図1−1は、本発明の実施形態に係る第1の演出モード時におけるスロットマシン(遊技機)の外観を示す正面図である。なお、以下の説明において、「遊技」とはメダル(遊技媒体)の投入からストップスイッチの操作を経た入賞処理までの一連の動作をいう。
(スロットマシンの概略構成)
図1−1に示すように、スロットマシン10の筐体は、基体11と、基体11の前面に取り付けられるフロントパネル12とから構成されている。なお、図1−1では、基体の詳細な構成を省略している。フロントパネル12の前面部には、複数種類の図柄を含む演出のための複数の演出用リールを表現した画像(以下、演出画像リール51L、51C及び51Rと称す)等を表示可能な演出表示装置55が備えられる。また、スロットマシン10の筐体の内部には、遊技用リールユニット30が配置されている。
基体11は、前面が開口された箱形に形成されている。この基体11の内部において、下方部には、電源ユニット及びメダルを貯留しておくホッパーを含むメダル払出装置が設けられている。
一方、フロントパネル12は、基体11の前面を覆うように基体11に開閉可能に取り付けられたものである。
フロントパネル12の前面側(遊技者側)には、スタートスイッチ41と、ストップスイッチ42L、42C及び42Rと、ベットスイッチ45と、貯留解除スイッチ46とを備えた操作スイッチ40や、メダル投入口43や、メダル受け皿44等が配置されている。
さらに、図1−1に示すように、フロントパネル12の上方部には、表示窓12aが設けられている。遊技用リールユニット30は、フロントパネル12の裏面側において、表示窓12aが形成された領域の後方に配置されている。
(操作スイッチ)
本実施形態では、スタートスイッチ41は、遊技者により操作可能な位置に配設されており、遊技用リール31L、31C及び31Rを回転させるとき、演出画像リール51L、51C及び51Rを可変表示させるとき等に操作される。
ストップスイッチ42L、42C及び42Rは、遊技用リール31L、31C及び31Rの回転を停止させるときや、演出用リールを表現した画像を停止表示させるときに遊技者により操作されるスイッチである。このストップスイッチ42L、42C及び42Rは、遊技用リール31L、31C及び31Rと、演出画像リール51L、51C及び51Rとに対応して設けられている。
ベットスイッチ45は、メダル投入口43から投入された貯留中のメダル、又は入賞によって払い出された貯留中のメダルによって遊技を開始するときに遊技者により操作されるスイッチである。
貯留解除スイッチ46は、貯留中のメダルを払い出す際に、遊技者により操作されるスイッチである。
(遊技用リールユニット)
遊技用リールユニット30は、リング状の3つの遊技用リール31L、31C及び31Rを並設したものを備える。また、遊技用リール31L、31C及び31Rの回転中心部には、それぞれステッピングモータが連結されており、このステッピングモータの駆動制御によって、遊技用リール31L、31C及び31Rの回転が制御される。また、各遊技用リール31L、31C及び31Rの内周の内側には、3つの図柄を背後から照光するためのバックランプ33が固定されている。
このようにしてスロットマシン10内に設けられた各遊技用リール31L、31C及び31Rには、複数種類の図柄(役を構成する図柄等)が印刷されたリールテープが貼付されている。
図1−1では、各遊技用リール31L、31C及び31Rの内周の内側で固定されているバックランプ33を、破線の円によって示している。これらバックランプ33の前方に位置する図柄が、それぞれ表示窓12aから透視できる図柄に相当する。
また、表示窓12aを含む部分には、図柄組合せラインL1が設けられている。図1−1では、この図柄組合せラインL1を1点鎖線で示している。
ここで、「図柄組合せラインL1」とは、遊技用リール31L、31C及び31Rの停止時における図柄の並びラインであって、図柄の組合せを形成しているラインである。本実施形態では、水平方向の3本が図柄組合せラインL1として設けられている。
このように、本実施形態では、表示窓12aから9つの図柄が見えるように、各遊技用リール31L、31C及び31Rを配置しており、図柄組合せラインL1は、3本に設定されている。ただし、本発明において、図柄組合せラインL1は3本に限定されない。
さらに、図柄組合せラインL1は、メダル投入口43からのメダルの投入、又はベットスイッチ45の操作によって有効ラインとして設定される。
ここで、「有効ライン」とは、遊技用リール31L、31C及び31Rの停止時に、いずれかの役に対応する図柄の組合せであるか否かの判別対象となるラインである。この有効ラインに、いずれかの役に対応する図柄の組合せが停止したときには、その役に応じた利益が付与される。ここで、役に応じた利益とは、メダルの払い出し等である。
そして、本実施形態では、1回の遊技で遊技者によって投入されるメダルの枚数(賭数)は、一律3枚に設定されており、1枚又は2枚のメダルでは遊技を行うことができない。したがって、3枚のメダルの投入によって、図柄組合せラインL1が有効ラインとして設定される。なお、有効ラインの設定本数はこれに限られるものではない。
なお、「無効ライン」とは、有効ラインとして設定されない図柄組合せラインL1であって、図柄の組合せの成立対象にならないラインをいう。
(演出画像リール)
本実施形態における演出画像リール51L、51C及び51Rには、それぞれ複数の図柄が表示されており、上下に連続する3つの図柄が見えるように、各演出画像リール51L、51C及び51Rが配置されている。即ち、フロントパネル12の液晶表示装置80には、演出画像リール51L、51C及び51Rの合計9個の図柄が透視できるようにしている。
また、図1−1において、演出画像リール51L、51C及び51Rに対しては、図柄組合せラインL2が設けられている。図1−1では、この図柄組合せラインL2を2点鎖線で示している。
ここで、「図柄組合せラインL2」とは、演出画像リール51L、51C及び51Rの停止時における図柄の並びラインであって、図柄の組合せを形成させるラインである。図1−1に示すように、本実施形態では、水平方向の中段、上段及び下段にそれぞれ設けられた3つのラインと、右下がりの斜め方向のラインと、左下がりの斜め方向のラインとの合計5本のラインが、図柄組合せラインL2として設けられている。そして、各演出用リール51L、51C及び51Rの上下に連続する3つの図柄は、それぞれ1つ以上の図柄組合せラインL2上に位置している。
