JPH08258265A - 記録装置 - Google Patents

記録装置

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Publication number
JPH08258265A
JPH08258265A JP6430895A JP6430895A JPH08258265A JP H08258265 A JPH08258265 A JP H08258265A JP 6430895 A JP6430895 A JP 6430895A JP 6430895 A JP6430895 A JP 6430895A JP H08258265 A JPH08258265 A JP H08258265A
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JP
Japan
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recording
temperature
temp
recording head
ink
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JP6430895A
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English (en)
Inventor
Shunei Wada
俊英 和田
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Canon Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 各アクチュエータの性能を十分に発揮しつ
つ、かつ、その保全を図ることができる記録装置を提供
する。 【構成】 検出器523はキャリアモータ106、紙送
りモータ107、自動給紙モータ520等に電流が流れ
ているかどうかを所定時間間隔で検出し、その検出結果
から得られる電流値と前回得られた推定温度に従って、
温度上昇特性から温度上昇値を推定する。一方、サーミ
スタ524で装置の設置環境の温度を測定し、その測定
温度と前回得られた推定温度に従って、放熱特性から放
熱による推定温度を求める。そして、これら温度上昇値
と放熱による推定温度の和から推定温度が得られる。そ
の推定温度と装置の正常動作温度範囲とを比較して、記
録動作停止や動作デューティを下げる等の記録制御を行
なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は記録装置に関し、特に、
インクジェット方式によって記録を行なう記録装置であ
り、例えば、キャリッジ、紙送り、その他駆動部にモー
タ、ソレノイド等のアクチュエータを使用する記録装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の記録装置において、記録ヘッドな
どの記録機構を搭載したキャリッジや記録用紙を搬送す
る搬送ローラ、その他各機構の駆動源はモータ等電気的
に制御できるアクチュエータを用いることが殆どであ
る。各アクチュエータに加えるアクチュエータの出力を
決定する電流値は工場出荷時に設定されるが、その設定
値は各アクチュエータが設定された電流値で連続動作し
た時でも、各アクチュエータの昇温によって装置各部が
発火したり、機能劣化等が発生しない値に設定される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
例では、各アクチュエータに設定される値は、アクチュ
エータの性能を十分引き出せる値ではないという問題点
があった。また、業務用以外の一般的な使用条件下で
は、装置をその性能限界まで使用する場合は少なく、ア
クチュエータの設定値は現実的ではないという問題点も
あった。
【0004】本発明は上記従来例に鑑みてなされたもの
で、装置の保全を図りつつ、各アクチュエータの性能向
上を図ることができる記録装置を提供することを目的と
している。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明の記録装置は、以下のような構成からなる。即
ち、記録ヘッドから記録剤を記録媒体に吐出して記録を
行なう記録装置であって、前記記録ヘッドを搭載したキ
ャリアを第1の方向に移動させる移動手段と、前記記録
媒体を第2の方向に搬送する搬送手段と、前記移動手段
と前記搬送手段の駆動による発熱特性と放熱特性とを記
憶する記憶手段と、前記移動手段と前記搬送手段を駆動
するための電流が流れているかどうかを検出する検出手
段と、前記移動手段と前記搬送手段の温度を測定する測
定手段と、前記検出手段による検出結果と前記測定手段
によって測定された温度に基づき、前記発熱特性と前記
放熱特性とを用いて、前記移動手段と搬送手段各々の上
昇或いは下降温度を推定する温度推定手段と、前記推定
温度に基づいて、前記記録ヘッドによる記録を制御する
制御手段とを有することを特徴とする記録装置を備え
る。また他の発明によれば、記録ヘッドを用いて記録媒
体上に画像の記録を行う記録装置において、装置各部を
駆動する駆動手段と、前記駆動手段の温度を推定する温
度推定手段と、前記温度推定手段により推定された温度
に応じて記録動作を制御する制御手段とを有することを
特徴とする記録装置を備える。
【0006】
【作用】以上の構成により本発明は、記録ヘッドを搭載
したキャリアを第1の方向に移動させる移動手段と記録
媒体を第2の方向に搬送する搬送手段各々の駆動による
発熱特性と放熱特性とを記憶しておき、その移動手段と
搬送手段を駆動するための電流が流れているかどうかを
検出し、その移動手段と搬送手段の温度を測定し、その
検出結果と測定温度に基づき、上記発熱特性と放熱特性
とを用いて、移動手段と搬送手段各々の上昇或いは下降
温度を推定し、その推定温度に基づいて、記録ヘッドに
よる記録を制御する。また他の発明によれば、装置各部
の温度を推定し、その推定された温度に応じて記録動作
を制御する。
【0007】
【実施例】以下、添付図面を参照して本発明の好適な実
施例を詳細に説明する。図1は本発明の代表的な実施例
であるインクジェット方式の記録装置の構成を示す外観
斜視図である。図1において、キャリア102にはイン
