JP2008246754A - 筆記具用クリップ取付構造及び該筆記具用クリップ取付構造の製造方法 - Google Patents
筆記具用クリップ取付構造及び該筆記具用クリップ取付構造の製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】 軸筒外周部に設けられるクリップ支持部32と、該クリップ支持部32に枢支されて揺動可能なクリップ部35とを備え、クリップ部35における揺動支点部pよりも後部側が軸筒求心方向へ押圧されることで同クリップ部35の揺動支点部pよりも前部側を軸筒遠心方向へ揺動させるようにした筆記具用クリップ取付構造において、クリップ支持部32には、軸筒求心方向へ弾性的に撓むように後方へ突出した弾性部33が設けられ、この弾性部33の後端側には、可撓性を有する接続部34を介してクリップ部35の後端側が接続され、クリップ部35は、その揺動支点部pと接続部34との間を、弾性部33に対し部分的に当接させている。
【選択図】 図1
Description
しかしながら、前記従来技術によれば、筒体(10)に挟みバネ(20)を嵌め合わせる作業が困難な上、挟みバネ(20)を紛失し易い等、生産性の改善が求められていた。
この従来技術においても、軟質被覆層(13)や弾性連結部(14)を成形する構造であるため、インサート成形等の複雑な成形技術を要する。また、クリップ(1)が繰り返し開閉操作された際には、クリップ本体(4)の後端部と屈曲片(6)との接続箇所等が、疲労破壊するおそれがある。
また、前記接続部は、前記弾性部の後端側と前記クリップ部の後端側とを接続する部分であり、製造性を良好にする観点から可撓性を有する構成とするのが好ましく、特に好ましくは、前記弾性部及び前記クリップ部よりも薄肉な合成樹脂材料から構成される。
また、前記クリップ支持部と前記弾性部と前記接続部と前記クリップ部は、別体の部材を一体的に接続してなる態様としてもよいが、より好ましくは、合成樹脂材料から一体成形した態様とされる。
クリップ支持部やクリップ部、支持部分等を一体的に構成しているため、クリップ部や支持部分等が別体に構成された従来構造に比較し、製造中における部品の紛失や脱落等が少なく、生産性が良好である。
しかも、揺動支点部と接続部との間が弾性部に対し部分的に当接しているので、接続部に加わる荷重を比較的小さくすることができ、ひいては、繰返し荷重等により接続部が破損するようなことを防ぐことができる。
よって、筆記具用クリップ取付構造の生産性及び耐久性を向上することができる。
図1は、本発明に係わる筆記具用クリップ取付構造の一例を備えた筆記具Aを示している。
筆記具Aは、軸筒10後端側のノック操作によりボールペンリフィール20先端の筆記部(図示せず)を出没させるようにした出没式ボールペンであり、軸筒10外周面の後端側には、クリップ支持部32やクリップ部35等を有するリフィール進退ユニット30が構成されている。
そして、この筆記具Aは、クリップ部35における揺動支点部pよりも後部側が軸筒求心方向(図1における下方)へ押圧されることで、同クリップ部35の揺動支点部pよりも前部側を、図1(b)に示すように軸筒遠心方向(図1における上方)へ揺動させる。
そして、この後端筒部31の外周面には、クリップ支持部32や、弾性部33、接続部34、クリップ部35等が一体成形されている。
また、クリップ支持部32の両側壁には、後述するクリップ部35の側部35eを凹凸状に嵌め合わせるための貫通孔32b,32bが設けられている。
そして、このクリップ支持部32の後部側には、軸筒求心方向へ弾性的に撓むように、後方へ突出する弾性部33が設けられている。
そして、この弾性部33の先端部(換言すれば後端部)には、可撓性を有する接続部34を介してクリップ部35の後端部が接続されている。
そして、このクリップ部35は、接続部34を撓ませながら回動してクリップ支持部32に嵌り合うことで揺動支点部pを構成するとともに(図3(a)(b)参照)、この揺動支点部pと接続部34との間の当接部35bを、弾性部33に対し部分的に当接させている。
凸片部35cは、軸筒軸方向に沿うようにして配設された略平板状の突起であり、クリップ支持部32の凹部32aに対し遊嵌される。この遊嵌状態についてより詳細に説明すれば、クリップ部35がクリップ支持部32に対し軸筒周方向へガタつくことのないように、クリップ部35と凹部32aとの隙間が必要最小限の寸法に設定されている。なお、この隙間が無く、クリップ部35が凹部32aに摺接して嵌り合うようにしてもよい。
この突起35e2は、貫通孔32bに挿入された際に引き抜けないように、先端側が拡径された略円柱状に形成されている。
なお、弾性部33は、二重成形によって他の部分とは異なる合成樹脂材料とすることも可能であり、この場合、この弾性部33は、他の部分よりも弾性の高い合成樹脂材料(例えばエラストマー樹脂等)とするのが好ましい。
このリフィール進退機構36によれば、ノック操作部36aに対するノック操作により、ボールペンリフィール20の筆記部(図示せず)を軸筒10先端から出没させることができる。
上記クリップ部35は、クリップ支持部32に対し係合する前の状態では、図3(a)に示すように、クリップ支持部32から離間して、クリップ支持部32および弾性部33に対し略直角になるように位置する。
