JP2009115882A - プラズマディスプレイパネル用フィルター - Google Patents

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Abstract

【課題】透過過画像鮮明性に優れ、さらに極めて優れた映り込みを軽減する効果を兼ね備えたプラズマディスプレイ用フィルターを提供する。
【解決手段】少なくとも透明基材を含む積層構成を有し、
一方の面が、中心線平均粗さRaが30〜250nm、10点平均粗さRzが0.4〜2.0μm、平均凹凸間隔Smが50〜400μm、高さ1μm以上の突起数が50個以下である表面うねり構造であり(以後A面と称す)、
他方の面が、中心線平均粗さRaが30〜300nm、10点平均粗さRzが0.4〜3.0μm、平均凹凸間隔Smが20〜400μmである表面うねり構造である(以後B面と称す)ことを特徴とする、プラズマディスプレイパネル用フィルター。
【選択図】図1

Description

本発明は、映り込み防止性に優れたプラズマディスプレイ用フィルターに関するものである。さらに詳しくは優れた透過画像鮮明性と映り込み防止性を兼ね備えたディスプレイ用フィルターに関するものである。
プラズマディスプレイパネル(以下「PDP」と略す。)には、PDPの機能を向上させるため光学フィルターが前面に取り付けられている。このようなPDP用フィルターに必要な機能として、
(1)薄膜ガラス製のPDP本体(パネル)に対する機械的強度の付与、
(2)PDPから放出される電磁波の遮蔽、
(3)PDPから放出される赤外線の遮蔽、
(4)外光の反射防止、
(5)色調補正、
などを挙げることができる。
現在市場に出ているPDPに搭載されているPDP用フィルターは、各々上記(1)〜(5)の機能を有する複数の層を積層することで形成されている。具体的には、PDPパネルに対して機械的強度を付与するためにガラスなどの透明基板、電磁波を遮蔽するために導電性膜、赤外線を遮蔽するために赤外線吸収フィルム、外光の反射防止のために反射防止膜、色調を補正するために可視光領域に吸収のある色素を含有した層が使用されている。
PDPに要求される性能は年々厳しくなっており、PDP用フィルターに対する要求もより高度になっている。中でも、より画質特性を向上させるため、高コントラスト化、干渉縞抑制、蛍光灯などのPDP表面への映り込みの軽減、などが強く求められるようになっている。映り込みの問題については、理論的にはフィルターを構成する各層間の屈折率差を限りなくゼロに近づけることで改善でき、また、フィルター表面に光拡散層を設けて映り込み像の輪郭を不鮮明にすることでさらなる改善ができると考えられる。
例えば、映り込みを軽減するために、反射防止層が前面光学フィルターの両側に設置された技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、この技術では、反射防止性能が不十分であるために、十分な映り込み軽減効果が期待できない。
また、映り込みの軽減を抑制するために、フィルター表面に凹凸構造を有する光拡散層を設けて映り込み像の輪郭を不鮮明にする技術も提案されている(例えば、特許文献2,3参照)。しかしながら、この技術では、フィルター表面での光拡散性の最適化が不十分であるため、映り込みを軽減する特性が良好であっても、透過光の拡散性が高く、PDP画面に映る画像の鮮明性が悪くなり(透過画像鮮明性が悪い)、逆に透過画像鮮明性が良好でも映り込みの軽減が必ずしも良好でない場合がある。
さらに、フィルターをPDPパネルに直接貼り付けることによってパネル表面からの反射、フィルター裏面からの反射を抑制して映り込み軽減を図る技術も提案されている(例えば、特許文献4,5参照)。しかしながら、この技術では、映り込みを軽減する効果が十分ではないという問題がある。
特開2000−156182号公報 特開2001−281411号公報 特開2004−126495号公報 特開2005−242227号公報 特開2005−243509号公報
本発明の課題は、上記従来技術の問題点に鑑み、透過画像鮮明性に優れ、さらに極めて優れた映り込みを軽減する効果(以下、映り込み防止性とする)を兼ね備えたプラズマディスプレイ用フィルターを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成を採用するものである。すなわち、
(1)少なくとも透明基材を含む積層構成を有し、一方の面が、中心線平均粗さRaが30〜250nm、10点平均粗さRzが0.4〜2.0μm、平均凹凸間隔Smが50〜400μm、高さ1μm以上の突起数が50個以下である表面うねり構造であり(以後A面と称す)、他方の面が、中心線平均粗さRaが30〜300nm、10点平均粗さRzが0.4〜3.0μm、平均凹凸間隔Smが20〜400μmである表面うねり構造である(以後B面と称す)ことを特徴とするプラズマディスプレイパネル用フィルター。
