって導入通路の出口を圧縮機内の吸入圧領域から遮断する構成は、切り換え手段が遮断する状態にあるときの冷媒圧縮量を低減する上で非常に有効である。
好適な例では、前記導入通路は、前記回転軸の内部に前記回転軸の回転軸線の方向に延びる軸内通路を有し、前記導入通路の出口は、前記回転軸の周面を貫通して前記軸内通路に連通しており、前記弁体は、前記導入通路内を前記回転軸線の方向へスライド可能に前記軸内通路内に嵌入されており、前記弁体は、前記軸内通路内を前記回転軸線の方向へ移動されて前記連通する位置と前記遮断する位置とに切り換え配置され、前記遮断する位置は、前記弁体が前記軸内通路から前記導入通路の出口を遮断する位置である。
弁体がスライドされて前記遮断する位置に配置されると、導入通路の出口が軸内通路から遮断され、軸内通路から圧縮室への冷媒流入が阻止される。軸内通路の内部で弁体によって導入通路の出口を軸内通路から遮断する構成は、切り換え手段が遮断する状態にあるときの冷媒圧縮量を低減する上で最適である。
好適な例では、前記シリンダボアを形成するシリンダブロックにリヤハウジングが連結されており、前記リヤハウジング内には吸入室が形成されており、前記弁体は、前記リヤハウジング内に設けられている。
請求項12及び請求項13の発明は、回転軸の周囲に配列された複数のシリンダボア内にピストンが収容されており、前記ピストンが前記回転軸と一体化されたカム体を介して前記回転軸の回転に連動されており、前記ピストンによって前記シリンダボア内に区画される圧縮室に吸入圧領域から冷媒を導入するための導入通路を有するロータリバルブを備え、前記ロータリバルブは、前記回転軸と一体的に回転し、前記回転軸は、クラッチを介して外部駆動源に連結され、圧縮機内の吸入圧領域と前記導入通路の出口とを連通する状態と遮断する状態とに切り換えられる切り換え手段が設けられており、前記切り換え手段は、前記圧縮機内の吸入圧領域と前記導入通路の出口とを連通する位置と遮断する位置とに切り換え配置される弁体と、前記弁体を電磁力によって駆動する電磁駆動手段とを備え、前記電磁駆動手段は、前記弁体を前記連通する位置に配置する第1状態と、前記弁体を前記遮断する位置に配置する第2状態とに切り換えられる固定容量型ピストン式圧縮機における運転制御方法を対象とし、請求項12の発明は、前記クラッチを遮断状態から連結状態に切り換える際には、前記電磁駆動手段を前記第2状態にした後に前記クラッチを連結状態にし、その後、前記電磁駆動手段を前記第1状態にすることを特徴とする。
このような電磁駆動手段の切り換えとクラッチの切り換えとの関係は、起動ショックの緩和効果を高める。
好適な例では、前記クラッチは、励磁によって連結状態になる電磁クラッチであり、前記電磁クラッチを消磁状態から励磁状態に切り換える際には、前記電磁クラッチを励磁するための前記電磁クラッチに対する電流供給を徐々に増大してゆき、供給電流値が最大になった後に前記電磁駆動手段を消磁する。
このような電磁駆動手段の切り換えと電磁クラッチの励消磁との関係は、起動時の急激なトルク変動を低減する効果を高める。
本発明は、起動ショック緩和の効果を高めることができるという優れた効果を奏する。
以下、本発明を具体化した第1の実施形態を図1〜図6に基づいて説明する。
図1に示すように、連結された一対のシリンダブロック11,12の一方のシリンダブロック11にはフロントハウジング13が連結されており、他方のシリンダブロック12にはリヤハウジング14が連結されている。シリンダブロック11,12、フロントハウジング13及びリヤハウジング14は、固定容量型ピストン式圧縮機10の全体ハウジングを構成する。フロントハウジング13には圧縮機内の吐出圧領域としての吐出室131が形成されており、リヤハウジング14には圧縮機内の吐出圧領域としての吐出室141及び圧縮機内の吸入圧領域としての吸入室142が形成されている。圧縮機内とは、固定容量型ピストン式圧縮機10の全体ハウジングの内部のことであり、圧縮機外とは、固定容量型ピストン式圧縮機10の全体ハウジングの外部のことである。
シリンダブロック11とフロントハウジング13との間にはバルブプレート15、弁形成プレート16及びリテーナ形成プレート17が介在されている。シリンダブロック12とリヤハウジング14との間にはバルブプレート18、弁形成プレート19及びリテーナ形成プレート20が介在されている。バルブプレート15,18には吐出ポート151,181が形成されており、弁形成プレート16,19には吐出弁161,191が形成されている。吐出弁161,191は、吐出ポート151,181を開閉する。リテーナ形成プレート17,20にはリテーナ171,201が形成されている。リテーナ171,201は、吐出弁161,191の開度を規制する。
シリンダブロック11,12には回転軸21が回転可能に支持されている。シリンダブロック11,12には軸孔111,121が貫設されており、軸孔111,121には回転軸21が通されている。回転軸21の外周面は、軸孔111,121の内周面に接しており、回転軸21は、軸孔111,121の内周面を介してシリンダブロック11,12によって直接支持されている。軸孔111に接する回転軸21の外周面部分は、シール周面211となっており、軸孔121に接する回転軸21の外周面部分は、シール周面212となっている。
回転軸21にはカム体としての斜板23が固着されている。斜板23は、シリンダブロック11,12間の斜板室24に収容されている。フロントハウジング13と回転軸21との間にはリップシール型の軸シール部材22が介在されている。軸シール部材22は、フロントハウジング13と回転軸21との間からのガス洩れを防止する。フロントハウジング13から外部に突出する回転軸21の突出端部は、電磁クラッチ25を介して外部駆動源である車両エンジン26に接続されている。回転軸21は、電磁クラッチ25を介して車両エンジン26から回転駆動力を得る。