このように、本実施形態では、上下に連続する3つの図柄が見えるように、各演出画像リール51L、51C及び51Rを表示しているので、図柄組合せラインL2は、5本に設定されている。但し、図柄組合せラインL2は、5本に限定されない。例えば、上下に連続する4つの図柄が見えるように各演出画像リール51L、51C及び51Rを表示した場合には、図柄組合せラインL2の数が増加することになる。このように、上下に連続する4つの図柄が見えるように、各演出画像リール51L、51C及び51Rを表示した場合には、水平方向における図柄組合せラインL2の数は、4本となる。さらに、右下がり及び左下がりの斜め方向の各図柄組合せラインL2は、それぞれ2本となる。よって、合計で8本の図柄組合せラインL2が形成されるようになる。
図1−1に示した5本の図柄組合せラインL2のうち、所定の図柄組合せラインL2が有効ラインに設定される。前述したように、本実施形態では、1回の遊技で遊技者によって投入されるメダルの枚数(賭数)は、一律3枚に設定されている。すなわち、メダルの投入枚数が、1枚又は2枚では遊技を行うことができないようにしている。そして、3枚のメダル投入によって、全ての(5本の)図柄組合せラインL2を有効ラインに設定している。このときは、遊技用リールユニット30の図柄組合せラインL1も、役の入賞に関わるラインとして有効ラインに設定される。
但し、投入されたメダルの枚数が1枚又は2枚のときでも、遊技を行うことが可能になるようにしてもよい。この場合には、投入されたメダル枚数に応じて、複数の図柄組合せラインL2の中から有効ラインと無効ラインが設定される。
ここで、図柄組合せラインL2の有効ラインとは、演出画像リール51L、51C及び51Rの停止時に、遊技者に対して何らかの利益を付与する図柄の組合せであるか否かの判別対象となるラインである。なお、演出画像リール51L、51C及び51Rは、遊技者に対して役の当選や入賞を演出として報知するためのリール表示である。
一方、図柄組合せラインL2の無効ラインとは、例えばメダルの投入枚数が1枚又は2枚のときに生じ、前記有効ラインとして設定されない図柄組合せラインであって、図柄の組合せの成立対象とならないラインをいう。
また、図柄組合せラインL2に対する有効ラインの数を、メダルの投入枚数に応じて変化させる場合には、例えば、以下のようにして有効ラインと無効ラインとを設定すればよい。
先ず、メダルの投入枚数が1枚であるときには、水平方向中段の図柄組合せラインL2(1本)を有効ラインに設定するとともに、残りの4本の図柄組合せラインL2を無効ラインに設定する。また、メダルの投入枚数が2枚であるときには、水平方向中段、上段及び下段の図柄組合せラインL2(合計3本)を有効ラインに設定するとともに、他の2本の図柄組合せラインL2を無効ラインに設定する。さらに、本実施形態のように、メダルの投入枚数が3枚であるときには、全ての図柄組合せラインL2(5本)を有効ラインに設定し、無効ラインは存在しないようにする。
(遊技用リールと演出画像リールとの関係)
続いて、遊技用リール31L、31C及び31Rと、演出画像リール51L、51C及び51Rとの関係について説明する。
本実施形態では、一般的なスロットマシンにおいて通常の遊技用リールが配置されている位置に、演出画像リール51L、51C及び51Rを配置している。また、一般的なスロットマシンにおいて液晶表示装置等の演出表示装置が配置されている、スロットマシン内に上方部に、遊技用リール31L、31C及び31Rを配置している。
本実施形態の演出画像リール51L、51C及び51Rは、その回転動作と、その停止動作と、最終的な位置での各演出画像リール51L、51C及び51Rの図柄の組合せのうち、少なくとも1つによって、演出を行うものである。また、遊技用リールユニット30の各遊技用リール31L、31C及び31Rは、一般的なスロットマシンに設けられているリールと同等の機能を果たすものであり、停止時の各遊技用リール31L、31C及び31Rの図柄の組合せにより、遊技の結果を表示するものである。
本実施形態の遊技用リール31L、31C及び31Rは、演出画像リール51L、51C及び51Rが表示されているスケールよりも小さく形成されている。
一般的なスロットマシンでは、演出表示装置の表示領域は、遊技の結果を表示するリール上の図柄の表示領域よりも小さいのが普通である。これは、スロットマシンでの遊技の結果は、本実施形態の遊技用リール31L、31C及び31Rに相当するリールが停止したときの図柄の組合せにより決定されるのであって、演出表示装置の表示内容によって決定されるものではないからである。すなわち、演出表示装置は、遊技の結果が決定するまで(少なくとも1つのリールの回転中)、あるいは遊技の結果が決定した後(全てのリールの停止後)に、役が当選する可能性がどの程度あるのか等を報知する装置であり、遊技の進行において補助的な役割を有する装置だからである。
これに対し、本実施形態では、遊技用リール31L、31C及び31Rと、演出画像リール51L、51C及び51Rとの大きさの関係を前述のようにする。さらに、図1−1に示したように、前面側から見て、操作スイッチ40の上部に演出画像リール51L、51C及び51Rを表示し、演出画像リール51L、51C及び51Rから操作スイッチ40に対して遠ざかる側に遊技用リールユニット30を配置している。
言い換えれば、前面側から見て、遊技用リールユニット30と、操作スイッチ40との間に、演出画像リール51L、51C及び51Rを表示している。
このような構成とすることにより、前面側から見て、スロットマシン10の略中央に、すなわち、遊技者が遊技を行っているときに最も見やすく、且つ遊技用リール31L、31C及び31Rよりも視界に入り易い位置にある演出画像リール51L、51C及び51Rを、演出のためのリール表示とすることができる。これにより、リールの停止状況を見ながら遊技を進行することを維持しつつ、演出が中心となって遊技を進行させることができる。
このように、スロットマシン10の略中央にある演出画像リール51L、51C及び51Rを表示することによって、遊技の結果を表示するための一般的なリールでは実現することができなかった多種多様なリール動作を表現した演出画像を遊技者に対して提示することができる。
(通常遊技時のスロットマシンの概略動作)
次に、スロットマシン10における通常遊技について説明する。
通常遊技では、遊技者が、メダル投入口43から3枚のメダルを投入するか、ベットスイッチ45を操作すると、図柄組合せラインL1及び図柄組合せラインL2の全てのラインが有効ラインとして設定される。その後、遊技者がスタートスイッチ41を操作すると、遊技用リール31L、31C及び31Rが全て回転し始める。
