JP2008247001A - タイヤ加硫用金型のベントホールの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ベントホールの加工位置決めの作業工程を簡略化し、人件費の削減と加工費の削減及びベントホール内のクリーニング性を向上させたタイヤ加硫用金型のベントホールの製造方法を提供する。
【解決手段】タイヤ加硫用金型を製造する工程において、マスター型1を製作する際、金型の予め設計されたデータに基づきベントホール形成位置に対応した位置に多数のベントホールQを形成するための筒状体2を立設させるための係合部3を形成し、マスター型1を形成した後、このマスター型1に基づきゴム型6、石膏型4Xを反転転写させて順次製作し、石膏型4Xの製作後、前記筒状体2を立設させるための係合部3に一端を閉鎖した筒状体2の他端開口部2bを係合させて立設させ、この筒状体2を立設させた石膏型4Xの表面側に溶湯を充填して硬化させた後、鋳造物Wxから石膏型を取外し、鋳造物Wxの所定位置から切断する際に筒状体2の長手方向の途中を切断し、筒状体2の中空部にベントホール9を形成する。
【選択図】 図1
【解決手段】タイヤ加硫用金型を製造する工程において、マスター型1を製作する際、金型の予め設計されたデータに基づきベントホール形成位置に対応した位置に多数のベントホールQを形成するための筒状体2を立設させるための係合部3を形成し、マスター型1を形成した後、このマスター型1に基づきゴム型6、石膏型4Xを反転転写させて順次製作し、石膏型4Xの製作後、前記筒状体2を立設させるための係合部3に一端を閉鎖した筒状体2の他端開口部2bを係合させて立設させ、この筒状体2を立設させた石膏型4Xの表面側に溶湯を充填して硬化させた後、鋳造物Wxから石膏型を取外し、鋳造物Wxの所定位置から切断する際に筒状体2の長手方向の途中を切断し、筒状体2の中空部にベントホール9を形成する。
【選択図】 図1
Description
この発明は、タイヤ加硫用金型のベントホールの製造方法に係わり、更に詳しくはベントホールの加工位置決めの作業工程を簡略化し、人件費の削減と加工費の削減及びベントホール内のクリーニング性を向上させたタイヤ加硫用金型のベントホールの製造方法に関するものである。
一般にタイヤ加硫用金型には、タイヤ加硫成形時に金型内面と未加硫タイヤとの間に残留したエアーや加硫時に発生するガスを金型外部に排気させるために、ベントホールと呼称される多数の細い排気穴が形成されている。
この多数のベントホールは、一般的に金型のエアーが残り易い箇所に加工され、例えば、ビードリング、リムクッション、サイド部等に対応する金型の同一周上の8ヶ所以上に加工されており、周列数はタイヤ形状によって異なっている。また、タイヤトレッド部の溝に囲まれた金型のデザインブロック内のベントホールは、1ヶ所以上加工されている。
然しながら、多数のベントホールを備えた金型によりタイヤを加硫成形すると、多数のベントホールに加硫ゴムが流れ込み、製品タイヤの表面には多数の髭状の突起(スピュー)が発生する。このため、タイヤ成形後のタイヤ仕上げ工程では、上記のスピューを除去する作業が不可欠となり、作業性及び生産性を阻害させるばかりか、除去したスピューの屑が多数散らばって作業環境を悪化させ、更に製品タイヤの外観を向上させることが難しいと言う課題があった。
ところで、上記のようなタイヤ加硫成形用金型に対して多数のベントホール(金型の大きさにもよるが一つの金型に対して数千個)を作成する作業は、一般に鋳物を鋳造により製作した後に、製作図面等を見ながらベントホールの位置を特定し、マーキング作業→ドリル作業等で貫通した穴開け加工を行っており、このため多大な手間と人件費,及び加工費がかかると言う問題があった。また、従来のベントホールは加硫不純物(加硫時に発生する化学薬品類のガス)によりベントホールが詰まり易いと言う問題があった。
そこで従来では金型の鋳造時にベントホール製作用の細い線材等を立てておき、鋳造後に引き抜いたり、また二重バイプを鋳造時に埋設しておき、鋳造後に中軸を引き抜いてベントホールを製作する方法が提案されている(例えば、特許文献1,特許文献2参照)。