(2)透明基材のA面側に、少なくともハードコート層、反射防止層がこの順に設けられていることを特徴とする、前記(1)に記載のプラズマディスプレイパネル用フィルター。
(3)透明基材のA面側に、少なくとも細線パターン層、ハードコート層、反射防止層がこの順に設けられていることを特徴とする、前記(1)に記載のプラズマディスプレイパネル用フィルター。
(4)細線パターン層の高さが、0.5〜8μmであることを特徴とする、前記(3)に記載のプラズマディスプレイパネル用フィルター。
(5)細線パターン層のパターンがメッシュ状パターンであり、ピッチが50〜400μmであることを特徴とする、前記(3)または(4)に記載のプラズマディスプレイパネル用フィルター。
(6)メッシュ状パターンが、導電性メッシュであることを特徴とする、前記(5)に記載のプラズマディスプレイパネル用フィルター。
(7)透明基材のA面側に、少なくとも細線パターン層、ハードコート層、反射防止層がこの順に設けられており、
透明基材のB面側に、少なくとも反射防止層が設けられていることを特徴とする、前記(1)〜(6)のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル用フィルター。
(8)前記(1)〜(7)のいずれかに記載されたプラズマディスプレイパネル用フィルターをA面側が視認側になるように用いてなることを特徴とするプラズマディスプレイ。
本発明によれば、透過画像鮮明性に優れ、映り込み防止性を兼ね備えたPDP用フィルターを提供できる。
以下、本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。
(視認側最表面の構造(表面うねり構造))
PDP用フィルターに対する要求はより高度になっており、中でも、さらなる画質特性の向上を図るために、PDP表面への映り込みの軽減については最も重要な課題としてその改善が強く求められるようになっている。
映り込みの軽減については、理論的にはフィルター最表面の屈折率を低くすること、フィルターを構成する各層間の屈折率差を限りなくゼロに近づけること、フィルターに光拡散層を設けて映り込み像の輪郭を不鮮明にすることで達成することができると考えられており、既に様々な検討がされてきた。しかしながら、最表面の屈折率低下と屈折率差の低下には限界があり、最表面層に多量の粒子を適用した従来のアンチグレアフィルムをフィルター表面に適用した場合には、映り込みは大幅に軽減できるが、PDP画面にうつる画像の鮮明性が悪くなる傾向があるため、総合的にバランスのとれた特性とすることは容易ではなかった。
本発明ではこのような実状を鑑み、フィルター視認側最表面の形状、フィルター裏面(パネル側最表面)の構造を最適化することによって、映り込み低減と透過画像鮮明性とが両立した最も優れた画質が得られるフィルター光学特性を見出したものである。
なお、フィルター視認側最表面とは、フィルターをPDPにセットした時の観察者側の表面を示し、パネル側最表面とは、フィルターをPDPにセットした時のPDP側の表面を示す。PDPにセットする前の段階では本発明のPDP用フィルターは、どちらか一方の面が視認側最表面となり、他方の面がパネル側最表面となる。
本発明のPDP用フィルターは、少なくとも透明基材を含む積層構成を有し、PDP用フィルターの一方の面(A面とする)に比較的なだらかな凹凸構造(表面うねり構造)を、他方の面(B面とする)に比較的粗い構造を形成させた構成である(図1を参照)。より好ましくは本発明のPDP用フィルターは、PDPの視認側最表面に比較的なだらかな凹凸構造(表面うねり構造)のA面を、PDPのパネル側に比較的粗い構造のB面となるようにPDPに配置させて使用可能な、PDP用フィルターである(図1を参照)。
このうち、A面(PDPの視認側最表面として好適に使用される面)には、中心線平均粗さRaが30〜250nm、視認側最表面の10点平均粗さRzが0.4〜2.0μm、平均凹凸間隔Smが50〜400μm、高さ1μm以上の突起数が0個以上50個以下である表面うねり構造が形成されたものである。このような構成とすることで良好な映り込み低減特性と透過画像鮮明性、特に斜めから見たときの透過画像鮮明性を良好にすることができる。
A面(PDPの視認側最表面として好適に使用される面)の中心線平均粗さRaは、好ましくは30〜150nm、より好ましくは40〜120nm、さらに好ましくは50〜100nmである。