このクリップ部35は、軸筒後方から押動されると、接続部34を撓ませながら回動し、凸片部35cがクリップ支持部32の凹部32aに遊嵌する。
この際、図3(b)に示すように、クリップ部35前端側の玉部35dが軸筒10外周面に当接するとともに、弾性部33の後端側が、当接部35bからの押圧力を受けて軸筒求心方向(図示の下方)へ撓み、この撓み状態が維持されることになる。
したがって、玉部35dと軸筒10外周面との間に隙間が生じるようなことを防ぐことができ、挟持される紙や衣類等の被挟持物を、弾性部33の弾性的な復元力により確りと挟持することができる。
そして、前記押圧力が解除されれば、弾性部33の弾性的な復元力により、クリップ部35前部側が軸筒求心方向へ揺動する。
すなわち、仮に上記筆記具用クリップ取付構造から当接部35bを省いた構成とした場合には、クリップ部35後端側に受ける押圧力が接続部34に加わるため、接続部34の破損が懸念される。しかしながら、本実施の形態によれば、前記のような接続部34の破損を防ぐことができる上、接続部34を容易に撓ませることが可能な薄肉状に形成して、クリップ部35を回動させてクリップ支持部32に係合する際の製造作業性を向上することができる。
なお、前記した当接部35bの作用によって、接続部34に引張荷重を受ける可能性もあるが、一般的に合成樹脂材料が圧縮荷重に比して引張荷重に強靭なことより、引張荷重によって接続部34の破損を招く可能性は少ない。
詳細に説明すれば、クリップ部35’は、下方を開口した断面略凹状に形成され、その両側部の各々の内面に、断面略半円状の凹部35a’を有する。
また、クリップ支持部32’は、前記クリップ部35’に嵌り合う断面略凸状に形成され、その両側面の各々に、前記凹部35a’と嵌り合う断面略半円状の凸部32a’を有する。
そして、クリップ部35’は、クリップ支持部32’に対し上方から嵌り合う際、両側壁間を弾性的に広げて、凹部35a’を凸部32a’に対し嵌め合わせる。
クリップ部35”は、開口部を下方へ向けた断面略凹状に形成され、その両側壁の各々に貫通孔35a”を形成している。
また、クリップ支持部32”は、前記クリップ部35”に嵌り合う断面略凸状に形成され、クリップ部35”の両貫通孔35a”,35a”に連通するように貫通孔32a”を形成している。
軸部材50は、一端側(図6によれば左端側)に拡径された頭部を有するピン状の部材であり、クリップ部35”側の両貫通孔35a”,35a”およびクリップ支持部32”の貫通孔32a”に挿通され、その突端部がカシメられる。
よって、図6に示す態様によれば、軸部材50を揺動支点部pとして、クリップ部35”を揺動させることができる。
32:クリップ支持部
32a:凹部
33:弾性部
34:接続部
35:クリップ部
35a:本体部
35b:当接部
35c:凸片部
A:筆記具
p:揺動支点部
Claims (6)
- 軸筒外周部に設けられるクリップ支持部と、該クリップ支持部に枢支されて揺動可能なクリップ部とを備え、クリップ部における揺動支点部よりも後部側が軸筒求心方向へ押圧されることで同クリップ部の揺動支点部よりも前部側を軸筒遠心方向へ揺動させるようにした筆記具用クリップ取付構造において、
前記クリップ支持部には、軸筒求心方向へ弾性的に撓むように後方へ突出した弾性部が設けられ、この弾性部の後端側には、可撓性を有する接続部を介して前記クリップ部の後端側が接続され、
前記クリップ部は、その揺動支点部と前記接続部との間を、前記弾性部に対し部分的に当接させていることを特徴とする筆記具用クリップ取付構造。 - 前記弾性部を、前記クリップ部との当接により軸筒求心方向へ弾性的に撓ませるとともに、前記クリップ部における揺動支点部よりも前部側を軸筒外周面に当接させたことを特徴とする請求項1記載の筆記具用クリップ取付構造。
- 前記クリップ支持部と前記クリップ部との内の一方に、軸筒軸方向に沿う凸片部を設けるとともに、その他方に、前記凸片部に嵌り合う凹部を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の筆記具用クリップ取付構造。
- 前記クリップ部は、前記クリップ支持部の側部に対し凹凸状に嵌り合うことで、前記揺動支点部を構成することを特徴とする請求項1乃至3何れか1項記載の筆記具用クリップ取付構造。
- 軸筒外周部に設けられるクリップ支持部と、該クリップ支持部から後方へ突出して軸筒求心方向へ弾性的に撓むことが可能な弾性部と、該弾性部の後端に可撓性の接続部を介して接続されるクリップ部と、を一体成形した後に、
前記クリップ部を回動して前記クリップ支持部に係合することで、
前記クリップ部における前記接続部よりも前側に、前記クリップ部を揺動させるための揺動支点部を構成するとともに、前記クリップ部における前記揺動支点部と前記接続部との間を、前記弾性部に対し部分的に当接させるようにしたことを特徴とする筆記具用クリップ取付構造の製造方法。 - 前記クリップ部を、軸筒外表面に沿うようにして配設される本体部と、該本体部の両側に配設されるとともに該本体部に対し回動可能な側部とから一体的に成形し、
前記各側部を回動させ前記クリップ支持部に嵌め合わせて、前記クリップ部の揺動支点部を構成することを特徴とする請求項5記載の筆記具用クリップ取付構造の製造方法。
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