然しながら、金型に対するベントホールの製作位置は任意の位置ではなく、排気効率を考慮して製作する必要があるが、上記のような従来の方法は、ベントホールの位置決め作業に関しては何ら開示されておらず、上述したように、ベントホールの位置を特定するのに多大な手間と人件費を要すると言う問題があった。
特開平7−223224号公報
特開2000−102926号公報
この発明はかかる従来の問題点に着目し、ベントホールの加工位置決めの作業工程を簡略化し、人件費の削減と加工費の削減及びベントホール内のクリーニング性を向上させたタイヤ加硫用金型のベントホールの製造方法を提供することを目的とするものである。
この発明は上記目的を達成するため、タイヤ加硫用金型を製造する工程において、マスター型を製作する際、金型の予め設計されたデータに基づきベントホール形成位置に対応した位置に多数のベントホールを形成するための筒状体を立設させるための係合部を形成し、マスター型を形成した後、このマスター型に基づきゴム型、石膏型を反転転写させて順次製作し、石膏型の製作後、前記筒状体を立設させるための係合部に一端を閉鎖した筒状体の他端開口部を係合させて立設させ、この筒状体を立設させた石膏型の表面側に溶湯を充填して硬化させた後、鋳造物から石膏型を取外し、鋳造物の所定位置から切断する際に筒状体の長手方向の途中を切断し、筒状体の中空部にベントホールを形成することを要旨とするものである。
ここで、前記筒状体は、鋳造物よりも高融点の金属材料によりパイプ状に形成するものであり、また前記筒状体を立設させるための係合部は、筒状体の他端開口部が嵌合する凹状または凸状に形成したり、また筒状体の他端開口部が嵌合する凹状または凸状に形成したチップで形成するものである。
更に、前記筒状体は、内径を同一にしたストレートまたは他端開口部の途中から一端の閉鎖側に向かって内径を順次拡大したテーパ穴であることが好ましい。
この発明は、上記のように構成することで、ベントホールの加工位置決めの作業工程を簡略化し、人件費の削減と加工費の削減及びベントホール内のクリーニング性を向上させることが出来るものである。
この発明は、上記のようにタイヤ加硫用金型を製造する工程において、マスター型を製作する際、金型の予め設計されたデータに基づきベントホール形成位置に対応した位置に多数のベントホールを形成するための筒状体を立設させるための係合部を形成し、マスター型を形成した後、このマスター型に基づきゴム型、石膏型を反転転写させて順次製作し、石膏型の製作後、前記筒状体を立設させるための係合部に一端を閉鎖した筒状体の他端開口部を係合させて立設させ、この筒状体を立設させた石膏型の表面側に溶湯を充填して硬化させた後、鋳造物から石膏型を取外し、鋳造物の所定位置から切断する際に筒状体の長手方向の途中を切断し、筒状体の中空部にベントホールを形成するので、以下のような優れた効果を奏するものである。
(a).ベントホールの加工位置決めの作業工程を簡略化することが出来、人件費の削減と加工費の削減を図ることが出来る。
(b).ベントホール内の目詰まりや、不純物のクリーニング性を向上させることが出来る。
(b).ベントホール内の目詰まりや、不純物のクリーニング性を向上させることが出来る。
以下、添付図面に基づき、この発明の実施形態を説明する。
図1〜図3は、この発明の第1実施形態を示すタイヤ加硫用金型におけるベントホール製造工程の一部説明図であって、タイヤ加硫用金型を製造する場合には、先ず図1に示すように製造するタイヤ外郭形状やトレッド部の模様等に対応した形状で樹脂材料を工作機械等を使用してマスター型1を製作する。
このマスター型1は、金型の予め設計されたCAD/CAMデータからベントホール形成位置に対応した位置座標を読み込み、多数のベントホールQを形成するための筒状体2を立設させるための係合部3を形成する。
前記筒状体2の形状としては、図4に示すように、一端2aを閉鎖した中空筒状に形成され、他端開口部2bは前記係合部3に係合できるように形成され、筒状体2の中空部2cが排気筒、即ち、ベントホールQになるものである。なお図4は他端開口部2bに石膏4が取付けた状態を示している。