クジェット方式に従って記録を行なう記録ヘッド202
(図2)とインクタンク203(図2)が一体となった
ヘッドカートリッジ201が搭載されている。キャリア
102の一端は、シャーシ101に回動自在に取り付け
られたリードスクリュー103に、その軸方向に摺動可
能に嵌合され、キャリア102の他端には、ガイド10
4が配設されており、ガイド104がシャーシ101に
形成されたガイドレール105にリードスクリュー10
3の軸方向と平行に摺動自在に嵌合されている。そし
て、キャリア102は、その姿勢が常に一定に保たれな
がらリードスクリュー103の回転に伴ってその軸方向
に往復移動可能な構成となっている。
【0008】リードスクリュー103は、その両端をシ
ャーシ101で回転可能に支えられている。スクリュー
左端にはギア(不図示)が固着されていて、キャリアモ
ータ106の出力軸に固着されたピニオンギア(不図
示)と噛み合って回転力を伝える。リードスクリュー1
03には螺旋状に所定にピッチで形成された案内条10
7にキャリア102に取り付けられたリードピン108
が、リードピンバネ109でリードスクリュー103に
圧接かつ摺動可能に嵌合されている。よって、キャリア
モータ106の正転、逆回転に伴って、リードスクリュ
ー103が回転すると、キャリア102は往復移動す
る。この部分は後で詳しく説明する。120はホームポ
ジションセンサで、電源投入時にキャリア102に形成
される遮蔽板を検出してキャリア102の記録ポジショ
ンを決める。
【0009】111はフレキシブルケーブルで、後述の
電気回路から記録ヘッド202に記録信号を伝えるもの
である。キャリア102の往復移動に同期して記録ヘッ
ド202を駆動してインクを記録信号に応じて吐出する
ことにより、被記録材112に記録ヘッド一行分の記録
を行うものである。即ち、記録ヘッド202は微細な液
体吐出口(オリフィス)、液路およびこの液路の一部に
設けられるエネルギー作用部と、その作用部にある液体
に作用して液体を吐出するために利用される液滴形成エ
ネルギーを発生するエネルギー発生手段を備えている。
【0010】このようなエネルギーを発生するエネルギ
ー発生手段としてピエゾ素子などを用いた記録方法、レ
ーザなどの電磁波を照射して発熱させ、その発熱による
作用で液体を吐出させる記録方法、あるいは、発熱抵抗
を有する発熱素子等の電気熱変換体によって液体を加熱
して液体を吐出させるエネルギー発生手段を用いた記録
方法などがある。
【0011】その中でも熱エネルギーによって液体を吐
出させるインクジェット記録方法に用いられる記録ヘッ
ドは、記録用の液体を吐出して液滴を形成するための液
体吐出口を高密度に配列することができるために高解像
度の記録をすることが可能である。その中でも電気熱変
換体をエネルギー発生手段として用いた記録ヘッドは、
コンパクト化も容易であり、かつ最近の半導体分野にお
ける技術の進歩と信頼性の向上が著しいIC技術やマイ
クロ加工技術の長所を十二分に活用でき、高密度実装化
が容易で、製造コストも安価なことから有利である。
【0012】キャリア102のスキャンによって一行分
の記録を行うと、被記録材112を搬送ローラ113と
これに圧接するピンチローラ114の回転対と、搬送ロ
ーラ115とこれに当接する拍車116との回転対とに
よって搬送することよって一行分搬送して次行記録を行
う。これを具体的に説明すると、記録ヘッド202の吐
出口面に記録面が対向する被記録材112を、ピンチロ
ーラ114によって搬送ローラ115に圧接し、搬送ロ
ーラ115を紙送りモータ117によって回転させるこ
とにより、記録位置へ必要なだけ搬送する。そして記録
後は、拍車116によって被記録材112を排出ローラ
115に圧接し、この排出ローラ115の回転によって
装置外へと排出搬送する。
【0013】搬送ローラ113および排出ローラ115
の駆動は紙送りモータ117によって行われるが、その
駆動力の伝達は減速歯車列(不図示)によって行われ
る。被記録材112の記録面側に接触する拍車116の
回転軸は固定され、被記録材112の厚さに関わらず、
拍車116と被記録材112との接触位置は変化しない
のに対し、被記録材112の被記録面側に接触する排出
ローラ115は、被記録材112の厚さによって、排出
ローラ115が変形して被記録材112の厚さの変化に
対応するようになっている。具体的には、排出ローラ1
15には薄肉のゴムより成り、円錐状に形成され、径方
向に復元力を持って変形する。そこで、拍車116に対
する圧接力と、被記録材112の厚さに応じて変形す
る。
【0014】また、排出ローラ115を弾性的変形の大
きな材料、例えば多孔質のスポンジや硬度の非常に低い
樹脂やゴムなどの材料で構成することによって同様の効
果が得られる。更には排出ローラ115全体をバネ等で
拍車116に圧接してもよい。従って、被記録材112
の厚さに関わらず記録ヘッド202と被記録材112の
間隔を所定量に保つことができ安定した搬送を行うこと
ができる。
【0015】118はペーパーセンサであり、被記録材
112の有無を検出する。また、119はロックレバー
である。ピンチローラ114はその両端に穴が開いてい
て、そこにピンチローラバネ(不図示)の端部が折り曲
げて入り込み軸状に支持し、ピンチローラ114はピン
チローラバネの端部を中心として回転自在に動き、ピン
チローラバネのテンションで搬送ローラ113に圧接さ
れる。
【0016】121は記録ヘッド202を保護するため
のキャップである。これは、駆動機構(不図示)により
記録ヘッド202がホームポジション位置にいるとき、
インク吐出部をキャップする。キャップ121には吸引
ポンプ(不図示)が接続されていて、インク不吐出時に
はキャッピング状態で吸引動作を行うことにより、イン
ク吐出口の回復を行う。また吸い出した排インクは中空
となっているプラテン123内に導かれ、外部へ漏れる
ことはない。122はインク吐出口面が汚れたとき、汚
れを拭うために駆動機構(不図示)によりインク吐出口
面をワイピングするブレードである。なお、キャップ1
21、吸引ポンプ、ブレード122を駆動する機構は、
単独にアクチュエータを持っていてもよいが、本発明の
実施例の場合キャリアモータ106の駆動力を使用して
動作させる。