続いて、遊技者がストップスイッチ42L、42C及び42Rを操作すると、操作されたストップスイッチ42L、42C及び42Rに対応する遊技用リール31L、31C及び31Rの回転が停止する。そして、ストップスイッチ42L、42C及び42Rが全て操作され、遊技用リール31L、31C及び31Rの全てが停止した際、有効ライン上に並んだ遊技用リール31L、31C及び31Rの図柄の組合せが、予め定められた何らかの役の図柄の組合せと一致するときは入賞となり、その入賞役に応じてメダルの払い出しや再遊技等が行われる。
ここで、本実施形態においては、3枚のメダルが投入された後、又はベットスイッチ45が操作された後に、スタートスイッチ41が操作されると、原則として、遊技用リール31L、31C及び31Rとともに演出画像リール51L、51C及び51Rの全てが回転し始める。その後、各ストップスイッチ42L、42C及び42Rが操作されると、その操作されたストップスイッチ42L、42C及び42Rに対応する、遊技用リール31L、31C及び31Rの回転と演出画像リール51L、51C及び51Rの回転が停止する。例えば、ストップスイッチ42Lが操作されると、遊技用リール31Lと演出画像リール51Lの回転が停止する。
なお、各演出画像リール51L、51C及び51Rの動きは、対応する各遊技用リール31L、31C及び31Rに必ずしも連動しているわけではなく、様々な演出に応じて任意である。
図1−2は、第2の演出モード時におけるスロットマシンの外観を示す正面図である。図1−1に示す正面図とは、演出表示装置80上において表示される演出画像のみが異なる。図1−2に示すように、演出表示装置80上においては、ストップスイッチ42L、42C及び42Rの夫々に対応して、オブジェクト56L、56C及び56Rが表示されている。これらのオブジェクト56L、56C及び56Rは、スタートスイッチ41の操作に応じて回転して表示され、ストップスイッチ42L、42C及び42Rの操作に応じて停止して表示される。オブジェクト56L、56C及び56Rの表示態様の詳細については後述する。本実施形態に係るスロットマシンは、上述した第1の演出モードと第2の演出モードを切り替えて制御するものである。
図1−2中の57は、特殊リール表示領域である。特殊リール表示領域57においては、1つの図柄が表示され、この表示領域内で図柄の可変表示が行われる。このように、第2演出モード時には、演出画像リール51L、51C及び51Rが表示されなくなる代わりに、特殊リール表示領域57にて図柄の可変表示が行われる。特殊リール表示領域57における図柄は、スタートスイッチ41の操作に応じて可変表示され、ストップスイッチ42L、42C及び42Rが全て操作されることにより停止表示される。遊技者は、第2の演出モード時には、この特殊リール表示領域内において停止表示された図柄を参照することによって、役の入賞を判定する。
次に、スロットマシン10の内部構成等のシステム構成について説明する。図2は、本発明の実施形態に係るスロットマシン10のシステム構成を示すブロック図である。スロットマシン10の筐体内部には、メイン制御基板50、並びにこのメイン制御基板50に接続されたサブ制御基板60、リール基板11、中央表示基板12及び電源装置基板13が配置されている。
(メイン制御基板50)
メイン制御基板50には、メインCPU51、ROM52、RAM53及びインタフェース回路(I/F回路)54が設けられており、これらはバス55を介して互いに接続されている。
メインCPU51は、プログラムを構成する命令の読み出し(フェッチ)、解釈(デコード)及び実行を行う。そして、メインCPU51は、ROM52に記憶されているプログラム及びデータ等を読み出し、これらに基づいてスロットマシン10全体の制御を行う。
ROM52には、後述の図6−1乃至図6−3に示すメインCPU51が行う処理、その他の遊技の制御に必要なプログラム並びにデータ等が記憶されている。また、RAM53は、メインCPU51が各種の制御を行う時に用いられ、データ等を一時的に記憶する。
I/F回路54は、メイン制御基板50と、サブ制御基板60、リール基板11、中央表示基板12及び電源装置基板13との間で行われる信号の送受信を行う。但し、メイン制御基板50とサブ制御基板60との間では、メイン制御基板50からサブ制御基板60への信号の送信は行われるが、サブ制御基板60からメイン制御基板50への信号の送信は行われない。
(サブ制御基板60)
サブ制御基板60には、サブCPU61、ROM62、RAM63、画像制御プロセッサ64、画像データROM65、ビデオRAM66、音源回路67、アンプ68及びインタフェース回路(I/F回路)69が設けられている。サブCPU61、ROM62、制御用RAM63、画像制御プロセッサ64、音源回路67及びI/F回路69はバス70を介して互いに接続されている。また、画像データROM65及びビデオRAM66は画像制御プロセッサ64に接続され、アンプ68は音源回路67に接続されている。また、バックランプ33は、バス70を介してサブCPU61に接続されている。
サブCPU61は、プログラムを構成する命令の読み出し(フェッチ)、解釈(デコード)及び実行を行う。そして、サブCPU61は、ROM62に記憶されているプログラム及びデータ等を読み出し、サブ制御基板60全体の制御、特に遊技者に対する演出の制御を行う。なお、サブCPU61の処理能力や開発言語等には、何らの制約もない。
ROM62には、後述の図7に示すサブCPU61が行う処理、その他の遊技中の演出に必要なプログラム及びデータ等が記憶されている。また、RAM63は、サブCPU61が各種の制御を行う時に用いられ、データ等を一時的に記憶する。
これらのサブCPU61、ROM62及びRAM63は、夫々メイン制御基板50に設けられたメインCPU51、ROM52及びRAM53と同様の機能を有するものである。なお、ROM62及びRAM63は、夫々ROM52及びRAM53と同一のものを用いても良いが、これらよりも容量の大きいものを用いても良い。
上述の演出表示装置80は画像制御プロセッサ64に接続されている。画像データROM65には、演出表示装置80に表示されるキャラクタ、文字及び背景等の複数種類の画像データが記憶されている。また、ビデオRAM66は、画像制御プロセッサ64が演出表示装置80に表示しようとする画像を作成する時に用いられ、画像データROM65から読み出したデータ等に基づき表示すべき画像データがビデオRAM66に展開される。
他に、本実施形態においては、演出用周辺機器として、演出表示装置80の他にスピーカ71、上述のバックランプ等が設けられている。スピーカ71はアンプ68に接続されている。これらの演出用周辺機器は、遊技に直接関係しない周辺機器であって、遊技中の演出(役の当選可能性の告知演出等)の出力を行うものであり、サブ制御基板60にのみ接続されており、メイン制御基板50には接続されていない。