図2(a)に示すように、シリンダブロック11には複数のシリンダボア27が回転軸21の周囲に配列されるように形成されている。図2(b)に示すように、シリンダブロック12には複数のシリンダボア28が回転軸21の周囲に配列されるように形成されている。前後(フロントハウジング13側を前側、リヤハウジング14を後側としている)で対となるシリンダボア27,28には両頭ピストン29が収容されている。
図1に示すように、回転軸21と一体的に回転する斜板23の回転運動は、シュー30を介して両頭ピストン29に伝えられ、両頭ピストン29がシリンダボア27,28内を前後に往復動する。両頭ピストン29は、シリンダボア27,28内に圧縮室271,281を区画する。
回転軸21内には軸内通路31が回転軸21の回転軸線210に沿って形成されている。リヤハウジング14には連絡室57及び弁孔581が形成されており、連絡室57内には板形状の開閉プレート56が弁孔581を開閉可能に収容されている。弁孔581は、連絡室57と吸入室142とを隔てる隔壁58に貫設されている。軸内通路31の入口311は、シリンダブロック12内の回転軸21の端面にあってリヤハウジング14内の連絡室57に開口している。軸孔111内の回転軸21には軸内通路31の出口312が回転軸21のシール周面211に開口するように形成されている。軸孔121内の回転軸21には軸内通路31の出口313が回転軸21のシール周面212に開口するように形成されている。
図2(a)に示すように、シリンダブロック11には連通路32がシリンダボア27と軸孔111とに連通するように形成されている。図2(b)に示すように、シリンダブロック12には連通路33がシリンダボア28と軸孔121とに連通するように形成されている。回転軸21の回転に伴い、軸内通路31の出口312,313は、連通路32,33に間欠的に連通する。
両頭ピストン29がシリンダボア27側で吸入行程の状態(両頭ピストン29が図1の左側から右側へ移動する行程)にあるときには、出口312と連通路32とが連通する。両頭ピストン29がシリンダボア27側で吸入行程の状態にあるときには、回転軸21の軸内通路31内の冷媒が出口312及び連通路32を経由してシリンダボア27の圧縮室271に吸入される。
両頭ピストン29がシリンダボア27側で吐出行程の状態(両頭ピストン29が図1の右側から左側へ移動する行程)にあるときには、出口312と連通路32との連通が遮断される。両頭ピストン29がシリンダボア27側で吐出行程の状態にあるときには、圧縮室271内の冷媒が吐出ポート151から吐出弁161を押し退けて吐出室131へ吐出される。吐出室131へ吐出された冷媒は、通路341を介して外部冷媒回路34へ流出する。
両頭ピストン29がシリンダボア28側で吸入行程の状態(両頭ピストン29が図1の右側から左側へ移動する行程)にあるときには、出口313と連通路33とが連通する。両頭ピストン29がシリンダボア28側で吸入行程の状態にあるときには、回転軸21の軸内通路31内の冷媒が出口313及び連通路33を経由してシリンダボア28の圧縮室281に吸入される。
両頭ピストン29がシリンダボア28側で吐出行程の状態(両頭ピストン29が図1の左側から右側へ移動する行程)にあるときには、出口313と連通路33との連通が遮断される。両頭ピストン29がシリンダボア28側で吐出行程の状態にあるときには、圧縮室281内の冷媒が吐出ポート181から吐出弁191を押し退けて吐出室141へ吐出される。吐出室141へ吐出された冷媒は、通路342を介して外部冷媒回路34へ流出する。
外部冷媒回路34上には、冷媒から熱を奪うための熱交換器37、膨張弁38、及び周囲の熱を冷媒に移すための熱交換器39が介在されている。膨張弁38は、熱交換器39の出口側のガス温度の変動に応じて冷媒流量を制御する。外部冷媒回路34へ流出した冷媒は、吸入室142へ還流する。
回転軸21のシール周面211の部分は、回転軸21に一体形成された第1ロータリバルブ35となり、回転軸21のシール周面212の部分は、回転軸21に一体形成された第2ロータリバルブ36となる。つまり、回転軸21は、ロータリバルブである。回転軸線210は、ロータリバルブの回転軸線であり、回転軸21の端面(つまりロータリバルブの端面)は、ロータリバルブの回転軸線210と交差する。軸内通路31及び出口312,313は、ロータリバルブの導入通路を構成し、軸孔111は、第1ロータリバルブ35を収容するバルブ収容室であり、軸孔121は、第2ロータリバルブ36を収容するバルブ収容室である。
図3,4に示すように、吸入室142を形成するアルミニウム製のリヤハウジング14の端壁40には電磁ソレノイド48が取り付けられている。電磁駆動手段としての電磁ソレノイド48を構成する固定鉄心49は、端壁40の外面に凹み形成された装着凹部401に嵌合されており、固定鉄心49にはコイル52が埋め込まれている。装着凹部401は、吸入室142に連なっており、固定鉄心49には圧力室形成凹部50が吸入室142側から凹み形成されている。圧力室形成凹部50には可動鉄心51がスライド可能に嵌合されている。可動鉄心51は、圧力室形成凹部50内に圧力室501を区画する。可動鉄心51の周面には溝511が圧力室形成凹部50と吸入室142とを連通するように形成されており、圧力室501内の圧力は、吸入室142内の圧力相当である。吸入室142内の圧力(吸入圧)と圧力室501内の圧力とは、可動鉄心51を介して対抗している。固定鉄心49及びコイル52は、端壁40の外面に止着された蓋53によって装着凹部401内に保持されている。
可動鉄心51には取り付け孔512が圧力室形成凹部50と吸入室142とに連なるように貫設されており、取り付け孔512には伝達ロッド54が吸入室142側から圧入して固定されている。伝達ロッド54の先端には開閉プレート56が止着されている。連絡室57側の隔壁58の面には平面の弁座面582が形成されており、開閉プレート56は、弁座面582に接離する。弁座面582に接する開閉プレート56のシール面561は、平面に形成されている。つまり、開閉プレート56が弁孔581を閉じたときには、開閉プレート56のシール面561は、弁座面582に面接触している。