【0017】図2は本実施例の記録装置のヘッドカート
リッジ201を示す外観斜視図である。図2において、
202は電気信号によりインクを吐出させる記録ヘッ
ド、214は記録ヘッドへ電気信号を導くヘッドコンタ
クト部で、キャリア102内に導かれたフレキシブルケ
ーブル111の両端に形成された電極と接し、信号を伝
達する。203はインクを収納しておき記録ヘッド20
2に供給するインクタンクである。213はヘッドカー
トリッジ201をキャリア102へ装着するためのガイ
ド溝で、キャリア上のロックレバー119はガイド溝2
13、位置決め穴215によって、ヘッドカートリッジ
201をキャリア102に固定する。このときフレキシ
ブルケーブル111とヘッドコンタクト214が接触す
る。
【0018】記録ヘッド202は、インクを吐出するた
めに利用される熱エネルギーを発生する複数の電気熱変
換素子およびこれを駆動するための駆動回路が形成され
た基板と、この基板上に複数の電気熱変換素子の各々に
対応した吐出口および液路、さらには各液路に連通する
共通液室を構成するための天板が積層されており、さら
には前記駆動回路に記録装置本体から信号を与えるため
の電気的接点が設けられている。さらに、ヘッドの状態
を記録装置本体から検知するためのセンサとして、イン
ク残量検知センサ、電気熱変換体素子近傍の温度を検知
するための温度検知センサ、ヘッドカートリッジの種類
が違うものを交換しながら使用する場合にヘッドカート
リッジの種類を特定するヘッド種類判別センサ等があ
る。これらのセンサからの信号を記録装置本体で判断
し、電気熱変換素子に印加する信号を制御して記録状態
を最適にすることができる。そして、このようにして構
成された記録ヘッドの吐出口を配列した吐出口面が記録
媒体に対向するように記録装置に搭載される。
【0019】なお、図示はしていないが自動給紙モー
タ、給紙イニシャルセンサ、手動/自動切り替えの給紙
切り替えセンサ等で構成された記録媒体の自動給紙装置
を装備することも可能である。次に本実施例に関する記
録装置を組み込んだ情報処理装置に関して、その構成と
電気回路について説明する。
【0020】図3は本実施例の記録装置を組み込んだ情
報処理装置400の外観斜視図である。図3において、
401は本実施例の記録装置そのものであるプリンタ
部、402は文字や数字およびその他のキャラクタを入
力するためのキーや各種指示を与えるためのキーなどを
備えたキーボード部、403はLCD等の表示器を備え
る表示部である。
【0021】図4は図3に示す情報処理装置の電気回路
構成を示すブロック図である。図4において、501は
装置全体を制御するコントローラであり、502は制御
プログラムや各種処理プログラムを実行する例えば1チ
ップマイクロコンピュータなどのCPU、503はテキ
ストデータや画像データを展開したりする領域やCPU
502が用いる作業領域などを設けたRAM、504は
CPU502が実行する制御プログラム、各種処理プロ
グラム、その他フォントデータなどの固定データを格納
したROM、505はCPU502の実行サイクルを作
り出したりプリンタ部401による記録動作の際必要な
タイミングを作り出したりするタイマ、506はCPU
502と周辺装置との間で信号を授受するインタフェー
ス部である。
【0022】また、507はプリンタ部401のコント
ローラ、508はヘッドカートリッジ201の有無、種
類、記録ヘッド202の温度を検出するセンサの出力
値、インクタンク203内のインクの有無を検出する各
種センサの出力等の記録ヘッドの情報を検出するヘッド
検出部、509はヘッドカートリッジ201の記録デー
タを蓄えるためのラインバッファ、510はヘッドカー
トリッジ201に記録信号や電力などを送出するヘッド
ドライバ、511a,511b,511cは各々、キャ
リアモータ106、紙送りモータ117、自動給紙モー
タ520を駆動するために必要な信号や電力などを送出
するモータドライバで、電流検出器523を介して各モ
ータに接続される。512はホームポジションセンサ1
20、ペーパーセンサ118、給紙イニシャルセンサ5
21、給紙切り替えセンサ522、記録装置の設置され
ている環境温度を測定するサーミスタ524等のセンサ
の出力を検出するセンサ検出部である。
【0023】さらに、404は例えばFDD,HDD,
RAMカードなどの外部記憶装置、405は例えば他の
情報処理装置と通信を行なったり、内部のバスに直接接
続して周辺装置を制御したりするための外部インタフェ
ースである。なお、図4には示していないが、他に上記
の電気回路に電力を供給するための電源部があり、これ
には例えば充電式のバッテリや、使い捨ての乾電池、あ
るいは情報処理装置本体を固定して使用する場合のAC
電源用変換器などがある。
【0024】上述の電気回路構成によりプリンタ部40
1で被記録材(記録用紙等)112に記録を行う。以
下、その電気回路が実行する記録動作制御シーケンスの
概略を図5〜図11に示すフローチャートを参照して説
明する。図5は、図1に示す記録装置、或いは、図3に
示す情報処理装置の電源オン/オフ処理の概要を示す図
である。
【0025】ステップS1はタイマ505の動作以外は
機能が停止したパワーオフの状態である。パワーオフの
状態からパワーオンの信号、即ち、電源スイッチのオン
によって動作が開始され、記録装置ではまずステップS
2のパワーオン処理が実行される。パワーオン処理(ス
テップS2)が終了すると、次に、処理はステップS3
に進み、パワーオンの状態になる。記録動作等が行われ
るのはパワーオンの状態である。
【0026】さて、パワーオン(ステップS3)の状態
においてパワーオフの信号が検出されると、処理はステ
ップS4に進みパワーオフ処理が実行される。パワーオ
フ処理(ステップS4)が終了すると、処理はステップ
S1に進みパワーオフの状態に戻る。従って、電源のオ
ン/オフの際には所定の処理を経て電源オン/オフの状
態となる。また、パワーオン(ステップS3)の状態に
おいて一時停止信号が検出されると、処理はステップS
5に進み一時停止処理が実行される。一時停止信号と
は、例えば、図3に示す表示部403がパワーオンの状
態においてキーボード部403の上に畳まれた場合やバ
ッテリーの交換を行った場合等、使用者が装置動作中に