I/F回路69は、メイン制御基板50からの信号の受信の際に、タイミングの制御等を行う。なお、上述のように、メイン制御基板50からサブ制御基板60への信号の送信は行われるが、サブ制御基板60からメイン制御基板50への信号の送信は行われない。即ち、一方向の送信のみが可能となっている。
(リール基板11)
リール基板11には、左リール31L、中リール31C及び右リール31Rを駆動するためのステッピングモータ(図示せず)が接続されている。これらのリール31L、31C及び31Rの動作の制御は、リール基板11を介してメインCPU51によって行われる。また、左リール31L、中リール31C及び右リール31Rの夫々に対応して所定の位置にセンサが設置されており、これらのセンサはリールの基準位置の通過を検知する。基準位置の通過が検知されると、センサから検知信号が出力され、リール基板11を介してメインCPU51に入力される。また、ステッピングモータのステップ数もリール基板11を介してメインCPU51に対して入力される。
(中央表示基板12)
中央表示基板12は、例えばフロントパネル12の裏側の中央部に取り付けられる。中央表示基板12には、クレジット数表示部(不図示)、セレクタ81、ベットスイッチ45、スタートスイッチ(レバー)41、左ストップスイッチ42L、中ストップスイッチ42C、右ストップスイッチ42R、設定表示部82及び設定変更スイッチ83が接続されている。
セレクタ81は、メダル投入口23から投入されたメダルが正規のものであるか識別し、不正なメダルを排除する。設定表示部82は、フロントパネル12の裏側から見えるように配置されており、確率や払い出しに関する設定(例えば、設定1〜設定6)等が表示される。設定変更スイッチ83は、確率や払い出しに関する設定等を変更する際に操作されるスイッチである。
(電源装置基板13)
電源装置基板13には、設定変更有効化スイッチ91、電源スイッチ92、ホッパ装置93及び電源装置94が接続されている。設定変更有効化スイッチ91は、設定変更スイッチ83を用いた設定の変更を可能な状態にする際に操作するスイッチである。即ち、設定変更有効化スイッチ91がオンの状態になっているときに限り、設定変更スイッチ83を用いた設定の変更が可能になる。電源スイッチ92は、電源装置94のオン/オフを切り替えるためのスイッチである。ホッパ装置93は、メダルの貯蔵及び払い出しを行う装置であり、電源装置基板13を介したメインCPU51からの指示に基づいて、予め貯蔵しておいたメダルから所定枚数のメダルを遊技者に払い出す。
次に、メイン制御基板50の機能的な構成について説明する。図3は、メイン制御基板50の機能的な構成を示す機能ブロック図である。本実施形態においては、例えばメインCPU51及びROM52のプログラムから、以下の各部101、102、106、107、108及び110が構成され、例えばRAM53に、後述する記憶部103が備えられ、例えばROM52に、後述する役抽選テーブル121等のデータが記憶されている。
(役抽選部101)
役抽選部101は、後述の遊技進行制御部102によるタイミング制御に応じて、役(特別役、小役、リプレイ等)の抽選を行う。ここで、特別役とは、通常遊技とは異なる遊技であって遊技者にとって有利な特別遊技に移行させるための役である。通常遊技における役の抽選において特別役に当選し、役別役の図柄の組合せが有効ラインに停止したとき、即ち特別役に入賞したことを条件として、通常遊技から特別遊技に移行させる。特別遊技は、通常遊技以上にメダル獲得枚数期待値が大きく、遊技者にとって有利となる遊技である。ここで、特別遊技には、例えばBB(ビッグボーナス)ゲーム及びRB(レギュラーボーナス)ゲームが含まれる。
本実施形態においては、例えば、有効ライン上に3つの「赤7」が停止した場合に、ビッグボーナスの入賞となってBBゲームに移行するが、このBBゲームは所定の終了条件が満たされるまで行われる。この特別遊技(BBゲーム)の終了条件についての詳細は後述するが、本実施形態においてはJACゲーム(ボーナスゲーム)を繰り返し、この特別遊技(BBゲーム)中におけるメダルの総払い出し枚数(総払出数)が所定の範囲の終了枚数(終了数)、例えば465枚に達した時点で特別遊技(BBゲーム)が終了するように制御されている。
また、本実施形態においては、例えば、有効ライン上に3つの「黒BAR」が停止した場合に、レギュラーボーナスの入賞となってRBゲームに移行する。このRBゲームはJACゲームが連続して12ゲーム行われるか、又はJACゲーム中で合計8回の入賞することにより終了し、通常遊技に移行する。このように、本実施形態においては、RBゲームは終了条件としてゲーム回数を規定しているのに対し、BBゲームは終了条件として払出枚数を規定している。
なお、小役とは、所定枚数のメダルを遊技者に払い出す役であり、例えば複数種類設けられている。リプレイとは、前の遊技で投入したメダル枚数を維持した再遊技を行う権利を遊技者に与える役である。
役抽選部101は、遊技毎に、内部で乱数を発生させた後に一の乱数を取得すると共に、ROM52に記憶されている役抽選テーブル121内の取得した乱数が属する領域に基づいて、役の当選の有無及び当選役を判定する。
なお、役抽選部101は、例えば所定の領域(10進法で0〜65535)の乱数を発生させ、例えばスタートスイッチ41が操作されたとき等、所定の条件が満たされたときに一の乱数値を取得する。役抽選テーブルには、役抽選部101が取得可能な乱数値に対して、図5に示すように、BB当選領域、RB当選領域、小役当選領域、リプレイ(RP)当選領域、及び非当選(ハズレ)領域等が、所定の割合で設定されている。即ち、役抽選テーブル121には、乱数値と各役との関係が定められており、例えば、乱数値(a)からある乱数値(a+α)がBB当選領域に対して割り当てられ、次の乱数値(a+α+1)から他の乱数値(a+α+1+β)がRB当選領域に割り当てられ、小役当選領域等についても、同様にして乱数値が割り当てられている。そして、役抽選部101が取得した乱数値が含まれる領域の役が、役抽選の結果、当選した役となる。尚、本実施形態では、図5に示す役のうち、BB及びRBが特別役に該当し、チェリー、スイカ及びベルが小役に該当する。また、図5に示す例の他に、特別遊技において用いられる役抽選テーブル(図示せず)等が設けられている。
