JP2008245446A - 電子機器、及び電子機器における電動機の制御方法 - Google Patents

電子機器、及び電子機器における電動機の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電源投入後最初の電動機の蓄熱量を適切に設定できる電子機器、及び電子機器における電動機の制御方法を提供する。
【解決手段】電源オン時に、ヘッドサーミスタの検出値からヘッド温度H2を取得する(S21)。次に電源オフ時に記憶したモータ蓄熱量M1とヘッド温度H1とを読み出す(S22)。電源オフ時と電源オン時のヘッド温度H1,H2の差(=H1−H2)が一定温度以上であるか否かを判断する(S23)。その差が一定温度以上であれば、電源オン時のモータ蓄熱量M2をリセットし(M2=0)(S24)、一方、その差が一定温度未満であれば、電源オン時のモータ蓄熱量M2として電源オフ時のモータ蓄熱量M1を設定する(M2=M1)(S25)。
【選択図】図6

Description

本発明は、電動機を備える電子機器、及び該電子機器における電動機の制御方法に関する。
従来、モータなどの電動機を備える電子機器として、記録媒体(例えば用紙)に印刷を施す記録装置が知られている。この種の記録装置には、記録媒体を搬送するためのモータ(所謂紙送りモータ)及び記録ヘッドを移動させるためのモータ(所謂キャリッジモータ)などが設けられている。これら各モータは、多数の印刷ジョブを連続して処理する場合には発熱量の方が放熱量よりも多くなって過熱状態に陥ることがある。そのため、こうした記録装置では、モータの駆動態様に基づき演算したモータの蓄熱量が予め設定された蓄熱量閾値を超えた場合に、モータからの発熱を制限するための発熱制限制御が実行されるようになっていた。
ところで、記録装置の電源が遮断(電源オフ)された後、モータに蓄熱された熱が徐々に放熱される。そのため、電源オフの状態が比較的長い場合(例えば1日以上続いた場合)には、モータの放熱が十分に行われたため、記録装置の駆動が開始された時点のモータの蓄熱量は、ほぼ「0(零)」になっている。その一方で、電源オフの状態が比較的短かった場合(例えば5分程度であった場合)、モータからの放熱が十分ではない可能性があるため、記録装置の駆動が開始された時点では、モータに熱が未だ蓄積されている可能性があった。
そこで、このような記録装置では、電源オフにするために電源スイッチ(操作手段)が操作された場合、その電源オフ時におけるモータの蓄熱量が不揮発性メモリに記憶されてから電源オフするようになっている。その後、ユーザが記録装置を使用するために電源スイッチが再び操作して電源オンした場合には、不揮発性メモリから読み出された蓄熱量を初期値として、記録装置の動作開始後におけるモータの蓄熱量が演算されるようになっていた(例えば、特許文献1参照)。
そのため、電源オフになってから電源オンになるまでの電源オフ時間が比較的短い状態(例えば5分程度)で電源オンになった場合、不揮発性メモリから読み出された蓄熱量は、電源オンになった直後のモータの実際の蓄熱量(以下、実蓄熱量という)よりも僅かに多いだけである。したがって、特許文献1に記載の記録装置では、電源オフ時間が短い場合、モータの駆動によりモータの実蓄熱量が蓄熱量閾値以上になるタイミングに近いタイミングで上記発熱制限制御が実行されるようになっていた。
特開2003−79187号公報
ところが、特許文献1に記載の記録装置では、電源オフ時間が長くなるほど、次に電源オンになった時点のモータの蓄熱量(電源オフ時の蓄熱量)とモータの実蓄熱量とでは、大きく異なることになる。そのため、電源オフ時間が比較的長い場合には、モータの実蓄熱量が蓄熱量閾値以上になっていないにも拘わらず、演算されたモータの蓄熱量が蓄熱量閾値以上になって発熱制限制御が誤ったタイミングで実行される虞があった。この場合、発熱制限制御が実行される結果、速やかに印刷を行いたいユーザの意志に反して、印刷が開始されなかったり、印刷速度が遅くなってしまったりする虞があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、電源投入後最初の電動機の蓄熱量を適切に設定できる電子機器、及び電子機器における電動機の制御方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の電子機器は、電動機と、前記電動機以外のアクチュエータと、前記アクチュエータの温度を検出する検出手段と、前記電動機の蓄熱量を経時的に演算する蓄熱量演算手段と、電源のオンオフ操作を行うための操作手段と、前記操作手段の操作に基づき電源の投入及び遮断を制御するとともに、前記電動機及び前記アクチュエータを駆動させて両者の協働により電子機器を動作させる制御手段と、
前記操作手段のオフ操作に基づく電源遮断時に前記蓄熱量を記憶手段に記憶する電源遮断時処理手段と、前記電源遮断後、次回のオン操作に基づき電源が投入されると、前記検出手段の検出温度に基づき前記電動機の蓄熱量が所定値未満に低下しているか否かを判定し、前記蓄熱量が前記所定値未満でないと判定すれば、前記蓄熱量演算手段が電源投入後最初の演算で用いる蓄熱量の初期値として前記記憶手段に記憶された前記蓄熱量を設定し、前記蓄熱量が所定値未満であると判定すれば、前記初期値として前記所定値未満の蓄熱量に応じた設定値を設定する電源投入時処理手段とを備え、前記蓄熱量演算手段は、前記電源投入時処理手段が設定した初期値を電源投入後最初の演算に用いて前記蓄熱量を演算することを要旨とする。
この発明によれば、電源遮断時処理手段は、電子機器の電源遮断時における電動機の蓄熱量を記憶手段に記憶する。この電源遮断後、電子機器の電源が再投入されると、電源投入時処理手段は、アクチュエータの検出温度に基づき電動機の蓄熱量が所定値未満であるか否かを判定する。電動機の蓄熱量が所定値未満であると判定されれば、電源投入後最初の演算で用いる電動機の蓄熱量の初期値として、記憶手段に記憶された電源遮断時の蓄熱量が設定され、一方、電動機の蓄熱量が所定値未満であると判定されなければ(つまり蓄熱量が所定値以上と判定されれば)、初期値として所定値未満の蓄熱量に応じた設定値(一例として電動機に蓄熱がないとみなす値)が設定される。そして、蓄熱量演算手段によって、この初期値を電源投入後最初の演算に用いて電動機の蓄熱量の演算が行われる。よって、電源投入後最初の電動機の蓄熱量を適切に設定できる。
本発明の電子機器では、前記電子機器はホスト装置と通信可能に接続されて使用されるとともに、前記ホスト装置から時刻情報を取得する時刻情報取得手段を更に備え、前記電源遮断時処理手段は、前記電源遮断時における前記蓄熱量及び時刻情報を前記記憶手段に記憶し、前記電源投入時処理手段は、前記電源投入後、前記記憶手段に記憶する前記時刻情報と前記時刻情報取得手段が取得した現在の時刻情報とに基づき定まる電源遮断時間が所定時間を超え、かつ前記検出手段の検出温度に基づき前記蓄熱量が前記所定値未満であると判定されるという条件を満たすかどうかを判断し、前記条件を満たせば、前記設定値を初期値として設定し、前記条件を満たさなければ、前記記憶手段に記憶する前記蓄熱量を初期値として設定することが好ましい。
この発明によれば、電子機器の電源が投入されると、電源投入時処理手段は、記憶手段に記憶された電源遮断時の時刻情報と、時刻情報取得手段が取得した現在(電源投入時)の時刻情報とから求まる電源遮断時間が所定時間を超え、かつ検出手段の検出温度に基づき蓄熱量が所定値未満であると判定されるという条件を満たすかどうかを判断する。そして、この条件を満たす場合に所定値未満の蓄熱量に応じた設定値が初期値として設定される。例えばホスト装置の時刻情報が時刻を進めるように変更され、電源遮断時間が所定時間を超えても、このとき、検出手段の検出温度に基づき蓄熱量が所定値未満であるとは判定されないので、誤って初期値として設定値が設定されることを回避できる。