も関わらず、非動作中に行うような行為を行った場合
に、例えば、表示部403の開閉を検出するセンサやバ
ッテリーの着脱を検出するセンサ等によって検出される
信号である。また、一時停止処理とは、基本的使用と異
なる使用をされた場合に装置の破損、不良発生防止のた
めに行う処理であり、詳述は後述する。
【0027】また、ステップS5において一時停止処理
が終了すると、処理はステップS6へ進み一時停止状態
となる。一時停止状態(ステップS6)では、必要な部
分以外の機能を停止あるいは電源をオフした状態となっ
ている。一時停止状態において、一時停止解除信号が検
出されると、処理はステップS7へ進み一時停止解除処
理が行われる。一時停止解除信号とは、一時停止信号と
対になる信号であり、例えば、表示部403が閉じた状
態から開いた状態に変化したときや、バッテリーが外れ
た状態から装着状態に変化した時等、装置が動作可能状
態に戻ったことを示す信号である。
【0028】また、一時停止解除処理(ステップS7)
とは、一時停止以前の状態に復帰するための処理であ
り、詳細は後述する。これによって、使用者が装置動作
中に不用意に表示部403を開閉したり、バッテリーを
脱着した場合においても、元の状態に復帰することが可
能となる。ステップS7において、一時停止解除処理が
終了すると処理はステップS3に進みパワーオン状態へ
戻る。一時停止信号に係わる処理では、その信号検出時
に一時停止処理を行うかどうかの選択ができるようにし
てもよい。例えば、記録装置が動作中は紙の取り扱いが
あるため、表示部403を閉じた方がよい場合には、表
示部403の開閉時に一時停止処理を禁止するように、
装置の選択をすることができる。
【0029】以下、図5に示したパワーオン処理(ステ
ップS2)、パワーオフ処理(ステップS4)、一時停
止処理(ステップS5)、一時停止解除処理(ステップ
S7)、及び、パワーオン(ステップS3)において実
行される詳細な処理について、順次説明する。 (1)パワーオン処理 図6はパワーオン処理(ステップS2)の詳細を示すフ
ローチャートである。
【0030】まず、ステップS11において各アクチュ
エータを駆動してイニシャライズを行う。具体的にはキ
ャリアモータ106を駆動し、ホームポジションセンサ
120の出力が切り替わる位置をキャリア102の基準
位置(ホームポジション)とした後、記録ヘッド202
の吐出口をキャップ121によってふさぐキャッピング
状態とする。次に紙送り、自動給紙のイニシャライズを
行う。具体的には紙送りのばらつき均一化するため、紙
送りモータ117を逆方向および順方向にそれぞれ所定
量駆動し、給紙イニシャルセンサ521がイニシャル位
置を検出するまで自動給紙モータ520を駆動する。
【0031】次に、ステップS13では、タイマ505
によって最後に記録ヘッド202の吐出或は吸引が行わ
れてから現在までの時間を計測しそのインターバルが所
定時間(n)以上であれば、処理はステップS14に進
み記録ヘッド202の回復処理を行い、所定時間(n)
未満であれば処理はステップS15へ進む。ステップS
14においては記録ヘッド202の回復処理として記録
ヘッド202のキャップ121内へのインク吐出、ブレ
ード122による記録ヘッド202の吐出部の清掃、ポ
ンプによる記録ヘッド202からのインクの吸引等を行
う。回復処理によって、長時間記録ヘッド202が未使
用で放置された結果、記録ヘッド202の吐出部におけ
るインクの蒸発によってインク粘度が上昇しインク吐出
不良になることを未然に防ぐことができる。
【0032】さて処理はステップS15において、ペー
パセンサ118が紙有りを検出しているかどうかをチェ
ックし、紙有りと判断されたならば処理はステップS1
6に進み、検出された紙を排出する。即ち、ペーパセン
サ118が紙有りを検出した後、所定量まで紙送りモー
タ117を順方向に駆動する。一方、紙無しと判断され
たならば処理はステップS17へ進んでパワーオン処理
を終了する。
【0033】(2)パワーオフ処理 図7はパワーオフ処理(ステップS4)の詳細を示すフ
ローチャートである。まず、ステップS21において記
録ヘッド202がキャッピング状態にあるかチェック
し、キャッピング状態になければ処理はステップS22
へ進み、キャリアモータ106を駆動し記録ヘッド20
2をキャッピング状態とする。一方、キャッピング状態
であれば処理はステップS23へ進む。次に、処理はス
テップS23において、記録装置の電源をオフし機能を
停止する。この後、処理はステップS24に進んで、パ
ワーオフ処理を終了する。
【0034】以上の処理において、記録ヘッド202が
キャッピング状態にない場合、即ち、記録実行中等に電
源スイッチをオフ状態にされた場合においても、確実に
記録ヘッド202をキャッピング状態にした後電源オフ
とするため、記録ヘッド202の吐出部分が大気に晒さ
れ、インクの蒸発によるインク粘度上昇によって吐出不
良が発生することを防止している。
【0035】(3)一時停止処理 図8は一時停止処理(ステップS5)の詳細を示すフロ
ーチャートである。まず、ステップS31では現在実行
中の処理の有無をチェックし、実行中処理が有るならば
処理はステップS32に進み、なければステップS33
に進む。ステップS32では、現在実行中の処理を所定
分だけ実行する。具体的には、記録実行中であれば実行
中の行の処理が終了するまで、また、紙送りや自動給紙
動作中であればその動作完了まで処理する。また、記録
用紙排出中であれば即時に処理中断する。次にステップ
S33では、現在の処理実行状態を記憶する。即ち、中
断した処理が有ればその中断した状態、表示部403や
操作パネル(不図示)の状態、オンライン/オフライン
の状態、或いは、バッテリー電源のための省力モードが
有ればその状態等をメモリ(RAM503)に保存す
る。
【0036】次に処理はステップS34において、記録
ヘッド202をキャッピング状態にする。なお、すでに
記録ヘッド202がキャッピング状態にあれば何もしな
い。さらにステップS35では、装置の一時停止状態に
おいて動作が不必要な部分の電源をオフにする。最後
に、ステップS36では一時停止処理を終了する。
【0037】以上の処理によって、記録実行中に一時停
止信号が検出されても記録ヘッド202のキャッピング
