JP2008248012A - 帯電防止フィルムの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】導電性および膜強度のいずれもが優れ、しかも異物が見られない帯電防止フィルムを製造できる帯電防止フィルムの製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の帯電防止フィルム1の製造方法は、トリアセチルセルロースフィルムの表面に、π共役系導電性高分子と可溶化高分子とトリアセチルセルロースを溶解可能な溶剤とを含む帯電防止層形成用塗布液を塗布し、乾燥させて、トリアセチルセルロースフィルム内にπ共役系導電性高分子および可溶化高分子が含まれている帯電防止層10を形成する工程と、帯電防止層10の表面に、樹脂成分を含むコート層形成用塗布液を塗布してコート層20を形成する工程とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、包装材料等に使用される帯電防止フィルムを製造するための製造方法に関する。
一般に、合成樹脂は電気絶縁性を有しているために帯電しやすく、摩擦等によって静電気を帯びやすい上に、その静電気は外部へ逃げにくく、蓄積するため、様々な問題を引き起こす。
特に衛生性を重視する食品包装材として樹脂フィルムを用いた場合には、商品の陳列中に塵や埃を吸着して、外観を著しく損ねて商品価値を低下させることがある。また、粉体の包装に樹脂フィルムを用いた場合には、その梱包時や使用時に帯電した粉体を吸着又は反発するため、粉体の取り扱いが困難になるといった不具合を生じる。また、樹脂フィルムで精密電子部品を包装する場合には、静電気により精密電子部品が破壊するおそれがある。そのため、静電気の発生は必ず防いでおかなければならない。
そこで、樹脂フィルムに、例えば界面活性剤、金属粒子、π共役系導電性高分子等の帯電防止剤を含有する帯電防止層を設けることがある。
帯電防止剤としてπ共役系導電性高分子を用いる場合には、π共役系導電性高分子を含む溶液を樹脂フィルムに塗布することにより、帯電防止層を形成する方法が採られる。
π共役系導電性高分子を含む溶液としては、例えば、特許文献1に、分子量が2000〜500000の範囲のポリスチレンスルホン酸の存在下で、酸化剤を用いて、3,4−ジアルコキシチオフェンを化学酸化重合して得たポリ(3,4−ジアルコキシチオフェン)水溶液が開示されている。また、特許文献2には、ポリアクリル酸の存在下で化学酸化重合して得たπ共役系導電性高分子コロイド水溶液が開示されている。
特許第2636968号公報 特開平7−165892号公報
しかしながら、特許文献1,2に記載の導電性高分子水溶液を樹脂フィルムに塗布して得た帯電防止フィルムは、膜強度が不充分であった。膜強度を高めるためには、導電性高分子水溶液にバインダ樹脂を含有させることが考えられるが、バインダ樹脂を含有させると導電性の低下を招くという問題がある。
導電性を高める方法としては、導電性を高める作用を有する高導電化剤を添加する方法が考えられるが、通常、高導電化剤は成膜性を有さない。成膜性を持たせるためにはバインダ樹脂を含有させる必要があるが、その場合には、高導電化剤を添加する効果が打ち消される。
さらに、一般的に用いられるバインダ樹脂は非水溶性のものが多く、π共役系導電性高分子を含有する水溶液と混合することは困難である。そこで、π共役系導電性高分子の水溶液をアルコール等の水と混合しうる溶剤で希釈し、その希釈液にバインダ樹脂を混合することが考えられる。しかし、アルコールで希釈した液をフィルム上に塗布し、溶剤を乾燥して除去すると、バインダ樹脂中のπ共役系導電性高分子がフィルム上で凝集して、膜状で異物として観測されることが多い。異物が見られると、包装する商品の外観を損なうという問題を生じる。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、導電性および膜強度のいずれもが優れ、しかも異物が見られない帯電防止フィルムを製造できる帯電防止フィルムの製造方法を提供することを目的とする。
[1] トリアセチルセルロースフィルムの表面に、π共役系導電性高分子と可溶化高分子とトリアセチルセルロースを溶解可能な溶剤とを含む帯電防止層形成用塗布液を塗布し、乾燥させて、トリアセチルセルロースフィルム内にπ共役系導電性高分子および可溶化高分子が含まれている帯電防止層を形成する工程と、
該帯電防止層の表面に、樹脂成分を含むコート層形成用塗布液を塗布してコート層を形成する工程とを有することを特徴とする帯電防止フィルムの製造方法。
[2] 帯電防止層形成用塗布液は、高導電化剤をさらに含むことを特徴とする[1]記載の帯電防止フィルムの製造方法。
[3] 高導電化剤は、下記化学式(1)で表される化合物、下記化学式(2)で表される化合物および下記化学式(3)で表される化合物よりなる群から選ばれる1種以上を含むことを特徴とする[2]に記載の帯電防止フィルムの製造方法。
Figure 2008248012
(なお、化学式(1)および化学式(2)における芳香環のヒドロキシル基で置換されていない部位は任意の置換基で置換されていてもよい。化学式(2)におけるa,bは各々独立して1以上の整数を表す。化学式(3)におけるcは1以上の整数を表す。また、化学式(3)におけるXはヒドロキシル基またはカルボキシル基を表す。)
[4] コート層形成用塗布液は、樹脂成分がトリアセチルセルロースを溶解しない溶剤に溶解または分散している液であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の帯電防止フィルムの製造方法。
[5] コート層形成用塗布液が無溶剤型であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の帯電防止フィルムの製造方法。
本発明の帯電防止フィルムの製造方法によれば、導電性および膜強度のいずれもが優れ、しかも異物が見られない帯電防止フィルムを製造できる。
本発明の帯電防止フィルムの製造方法は、トリアセチルセルロースフィルムの表面に帯電防止層形成用塗布液を塗布し、乾燥させて帯電防止層を形成する工程(以下、第1の工程という。)と、帯電防止層の表面にコート層形成用塗布液を塗布してコート層を形成する工程(以下、第2の工程という。)とを有する方法である。
「第1の工程」
第1の工程では、トリアセチルセルロースフィルムに後述する帯電防止層形成用塗布液を塗布することにより、トリアセチルセルロースフィルム内にπ共役系導電性高分子および可溶化高分子が含まれている帯電防止層を形成する。
<帯電防止層形成用塗布液>
帯電防止層形成用塗布液は、π共役系導電性高分子と、可溶化高分子と、トリアセチルセルロースを溶解可能な溶剤とを含む溶液である。
(π共役系導電性高分子)
π共役系導電性高分子は、主鎖がπ共役系で構成されている有機高分子であれば使用できる。例えば、ポリピロール類、ポリチオフェン類、ポリアセチレン類、ポリフェニレン類、ポリフェニレンビニレン類、ポリアニリン類、ポリアセン類、ポリチオフェンビニレン類、及びこれらの共重合体等が挙げられる。重合の容易さ、空気中での安定性の点からは、ポリピロール類、ポリチオフェン類及びポリアニリン類が好ましい。
このようなπ共役系導電性高分子の具体例としては、ポリピロール、ポリ(N−メチルピロール)、ポリ(3−メチルピロール)、ポリ(3−エチルピロール)、ポリ(3−n−プロピルピロール)、ポリ(3−ブチルピロール)、ポリ(3−オクチルピロール)、ポリ(3−デシルピロール)、ポリ(3−ドデシルピロール)、ポリ(3,4−ジメチルピロール)、ポリ(3,4−ジブチルピロール)、ポリ(3−カルボキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシエチルピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシブチルピロール)、ポリ(3−ヒドロキシピロール)、ポリ(3−メトキシピロール)、ポリ(3−エトキシピロール)、ポリ(3−ブトキシピロール)、ポリ(3−ヘキシルオキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−ヘキシルオキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−ヘキシルオキシピロール)、ポリ(チオフェン)、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリ(3−エチルチオフェン)、ポリ(3−プロピルチオフェン)、ポリ(3−ブチルチオフェン)、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)、ポリ(3−ヘプチルチオフェン)、ポリ(3−オクチルチオフェン)、ポリ(3−デシルチオフェン)、ポリ(3−ドデシルチオフェン)、ポリ(3−オクタデシルチオフェン)、ポリ(3−ブロモチオフェン)、ポリ(3−クロロチオフェン)、ポリ(3−ヨードチオフェン)、ポリ(3−シアノチオフェン)、ポリ(3−フェニルチオフェン)、ポリ(3,4−ジメチルチオフェン)、ポリ(3,4−ジブチルチオフェン)、ポリ(3−ヒドロキシチオフェン)、ポリ(3−メトキシチオフェン)、ポリ(3−エトキシチオフェン)、ポリ(3−ブトキシチオフェン)、ポリ(3−ヘキシルオキシチオフェン)、ポリ(3−ヘプチルオキシチオフェン)、ポリ(3−オクチルオキシチオフェン)、ポリ(3−デシルオキシチオフェン)、ポリ(3−ドデシルオキシチオフェン)、ポリ(3−オクタデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジヒドロキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジメトキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジエトキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジプロポキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジブトキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジヘキシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジヘプチルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジオクチルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジドデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、ポリ(3,4−プロピレンジオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ブテンジオキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−メトキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−エトキシチオフェン)、ポリ(3−カルボキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシエチルチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシブチルチオフェン)、ポリアニリン、ポリ(2−メチルアニリン)、ポリ(3−イソブチルアニリン)、ポリ(2−アニリンスルホン酸)、ポリ(3−アニリンスルホン酸)等が挙げられる。