本発明の電子機器では、前記電源遮断時処理手段は、電源遮断時の前記検出温度をも前記記憶手段に記憶し、前記電源投入時処理手段は、前記記憶手段に記憶する電源遮断時の検出温度と、電源投入時の検出温度との差が、所定の閾値を超えるか否かを判断し、前記差が前記所定の閾値を超える場合に前記初期値として前記設定値を設定し、前記差が前記所定の閾値を超えない場合に前記初期値として前記電源遮断時の蓄熱量を設定することが好ましい。
この発明によれば、電源投入時処理手段は、電源遮断時の検出温度と電源投入時の検出温度との差が、所定の閾値を超えるか否かを判断する。そして、その検出温度の差が所定の閾値を超え、アクチュエータの一定以上の温度降下(つまり蓄熱量降下)が認められたときに、電源投入時における電動機の蓄熱量の初期値として設定値が設定される。よって、電源投入後最初の電動機の蓄熱量をより一層適切に設定できる。
電源投入時処理手段は、前記電源投入時の検出温度が温度閾値以下であるか否かを判断し、前記検出温度が前記温度閾値以下であれば、前記初期値として前記設定値を設定し、前記検出温度が前記温度閾値を超えていれば、前記初期値として前記電源遮断時の蓄熱量を設定することが好ましい。
この発明によれば、電源投入時にアクチュエータの検出温度が温度閾値以下であれば、初期値として設定値が設定され、一方、電源投入時にアクチュエータの検出温度が温度閾値を超えれば、電動機の蓄熱量の初期値として電源遮断時の蓄熱量が設定される。
本発明の電子機器では、前記電源投入時処理手段は、前記設定値として、前記電動機に蓄熱がないとみなすリセット値を設定することが好ましい。
この発明によれば、アクチュエータの検出温度に基づき電動機の蓄熱量が所定値未満であると判定されれば、電動機に蓄熱がないとみなすリセット値が設定される。
本発明の電子機器では、前記制御手段は、前記蓄熱量演算手段によって演算された前記蓄熱量が予め設定された蓄熱量閾値を超えた場合、前記電動機の蓄熱量の増加を抑制する蓄熱量増加抑制制御を実行することが好ましい。
この発明によれば、電動機の蓄熱量が蓄熱量閾値を超えると、蓄熱量増加抑制制御が実行されるので、電動機の蓄熱量がそれ以上増加することを抑制できる。
本発明の電子機器では、前記制御手段は、前記蓄熱量増加抑制制御として、前記電動機の駆動を継続しつつも前記電動機の駆動の合間に一時的な休止を付与する制御を行うことが好ましい。
この発明によれば、蓄熱量増加抑制制御として、電動機の駆動は継続しつつも電動機の駆動の合間に一時的な休止を付与する制御が行われるので、電子機器の動作を継続しつつ電動機の蓄熱量増加を効果的に抑制できる。
本発明の電子機器は、記録装置であり、記録媒体に対して記録を施す記録ヘッドと、前記記録ヘッドと前記記録媒体とを相対移動させる移動手段とを備え、前記電動機は前記移動手段の動力源であり、前記アクチュエータは前記記録ヘッドであることが好ましい。
この発明によれば、記録装置の電源投入時に、記録ヘッドの検出温度に基づき移動手段の動力源である電動機の蓄熱量が所定値未満であると判定されれば、電動機の蓄熱量の初期値として設定値が設定され、蓄熱量が所定値未満でないと判定されれば、電動機の蓄熱量の初期値として電源遮断時の蓄熱量が設定される。よって、記録装置における電動機の蓄熱量の初期値を適切に設定できる。
本発明は、電動機と、該電動機以外のアクチュエータと、前記アクチュエータの温度を検出する検出手段と、電源のオンオフ操作を行うための操作手段と、前記操作手段の操作に基づく電源の投入及び遮断の制御を行うとともに、前記電動機と前記アクチュエータを駆動させて両者の協働により電子機器を動作させる制御手段とを備えた電子機器における電動機の制御方法であって、
前記電動機の蓄熱量を経時的に演算する蓄熱量演算ステップと、
前記操作手段のオフ操作に基づく電源遮断時に前記蓄熱量を記憶手段に記憶する電源遮断時処理ステップと、
前記電源遮断後の次回の電源投入時に、前記検出手段の検出温度に基づき前記蓄熱量が所定値以下であるか否かを判断し、前記蓄熱量が前記所定値以下と判断すれば、前記記憶手段に記憶する前記蓄熱量を電源投入後最初の演算に用いる初期値に設定し、前記蓄熱量が前記閾値以下と判断すれば、前記所定値以下の蓄熱量に応じた設定値を初期値に設定する電源投入時処理ステップとを備え、
前記電源投入後における前記蓄熱量演算ステップでは、前記電源投入時処理ステップで設定した前記初期値を電源投入後最初の演算に用いて前記蓄熱量を演算することを要旨とする。この発明によれば、電子機器の発明と同様の効果が得られる。
本発明の制御方法では、前記電子機器は、ホスト装置と通信可能に接続されて使用されるとともに、前記ホスト装置から時刻情報を取得可能に構成され、
前記電源遮断時処理ステップでは、電源遮断時の時刻情報を前記記憶手段に記憶し、
前記電源投入時処理ステップでは、前記電源投入時に、前記ホスト装置から取得した時刻情報と、前記記憶手段の時刻情報とに基づき電源遮断時間を求めるとともに、該電源遮断時間が所定時間を超え、かつ前記検出手段の検出温度に基づき前記蓄熱量が前記所定値以下であると判断されるという条件を満たすかどうかを判断し、前記条件を満たせば、前記設定値を前記初期値として設定し、前記条件を満たさなければ、前記記憶手段に記憶する前記蓄熱量を前記初期値として設定することが好ましい。この発明によれば、時刻情報取得手段を備えた上記電子機器の発明と同様の効果が得られる。
(第1実施形態)
以下、本発明の電子機器及び電動機の制御方法を具体化した第1実施形態を図1〜図7に基づいて説明する。
図1に示すように、電子機器としての記録装置(以下、プリンタ11と称す)は、インクジェット式プリンタであって、平面視矩形状をなす本体ケース12を備えている。この本体ケース12内には、ガイド軸13に案内されて主走査方向Xに往復動可能なキャリッジ14が設けられている。このキャリッジ14は、電動機としてのキャリッジモータ(以下、CRモータ15という)が駆動されることにより回転駆動される無端状のタイミングベルト16の一部に固定されており、CRモータ15の正逆転駆動によりキャリッジ14が主走査方向Xに往復動する。
キャリッジ14の下部には、インクジェット方式の記録ヘッド17が設けられると共に、キャリッジ14の上部には、記録ヘッド17にインクを供給するためのインクカートリッジ18が着脱可能に装填されている。記録ヘッド17はその下面に開口する複数のノズルごとに吐出駆動素子を内蔵し、各吐出駆動素子が駆動されることで、インクカートリッジ18から記録ヘッド17に供給されたインクがノズルから、記録媒体としての用紙19に向かって噴射(吐出)される。なお、インク吐出駆動方式は、吐出駆動素子として圧電素子(ピエゾ素子)を用いてインク滴を噴射する圧電方式、静電駆動素子を用いてインク滴を噴射する静電方式、さらにはノズル内のインクをヒーターで加熱して気泡を発生させてインク滴を噴射するサーマル方式でもよい。
キャリッジ14の下方には、記録ヘッド17と用紙19との間隔(ギャップ)を規定するプラテン20が配置されている。キャリッジ14が印字を行わない休止時の待機位置であるホームポジションに相当する位置には、記録ヘッド17のクリーニングを含むメンテナンスを行うメンテナンス装置21が配設されている。
本体ケース12の背面下部には、電動機としての紙送りモータ(以下、PFモータ22という)が配設されている。用紙19は、PFモータ22の駆動によって回転する複数対の搬送ローラによって、搬送方向(副走査方向Y)へ搬送される。そして、キャリッジ14の移動中に記録ヘッド17からインク滴を噴射させながら行われる印字動作(記録動作)と、用紙19の搬送方向への紙送り動作とが交互に行われることで、用紙19に印刷が施される。また、本体ケース12内には、ガイド軸13に沿ってリニアエンコーダ24が設けられている。リニアエンコーダ24は、キャリッジ14の移動距離に比例する数のパルスを出力し、プリンタ11ではその出力パルスを検出して把握されるキャリッジ14の移動位置、移動速度及び移動方向に基づいて、キャリッジ14の速度制御及び位置制御が行われる。なお、記録ヘッド17を主走査方向Xへ移動させる機構を構成する、キャリッジ14、ガイド軸13、タイミングベルト16、及び用紙19を副走査方向Yへ移動させる機構を構成する搬送ローラ等により、移動手段が構成される。そして、CRモータ15及びPFモータ22が移動手段の動力源として機能する。