A面(PDPの視認側最表面として好適に使用される面)の10点平均粗さRzは、好ましくは0.4〜1.5μm、より好ましくは0.5〜1.2μm、さらに好ましくは0.5〜1μmである。
A面(PDPの視認側最表面として好適に使用される面)の平均凹凸間隔Smは、好ましくは50〜300μm、より好ましくは50〜200μmである。
A面(PDPの視認側最表面として好適に使用される面)の高さ1μm以上の突起数は好ましくは0個以上10個以下、さらに好ましくは0個である。
A面(PDPの視認側最表面として好適に使用される面)のうねり構造の形状については、表面粗さ測定器SE−3400(小坂研究所製)を用いて測定し、JISB0601−1982に準拠して解析を行ったものである。
A面(PDPの視認側最表面として好適に使用される面)の中心線平均粗さRaが30nm未満の場合、映り込み像の輪郭が明瞭になり映り込み像が見やすくなる傾向があり、250nmを越える場合は透過画像が劣化する傾向がある。
A面(PDPの視認側最表面として好適に使用される面)の10点平均粗さRzが0.4μm未満の場合、映り込み像の輪郭が明瞭になり映り込み像が見やすくなる傾向があり、2.0μmを越える場合は透過画像が劣化する傾向がある。
A面(PDPの視認側最表面として好適に使用される面)の平均凹凸間隔Smが50μm未満の場合、透過画像が劣化する傾向があり、400μmを越える場合は映り込み像が見えやすくなる。
A面(PDPの視認側最表面として好適に使用される面)の高さ1μm以上の突起数が50個を越える場合は透過画像が悪化する傾向がある。
また、映り込み像はPDP用フィルターからの反射光とパネルからの反射光からなる。パネルからの反射光はPDP用フィルターで吸収されるため、PDP用フィルターの透過率を下げることにより映り込み性能を向上させることができる。しかしながら、透過率を下げ過ぎた場合には透過画像の輝度も低下して画像が暗くなり、輝度を維持するためにはPDPに映す画像を明るくする必要があり、結果的に消費電力が多くなるので好ましい態様とはいえない。本発明のPDP用フィルターの視感透過率は好ましくは20〜60%、より好ましくは25〜50%、さらに好ましくは30〜45%であり、このような視感透過率とすることで、映り込みの低減と透過像輝度のバランスを好適にすることができる。
(パネル側最表面うねり構造)
本発明にかかるPDP用フィルターは、パネル側最表面にうねり構造が形成された構成とするものである。視認側表面の場合は、透過像を劣化させないために表面うねり構造を比較的ゆるやかにする必要があるが、パネル側の表面構造はやや粗い構造であっても透過像が劣化しにくいため、ゆるやかな構造からやや粗い構造までの幅広い構造を形成させることができ、これによって、映り込み特性と透過画像鮮明性に優れるPDP用フィルターを提供することができる。例えば、映り込みを重視した設計にしたい場合には、パネル側の表面うねり構造をやや粗くする方向、透過像を重視したい場合には、ゆるやかな表面にする方向の設計をすればよい。
具体的には、本発明ではB面(PDPのパネル側最表面として好適に使用される面)に、中心線平均粗さRa30〜300nm、10点平均粗さRz0.4〜3.0μm、平均凹凸間隔Sm20〜400μmである表面うねり構造が形成されている。上述のように、このB面(PDPのパネル側最表面として好適に使用される面)のうねり構造は、視認側最表面に比べて荒れた構造が形成されていることが好ましい。
B面(PDPのパネル側最表面として好適に使用される面)の中心線平均粗さRaは好ましくは30〜200nm、より好ましくは50〜180nm、さらに好ましくは70〜130nmである。
B面(PDPのパネル側最表面として好適に使用される面)の10点平均粗さRzは好ましくは0.4〜2.5μm、より好ましくは0.5〜2.0μm、さらに好ましくは0.7〜1.5μmである。
B面(PDPのパネル側最表面として好適に使用される面)の平均凹凸間隔Smは好ましくは50〜300μm、より好ましくは70μm〜200μmである。
また、B面における高さ1μm以上の突起数については、パネル側の粗大突起が透過像悪化に影響しにくいことから特に限定されることなく、Raが30〜300nm、Rzが0.4〜3.0μm、Smが20〜400μmという範囲内にあればB面の高さ1μm以上の突起数に制限はないが、B面の高さ1μm以上の突起数の好ましい範囲としては、0個以上100個以下である。
このようなB面(PDPのパネル側最表面として好適に使用される面)の表面のうねり構造は凸構造であっても、凹構造であっても構わない。
このような特定の条件を満たす視認側最表面うねり構造とパネル側最表面うねり構造の両者を共存させることによって、透過画像鮮明性を高いレベルに保持しながら、良好な映り込み特性を発現させることができる。