中でも、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリ(N−メチルピロール)、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリ(3−メトキシチオフェン)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)から選ばれる1種又は2種からなる(共)重合体が抵抗値、反応性の点から好適に用いられる。さらには、ポリピロール、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)は、導電性がより高い上に、耐熱性が向上する点から、より好ましい。
アルキル基の中では導電性に悪影響を与えることがないため、メチル基が好ましい。さらに、ポリスチレンスルホン酸をドープしたポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT−PSSと略す)は、比較的熱安定性が高く、重合度が低いことから塗膜成形後の透明性が有利となる点で好ましい。
(可溶化高分子)
可溶化高分子とは、π共役系導電性高分子を可溶化する高分子であり、可溶化高分子としては、アニオン基及び/又は電子吸引基を有する高分子が挙げられる。
[アニオン基を有する高分子]
アニオン基を有する高分子(以下、ポリアニオンという。)は、置換若しくは未置換のポリアルキレン、置換若しくは未置換のポリアルケニレン、置換若しくは未置換のポリイミド、置換若しくは未置換のポリアミド、置換若しくは未置換のポリエステル及びこれらの共重合体であって、アニオン基を有する構成単位とアニオン基を有さない構成単位とからなるものである。
このポリアニオンのアニオン基は、π共役系導電性高分子に対するドーパントとして機能して、π共役系導電性高分子の導電性と耐熱性を向上させる。
ポリアルキレンとは、主鎖がメチレンの繰り返しで構成されているポリマーである。ポリアルキレンとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテン、ポリヘキセン、ポリビニルアルコール、ポリビニルフェノール、ポリ(3,3,3−トリフルオロプロピレン)、ポリアクリロニトリル、ポリアクリレート、ポリスチレン等が挙げられる。
ポリアルケニレンとは、主鎖に不飽和結合(ビニル基)が1個以上含まれる構成単位からなるポリマーである。ポリアルケニレンの具体例としては、プロペニレン、1−メチルプロペニレン、1−ブチルプロペニレン、1−デシルプロペニレン、1−シアノプロペニレン、1−フェニルプロペニレン、1−ヒドロキシプロペニレン、1−ブテニレン、1−メチル−1−ブテニレン、1−エチル−1−ブテニレン、1−オクチル−1−ブテニレン、1−ペンタデシル−1−ブテニレン、2−メチル−1−ブテニレン、2−エチル−1−ブテニレン、2−ブチル−1−ブテニレン、2−ヘキシル−1−ブテニレン、2−オクチル−1−ブテニレン、2−デシル−1−ブテニレン、2−ドデシル−1−ブテニレン、2−フェニル−1−ブテニレン、2−ブテニレン、1−メチル−2−ブテニレン、1−エチル−2−ブテニレン、1−オクチル−2−ブテニレン、1−ペンタデシル−2−ブテニレン、2−メチル−2−ブテニレン、2−エチル−2−ブテニレン、2−ブチル−2−ブテニレン、2−ヘキシル−2−ブテニレン、2−オクチル−2−ブテニレン、2−デシル−2−ブテニレン、2−ドデシル−2−ブテニレン、2−フェニル−2−ブテニレン、2−プロピレンフェニル−2−ブテニレン、3−メチル−2−ブテニレン、3−エチル−2−ブテニレン、3−ブチル−2−ブテニレン、3−ヘキシル−2−ブテニレン、3−オクチル−2−ブテニレン、3−デシル−2−ブテニレン、3−ドデシル−2−ブテニレン、3−フェニル−2−ブテニレン、3−プロピレンフェニル−2−ブテニレン、2−ペンテニレン、4−プロピル−2−ペンテニレン、4−ブチル−2−ペンテニレン、4−ヘキシル−2−ペンテニレン、4−シアノ−2−ペンテニレン、3−メチル−2−ペンテニレン、4−エチル−2−ペンテニレン、3−フェニル−2−ペンテニレン、4−ヒドロキシ−2−ペンテニレン、ヘキセニレン等から選ばれる1種以上の構成単位を含む重合体が挙げられる。
これらの中でも、不飽和結合とπ共役系導電性高分子との相互作用があること、置換若しくは未置換のブタジエンを出発物質として合成しやすいことから、置換若しくは未置換のブテニレンが好ましい。
ポリイミドとしては、ピロメリット酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2,3,3−テトラカルボキシジフェニルエーテル二無水物、2,2−[4,4’−ジ(ジカルボキシフェニルオキシ)フェニル]プロパン二無水物等の無水物とオキシジアニン、パラフェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、ベンゾフェノンジアミン等のジアミンとからのポリイミドが挙げられる。
ポリアミドとしては、ポリアミド6、ポリアミド6,6、ポリアミド6,10等が挙げられる。
ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等が挙げられる。
ポリアニオンが置換基を有する場合、その置換基としては、アルキル基、ヒドロキシ基、アミノ基、カルボキシ基、シアノ基、フェニル基、フェノール基、エステル基、アルコキシ基等が挙げられる。溶媒への溶解性、耐熱性及び樹脂への相溶性等を考慮すると、アルキル基、ヒドロキシ基、フェノール基、エステル基が好ましい。
アルキル基は、極性溶媒又は非極性溶媒への溶解性及び分散性、樹脂への相溶性及び分散性等を高くすることができ、ヒドロキシ基は、他の水素原子等との水素結合を形成しやすくでき、有機溶媒への溶解性、樹脂への相溶性、分散性、接着性を高くすることができる。また、シアノ基及びヒドロキシフェニル基は、極性樹脂への相溶性、溶解性を高くすることができ、しかも、耐熱性も高くすることができる。
上記置換基の中では、アルキル基、ヒドロキシ基、エステル基、シアノ基が好ましい。
前記アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル等の鎖状アルキル基、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル等のシクロアルキル基が挙げられる。有機溶剤への溶解性、樹脂への分散性、立体障害等を考慮すると、炭素数1〜12のアルキル基がより好ましい。
前記ヒドロキシ基としては、ポリアニオンの主鎖に直接結合したヒドロキシ基又は他の官能基を介在して結合したヒドロキシ基が挙げられる。他の官能基としては、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数2〜7のアルケニル基、アミド基、イミド基等が挙げられる。ヒドロキシ基はこれらの官能基の末端又は中に置換されている。これらの中では樹脂への相溶及び有機溶剤への溶解性から、主鎖に結合した炭素数1〜6のアルキル基の末端に結合したヒドロキシ基がより好ましい。
前記アミノ基としては、ポリアニオンの主鎖に直接結合したアミノ基又は他の官能基を介在して結合したアミノ基が挙げられる。他の官能基としては、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数2〜7のアルケニル基、アミド基、イミド基等が挙げられる。アミノ基はこれらの官能基の末端又は中に置換されている。
前記フェノール基としては、ポリアニオンの主鎖に直接結合したフェノール基又は他の官能基を介在して結合したフェノール基が挙げられる。他の官能基としては、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数2〜7のアルケニル基、アミド基、イミド基等が挙げられる。フェノール基はこれらの官能基の末端又は中に置換されている。
前記エステル基としては、ポリアニオンの主鎖に直接結合したアルキル系エステル基、芳香族系エステル基、他の官能基を介在してなるアルキル系エステル基又は芳香族系エステル基が挙げられる。
シアノ基としては、ポリアニオンの主鎖に直接結合したシアノ基、ポリアニオンの主鎖に結合した炭素数1〜7のアルキル基の末端に結合したシアノ基、ポリアニオンの主鎖に結合した炭素数2〜7のアルケニル基の末端に結合したシアノ基等を挙げることができる。
ポリアニオンのアニオン基としては、π共役系導電性高分子への化学酸化ドープが起こりうる官能基であればよいが、中でも、製造の容易さ及び安定性の観点からは、一置換硫酸エステル基、一置換リン酸エステル基、リン酸基、カルボキシ基、スルホ基等が好ましい。さらに、官能基のπ共役系導電性高分子へのドープ効果の観点より、スルホ基、一置換硫酸エステル基、カルボキシ基がより好ましい。
ポリアニオンの具体例としては、ポリビニルスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリアリルスルホン酸、ポリアクリルスルホン酸、ポリメタクリルスルホン酸、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ポリイソプレンスルホン酸、ポリビニルカルボン酸、ポリスチレンカルボン酸、ポリアリルカルボン酸、ポリアクリルカルボン酸、ポリメタクリルカルボン酸、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンカルボン酸、ポリイソプレンカルボン酸、ポリアクリル酸等が挙げられる。これらの単独重合体であってもよいし、2種以上の共重合体であってもよい。
これらのうち、ポリアクリルスルホン酸、ポリメタクリルスルホン酸が好ましい。ポリアクリルスルホン酸、ポリメタクリルスルホン酸は、熱エネルギーを吸収して自ら分解することにより、π共役系導電性高分子成分の熱分解が緩和されるため、耐熱性、耐環境性に優れる。
ポリアニオンは、例えば、酸を用いてアニオン基を有さないポリマーにアニオン基を直接導入する方法、アニオン基を有さないポリマーをスルホ化剤によりスルホン酸化する方法、アニオン基含有重合性モノマーの重合により製造する方法が挙げられる。
これらのうち、アニオン基含有重合性モノマーの重合により製造する方法は、溶媒中、アニオン基含有重合性モノマーを、酸化剤及び/又は重合触媒の存在下で、酸化重合又はラジカル重合によって製造する方法が挙げられる。具体的には、所定量のアニオン基含有重合性モノマーを溶媒に溶解させ、これを一定温度に保ち、それに予め溶媒に所定量の酸化剤及び/又は重合触媒を溶解した溶液を添加し、所定時間で反応させる。その反応により得られたポリマーは溶媒によって一定の濃度に調整される。この製造方法において、アニオン基含有重合性モノマーにアニオン基を有さない重合性モノマーを共重合させてもよい。
ポリアニオンの重合度は、モノマー単位が10〜100,000個の範囲であることが好ましく、溶媒溶解性及び導電性の点からは、50〜10,000個の範囲がより好ましい。