可動鉄心51、伝達ロッド54及び開閉プレート56は、圧力室形成凹部50内に圧力室501を区画し、且つ弁孔581を開閉する弁体59を構成する。
伝達ロッド54と圧力室形成凹部50の底502との間には復帰バネ55が介在されている。復帰バネ55は、伝達ロッド54を底502から遠ざける方向へ付勢する。つまり、可動鉄心51は、復帰バネ55のばね力によって圧力室形成凹部50から吸入室142側へ飛び出す方向へ付勢されている。固定鉄心49、可動鉄心51、コイル52及び復帰バネ55は、電磁ソレノイド48を構成する。電磁ソレノイド48、弁体59及び復帰バネ55は、圧縮機内の吸入圧領域である吸入室142と軸内通路31の出口312,313とを連通する状態と遮断する状態とに切り換えられる切り換え手段を構成する。
図3では弁体59が弁孔581を開いて連絡室57と吸入室142とを連通する位置にあり、図4では弁体59が弁孔581を閉じて連絡室57と吸入室142との連通を遮断する位置にある。復帰バネ55は、弁体59を前記遮断する位置から前記連通する位置に向けて付勢している。つまり、前記切り換え手段は、吸入室142と軸内通路31の出口312,313とを連通する状態〔図3に示す状態〕と、吸入室142と軸内通路31の出口312,313とを遮断する状態〔図4に示す状態〕とに切り換えられる。
回転軸21の端面に対向する開閉プレート56の背面には複数のストッパ562が突設されている。ストッパ562は、シリンダブロック12の端面122に突設された筒部123の先端に接離可能である。弁体59が図3に示す連通する位置に配置されている状態では、ストッパ562が筒部123の先端に当接しており、弁体59が図4に示す遮断する位置に配置されている状態では、ストッパ562が筒部123の先端から離れている。
電流がコイル52に供給されると、固定鉄心49が復帰バネ55のばね力に抗して可動鉄心51を引き付ける。コイル52への通電によって生じる電磁力は、前記連通する位置から前記遮断する位置に向けて弁体59を駆動する。電磁ソレノイド48は、消磁によって弁体59を前記連通する位置に配置する第1状態と、励磁によって弁体59を前記遮断する位置に配置する第2状態とに切り換えられる。
電磁ソレノイド48及び電磁クラッチ25は、制御コンピュータCの励消磁制御を受ける。制御コンピュータCには空調装置作動スイッチ60、室温設定器61及び室温検出器62が信号接続されている。空調装置作動スイッチ60がON状態にある場合、制御コンピュータCは、室温設定器61によって設定された目標室温と、室温検出器62によって検出された検出室温との温度差に基づいて、電磁ソレノイド48及び電磁クラッチ25に対する電流供給(励消磁)を制御する。
検出温度が目標温度よりも低い場合、又は、検出温度が目標温度よりも高く、且つ検出温度と目標温度との温度差が許容差以下である場合、制御コンピュータCは、電磁クラッチ25に対する電流供給を停止する。このときには、電磁クラッチ25は遮断状態となり、車両エンジン26の回転駆動力が回転軸21に伝達されることはない。検出温度が目標温度よりも高く、且つ検出温度と目標温度との温度差が許容差を超える場合、制御コンピュータCは、電磁クラッチ25に対する電流供給を行なう。このときには、電磁クラッチ25は連結状態となり、車両エンジン26の回転駆動力が回転軸21に伝達される。
図6のタイミングチャートにおける波形K1は、電磁クラッチ25に対する電流の供給タイミングを示す。波形Vは、電磁ソレノイド48に対する電流の供給タイミングを示す。波形Vのうちの第1通電期間部V1は、電磁クラッチ25への通電を開始する開始タイミングt1に対応して設定されている。第1通電期間部V1の開始タイミングt3は、開始タイミングt1よりも前であり、第1通電期間部V1の終了タイミングt4は、開始タイミングt1よりも後である。つまり、制御コンピュータCは、電磁クラッチ25に対する電流供給を開始する際には、先ず電磁ソレノイド48に対して電流供給を行ない、その後に電磁クラッチ25に対して電流供給を行なう。
図5は、固定容量型ピストン式圧縮機10の運転を制御するための運転制御プログラムを示すフローチャートであり、制御コンピュータCは、フローチャートで示す運転制御プログラムに基づいて固定容量型ピストン式圧縮機10の運転を制御する。以下、フローチャートで示す運転制御プログラムに従って固定容量型ピストン式圧縮機10の運転制御を説明する。
固定容量型ピストン式圧縮機10は、運転停止状態(電磁クラッチ25が遮断されている状態)にあり、電磁ソレノイド48は、消磁状態(通電停止状態)にあるとする。電磁ソレノイド48が消磁されている状態では、弁体59が復帰バネ55のばね力によって図3に示す連通する位置に配置されている。
制御コンピュータCは、検出温度と目標温度との比較に基づいて、運転開始モード(電磁クラッチ25へ通電開始するモード)であるか否かを判断している(ステップS1)。運転開始モードである場合(ステップS1においてYES)、制御コンピュータCは、電磁ソレノイド48へ通電を開始する(ステップS2)。電磁ソレノイド48に対して電流供給が行われると、弁体59が復帰バネ55のばね力に抗して図4に示す遮断する位置に配置され、弁孔581が閉じられる。これにより、吸入室142と連絡室57との連通が遮断される。
制御コンピュータCは、電磁ソレノイド48への通電開始から時間α〔図6に例示の場合には(t1−t3)=α〕が経過したか否かを判断している(ステップS3)。電磁ソレノイド48への通電開始から時間αが経過した場合(ステップS3においてYES)、制御コンピュータCは、電磁クラッチ25へ通電を開始する(ステップS4)。これにより、電磁クラッチ25が遮断状態から連結状態に移行し、回転軸21及び斜板23が回転を開始する。
制御コンピュータCは、電磁クラッチ25への通電開始から時間β〔図6に例示の場合には(t4−t1)=β〕が経過したか否かを判断している(ステップS5)。電磁クラッチ25への通電開始から時間βが経過した場合(ステップS5においてYES)、制御コンピュータCは、電磁ソレノイド48への通電を停止する(ステップS6)。電磁ソレノイド48に対して電流供給が停止されると、弁体59が復帰バネ55のばね力によって図3に示す遮断する位置から図4に示す連通する位置に配置される。これにより、弁孔581が開かれて連絡室57と吸入室142とが連通し、吸入室142内の冷媒が弁孔581及び連絡室57を経由して軸内通路31へ流入する。