上記のようにしてマスター型1を形成した後、このマスター型1と予め形成してあるバックセクメント5との空間部に溶融したゴム材料を流しこみ、冷却させてゴム型6を製作する。その後、バックセクメント5とゴム型6とをマスター型1から取外し、反転させて図2に示すように、ゴム型6の内面側に石膏4を流しこみ、石膏型4Xを反転転写させて製作する。
石膏型4Xを反転転写させて製作後、石膏型4Xをゴム型6から取外し、図3に示すように石膏型4Xに形成された前記多数の係合部3に、図4に示す多数の筒状体2の他端開口部2bを順次係合させて立設させ、その後、石膏型4xの表面側に例えば、アルミ合金等の溶湯Wを充填させて硬化させる。この溶湯Wが硬化して鋳造物Wxが成形された後、鋳造物Wxから石膏型4Xを破壊して順次取外し、鋳造物Wxの所定位置、即ち、一点鎖線で示す製品部分S−Sから切断加工する際、筒状体2の長手方向の途中を切断し、筒状体2の中空部2cにベントホールQを形成するものである。
前記筒状体2は、鋳造物Wxよりも高融点の金属材料によりパイプ状に形成するもので、例えば、鋳造物Wを融点800°C前後のアルミニュウムで製造する場合には、鋳造物Wxの融点温度より高い、例えば、ステンレスや鉄等の材料により筒状体2を製作する必要がある。
なお、筒状体2の他端開口部2bと、予めマスター型1に形成する係合部3との係合は、上記の第1実施形態のように突起状の係合部3に筒状に形成された筒状体2の他端開口部2bを嵌合させる他、逆にマスター型1に形成する係合部3に凹状の溝部を形成し、筒状体2の他端開口部2bに凹状の係合部3と係合する突起状の突起部を形成することも可能である。
更に、マスター型1に形成する係合部3を、図7〜図14に示すように、別のチップ部材7a,7bにより形成することも可能である。即ち、図7〜図10の実施形態では、マスター型1を形成する際に、筒状体2の係合部となる部分を凹溝8を備えたチップ部材7aにより所定位置に形成し、これをゴム型6,石膏型4Xに順次反転転写させて石膏型4Xに凹溝8を備えたチップ部材7aを有する係合部3を形成する。
そして、このチップ部材7aに、上記の実施形態と同様に筒状体2の他端開口部2bを嵌合させて立設させるようにしたもので、他の構成及び作用は、上記第1実施形態と同様なので、説明は省略する。
また、図11〜図14の実施形態では、マスター型1を形成する際に、突起となるチップ部材7bを所定の位置に埋設しておき、このチップ部材7bをゴム型6を形成する際に転写させ、更に石膏型4Xを製作する際に反転転写させてチップ部材7bを形成するものである。
そして、このチップ部材7bに、上記の実施形態と同様に筒状体2の他端開口部2bを嵌合させて立設させるようにしたもので、他の構成及び作用は、上記第1実施形態と同様なので、説明は省略する。
また、図5及び図6の実施形態の場合には、筒状体12は、内径d1 を同一にした所定の長さLのストレート状の筒状部12aと、他端開口部の途中から一端の閉鎖側に向かって内径d2 を順次拡大したテーパ穴状のテーパ部12bとにより形成したもので、このように筒状体12を金型背面側の内径d2 を金型内面側の内径d1 に対して大きく形成することで、鋳造物Wxに形成したベントホールQもストレート状の筒状部12aとテーパ穴状のテーパ部12bとで構成される。
この結果、金型背面側から高圧AIRの噴霧時に、金型内面側のベントホールQの端末部に付着した不純物を効率良く排除でき、金型のクリーニングのメンテナンス性能を向上させることが出来るものである。また、ベントホールQの内径を任意の大きさにすることで、鋳物Wxのボリュームをコントロール(中空化)することが出来、金型の軽量化、原料費の削減にも効果的である。
なお、上記ストレート状の筒状部12aの長さLは、例えば25mm以上が好ましく、内径d2 は、内径d1 の約10倍以上が好ましい。不純物を高圧エアーで排除する効果は、内径d2 が大径になる程高いからである。また他の構成及び作用は、上記第1実施形態と同様なので説明は省略する。
前記、ストレート状の筒状部12aの長さLを25mm以下にすると、グリーンタイヤのゴムがモールド背面まで達し、更に背面のエアー通気隙間に回り込み、所謂、「傘ベント」となる。この結果、加硫終了後、タイヤをモールドから離型する際、傘ベンド形状のスピュー故にベントホール内のゴムがタイヤから切れ、ベントホールが詰まると言う不具合が発生する。