そして、役抽選部101は使用する役抽選テーブルを選択し、取得した乱数値を選択した役抽選テーブルと照らし合わせることにより、その乱数値が属する領域を判定し、その乱数値が属する領域に対応する役を決定する。例えば、抽出した乱数値が特別役当選領域に属する場合は、特別役の当選と判定し、非当選領域に属する場合は、ハズレと判定する。そして、何らかの役が当選した場合には、その役に対するフラグをオンにする。
また、役抽選部101は、抽選の結果を示す情報、例えばどの役が当選したかを示す情報である当選役情報や現在の遊技状態を示す遊技状態情報等をサブ制御基板60に毎遊技送信する。
(遊技進行制御部102)
遊技進行制御部102は、役抽選部101や、後述のリール制御部106及び入賞判定部107等の動作タイミングを制御する。例えば、遊技進行制御部102は、スタートスイッチ41が操作されたことを条件として、役抽選部101に役の抽選を行わせると共に、リール制御部106に遊技用リール群31の回転を開始させ、また、ストップスイッチ群42が操作されたことを条件として、リール制御部106に遊技用リール群31の停止制御を行わせ、更に、遊技用リール群31が停止したことを条件として、入賞判定部107に入賞判定を行わせる。なお、遊技進行制御部102の動作はこれらに限定されるものではない。
(フラグ情報記憶部103)
フラグ情報記憶部103は、役抽選部101によって何らかの役に対するフラグがオンになった場合に、当選した役の種類及びそのフラグがオンになったことを記憶する。なお、後述のように、フラグ情報記憶部103に記憶されている情報が消去されるタイミング(当選フラグがオフとなるタイミング)は、特別役とそれ以外の役とで異なっている。即ち、特別役の場合、フラグ情報記憶部103に記憶されている情報は、特別遊技が開始したことを条件として消去され、特別遊技が開始していなければ次遊技以降まで持ち越されるのに対し、それ以外の役の場合には、その役の入賞の有無に拘わらず、当該遊技の終了の際に消去され、次遊技まで持ち越されることはない。
(リール制御部106)
リール制御部106は、遊技進行制御部102によるタイミング制御に応じて、遊技用リール群31(遊技用リール31L、31C及び31R)の回転の開始及び停止の制御を行う。より具体的には、リール制御部106は、遊技状態(例えば、通常遊技状態、特別遊技状態等)、役抽選部101による抽選の結果、並びにストップスイッチ群42(ストップスイッチ42L、42C及び42R)が操作されたタイミング等に基づいて、遊技用リール31L、31C及び31Rの停止位置を決定すると共に、ステッピングモータの駆動を制御して、その決定した位置で遊技用リール31L、31C及び31Rの回転を停止させる。
特に、当該遊技で特別役に当選している場合や、特別役の当選が前遊技から持ち越されていて、且つ当該遊技で小役やリプレイに当選していない場合には、有効ライン上に特別役の図柄の組合せが停止するように、遊技用リール31L、31C及び31Rの停止制御の範囲内(例えば、ストップスイッチが操作された時の図柄から当該図柄を含む5図柄以内)でできる限り特別図柄が揃うような引き込み制御を行う。なお、特別役の当選が持ち越されている場合に、小役やリプレイに当選したときは、そのときのリール制御に応じて、有効ライン上に特別役の図柄の組合せが停止したり、停止しなかったりする。さらにまた、このような遊技用リール31L、31C及び31Rを停止させる際の制御は、リール制御用のテーブルを用いて行ってもよい。
(入賞判定部107)
入賞判定部107は、遊技進行制御部102によるタイミング制御に応じて、図柄組合せラインL1のうち、1本〜複数本の有効ラインのいずれかに役の図柄の組合せが並んでいるか否かを判定し、並んでいるものがあれば当該遊技でその役に入賞したと判定する。このとき、入賞判定部107は、例えばステッピングモータの停止時の角度やステップ数等を検知することにより、有効ラインに位置する図柄を判定し、これに基づいて、役の入賞の有無を判定すると共に、判定結果の情報(入賞役情報)等をサブ制御基板60に送信する。
なお、遊技用リール31L、31C及び31Rを停止させる際の制御にリール制御用のテーブルを用いている場合には、遊技用リール31L、31C及び31Rが実際に停止してから入賞判定部107が図柄の組合せを判定するのではなく、リール制御部106によってリール制御用のテーブルを用いて遊技用リール群31の停止位置が定められた時に、有効ライン上に停止する図柄の組合せを判別するようにしてもよい。
(特別遊技制御部108)
特別遊技制御部108は、入賞判定部107による判定の結果、特別役に入賞していた場合に、特別遊技の制御を行う。例えば、特別遊技制御部108は、特別遊技中における役抽選部101の抽選結果に応じて、リール制御部106に特別遊技用のリール制御を行わせたり、サブ制御基板60に特別遊技用の演出を行わせたりする。特に、入賞判定部107による判定の結果、BBに入賞していた場合には、次遊技から役に入賞した場合に払い出されるメダルの総数が所定の終了枚数に達するまでの間、特別遊技(BBゲーム)の制御を行う。例えば、この特別遊技の制御としては、リール制御部106に特別遊技(BBゲーム)用のリール制御を行わせる。また、特別遊技(BBゲーム)においては、上述のように、役抽選テーブル121とは異なる抽選テーブル(図示せず)が用いられ、この抽選テーブルの変更も特別遊技制御部108の指示に基づいて行われる。
また、特別遊技制御部108は、入賞判定部107による判定の結果、RBに入賞していた場合には、次遊技から所定の遊技数に達するまでの間、特別遊技(RBゲーム)の制御を行う。この場合においても、特別遊技制御部108の指示により、上述の役抽選テーブル121から特別遊技(RBゲーム)用の抽選テーブル(図示せず)に変更して、リール制御部106に制御を行わせる。
(払出制御部110)
払出制御部110は、入賞判定部107による判定の結果、入賞している役に応じたメダルの払い出しをホッパ装置93に行わせたり、クレジット数表示部におけるクレジット数情報の表示を更新したりする。払出制御部110には払出枚数カウンタ111が含まれている。入賞役がBBである場合、払出枚数カウンタ111は、BBゲーム中のメダルの払出枚数をカウントし、その総数を求める。そして、払出制御部110は、総払出枚数が所定の範囲の終了枚数、例えば465枚に達すると、その旨を特別遊技制御部108に知らせ、特別遊技を終了させる。なお、払出枚数カウンタ111により求められたメダルの総払出枚数の情報は、総払出枚数が所定の終了枚数に達し、一連の特別遊技(BBゲーム)が終了した時点で消去され、総払出枚数はリセットされる。
次に、サブ制御基板60の機能的な構成について説明する。図4は、サブ制御基板60の機能的な構成を示すブロック図である。本実施形態においては、例えばサブCPU61及びROM62のプログラムから、以下の各部(機能ブロック)が構成されている。