電磁ソレノイド48への通電を停止した後、制御コンピュータCは、検出温度と目標温度との比較に基づいて、運転停止モード(電磁クラッチ25への通電を停止するモード)であるか否かを判断している(ステップS7)。運転停止モードである場合(ステップS7においてYES)、制御コンピュータCは、電磁クラッチ25への通電を停止する(ステップS8)。ステップS8の処理後、制御コンピュータCは、ステップS1へ移行する。
図6における波形T1は、トルク変動の一例である。電磁クラッチ25へ通電が開始されたときには、トルクが変動するが、電磁クラッチ25に通電を開始する際には、この開始前に電磁ソレノイド48に通電をし、電磁クラッチ25に通電を開始した後に電磁ソレノイド48への通電を停止することにより、電磁クラッチ25に通電が開始されたときの急激なトルク変動〔波形T1における変動部T11〕が抑制される。
第1の実施の形態では以下の効果が得られる。
(1)電磁ソレノイド48が励磁されていない状態では、弁体59が図4に示す遮断する位置に配置される。弁体59が遮断する位置に配置されていると、固定容量型ピストン式圧縮機10内の吸入圧領域である吸入室142と連絡室57との連通が遮断される。固定容量型ピストン式圧縮機10の運転が開始される際(回転軸21の回転が開始される際)には、予め弁体59が遮断する位置に配置された後に回転軸21の回転が開始されるために、吸入室142から連絡室57及び軸内通路31への冷媒流入がない。そのため、急激なトルク変動が抑制されて起動ショックが緩和される。
(2)固定容量型ピストン式圧縮機10内の吸入室142と連絡室57との連通が遮断されるが、板形状の開閉プレート56を収容する連絡室57の容積を小さくすることができる。そのため、弁体59が遮断する位置にあるときに圧縮される冷媒量が少なく、トルク変動抑制の効果、つまり起動ショック緩和の効果が高い。
(3)電磁ソレノイド48が消磁されると、弁体59が復帰バネ55のばね力によって遮断する位置へ復帰する。復帰バネ55の採用は、弁体59を連通する位置へ復帰させる上で簡便な構成である。
(4)電磁ソレノイド48を励磁できなくなったような場合にも、弁体59は、圧力室501内の復帰バネ55のばね力によって連通する位置に保持されるため、固定容量型ピストン式圧縮機10が運転開始されれば、吸入室142内の冷媒が連絡室57及び軸内通路31を経由して圧縮室271,281へ流入する。つまり、電磁ソレノイド48を励磁できなくなったような場合にも、冷房は、正常に行われる。
(5)弁体59が弁孔581を閉じているときに吸入室142から弁孔581を介して連絡室57へ冷媒が洩れると、起動ショックの緩和効果が低下する。開閉プレート56の平面のシール面561と平面の弁座面582とが面接触した状態では、連絡室57が吸入室142から確実に遮断され、弁体59が弁孔581を閉じているときに吸入室142から弁孔581を介して連絡室57へ冷媒が洩れることが防止される。
次に、図7の第2の実施形態を説明する。装置構成は第1の実施形態の場合と同じである。
第2の実施形態では、装置構成は、第1の実施形態の場合と同じであるが、波形K2における通電開始部K21で示すように、電磁クラッチ25に通電を開始する際の通電量を徐々に増やしてゆく点が第1の実施形態の場合と異なる。供給電流値が最大になった後、電磁ソレノイド48への通電が停止される。電磁クラッチ25へのこのような通電開始により、トルク変動を表す波形T2における変動部T21の変動が第1の実施形態の場合よりも抑制される。
切り換え手段がない従来の固定容量型ピストン式圧縮機では、起動時のトルクが大きい(電磁クラッチ25への負荷が大きい)ため、本実施形態と同じように通電量を徐々に増やしてゆくと、電磁クラッチ25において滑りが生じる。そのため、電磁クラッチ25の信頼性を確保することが難しい。
本実施形態では、起動時のトルクが小さい(電磁クラッチ25への負荷が小さい)ため、電磁クラッチ25に対する通電量を徐々に増やしてゆく運転制御が可能である。
次に、図8(a),(b)の第3の実施形態を説明する。第1の実施形態と同じ構成部には同じ符合が用いてある。
弁体59Aは、開閉プレート56と、圧力室形成凹部50にスライド可能に嵌入された可動鉄心51Aと、可動鉄心51Aに一体形成された伝達ロッド54Aとから構成されている。可動鉄心51Aは、圧力室形成凹部50内に圧力室501を区画する。可動鉄心51Aと隔壁58との間には保持バネ63が介在されている。保持バネ63は、可動鉄心51Aを圧力室形成凹部50内に押し込む方向に弁体59Aを付勢する。電磁ソレノイド48が励磁されると、電磁ソレノイド48の電磁駆動力は、可動鉄心51Aを圧力室形成凹部50内に押し込む方向に弁体59Aを駆動する。
図8(a)では、弁体59Aが弁孔581を閉じた遮断する位置にあり、図8(b)では、弁体59Aが弁孔581を開いた連通する位置にある。電磁ソレノイド48が励磁状態にあるときには、弁体59Aは、電磁ソレノイド48の電磁力によって図8(a)に示す遮断する位置にある。電磁ソレノイド48が励磁されるタイミングは、第1の実施形態の場合と同じである。又、固定容量型ピストン式圧縮機10の運転が停止状態にあるときには、弁体59Aは、保持バネ63のばね力によって図8(a)に示す遮断する位置に保持される。
固定容量型ピストン式圧縮機10が運転開始される前に電磁ソレノイド48が励磁され、その後に固定容量型ピストン式圧縮機10の運転が開始されると、弁体59Aが遮断する位置にあるために起動ショックが第1の実施形態の場合と同様に緩和される。
