JP2007242922A - 光透過性電磁波シールド材の製造方法、光透過性電磁波シールド材、およびディスプレイ用フィルタ - Google Patents

光透過性電磁波シールド材の製造方法、光透過性電磁波シールド材、およびディスプレイ用フィルタ Download PDF

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Abstract

【課題】製造効率が向上された光透過性電磁波シールド材の製造方法を提供すること。
【解決手段】シランカップリング剤とアゾール系化合物との混合物または反応生成物、および、貴金属化合物を含む無電解めっき前処理剤を、透明基板上に塗布、乾燥させ、前記透明基板上に前処理層を形成する工程、
前記前処理層上にハードコート剤を含むドット状のハードコート層を形成する工程、
前記ハードコート層が形成されずに露出した前記前処理層上に、無電解めっきすることによりメッシュ状の金属導電層を形成する工程、および、
前記ハードコート層および前記金属導電層上に、反射防止層を形成する工程、
を含む光透過性電磁波シールド材の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、プラズマディスプレイパネル(PDP)の前面フィルタや、病院などの電磁波シールドを必要とする建築物の窓に用いられ得る貼着用シート等として有用な光透過性電磁波シールド材の製造方法、前記製造方法により製造された光透過性電磁波シールド材、および前記光透過性電磁波シールド材を含むディスプレイ用パネルに関する。
近年、OA機器や通信機器等の普及にともない、これらの機器から発生する電磁波によりもたらされる人体への影響が懸念されている。また、携帯電話等の電磁波により精密機器の誤作動などを起こす場合もあり、電磁波は問題視されている。
そこで、OA機器のPDPの前面フィルタとして、電磁波シールド性および光透過性を有する光透過性電磁波シールド材が開発され、実用に供されている。このような光透過性電磁波シールド材はまた、電磁波から精密機器を保護するために、病院や研究室等の精密機器設置場所の窓材としても利用されている。
この光透過性電磁波シールド材では、光透過性と電磁波シールド性を両立することが必要である。そのために、光透過性電磁波シールド材には、例えば、微細なメッシュ構造を有する導電性の層が使用される。この導電性のメッシュの部分によって電磁波がシールドされ、開口部によって光の透過が確保される。
光透過性電磁波シールド層は、種々の方法により製造されるが、好ましい製造方法として例えば、以下の図2に示すような方法がある。まず、透明基板21に、水溶性インキ22でメッシュのネガパターンを印刷する(印刷工程;図2の矢印(B1))。これに銅を薄く蒸着して、メッシュパターンの銅の薄膜23を形成する(蒸着工程;図2の矢印(B2))。さらに水溶性インキ22を洗浄除去し、メッシュ状の金属導電層24を得る(洗浄工程;図2の矢印(B3))。特許文献1では、このような製造方法を開示している。
この方法によれば、光透過性電磁波シールド材のメッシュ状金属において、メッシュの線幅を十分に小さく、開口率を高くすることができる。しかし、金属導電層の膜厚が小さいものとなる。そのため、これを上述の光透過性電磁波シールド層に好適な導電性を付与するためには、この金属導電層24の上にさらに銅の薄膜25を電気メッキし、銅の膜厚を増加させ、十分な厚みの銅の層を形成する(メッキ工程;図2の矢印(B4))ことが望ましい。
このようにして得られる光透過性電磁波シールド材は、銅層の表面に金属光沢を残したままであるために、PDP用前面フィルタ等に使用すると外部光を反射して眩しさを感じさせる原因となる。そのため、PDP用前面フィルタの光透過性電磁波シールド層とするために、防眩性付与のための黒化処理が通常、行われる。すなわち、上記の金属銅の表面に酸化又は硫化等の処理を行って、防眩性の黒化処理層を形成する(黒化処理工程)。
特開2001−332889号公報
上記の通り、従来の製造方法では、印刷工程、蒸着工程、洗浄工程、メッキ工程、および必要であれば黒化処理工程などの複数の工程を経て光透過性電磁波シールド材を作製する。しかしながら、光透過性電磁波シールド材は生産性の向上が望まれており、そのためには工程数の削減あるいは蒸着工程の省略などにより製造効率を向上させる必要がある。
そこで、本発明が目的とするところは、工程数の削減および蒸着工程の省略などにより製造効率が向上した光透過性電磁波シールド材の製造方法を提供することである。
本発明者等は、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、シランカップリング剤とアゾール系化合物との混合物または反応生成物、および、貴金属化合物を含む無電解めっき前処理剤を用いた無電解めっきにより透明基板上に金属導電層を形成することで上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は、シランカップリング剤とアゾール系化合物との混合物または反応生成物、および、貴金属化合物を含む無電解めっき前処理剤を、透明基板上に塗布、乾燥させ、前記透明基板上に前処理層を形成する工程、
前記前処理層上に、ドット状のめっき保護用ハードコート層を形成する工程、
前記ハードコート層が形成されずに露出した前記前処理層上に、無電解めっきすることによりメッシュ状の金属導電層を形成する工程、および、
前記ハードコート層および前記金属導電層上に、反射防止層を形成する工程、
を含む光透過性電磁波シールド材の製造方法により上記課題を解決する。
本発明の光透過性電磁波シールド材の製造方法の好ましい態様を以下に列記する。
(1)前記シランカップリング剤は、高い触媒活性および密着性が得られることから、エポキシ基含有シラン化合物、特にγ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシランが用いられる。
(2)前記アゾール系化合物は、シランカップリング剤が有するエポキシ基などの官能基および貴金属化合物との反応性に優れる、イミダゾールが用いられる。
(3)前記貴金属化合物としては、パラジウム、銀、白金、および金などの金属原子を含む化合物が用いられる。これらの貴金属化合物であれば、高い触媒活性が得られる。
(4)前記透明基板上に前記前処理層を形成する工程において、前記乾燥は80〜160℃で行われる。これにより、均一な厚さを有し、密着性および触媒活性に優れる前処理層を得ることができる。
(5)前記ハードコート層が、紫外線硬化型合成樹脂および/または電子線硬化型合成樹脂を含む。これらは、安価かつ成膜が容易である。
(6)前記金属導電層は、銀、銅、またはアルミニウムを含む。これにより、前処理層およびハードコート層との密着性、および、電磁波シールド性を向上させることができる。
(7)本発明の方法は、前記金属導電層に防眩性を付与するために、前記反射防止層を形成する工程の前に、前記金属導電層を黒化処理し、前記金属導電層の表面の少なくとも一部に黒化処理層を形成する工程をさらに有していてもよい。