が確実に行なわれ、記録ヘッド202がキャッピングし
ないで放置され吐出不良が発生することが防止される。 (4)一時停止解除処理 図9は一時停止解除処理(ステップS7)を詳細に示す
フローチャートである。まず、ステップS41において
所定のイニシャライズを行う。具体的には、ステップS
11〜S12に示したキャリア102の位置確定(ホー
ムポジション)、紙送りモータ117による紙送りのば
らつきの均一化、自動給紙機構のイニシャル位置セット
等を行う。次に、ステップS42では、ステップS33
の処理において記憶された一時停止前状態をチェックす
る。
【0038】次に処理はステップS43において、一時
停止前の状態に復帰する処理を行う。具体的には、中断
した処理があれば処理を再起動させてその処理を完了さ
せ、表示部403や操作パネルの状態を復帰させたりす
る。最後にステップS44に進み一時停止解除処理を終
了する。以上の処理によって、記録装置の処理実行中に
一時中断状態になっても、その復帰後一時停止前の処理
を継続して行うことができる。
【0039】(5)パワーオン 図10〜図11はパワーオン(ステップS3)の状態に
おいて実行される処理を詳細に示すフローチャートであ
る。まず、ステップS51において各種エラーのチェッ
クおよびエラー処理を行う。具体的には、例えば、記録
装置に記録用紙がない場合、ヘッドカートリッジ201
が装着されていない場合、記録処理中に記録用紙ジャム
を検出した場合、記録ヘッド202の温度が異常に上昇
した場合、各種モータの走査エラーを検出した場合等、
エラー発生である旨を表示部403や操作パネルに表示
したりブザーを鳴らして警告したりする。
【0040】次に、ステップS52では、キーボード部
402、操作パネル、外部インタフェース部405等か
らのキー入力操作やコマンド受信をチェックし、対応す
る処理を行う。具体的には、キーボード部402に設け
られた紙送りキーが押下された場合には、紙の挿入、排
出、所定量の紙送り等を状況に応じて行う。また、オン
ラインキーが押された場合や、オンライン/オフライン
コマンドが受信された場合にはエラー状態をチェック
し、オンライン状態、或いは、オフライン状態に従った
適切な処理を行う。また、記録命令等に関するコマンド
を受信した場合には対応する処理を行う。さらには、ヘ
ッドカートリッジ201の交換を行うためのキー入力を
検出した場合には、キャリアモータ106を駆動しキャ
リア102をヘッドカートリッジ交換の容易な位置に移
動させ、その交換が終了した後、キャリアモータ106
を駆動しキャリア102をホームポジションに戻し、キ
ャップ121で記録ヘッド202をキャッピングし、ポ
ンプにより記録ヘッド202の吐出口よりインクを吸引
する。
【0041】なお、ヘッドカートリッジ201交換時に
記録ヘッド202及びインクタンク201内のインク流
路途中に空気が混入した場合には、インクの吸引によっ
て混入した空気を記録ヘッド202外に吸い出し、記録
ヘッド202の空気混入による吐出不良の発生を未然に
防ぐようにしている。次に、ステップS53では記録処
理を行う。その詳細は後述する。
【0042】さらにステップS54では、パワーオフ信
号の監視状態となり、パワーオフ信号を検出した場合、
パワーオフ処理(ステップS4)へ進み、これを検出し
ない場合には処理はステップS51に戻る。図11はス
テップS53の記録処理を詳細に示すフローチャートで
ある。以下、その記録処理の詳細を説明する。
【0043】まず、ステップS61では記録を実行する
コマンド、例えば、紙送りコマンドや記録すべきデータ
の受信の有無、記録ヘッドによる記録命令等があるかど
うかをチェックする。ここで、記録命令がある場合には
処理はステップS62へ進み、記録命令がない場合には
処理はステップS69へ進んで記録処理を終了する。次
にステップS62では装置(ここではプリンタ部)がオ
ンライン状態にあるかどうかをチェックし、オンライン
状態であるならば処理はステップS63に進み、オフラ
イン状態ならば処理はS69へ進んで記録処理を終了す
る。
【0044】ステップS63では、記録開始のための処
理を行う。具体的には、記録ヘッド202内のヒータに
よる記録ヘッド202の温度調節を行なったり、記録ヘ
ッド202の記録領域外へのインク吐出による吐出調整
を行なったり、或いは、キャリアモータ106の正逆走
査時のズレ量をホームポジションセンサ120によって
計測し、双方向記録時のズレ補正を行なったりする。さ
らに、ステップS64では給紙チェックを行う。例え
ば、自動給紙状態で記録位置に紙挿入がされていない場
合には、自動給紙モータ520を駆動して給紙を行う。
【0045】次に処理はステップS65に進み、1行単
位の記録を実行する。具体的には、キャリアモータ10
6を駆動して記録ヘッド202を移動させながら、記録
ヘッド202からインクを被記録材112に吐出し記録
を行い、1行の記録が終了すると所定量だけ被記録材
(記録用紙等)112を搬送する。ステップS66では
記録動作に伴うエラーが発生したかどうかのチェックを
行う。ここで、エラー発生があれば処理はステップS6
8へ進み、一方、エラー発生が無ければ処理はS67へ
進む。エラーのチェックは、例えば、記録用紙下端の検
出、紙ジャムの検出、インクの有無の検出、各種モータ
の走査エラー等であり、検出されたエラーに対応した処
理は前述したステップS51で実行される。さて、ステ
ップS67では、記録終了を示すコマンド、例えば、紙
排出コマンドの受信のチェックを行う。ここで、記録終
了が指示されれば処理はステップS68へ進み、一方、
記録終了が指示されなければ処理はステップS65に戻
り記録動作を継続する。
【0046】そして、ステップS68では、記録用紙の
排出等の記録終了の処理を行う。最後にステップS69
では記録処理を終了する。次に、記録装置に備えられた
種々のアクチュエータの温度変化に伴う記録制御処理に
ついて説明する。図12(a)は、アクチュエータに電
流を供給したときの温度上昇特性グラフである。アクチ
ュエータに加える電流(I)が複数ある場合は、それぞ
れの電流値に応じた温度特性を有することになるが、本
実施例ではI=Imax,I=Imid,I=Imin
と3段階とした。図12(b)は電流供給を停止したと
きの放熱特性グラフである。放熱特性は記録装置を設置