固定容量型ピストン式圧縮機10の運転の開始後に電磁ソレノイド48が消磁されると、弁体59Aは、電磁ソレノイド48の電磁力から解放される。軸内通路31内の冷媒及び連絡室57内の冷媒は、圧縮室271(図1参照)及び圧縮室281へ吸入されているため、この吸入作用により、吸入室142内の圧力と連絡室57内の圧力とに差が生じ、開閉プレート56が保持バネ63のばね力に抗して弁座面582から離れる。開閉プレート56が弁座面582から離れると、吸入室142内の冷媒も弁孔581を経由して連絡室57側へ吸入され、吸入室142内の圧力が圧力室501内の圧力よりも低くなる。つまり、吸入室142内の圧力と圧力室501内の圧力とに差が生じる。
保持バネ63のばね力は、固定容量型ピストン式圧縮機10を運転したときに吸入室142内の圧力と圧力室501内の圧力との間に生じる差圧に負けるように設定されている。従って、固定容量型ピストン式圧縮機10を運転したときに吸入室142内の圧力と圧力室501内の圧力との間に生じる差圧は、保持バネ63のばね力に打ち勝って弁体59Aを図8(b)に示す連通する位置に保持する。
第3の実施形態では、第1の実施形態における(1)項及び(4)項と同様の効果が得られる。又、電磁ソレノイド48を励磁すれば、弁体59Aを遮断する位置に確実に保持することができる。又、保持バネ63のばね力を適宜設定することにより、電磁ソレノイド48が消磁状態にあれば、固定容量型ピストン式圧縮機10が運転されているときには弁体59Aが連通する位置に配置され、冷房が確実に行われる。
次に、図9(a),(b)の第4の実施形態を説明する。第1の実施形態と同じ構成部には同じ符合が用いてある。
吸入室142を形成するリヤハウジング14の端壁40の内面には円筒41が一体形成されており、円筒41の筒内である凹部411にはスプール形状の弁体42がスライド可能に嵌入されている。弁体42は、円板形状のピストン部43と円筒部44と可動鉄心部45とを備え、円筒部44には導入口441が円筒部44の外周面に開口し、且つ円筒部44の筒内442に連通するように形成されている。筒内442は、弁体42の内部通路である。ピストン部43は、凹部411内に圧力室412を区画する。
円筒部44の外周面には溝443が吸入室142と圧力室412とを連通するように形成されている。圧力室412内の圧力は、吸入室142内の圧力相当であり、吸入室142内の圧力(吸入圧)と圧力室412内の圧力とは、弁体42を介して対抗する。
端壁40には嵌合孔402が貫設されており、嵌合孔402には収容筒46が嵌合されている。収容筒46内には固定鉄心64が収容されており、可動鉄心部45が固定鉄心64に対向するように収容筒46内に嵌入されている。収容筒46の外周面にはコイル65が配設されている。コイル65に通電が行われると、可動鉄心部45が固定鉄心64に引き付けられる。固定鉄心64、可動鉄心部45及びコイル65は、電磁駆動手段としての電磁ソレノイド47を構成する。
リヤハウジング14側のシリンダブロック12の端面には円筒形状のガイド筒66が円筒41に対向するように、且つ回転軸線210を包囲するように一体形成されている。ガイド筒66の筒内661は、軸内通路31(導入通路)の入口311に連通している。ガイド筒66の先端と円筒41の先端とは、離れており、弁体42の円筒部44は、ガイド筒66にスライド可能に嵌合されている。ガイド筒66の内周面にはサークリップ67が取り付けられており、サークリップ67とピストン部43との間には保持バネ68が介在されている。保持バネ68は、端壁40に近づけるように弁体42を付勢する。弁体42が端壁40に近づくと、圧力室412の容積が減少する。電磁ソレノイド47、弁体42及び保持バネ68は、圧縮機内の吸入圧領域である吸入室142と軸内通路31の出口312,313とを連通する状態と遮断する状態とに切り換えられる切り換え手段を構成する。
図9(b)に示す状態では、導入口441の全体が吸入室142内に露出する位置にあり、軸内通路31がガイド筒66の筒内661、円筒部44の筒内442及び導入口441を介して吸入室142に連通している。図9(a)に示す状態では、導入口441の全体が凹部411内に入り込んでいる位置にあり、軸内通路31と吸入室142との連通が遮断されている。図9(b)は、弁体42が軸内通路31と吸入室142とを連通する位置にある状態を示し、図9(a)は、弁体42が軸内通路31と吸入室142とを遮断する位置にある状態を示す。
電磁ソレノイド47が励磁状態にあるときには、弁体42は、電磁ソレノイド47の電磁力によって図9(a)に示す遮断する位置にある。電磁ソレノイド47が励磁されるタイミングは、第1の実施形態の場合と同じである。又、固定容量型ピストン式圧縮機10の運転が停止状態にあるときには、弁体42は、保持バネ68のばね力によって図9(a)に示す遮断する位置に保持される。つまり、前記切り換え手段は、吸入室142と軸内通路31の出口312,313とを連通する状態〔図9(b)に示す状態〕と、吸入室142と軸内通路31の出口312,313とを遮断する状態〔図9(a)に示す状態〕とに切り換えられる。
固定容量型ピストン式圧縮機10が運転開始される前に電磁ソレノイド47が励磁され、その後に固定容量型ピストン式圧縮機10の運転が開始されると、弁体42が遮断する位置にあるために起動ショックが第1の実施形態の場合と同様に緩和される。
固定容量型ピストン式圧縮機10の運転の開始後に電磁ソレノイド47が消磁されると、弁体42は、電磁ソレノイド47の電磁力から解放される。筒内661及び軸内通路31内の冷媒は、圧縮室271(図1参照)及び圧縮室281へ吸入されているため、この吸入作用により、吸入室142内の圧力と圧力室412内の圧力とに差が生じる。保持バネ68のばね力は、固定容量型ピストン式圧縮機10を運転したときに吸入室142内の圧力と圧力室412内の圧力との間に生じる差圧に負けるように設定されている。従って、固定容量型ピストン式圧縮機10を運転したときに吸入室142内の圧力と圧力室412内の圧力との間に生じる差圧は、保持バネ68のばね力に打ち勝って弁体42を図9(b)に示す連通する位置に保持する。
第4の実施形態では、第3の実施形態と同様の効果が得られる。