(8)前記黒化処理は、前記金属導電層を酸化処理または硫化処理することによって行われる。
本発明の方法によれば、蒸着ではなく無電解めっきにより十分な厚さを有するメッシュ状金属導電層を形成することができるので工程数の削減が可能となることから、本発明の方法は、製造効率が向上した光透過性電磁波シールド材の製造方法ということができる。さらに、前記方法によれば、メッシュ状の金属導電層の開口部に配置されるめっき保護用ハードコート層、ならびに、前記ハードコート層および金属導電層上に反射防止層が形成されることにより、高い反射防止性をも有する光透過性電磁波シールド材を得ることが可能となる。これにより、製造コストが低減された光透過性電磁波シールド材、および、これを用いたディスプレイ用フィルタを提供することが可能となる。
本発明の方法は、基本的に下記の工程、すなわち、
所定の無電解めっき前処理剤を用いて透明基板上に前処理層を形成する工程、
前記前処理層上に、ドット状のめっき保護用ハードコート層(単に「ハードコート層」とも記載する)を形成する工程、
露出している前記前処理層上に、無電解めっきすることにより金属導電層を形成する工程、および、
前記ハードコート層および前記金属導電層上に、反射防止層を形成する工程を含む。
本発明の製造方法の各工程を説明するための概略断面図の一例を図1に示す。本発明の方法では、まず、シランカップリング剤とアゾール系化合物との混合物または反応生成物、および、貴金属化合物を含む無電解めっき前処理剤を、透明基板11上に塗布、乾燥させ、前記透明基板11上に前処理層12を形成する(図1の矢印(A1))。前記無電解めっき前処理剤において、シランカップリング剤、アゾール系化合物、および貴金属化合物を用いることで、前記シランカップリング剤および前記アゾール系化合物が透明基板と無電解めっきにより形成される金属導電層との密着性を向上させるとともに、無電解めっき触媒である貴金属化合物を前処理層中に原子レベルで分散させることができる。これにより、無電解めっき触媒として貴金属粒子を用いた場合よりも、透明な前処理層を得ることが可能となる。従来の一般的な無電解めっき法では、クロム酸などで粗化させた面に物理的に無電解めっき触媒を吸着させる手段が用いられている。そのため、このような手段を用いた場合、透明基板が粗化され易いものに限定されるだけでなく、無電解めっき触媒が粒子状態となるため基板が不透明になる恐れがあった。また、従来の無電解めっき法において使用されていた無電解めっき触媒を含む触媒塗料でも同様に、触媒となる金属またはその化合物が粒子状態で配合されていたため触媒塗料が不透明であり、触媒塗料を塗布した基板が不透明となり、本願発明における方法に活用することができなかった。しかしながら、本願発明において用いられる前処理剤によれば、高い透明性を有する他、カップリング剤により基材表面などを粗化させなくとも高い触媒活性を得るとともに密着性が確保された前処理層を形成することができ、さらには、透明基板が粗化され易いなどの制限を受けることがない。
次に、本発明の方法では、前記前処理層12上にドット状のめっき保護用ハードコート層13を形成する(図1の矢印(A2))。前記ハードコート層13は、後の工程で無電解めっきを行って金属導電層14を形成する際に、前記前処理層12上の所定の部位に無電解めっきが行われるのを抑制するためのものである。ドット状のハードコート層13が、前記前処理層12上に多数設けられることで、ハードコート層13の間隙に金属導電層14を形成するとともにハードコート層13が金属導電層14における開口部を形成し、メッシュ状の前記金属導電層14が得られる。さらに、本発明の方法では、めっき保護用ハードコート層を設けることで、透明基板の傷つき防止性や耐熱性、耐溶剤性などの物理特性を改善することが可能となる。
次に、本発明の方法では、前記ハードコート層13が形成されずに露出した前記前処理層11上に、無電解めっきすることによりメッシュ状の金属導電層14を形成する(図1の矢印(A3))。これにより、多数のハードコート層13の間および周縁部に露出した前処理層上に微細な金属粒子が濃密で実質的な連続皮膜として沈積形成され、前記前処理層と密着した金属導電層を得ることが可能となる。また、金属導電層の形成に、無電解めっきを用いることで、十分な厚さを有する金属導電層を容易に形成することができ、製造効率を向上させることが可能となる。
また、本発明の方法では、後の工程である反射防止層16を形成する工程の前に、前記金属導電層14を黒化処理し、前記金属導電層14の表面の少なくとも一部に黒化処理層15を形成してもよい(図1の矢印(A4))。黒化処理を行うことにより、得られる光透過性電磁波シールド材の防眩性を向上させることができる。
次に、本発明では、前記ハードコート層13および前記金属導電層14上に反射防止層16を形成する(図1の矢印(A5))。前記反射防止層16を形成することにより、本発明の方法により得られる光透過性電磁波シールド材における外光の反射量、および、反射色を低減させることができ、視認性の向上が図れる。このように、前記ハードコート層13上に反射防止層16を形成することにより、得られる光透過性電磁波シールド材に反射防止性を容易に付すことが可能となる。これにより、ハードコート層および反射防止層を有する反射防止フィルムを別途、作製して、光透過性電磁波シールド材に貼着する工程を経なくとも、高い反射防止性を有する光透過性電磁波シールド材を得ることができ、製造工程のさらなる削減が図れる他、光透過性電磁波シールド材の厚さを薄くすることが可能である。
したがって、本発明によれば、透明基板が粗化され易いものに制限されず、光透過性、電磁波シールド性、反射防止性、および製造効率に優れる光透過性電磁波シールド材の製造方法を提供することが可能となる。
以下に、本発明の光透過性電磁波シールド材の製造方法について、順を追ってより詳細に説明する。
まず、本発明の方法では、シランカップリング剤とアゾール系化合物との混合物または反応生成物、および、貴金属化合物を含む無電解めっき前処理剤を、透明基板上に塗布、乾燥させ、前記透明基板上に前処理層を形成する工程を実施する。
前記前処理層は、前記透明基板上において金属導電層が形成され得る部位に少なくとも形成されればよいが、形成を容易にして製造効率を向上させるために、前記透明基板において金属導電層が形成される面の全面に前記前処理層が形成されるのが望ましい。
前記無電解めっき前処理剤において、前記シランカップリング剤および前記アゾール系化合物は単に混合されているだけでもよいが、これらを予め反応させて反応生成物を形成してもよい。これにより、貴金属化合物を前処理層中に原子レベルでより高分散できるとともに、得られる前処理層の光透過性を向上させることができる。
前記シランカップリング剤と前記アゾール系化合物とを反応させるには、例えば、80〜200℃でアゾール系化合物1モルに対して0.1〜10モルのシランカップリング剤を混合して5分〜2時間反応させるのが好ましい。その際、溶媒は特に不要であるが、水の他、クロロホルム、ジオキサンメタノール、エタノール等の有機溶媒を用いてもよい。このようにして得られた前記シランカップリング剤と前記アゾール系化合物との反応生成物に、貴金属化合物を混合することで、前記無電解めっき前処理剤が得られる。
