JP2008244064A - 電磁波シールド部材、その製造方法および画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】金属箔1、接着樹脂層2、粘着性樹脂層3および剥離層4がこの順で積層されてなる積層体を形成する工程と、該金属箔1の該接着樹脂層2を積層している面と反対側の面を幾何学図形状にパターニングする工程と、該金属箔1のパターニングした面をエッチングする工程とを有することを特徴とする電磁波シールド部材の製造方法、該方法により得られる電磁波シールト部材、これを備えた画像表示装置。
【選択図】図1
Description
一方、放射ノイズの対策としては、電磁気的に空間を絶縁する必要があるため、例えば、筐体を金属体または高導電体にしたり、回路基板同士の間に金属板を設置したり、ケーブルに金属箔を巻き付けたりすることにより、ディスプレイから発生する電磁波(EMI)が外部に放出されることを防止している。これらの対策は、回路や電源ブロックではEMIシールド効果が期待できるが、CRT、PDPなどの画像表示装置の画像を表示する前面より発生するEMIのシールド用途としては、透明性に欠けるため画像の視認性を確保できず、適したものではなかった。
例えば、特許文献1、2には、透明基材上に金属または金属酸化物を蒸着して薄膜シールド層を形成する方法が開示されている。
特許文献3、4には、メッシュ状の良導電性繊維を透明基材に埋め込む方法によって得られたEMIシールド部材が開示されている。
特許文献5、6には、金属粉末等を含む導電性樹脂を、透明基材上にメッシュ形状になるように直接印刷する方法によって得られたEMIシールド部材が開示されている。
特許文献7には、透明基材上の表面に凹凸を形成させた後に銅箔を貼り付け、エッチングにより銅のメッシュを形成する方法が開示されている。
スパッタタイプは透明基材の全面にシールド層を形成する方法であるが、光の透過性も確保しなければならないため、その膜厚を厚くすることができない。通常、シールド層には、電磁波規制により表面抵抗を1.5Ω/□以下(クラスB:家庭用)にすることが求められるが、シールド層の膜厚が薄くなるほど表面抵抗は低抵抗になりにくくなる。そのため、スパッタタイプでは、膜厚を薄く形成し、かつ、表面抵抗が1.5Ω/□以下のシールド層を作成することが困難であった。
エッチングメッシュは、通常、レジスト塗布(または貼り合せ)、露光、現像の3工程を有するフォトリソグラフィーを用いて作成する。
また、従来のエッチングメッシュは、導電性物質上に粘着剤あるいは粘着性を有するシートを具備させることが多く、すなわち、メッシュ化された材料への粘着剤あるいは粘着性有するシートの付加工程も増え、コストの観点から改善の余地がある。また、当該付加工程あるいは他材との貼合工程時に不良を起こしてしまうと、材料そのものを損失することになり、厳密な工程管理が必要であり、コスト的に厳しい状況下に置かれている。
該金属箔の該接着樹脂層を積層している面と反対側の面を幾何学図形状にパターニングする工程と、
該金属箔のパターニングした面をエッチングする工程と、
を有することを特徴とする電磁波シールド部材の製造方法である。
請求項2に記載の発明は、前記エッチング処理する工程の後、前記金属箔面を黒化処理する工程をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の電磁波シールド部材の製造方法である。
請求項3に記載の発明は、前記金属箔が銅からなることを特徴とする請求項1または2に記載の電磁波シールド部材の製造方法である。
請求項4に記載の発明は、前記パターニングする工程が、フォトリソグラフィ法もしくは印刷法によって行われることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電磁波シールド部材の製造方法である。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の電磁波シールド部材の製造方法により製造されたことを特徴とする電磁波シールド部材である。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の電磁波シールド部材を備えてなることを特徴とする画像表示装置である。
請求項2に記載の発明によれば、金属箔の側面も黒化処理され、ディスプレイ用としては、反射のない、コントラストの向上した電磁波シールド部材とすることができる。
請求項3に記載の発明によれば、金属箔を銅とすることにより、電磁波シールド性、コスト性、入手性において非常にバランスがよくなる。
請求項4に記載の発明によれば、パターニングする工程をフォトリソグラフィ法もしくは印刷法とすることにより、所望のメッシュを容易に得ることができる。
請求項5に記載の発明によれば、低コストであり、電磁波シールド性および透明性に優れた電磁波シールド部材を提供することができる。
請求項6に記載の発明は、本発明の電磁波シールド部材を備えた画像表示装置であり、低コストであり、透明性に優れているので、特に、プラズマディスプレイ等に有用である。
このように本発明によれば、エッチングメッシュタイプの電磁波シールド部材において、エッチングの際のエッチング液により基材表面が荒らされることがなく、特別に高透明な材料を採用する必要がなく、製造工程数を削減して低コストを達成し、かつ厳密な工程管理も必要としない、電磁波シールド部材、その製造方法および画像表示装置を提供することができる。