次に、図10(a),(b)の第5の実施形態を説明する。第4の実施形態と同じ構成部には同じ符合が用いてある。
弁体42の円筒部44に嵌合するガイド筒66Aは、有底円筒形状であって、シリンダブロック12や回転軸21等とは別体に形成されている。ガイド筒66Aの底壁は、シリンダブロック12の端面122に接しており、ガイド筒66Aは、回転軸21に対して回転軸21の半径方向へ移動を許容されるように弁体42の円筒部44に嵌合されている。ガイド筒66Aの底壁には通口662がガイド筒66Aの筒内661と軸内通路31とを連通するように形成されており、ガイド筒66Aの底壁とピストン部43との間には保持バネ68が介在されている。図10(a)では弁体42が遮断する位置に配置されており、図10(b)では弁体42が連通する位置に配置されている。
弁体42が遮断する位置にあるときに、弁体42と円筒41との間からや、弁体42とガイド筒との間から冷媒が洩れると、起動ショックの緩和効果が低下する。
ガイド筒66Aが回転軸21に対して回転軸21の半径方向へ移動を許容されるように弁体42の円筒部44に嵌合されているため、凹部411の軸芯413とガイド筒66Aの軸芯663とが一致する。そのため、弁体42の円筒部44と円筒41との間のクリアランスや、弁体42の円筒部44とガイド筒66Aとの間のクリアランスを小さくすることができ、弁体42の円筒部44の周面に沿った冷媒洩れを防止することができる。
次に、図11(a),(b)の第6の実施形態を説明する。第4の実施形態と同じ構成部には同じ符合が用いてある。
円筒41にはピストン69がスライド可能に嵌入されており、ピストン69には可動鉄心部45が一体形成されている。ピストン69は、凹部411内に圧力室412を区画する。ピストン69には伝達ロッド70が連結されている。伝達ロッド70は、軸内通路31A内に入り込んでいる。軸内通路31Aは、小径通路314と、小径通路314よりも大径の大径通路315とを備えている。小径通路314内の伝達ロッド70には円筒形状の円周面体71が止着されており、大径通路315内の伝達ロッド70には円筒形状の円周面体72が止着されている。円筒形状の円周面体71は、回転軸21の回転軸線210の方向へスライド可能、且つ出口312を開閉可能に小径通路314に嵌入されており、円筒形状の円周面体72は、回転軸21の回転軸線210の方向へスライド可能、且つ出口313を開閉可能に大径通路315に嵌入されている。円筒形状の円周面体72の筒内は、円周面体71と円周面体72との間の軸内通路31Aと、軸内通路31Aの入口311と円周面体72との間の軸内通路31Aとを連通している。
小径通路314と大径通路315との間の段差316と円周面体72との間には復帰バネ73が介在されている。復帰バネ73は、ピストン69を凹部411に押し込むように円周面体71,72、伝達ロッド70及びピストン69の全体を圧力室412に向けて付勢している。円周面体71,72、伝達ロッド70及びピストン69は、凹部411内に圧力室412を区画する弁体を構成する。
図11(a)は、円周面体71,72が出口312,313を閉じた状態を示し、出口312,313と軸内通路31Aとの連通が遮断されている。図11(b)は、円周面体71,72が出口312,313を開いた状態を示し、出口312,313と軸内通路31Aとが連通されている。電磁ソレノイド47への通電が行われると、円周面体71,72が復帰バネ73のばね力によって図11(b)に示す連通する位置から図11(a)に示す遮断する位置へ配置される。
第6の実施形態では第1の実施形態と同様の効果が得られる。又、第6の実施形態では、円周面体71,72が遮断する位置にあるときに圧縮室271,281に流入可能な冷媒は、出口312,313内及び連通路32,33内の冷媒のみであるため、起動ショックの緩和効果は、第1の実施形態の場合よりも高い。
なお、ピストン69と伝達ロッド70との間で相対回転可能な構成とすれば、復帰バネ73と回転軸21との間での相対回転を防止することができ、復帰バネ73と回転軸21との間での相対回転に起因する復帰バネ73あるいは回転軸21の磨耗損傷を回避することができる。あるいは、円周面体72と復帰バネ73との間で相対回転可能な構成としてもよい。
次に、図12(a),(b)の第7の実施形態を説明する。第6の実施形態と同じ構成部には同じ符合が用いてある。
伝達ロッド70の先端に円板形状の円板74が止着されている。図12(a)に示すように、円周面体72が出口313を閉じる位置にあるときには、円板74は、軸内通路31A内において出口312よりも上流側にあり、軸内通路31Aの冷媒が出口312を介して圧縮室271へ流入不能である。図12(b)に示すように、円周面体72が出口313を開く位置にあるときには、円板74は、軸内通路31A内において出口312よりも下流側にあり、軸内通路31Aの冷媒が出口312を介して圧縮室271へ流入可能である。電磁ソレノイド47への通電が行われると、筒75が復帰バネ73のばね力によって図12(a)に示す遮断する位置から図12(b)に示す連通する位置へ配置される。円板74、円周面体72、伝達ロッド70及びピストン69は、凹部411内に圧力室412を区画する弁体を構成する。
第7の実施形態では第6の実施形態と同様の効果が得られる。
次に、図13(a),(b)の第8の実施形態を説明する。第6の実施形態と同じ構成部には同じ符合が用いてある。
ピストン69には筒75がピストン69に対して相対回転可能に連結されている。筒75は、軸内通路31Aにスライド可能に嵌入されている。筒75の先端には端壁752が形成されている。軸内通路31Aの行き止まりとなる内端には角ピン76が止着されており、筒75の端壁752には角ピン76が相対的にスライド可能に挿通されている。筒75及び角ピン76は、回転軸21と一体的に回転し、端壁752に角ピン76を挿通した状態で軸内通路31A内をスライド可能である。
筒75は、小径通路314に嵌入された小径筒部77と、大径通路315に嵌入された大径筒部78とを備える。吸入室142内における大径筒部78には導入口751が吸入室142と筒75の筒内750とを連通するように形成されている。