前記無電解めっき前処理剤に用いられる前記シランカップリング剤は、一分子中に金属補足能を持つ官能基を有するものを用いるのが好ましい。これにより、無電解めっき触媒である貴金属化合物の活性を効果的に発現する電子状態、配向とすることが可能となり、被めっき材との高い密着性が得られる。
前記シランカップリング剤として、エポキシ基含有シラン化合物を挙げることができる。前記エポキシ基含有シラン化合物としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。特に、得られる前処理層が高い光透過性を有することから、γ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシランが好ましく挙げられる。
シランカップリング剤のその他の例としては、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等も挙げられる。
次に、前記無電解めっき前処理剤に用いられる前記アゾール系化合物としては、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、セレナゾール、ピラゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、トリアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、テトラゾール、オキサトリアゾール、チアトリアゾール、ベンダゾール、インダゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、インダゾールなどが挙げられる。これらに制限されるものではないが、シランカップリング剤が有するエポキシ基などの官能基および貴金属化合物との反応性に優れることから、イミダゾールが特に好ましい。
次に、前記無電解めっき前処理剤に用いられる前記貴金属化合物は、無電解めっき液から銅やアルミニウムなどの金属を選択的に析出・成長させることができる触媒効果を示すものである。具体的には、高い触媒活性が得られることから、パラジウム、銀、白金、および金などの金属原子を含む化合物を用いるのが好ましい。前記化合物としては、前記金属原子の塩化物、水酸化物、酸化物、硫酸塩、アンモニウム塩などのアンミン錯体などが用いられるが、特にパラジウム化合物、中でも塩化パラジウムが好ましい。
前記無電解めっき前処理剤は、前記アゾール系化合物および前記シランカップリング剤に対し、前記貴金属化合物を、好ましくは0.001〜50mol%、より好ましくは0.1〜20mol%含むのがよい。前記貴金属化合物の濃度が、0.001mol%未満では十分な触媒活性が得られずに所望する厚さを有する金属導電層を形成できない恐れがあり、50mol%を超えると添加量の増加に見合った貴金属化合物による触媒効果が得られない恐れがある。
また、前記無電解めっき前処理剤は、適当な溶媒を含んでいてもよい。前記溶媒としては、水、メチルアルコール、エチルアルコール、2−プロパノール、アセトン、トルエン、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサンなどが挙げられる。これらは、1種単独で用いられてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記無電解めっき前処理剤には、必要に応じて体質顔料、界面活性剤、着色剤などの各種添加剤をさらに含有させてもよい。
本発明の方法において、前記前処理剤を塗布する透明基板としては、透明性および可とう性を備え、その後の処理に耐えるものであれば特に制限はない。透明基板の材質としては、例えば、ガラス、ポリエステル(例、ポリエチレンテレフタレート、(PET)、ポリブチレンテレフタレート)、アクリル樹脂(例、ポリメチルメタクリレート(PMMA))、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン、セルローストリアセテート、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、金属イオン架橋エチレン−メタクリル酸共重合体、ポリウレタン、セロファン等を挙げることができる、これらの中で、加工処理(加熱、溶剤、折り曲げ)による劣化が少なく、透明性の高い材料であるPET、PC、PMMAが好ましい。また、透明基板は、これらの材質からなるシート、フィルム、または板として用いられる。
透明基板の厚みは特に限定されないが、光透過性電磁波シールド材の光透過性を維持するという観点からすると薄いほど好ましく、通常は、使用時の形態や必要とされる機械的強度に応じて0.05〜5mmの範囲で適宜、厚みが設定される。
前記前処理剤を透明基板上に塗布するには、グラビアリバース、グラビアコート、マイクログラビアコート、リップコート、ロールリバースコート、ワイヤーバーコート、キスコート、ダイコート、ロールコート、スピンコート、エアスプレー、エアレススプレー、浸漬、刷毛塗りなどの方法が一般的であるが、これに限定されるものではない。
皮膜の硬化性を高めるために、塗布した無電解めっき前処理剤の乾燥は、好ましくは80〜160℃、より好ましくは120〜140℃に加熱して行うのが好ましい。加熱温度が80℃未満では、水分の蒸発速度が遅く十分な成膜性が得られないため、前処理層と金属導電層との密着性などが低下する恐れがある。一方、160℃を超えると前処理層形成材料の熱分解が生じて密着性が低下し、また変色して光透過性が低下する恐れがある。また、乾燥時間は1秒〜5分が好ましい。
次に、本発明の方法では、前記前処理層上に、ドット状のめっき保護用ハードコート層を形成する工程を実施する。前記ハードコート層によれば、後工程で無電解めっきを行って金属導電層を形成する際に、前記前処理層上の所定の部位に無電解めっきが行われるのを抑制して、前記前処理層上の前記ハードコート層が形成された部分以外に金属導電層を形成することが可能となり、メッシュ状の金属導電層が得られる。さらに、前記ハードコート層によれば、無電解めっきの抑制とともに、透明基板の傷つき防止性や耐熱性、耐溶剤性などの物理特性を改善することが可能となる。
前記ハードコート層は、特に制限されないが、従来一般的に用いられているハードコート剤を用いて形成され、透明基板の前記物理特性を向上させ得る合成樹脂を少なくとも含む。前記合成樹脂としては、従来公知のハードコート剤に用いられるものであれば特に制限されないが、熱、紫外線、電子線、放射線などの活性エネルギー線の照射により架橋反応が進行して硬化する樹脂が好ましく用いられる。なかでも、安価かつ成膜が容易であることから、電子線または放射線の照射によって硬化する紫外線硬化型合成樹脂および/または電子線硬化型合成樹脂が好ましく用いられる。