する環境温度(T)に左右されるが、本実施例では環境
温度をT=T1,T=Tm,T=Thの3段階とした。
この段階を細かく設定するほどアクチュエータ推定温度
の精度は上がる。これらの特性は、各アクチュエータ毎
に異なるので、すべてのアクチュエータに対して、異な
る温度上昇特性と放熱特性が存在する。本実施例では、
これらの特性を、予め記録装置にアクチュエータを実装
状態で測定しておき、その特性情報をROM504内に
テーブル或は閾値として記憶しておく。
【0047】図13は本実施例のアクチュエータの温度
変化に伴う記録制御処理を示したフローチャートであ
る。この処理は記録装置に電源が投入されると同時にタ
イマ505によって所定時間間隔毎にトリガが掛けられ
る割込処理の一つである。まず、ステップS71で検出
器523によってアクチュエータ(キャリアモータ10
5、紙送りモータ107、自動給紙モータ520)に電
流が供給されているかどうかチェックする。これらのア
クチュエータに電流が流れていれば、処理はステップS
72へ進み、一方、流れていなければ処理はステップS
710へ進む。
【0048】次に、ステップS72では検出器523で
検出された電流値に従った温度上昇特性を選択する。例
えば、ここでは仮に、I=Imidの温度上昇特性が選
択されたとする(図12(a))。ステップS73で
は、前回の割り込みによって推定された温度(T)をR
AM503から読み出し、これをTa1とする。図12
(a)に示す温度上昇特性から、I=Imidにおける
温度Ta1に対応する時刻(a1)が定まる。一方、今
回の割り込み時刻から次回の割り込み時刻までの割込み
時間間隔は所定値(Δt)であるので、時刻(a1)に
所定値(Δt)を加えた時刻(a2)が求められ、その
時刻に対応する温度(Ta2)が選択された温度上昇特
性から推定される。従って、ステップS74において、
この時の温度上昇値(Ta2−Ta1)が求められる。
【0049】次に、ステップS75では、サーミスタ5
24で記録装置が設置された環境の環境温度を測定す
る。さらに、ステップS76では、測定された環境温度
におけるアクチュエータの放熱特性を選択する。例え
ば、本実施例ではT=Tmの放熱特性が選択されたとす
る(図12(b))。続く、ステップS77では前回の
割り込みによって推定された温度(T)をRAM503
から読み出し、これをTb1とする。図12(b)に示
す放熱特性からT=Tmにおける温度Tb1に対応する
時刻(b1)が定まる。一方、今回の割り込み時刻から
次回の割り込み時刻までの割込み時間間隔は所定値(Δ
t)であるので、時刻(b1)に所定値(Δt)を加え
た時刻(b2)が求められ、その時刻に対応する温度
(Tb2)が選択された放熱特性から推定される。従っ
て、ステップS78では、アクチュエータの推定温度は
Tb2+(Ta2−Ta1)となり、ステップS79で
は、この新たに推定された温度をTとしてRAM503
へ記憶する。
【0050】さて、アクチュエータに電流が流れていな
い場合、処理はステップS710へ進み、サーミスタ5
24で記録装置が設置されている環境の環境温度を測定
する。続くステップS711では測定された環境温度に
従ってアクチュエータの放熱特性を選択する。本実施例
では、T=Tmに対応する放熱特性が選択されたとする
(図12(b))。さらにステップS712では前回の
割り込みによって推定された温度TをRAM503から
読み出し、これをTb1とする。図12(b)によれ
ば、T=Tmにおける放熱特性からアクチュエータに電
流を流さなくなってからの温度Tb1に対応する経過時
間(b1)が定まる。一方、今回の割り込み時刻から次
回の割り込み時刻までの割込み時間間隔は所定値(Δ
t)であるので、次回に割込みがかかる時刻(b2)が
求められ、従って、ステップS713ではその時の推定
温度(Tb2)が得られる。ステップS714では、こ
の値を新たな推定温度(T)としてRAM503へ記憶
する。
【0051】アクチュエータに電流が流れている場合、
ステップS71〜S79の処理を実行後、処理はステッ
プS715において、得られた推定温度(T)が装置の
通常使用可能な限度内にあるかどうかを判断する。ここ
で、その推定温度(T)が装置の通常使用可能な限度内
にあれば処理は正常終了するが、そうでなければ処理は
ステップS716に進む。そして、ステップS716で
は推定温度(T)が装置動作のためには危険範囲である
かどうかを調べる。その温度が危険範囲にある時は処理
はステップS717に進み、記録装置を停止し、警告を
出す。これによって、アクチュエータへの電流供給が停
り、その動作が停止して装置の過熱を防ぐとともに、装
置各部の保全を図る。これに対して、推定温度(T)は
通常使用可能な限度外にあるものの危険範囲外であると
きには処理はステップS718に進み、アクチュエータ
に供給する電流を下げたり、動作の途中に待ち時間を入
れて動作デューティを下げたりしてアクチュエータの温
度を下げるようにする。
【0052】このような制御は、各アクチュエータ毎に
行われる。尚、各アクチュエータの温度上昇特性や放熱
特性は同一ではないので、図12に示した印加電流値
(Imax,Imid,Imin)や環境温度(Th,
Tm,T1)に従う各特性は記録装置の各アクチュエー
タ毎に異なることは言うまでもない。従って本実施例に
従えば、記録装置の各アクチュエータに印加される電流
値から上昇温度を推定し、その推定温度に従って、正常
に記録動作を続けるか、停止するか、或いは、動作デュ
ーティを下げて記録を続けるか制御することができるの
で、装置の保全を図りつつ、各アクチュエータの性能を
十分に発揮して記録動作を行なうことができる。
【0053】なお本発明の実施例では、特にインクジェ
ット記録方式の中でも、インク吐出を行なわせるために
利用されるエネルギーとして熱エネルギーを発生する手
段(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱
エネルギーによりインクの状態変化を生起させる方式の
記録ヘッド、記録装置について説明した。かかる方式に
よれば、記録の高密度化、高精細化が達成できる。
【0054】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型、