小径通路314内における小径筒部77には通口771が小径筒部77内に連通するように形成されており、大径筒部78には通口781が大径筒部78内に連通するように形成されている。
小径筒部77と大径筒部78との間の段差753と、回転軸21側の段差316との間には復帰バネ73が介在されている。復帰バネ73は、ピストン69を凹部411に押し込むように筒75を圧力室412に向けて付勢している。筒75及びピストン69は、凹部411内に圧力室412を区画する弁体を構成する。
図13(b)は、弁体としての小径筒部77が出口312を閉じた状態を示し、弁体としての大径筒部78が出口313を閉じた状態を示す。これにより、出
口312,313と筒75の筒内750との連通が遮断されている。図13(a)は、小径筒部77の通口771と出口312とが連通した状態を示し、大径筒部78の通口781と出口313とが連通した状態を示し、出口312,313と筒内750とが連通されている。吸入室142の冷媒は、導入口751、筒内750、通口771、出口312及び連通路32を介して圧縮室271へ流入可能であり、吸入室142の冷媒は、導入口751、筒内750、通口781、出口313及び連通路33を介して圧縮室281へ流入可能である。電磁ソレノイド47への通電が行われると、筒75が復帰バネ73のばね力によって図13(a)に示す連通する位置から図13(b)に示す遮断する位置へ配置される。
第8の実施形態では第6の実施形態と同様の効果が得られる。
次に、図14の第9の実施形態を説明する。第1の実施形態と同じ構成部には同じ符合が用いてある。
固定容量型ピストン式圧縮機10Aの全体ハウジングは、シリンダブロック12とフロントハウジング13とリヤハウジング14とから構成されており、シリンダブロック12とフロントハウジング13との間の斜板室24に斜板23が収容されている。斜板23に連係された片頭ピストン79は、斜板23の回転に伴ってシリンダボア28内を往復動する。回転軸21にはロータリバルブ36がシリンダブロック12に対応して設けられており、リヤハウジング14には電磁ソレノイド48及び弁体59が設けられている。
第9の実施形態では第1の実施形態と同様の効果が得られる。
本発明では以下のような実施形態も可能である。
○電磁ソレノイド48を励磁したときには弁体59が連通する位置に配置され、電磁ソレノイド48を消磁したときには弁体59が遮断する位置に配置されるようにしてもよい。
○電磁ソレノイド47を励磁したときには弁体42が連通する位置に配置され、電磁ソレノイド47を消磁したときには弁体42が遮断する位置に配置されるようにしてもよい。
○圧力室501と吸入室142との連通を常に遮断しておき、圧力室501を大気に連通してもよい。
○第1ロータリバルブ35及第2ロータリバルブ36を回転軸21とは別体に形成してもよい。
第1の実施の形態を示す圧縮機全体の側断面図。 (a)は、図1のA−A線断面図。(b)は、図1のB−B線断面図。 部分拡大側断面図。 部分拡大側断面図。 運転制御プログラムを示すフローチャート。 タイミングチャート。 第2の実施形態を示すタイミングチャート。 (a),(b)は、第3の実施の形態を示す部分拡大側断面図。 (a),(b)は、第4の実施の形態を示す部分拡大側断面図。 (a),(b)は、第5の実施の形態を示す部分拡大側断面図。 (a),(b)は、第6の実施の形態を示す部分拡大側断面図。 (a),(b)は、第7の実施の形態を示す部分拡大側断面図。 (a),(b)は、第8の実施の形態を示す部分拡大側断面図。 第9の実施の形態を示す圧縮機全体の側断面図。
符号の説明
10,10A…固定容量型ピストン式圧縮機。11,12…シリンダブロック。111,121…バルブ収容室としての軸孔。14…リヤハウジング。142…圧縮機内の吸入圧領域としての吸入室。21…回転軸。210…回転軸線。211,212…シール周面。23…カム体としての斜板。25…電磁クラッチ。26…外部駆動源としての車両エンジン。27,28…シリンダボア。271,281…圧縮室。29…両頭ピストン。31,31A…導入通路を構成する軸内通路。311…入口。312,313…出口。35…第1ロータリバルブ。36…第2ロータリバルブ。411,50…圧力室形成凹部。412,501…圧力室。42,59,59A…切り換え手段を構成する弁体。441…内部通路の入口としての導入口。442…内部通路としての筒内。47,48…切り換え手段を構成する電磁駆動手段としての電磁ソレノイド。55…復帰バネ。561…シール面。582…弁座面。66,66A…ガイド筒。661…筒内。68…保持バネ。71,72…弁体を構成する円周面体。74…弁体を構成する円板。75…弁体を構成する筒。79…片頭ピストン。

Claims (13)

  1. 回転軸の周囲に配列された複数のシリンダボア内にピストンが収容されており、前記ピストンが前記回転軸と一体化されたカム体を介して前記回転軸の回転に連動されており、前記ピストンによって前記シリンダボア内に区画される圧縮室に吸入圧領域から冷媒を導入するための導入通路を有するロータリバルブを備え、前記ロータリバルブは、前記回転軸と一体的に回転し、前記回転軸は、クラッチを介して外部駆動源に連結される固定容量型ピストン式圧縮機における冷媒吸入構造において、
    圧縮機内の吸入圧領域と前記導入通路の出口とを連通する状態と遮断する状態とに切り換えられる切り換え手段が設けられており、前記切り換え手段は、前記圧縮機内の吸入圧領域と前記導入通路の出口とを連通する位置と遮断する位置とに切り換え配置される弁体と、前記弁体を電磁力によって駆動する電磁駆動手段とを備えている固定容量型ピストン式圧縮機における冷媒吸入構造。
  2. 前記切り換え手段は、前記連通する位置に前記弁体を復帰させる復帰バネを備え、前記電磁駆動手段は、前記連通する位置から前記遮断する位置に向けて前記弁体を駆動する請求項1に記載の固定容量型ピストン式圧縮機における冷媒吸入構造。