次に、本実施形態のプリンタ11の電気的構成について図2に基づき説明する。
図2に示すように、プリンタ11は、該プリンタ11を統括制御する制御装置30を備えている。この制御装置30の入力側インターフェース(図示略)には、記録ヘッド17の温度の検出する検出手段としてのヘッドサーミスタ31、リニアエンコーダ24、PFモータ22の回転を検出するロータリエンコーダ32、操作手段としての電源スイッチ35などが電気的に接続されている。また、制御装置30の出力側インターフェース(図示略)には、記録ヘッド17、CRモータ15及びPFモータ22などが電気的に接続されており、制御装置30は、記録ヘッド17、CRモータ15及びPFモータ22の駆動を個別に制御する。
制御装置30は、電源コードなどを介して交流電源60と電気的に接続される電源回路34を備えており、電源スイッチ35のオンオフ操作に基づくオンオフ信号に基づいて電源回路34を制御して、電源の投入及び電源の遮断を制御する。また、制御装置30は、記録ヘッド17の駆動を制御するためのヘッドドライバ36と、CRモータ15の駆動を制御するためのCR用モータドライバ37と、PFモータ22の駆動を制御するためのPF用モータドライバ38と、マイクロコンピュータなどから構成される制御回路40とを備えている。なお、電源回路34は、交流電源60(例えば100V)から入力した交流電圧を所定の直流電圧に変換し、各ドライバ36,37,38や制御回路40に、それぞれに対応する所定電圧値の直流電圧を個別に供給する。
制御回路40は、CPU、ROM、RAM、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)及び不揮発性メモリ(例えばEEPROM)などを備えた構成とされている。そして、制御回路40は、ハードウェア及びソフトウェアのうち少なくとも一方によりそれぞれ実現される機能部分として、制御部41、ヘッド用制御部42、CR用モータ制御部43、CR用蓄熱量演算部44、CR用メモリ45、CR用タイマ46、PF用モータ制御部47、PF用蓄熱量演算部48、PF用メモリ49及びPF用タイマ50を備えている。
また、本実施形態のプリンタ11は、ホスト装置70と通信ケーブル55を介して通信可能に接続され、ホスト装置70内のプリンタドライバ71から印刷データを受信する。また、プリンタ11はメモリカードスロットにセットされたメモリカードから読み込んだ画像の印刷も可能となっている。ホスト装置70は、例えばパーソナルコンピュータ(以下、PCと称す)からなり、時計機能を実現する時計回路72を備えている。プリンタ11は電源オン状態においてはホスト装置70から時計回路72が出力する時刻情報としての時刻データを受信可能に構成されている。
制御部41は、ホスト装置70から通信インターフェイス51を介して印刷データを受信すると、ラスタデータとコマンドとに分け、ラスタデータをヘッド用制御部42に転送すると共に、コマンドに従って各モータ制御部43,47にそれぞれキャリッジ動作及び搬送動作(紙送り動作)のためのモータ制御を指示する。
また、制御部41は、電源オフ中に電源スイッチ35がオン操作されたときのオン信号を入力した場合には電力供給が開始されるように電源回路34を制御する。一方、制御部41は、電源オン中に電源スイッチ35がオフ操作されたときのオフ信号を入力した場合には電力供給を遮断すべく電源回路34を制御する。
ヘッド用制御部42は、制御部41から転送されたラスタデータをヘッドドライバ36へ転送して、ヘッドドライバ36にラスタデータに基づき記録ヘッド17(つまり内蔵された吐出駆動素子)を駆動させ、各ノズルからインク滴を噴射させる噴射制御を行う。
各モータ制御部43,47は、制御部41からの制御指令に基づきモータドライバ37,38を介してモータ15,22の駆動(即ち、回転方向や駆動量、駆動速度など)をそれぞれ制御する。CR用モータ制御部43は、リニアエンコーダ24から入力した出力パルスを基にCRモータ15の駆動速度(回転速度)を検出しており、検出したその駆動速度に関する情報をCR用蓄熱量演算部44に転送する。また、PF用モータ制御部47は、紙送り機構の回転軸に設けられたロータリエンコーダ32から入力した出力パルスを基に検出したPFモータ22の駆動速度(回転速度)に関する情報をPF用蓄熱量演算部48に転送する。
各蓄熱量演算部44,48は、各モータ15,22の蓄熱量を個別に演算する。CR用蓄熱量演算部44は、キャリッジ14を一方向へ一回移動させて1パスの印字動作を行った場合、その1パスの印字動作に要したCRモータ15の駆動時間をCR用タイマ46から取得する。そして、CR用蓄熱量演算部44は、CR用モータ制御部43から取得したCRモータ15の駆動速度(定速域速度)と、CR用タイマ46から取得した1パス分の駆動時間とに基づいて、ROM又は不揮発性メモリ等のメモリの所定領域に記憶されたテーブル(例えば図3に示すテーブルHT)を参照して、CRモータ15のキャリッジ1パス当たりの発熱量を演算する。
また、PF用蓄熱量演算部48は、PFモータ22の一回駆動されたときの駆動時間をPF用タイマ50から取得する。そして、PF用蓄熱量演算部48は、PF用モータ制御部47から取得したPFモータ22の駆動速度と、PF用タイマ50から取得した一回駆動当たりの駆動時間とに基づいて、ROM又は不揮発性メモリ等のメモリの所定領域に記憶されたテーブル(例えば図3に示すものと同様のPF用のテーブルHT)を参照して、PFモータ22の紙送り一回当たりの発熱量を演算する。
各メモリ45,49は、電源オフになっても消去されるべきではない情報が記憶される記憶領域であって、不揮発性メモリによりそれぞれ構成されている。
各タイマ46,50は、クロック回路からのクロック信号等に基づき計数処理を行うカウンタ、あるいはタイマ処理用のプログラムを実行するCPUにより構成されている。各タイマ46,50は、モータ15,22の一駆動当たりの各駆動時間を計時する他、蓄熱量演算部44,48が前回のモータ蓄熱量を演算した時点からの経過時間を計時する。蓄熱量演算部44,48は、その経過時間が単位時間に達する度に、それまでモータ15,22の一駆動ごとの発熱量を積算した積算値(単位時間当たりのモータ発熱量)を、前回のモータ蓄熱量に加えるなどの所定の演算を行って、モータ蓄熱量を単位時間ごとに更新する。
次に、CRモータ15の一駆動当たりの発熱量をCR用蓄熱量演算部44が演算する際に使用するテーブルHTについて、図3に基づき説明する。図3に示すテーブルHTは、CRモータ15の駆動速度Vn(nは、「0(零)」以上の正数)と、CRモータ15の駆動時間STm(mは「0(零)」以上の正数)とから、1回(1パス)の印字動作当たりのCRモータ15の発熱量GQnmを推定するためのテーブルである。つまり、1パスにおけるCRモータ15の駆動速度と駆動時間とから、テーブルHTを参照することで、CRモータ15のその1パス当たりの発熱量GQnmを取得できる。具体的には、CR用蓄熱量演算部44は、キャリッジ14の1回の印刷動作が終了したことを契機に転送されてくる駆動速度V1、及びCR用タイマ46から取得した駆動時間ST0に対応するCRモータ15の発熱量GQ10を図2に示すテーブルHTから読み出す。また、他の方法としては、モータを駆動する前に1パスの発熱量GQnmを演算してもよく、印刷データに基づき特定される印刷開始位置と印刷終了位置から、そのパスの移動距離が分かるので、その移動距離とそのとき適用されている印刷モードに応じた駆動速度とから駆動時間を求めることができる。駆動速度は、印刷モードに応じた駆動速度を用いる。なお、PFモータ22のように、用紙19の移動距離(搬送距離)に応じて駆動速度が変わる場合は、その移動距離に応じた駆動速度を用いればよい。このように一駆動分の発熱量GQnmを事前に求められれば、次回の一駆動を行う前にモータ蓄熱量が所定の閾値を超えるか否かの判断を事前に行えるので、閾値を超えなくなるまでCRモータ15を休止させることにより、後述する発熱制限制御を効果的に行うことができる。