[電子吸引基を有する高分子]
電子吸引基を有する高分子は、電子吸引基として、例えば、シアノ基、ニトロ基、ホルミル基、カルボニル基、アセチル基から選ばれる少なくとも1種を有する化合物を構成単位とした高分子が挙げられる。これらの中でも、シアノ基は極性が高く、π共役系導電性高分子をより可溶化できることから好ましい。
電子吸引性基を有する高分子の具体例としては、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリロニトリル、アクリロニトリル−スチレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂や、水酸基あるいはアミノ基含有樹脂をシアノエチル化した樹脂(例えば、シアノエチルセルロース)、ポリビニルピロリドン、アルキル化ポリビニルピロリドン、ニトロセルロースなどが挙げられる。
可溶化高分子には、耐衝撃性を改良するための合成ゴムや、耐環境特性を向上させるための老化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤が添加されていてもよい。ただし、アミン化合物系の酸化防止剤は上記導電性高分子を重合させる際に用いる酸化剤の働きを阻害することがあるので、酸化防止剤にはフェノール系のものを用いたり、重合後に混合したりするなどの対策が必要である。
可溶化高分子の含有量は、π共役系導電性高分子1モルに対して0.1〜10モルの範囲であることが好ましく、1〜7モルの範囲であることがより好ましい。可溶化高分子の含有量が0.1モルより少なくなると、π共役系導電性高分子へのドーピング効果が弱くなる傾向にあり、導電性が不足することがある。その上、溶媒への分散性及び溶解性が低くなり、均一な分散液を得ることが困難になる。また、可溶化高分子の含有量が10モルより多くなると、π共役系導電性高分子の含有割合が少なくなり、やはり充分な導電性が得られにくい。
(トリアセチルセルロースを溶解可能な溶剤)
トリアセチルセルロースを溶解可能な溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤、酢酸エチルなどのエステル系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド系溶剤、ジクロロエタン、トリクロロエタンなどの塩素系溶剤等が挙げられる。
これらの溶媒は、単独で用いてもよいし、2種類以上の混合物としてもよい。
上述した溶剤の中でも、トリアセチルセルロースの溶解度、蒸発速度等の点から、メチルエチルケトンが好ましい。
トリアセチルセルロースを溶解可能な溶剤の含有量は、塗布液全体を100質量%とした際の20〜80質量%が好ましく、40〜80質量%であることがより好ましく、60〜80質量%であることが特に好ましい。トリアセチルセルロースを溶解可能な溶媒の含有量が20質量%未満であると、高導電化剤が析出したり、充分な膜強度が得られないことがある。また、トリアセチルセルロースを溶解可能な溶媒の含有量が80質量%を超えると、トリアセチルセルロースフィルムの中心付近にπ共役系導電性高分子と高導電化剤とが埋め込まれてしまうため、充分な導電性が得られなくなる。
(トリアセチルセルロースを溶解しない溶剤)
帯電防止層形成用塗布液には、上記のトリアセチルセルロースを溶解可能な溶剤以外に、トリアセチルセルロースを溶解しない溶剤が含まれてもよい。
トリアセチルセルロースを溶解しない溶剤としては、例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、ヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素類、ギ酸、酢酸等のカルボン酸、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート化合物、ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル化合物、エチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテル等の鎖状エーテル類、3−メチル−2−オキサゾリジノン等の複素環化合物等が挙げられる。これらの溶媒は、単独で用いてもよいし、2種類以上の混合物としてもよい。
上記トリアセチルセルロースを溶解しない溶剤の中でも、帯電防止層形成用塗布液の安定性を損なわないことから、水もしくはアルコールが好ましい。
(高導電化剤)
高導電化剤は、π共役系導電性高分子またはπ共役系導電性高分子のドーパントと相互作用し、π共役系導電性高分子の電気伝導度を向上させるものである。
高導電化剤としては、例えば、窒素含有芳香族性環式化合物、2個以上のヒドロキシル基を含む化合物、2個以上のカルボキシル基を含む化合物、1個以上のヒドロキシル基及び1個以上のカルボキシル基を含む化合物、スルホ基とカルボキシル基を含む化合物、アミド基を含む化合物、イミド基を含む化合物、ラクタム化合物、グリシジル基を有する化合物等が挙げられる。
[窒素含有芳香族性環式化合物]
窒素含有芳香族性環式化合物とは、少なくとも1個以上の窒素原子を含む芳香族性環を有し、芳香族性環中の窒素原子が芳香性環中の他の原子と共役関係を持つものである。共役関係となるためには、窒素原子と他の原子とが不飽和結合を形成している。あるいは、窒素原子が直接的に他の原子と不飽和結合を形成していなくても、不飽和結合を形成している他の原子に隣接していればよい。窒素原子上に存在している非共有電子対が、他の原子同士で形成されている不飽和結合と擬似的な共役関係を構成できるからである。
窒素含有芳香族性環式化合物においては、他の原子と共役関係を有する窒素原子と、不飽和結合を形成している他の原子に隣接している窒素原子を共に有することが好ましい。
このような窒素含有芳香族性環式化合物としては、例えば、一つの窒素原子を含有するピリジン類及びその誘導体、二つの窒素原子を含有するイミダゾール類及びその誘導体、ピリミジン類及びその誘導体、ピラジン類及びその誘導体、三つの窒素原子を含有するトリアジン類及びその誘導体等が挙げられる。溶媒溶解性等の観点からは、ピリジン類及びその誘導体、イミダゾール類及びその誘導体、ピリミジン類及びその誘導体が好ましい。
また、窒素含有芳香族性環式化合物は、アルキル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、シアノ基、フェニル基、フェノール基、エステル基、アルコキシル基、カルボニル基等の置換基が環に導入されたものでもよいし、導入されていないものでもよい。また、環は多環であってもよい。
置換基のうち、アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル等のアルキル基、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル等のシクロアルキル基が挙げられる。中でも、有機溶剤への溶解性、樹脂への分散性、立体障害等を考慮すると、炭素数1〜12のアルキル基が好ましい。
ヒドロキシル基としては、ヒドロキシ、メチレンヒドロキシ、エチレンヒドロキシ、トリメチレンヒドロキシ、テトラメチレンヒドロキシ、ペンタメチレンヒドロキシ、ヘキサメチレンヒドロキシ、ヘプタメチレンヒドロキシ、プロピレンヒドロキシ、ブチレンヒドロキシ、エチルメチレンヒドロキシ等のアルキレンヒドロキシル基、プロペニレンヒドロキシ、ブテニレンヒドロキシ、ペンテニレンヒドロキシ等のアルケニレンヒドロキシル基が挙げられる。
カルボキシル基としては、カルボキシ、メチレンカルボキシ、エチレンカルボキシ、トリメチレンカルボキシ、プロピレンカルボキシ、テトラメチレンカルボキシ、ペンタメチレンカルボキシ、ヘキサメチレンカルボキシ、ヘプタメチレカルボキシ、エチルメチレンカルボキシ、フェニルエチレンカルボキシ等のアルキレンカルボキシ、イソプレンカルボキシ、プロペニレンカルボキシ、ブテニレンカルボキシ、ペンテニレンカルボキシ等のアルケニレンカルボキシル基が挙げられる。
シアノ基としては、シアノ、メチレンシアノ、エチレンシアノ、トリメチレンシアノ、テトラメチレンシアノ、ペンタメチレンシアノ、ヘキサメチレンシアノ、ヘプタメチレンシアノ、プロピレンシアノ、ブチレンシアノ、エチルメチレンシアノ等のアルキレンシアノ基、プロペニレンシアノ、ブテニレンシアノ、ペンテニレンシアノ等のアルケニレンシアノ基が挙げられる。
フェノール基としては、フェノール、メチルフェノール、エチルフェノール、ブチルフェノール等のアルキルフェノール基、メチレンフェノール、エチレンフェノール、トリメチレンフェノール、テトラメチレンフェノール、ペンタメチレンフェノール、ヘキサメチレンフェノール等のアルキレンフェノール基等が挙げられる。
フェニル基としては、フェニル、メチルフェニル、ブチルフェニル、オクチルフェニル、ジメチルフェニル、等のアルキルフェニル基と、メチレンフェニル、エチレンフェニル、トリメチレンフェニル、テトラメチレンフェニル、ペンタメチレンフェニル、ヘキサメチレンフェニル、ヘプタメチレンフェニル等のアルキレンフェニル基と、プロペニレンフェニル、ブテニレンフェニル、ペンテニレンフェニル等のアルケニレンフェニル等が挙げられる。
アルコキシル基としては、メトキシ、エトキシ、ブトキシ、フェノキシ等が挙げられる。
ピリジン類及びその誘導体の具体的な例としては、ピリジン、2−メチルピリジン、3−メチルピリジン、4−メチルピリジン、4−エチルピリジン、N−ビニルピリジン、2,4−ジメチルピリジン、2,4,6−トリメチルピリジン、3−シアノ−5−メチルピリジン、2−ピリジンカルボン酸、6−メチル−2−ピリジンカルボン酸、4−ピリジンカルボキシアルデヒド、4−アミノピリジン、2,3−ジアミノピリジン、2,6−ジアミノピリジン、2,6−ジアミノ−4−メチルピリジン、4−ヒドロキシピリジン、4−ピリジンメタノール、2,6−ジヒドロキシピリジン、2,6−ピリジンジメタノール、6−ヒドロキシニコチン酸メチル、2−ヒドロキシ−5−ピリジンメタノール、6−ヒドロキシニコチン酸エチル、4−ピリジンメタノール、4−ピリジンエタノール、2−フェニルピリジン、3−メチルキノリン、3−エチルキノリン、キノリノール、2,3−シクロペンテノピリジン、2,3−シクロヘキサノピリジン、1,2−ジ(4−ピリジル)エタン、1,2−ジ(4−ピリジル)プロパン、2−ピリジンカルボキシアルデヒド、2−ピリジンカルボン酸、2−ピリジンカルボニトリル、2,3−ピリジンジカルボン酸、2,4−ピリジンジカルボン酸、2,5−ピリジンジカルボン酸、2,6−ピリジンジカルボン酸、3−ピリジンスルホン酸等が挙げられる。
イミダゾール類及びその誘導体の具体的な例としては、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−プロピルイミダゾール、2−ウンデジルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、N−メチルイミダゾール、N−ビニルイミダゾール、N−アリルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、1−アセチルイミダゾール、4,5−イミダゾールジカルボン酸、4,5−イミダゾールジカルボン酸ジメチル、ベンズイミダゾール、2−アミノべンズイミダゾール、2−アミノべンズイミダゾール−2−スルホン酸、2−アミノ−1−メチルべンズイミダゾール、2−ヒドロキシべンズイミダゾール、2−(2−ピリジル)べンズイミダゾール等が挙げられる。