(演出パターン選択部201)
演出パターン選択部201は、スタートスイッチ41が操作されてから3個目のストップスイッチが操作されて全ての遊技用リール31L、31C及び31Rが停止するまでの間に行う演出パターン、3個目のストップスイッチが操作されて全ての遊技用リール31L、31C及び31Rが停止した時に何らかの役に入賞していた場合に行う演出パターン、ベットスイッチ45の操作時に行う演出パターン等に応じて選択する。
(演出制御部202)
演出制御部202は、演出パターン選択部201によって選択された演出パターンに基づく演出の制御を行う。そして、演出制御部202による制御に基づいて、画像制御プロセッサ64が演出表示装置80に表示する画像データを作成し、また、音源回路67で生成された音信号がアンプ68によって増幅された後、スピーカ71から出力される。
(オブジェクトデータ記憶部203)
オブジェクトデータ記憶部203は、オブジェクトの一連の動作を連続的に表現するための複数枚の静止画像データを記憶している。演出制御部202は、オブジェクトデータ記憶部203より複数枚の静止画像データを順次連続させて演出表示装置80に表示させていくことによって、オブジェクトが動作して表示される状態を表現する。
なお、メイン制御基板50及びサブ制御基板60にこれらの機能以外の機能が設けられていてもよい。
次に、上述のように構成された本実施形態に係るスロットマシンの動作について説明する。図6−1乃至図6−3は、メイン制御基板50による制御を示すフローチャートである。図7は、サブ制御基板60による制御を示すフローチャートである。
先ず、メイン制御基板50によって制御される遊技の流れについて説明する。図6−1において、遊技進行制御部102は、メダルの投入を監視しており、メダル投入口23からのメダルの投入があるか、又はクレジットがある場合にベットスイッチ45が操作されると、メダルが投入されたと判断し(ステップS1)、投入されたメダルの数を求める(ステップS2)。そして、投入されたメダルの数が1枚未満であれば、再度、ステップS1において、メダルの投入の有無を判断する(ステップS3)。
投入されたメダルの数が1枚未満ではない場合、即ち1枚以上のメダルが投入された場合又はベットスイッチが操作された場合に、遊技者によってスタートスイッチ41が操作されると、遊技進行制御部102はスタートスイッチ41がオンになったことを検知し(ステップS4)、スタートスイッチ41の操作信号をサブ制御基板60に対して送信する(ステップS29)。次に、遊技進行制御部102は、役抽選部101が乱数を取得する(ステップS5)。なお、遊技進行制御部102は、スタートスイッチ41が操作されるまで、ステップS1〜ステップS4の処理を繰り返す。
次いで、役抽選部101は、遊技状態に基づいて役抽選テーブルを選択した後、取得した乱数と選択した役抽選テーブルとを照らし合わせて役の抽選処理を行う(ステップS6)。そして、この抽選の結果、何らかの役の当選があった場合、当該役のフラグをオンにして、そのことをフラグ情報記憶部103に記憶させる(ステップS7)。また、遊技進行制御部102は、役抽選部101による抽選の結果、当選した役の情報(当選役情報)等をサブ制御基板60に対して送信する(ステップS8)。
そして、役抽選部101によるこれらの処理が終了した後、図6−2に示すように、遊技進行制御部102はリール制御部106に遊技用リール31L、31C及び31Rの回転を開始させる(ステップS10)。
その後、リール制御部106は、ストップスイッチ群42のいずれか1個(第1ストップスイッチ)が操作されると(ステップS11)、第1ストップスイッチの操作信号をサブ制御基板60に対して送信する(ステップS30)。次に、リール制御部106は、当選役に入賞可能となるようなリール制御を行って、操作されたストップスイッチに対応する遊技用リールの回転を停止させる(ステップS12)。第1ストップスイッチが未だ操作されていない場合には、第1ストップスイッチが操作されるまでステップS11の判定処理が繰り返される。
その後、ストップスイッチ群42の他の1個(第2ストップスイッチ)が操作されると(ステップS13)、第2ストップスイッチの操作信号をサブ制御基板60に対して送信する(ステップS31)。次に、リール制御部106は、当選役に入賞可能となるようなリール制御を行って、操作されたストップスイッチに対応する遊技用リールの回転を停止させる(ステップS14)。第2ストップスイッチが未だ操作されていない場合には、第2ストップスイッチが操作されるまでステップS14の判定処理が繰り返される。
その後、ストップスイッチ群42の残りの1個(第3ストップスイッチ)が操作されると(ステップS15)、第3ストップスイッチの操作信号をサブ制御基板60に対して送信する(ステップS32)。次に、リール制御部106は、当選役に入賞するようなリール制御を行って、操作されたストップスイッチに対応する遊技用リールの回転を停止させる(ステップS16)。第3ストップスイッチが未だ操作されていない場合には、第3ストップスイッチが操作されるまでステップS17の判定処理が繰り返される。
なお、ステップS12、S14及びS16において、当選役に入賞するために必要な図柄が引き込み可能な位置にない場合、リール制御部106は、リールの停止を制御するための停止制御情報を用いて、ハズレとなるような図柄の蹴飛ばし制御を行う。
また、特別役のフラグが立っている場合には、上記のリール制御と並行して告知ランプ(図示せず)を激しく点滅させてもよい。また、特別役のフラグが立っている場合に、2個のリールの停止までは有効ライン上に他の特別役の入賞となる図柄の組合せの一部を配列させ、残りの1個のリールの停止において当該他の特別役の入賞とならないように図柄の蹴飛ばし制御を行うことにより、上記特別役のフラグが立っていることを遊技者に知らせるようにしてもよい。
そして、図6−3に示すように、リール制御部106が全ての遊技用リール31L、31C及び31Rの回転を停止させた後、有効ライン上に並んでいる図柄の組合せに基づいて入賞判定部107が入賞の有無を判断する(ステップS17)。この結果、いずれの役の入賞もない場合には、入賞判定部107は、その旨を示す信号をサブ制御基板60に送信する(ステップS18)。一方、何らかの入賞がある場合には、入賞判定部107は入賞している役の情報(入賞役情報)をサブ制御基板60に送信する(ステップS19)。