前記合成樹脂として具体的には、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、オキセタン系樹脂などが挙げられるが、表面硬度、耐久性、硬化性などの観点から、アクリル系樹脂が好ましく挙げられる。また、アクリル系樹脂であれば、得られるハードコート層が、前記前処理層および後工程で作製するメッシュ状の金属導電層との高い密着性が得られるとともに、高い光透過性を有する。したがって、後工程で前記ハードコート層を除去することなく、そのまま光透過性電磁波シールド材に用いることができ、さらなる製造工程の高効率化が図れる。
前記アクリル系樹脂としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル等のアクリル酸アルキルエステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル等のメタアクリル酸アルキルエステル類のホモポリマーが使用できる。
前記前処理層上に形成するドット状のハードコート層は、印刷により形成されるのが好ましい。これにより、簡易な方法で所望するパターンを有するドット状のハードコート層を複数、形成することができる。
前記前処理層上に前記ハードコート層を形成するには、前記合成樹脂または前記合成樹脂のモノマーもしくはオリゴマーの他、必要に応じて反応開始剤、溶剤、および添加剤を含むハードコート層形成用樹脂組成物を印刷して乾燥させた後に、好ましくは電子線または紫外線の照射により硬化させる方法が好ましく用いられる。このように硬化することで、前処理層との密着性が高いハードコート層を形成することができる。
前記合成樹脂のモノマーとしては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、ベンジルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、酢酸ビニル、スチレン、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ジビニルベンゼン、1,4−シクロヘキサンジアクリレート、1,4−シクロヘキシルジメチルアジアクリレート、前出のトリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリルエステル、ペンタエリスリトールテトラアクリレート等を挙げることが出来る。
反応開始剤としては、ベンゾイン及びその誘導体、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、α−アミロキシムエステル、チオキサントン等及びこれらの誘導体などの光重合開始剤を挙げることが出来る。
前記樹脂組成物に用いられる溶剤としては、前記樹脂を溶解でき、成膜性に優れるものであればよい。具体的には、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸2−エトキシエチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、2−ヘプタノン、1,4−ジオキサン、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、トルエン、酢酸エチル、酢酸ブチル等が挙げられる。
前記樹脂組成物には、印刷仕上がりなどを向上させるため、透明なフィラーや高分子系増粘剤をさらに含ませてもよい。
前記樹脂組成物の粘度は、25℃において、好ましくは1000〜5000cps、より好ましくは2500〜4000cpsとするのがよい。これにより、より一層良好な形状及び寸法精度を有するハードコート層が得られる。
前記樹脂組成物を前記前処理層に印刷するには、グラビア印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、インクジェット印刷、静電印刷、フレキソ印刷などの印刷方法を用いることができる。特に、細線化のためにはグラビア印刷が好適である。グラビア印刷を用いる場合、印刷速度は5〜50m/分とするのがよい。
また、前記ハードコート層は、転写方式によって印刷されてもよい。転写方式の場合は、例えば、前記前処理層とは別の任意の転写用基材シートに、前記樹脂組成物を上記と同様の印刷方法等によって印刷し、熱ラミネート法、ドライラミネート法、またはウエットラミネート法、押出ラミネート法等により、前記前処理層と貼り合わせた後に、前記転写用基材シートのみを剥離して、前記樹脂組成物を前記前処理層に転写する方法などを用いることができる。
前記ハードコート層は前記前処理層上に多数形成され、前記ハードコート層間に形成された凹部の前記前処理層が露出している領域が好ましくは格子状、網目状などのメッシュ状となるように印刷される。前記ハードコート層の形状は、円状、楕円状、角形状、直線状など任意であるが、好ましくは角形状であり、特に正方形であることが好ましい。これにより、高い光透過性および電磁波シールド性を有する金属導電層が得られる。
前記ハードコート層は、後の工程でメッシュ状の金属導電層における開口部を形成するためのものである。前記金属導電層が高い光透過性を有するには、前記金属導電層において、開口率が高く、開口部の大きさが微小であるのが望ましい。したがって、前記ハードコート層の大きさは、微小であるのが好ましく、得られる金属導電層における開口部の大きさに合わせて適宜決定すればよい。例えば、角形状、特に正方形を有する前記ハードコート層の大きさとしては、一辺の長さを好ましくは100〜400μm、より好ましくは200〜300μmとするのがよい。
また、金属導電層に高い光透過性および電磁波シールド性を付与する観点からは、ドット状のハードコート層は、等間隔で規則的に配列されているのが望ましい。
前記ハードコート層の厚さは、特に制限されないが、0.1〜5μm程度とするのがよい。前記ハードコート層の大きさや間隔などは、後工程で作製する金属導電層が所望する開口部を有するように、適宜決定すればよい。
また、金属導電層として、前処理層上の中央部にメッシュパターン状の金属導電層が形成され、前処理層上の中央部を除く周縁部に額縁状の金属導電層が形成された構成を有するものを後工程で形成するために、前記ハードコート層は前記前処理層上の周縁部を除く中央部のみに形成してもよい。
このように前記ハードコート層形成用樹脂組成物を印刷した後に乾燥させることで微小多数からなるドット状のハードコート層を得る。前記乾燥は、塗布した前記樹脂組成物を、好ましくは70〜120℃、より好ましくは90〜110℃で加熱することにより行われるのがよい。加熱温度が70℃未満では、溶剤の蒸発速度が遅く十分な成膜性が得られない恐れがあり、120℃を超えると樹脂の熱分解が生じる恐れがある。塗布後に熱乾燥させる場合の乾燥時間は5秒〜5分が好ましい。
また、乾燥させた前記ハードコート層形成用樹脂組成物の硬化は、マイクロ波、紫外線、電子線または熱などを用いて行えばよいが、紫外線または電子線を用いて行うのがより好ましい。
電子線の照射により硬化を行う場合、電源としてコックロフトワルトン型、バンデグラフ型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器を用い、100〜1000keV、好ましくは100〜300keVのエネルギーを持つ電子を照射するのが好ましい。照射量としては通常0.5〜30Mrad程度である。