以上のように、タイヤ加硫用金型を製造する工程において、マスター型1を製作する際、金型の予め設計されたデータに基づきベントホール形成位置に対応した位置に多数のベントホールQを形成するための筒状体2を立設させるための係合部3を形成し、マスター型1を形成した後、このマスター型1に基づきゴム型6、石膏型4Xを反転転写させて順次製作し、石膏型4Xの製作後、前記筒状体2を立設させるための係合部3に一端を閉鎖した筒状体2の他端開口部2bを係合させて立設させ、この筒状体2を立設させた石膏型4Xの表面側に溶湯Wを充填して硬化させた後、鋳造物Wxから石膏型を取外し、鋳造物Wxの所定位置から切断する際に筒状体2の長手方向の途中を切断し、筒状体2の中空部にベントホール9を形成するので、ベントホールQの加工位置決めの作業工程を簡略化し、人件費の削減と加工費の削減及びベントホールQ内のクリーニング性を向上させることが出来るものである。
1 マスター型
2 筒状体
2a 筒状体の一端
2b 他端開口部
2c 中空部
3 係合部
4 石膏
4X 石膏型
5 バックセクメント
6 ゴム型
7a,7b チップ部材
8 凹溝
12 筒状体
12a ストレート状の筒状部
12b テーパ穴状のテーパ部
d1,d2 内径
Q ベントホール
W 溶湯
Wx 鋳造物
S−S 製品部分
2 筒状体
2a 筒状体の一端
2b 他端開口部
2c 中空部
3 係合部
4 石膏
4X 石膏型
5 バックセクメント
6 ゴム型
7a,7b チップ部材
8 凹溝
12 筒状体
12a ストレート状の筒状部
12b テーパ穴状のテーパ部
d1,d2 内径
Q ベントホール
W 溶湯
Wx 鋳造物
S−S 製品部分
Claims (5)
- タイヤ加硫用金型を製造する工程において、マスター型を製作する際、金型の予め設計されたデータに基づきベントホール形成位置に対応した位置に多数のベントホールを形成するための筒状体を立設させるための係合部を形成し、マスター型を形成した後、このマスター型に基づきゴム型、石膏型を反転転写させて順次製作し、石膏型の製作後、前記筒状体を立設させるための係合部に一端を閉鎖した筒状体の他端開口部を係合させて立設させ、この筒状体を立設させた石膏型の表面側に溶湯を充填して硬化させた後、鋳造物から石膏型を取外し、鋳造物の所定位置から切断する際に筒状体の長手方向の途中を切断し、筒状体の中空部にベントホールを形成することを特徴とするタイヤ加硫用金型のベントホールの製造方法。
- 前記筒状体は、鋳造物よりも高融点の金属材料によりパイプ状に形成した請求項1に記載のタイヤ加硫用金型のベントホールの製造方法。
- 前記筒状体を立設させるための係合部が、筒状体の他端開口部が嵌合する凹状または凸状に形成してある請求項1または2に記載のタイヤ加硫用金型のベントホールの製造方法。
- 前記筒状体を立設させるための係合部が、筒状体の他端開口部が嵌合する凹状または凸状に形成したチップである請求項1または2に記載のタイヤ加硫用金型のベントホールの製造方法。
- 前記筒状体は、内径を同一にしたストレートまたは他端開口部の途中から一端の閉鎖側に向かって内径を順次拡大したテーパ穴である請求項1,2,3または4に記載のタイヤ加硫用金型のベントホールの製造方法。
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JP2007094904A JP2008247001A (ja) | 2007-03-30 | 2007-03-30 | タイヤ加硫用金型のベントホールの製造方法 |
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WO2021176943A1 (ja) * | 2020-03-04 | 2021-09-10 | 横浜ゴム株式会社 | タイヤ加硫用モールドの製造方法およびメンテナンス方法 |
-
2007
- 2007-03-30 JP JP2007094904A patent/JP2008247001A/ja active Pending
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