入賞役が特別役である場合には、特別遊技に移行される(ステップS20、S21)。特別遊技としてはBBゲーム及びRBゲームがあるが、例えば、BBゲームに入賞した場合には、次の遊技から所定の終了条件が満たされるまでの間、BBゲームとしてJACゲームが繰り返し行われる。また、図示しないが、RBに入賞した場合には、JACゲームが連続して12ゲーム実行するか、又はJACゲーム中で合計8回の入賞があると、特別遊技(RBゲーム)は終了し、一般遊技に移行する。このように、RBゲームでは、RBゲームへの移行後の遊技から所定のゲーム数を終了するまでの間、特別遊技(RBゲーム)が実行される。
入賞役が特別役でない場合で、特別役に当選しているそのフラグが立っているときには、特別役のフラグを次遊技に持ち越すこととする(ステップS20、S24)。つまり、フラグ情報記憶部103の記憶状態が保持される。
また、入賞役がリプレイである場合、入賞判定部107は遊技進行制御部102に対して当該遊技でのベット数(賭数)を次遊技に持ち越させる(ステップS25、S26)。一方、入賞役が特別役でもリプレイでもない場合には、払出制御部110が入賞役に応じた枚数のメダルの払い出しをホッパ装置93に行わせる(ステップS25、S27)。その後、フラグ情報記憶部103に記憶されていた当選役の種類及びそのフラグがオンになっているという情報が消去される(ステップS28)。但し、特別役のフラグが立っているという情報は、そのまま消去されずに、保持される。
次に、サブ制御基板60の動作について説明する。図7において、演出制御部202は、スタートスイッチ41の操作信号をメイン制御基板50から受信したか否かを判定する(ステップS101)。スタートスイッチ41の操作信号を受信すると、次に演出制御部202は、当選役情報をメイン制御基板50から受信したか否かを判定する(ステップS102)。なお、ステップS101の判定処理は、スタートスイッチ41の操作信号を受信するまで繰り返し実行される。同じく、ステップS102の判定処理も、当選役情報を受信するまで繰り返し実行される。
当選役情報を受信すると、演出制御部202は、当選役情報に基づいてオブジェクト56L、56C、56Rの回転表示処理と停止表示処理とを決定する(ステップS103)。この回転表示処理と停止表示処理との決定方法の詳細については後述する。
続いて、演出制御部202は、決定した回転表示処理に応じた方法でオブジェクトデータ記憶部203からオブジェクトの静止画像データを読み出し、読み出した順序で静止画像データを演出表示装置80に表示させることにより、オブジェクトを回転表示させる(ステップS104)。
次に、演出制御部202は、第1ストップスイッチの操作信号を受信したか否かを判定する(ステップS105)。第1ストップスイッチの操作信号を受信すると、演出制御部202は、ステップS103にて決定した停止表示処理によって、第1ストップスイッチに対応するオブジェクトを停止表示させる(ステップS106)。
次に、演出制御部202は、第2ストップスイッチの操作信号を受信したか否かを判定する(ステップS107)。第2ストップスイッチの操作信号を受信すると、演出制御部202は、ステップS103にて決定した停止表示処理によって、第2ストップスイッチに対応するオブジェクトを停止表示させる(ステップS108)。
次に、演出制御部202は、第3ストップスイッチの操作信号を受信したか否かを判定する(ステップS109)。第3ストップスイッチの操作信号を受信すると、演出制御部202は、ステップS103にて決定した停止表示処理によって、第3ストップスイッチに対応するオブジェクトを停止表示させる(ステップS110)。
図8は、第1のオブジェクトの回転表示処理(通常の動作表示の態様)を説明するための図である。本実施形態において、この第1のオブジェクトの回転表示処理は、特別役以外の役(ハズレを含む)が当選しているときに、図7のステップS103において比較的高い頻度で決定される処理である。
図8では、6枚の静止画像データがオブジェクトデータ記憶部203に記憶されている例を示している。演出制御部202は、スタートスイッチ41の操作信号を受信し、且つ特別役以外の役の当選を示す当選役情報を受信すると、図8に示す回転表示処理を実行することを高い頻度で決定し、それを実行する。具体的には、演出制御部202は、図8(a)、図8(b)、図8(c)、図8(d)、図8(e)、図8(f)の順に静止画像データをオブジェクトデータ記憶部203から高速に読み込み、読み込んだ時点及び順序で演出表示装置80に表示させることを決定して、これを実行する。この処理を繰り返すことでオブジェクトが右まわりに回転して見えるように表示させることができる。
図9及び図10は、第1のオブジェクトの停止表示処理(通常の停止表示の態様)を説明するための図である。本実施形態において、この第1のオブジェクトの停止表示処理は、特別役以外の役(ハズレを含む)が当選しているときに、図7のステップS103において比較的高い頻度で決定される処理である。
例えば、図9の(a)の静止画像データが表示されている時点にストップスイッチが操作された場合、演出制御部202は、図9の(c)の静止画像データ、図9の(e)の静止画像データを低速に読み込み、読み込んだ順序で演出表示装置80に表示する。最後に所定の画像データである図9の(a)の静止画像データを同じく低速で読み込み、演出表示装置80に表示する。本実施形態では、このように間欠的に静止画像データを読み込み、演出表示装置80に表示することによって、オブジェクトが動作して表示される状態から停止して表示される状態までを表現している。第1のオブジェクトの停止表示処理においては、ストップスイッチ42L、42C、42Rの操作に応じて、オブジェクト56L、56C、56Rの動作状態が低速化していき、最終的に所定の表示状態(図9の(a)の静止画像データを表示した状態)で停止表示される状態を自然に表現することが可能となる。
以上のような処理をサブ制御基板60において行うことにより、オブジェクト56L、56C及び56Rがスタートスイッチ41とストップスイッチ42L、42C及び42Rとの操作に応じて回転表示及び停止表示される。図10は、オブジェクト56L、56C及び56Rの回転表示と停止表示との様子を概念的に示す図である。図10の例では、第1ストップスイッチとしてストップスイッチ42Lが操作され、それに対応する56Lが停止表示した場合を示している。その他のオブジェクト56C及び56Rは、第2、第3ストップスイッチの操作に応じて停止表示されることになる。
図11は、第2のオブジェクトの回転表示処理(特定の動作表示の態様)を説明するための図である。本実施形態において、この第2のオブジェクトの回転表示処理は、特別役が当選しているときに、図7のステップS103において比較的高い頻度で決定される処理である。