本実施形態では、紙送り一回当たりのPFモータ22の発熱量を求めるためのテーブル(図示せず)もROM又は不揮発性メモリの所定領域に記憶されている。そして、PF用蓄熱量演算部48は、PFモータ22の駆動終了時に転送されてきたPFモータ22の駆動速度、及びPF用タイマ50から取得した駆動時間に対応するPFモータ22の発熱量をPFモータ22用のテーブルから読み出す。
モータ蓄熱量算出用の計算式として、印刷動作中に使用される発熱系の計算式と、待機時に使用される放熱系の計算式とがメモリに記憶されている。発熱系の場合、今回のモータ蓄熱量Mpreを求める計算式は、前回の蓄熱量Mlastを用いて、次式で示される。
Mpre=Mlast×αm+ΔM … (1)
ここで、αmはモータの放熱係数、ΔMは単位時間To当たりの発熱量である。放熱係数αmは、単位時間To経過前後における蓄熱量の比率(0<αm<1)を示す係数であって、本実施形態では実験により求めた値を採用している。前述のようにモータの駆動速度と駆動時間とから、テーブルHTを参照して得られる1パス分の発熱量GQjk(j=1〜n;k=1〜m)を毎パス積算し、単位時間Toを経過する度にそれまでの積算値(GQjk(1)+GQjk(2)+…+GQjk(N))を、単位時間To当たりの発熱量ΔMとする。そして、この単位時間To当たりの発熱量ΔMを用いて、上記(1)式に従って今回のモータ蓄熱量Mpreを演算する。発熱量ΔMは単位時間Toごとにリセットされる。例えば単位時間To経過時点で、キャリッジ14が移動中の場合がありうるが、ルールさえ決めてあれば、そのパスの発熱量GQjkは、今回分に入れても、次回分に入れてもどちらでもよい。また、単位時間Toは適宜設定でき、本実施形態では、例えば10秒〜2分の範囲内の値(例えば1分)に設定している。
また、待機時(非印刷動作時)における放熱系の計算式は、次式で与えられる。
Mpre=Mlast×αm^(T/To) …(2)
ここで、Tは前回の蓄熱量Mpreを演算した時点からの経過時間である。また、式(2)中の演算記号「^」は累乗を示す。電源オン中はモータの駆動停止後、上記(2)式の演算は、単位時間Toごとに実行されるので、今回のモータ蓄熱量Mpreは、式 Mpre=Mlast×αm により与えられる。
次に、本実施形態の制御回路40(制御部41)が実行する各制御処理について図4〜図6に示すフローチャート及び図7に示すグラフに基づき説明する。図4は、電源オン中に所定周期(単位時間To)毎に実行される蓄熱量演算処理ルーチンを示す。図5は、電源スイッチ35がオフ操作された場合に実行される電源オフ時処理ルーチン、図6は、前述の電源オフ時処理ルーチンを終えた電源オフ後、次回、電源スイッチ35がオン操作されたときに実行される電源オン時処理ルーチンを示す。また、図7に示すグラフは、電源オフ後に電源オンするような電源オフ期間を挟んだ過程において、時間tとモータ蓄熱量との関係(同図の上段)、及び時間tとヘッドサーミスタ温度(ヘッド温度)との関係(同図の下段)を示したものである。タイマ46,50の計時動作が停止している電源オフ中の経過時間は求めることができないので、図5及び図6に示された各処理ルーチンを実行することにより、図7(a)に示す電源オフ時間が短い場合でも、図7(b)に示す電源オフ時間が長い場合でも、電源オン時に適切なモータ蓄熱量の初期値を設定できるようにしている。なお、図5及び図6のフローチャート及び図7のグラフにおいては、電源オフ時の蓄熱量MpreをM1、電源オン時の蓄熱量MpreをM2と示している。
まず始めに、蓄熱量演算処理について図4に示すフローチャートに基づき説明する。
さて、制御部41は、プリンタ11が電源オン状態にあるときに蓄熱量演算処理を単位時間毎に実行する。この蓄熱量演算処理において、まず、制御部41は、印刷中であるか否かを判定する(ステップS1)。例えばプリンタ11が印刷データを受信して印刷動作を開始する際に印刷中フラグがオンされ、印刷動作が全て終了すると印刷中フラグがオフされる。制御部41は、この印刷中フラグの値から印刷中であるか否かを判定する。なお、印刷中フラグは、例えば電源オン直後の初期設定のためにCRモータ15が駆動されるときなど、発熱を無視できない印刷以外のモータ駆動時にもオンされる。
ステップS1の判定結果が肯定判定、すなわち印刷中である場合、制御部41からの指示に従ってCR用蓄熱量演算部44は、上記(1)式を用いた第1演算(発熱系演算)を行ってCRモータ15の蓄熱量Mpreを求め、該蓄熱量MpreをRAMの所定領域に記憶する(ステップS2)。具体的には、CR用蓄熱量演算部44は、キャリッジ14の1回(本例では1パス)の駆動が終了したことを契機に転送されてきた駆動速度Vj及び駆動時間STkに対応するCRモータ15の発熱量GQjkを図3に示すテーブルHTから読み出す。そして、この発熱量GQjkを毎パス(毎駆動)積算しており、単位時間Toを経過する度に、それまでの積算値(GQjk(1)+GQjk(2)+…+GQjk(N))を単位時間当たりの発熱量ΔMとして取得する。CR用蓄熱量演算部44は、RAMの所定領域に記憶された前回の蓄熱量Mlastを読み出し、上記(1)式に基づく計算を行って、今回の蓄熱量Mpre(=Mlast×αm+ΔM)を取得する。そして、この蓄熱量MpreをRAMの所定領域に上書き記憶する。
一方、判定結果が否定判定、すなわち印刷中でない場合、制御部41からの指示に従ってCR用蓄熱量演算部44は、上記(2)式を用いた第2演算(放熱系演算)を行ってCRモータ15の蓄熱量Mpreを求め、該蓄熱量MpreをRAMの所定領域に記憶する(ステップS3)。具体的には、CR用蓄熱量演算部44は、単位時間Toごとに前回の蓄熱量MlastをRAMから読み出し、今回の蓄熱量Mpre(=Mlast×αm)を演算するとともに、これをRAMの所定領域に上書き記憶する。なお、本実施形態では、CR用蓄熱量演算部44が蓄熱量演算手段として機能し、またステップS2,S3が蓄熱量演算ステップに相当する。
続いて、制御部41は、CRモータ15の現時点の蓄熱量Mpreが予め設定された蓄熱量閾値MKを超えるか否かを判定する(ステップS4)。この蓄熱量閾値MKは、CRモータ15が過熱状態になることを回避するために後述する発熱制限制御を実行するか否かを判断するための閾値であって、実験やシミュレーションなどによって予め設定される。ステップS4の判定結果が否定判定(Mpre≦MK)である場合、制御部41は、蓄熱量演算処理ルーチンを終了する。一方、ステップS4の判定結果が肯定判定(Mpre>MK)である場合、制御部41からの制御指令に基づきCR用モータ制御部43は、CRモータ15の蓄熱量Mpreの増加を抑制する発熱制限制御(蓄熱量増加抑制制御)を実行する(ステップS5)。本実施形態では、CR用モータ制御部43は、1回(本例では1パス)の駆動の合間(キャリッジ反転時)に所定時間(例えば0.2〜3秒の範囲内の値)だけCRモータ15に休止を付与し、CRモータ15の発熱を小さく制限する発熱制限制御を実行する。このため、発熱制限制御が開始されても、印刷は継続され、一駆動毎(1パス毎)に所定時間の休止が付与されることでCRモータ15の発熱が制限される。なお、発熱制限制御は、CRモータ15の発熱を制限できる限りにおいて適宜な制御を採用でき、例えば印刷時におけるCRモータ15の駆動速度Vnを通常時より遅くする制御であってもよい。