金属箔の厚みは、0.5〜50μmの範囲内であることが好ましい。50μmを越えると、細かいラインの形成が困難になったり、視野角が狭くなる。また、厚さ0.5μm未満では表面抵抗が大きくなり、電磁波遮蔽効果が劣る傾向にある。電磁波遮蔽性の観点から、1〜20μmが更に好ましい。
黒化処理を行うことにより、ディスプレイへの使用の場合コントラストを向上させることができる。
エッチングレジストパターンの形成に利用されるマイクロリソグラフ法としては、フォトリソグラフ法、X線リソグラフ法、電子線リソグラフ法、イオンビームリソグラフ法などがある。これらの中でも、その簡便性、量産性の点からフォトリソグラフ法が最も効率がよい。なかでもケミカルエッチングを用いたフォトリソグラフ法は、その簡便性、経済性、金属メッシュ加工精度などの点から最も好ましい。
フォトリソグラフ法には、ネガ型、ポジ型のいずれのエッチングレジストも使用することができる。エッチングレジストインキは、硬化物が金属のエッチング処理に対して、耐性を有するものであればよく、一般的に知られている、フォトレジスト組成物、感光性樹脂組成物、熱硬化樹脂組成物がある。
この場合、凹版あるいは凹版オフセット法、連続スクリーン印刷法のような印刷法で作成した場合には、メッシュ形状が連続して、いわゆるエンドレスメッシュを形成することもできる。
黒化処理は、例えば、亜塩素酸ナトリウム(31g/リットル)、水酸化ナトリウム(15g/リットル)、燐酸三ナトリウム(12g/リットル)の水溶液中、80℃で2分間処理することにより、行うことができる。
特に、一般的にもアクリル樹脂の高架橋な共重合体とすることや、主剤ポリオールと硬化剤ポリイソシアネートや主剤エポキシ樹脂とエポキシ用硬化剤などの二液硬化型がより好ましい。
例えば、金属密着性と透明性を考慮し、二液硬化型のウレタン樹脂の場合、ポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサントリオール、トリメリロールプロパン、ポリテトラメチレングリコール、アジピン酸とエチレングリコールとの縮重合物等が挙げられる。
また、金属への密着性向上のために、リン酸系(メタ)アクリレートや酸価を上げるアクリル酸系添加することもできる。
他の(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、メタクリル酸イソブチル、アクリル酸イソブロピル、アクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸ジメチルアミノメチル、メタクリル酸ジメチルアミノエトチル等を挙げることができる。
前記(メタ)アクリル酸エステルモノマーと共重合可能な他のビニルモノマーとしては、酢酸ビニル、スチレン、α-メチルスチレン、アクリロニトリル、ビニルトルエン等を挙げることができる。
紫外線吸収剤としては、無機系あるいは有機系のいずれも使用できるが、有機系の紫外線吸収剤が実用的である。有機系の紫外線吸収剤としては、300〜400nmの間に極大吸収を有し、その領域の光を効率よく吸収ものであり、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリチル酸エステル系紫外線吸収剤、アクリレート系紫外線吸収剤、オギザリックアシッドアニリド系紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系紫外線吸収剤等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよいが、数種類組み合わせて用いることがより好ましい。また、上記紫外線吸収剤とヒンダードアミン系光安定剤、あるいは酸化防止剤をブレンドすることで安定化が向上できる。
帯電防止剤としては、五酸化アンチモン、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウムなどの金属化合物や、アンチモン含有複合酸化物やIn−Sn複合酸化物、リン系化合物などの複合金属化合物、第四級アンモニウム塩、アミンオサイド等のアミン誘導体、ポリアニリン等の導電性ポリマーなどを用いることができる。
これらの添加剤は、樹脂がペレット形状の状態または溶融、溶解状態にある段階で加えればよい。
但し電離放射線硬化型の樹脂の場合は、紫外線硬化の場合は開始剤が必要な場合もあり、その場合は紫外線吸収剤の使用には、その配合に注意が必要である。場合によっては硬化しない場合もあるためである。
上記モノマーとしては、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等のモノマーを挙げることができるが特に限定はしない。
粘性や架橋密度等を調整するために、分子内に1個以上のアクリロイル基又はメタクリロイル基を有するモノマーを含んでも良い。
上記オリゴマーとしては、公知のウレタンアクリレートオリゴマーを用いることができるが、特に限定はしない。経時黄変を防ぐために、原料としてトリレンジイソシアネートを含まない無黄変型のウレタンアクリレートオリゴマーを用いることが好ましい。また、金属への密着性向上のために、リン酸系(メタ)アクリレートや酸価を上げるアクリル酸系添加することもできる。