紫外線の照射により硬化を行う場合、紫外線ランプの種類としては、例えば、放電ランプ方式、フラッシュ方式、レーザー方式、無電極ランプ方式等が挙げられる。放電ランプ方式である高圧水銀灯を用いて紫外線硬化させる場合、通常は紫外線の積算照度が300〜3,000mJ/cm2となる条件で紫外線照射を行うことが好ましく、紫外線の積算照度が500〜1,500mJ/cm2となる条件で紫外線照射を行うことがより好ましい。
次に、本発明の方法では、前記ハードコート層が形成されずに露出した前記前処理層上に、無電解めっきすることによりメッシュ状の金属導電層を形成する工程を実施する。無電解めっきを行うことにより、前処理層上の前記ハードコート層の間および周縁部に微細な金属粒子が濃密で実質的な連続皮膜として沈積形成されて金属導電層を得ることが可能となる。
前記無電解めっきは、無電解めっき浴を用いて常法に従って行うことができる。即ち、めっき金属塩、キレート剤、pH調整剤、還元剤などを基本組成として含むめっき液を建浴したものにめっき基材を浸漬して行うか、構成めっき液を2液以上と分けて添加方式でめっき処理を施すなど適宜選択すれば良い。
めっき金属は、導電性を有してメッキ可能である金属であれば使用することができ、金属単体、合金、導電性金属酸化物等であってもよく、均一な金属薄膜又は一様に塗布された微細な微粒子等からなるものであってもよい。
無電解めっきにより形成される金属導電層に含まれる金属としては、アルミニウム、ニッケル、インジウム、クロム、金、バナジウム、スズ、カドミウム、銀、プラチナ、銅、チタン、コバルト、鉛等を用いることができる。特に、高い電磁波シールド性が得られる金属導電層が得られることから、好ましくは、銀、銅又はアルミニウムが好ましく用いられる。これらのめっき金属を用いて形成される金属導電層は、前処理層およびハードコート層との接着性に優れる他、光透過性と電磁波シールド性の両立に好適である。したがって、無電解めっきは、これらの金属を用いて行えばよく、無電解めっき浴としては、無電解Cuめっき浴、無電解Niめっき浴等が使用可能である。
無電解めっきは公知であり、適宜薬品を選定調液して常法に従い、常温または加温下で行えばよい。無電解めっきとして一例を挙げると、Cuからなる金属導電層を形成する場合、硫酸銅等の水溶性銅塩1〜100g/L、特に5〜50g/L、ホルムアルデヒド等の還元剤0.5〜10g/L、特に1〜5g/L、EDTA等の錯化剤20〜100g/L、特に30〜70g/Lを含み、pH12〜13.5、特に12.5〜13に調整した溶液に、前処理層および複数のハードコート層が形成された透明基板を50〜90℃、30秒〜60分浸漬する方法を採用することができる。
また、無電解めっきをする際に、めっきされる基板を揺動、回転させたり、その近傍を空気撹拌させたりしてもよい。
金属導電層は、線幅が好ましくは50μm以下、特に好ましくは40μm以下、とりわけ10〜30μmとするのがよい。また、金属導電層は、開口率が75%以上のメッシュパターンとするのが好ましい。なお、ここで言う開口率とは、金属導電層の使用有効面積に対する孔の総面積を言う。
金属導電層のメッシュパターンは幾何学模様であることが好ましく、この孔の形状は、正方形、長方形等の平行四辺形、円形または正六角形(ハニカム形状)等から適宜に選択される。また、どの部分においても一定の特性(主に光透過性および電磁波遮蔽性等)を有することが肝要であるから、規則的に配列されていることが好ましい。
また、金属導電層は、前処理層上の中央部にメッシュパターン状の金属導電層が形成され、前処理層上の中央部を除く周縁部に額縁状の金属導電層が形成される構成であってもよい。このような構成は、メッシュパターン状の金属導電層の保護のために望ましい。
本発明の方法では、図1に示すように、反射防止層16を形成する工程の前に、前記金属導電層14を黒化処理し、前記金属導電層14の表面の少なくとも一部に黒化処理層15を形成する工程(図1の矢印(A4))をさらに有していてもよい。
黒化処理は、前記金属導電層の金属の酸化処理又は硫化処理によって行うことが好ましい。特に酸化処理は、より優れた防眩効果を得ることができ、さらに廃液処理の簡易性及び環境安全性の点からも好ましい。
前記黒化処理として酸化処理を行う場合には、黒化処理液として、一般には次亜塩素酸塩と水酸化ナトリウムの混合水溶液、亜塩素酸塩と水酸化ナトリウムの混合水溶液、ペルオキソ二硫酸と水酸化ナトリウムの混合水溶液等を使用することが可能であり、特に経済性の点から、次亜塩素酸塩と水酸化ナトリウムの混合水溶液、又は亜塩素酸塩と水酸化ナトリウムの混合水溶液を使用することが好ましい。
前記黒化処理として硫化処理を行う場合には、黒化処理液として、一般には硫化カリウム、硫化バリウム及び硫化アンモニウム等の水溶液を使用することが可能であり、好ましくは、硫化カリウム及び硫化アンモニウムであり、特に低温で使用可能である点から、硫化アンモニウムを使用することが好ましい。
次に、本発明の方法では、前記ハードコート層13および前記金属導電層14上に、反射防止層16を形成する工程(図1の矢印(A5))を実施する。これにより、得られる光透過性電磁波シールド材において、光の反射を防止して、光透過性および視認性の向上などが図れる。
前記反射防止層は、高屈折率層、中屈折率層、または低屈折率層の1層のみからなるものであってもよい。また、前記反射防止層は、高い反射防止性能が得られることから、高屈折率層、中屈折率層、および低屈折率層のうち少なくとも2層以上を積層されてなるものが好ましく用いられる。このように反射防止層が多層である場合、各層の積層順序は特に制限されないが、反射防止性および製造効率を向上させる観点から、前記反射防止層は、高屈折率層および低屈折率層を有し、低屈折率層が最上層となるように配置されてなるものが好ましい。
ここで、高屈折率層は透明基板の屈折率よりも大きい屈折率を示す層であり、低屈折率層は高屈折率層よりも小さい屈折率を示す層であり、中屈折率層は透明基板の屈折率よりも大きく、高屈折率層の屈折率よりも小さい屈折率を示す層である。
具体的には、前記高屈折率層の屈折率は、1.64以上、特に1.65〜1.75が好ましい。また、前記低屈折率層の屈折率は、1.51以下、特に1.45〜1.41が好ましい。また、前記中屈折率層の屈折率は、1.51を超えて1.64未満、特に1.55〜1.62が好ましい。これらにより、高い反射防止性を光透過性電磁波シールド材に付与することができる。
前記反射防止層には、蒸着やスパッタリングで形成された膜や、溶剤などを使用して塗設された膜など、従来公知のものを使用することができる。
前記蒸着やスパッタリングで形成された反射防止層としては、例えば、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化セリウム等のフッ化物、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム等の酸化物、硫化亜鉛などの硫化物を含む膜が好ましく用いられる。また、溶剤などを使用して塗設された反射防止層としては、例えば、合成樹脂、シリコンアルコキシドの部分加水分解物などを含む膜が好ましく用いられる。これらの膜は、単独で反射防止層に用いられてもよい他、複数の膜を所望する屈折率の順となるように積層して反射防止層に用いられてもよい。