例えば印刷動作が開始されてCRモータ15が駆動されると、図7の上段に示すように、モータ蓄熱量Mpreは時間の経過と共に上昇し、その値が蓄熱量閾値MKを超えると、CRモータ15の発熱を制限する発熱制限制御が実行される。この発熱制限制御の実行中は、CRモータ15の蓄熱量Mpreの増加が抑制される。その後、印刷が終了してCRモータ15の駆動が停止すると、その停止時点からのモータ蓄熱量Mpreが経過時間Tと共に指数関数的に漸減する。
ここで、シリアルプリンタである本実施形態のプリンタ11では、キャリッジ14の移動と用紙の搬送動作とが略交互に行われることで印刷動作が進められる。このとき、キャリッジ14の移動途中に記録ヘッド17が駆動されてノズルからインク滴が噴射される。このように印刷動作は、CRモータ15とPFモータ22と記録ヘッド17との協働で実現されるため、これら3つのアクチュエータの各温度(蓄熱量)には、一つが温度上昇すれば他の二つも温度上昇し、一つが温度降下すれば他の二つも温度降下するという対応関係が成立している。このため、図7の下段に示すように、記録ヘッド17の温度を検出しているヘッドサーミスタ31の検出温度であるヘッドサーミスタ温度(ヘッド温度)は、モータ蓄熱量Mpreの変化と対応するように変化する。
ところで、電源オフにより電力供給が停止されると、蓄熱量演算部44,48の演算、及びタイマ46,50の計時動作が停止する。このため、次回、プリンタ11が電源オンされたときにはその間の電源オフ時間が分からないので、上記(2)式の蓄熱量演算式によるモータ蓄熱量Mpreの算出が不可能となる。もっとも、ホスト装置70からの時刻データを取得すれば電源オフ時間は分かるが、ホスト装置70と接続されることなくプリンタ11が単独(スタンドアロン)で使用される場合や、ホスト装置70の時計回路72の時刻が電源オフ中に変更された場合には対応できない。そこで、本実施形態では、プリンタ11が電源オンされたときのモータ蓄熱量Mpre(初期値)を、電源オフ時に図5に示す電源オフ時処理ルーチン、電源オン時に図6に示す電源オン時処理ルーチンをそれぞれ実行することで求めている。
まず電源オフ時処理ルーチンについて、図5に示すフローチャートに基づき説明する。なお、電源オン中は、制御部41は、ヘッドサーミスタ31が検出した記録ヘッド17の温度であるヘッド温度H(ヘッドサーミスタ温度)を取得しており、ヘッド温度Hが所定の温度閾値HAを超えると、プリンタ11の印刷動作を強制的に停止させる。プリンタ11の印刷動作は、CRモータ15、PFモータ22及び記録ヘッド17(他のアクチュエータ)の協働で実現されるため、図7上段に示すモータ蓄熱量Mpreと、図7下段に示すヘッドサーミスタ温度(ヘッド温度H)との間には、一方が上昇・下降すれば他方も同じように上昇・下降する対応関係が成立する。
さて、制御部41は、電源オン中に電源スイッチ35の操作(オフ操作)を検出すると、電源オフ時処理ルーチンを実行する。制御部41は、RAMの所定領域から現時点の蓄熱量Mpreを読み出し、これを電源オフ時の蓄熱量M1として不揮発性のCR用メモリ45に記憶するとともに、ヘッドサーミスタ31が検出している電源オフ時のヘッド温度H1を同じくCR用メモリ45に記憶する(ステップS11)。したがって、本実施形態では、CR用メモリ45が記憶手段として機能する。また、電源オフ時処理ルーチンを実行する制御部41が電源遮断時処理手段を構成し、制御部41が実行するステップS11が、電源遮断時処理ステップに相当する。
次に、電源オン時処理ルーチンについて、図6に示すフローチャートに基づき説明する。さて、制御部41は、電源オフ中に電源スイッチ35の操作(オン操作)を検出すると、電源オン時処理ルーチンを実行する。まず、制御部41は、ヘッドサーミスタ31から電源オン時のヘッド温度H2を取得する(ステップS21)。
次に、電源オフ時のモータ蓄熱量M1とヘッド温度H1とを、CR用メモリ45から読み出す(ステップS22)。続いて、制御部41は、条件式 H1−H2≧一定温度HK が成立するか否かを判断する。この条件式が成立する場合(H1−H2≧HK)は、電源オン時のモータ蓄熱量M2を「0」にリセットする(ステップS24)。一方、この条件式が不成立の場合(H1−H2<HK)は、電源オン時のモータ蓄熱量M2として、電源オフ時のモータ蓄熱量M1を設定する(M2=M1)(ステップS25)。ここで、一定温度HKは、ヘッド温度Hの最高温度(例えば発熱制限制御が行われるときの定常温度)と環境温度(例えば常温(25℃))との差の30%以上70%以下の範囲内の値を設定している。一定温度HKをあまり大きな値に設定すると、電源オン時に電源オフ時のモータ蓄熱量M1が徒に設定される頻度が高くなり、一方、一定温度HKをあまり小さな値に設定すると、電源オン時にモータ蓄熱量Mが徒にリセットされる頻度が高くなる。そのため、この点を考慮して適切な一定温度HKを決めることが好ましい。また、ヘッド温度H1,H2の差ΔHが一定温度HK以上であるか否かを判断することで、間接的に、モータ蓄熱量Mpreがリセットしてもよい所定値未満まで低減したか否かを判断している。
すなわち、ヘッドサーミスタ31の検出温度から把握される記録ヘッド17の温度降下(=H1−H2)が一定温度HK以上であれば、CRモータ15とPFモータ22も十分温度降下しているものとみなして、上記条件式の成立時には、モータ蓄熱量をリセットする。制御部41は、ステップS24又はS25で設定したモータ蓄熱量M2を、電源オン以後最初の蓄熱量(初期値)として、RAMの所定記憶領域に記憶する。そして、CR用蓄熱量演算部44は、電源オン時の蓄熱量Mpre(=M2)(初期値)が決まると、以後は、図4に示す蓄熱量演算処理を実行して、単位時間ごとのモータ蓄熱量Mpreを算出する。そして、モータ蓄熱量Mpreが蓄熱量閾値MKを超えた場合に、発熱制限制御を実行する。
なお、本実施形態では、モータ蓄熱量M2が、電源投入後最初の蓄熱量(初期値)に相当する。また、電源オン時処理ルーチンを実行する制御部41が電源投入時処理手段を構成し、制御部41が実行するステップS21〜S25が、電源投入時処理ステップに相当する。
例えば図7(a)に示すように、電源オフから電源オンまでの電源オフ時間Toffが短い場合、その間のモータ蓄熱量Mpreの低減量が少なく、ヘッド温度Hの降下温度もこれに略比例して少ない。このようにヘッド温度Hの降下温度が少なくヘッド温度H2が比較的高いとみなしうる場合は、モータ蓄熱量Mpreも高いと推定できる。この場合、電源オフ時のヘッド温度H1と電源オン時のヘッド温度H2との差ΔH(=H1−H2)が一定温度HK以上(H1−H2≧HK)とはならないので、図7(a)の上段に示すように、電源オン時のモータ蓄熱量M2として、電源オフ時のモータ蓄熱量M1が設定される(M2=M1)。
一方、図7(b)に示すように、電源オフ時間Toffが長い場合、その間にモータ蓄熱量Mpreは大きく減少し、これに略比例してヘッド温度Hも大きく低下する。このため、電源オフ時と電源オン時におけるヘッド温度H1,H2の差ΔH(=H1−H2)が一定温度HK以上(H1−H2≧HK)となる場合は、モータ蓄熱量Mpreも大きく減少しているとみなしうるため、モータ蓄熱量Mpreをリセットする(M2=0)。
また、本実施形態では、PFモータ22についても発熱制限制御を行っている。PFモータ22の蓄熱量の演算は、CRモータ15の蓄熱量の演算方法と同様の方法を採用している。すなわち、印刷中の発熱系については上記(1)式、待機中の放熱系については上記(2)式により、モータ蓄熱量Mpreを算出する。そして、モータ蓄熱量MpreがPF用の蓄熱量閾値MKを超えると、PFモータ22の駆動の合間に休止を入れる発熱制限制御を実行する。すなわち、前回の紙送りと今回の紙送りの間に所定の休止時間を確保する。そして、電源オフ時にはその時点における蓄熱量M1及びヘッド温度H1をPF用メモリ49に記憶する。次回、電源オン時にヘッド温度H1,H2の差に基づき、H1−H2≧HKが成立すればPFモータ22の電源オン時のモータ蓄熱量M2をリセットし(M2=0)、不成立であればPFモータ22の電源オン時のモータ蓄熱量M2を電源オフ時のモータ蓄熱量M1に設定する(M2=M1)。この場合、PF用メモリ49が記憶手段として機能し、PF用蓄熱量演算部48が蓄熱量演算手段を構成する。