ピリミジン類及びその誘導体の具体的な例としては、2−アミノ−4−クロロ−6−メチルピリミジン、2−アミノ−6−クロロ−4−メトキシピリミジン、2−アミノ−4,6−ジクロロピリミジン、2−アミノ−4,6−ジヒドロキシピリミジン、2−アミノ−4,6−ジメチルピリミジン、2−アミノ−4,6−ジメトキシピリミジン、2−アミノピリミジン、2−アミノ−4−メチルピリミジン、4,6−ジヒドロキシピリミジン、2,4−ジヒドロキシピリミジン−5−カルボン酸、2,4,6−トリアミノピリミジン、2,4−ジメトキシピリミジン、2,4,5−トリヒドロキシピリミジン、2,4−ピリミジンジオール等が挙げられる。
ピラジン類及びその誘導体の具体的な例としては、ピラジン、2−メチルピラジン、2,5−ジメチルピラジン、ピラジンカルボン酸、2,3−ピラジンジカルボン酸、5−メチルピラジンカルボン酸、ピラジンアミド、5−メチルピラジンアミド、2−シアノピラジン、アミノピラジン、3−アミノピラジン−2−カルボン酸、2−エチル−3−メチルピラジン、2−エチル−3−メチルピラジン、2,3−ジメチルピラジン、2,3−ジエチルピラジン等が挙げられる。
トリアジン類及びその誘導体の具体的な例としては、1,3,5−トリアジン、2−アミノ−1,3,5−トリアジン、3−アミノ−1,2,4−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリアミノ−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリ−2−ピリジン−1,3,5−トリアジン、3−(2−ピリジン)−5,6−ビス(4−フェニルスルホン酸)−1,2,4―トリアジン二ナトリウム、3−(2−ピリジン)−5,6−ジフェニル−1,2,4−トリアジン、3−(2−ピリジン)−5,6−ジフェニル−1,2,4―トリアジン−ρ,ρ’−ジスルホン酸二ナトリウム、2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
窒素含有芳香族性環式化合物における窒素原子には非共有電子対が存在しているため、窒素原子上には置換基又はプロトンが配位又は結合されやすい。窒素原子上に置換基又はプロトンが配位又は結合された場合には、窒素原子上にカチオン電荷を帯びる傾向がある。ここで、窒素原子と他の原子とは共役関係を有しているため、窒素原子上に置換基又はプロトンが配位又は結合されたことによって生じたカチオン電荷は窒素含有芳香族性環中に拡散されて、安定した形で存在するようになる。
このようなことから、窒素含有芳香族性環式化合物は、窒素原子に置換基が導入されて窒素含有芳香族性環式化合物カチオンを形成していてもよい。さらに、そのカチオンとアニオンとが組み合わされて塩が形成されていてもよい。塩であっても、カチオンでない窒素含有芳香族性環式化合物と同様の効果を発揮する。
窒素含有芳香族性環式化合物の窒素原子に導入される置換基としては、水素、アルキル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、シアノ基、フェニル基、フェノール基、エステル基、アルコキシル基、カルボニル基等が挙げられる。置換基の種類は前記に示される置換基を導入することができる。
[2個以上のヒドロキシル基を含む化合物]
2個以上のヒドロキシル基を含む化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、D−グルコース、D−グルシトール、イソプレングリコール、ジメチロールプロピオン酸、ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、チオジグリコール、グルコース、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、酒石酸、D−グルカル酸、グルタコン酸等の多価脂肪族アルコール類;ポリビニルアルコール、セルロース、多糖、糖アルコール等の高分子アルコール;1,4−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ジヒドロキシベンゼン、2,3−ジヒドロキシ−1−ペンタデシルベンゼン、2,4−ジヒドロキシアセトフェノン、2,5−ジヒドロキシアセトフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,6−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,5−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,4‘−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、2,2’,5,5’−テトラヒドロキシジフェニルスルフォン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、ヒドロキシキノンカルボン酸及びその塩類、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、1,4−ヒドロキノンスルホン酸及びその塩類、4,5−ヒドロキシベンゼン−1,3−ジスルホン酸及びその塩類、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン−2,6−ジカルボン酸、1,6−ジヒドロキシナフタレン−2,5−ジカルボン酸、1,5−ジヒドロキシナフトエ酸、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニルエステル、4,5−ジヒドロキシナフタレン−2,7−ジスルホン酸及びその塩類、1,8−ジヒドロキシ−3,6−ナフタレンジスルホン酸及びその塩類、6,7−ジヒドロキシ−2−ナフタレンスルホン酸及びその塩類、1,2,3−トリヒドロキシベンゼン(ピロガロール)、1,2,4−トリヒドロキシベンゼン、5−メチル−1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、5−エチル−1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、5−プロピル−1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、トリヒドロキシ安息香酸、トリヒドロキシアセトフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾアルデヒド、トリヒドロキシアントラキノン、2,4,6−トリヒドロキシベンゼン、テトラヒドロキシ−p−ベンゾキノン、テトラヒドロキシアントラキノン、ガーリック酸メチル、ガーリック酸エチル、ヒドロキノンスルホン酸カリウム等の芳香族化合物等が挙げられる。
帯電防止層中に2個以上のヒドロキシル基化合物を含む場合には、以下の理由から、導電性及び熱安定性をより高くすることができる。すなわち、導電性高分子溶液中のπ共役系導電性高分子は高度な酸化状態にあるため、熱等によりその一部が酸化劣化しやすくなっている。そのため、ラジカルが発生し、ラジカル連鎖によって劣化が進行すると考えられる。ところが、2個以上のヒドロキシル基含有化合物は、ヒドロキシル基のラジカル捕捉によって、ラジカル連鎖が遮断され、劣化の進行を抑制でき、熱安定性が向上するものと推測される。
また、ヒドロキシル基がポリアニオン及びπ共役系導電性高分子との間で水素結合を形成することによってπ共役系導電性高分子同士を接近させることができ、π共役系導電性高分子同士間の電気伝導現象であるホッピングに必要なエネルギーが小さくなり、全体の電気抵抗が小さくなるため、導電性がより向上するものと考えられる。
[2個以上のカルボキシル基を含む化合物]
2個以上のカルボキシル基を含む化合物としては、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、マロン酸、1,4−ブタンジカルボン酸、コハク酸、酒石酸、アジピン酸、D−グルカル酸、グルタコン酸、クエン酸等の脂肪族カルボン酸類化合物;フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、5−スルホイソフタル酸、5−ヒドロキシイソフタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、4,4’−オキシジフタル酸、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ナフタレンジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の、芳香族性環に少なくとも一つ以上のカルボキシル基が結合している芳香族カルボン酸類化合物;ジグリコール酸、オキシ二酪酸、チオ二酢酸、チオ二酪酸、イミノ二酢酸、イミノ酪酸等が挙げられる。
[1個以上のヒドロキシル基及び1個以上のカルボキシル基を含む化合物]
1個以上のヒドロキシル基及び1個以上のカルボキシル基を含む化合物としては、酒石酸、グリセリン酸、ジメチロールブタン酸、ジメチロールプロパン酸、D−グルカル酸、グルタコン酸等が挙げられる。
[アミド化合物]
アミド基を含む化合物としては、−CO−NH−(COの部分は二重結合)で表されるアミド結合を分子中に有する単分子化合物の総称である。すなわち、アミド化合物としては、例えば、上記結合の両末端に官能基を有する化合物、上記結合が環状化合物の一部を構成する化合物、上記両末端の官能基が水素である尿素及び尿素誘導体などが挙げられる。
アミド化合物の具体例としては、アセトアミド、マロンアミド、スクシンアミド、マレアミド、フマルアミド、ベンズアミド、ナフトアミド、フタルアミド、イソフタルアミド、テレフタルアミド、ニコチンアミド、イソニコチンアミド、2−フルアミド、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、プロピオンアミド、プロピオルアミド、ブチルアミド、イソブチルアミド、メタクリルアミド、パルミトアミド、ステアリルアミド、オレアミド、オキサミド、グルタルアミド、アジプアミド、シンナムアミド、グルコールアミド、ラクトアミド、グリセルアミド、タルタルアミド、シトルアミド、グリオキシルアミド、プルブアミド、アセトアセトアミド、ジメチルアセトアミド、ベンジルアミド、アントラニルアミド、エチレンジアミンテトラアセトアミド、ジアセトアミド、トリアセトアミド、ジベンズアミド、トリベンズアミド、ローダニン、尿素、1−アセチル−2−チオ尿素、ビウレット、ブチル尿素、ジブチル尿素、1,3−ジメチル尿素、1,3−ジエチル尿素及びこれらの誘導体等が挙げられる。
アミド化合物の分子量は46〜10000であることが好ましく、46〜5,000であることがより好ましく、46〜1000であることが特に好ましい。
[イミド化合物]
イミド化合物は、導電性がより高くなることから、イミド結合を有する単分子化合物(以下、イミド化合物という。)が好ましい。ここで、イミド化合物とは、−CO−NH−CO−(COの部分は二重結合)で表される結合構造を分子中に有する化合物のことである。