また、剥離基材上に粘着樹脂層、接着樹脂層を積層した上で、金属箔を貼合してもよい。
その後、当該ロールに対し、ドライフィルムレジストをラミネートし、約20μmの線幅でパターン露光し現像し、その後塩化第二鉄水溶液にて、そのパターンに対しエッチングを施し、約10μm幅の格子上の幾何学パターンメッシュを得た。
さらにその後、前述した黒化処理液を用いて、エッチング処理されたメッシュに対し、浸漬させ、水洗、乾燥させることにより、図2のような金属箔(1)の上面および側面が黒化処理された電磁波シールド部材を得た。
黒化処理されていない10μm厚の電解銅箔(CF−PLFA:福田金属箔粉工業株式会社製)の上に、二液硬化型のウレタン系接着剤(東洋モートン製)を塗布し、さらにその上に該ウレタン系接着剤よりガラス転移点が低い粘着性樹脂層(オリバイン:東洋インキ製造製)を塗布し、剥離基材(表面シリコーン処理PET:藤森工業製)を貼り合わせ、巻き取り、その後、50℃で4日間反応養生させ、エッチング前の基材を得た。
その後、当該ロールに対し、ドライフィルムレジスト(旭化成エレクトロニクス製)をラミネートし、約20μmの線幅でパターン露光し現像、その後下記塩化第二鉄水溶液にて、そのパターンに対しエッチングを施し、約10μm幅の格子上の幾何学パターンメッシュを得た。
さらにその後、前述した黒化処理液を用いて、エッチング処理されたメッシュに対し、浸漬させ、水洗、乾燥させることにより、図2のような金属箔(1)の上面および側面が黒化処理された電磁波シールド部材を得た。
高透明なポリエステル基材(東洋紡績製)にの上に、実施例1と同様の二液硬化型のウレタン系接着剤(東洋モートン製)を塗布し、黒化処理されていない10μm厚の電解銅箔(CF−PLFA:福田金属箔粉工業株式会社製)をラミネートし、50℃で4日間の反応養生させた。そのシートに対し、ドライフィルムレジスト(旭化成エレクトロニクス製)をラミネートし、約20μmの線幅でパターン露光し現像、その後下記塩化第二鉄水溶液にて、そのパターンに対しエッチングを施し、約10μm幅の格子上の幾何学パターンメッシュを得た。
さらにその後、前述した黒化処理液を用いて、エッチング処理されたメッシュに対し、浸漬させ、水洗、乾燥させて、電磁波シールド部材の一部作成した。さらに別工程にて、その上に実施例と同様の接着層よりガラス転移点が低い粘着層(オリバイン:東洋インキ製造製)を塗布し、剥離基材(表面シリコーン処理PET:藤森工業製)を貼り合わせ、巻き取り、目的の電磁波シールド部材を得た。
高透明なポリエステル基材(東洋紡績製)の上に、実施例1と同様の二液硬化型のウレタン系接着剤(東洋モートン製)を塗布し、黒化処理されていない10μm厚の電解銅箔(CF−PLFA:福田金属箔粉工業株式会社製)をラミネートし、50℃で4日間の反応養生させた。そのシートに対し、ドライフィルムレジスト(旭化成エレクトロニクス製)をラミネートし、約20μmの線幅でパターン露光し現像、その後下記塩化第二鉄水溶液にて、そのパターンに対しエッチングを施し、約10μm幅の格子上の幾何学パターンメッシュを得た。
さらにその後、前述した黒化処理液を用いて、エッチング処理されたメッシュに対し、浸漬させ、水洗、乾燥させて、電磁波シールド部材の一部作成した。さらに別工程にて、その上に実施例と同様の接着層よりガラス転移点が低い粘着層(オリバイン:東洋インキ製造製)のノンキャリシートから軽剥離フィルム剥がしながらラミネートし、付随の剥離基材(表面シリコーン処理PET:藤森工業製)を貼り合わせ、巻き取り、目的の電磁波シールド部材を得た。
比重:1.450
HCl:0.5 M/L
FeCl3:25g/L
液温:40℃
=剥膜条件=
40℃の水酸化ナトリウム水溶液(50g/L)に2分浸漬させてエッチングレジストを剥離し、図1、2に示すように、電磁波シールド部材1を得た。
実施例および比較例において、濁度および全光線透過率(NDH2000:日本電飾工業製)を測定し、オフラインでの工程数、最終収率、最終部材までに使用する層数と評価した。
Claims (6)
- 金属箔、接着樹脂層、粘着性樹脂層および剥離層がこの順で積層されてなる積層体を形成する工程と、
該金属箔の該接着樹脂層を積層している面と反対側の面を幾何学図形状にパターニングする工程と、
該金属箔のパターニングした面をエッチングする工程と、
を有することを特徴とする電磁波シールド部材の製造方法。 - 前記エッチング処理する工程の後、前記金属箔面を黒化処理する工程をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の電磁波シールド部材の製造方法。
- 前記金属箔が銅からなることを特徴とする請求項1または2に記載の電磁波シールド部材の製造方法。
- 前記パターニングする工程が、フォトリソグラフィ法もしくは印刷法によって行われることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電磁波シールド部材の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の電磁波シールド部材の製造方法により製造されたことを特徴とする電磁波シールド部材。
- 請求項5に記載の電磁波シールド部材を備えてなることを特徴とする画像表示装置。
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