演出制御部202は、スタートスイッチ41が操作され、特別役の当選を示す当選役情報を受信すると、図11に示す回転表示処理を実行することを高い頻度で決定し、それを実行する。具体的には、演出制御部202は、図8に示した静止画像データの読み込み順序及び表示順序とは逆の順序で静止画像データを高速に読み込み、表示させる。このようにすることで、演出表示装置80上においては、各オブジェクト56L、56C、56Rが左まわりに回転して見えるように表示させることができる。
図12は、第2のオブジェクトの停止表示処理(特定の停止表示の態様)を説明するための図である。本実施形態において、この第2のオブジェクトの停止表示処理は、特別役が当選しているときに、図7のステップS103において比較的高い頻度で決定される処理である。
第1のオブジェクトの停止表示処理においては、各ストップスイッチ42L、42C及び42Rが操作されると、図9を用いて説明した処理を行って、全てのオブジェクト56L、56C及び56Rが最終的に同じ所定の表示状態(図9の(a)の静止画像データを表示した状態)で停止表示するが、第2のオブジェクトの停止表示処理においては、第1、第2ストップスイッチの操作によって第1のオブジェクトの停止表示処理と同じ表示状態(図9の(a)の静止画像データを表示した状態)で停止表示し、第3ストップスイッチの操作によって停止するオブジェクトのみをそれらとは異なる表示状態(図9の(c)の静止画像データを表示した状態)で停止表示する。
ところで、図7のステップS103においては、演出制御部202は、当選役情報に基づいて、第1のオブジェクトの回転表示処理及び停止表示処理を実行するか、第2のオブジェクトの回転表示処理及び停止表示処理を実行するかを抽選によって決定している。この抽選の際には、特別役が当選している際には、第1のオブジェクトの回転表示処理及び停止表示処理より第2のオブジェクトの回転表示処理及び停止表示処理の方が高い頻度で当選する抽選テーブルを用いて抽選を行い、特別役以外の役が当選している際には、第2のオブジェクトの回転表示処理及び停止表示処理より第1のオブジェクトの回転表示処理及び停止表示処理の方が高い頻度で当選する抽選テーブルを用いて抽選を行う。
以上のように、本実施形態においては、オブジェクト56L、56C及び56Rの回転表示及び停止表示の態様の変化によって、特別役の当選に関する期待度を報知することができる。
なお、第2のオブジェクトの回転表示処理及び停止表示処理は、上述した例に限定されない。例えば、第2のオブジェクトの回転表示処理として、一部のオブジェクトを他のオブジェクトとは異なる方向に回転させたりしてもよい。また、第2のオブジェクトの停止表示処理として、操作されたストップスイッチとは対応しない位置のオブジェクトを停止表示させたり、一部又は全部のオブジェクトをストップスイッチの操作時点から通常より多く回転させて停止表示させるようにしてもよい。このように、第2のオブジェクトの回転表示処理及び停止表示処理として様々なバリエーションが考えられる。
また、第1のオブジェクトの回転表示処理及び停止表示処理も上述した例に限らない。本発明は、第1のオブジェクトの回転表示処理及び停止表示処理と第2のオブジェクトの回転表示処理及び停止表示処理とを異ならせば、一定の効果を奏することができるため、その思想の範疇内において様々な変形例をとり得ることは勿論である。
上述した実施形態においては、第2の演出モード時において、スタートスイッチ41とストップスイッチ42L、42C及び42Rとの操作に応じて可変表示される複数のオブジェクト56L、56C及び56Rを表示し、更に、その第2の演出モード時には、役の抽選結果に基づいて、オブジェクト56L、56C及び56Rの表示態様を決定するように構成している。このように構成したので、本実施形態によれば、遊技者は、スタートスイッチ41とストップスイッチ42L、42C及び42Rとの操作に関する情報とともに、役の抽選結果に関する情報もオブジェクト56L、56C及び56Rの表示態様から得ることが可能となる。
具体的には、本実施形態においては、スタートスイッチ41の操作に応じて、ストップスイッチ42L、42C及び42R夫々に対応する複数のオブジェクト56L、56C及び56Rを動作させて表示し、ストップスイッチ42L、42C及び42Rの操作に応じて何れかを停止させるように構成している。従って、遊技者は、オブジェクト56L、56C及び56Rが停止していればスタートスイッチ41が操作できる状態にあることを把握することができ、また、オブジェクト56L、56C及び56Rが動作していればストップスイッチ42L、42C及び42Rが操作できる状態にあることを把握することが可能となる。
ここで、ストップスイッチ42L、42C及び42Rの操作に応じて、操作されたストップスイッチに対応する位置に表示されるオブジェクト56L、56C及び56Rを停止させるようにした場合には、遊技者は、停止したオブジェクトから直感的に操作したストップスイッチがどれであるかを把握することが可能となる。
また、本実施形態においては、役の抽選結果に基づいて、オブジェクト56L、56C及び56Rの回転表示処理を第1の回転表示処理とするか第2の回転表示処理とするかを決定するように構成している。従って、本実施形態によれば、第1の回転表示処理であるか第2の回転表示処理であるかによって、役の抽選結果を予測乃至把握することが可能となる。
また、本実施形態においては、役の抽選結果に基づいて、オブジェクト56L、56C及び56Rの停止表示処理を第1の停止表示処理とするか第2の停止表示処理とするかを決定するように構成している。従って、本実施形態によれば、第1の停止表示処理であるか第2の停止表示処理であるかによって、役の抽選結果を予測乃至把握することが可能となる。
さらに、本実施形態においては、複雑な表現を必要とする演出用リールを表示するより、複数枚の静止画像データで表現可能なオブジェクト56L、56C及び56Rによってスタートスイッチ41及びストップスイッチ42L、42C及び42Rの操作に関する情報を遊技者に提供することができるため、必要とするメモリ容量やCPUの負荷を削減することが可能となる。
更に、本発明の実施形態は、コンピュータがプログラムを実行することによって実現することができる。また、プログラムをコンピュータに供給するための手段としては、例えば、かかるプログラムを記録したCD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体や、かかるプログラムを伝送するインターネット等の伝送媒体が挙げられる。