イミド化合物は両末端の官能基の種類によって、脂肪族イミド、芳香族イミド等の分類もされるが、その骨格より、フタルイミド及びフタルイミド誘導体、スクシンイミド及びスクシンイミド誘導体、ベンズイミド及びベンズイミド誘導体、マレイミド及びマレイミド誘導体、ナフタルイミド及びナフタルイミド誘導体などが挙げられる。溶解性の観点からは、脂肪族イミドが好ましい。
さらに、脂肪族イミド化合物は、分子内の炭素間に不飽和結合を有する飽和脂肪族イミド化合物と、分子内の炭素間に不飽和結合を有する不飽和脂肪族イミド化合物とに分類される。
飽和脂肪族イミド化合物は、R−CO−NH−CO−Rで表される化合物であり、R,Rの両方が飽和炭化水素である化合物である。具体例としては、シクロヘキサン−1,2−ジカルボキシイミド、アラントイン、ヒダントイン、バルビツル酸、アロキサン、グルタルイミド、スクシンイミド、5−ブチルヒダントイン酸、5,5−ジメチルヒダントイン、1−メチルヒダントイン、1,5,5−トリメチルヒダントイン、5−ヒダントイン酢酸、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド、グルタルイミド、セミカルバジド、α,α−ジメチル−6−メチルスクシンイミド、ビス[2−(スクシンイミドオキシカルボニルオキシ)エチル]スルホン、α−メチル−α−プロピルスクシンイミド、シクロヘキシルイミドなどが挙げられる。
不飽和脂肪族イミド化合物は、R−CO−NH−CO−Rで表される化合物であり、R,Rの一方又は両方が1つ以上の不飽和結合である化合物である。具体例としては、1,3−ジプロピレン尿素、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−ヒドロキシマレイミド、1,4−ビスマレイミドブタン、1,6−ビスマレイミドヘキサン、1,8−ビスマレイミドオクタン、N−カルボキシヘプチルマレイミドなどが挙げられる。
イミド化合物の分子量は60〜5,000であることが好ましく、70〜1,000であることがより好ましく、80〜500であることが特に好ましい。
[ラクタム化合物]
ラクタム化合物とは、アミノカルボン酸の分子内環状アミドであり、環の一部に−CO−NR−(Rは水素または任意の置換基である。)を含むものである。環の一個以上の炭素原子が不飽和やヘテロ原子に置き換わっていてもよい。
ラクタム化合物としては、例えば、ペンタノ−4−ラクタム、4−ペンタンラクタム、5−メチル−2−ピロリドン、 5−メチル−2−ピロリジノン、ヘキサノ−6−ラクタム、6−ヘキサンラクタム等が挙げられる。
[グリシジル基を有する化合物]
グリシジル基を有する化合物としては、例えば、エチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、t−ブチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、ベンジルグリシジルエーテル、グリシジルフェニルエーテル、ビスフェノールA、ジグリシジルエーテル、メタクリル酸グリシジルエーテル等のグリシジル化合物などが挙げられる。
上述した高導電化剤は、上記化学式(1)で表される化合物(以下、化合物1という。)、上記化学式(2)で表される化合物(以下、化合物2という。)および上記化学式(3)で表される化合物(以下、化合物3という。)よりなる群から選ばれる1種以上を含むことが好ましい。これらの化合物を含めば、導電性を向上させるだけでなく、光安定性を向上させることもできる。
なお、化学式(1)および化学式(2)における芳香環のヒドロキシル基で置換されていない部位は任意の置換基で置換されていてもよい。
化学式(2)におけるa,bは各々独立して1以上の整数を表す。化学式(3)におけるcは1以上の整数を表す。
また、化学式(3)におけるXはヒドロキシル基またはカルボキシル基を表す。
化合物1の具体例としては、ピロガロール、4−カルボキシピロガロール、5−メチルピロガロール、2,3,4−トリヒドロキシアセトフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシジフェニルメタン、2,3,4−トリヒドロキシベンズアルデヒド、2,3,4−トリヒドロキシジフェニルメタンで示される化合物等が挙げられる。
化合物2の具体例としては、2,2’−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,4,4’−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,3’4,4’5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン等が挙げられる。
化合物3の具体例としては、チオ二酢酸、チオ二プロピオン酸、チオ二グリコール、チオ二プロパノール等が挙げられる。
高導電化剤の含有量はπ共役系導電性高分子と可溶化高分子の合計質量に対して0.1〜1000倍量であることが好ましく、1〜100倍量であることがより好ましい。高導電化剤の含有量が前記下限値未満であると、高導電化剤添加による効果が低くなる傾向にあり、前記上限値を超えると、π共役系導電性高分子濃度の低下に起因する導電性の低下が起こることがある。
(ドーパント)
帯電防止層形成用塗布液には、得られる帯電防止フィルムの導電性をより向上させるために、ポリアニオン以外に他のドーパントを添加してもよい。他のドーパントとしては、π共役系導電性高分子を酸化還元させることができればドナー性のものであってもよく、アクセプタ性のものであってもよい。
[ドナー性ドーパント]
ドナー性ドーパントとしては、例えば、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、メチルトリエチルアンモニウム、ジメチルジエチルアンモニウム等の4級アミン化合物等が挙げられる。
[アクセプタ性ドーパント]
アクセプタ性ドーパントとしては、例えば、ハロゲン化合物、ルイス酸、プロトン酸、有機シアノ化合物、有機金属化合物、フラーレン、水素化フラーレン、水酸化フラーレン、カルボン酸化フラーレン、スルホン酸化フラーレン等を使用できる。
さらに、ハロゲン化合物としては、例えば、塩素(Cl)、臭素(Br2)、ヨウ素(I)、塩化ヨウ素(ICl)、臭化ヨウ素(IBr)、フッ化ヨウ素(IF)等が挙げられる。
ルイス酸としては、例えば、PF、AsF、SbF、BF、BCl、BBr、SO等が挙げられる。
有機シアノ化合物としては、共役結合に二つ以上のシアノ基を含む化合物が使用できる。例えば、テトラシアノエチレン、テトラシアノエチレンオキサイド、テトラシアノベンゼン、ジクロロジシアノベンゾキノン(DDQ)、テトラシアノキノジメタン、テトラシアノアザナフタレン等が挙げられる。
プロトン酸としては、無機酸、有機酸が挙げられる。さらに、無機酸としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホウフッ化水素酸、フッ化水素酸、過塩素酸等が挙げられる。また、有機酸としては、有機カルボン酸、フェノール類、有機スルホン酸等が挙げられる。
有機カルボン酸としては、脂肪族、芳香族、環状脂肪族等にカルボキシ基を一つ又は二つ以上を含むものを使用できる。例えば、ギ酸、酢酸、シュウ酸、安息香酸、フタル酸、マレイン酸、フマル酸、マロン酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、コハク酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ニトロ酢酸、トリフェニル酢酸等が挙げられる。
有機スルホン酸としては、脂肪族、芳香族、環状脂肪族等にスルホ基を一つ又は二つ以上含むもの、又は、スルホ基を含む高分子を使用できる。
スルホ基を一つ含むものとして、例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1−プロパンスルホン酸、1−ブタンスルホン酸、1−ヘキサンスルホン酸、1−ヘプタンスルホン酸、1−オクタンスルホン酸、1−ノナンスルホン酸、1−デカンスルホン酸、1−ドデカンスルホン酸、1−テトラデカンスルホン酸、1−ペンタデカンスルホン酸、2−ブロモエタンスルホン酸、3−クロロ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロエタンスルホン酸、コリスチンメタンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アミノメタンスルホン酸、1−アミノ−2−ナフトール−4−スルホン酸、2−アミノ−5−ナフトール−7−スルホン酸、3−アミノプロパンスルホン酸、N−シクロヘキシル−3−アミノプロパンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、エチルベンゼンスルホン酸、プロピルベンゼンスルホン酸、ブチルベンゼンスルホン酸、ペンチルベンゼンスルホン酸、ヘキチルベンゼンスルホン酸、ヘプチルベンゼンスルホン酸、オクチルベンゼンスルホン酸、ノニルベンゼンスルホン酸、デシルベンゼンスルホン酸、ウンデシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ペンタデシルベンゼンスルホン酸、ヘキサデシルベンゼンスルホン酸、2,4−ジメチルベンゼンスルホン酸、ジプロピルベンゼンスルホン酸、4−アミノベンゼンスルホン酸、o−アミノベンゼンスルホン酸、m−アミノベンゼンスルホン酸、4−アミノ−2−クロロトルエン−5−スルホン酸、4−アミノ−3−メチルベンゼン−1−スルホン酸、4−アミノ−5−メトキシ−2−メチルベンゼンスルホン酸、2−アミノ−5−メチルベンゼン−1−スルホン酸、4−アミノ−2−メチルベンゼン−1−スルホン酸、5−アミノ−2−メチルベンゼン−1−スルホン酸、4−アミノ−3−メチルベンゼン−1−スルホン酸、4−アセトアミド−3−クロロベンゼンスルホン酸、4−クロロ−3−ニトロベンゼンスルホン酸、p−クロロベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、メチルナフタレンスルホン酸、プロピルナフタレンスルホン酸、ブチルナフタレンスルホン酸、ペンチルナフタレンスルホン酸、4−アミノ−1−ナフタレンスルホン酸、8−クロロナフタレン−1−スルホン酸、ナフタレンスルホン酸ホルマリン重縮合物、メラミンスルホン酸ホルマリン重縮合物、アントラキノンスルホン酸、ピレンスルホン酸等が挙げられる。また、これらの金属塩も使用できる。