前記反射防止層としては、安価かつ成膜が容易であることから、前記合成樹脂を含む膜が特に好ましく用いられる。
前記合成樹脂としては、安価かつ成膜が容易であることから、電子線または放射線の照射によって硬化する紫外線硬化型合成樹脂および電子線硬化型合成樹脂が好ましく用いられる。前記合成樹脂として、具体的には、ハードコート層の説明において上述したものと同様のものが用いられる。
本発明にいて、前記反射防止層は、上述の通り、高屈折率層および低屈折率層を有し、低屈折率層が最上層となるように配置されてなる構成を有するのが好ましい。このような場合、前記合成樹脂を含む膜からなる前記高屈折率層では、屈折率を向上させるため、前記合成樹脂などの他に、金属酸化物微粒子を含有することが好ましい。前記金属酸化物微粒子としては、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、酸化アンチモン、三酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化錫、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、錫ドープインジウム、アルミニウムドープ酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、および酸化タンタルからなる微粒子が好ましく用いられる。これらは、1種単独で用いられてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。これらの金属酸化物微粒子であれば、反射防止層の透明性を維持しながら屈折率を調整することができる。
前記高屈折率層において前記金属酸化物微粒子は、前記合成樹脂に対して、30〜90質量%、特に40〜70質量%とするのがよい。これにより、高い屈折率を有する層とすることができる。
前記金属酸化物微粒子の平均粒子径は、好ましくは0.1μm以下、より好ましくは0.01〜0.05μmとするのがよい。また、前記金属酸化物微粒子は、前記高屈折率層中に、好ましくは70体積%以上、より好ましくは75〜90体積%、含まれるのが好ましい。これにより、後述するアンカー効果により低屈折率層との高い密着性が得られる。
また、前記合成樹脂を含む膜からなる前記低屈折率層は、前記合成樹脂などのみからなってもよいが、屈折率低下、耐傷性およびすべり性の向上のために、前記合成樹脂などの他に、シリカ、フッ素樹脂などの微粒子を含んでいてもよい。前記フッ素樹脂としては、特開平02−19801号公報、特開平06−136062号公報、特開平06−306326号公報、特開平07−136552号公報に記載されているものなどを用いることができる。
また、高い反射防止性を得るためには、前記高屈折率層の厚さは、75〜90nmとするのが好ましい。前記低屈折率層の厚さは、85〜110nmとするのが好ましい。
前記合成樹脂を含む前記高屈折率層および前記低屈折率層を形成するには、前記合成樹脂のモノマーまたはオリゴマー、反応開始剤、添加剤、ならびに必要に応じて溶剤、金属酸化物微粒子、およびフッ素樹脂等からなる微粒子を含む溶液を、塗布して乾燥させた後に、好ましくは電子線または紫外線の照射により硬化させる方法が好ましく用いられる。このように硬化することで、前処理層との密着性が高い反射防止層を形成することができる。
前記溶液の塗布方法としては、前記前処理剤を透明基板上に塗布する方法として上記で列挙したものと同様の方法が用いられる。このとき、前記高屈折率層および前記低屈折率層は、1層ずつ塗布して硬化させてもよいし、1層ずつ塗布した後にまとめて硬化させてもよい。
特に、高屈折率層を形成するのに用いられる前記溶液を塗布、乾燥させて高屈折率層の多孔質前駆体層を形成し、続いて、前記多孔質前駆体層に低屈折率層を形成するのに用いられる前記溶液を塗布、乾燥させた後に、電子線または紫外線の照射により硬化させる方法が好ましく用いられる。前記方法によれば、高屈折率層の多孔質前駆体層中に低屈折率層を形成するのに用いられる前記溶液が含浸し、アンカー効果により高屈折率層と低屈折率層との高い密着性が得られる。
前記溶液の乾燥および硬化については、前記ハードコート層を形成する際のハードコート層形成用樹脂組成物の乾燥および硬化と同様に行うことができるため、ここでは詳細な説明を省略する。
さらに、本発明の方法では、得られる光透過性電磁波シールド材に近赤外線シールド性をさらに付与するために、近赤外線吸収層17を形成する工程(図1の矢印(A6))をさらに有していてもよい。このような近赤外線シールド性を有する前記光透過性電磁波シールド材を、例えば、プラズマディスプレー用フィルタとして用いれば、プラズマディスプレーから出る近赤外線による周辺の電子機器への誤作動を防止することが可能となる。
前記近赤外線吸収層は、前記透明基板の前記前処理層が形成される面とは反対側の面、ならびに、前記ハードコート層および前記金属導電層上、の少なくとも一方に設けられればよい。しかしながら、高い反射防止性能を得るためには、図1に示すように、近赤外線吸収層16は透明基板11前記前処理層12が形成される面とは反対側の面上に少なくとも形成されるのが好ましい。
前記近赤外線吸収層は、従来公知のものであれば特に制限なく用いられるが、バインダー樹脂および近赤外線吸収剤を用いて形成される層などが使用できる。
前記近赤外線吸収剤としては、従来一般的に用いられているのであれば特に制限なく用いられる。前記近赤外線吸収剤として、例えば、酸化鉄、酸化セリウム、酸化スズや酸化アンチモンなどの金属酸化物、またはインジウム−スズ酸化物(以下ITO)、六塩化タングステン、塩化スズ、硫化第二銅、クロム−コバルト錯塩、チオール−ニッケル錯体、ジチオール錯体、またはアミニウム化合物、ジイモニウム化合物(日本化薬株式会社製商品名)、アゾ化合物、ポリメチン、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、キノン、アントラキノン(SIR−114)、金属錯体(SIR−128、SIR−130、SIR−132、SIR−159、SIR−152、SIR−162)、シアニン化合物、フタロシアニン化合物(SIR−103)(以上、三井東圧化学株式会社製商品名)、ナフタロシアニン化合物、ナフトキノン化合物、アミニウム化合物、アントラキノン化合物などが用いられる。
前記近赤外線吸収剤は、近赤外線による電子機器への誤作動を防止する観点から、800〜1200nm、特に800〜1000nmに極大吸収波長を有するものを用いるのがよい。また、前記近赤外線吸収剤は、近赤外線の選択的吸収能が高く、近赤外線を高度に遮断する一方、得られるハードコート層の光透過率および色目を良好に維持できるものが好ましい。かような観点から、前記近赤外線吸収剤は、シアニン化合物、および、ジイモニウム化合物を用いるのが好ましい。