コンティニュアンス型のいずれにも適用可能であるが、
特にオンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて膜沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギーを発生
せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、
結果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(イン
ク)内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の
成長、収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を
吐出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動
信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮
が行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の
吐出が達成でき、より好ましい。
【0055】このパルス形状の駆動信号としては、米国
特許第4463359号明細書、同第4345262号
明細書に記載されているようなものが適している。な
お、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許
第4313124号明細書に記載されている条件を採用
すると、さらに優れた記録を行うことができる。記録ヘ
ッドの構成としては、上述の各明細書に開示されている
ような吐出口、液路、電気熱変換体の組合せ構成(直線
状液流路または直角液流路)の他に熱作用部が屈曲する
領域に配置されている構成を開示する米国特許第455
8333号明細書、米国特許第4459600号明細書
を用いた構成であっても良い。
【0056】加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開
示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギー
の圧力波を吸収する開口を吐出部に対応させる構成を開
示する特開昭59−138461号公報に基づいた構成
としても良い。
【0057】更に、記録装置が記録できる記録媒体の最
大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘ
ッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのような
記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合わせによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。加えて、上
例のようなシリアルタイプのものでも、装置本体に固定
された記録ヘッド、あるいは装置本体に装着されること
で装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの
供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッ
ド、あるいは記録ヘッドとインクタンクがキャリア上で
自在に分割できるインクカートリッジタイプの記録ヘッ
ドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0058】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは記録動作を一層安定できるので、好ましいもの
である。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対し
てのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或は吸
引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或はこ
れらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手段、記
録とは別の吐出を行う予備吐出手段を挙げることができ
る。
【0059】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0060】以上説明した本発明実施例においては、イ
ンクを液体として説明しているが、室温やそれ以下で固
化するインクであって、室温で軟化もしくは液化するも
のを用いてもよく、或はインクジェット方式ではインク
自体を30℃以上70℃以下の範囲内で温度調整を行っ
てインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温度制御す
るものが一般的であるから、使用記録信号付与時にイン
クが液状をなすものを用いてもよい。
【0061】加えて、熱エネルギーによる昇温をインク
の固形状態から液体状態への状態変化のエネルギーとし
て使用せしめることで積極的に防止するか、またはイン
クの蒸発防止を目的として放置状態で固化するインクを
用いるかして、いずれにしても熱エネルギーの記録信号
に応じた付与によってインクが液化し、液状インクが吐
出されるものや、記録媒体に到達する時点ではすでに固
化し始めるもの等のような、熱エネルギーの付与によっ
て初めて液化する性質のインクを使用する場合も本発明
は適用可能である。このような場合のインクは、特開昭
54−56847号公報あるいは特開昭60−7126
0号公報に記載されるような、多孔質シート凹部または
特開昭60−71260号公報に記載されているような
多孔質シート凹部または貫通孔に液状または固形物とし
て保持された状態で、電気熱変換体に対して対向するよ
うな形態としてもよい。
【0062】更に加えて、本発明の形態としては、ホス
トコンピュータ等の端末として用いられるもの、リーダ
等と組み合わされるもの、記録ヘッドと読み取りヘッド
との置換が可能なもの、さらにはファクシミリ機能を有
するもの等であっても良い。尚、本発明は、複数の機器