なお、電源オフ時に既に十分放熱している場合は、電源オフ時間の長短に関わらず、H1−H2<HKが成立するので、電源オン時のモータ蓄熱量M2として電源オフ時のモータ蓄熱量M1が設定される。しかし、そのモータ蓄熱量M1は十分放熱されたときの小さな値なので、その後、印刷が実施されても発熱制限制御が不要に実行されることはまずない。
電源オン時におけるモータ蓄熱量M2の設定の適正化を図るために、以下の方法を採用することが好ましい。すなわち、電源オフ時におけるヘッド温度H1又はモータ蓄熱量M1の値に応じて、ステップS44の判断で採用する一定温度HKを変更する。例えば電源オフ時におけるヘッド温度H1(又はモータ蓄熱量M1)が低温域・中温域・高温域のうちどの温度域に属するかを判定し、一定温度HKを、低温域であれば低めのHKl、中温域であれば中間のHKm、高温域であれば高めのHKh(HKl<HKm<HKh)を設定する。このように電源オフ時のヘッド温度H1(又はモータ蓄熱量M1)の値に応じて一定温度HKを2段階以上の複数段階に設定すれば、電源オン時におけるモータ蓄熱量M2の設定の適正化を図ることができる。
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)他のアクチュエータとしての記録ヘッド17に設けられたヘッドサーミスタ31による電源オフ時と電源オン時における検出温度であるヘッド温度H1,H2の差が一定温度HK以上(H1−H2≧HK)であれば、電源オン時に蓄熱量をリセット(M2=0)する。一方、ヘッド温度H1,H2の差が一定温度HK未満(H1−H2<HK)であれば、電源オン時の蓄熱量M2に電源オフ時の蓄熱量M1を設定する(M2=M1)。そのため、電源オフ時間が計時されず電源オン時にモータ蓄熱量Mpreの計算ができなくても、電源オン時のモータ蓄熱量M2に比較的適切な値を設定できる。したがって、電源オフ時の蓄熱量を電源オン時の蓄熱量とする従来構成のように、モータが十分放熱されているにも関わらず、発熱制限制御が実行されて印刷スループットの低下を招く事態を回避できる。
(2)電源オン時に設定されるモータ蓄熱量M2の適切化を図ることができるので、プリンタ11に電源オフ時間を計時可能とするRTC(Real Time Clock)のような計時手段を設けなくてもよい。
(3)また、プリンタ11をホスト装置70と接続して使用する場合には、電源オフ時にホスト装置70から時刻情報(以下、オフ時刻情報という。)を受信する共に、電源オン時にホスト装置70から時刻情報(以下、オン時刻情報という。)を受信する。そして、受信したオフ時刻情報とオン時刻情報とから電源オフ時間Toffを演算し、電源オン時におけるCRモータ15の蓄熱量Mpre(=Mlast×αm^Toff)を演算できる。しかしながら、もし電源オフ中にホスト装置70の時計回路72の時刻を進めたり遅らせたりした場合、ホスト装置70から受信したオフ時刻情報とオン時刻情報とに基づき演算される電源オフ時間が実際の経過時間と異なり、結果として、誤ったCRモータ15の蓄熱量Mpreが演算されてしまう虞があった。この点、本実施形態では、ホスト装置70から受信した時刻情報を使用しないため、電源オン時におけるCRモータ15の蓄熱量Mpreが誤って演算されることを回避できる。なお、PFモータ22についても同様の効果が得られる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態を図8〜図10に従って説明する。なお、第2実施形態は、ホスト装置70から通信で取得した時刻情報に基づき定まる電源オフ時間Toffに基づき電源オン時の蓄熱量Mpre(M2)を演算する構成である。但し、電源オフ中にホスト装置70の時刻情報が変更された場合、正確な電源オフ時間Toffを求められないので、正確な電源オフ時間であるかどうかを、ヘッド温度H(ヘッドサーミスタ温度)に基づき判定する構成としている。なお、以下の説明では、第1実施形態と相違する部分について主に説明し、第1実施形態と同一又は相当する部材構成については同一符号を付して説明を省略する。
図8に示すフローチャートは、電源オフ時に実行される電源オフ時処理ルーチンであり、図9に示すフローチャートは、電源オン時に実行される電源オン時処理ルーチンである。図10は、経過時間とモータ蓄熱量Mpreとの関係を示すグラフである。
まず、電源オフ時処理ルーチンについて、図8に示すフローチャートに基づき説明する。さて、制御部41は、電源オン中に電源スイッチ35のオフ操作を検出した場合、電源オフ時処理ルーチンを実行する。そして、制御部41は、ホスト装置70から電源オフ時の時刻T1を取得するとともに、RAMの所定領域からその時点の蓄熱量M1を読み出し、さらにヘッドサーミスタ31からその時点のヘッド温度H1を取得し、これらのデータT1,M1,H1を不揮発性のCR用メモリ45に記憶する(ステップS31)。したがって、本実施形態では、CR用メモリ45が記憶手段、制御部41が電源遮断時処理手段を構成し、またステップS31が電源遮断時処理ステップに相当する。
次に、電源オン時処理ルーチンについて、図9に示すフローチャートに基づき説明する。さて、制御部41は、電源スイッチ35がオン操作されたことを検出すると、電源オン時処理ルーチンを実行する。そして、この電源オン時処理において、制御部41は、ホスト装置70から電源オン時の時刻T2を取得するとともに、ヘッドサーミスタ31から電源オン時のヘッド温度H2を取得する(ステップS41)。
次に、CR用メモリ45から、電源オフ時における時刻T1、モータ蓄熱量M1及びヘッド温度H1をそれぞれ読み出す(ステップS42)。続いて、制御部41は、条件式 T2−T1≧一定時間TK が成立するか否かを判断する。この条件式が不成立の場合は、電源オン時のモータ蓄熱量M2として電源オフ時のモータ蓄熱量M1を設定する(ステップS46)。一方、この条件式が成立する場合は、次に制御部41は、条件式 H1−H2≧一定温度HK が成立するか否かを判断する(ステップS44)。この条件式が成立する場合は、ヘッド温度と同様にモータ蓄熱量についても十分低減したとみなして電源オン時のモータ蓄熱量M2をリセットする(M2=0)(ステップS45)。一方、この条件式が不成立の場合は、ホスト装置70の時刻異常(PC時刻異常)とみなして電源オン時のモータ蓄熱量M2として、電源オフ時のモータ蓄熱量M1を設定する(ステップS46)。なお、本実施形態では、時刻情報を提供可能なホスト装置70と通信する通信インターフェイス51、及び時刻情報を取得するステップS31及びS41を実行する制御部41により、時刻情報取得手段が構成される。
図10(a)に示すように、ホスト装置70の時計回路72からなるPC時計を電源オフ中に進めた場合、電源オフ時と電源オン時の各時刻T1,T2から定まる電源オフ時間Toffが十分長くても、実時間が短ければ電源オン時のモータ蓄熱量M2は多い。図10(a)に示す例のように、実時間の電源オフ時刻が13:00、電源オン時刻が13:05であって、実際の電源オフ時間Toffが5分であるにもかかわらず、電源オフ中にホスト装置70の時計回路72(PC時計)の時刻を1時間55分進めた場合は、電源オン時のPC時計の時刻が15:00となるので、電源オフ時間Toffが2時間と算出される。
この場合、PC時計による電源オフ時間Toffが一定時間TK以上と長いと判断されるものの(ステップS43でYES)、電源オフ時と電源オン時におけるヘッド温度H1,H2の差が一定温度HK以上(H1−H2≧HK)とはならないので(ステップS44でNO)、PC時刻異常と判定されてモータ蓄熱量M2はリセットされない。このため、電源オフ中にホスト装置70の時計回路72(PC時計)の時刻を進めても、電源オン時に設定されるモータ蓄熱量Mpreの初期値の適正化を図ることができる。