前記バインダー樹脂としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、(メタ)アクリル酸エステルの単独重合体或いは共重合体等が挙げられる。これらの中でも、ジイモニウム化合物及びシアニン化合物の分散性が優れ、耐久性が良好な点で、アクリル樹脂及びポリエステル樹脂等が好ましい。
また、前記近赤外線吸収層には、酸化防止剤、例えば、フェノール系、アミン系、ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、硫黄系、リン酸系、亜リン酸系、金属錯体系等の酸化防止剤、紫外線吸収剤、フィルムの外観を良好にするための着色剤、顔料、色素などがさらに含まれていてもよい。
前記近赤外線吸収層を形成するには、上記した近赤外線吸収剤およびバインダー樹脂を溶剤に分散または溶解させた溶液を、透明基板および/または反射防止層上に塗布する方法が用いられる。
前記溶液の塗布方法としては、前記前処理剤を透明基板上に塗布する方法として上記で列挙したものと同様の方法が用いられる。また、塗布した前記溶液は、好ましくは70〜120℃、より好ましくは90〜110℃で加熱することにより乾燥させるのがよい。加熱温度が70℃未満では、溶剤の蒸発速度が遅く十分な成膜性が得られない恐れがあり、120℃を超えると樹脂の熱分解が生じる恐れがある。塗布後に熱乾燥させる場合の乾燥時間は5秒〜5分が好ましい。
本発明の方法によれば、上述した通り、所定の無電解めっきを行うことによって十分な厚さを有する金属導電層を形成し、めっき保護用のハードコート層上に反射防止層を直接、形成することで、製造工程数の削減により製造効率を向上でき、得られる光透過性電磁波シールド材に簡易な方法で反射防止性を付すことが可能となる
前記光透過性電磁波シールド材は、透明基板、前記透明基板上に設けられた前処理層、前記前処理層上に設けられたドット状のハードコート層、前記ハードコート層が設けられずに露出した前記前処理層上に設けられたメッシュ状の金属導電層、および前記ハードコート層および前記金属導電層上に設けられた反射防止層を有し、前記前処理層が、シランカップリング剤とアゾール系化合物との混合物または反応性生物、および、貴金属化合物を含む無電解めっき前処理剤の塗布層である構成を有する。前記構成を有する光透過性電磁波シールド材は、上述した本発明の方法により簡易かつ低コストで製造することができる。
前記光透過性電磁波シールド材は、所定の成分を含む無電解めっき前処理剤を用いることで前処理層および透明基板が高い光透過性を有する。したがって、前記光透過性電磁波シールド材の全光線透過率を、75%以上、特に80〜90%とすることができる。
なお、前記光透過性電磁波シールド材の全光線透過率の測定は、全自動直読ヘイズコンピューターHGM−2DP(スガ試験機株式会社製)等を用いて、光透過性電磁波シールド材の厚み方向の全光線透過率を測定することにより行われる。
前記光透過性電磁波シールド材は、前記金属導電層に防眩性を付与するため、前記金属導電層の表面の少なくとも一部に黒化処理層が設けられていてもよい。
前記反射防止層は、反射防止性および製造効率を向上させる観点から、高屈折率層および低屈折率層を有し、低屈折率層が最上層となるように配置されてなるものが好ましい。
さらに、前記光透過性電磁波シールド材は、前記透明基板の前記前処理層が形成される面とは反対側の面、ならびに、前記ハードコート層および前記金属導電層上、の少なくとも一方に前記近赤外線吸収層が設けられているのがよい。これにより、な近赤外線シールド性を有する前記光透過性電磁波シールド材とすることが可能となる。
なお、前記光透過性電磁波シールド材の各層についての詳細な説明は、本発明の製造方法において上述した通りであるため、ここでは省略する。
本発明による光透過性電磁波シールド材は、光透過性が要求される用途、例えば電磁波を発生する各種電気機器のLCD、PDP、CRT等のディスプレイ装置のディスプレイ面、又は、施設や家屋の透明ガラス面や透明パネル面に好適に適用される。前記光透過性電磁波シールド材は、高い光透過性および電磁波シールド性を有しているので、前述したディスプレイ装置のディスプレイ用フィルタに好適に用いられる。
本発明のディスプレイ用フィルタは、特に制限されないが、上記方法によって製造された光透過性電磁波シールド材を、ガラス板等の透明基板に積層するなどにより得られる。
以下、本発明を実施例により説明する。本発明は、以下の実施例により制限されるものではない。
(実施例1)
1.前処理層の作製
イミダゾールに、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを、モル比で1:1となるように混合し、1時間、100分間、反応させることにより得られた反応生成物を5wt%含む水溶液に、25℃で撹拌しながら塩化パラジウムを添加し、塩化パラジウム濃度が10g/Lの溶液を調製した。これをn−ブタノールで100体積倍に希釈し、塩化パラジウム濃度が100mg/Lの前処理剤を調製した。これにより得られた溶液を、ガラス坂(厚さ5mm)上に、塗布量が2g/m2となるように塗布し、160℃、5分間で乾燥させた。これにより、ガラス坂上に前処理層を形成した。
2.めっき保護用ハードコート層の作製
次に、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETA、日本化薬(株)製)60質量部、光ラジカル重合開始剤(イルガキュア184、チバガイギー社製)2質量部、メガファック531A(C817SO2N(C37)CH2CH2OCOCH=CH2、大日本インキ化学工業(株)製)9質量g、及びメチルエチルケトンを混合、攪拌して、ハードコート層形成用樹脂組成物を調製した。この樹脂組成物を、グラビアオフセット印刷により、前記前処理層上にドット状に印刷し、100℃、2分間、乾燥させた後、150mw/cm2で5秒間紫外線照射し硬化させることにより、前記前処理層上に多数の微小凸部からなるハードコート層を形成した。ドット一個の大きさは一辺が234μmの正方形であり、ドット同士の間隔は20μmであり、ドット配列は正方格子状である。印刷厚さは、乾燥後で5μmとした。
3.金属導電層の作製
このようにして得られたハードコート層および前処理層が形成されたガラス坂を、無電解銅めっき液(メルテックス株式会社製 メルプレートCU−5100)に浸漬し、50℃、20分間で、無電解銅めっき処理して、格子状の金属導電層を得た。前記金属導電層は、厚さは1.5μm、線幅は23μm、開口率は83%であった。
4.金属導電層の黒化処理
さらに、上記で得られた金属導電層が形成されたガラス板に対して、下記組成の黒化処理を行った。
黒化処理液組成(水溶液)
亜塩素酸ナトリウム: 10質量%
水酸化ナトリウム: 4質量%
黒化処理条件
浴温: 約60℃
時間: 5分間
この黒化処理により、金属導電層の表面に黒鉛化処理層(平均1.5μm)を形成した。
5.反射防止層の作製