から構成されるシステムに適用しても良いし、1つの機
器から成る装置に適用しても良い。また、本発明はシス
テム或は装置にプログラムを供給することによって達成
される場合にも適用できることはいうまでもない。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、記
録ヘッドを搭載したキャリアを第1の方向に移動させる
移動手段と記録媒体を第2の方向に搬送する搬送手段各
々の駆動による発熱特性と放熱特性とを記憶しておき、
その移動手段と搬送手段を駆動するための電流が流れて
いるかどうかを検出し、その移動手段と搬送手段の温度
を測定し、その検出結果と測定温度に基づき、上記発熱
特性と放熱特性とを用いて、移動手段と搬送手段各々の
上昇或いは下降温度を推定し、その推定温度に基づい
て、記録ヘッドによる記録を制御するので、記録ヘッド
を移動させる移動手段や記録媒体を搬送させる搬送手段
等のアクチュエータの性能を十分発揮させながら、これ
らのアクチュエータが過熱しないように保護しつつ、記
録動作を行なうことができるという効果がある。また他
の発明によれば、装置各部の温度を推定し、その推定さ
れた温度に応じて記録動作を制御するので、装置各部が
過熱しないように保護しつつ、記録動作を行なうことが
できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の代表的な実施例であるインクジェット
方式の記録装置の外観斜視図である。
【図2】図1に示す記録装置に搭載するヘッドカートリ
ッジの外観斜視図である。
【図3】図1に示す記録装置を組込んだ情報処理装置の
外観斜視図である。
【図4】図3に示す情報処理装置の電気制御回路の構成
を示すブロック図である。
【図5】図3に示す情報処理装置の電源オン/オフ処理
を示す図である。
【図6】図3に示す情報処理装置のパワーオン処理を示
すフローチャートである。
【図7】図3に示す情報処理装置のパワーオフ処理を示
すフローチャートである。
【図8】図3に示す情報処理装置の一時停止処理を示す
フローチャートである。
【図9】図3に示す情報処理装置の一時停止解除処理を
示すフローチャートである。
【図10】図3に示す情報処理装置のパワーオン処理を
示すフローチャートである。
【図11】図3に示す情報処理装置の記録処理を示すフ
ローチャートである。
【図12】記録ヘッドの温度上昇特性グラフと放熱特性
グラフを示す図である。
【図13】図3に示す情報処理装置のアクチュエータの
温度変化に伴う記録制御処理を示すフローチャートであ
る。
【符号の説明】
101 シャーシ 102 キャリア 103 リードスクリュー 106 キャリアモータ 111 フレキシブルケーブル 112 被記録材 113 搬送ローラ 114 ピンチローラ 115 排出ローラ 116 拍車 117 紙送りモータ 118 ペーパセンサ 120 ホームポジションセンサ 201 ヘッドカートリッジ 202 記録ヘッド 203 インクタンク 400 情報処理装置 402 キーボード部 403 表示部 502 CPU 503 RAM 504 ROM 505 タイマ 506 インタフェース部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録ヘッドから記録剤を記録媒体に吐出
    して記録を行なう記録装置であって、 前記記録ヘッドを搭載したキャリアを第1の方向に移動
    させる移動手段と、 前記記録媒体を第2の方向に搬送する搬送手段と、 前記移動手段と前記搬送手段の駆動による発熱特性と放
    熱特性とを記憶する記憶手段と、 前記移動手段と前記搬送手段を駆動するための電流が流
    れているかどうかを検出する検出手段と、 前記移動手段と前記搬送手段の温度を測定する測定手段
    と、 前記検出手段による検出結果と前記測定手段によって測
    定された温度に基づき、前記発熱特性と前記放熱特性と
    を用いて、前記移動手段と搬送手段各々の上昇或いは下
    降温度を推定する温度推定手段と、 前記推定温度に基づいて、前記記録ヘッドによる記録を
    制御する制御手段とを有することを特徴とする記録装
    置。
  2. 【請求項2】 前記記憶手段に記憶される発熱特性は複
    数の電流値各々に従って複数あり、前記記憶手段に記憶
    される放熱特性は複数の温度値各々に従って複数あるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 【請求項3】 前記検出手段による電流検出と、前記測
    定手段による温度測定と、前記温度推定手段による温度
    推定とは所定時間間隔で行なうことを特徴とする請求項
    1に記載の記録装置。
  4. 【請求項4】 前記記憶手段には、前記所定時間間隔で
    推定された推定温度を格納し、次回の温度推定によって
    得られた新たな推定温度で、前記格納された推定温度は
    置換されることを特徴とする請求項3に記載の記録装
    置。
  5. 【請求項5】 前記制御手段は、前記推定温度が装置の
    正常動作のための温度範囲外になったときには、記録動
    作を停止したり、或いは、記録動作デューティを下げる
    よう制御することを特徴とする請求項1に記載の記録装
    置。
  6. 【請求項6】 前記記録ヘッドは、インクを吐出して記
    録を行うインクジェット記録ヘッドであることを特徴と
    する請求項1に記載の記録装置。
  7. 【請求項7】 前記記録ヘッドは、熱エネルギーを利用
    してインクを吐出する記録ヘッドであって、インクに与
    える熱エネルギーを発生するための熱エネルギー変換体
    を備えていることを特徴とする請求項1に記載の記録装
    置。
  8. 【請求項8】 記録ヘッドを用いて記録媒体上に画像の
    記録を行う記録装置において、 装置各部を駆動する駆動手段と、 前記駆動手段の温度を推定する温度推定手段と、 前記温度推定手段により推定された温度に応じて記録動
    作を制御する制御手段とを有することを特徴とする記録
    装置。
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