スルホ基を二つ以上含むものとしては、例えば、エタンジスルホン酸、ブタンジスルホン酸、ペンタンジスルホン酸、デカンジスルホン酸、o−ベンゼンジスルホン酸、m−ベンゼンジスルホン酸、p−ベンゼンジスルホン酸、トルエンジスルホン酸、キシレンジスルホン酸、クロロベンゼンジスルホン酸、フルオロベンゼンジスルホン酸、ジメチルベンゼンジスルホン酸、ジエチルベンゼンジスルホン酸、アニリン−2,4−ジスルホン酸、アニリン−2,5−ジスルホン酸、3,4−ジヒドロキシ−1,3−ベンゼンジスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、メチルナフタレンジスルホン酸、エチルナフタレンジスルホン酸、ペンタデシルナフタレンジスルホン酸、3−アミノ−5−ヒドロキシ−2,7−ナフタレンジスルホン酸、1−アセトアミド−8−ヒドロキシ−3,6−ナフタレンジスルホン酸、2−アミノ−1,4−ベンゼンジスルホン酸、1−アミノ−3,8−ナフタレンジスルホン酸、3−アミノ−1,5−ナフタレンジスルホン酸、8−アミノ−1−ナフトール−3,6−ジスルホン酸、4−アミノ−5−ナフトール−2,7−ジスルホン酸、4−アセトアミド−4’−イソチオ−シアノトスチルベン−2,2’−ジスルホン酸、4−アセトアミド−4’−イソチオシアナトスチルベン−2,2’−ジスルホン酸、4−アセトアミド−4’−マレイミジルスチルベン−2,2’−ジスルホン酸、ナフタレントリスルホン酸、ジナフチルメタンジスルホン酸、アントラキノンジスルホン酸、アントラセンスルホン酸等が挙げられる。また、これらの金属塩も使用できる。
(帯電防止層形成用塗布液の調製方法)
帯電防止層形成用塗布液は、例えば、可溶化高分子の存在下、水中で、π共役系導電性高分子の前駆体モノマーを化学酸化重合し、トリアセチルセルロースを溶解可能な溶剤およびその他の成分を添加することにより得られる。
π共役系導電性高分子の前駆体モノマーの具体例としては、ピロール、N−メチルピロール、3−メチルピロール、3−エチルピロール、3−n−プロピルピロール、3−ブチルピロール、3−オクチルピロール、3−デシルピロール、3−ドデシルピロール、3,4−ジメチルピロール、3,4−ジブチルピロール、3−カルボキシルピロール、3−メチル−4−カルボキシルピロール、3−メチル−4−カルボキシエチルピロール、3−メチル−4−カルボキシブチルピロール、3−ヒドロキシピロール、3−メトキシピロール、3−エトキシピロール、3−ブトキシピロール、3−ヘキシルオキシピロール、3−メチル−4−ヘキシルオキシピロール、3−メチル−4−ヘキシルオキシピロール、チオフェン、3−メチルチオフェン、3−エチルチオフェン、3−プロピルチオフェン、3−ブチルチオフェン、3−ヘキシルチオフェン、3−ヘプチルチオフェン、3−オクチルチオフェン、3−デシルチオフェン、3−ドデシルチオフェン、3−オクタデシルチオフェン、3−ブロモチオフェン、3−クロロチオフェン、3−ヨードチオフェン、3−シアノチオフェン、3−フェニルチオフェン、3,4−ジメチルチオフェン、3,4−ジブチルチオフェン、3−ヒドロキシチオフェン、3−メトキシチオフェン、3−エトキシチオフェン、3−ブトキシチオフェン、3−ヘキシルオキシチオフェン、3−ヘプチルオキシチオフェン、3−オクチルオキシチオフェン、3−デシルオキシチオフェン、3−ドデシルオキシチオフェン、3−オクタデシルオキシチオフェン、3,4−ジヒドロキシチオフェン、3,4−ジメトキシチオフェン、3,4−ジエトキシチオフェン、3,4−ジプロポキシチオフェン、3,4−ジブトキシチオフェン、3,4−ジヘキシルオキシチオフェン、3,4−ジヘプチルオキシチオフェン、3,4−ジオクチルオキシチオフェン、3,4−ジデシルオキシチオフェン、3,4−ジドデシルオキシチオフェン、3,4−エチレンジオキシチオフェン、3,4−プロピレンジオキシチオフェン、3,4−ブテンジオキシチオフェン、3−メチル−4−メトキシチオフェン、3−メチル−4−エトキシチオフェン、3−カルボキシチオフェン、3−メチル−4−カルボキシチオフェン、3−メチル−4−カルボキシエチルチオフェン、3−メチル−4−カルボキシブチルチオフェン、アニリン、2−メチルアニリン、3−イソブチルアニリン、2−アニリンスルホン酸、3−アニリンスルホン酸等が挙げられる。
前駆体モノマーの重合に際して使用する酸化剤及び酸化触媒としては、例えば、ぺルオキソ二硫酸アンモニウム(過硫酸アンモニウム)、ぺルオキソ二硫酸ナトリウム(過硫酸ナトリウム)、ぺルオキソ二硫酸カリウム(過硫酸カリウム)等のぺルオキソ二硫酸塩、塩化第二鉄、硫酸第二鉄、硝酸第二鉄、塩化第二銅等の遷移金属化合物、三フッ化ホウ素などの金属ハロゲン化合物、酸化銀、酸化セシウム等の金属酸化物、過酸化水素、オゾン等の過酸化物、過酸化ベンゾイル等の有機過酸化物、酸素等が挙げられる。
トリアセチルセルロースを溶解可能な溶剤およびその他の成分は、前駆体モノマーを重合する前に添加してもよいし、重合した後に添加してもよい。
<帯電防止層形成用塗布液の塗布・乾燥方法>
帯電防止層形成用塗布液の塗布方法としては、例えば、浸漬、コンマコート、スプレーコート、ロールコート、グラビア印刷などが挙げられる。
帯電防止層形成用塗布液を浸漬により塗布する場合には、導電性高分子溶液の浸透時間が長くなる程、トリアセチルセルロース中に導電性高分子溶液が充分に浸透し、厚み方向に均一に分散するため、膜強度が高くなる。一方、導電性高分子溶液の浸透時間が短くなる程、トリアセチルセルロース内に導電性高分子溶液が浸透しにくく、表面側に偏在するため、導電性が高くなる。
帯電防止層形成用塗布液をコーターまたは印刷機により塗布する場合には、塗布量(溶媒を含む塗布量)が1〜50g/mであることが好ましい。塗布量が1g/m以上であれば、トリアセチルセルロースフィルム内に帯電防止層形成用塗布液を充分に浸透させることができ、50g/m以下であれば、トリアセチルセルロースフィルムがフィルムとしての形状を確実に保持できる。
乾燥方法としては、例えば、室温による乾燥、加熱条件下での乾燥、熱風等による乾燥方法等が挙げられる。トリアセチルセルロース中にπ共役系導電性高分子溶液を充分に浸透させて、膜強度をより向上させたい場合には、乾燥速度は遅いほうが好ましく、膜強度は低くなるが、導電性をより高くしたい場合には、乾燥速度は速いほうが好ましい。
「第2の工程」
第2の工程では、第1の工程で得た帯電防止層の表面に、コート層形成用塗布液を塗布し、必要に応じて、乾燥または紫外線照射して、コート層を形成する方法である。
<コート層形成用塗布液>
コート層形成用塗布液は、樹脂成分を含む液である。膜強度をより高くできる点では、コート層形成用塗布液は、樹脂成分がトリアセチルセルロースを溶解しない溶剤に溶解または分散している液であることが好ましい。
樹脂成分としては、熱硬化性樹脂であってもよいし、熱可塑性樹脂であってもよく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル;ポリイミド;ポリアミドイミド;ポリアミド6、ポリアミド6,6、ポリアミド12、ポリアミド11等のポリアミド;ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、エチレンテトラフルオロエチレンコポリマー、ポリクロロトリフルオロエチレン等のフッ素樹脂;ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル等のビニル樹脂;エポキシ樹脂;キシレン樹脂;アラミド樹脂;ポリイミドシリコーン;ポリウレタン;ポリウレア;メラミン樹脂;フェノール樹脂;ポリエーテル;アクリル樹脂及びこれらの共重合体等が挙げられる。
これら樹脂成分は、有機溶剤に溶解されていてもよいし、スルホン酸基やカルボン酸基などの官能基が付与されて水溶液化されていてもよいし、乳化などにより水に分散されていてもよい。
樹脂成分の中でも、容易に混合できることから、ポリウレタン、ポリエステル、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリイミド、エポキシ樹脂、ポリイミドシリコーンのいずれか1種以上が好ましい。また、アクリル樹脂は、硬度が硬いとともに透明性に優れるため、光学フィルタのような用途には適している。
また、乾燥を省略して工程を簡略化できる点では、コート層形成用塗布液が無溶剤型であることが好ましい。
無溶剤型とするためには、樹脂成分として、熱エネルギー及び/又は光エネルギーによって硬化する液状重合体を用いる。
ここで、熱エネルギーにより硬化する液状重合体としては、反応型重合体及び自己架橋型重合体が挙げられる。
反応型重合体は、置換基を有する単量体が重合した重合体であり、置換基としては、カルボキシル基、酸無水物、オキセタン系、グリシジル基、アミノ基などが挙げられる。具体的な単量体としては、マロン酸、コハク酸、グルタミン酸、ピメリン酸、アスコルビン酸、フタル酸、アセチルサルチル酸、アジピン酸、イソフタル酸、安息香酸、m−トルイル酸等のカルボン酸化合物、無水マレイン酸、無水フタル酸、ドデシル無水コハク酸、ジクロル無水マレイン酸、テトラクロル無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水ピメリット酸等の酸無水物、3,3−ジメチルオキセタン、3,3−ジクロロメチルオキセタン、3−メチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、アジドメチルメチルオキセタン等のオキセタン化合物、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、フェノールノボラックポリグリシジルエーテル、N,N−ジグリシジル−p−アミノフェノールグリシジルエーテル、テトラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル(すなわち、2,2−ビス(4−グリシジルオキシシクロヘキシル)プロパン)等のグリシジルエーテル化合物、N,N−ジグリシジルアニリン、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、N,N,N,N−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン、トリグリシジルイソシアヌレート、N,N−ジグリシジル−5,5−ジアルキルヒダントイン等のグリシジルアミン化合物、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジメチルアミノプロピルアミン、N−アミノエチルピペラジン、ベンジルジメチルアミン、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、DHP30−トリ(2−エチルヘクソエート)、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、ジシアンジアミド、三フッ化ホウ素、モノエチルアミン、メンタンジアミン、キシレンジアミン、エチルメチルイミダゾール等のアミン化合物、1分子中に2個以上のオキシラン環を含む化合物のうち、ビスフェノールAのエピクロロヒドリンによるグリシジル化合物、あるいはその類似物が挙げられる。
反応型重合体においては、少なくとも2官能以上の架橋剤を使用する。その架橋剤としては、例えば、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、金属酸化物などが挙げられる。金属酸化物としては、塩基性金属化合物のAl(OH)、Al(OOC・CH(OOCH)、Al(OOC・CH、ZrO(OCH)、Mg(OOC・CH)、Ca(OH)、Ba(OH)等を適宜使用できる。
自己架橋型重合体は、加熱により官能基同士で自己架橋するものであり、例えば、グリシジル基とカルボキシル基を含むもの、あるいは、N−メチロールとカルボキシル基の両方を含むものなどが挙げられる。