なお、本実施形態では、図10(b)に示すように、電源オフ中にユーザがホスト装置70のPC時計の時刻を所定時間(図10(b)の例では1時間55分)遅らせる操作を行った場合は、実時間で電源オフ時間Toffがたとえ2時間であっても、PC時計による電源オフ時間は、電源オフ時刻T1=13:00、電源オン時刻T2=13:05から、5分となる。このような場合、実時間で電源オフ時間が十分あっても、ステップS43でT2−T1≧THが不成立となって、電源オン時のモータ蓄熱量M2としてM2=M1が設定されてしまう。この場合、モータの少しの温度上昇でモータ蓄熱量Mpreが蓄熱量閾値MKを超えてしまい、無駄な発熱制限制御が実行されやすくなる。
このような不都合をも回避するためには、以下の方法を採用することが好ましい。ステップS43の判定で否定判定の場合にも、ステップS46の処理の前に、ステップS44と同様の判断処理、すなわちH1−H2≧HKが成立するか否かを判断する処理を追加する。この判断で条件式 H1−H2≧HK が成立し、ヘッド温度H2の一定温度HK以上の降温が確認された場合は、ステップS45に進んで電源オン時の蓄熱量M2をリセットする(M2=0)。一方、H1−H2≧HK が不成立で、ヘッド温度H2の一定温度HK以上の降温が確認されなかった場合は、ステップS46に進んで電源オン時のモータ蓄熱量M2としてM2=M1を設定する。
例えば図10(b)に示すように、実時間で電源オフ時刻13:00、電源オン時刻15:00のところ、PC時計を電源オフ中に遅らせて、PC時計の電源オフ時刻T1が13:00、電源オン時刻T2が13:05になったとする。この場合、PC時計では5分しか電源オフされていないため、T2−T1≧TKが不成立(S43でNO)となる。しかし、不成立となっても、実時間で電源オフ時間Toffが2時間であれば、その後行われるステップS44と同様の判断処理で、ヘッド温度H1,H2についてH1−H2≧HKが成立することになるため、モータ蓄熱量M2がリセットされる。このようにPC時計を遅らせたために電源オフ時間が短いと判定されても、ヘッド温度Hの降温が確認されればモータ蓄熱量M2がリセットされる。よって、実際のモータ蓄熱量が十分低減しているにも関わらずPC時計を遅らせたために発熱制限制御が実行される不都合を回避できる。このため、不要な発熱制限制御の実行が回避されることにより、印刷スループットの低下を回避できる。
本実施形態では、PFモータ22についても同様の発熱制限制御を行っており、図8及び図9に示す各フローチャートに従って、電源オン時のモータ蓄熱量M2を設定する。この場合、PF用メモリ49が記憶手段として機能し、PF用蓄熱量演算部48が蓄熱量演算手段を構成する。
なお、上記各実施形態は以下の態様に変更してもよい。
(変形例1)上記各実施形態において、温度差ΔT(=H1−H2)で判断したが、電源オン時のヘッド温度H2の値により判断してもよい。例えばヘッド温度H2が所定の閾値を超えていれば、電源オン時の蓄熱量M2として電源オフ時の蓄熱量M1を設定し(M2=M1)、一方、ヘッド温度H2が所定の閾値以下であれば電源オン時の蓄熱量M2をリセットする(M2=0)。この場合、環境温度の変化に応じて閾値の値を変更することが好ましい。
(変形例2)前記各実施形態において、検出手段としてのサーミスタを備えたアクチュエータは、記録ヘッド17に限定されない。例えばCRモータ15の蓄熱量Mpreを演算する構成において、電動機以外のアクチュエータはPFモータ22であってもよい。例えばPFモータ22の温度を検出するサーミスタ(検出手段)が設けられ、サーミスタが検出したPFモータ22のモータ温度を用いて、電源オン時のCRモータ15の蓄熱量M2(初期値)を求める構成も採用できる。この構成においても、CRモータ15とPFモータ22が共に協働して印刷動作を行うアクチュエータであるので、双方のモータ温度が略比例の関係を有するので、サーミスタによるPFモータ22の検出温度から、電源オン時の蓄熱量M2を求めることができる。また、この逆に、CRモータ15の温度を検出する温度センサ(サーミスタ等)の検出温度(CRモータ温度)を用いて、電源オン時のPFモータ22の蓄熱量M2を求める構成も採用できる。
(変形例3)前記各実施形態において、駆動速度と駆動時間とからテーブルを参照して一駆動当たりの発熱量を求めたが、モータの電流値から実効電流値を求めて、実効電流値を用いて発熱量を演算する構成も採用できる。
(変形例4)前記各実施形態では、設定値をリセット値「0」としたが、「0」以外の値を設定してよい。また、M2=M1又はM2=0の2通りの設定内容としたが、例えば異なる値の閾値を複数設定し、0とM1との間の範囲内に一つ以上設定された閾値のうち、ヘッド温度差(=H1−H2)又はヘッド温度H2が超えた閾値に対応する値に、電源オン時のモータ蓄熱量M2が設定される構成も採用できる。
(変形例5)前記実施形態では、所定の閾値(温度閾値)を一つのみ設定したが、所定の閾値を複数設定することも可能である。例えば3つの閾値(第1閾値>第2閾値>第3閾位置)を設定した場合、検出温度が第1閾値を超えた場合、記憶手段に記憶する電源オフ時の蓄熱量を初期値として設定し、第1閾値以下かつ第2閾値を超える場合、第1閾値以下の温度に応じた設定値を初期値として設定する。そして、検出温度が、最も低い第3閾値以下である場合、初期値として蓄熱量をリセットした値(リセット値)を設定する。なお、閾値は二つあるいは四つ以上設定してもよい。
(変形例6)前記各実施形態において、蓄熱量増加抑制制御は、CRモータ15の駆動の合間に休止を付与する制御ではなく、印刷を強制的に停止させる制御でもよい。この場合、モータ蓄熱量Mpreが復帰許容閾値(例えば蓄熱量閾値MKの半分の値)以下になった場合に、印刷を再開させることが望ましい。また、プリンタ11内にCRモータ15を冷却させるためのファンを設け、ファンを駆動させることを蓄熱量増加抑制制御としてもよい。
(変形例7)前記各実施形態において、モータ蓄熱量の適用は発熱制限制御に限定されない。例えば発熱制限制御以外の他の制御に用いてもよい。また、例えばモータの診断のためにモータ蓄熱量を用いる構成も採用できる。さらにモータ蓄熱量に応じて印刷モードを選択する構成も採用できる。
(変形例8)前記各実施形態において、電動機以外のアクチュエータの温度を検出する検出手段は、サーミスタ以外に、熱電対、測温抵抗体、バイメタル式温度計、非接触式温度計などを採用できる。
(変形例9)上記各実施形態において、シリアルタイプのプリンタに替え、用紙19の搬送方向と交差する方向の全域に渡る所定長さを有する長尺状あるいは複数個配列された記録ヘッド17を備えた、いわゆるフルラインタイプのプリンタに具体化してもよい。
(変形例10)また、インクジェット式プリンタに限定されず、ドットインパクト式プリンタやレーザープリンタに具体化してもよい。
(変形例11)上記各実施形態において、電動機を含む複数のアクチュエータが協働して動作する電子機器であれば、電動機(モータ)を備えた構成であればプリンタ以外の電子機器に具体化してもよく、例えばスキャナ等にも適用できる。
第1実施形態におけるプリンタの概略斜視図。 プリンタの電気的構成を示すブロック図。 モータの駆動速度と駆動時間から単位駆動当たりの発熱量を求めるためのテーブル。 蓄熱量演算処理ルーチンを示すフローチャート。 電源オフ時処理ルーチンを示すフローチャート。 電源オン時処理ルーチンを示すフローチャート。 (a)(b)経過時間に対するモータ蓄熱量とヘッドサーミスタ温度の変化の様子をそれぞれ示すグラフ。 第2実施形態における電源オフ時処理ルーチンを示すフローチャート。 電源オン時処理ルーチンを示すフローチャート。 (a)(b)経過時間に対するモータ蓄熱量とヘッドサーミスタ温度の変化の様子をそれぞれ示すグラフ。
符号の説明