  3. 前記切り換え手段は、圧力室形成凹部を備え、前記弁体は、前記圧力室形成凹部内にスライド可能に収容されており、前記弁体は、前記圧力室形成凹部内に圧力室を区画し、前記圧力室は、前記圧縮機内の吸入圧領域に連通されており、前記圧縮機内の吸入圧領域の圧力と前記圧力室内の圧力とは、前記弁体を介して対抗しており、前記復帰バネは、前記圧力室に収容されており、前記復帰バネは、前記圧力室形成凹部内から飛び出させる方向に前記弁体を付勢し、前記電磁駆動手段は、前記弁体を前記圧力室形成凹部内に押し込むように前記弁体を駆動する請求項2に記載の固定容量型ピストン式圧縮機における冷媒吸入構造。
  4. 前記切り換え手段は、圧力室形成凹部を備え、前記弁体は、前記圧力室形成凹部内にスライド可能に収容されており、前記弁体は、前記圧力室形成凹部内に前記圧力室を区画し、前記圧力室は、前記圧縮機内の吸入圧領域に連通されており、前記圧縮機内の吸入圧領域の圧力と前記圧力室内の圧力とは、前記弁体を介して対抗しており、前記切り換え手段は、前記弁体を前記圧力室形成凹部内に押し込んで前記遮断する位置に前記弁体を保持するための保持バネを備え、前記電磁駆動手段は、前記連通する位置から前記遮断する位置に向けて前記弁体を駆動する請求項1に記載の固定容量型ピストン式圧縮機における冷媒吸入構造。
  5. 前記切り換え手段が前記遮断する状態にあるときには、前記弁体は、前記導入通路の入口を前記圧縮機内の吸入圧領域から遮断する位置に配置される請求項4に記載の固定容量型ピストン式圧縮機における冷媒吸入構造。
  6. 前記弁体は、前記遮断する位置で平面の弁座面に面接触する平面のシール面を有する請求項5に記載の固定容量型ピストン式圧縮機における冷媒吸入構造。
  7. 前記導入通路は、前記ロータリバルブの端面に入口を有すると共に、前記ロータリバルブの周面に出口を有し、前記ロータリバルブの回転軸線は、前記端面と交差し、前記ロータリバルブを回転可能に収容するバルブ収容室の外部で前記回転軸線を包囲するガイド筒がその筒内を前記導入通路の入口に連通するように設けられており、前記弁体は、前記ガイド筒にスライド可能に嵌合されており、前記弁体は、前記ガイド筒の筒内に連通する内部通路を有し、前記内部通路の入口は、前記弁体が前記遮断する位置にあるときには、前記圧力室形成凹部内に入り込んで遮蔽され、前記内部通路の入口は、前記弁体が前記連通する位置にあるときには、前記圧力室形成凹部外にあって前記圧縮機内の吸入圧領域内に露出する請求項4に記載の固定容量型ピストン式圧縮機における冷媒吸入構造。
  8. 前記ガイド筒は、前記弁体以外の部材に対して前記回転軸の半径方向へ移動を許容されるように前記弁体以外の部材とは別体に形成されている請求項7に記載の固定容量型ピストン式圧縮機における冷媒吸入構造。
  9. 前記導入通路は、前記ロータリバルブの端面に入口を有すると共に、前記ロータリバルブの周面に出口を有し、前記弁体は、前記導入通路の入口から該導入通路内に嵌入されており、前記切り換え手段が前記遮断する状態にあるときには、前記弁体は、前記導入通路の内部で前記出口を前記圧縮機内の吸入圧領域から遮断する位置に配置される請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の固定容量型ピストン式圧縮機における冷媒吸入構造。
  10. 前記導入通路は、前記回転軸の内部に前記回転軸の回転軸線の方向に延びる軸内通路を有し、前記導入通路の出口は、前記回転軸の周面を貫通して前記軸内通路に連通しており、前記弁体は、前記導入通路内を前記回転軸線の方向へスライド可能に前記軸内通路内に嵌入されており、前記弁体は、前記軸内通路内を前記回転軸線の方向へ移動されて前記連通する位置と前記遮断する位置とに切り換え配置され、前記遮断する位置は、前記弁体が前記軸内通路から前記導入通路の出口を遮断する位置である請求項9に記載の固定容量型ピストン式圧縮機における冷媒吸入構造。
  11. 前記シリンダボアを形成するシリンダブロックにリヤハウジングが連結されており、前記リヤハウジング内には吸入室が形成されており、前記弁体は、前記リヤハウジング内に設けられている請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の固定容量型ピストン式圧縮機における冷媒吸入構造。
  12. 回転軸の周囲に配列された複数のシリンダボア内にピストンが収容されており、前記ピストンが前記回転軸と一体化されたカム体を介して前記回転軸の回転に連動されており、前記ピストンによって前記シリンダボア内に区画される圧縮室に吸入圧領域から冷媒を導入するための導入通路を有するロータリバルブを備え、前記ロータリバルブは、前記回転軸と一体的に回転し、前記回転軸は、クラッチを介して外部駆動源に連結され、圧縮機内の吸入圧領域と前記導入通路の出口とを連通する状態と遮断する状態とに切り換えられる切り換え手段が設けられており、前記切り換え手段は、前記圧縮機内の吸入圧領域と前記導入通路の出口とを連通する位置と遮断する位置とに切り換え配置される弁体と、前記弁体を電磁力によって駆動する電磁駆動手段とを備え、前記電磁駆動手段は、前記弁体を前記連通する位置に配置する第1状態と、前記弁体を前記遮断する位置に配置する第2状態とに切り換えられる固定容量型ピストン式圧縮機における運転制御方法において、
    前記クラッチを遮断状態から連結状態に切り換える際には、前記電磁駆動手段を前記第2状態にした後に前記クラッチを連結状態にし、その後、前記電磁駆動手段を前記第1状態にする固定容量型ピストン式圧縮機における運転制御方法。
  13. 前記クラッチは、励磁によって連結状態になる電磁クラッチであり、前記電磁クラッチを消磁状態から励磁状態に切り換える際には、前記電磁クラッチを励磁するための前記電磁クラッチに対する電流供給を徐々に増大してゆき、供給電流値が最大になった後に前記電磁駆動手段を消磁する請求項12に記載の固定容量型ピストン式圧縮機における運転制御方法。
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