光エネルギーによって硬化する液状重合体としては、例えば、ポリエステル、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、ポリアクリル、ポリウレタン、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミドシリコーン等のオリゴマー又はプレポリマーが挙げられる。
光エネルギーによって硬化する液状重合体を構成する単量体単位としては、例えば、ビスフェノールA・エチレンオキサイド変性ジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(ペンタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、グリセリンプロポキシトリアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート等のアクリレート類、テトラエチレングリコールジメタクリレート、アルキルメタクリレート、アリルメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等のメタクリレート類、アリルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、高級アルコールグリシジルエーデル、1,6−ヘキサンジオールグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、ステアリルグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル類、ダイアセトンアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、N−ビニルホルムアミド、N−メチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、アクリロイルピペリジン、2−ヒドロキシエチルアクリルアミド等のアクリル(メタクリル)アミド類、2−クロロエチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、トリエチレングリコールビニルエーテル等のビニルエーテル類、酪酸ビニル、モノクロロ酢酸ビニル、ピバリン酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル類の単官能モノマー並びに多官能モノマーが挙げられる。
光エネルギーによって硬化する液状重合体は、光重合開始剤によって硬化する。その光重合開始剤としては、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、テトラメチルチウラムモノサルファイド、チオキサントン類などが挙げられる。さらに、光増感剤として、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等を混合できる。
コート層形成用塗布液における樹脂成分の含有量は、π共役系高分子と可溶化高分子と高導電化剤の合計重量に対して0.1〜1000倍量になる量であることが好ましく、0.1〜500倍量になる量であることがより好ましい。樹脂成分の含有量が前記下限値未満であると、膜強度が低くなるおそれがあり、前記上限値を超えると、π共役系導電性高分子濃度の低下に起因する導電性の低下が起こることがある。
<コート層形成用塗布液の塗布方法>
コート層形成用塗布液の塗布方法としては、第1の工程における帯電防止層形成用塗布液の塗布方法と同様の方法が適用される。
塗布後、乾燥する場合の乾燥方法も、第1の工程と同様の方法が適用される。
塗布後、紫外線照射する場合の紫外線照射方法としては、例えば、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプなどの光源から紫外線を照射する方法を採用できる。
<帯電防止フィルム>
上述した製造方法により製造された帯電防止フィルムは、図1に示すような、トリアセチルセルロースフィルム内にπ共役系導電性高分子および可溶化高分子が含まれている帯電防止層10と、樹脂成分を含有するコート層20とを有する帯電防止フィルム1である。
帯電防止層形成用塗布液に高導電化剤が含まれる場合には、帯電防止層10は高導電化剤も含んでいる。
上述した帯電防止フィルムの製造方法では、帯電防止層形成用塗布液をトリアセチルセルロースフィルムの表面に塗布した際に、トリアセチルセルロースを溶解可能な溶媒がトリアセチルセルロースを溶解させる。そのため、π共役系導電性高分子と可溶化高分子とをトリアセチルセルロース内に浸透させて、帯電防止層10を形成させることができる。しかも、この帯電防止層形成用塗布液の塗布では、π共役系導電性高分子と可溶化高分子はトリアセチルセルロースの表面側に偏在しやすいから、得られる帯電防止フィルムにおいて充分に導電性を発揮させることができる。
また、トリアセチルセルロースを溶解可能な溶媒をトリアセチルセルロースフィルムに塗布することによって、トリアセチルセルロースフィルムの表面を荒らすことができる。そして、荒らしたトリアセチルセルロースフィルムの表面にコート層形成用塗布液を塗布することにより、帯電防止層10との密着性が高いコート層20を形成できる。このコート層20によって膜強度を高くすることができる。また、コート層20によって、耐傷性や表面硬度を向上させることもできる。
さらに、上記帯電防止フィルムの製造方法では、π共役系導電性高分子がトリアセチルセルロースフィルム上で凝集しにくいため、異物が見られない。したがって、包装する商品の外観を損ないにくい。
(製造例1)可溶化高分子の合成
1000mlのイオン交換水に206gのスチレンスルホン酸ナトリウムを溶解し、80℃で攪拌しながら、予め10mlの水に溶解した1.14gの過硫酸アンモニウム酸化剤溶液を20分間滴下し、この溶液を12時間攪拌した。
得られたスチレンスルホン酸ナトリウム含有溶液に10質量%に希釈した硫酸を1000ml添加し、限外ろ過法によりポリスチレンスルホン酸含有溶液の約1000ml溶液を除去し、残液に2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法により約2000ml溶液を除去した。
得られた溶液中の水を減圧除去して、無色の固形状のポリスチレンスルホン酸を得た。
(製造例2)π共役系導電性高分子を含む導電性高分子溶液の合成
14.2gの3,4−エチレンジオキシチオフェンと、36.7gのポリスチレンスルホン酸を2000mlのイオン交換水に溶かした溶液とを20℃で混合させた。
これにより得られた混合溶液を20℃に保ち、掻き混ぜながら、200mlのイオン交換水に溶かした29.64gの過硫酸アンモニウムと8.0gの硫酸第二鉄の酸化触媒溶液とをゆっくり添加し、3時間攪拌して反応させた。
得られた反応液に2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法により約2000ml溶液を除去した。この操作を3回繰り返した。
そして、得られた溶液に200mlの10質量%に希釈した硫酸と2000mlのイオン交換水とを加え、限外ろ過法により約2000mlの溶液を除去し、これに2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法により約2000ml溶液を除去した。この操作を3回繰り返した。
さらに、得られた溶液に2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法により約2000mlの溶液を除去した。この操作を5回繰り返し、導電性高分子溶液である約1.2質量%の青色のポリスチレンスルホン酸ドープポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT−PSS水溶液)を得た。
(実施例1)
製造例2で得たPEDOT−PSS水溶液10gに、メタノール20gとメチルエチルケトン70gとガーリック酸メチル3gとを添加し、撹拌して帯電防止層形成用塗布液を得た。
次いで、この帯電防止層形成用塗布液を、#4のバーコーターを用いてトリアセチルセルロースフィルムの表面に塗布し、100℃で1分間乾燥させて、帯電防止層を形成した。
次いで、帯電防止層の表面に、ペンタエリスリトールトリアクリレート50gとトルエン50gとイルガキュア127(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)2gを含むコート層形成用塗布液を#8のバーコーターを用いて塗布し、100℃で1分間乾燥させた。その後、ペンタエリスリトールトリアクリレートを紫外線硬化させて、コート層を形成させ、帯電防止フィルムを得た。
得られた帯電防止フィルムの表面抵抗をハイレスタ(三菱化学社製)により測定した。さらに、目視により表面状態を確認した後、密着性評価を以下の碁盤目テープ法(JIS K 5400)に準じて行った。評価結果を表1に示す。
[碁盤目テープ法]
帯電防止フィルムの表面にカッターにより1mm間隔で縦横各11本の切込みを入れて、計100個の正方形マス目を形成させた。これに粘着テープを貼った後、剥離して、トリアセチルセルロースフィルム上に残ったマス目の数を計測した。表では(残ったマス目の数/100)を記載する。残ったマス目の数が多いほど、密着性が高く、膜強度が高い。
Figure 2008248012
(実施例2)
実施例1におけるコート層形成用塗布液を、ペンタエリスリトールトリアクリレート50gとイルガキュア754(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)とを含むものに変更した以外は実施例1と同様にして帯電防止フィルムを製造し、評価した。評価結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1におけるコート層形成用塗布液を、ペンタエリスリトールトリアクリレート50gとメチルエチルケトン50gとイルガキュア127(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)2gとを含むものに変更した以外は実施例1と同様にして帯電防止フィルムを製造し、評価した。評価結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例1におけるコート層形成用塗布液を、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート50gとトルエン50gとイルガキュア127(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)2gとを含むものに変更した以外は実施例1と同様にして帯電防止フィルムを製造し、評価した。評価結果を表1に示す。
(実施例5)
実施例1におけるコート層形成用塗布液を、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート50gとエタノール50gとイルガキュア127(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)2gとを含むものに変更した以外は実施例1と同様にして帯電防止フィルムを製造し、評価した。評価結果を表1に示す。
(実施例6)