次に、二酸化チタン微粒子(TTO−55B、石原産業(株)製)34.5質量部及びシクロヘキサノン65.5質量部を、サンドグラインダーミルにより分散し、二酸化チタン(平均粒子径12nm)の分散液を調製した。前記二酸化チタン分散液にジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA、日本化薬(株)製)と、光ラジカル重合開始剤(イルガキュア184、チバガイギー社製、モノマーの合計量(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、アニオン性モノマー及びカチオン性モノマーの合計量に対し5%)とを混合し、高屈折率層形成用のインク(I)を調製した。
ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETA、日本化薬(株)製)60質量部、光ラジカル重合開始剤(イルガキュア184、チバガイギー社製)2質量部、メガファック531A(C817SO2N(C37)CH2CH2OCOCH=CH2、大日本インキ化学工業(株)製)9質量g、及びメチルエチルケトンを混合、攪拌して、低屈折率層形成用のインク(II)を調製した。
上記で作製したハードコート層および金属導電層上に前記インク(I)をバーコーター法を用いて塗布し、100℃、2分間、乾燥させた後、150mw/cm2で5秒間紫外線照射し硬化させ、さらに前記インク(II)をバーコーター法を用いて塗布し、100℃、2分間、乾燥させ、150mw/cm2で5秒間紫外線照射し硬化させた。これにより、前記ハードコート層および前記金属導電層上に、高屈折率層(厚さ90μm、屈折率1.60)および低屈折率層(厚さ100μm、屈折率1.43)からなる反射防止層を有する光透過性電磁波シールド材を得た。
以上の通り、本発明では、上記の通り、従来と比較してより簡便な方法で、かつ、光透過性および電磁波シールド性に優れる光透過性電磁波シールド材を得ることができる。
本願発明による光透過性電磁波シールド材の製造方法の各工程を、断面図を用いて説明した図である。 従来の光透過性電磁波シールド材の製造方法の各工程を、断面図を用いて説明した図である。
符号の説明
11 透明基板、
12 前処理層、
13 めっき保護用ハードコート層、
14 金属導電層、
15 黒化処理層、
16 反射防止層、
17 近赤外線吸収層、
21 透明基板、
22 水溶性インキ、
23 銅の薄膜、
24 金属導電層、
25 銅の薄膜。

Claims (21)

  1. シランカップリング剤とアゾール系化合物との混合物または反応生成物、および、貴金属化合物を含む無電解めっき前処理剤を、透明基板上に塗布、乾燥させ、前記透明基板上に前処理層を形成する工程、
    前記前処理層上に、ドット状のめっき保護用ハードコート層を形成する工程、
    前記ハードコート層が形成されずに露出した前記前処理層上に、無電解めっきすることによりメッシュ状の金属導電層を形成する工程、および、
    前記ハードコート層および前記金属導電層上に、反射防止層を形成する工程、
    を含む光透過性電磁波シールド材の製造方法。
  2. 前記シランカップリング剤が、エポキシ基含有シラン化合物である請求項1に記載の光透過性電磁波シールド材の製造方法。
  3. 前記シランカップリング剤が、γ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシランである請求項1または2に記載の光透過性電磁波シールド材の製造方法。
  4. 前記アゾール系化合物が、イミダゾールである請求項1〜3のいずれかに記載の光透過性電磁波シールド材の製造方法。
  5. 前記貴金属化合物が、パラジウム、銀、白金、および金よりなる群から選択される少なくとも一種の金属原子を含む化合物である請求項1〜4のいずれかに記載の光透過性電磁波シールド材の製造方法。
  6. 前記透明基板上に前記前処理層を形成する工程において、前記乾燥が80〜160℃で行われる請求項1〜5のいずれかに記載の光透過性電磁波シールド材の製造方法。
  7. 前記ハードコート層が、紫外線硬化型合成樹脂および/または電子線硬化型合成樹脂を含む請求項1〜6のいずれかに記載の光透過性電磁波シールド材の製造方法。
  8. 前記ハードコート層が、アクリル樹脂を含む請求項1〜7のいずれかに記載の光透過性電磁波シールド材の製造方法。
  9. 前記金属導電層が、銀、銅、またはアルミニウムを含む請求項1〜8のいずれかに記載の光透過性電磁波シールド材の製造方法。
  10. 前記反射防止層を形成する工程の前に、前記金属導電層を黒化処理し、前記金属導電層の表面の少なくとも一部に黒化処理層を形成する工程をさらに有する請求項1〜9のいずれかに記載の光透過性電磁波シールド材の製造方法。
  11. 前記黒化処理が、前記金属導電層を酸化処理または硫化処理することによって行われる請求項10に記載の光透過性電磁波シールド材の製造方法。
  12. 前記反射防止層が、高屈折率層、中屈折率層、および低屈折率層よりなる群から選択される少なくとも一つを有する請求項1〜11のいずれかに記載の光透過性電磁波シールド材の製造方法。
  13. 前記反射防止層が、高屈折率層および低屈折率層を有し、前記低屈折率層が最上層に配置されている請求項1〜12のいずれかに記載の光透過性電磁波シールド材の製造方法。
  14. 前記透明基板の前記前処理層が形成される面とは反対側の面、および/または、前記反射防止層上に、近赤外線吸収層を形成する工程をさらに有する請求項1〜13のいずれかに記載の光透過性電磁波シールド材の製造方法。
  15. 請求項1〜14のいずれかに記載の製造方法によって製造された光透過性電磁波シールド材。
  16. 透明基板、前記透明基板上に設けられた前処理層、前記前処理層上に設けられたドット状のめっき保護用ハードコート層、前記ハードコート層が設けられずに露出した前記前処理層上に設けられたメッシュ状の金属導電層、および、前記ハードコート層および前記金属導電層上に設けられた反射防止層を有し、
    前記前処理層が、シランカップリング剤とアゾール系化合物との混合物または反応性生物、および、貴金属化合物を含む無電解めっき前処理剤の塗布層である光透過性電磁波シールド材。
  17. 全光線透過率が75%以上である請求項16に記載の光透過性電磁波シールド材。
  18. 前記金属導電層の表面の少なくとも一部に黒化処理層が設けられている請求項16または17に記載の光透過性電磁波シールド材。
  19. 前記反射防止層が、高屈折率層および低屈折率層を有し、前記低屈折率層が最上層に配置されてなる請求項16〜18のいずれかに記載の光透過性電磁波シールド材。
  20. 前記透明基板の前記前処理層が形成された面とは反対側の面、および/または、前記反射防止層上に、近赤外線吸収層をさらに有する請求項16〜19のいずれかに記載の光透過性電磁波シールド材の製造方法。
  21. 請求項16〜20のいずれかに記載の光透過性電磁波シールド材を含むディスプレイ用フィルタ。
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