11…電子機器としてのプリンタ(記録装置)、15…電動機としてのCRモータ、17…アクチュエータとしての記録ヘッド、22…電動機としてのPFモータ、31…検出手段としてのヘッドサーミスタ、34…電源回路(電源)、35…操作手段としての電源スイッチ、40…制御回路、41…制御手段を構成するとともに電源遮断時処理手段及び電源投入時処理手段としての制御部、42…制御手段を構成するヘッド用制御部、43…制御手段を構成するCR用モータ制御部、44…蓄熱量演算手段としてのCR用蓄熱量演算部、45…記憶手段としてのCR用メモリ、46…CR用タイマ、47…制御手段を構成するPF用モータ制御部、48…蓄熱量演算手段としてのPF用蓄熱量演算部、49…記憶手段としてのPF用メモリ、50…PF用タイマ、51…時刻情報取得手段を構成する通信インターフェイス、55…通信ケーブル、60…交流電源、70…ホスト装置、71…プリンタドライバ、72…時計回路、Mpre…今回の蓄熱量、Mlast…前回の蓄熱量、M1…電源遮断時の蓄熱量としての電源オフ時のモータ蓄熱量、M2…電源投入時の蓄熱量としての電源オン時のモータ蓄熱量、αm…放熱係数、To…単位時間、MK…蓄熱量閾値、H1…電源遮断時の検出温度としてのヘッド温度、H2…電源投入時の検出温度としてのヘッド温度、HK…一定温度、T1…電源遮断時の時刻としての電源オフ時の時刻、T2…電源投入時の時刻としての電源オン時の時刻、TK…一定時間。

Claims (10)

  1. 電動機と、
    前記電動機以外のアクチュエータと、
    前記アクチュエータの温度を検出する検出手段と、
    前記電動機の蓄熱量を経時的に演算する蓄熱量演算手段と、
    電源のオンオフ操作を行うための操作手段と、
    前記操作手段の操作に基づき電源の投入及び遮断を制御するとともに、前記電動機及び前記アクチュエータを駆動させて両者の協働により電子機器を動作させる制御手段と、
    前記操作手段のオフ操作に基づく電源遮断時に前記蓄熱量を記憶手段に記憶する電源遮断時処理手段と、
    前記電源遮断後、次回のオン操作に基づき電源が投入されると、前記検出手段の検出温度に基づき前記電動機の蓄熱量が所定値未満に低下しているか否かを判定し、前記蓄熱量が前記所定値未満でないと判定すれば、前記蓄熱量演算手段が電源投入後最初の演算で用いる蓄熱量の初期値として前記記憶手段に記憶された前記蓄熱量を設定し、前記蓄熱量が所定値未満であると判定すれば、前記初期値として前記所定値未満の蓄熱量に応じた設定値を設定する電源投入時処理手段とを備え、
    前記蓄熱量演算手段は、前記電源投入時処理手段が設定した初期値を電源投入後最初の演算に用いて前記蓄熱量を演算することを特徴とする電子機器。
  2. 前記電子機器はホスト装置と通信可能に接続されて使用されるとともに、前記ホスト装置から時刻情報を取得する時刻情報取得手段を更に備え、
    前記電源遮断時処理手段は、前記電源遮断時における前記蓄熱量及び時刻情報を前記記憶手段に記憶し、
    前記電源投入時処理手段は、前記電源投入後、前記記憶手段に記憶する前記時刻情報と前記時刻情報取得手段が取得した現在の時刻情報とに基づき定まる電源遮断時間が所定時間を超え、かつ前記検出手段の検出温度に基づき前記蓄熱量が前記所定値未満であると判定されるという条件を満たすかどうかを判断し、前記条件を満たせば、前記設定値を初期値として設定し、前記条件を満たさなければ、前記記憶手段に記憶する前記蓄熱量を初期値として設定することを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
  3. 前記電源遮断時処理手段は、電源遮断時の前記検出温度をも前記記憶手段に記憶し、
    前記電源投入時処理手段は、前記記憶手段に記憶する電源遮断時の検出温度と、電源投入時の検出温度との差が、所定の閾値を超えるか否かを判断し、前記差が前記所定の閾値を超える場合に前記初期値として前記設定値を設定し、前記差が前記所定の閾値を超えない場合に前記初期値として前記電源遮断時の蓄熱量を設定することを特徴とする請求項1又は2に記載の電子機器。
  4. 前記電源投入時処理手段は、前記電源投入時の検出温度が温度閾値以下であるか否かを判断し、前記検出温度が前記温度閾値以下であれば、前記初期値として前記設定値を設定し、前記検出温度が前記温度閾値を超えていれば、前記初期値として前記電源遮断時の蓄熱量を設定することを特徴とする請求項1又は2に記載の電子機器。
  5. 前記電源投入時処理手段は、前記設定値として、前記電動機に蓄熱がないとみなすリセット値を設定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電子機器。
  6. 前記制御手段は、前記蓄熱量演算手段によって演算された前記蓄熱量が予め設定された蓄熱量閾値を超えた場合、前記電動機の蓄熱量の増加を抑制する蓄熱量増加抑制制御を実行することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の電子機器。
  7. 前記制御手段は、前記蓄熱量増加抑制制御として、前記電動機の駆動を継続しつつも前記電動機の駆動の合間に一時的な休止を付与する制御を行うことを特徴とする請求項6に記載の電子機器。
  8. 前記電子機器は記録装置であり、記録媒体に対して記録を施す記録ヘッドと、前記記録ヘッドと前記記録媒体とを相対移動させる移動手段とを備え、前記電動機は前記移動手段の動力源であり、前記アクチュエータは前記記録ヘッドであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の電子機器。
  9. 電動機と、該電動機以外のアクチュエータと、前記アクチュエータの温度を検出する検出手段と、電源のオンオフ操作を行うための操作手段と、前記操作手段の操作に基づく電源の投入及び遮断の制御を行うとともに、前記電動機と前記アクチュエータを駆動させて両者の協働により電子機器を動作させる制御手段とを備えた電子機器における電動機の制御方法であって、
    前記電動機の蓄熱量を経時的に演算する蓄熱量演算ステップと、
    前記操作手段のオフ操作に基づく電源遮断時に前記蓄熱量を記憶手段に記憶する電源遮断時処理ステップと、
    前記電源遮断後の次回の電源投入時に、前記検出手段の検出温度に基づき前記蓄熱量が所定値以下であるか否かを判断し、前記蓄熱量が前記所定値以下と判断すれば、前記記憶手段に記憶する前記蓄熱量を電源投入後最初の演算に用いる初期値に設定し、前記蓄熱量が前記閾値以下と判断すれば、前記所定値以下の蓄熱量に応じた設定値を初期値に設定する電源投入時処理ステップとを備え、
    前記電源投入後における前記蓄熱量演算ステップでは、前記電源投入時処理ステップで設定した前記初期値を電源投入後最初の演算に用いて前記蓄熱量を演算することを特徴とする電子機器における電動機の制御方法。
  10. 前記電子機器は、ホスト装置と通信可能に接続されて使用されるとともに、前記ホスト装置から時刻情報を取得可能に構成され、
    前記電源遮断時処理ステップでは、電源遮断時の時刻情報を前記記憶手段に記憶し、
    前記電源投入時処理ステップでは、前記電源投入時に、前記ホスト装置から取得した時刻情報と、前記記憶手段の時刻情報とに基づき電源遮断時間を求めるとともに、該電源遮断時間が所定時間を超え、かつ前記検出手段の検出温度に基づき前記蓄熱量が前記所定値以下であると判断されるという条件を満たすかどうかを判断し、前記条件を満たせば、前記設定値を前記初期値として設定し、前記条件を満たさなければ、前記記憶手段に記憶する前記蓄熱量を前記初期値として設定することを特徴とする請求項9に記載の電子機器における電動機の制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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