実施例1におけるコート層形成用塗布液を、ハードコート性アクリル組成物(ウレタンアクリレートオリゴマー(根上工業社製アートレジンUN3320HS)/ペンタエリスリトールトリアクリレート/2−ヒドロキシエチルアクリレート=16/2/3)50gとエタノール50gとイルガキュア127(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)2gとを含むものに変更した以外は実施例1と同様にして帯電防止フィルムを製造し、評価した。評価結果を表1に示す。
(実施例7)
実施例1におけるコート層形成用塗布液を、バイロナール1480(東洋紡社製、ポリエステル水分散溶液、固形分濃度30質量%)を含むものに変更した以外は実施例1と同様にして帯電防止フィルムを製造し、評価した。評価結果を表1に示す。
(実施例8)
実施例1におけるガーリック酸メチル3gをチオ二グリコール3gに変更し、コート層形成用塗布液を、ハードコート性アクリル組成物(ウレタンアクリレートオリゴマー(根上工業社製アートレジンUN3320HS)/ペンタエリスリトールトリアクリレート/2−ヒドロキシエチルアクリレート=16/2/3)50gとエタノール50gとイルガキュア127(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)2gを含むものに変更した以外は実施例1と同様にして帯電防止フィルムを製造し、評価した。評価結果を表1に示す。
(実施例9)
実施例8におけるチオニグリコール3gをチオ二プロピオン酸3gに変更した以外は実施例8と同様にして帯電防止フィルムを製造し、評価した。評価結果を表1に示す。
(実施例10)
製造例8における帯電防止層形成用塗布液を、製造例2で得たPEDOT−PSS水溶液10gにエタノール20gとジメチルホルムアミド70gとガーリック酸メチル3gとを添加したものに変更した以外は実施例8と同様にして帯電防止フィルムを製造し、評価した。評価結果を表1に示す。
(実施例11)
実施例10におけるガーリック酸メチル3gをヘキサヒドロキシベンゾフェノン3gに変更した以外は実施例10と同様にして帯電防止フィルムを製造し、評価した。評価結果を表1に示す。
(比較例1)
製造例2で得たPEDOT−PSS水溶液10gにメタノール90gとガーリック酸メチル3gを添加し、撹拌して帯電防止層形成用塗布液を得た。この帯電防止層形成用塗布液を、#4のバーコーターを用いてトリアセチルセルロースフィルム上に塗布し、100℃で1分間乾燥させた。しかし、ガーリック酸メチルがトリアセチルセルロースフィルム上に析出してしまい成膜できなかった。
(比較例2)
実施例1における帯電防止層形成用塗布液を、PEDOT−PSS水溶液10gにメタノール90gを添加し、撹拌して得たものに変更した以外は実施例1と同様にして帯電防止フィルムを製造し、評価した。評価結果を表1に示す。
(比較例3)
比較例2におけるコート層形成用塗布液を、ペンタエリスリトールトリアクリレート50gとイルガキュア754(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)2gとを含むものに変更した以外は比較例2と同様にして帯電防止フィルムを製造し、評価した。評価結果を表1に示す。
(比較例4)
比較例2におけるコート層形成用塗布液を、ペンタエリスリトールトリアクリレート50gとメチルエチルケトン50gとイルガキュア127(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)2gとを含むものに変更した以外は比較例2と同様にして帯電防止フィルムを製造し、評価した。評価結果を表1に示す。
(比較例5)
比較例2におけるコート層形成用塗布液を、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート50gとトルエン50gとイルガキュア127(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)2gとを含むものに変更した以外は比較例2と同様にして帯電防止フィルムを製造し、評価した。評価結果を表1に示す。
(比較例6)
比較例2におけるコート層形成用塗布液を、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート50gとエタノール50gとイルガキュア127(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)2gとを含むものに変更した以外は比較例2と同様にして帯電防止フィルムを製造し、評価した。評価結果を表1に示す。
(比較例7)
比較例2におけるコート層形成用塗布液を、ハードコート性アクリル組成物(ウレタンアクリレートオリゴマー(根上工業社製アートレジンUN3320HS)/ペンタエリスリトールトリアクリレート/2−ヒドロキシエチルアクリレート=16/2/3)50gとエタノール50gとイルガキュア127(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)2gとを含むものに変更した以外は比較例2と同様にして帯電防止フィルムを製造し、評価した。評価結果を表1に示す。
(比較例8)
比較例2におけるコート層形成用塗布液を、バイロナール1480(東洋紡社製、ポリエステル水分散溶液、固形分濃度30質量%)を含むものに変更した以外は比較例2と同様にして帯電防止フィルムを製造し、評価した。評価結果を表1に示す。
(比較例9)
トリアセチルセルロースフィルムの表面に、ペンタエリスリトールトリアクリレート50gとトルエン50gとイルガキュア127(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)2gを含むコート層形成用塗布液を#8のバーコーターを用いて塗布し、100℃で1分間乾燥させた。その後、ペンタエリスリトールトリアクリレートを紫外線硬化させて、コート層を形成させて積層フィルムを得た。
得られた積層フィルムの表面抵抗および密着性を実施例1と同様にして評価した。評価結果を表1に示す。
(比較例10)
比較例9におけるコート層形成用塗布液を、ハードコート性アクリル組成物(ウレタンアクリレートオリゴマー(根上工業社製アートレジンUN3320HS)/ペンタエリスリトールトリアクリレート/2−ヒドロキシエチルアクリレート=16/2/3)50gとエタノール50gとイルガキュア127(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)2gとを含むものに変更した以外は比較例9と同様にして帯電防止フィルムを製造し、評価した。評価結果を表1に示す。
(比較例11)
比較例9におけるコート層形成用塗布液を、バイロナール1480(東洋紡社製、ポリエステル水分散溶液、固形分濃度30質量%)を含むものに変更した以外は比較例9と同様にして帯電防止フィルムを製造し、評価した。評価結果を表1に示す。
トリアセチルセルロースフィルムの表面に、トリアセチルセルロースを溶解可能な溶剤を含む帯電防止層形成用塗布液を塗布して帯電防止層を形成し、帯電防止層の表面にコート層形成用塗布液を塗布する実施例1〜11の製造方法では、得られた帯電防止フィルムが充分な導電性(帯電防止性)を有していた。また、表面に異物が見られず、密着性も優れていた。
これに対し、トリアセチルセルロースフィルムの表面に、トリアセチルセルロースを溶解可能な溶剤を含まない帯電防止層形成用塗布液を塗布して帯電防止層を形成した比較例2〜8の製造方法では、帯電防止層が侵食されて異物が見られた。
比較例2〜8のように帯電防止層が侵食された場合には、樹脂成分が帯電防止層に侵入するため、密着性が向上しやすいが、比較例3,8では密着性が低かった。しかし、実施例2,7では、比較例3,8と同様の樹脂成分と溶媒を用いているにもかかわらず、密着性に優れていた。
トリアセチルセルロースに帯電防止層形成用塗布液を塗布していない比較例9〜11の製造方法では、導電性が得られなかった。また、比較例9〜11の製造方法では、トリアセチルセルロースフィルムに無溶剤型のコート層形成用塗布液もしくはトリアセチルセルロースフィルムを溶解しない溶剤に樹脂成分が溶解または分散したコート層形成用塗布液を塗布したが、これらの例では密着性が得られなかった。さらに、樹脂成分が水に分散したコート層形成用塗布液を用いた比較例11では、樹脂成分のはじきが見られた。
しかし、実施例1,6,7では、比較例9〜11と同様のコート層形成用塗布液を用いているにもかかわらず、密着性に優れていた。さらに、実施例7では、比較例11と同様のコート層形成用塗布液を用いているにもかかわらず、樹脂成分のはじきが見られなかった。
実施例1および比較例1の帯電防止フィルムについては、カーボンアークにより48時間紫外線を照射した。紫外線照射前後の表面抵抗により光に対する劣化を評価した。
Figure 2008248012
表2から明らかなように、ガーリック酸メチルが帯電防止層に含まれる実施例1の帯電防止フィルムは、光に対する劣化が小さかった。
これに対し、ガーリック酸メチルが帯電防止層に含まれなかった比較例1の帯電防止フィルムは、光に対する劣化が大きかった。
本発明の帯電防止フィルムの製造方法により製造された帯電防止フィルムを示す断面図である。
符号の説明
1 帯電防止フィルム
10 帯電防止層
20 コート層

Claims (5)

  1. トリアセチルセルロースフィルムの表面に、π共役系導電性高分子と可溶化高分子とトリアセチルセルロースを溶解可能な溶剤とを含む帯電防止層形成用塗布液を塗布し、乾燥させて、トリアセチルセルロースフィルム内にπ共役系導電性高分子および可溶化高分子が含まれている帯電防止層を形成する工程と、
    該帯電防止層の表面に、樹脂成分を含むコート層形成用塗布液を塗布してコート層を形成する工程とを有することを特徴とする帯電防止フィルムの製造方法。
  2. 帯電防止層形成用塗布液は、高導電化剤をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の帯電防止フィルムの製造方法。
  3. 高導電化剤は、下記化学式(1)で表される化合物、下記化学式(2)で表される化合物および下記化学式(3)で表される化合物よりなる群から選ばれる1種以上を含むことを特徴とする請求項2に記載の帯電防止フィルムの製造方法。
    Figure 2008248012
    (なお、化学式(1)および化学式(2)における芳香環のヒドロキシル基で置換されていない部位は任意の置換基で置換されていてもよい。化学式(2)におけるa,bは各々独立して1以上の整数を表す。化学式(3)におけるcは1以上の整数を表す。また、化学式(3)におけるXはヒドロキシル基またはカルボキシル基を表す。)
  4. コート層形成用塗布液は、樹脂成分がトリアセチルセルロースを溶解しない溶剤に溶解または分散している液であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の帯電防止フィルムの製造方法。
  5. コート層形成用塗布液が無溶剤型であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の帯電防止フィルムの製造方法。
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