なおB面(PDPのパネル側最表面として好適に使用される面)のうねり構造の形状については、表面粗さ測定器SE−3400(小坂研究所製)を用いて測定し、JISB0601−1982に準拠して解析を行ったものである。
B面(PDPのパネル側最表面として好適に使用される面)の中心線平均粗さRaが30nm未満の場合、映り込み像の輪郭が明瞭になり映り込み像が見やすくなる傾向があり、300nmを越える場合は透過画像が劣化する傾向がある。
B面(PDPのパネル側最表面として好適に使用される面)の10点平均粗さRzが0.4μm未満の場合、映り込み像の輪郭が明瞭になり映り込み像が見やすくなる傾向があり、3.0μmを越える場合は透過画像が劣化する傾向がある。
B面(PDPのパネル側最表面として好適に使用される面)の平均凹凸間隔Smが20μm未満の場合、透過画像が劣化する傾向があり、400μmを越える場合は映り込み像が見えやすくなる傾向がある。
(表面うねり構造の形成方法)
フィルター表面に形成される表面うねり形状を制御する方法としては、凹凸構造を有するエンボスロールなどの鋳型の表面形状を転写させる方法、表面層形成時に風などを当てて表面を乱す方法などがあるが、ハードコート層に粒子を添加してハードコート層表面凹凸構造を制御する方法が低コストで安定した製造する方法として好ましい。さらに、細線パターン層が形成された透明基材上にハードコート層、あるいは、ハードコート層と反射防止層を塗設する方法がさらに低コストで滑らかな表面を実現させる方法としてより好ましい。ハードコート層に用いられる材料としては後述のハードコート層の項に示す。
ハードコート層に導入して表面うねり構造を形成させる場合、粒子としては有機、無機の各種粒子が用いられる。例えば、アクリル粒子、スチレン粒子、架橋アクリル粒子、架橋スチレン粒子、架橋シロキサン粒子、シリカ粒子アルミナ粒子、酸化チタン粒子などが挙げられるが、沈降安定性、バインダーへの分散性などを考慮すると、架橋アクリルなどの有機粒子が好ましく用いられる。好ましい平均粒子径は粒子の分散性やハードコート層の厚みに依存するが、0.1〜10μm程度が通常好ましい範囲であり、0.5〜5μmがより好ましい範囲である。なお、平均粒子径はレーザー回折散乱法で求めた有効径(回折散乱径)の平均値である。
細線パターン層を用いた表面うねり構造の形成方法は、細線パターン層の上にハードコート層を、細線パターン層厚みと同程度の厚みで塗設することで、パターンに対応したうねり構造を形成させるコンセプトであり、ハードコート層厚み、ハードコート層形成組成物の塗剤特性、細線パターン層形状などにより、うねり構造をコントロールすることができる。ハードコート層厚みが厚くなると、カールやクラックなどの問題の他、経済的見地からも好ましくなく、ハードコート層厚みは0.5〜8μmが好ましく、細線パターン層の高さもこの範囲(0.5〜8μm)が好ましい。ハードコート層厚みおよび細線パターン層高さは、より好ましくは1〜5μm、さらに好ましくは1.5〜3μmである。
PDPフィルターの構成要素として、電磁波シールド層としてのメッシュ状パターンを有する導電性メッシュがあり、メッシュ状パターンを有する導電性メッシュを本発明における細線パターン層として用いるのが、PDP用フィルターの構成をシンプルにする意味で好ましい。具体的には、銅、アルミなどの金属パターン層を透明フィルムの上に形成した電磁波シールド用導電性メッシュフィルムの上に、ハードコート層、あるいは、ハードコート層と反射防止層を塗設した構成が挙げられる。
細線パターン層のパターンは特に限定されるものではなく、メッシュ状パターン構造、ランダム状パターン構造などの構造が用いられる。細線パターンのピッチは、規則的なメッシュ状パターン構造の場合、線幅5〜30μm、ピッチ50〜400μmが好ましく、線幅8〜20μm、ピッチ100〜350μmがより好ましい範囲である。
本発明における「メッシュ状パターンのピッチ」について説明する。先ずあるメッシュ状パターンの開口部Aと、この開口部Aと少なくとも1辺を共有し隣接する開口部に着目する。次いで、開口部Aの重心とこれら隣接する開口部の重心との距離を測定する。これら測定した距離の中で、最短距離を開口部Aのメッシュ状パターンのピッチとする。そして、20cm四方のフィルターサンプルから任意に100箇所の開口部を選択し、これら開口部のメッシュ状パターンのピッチの平均値を、このフィルターサンプルの「メッシュ状パターンのピッチ」とする。」)
細線パターン層上にハードコート層を形成する場合でも、ハードコート層中に粒子を添加することで、粒子と細線パターンの両者で表面うねり構造を制御することもできる。
(フィルターの構成について)
本発明のPDP用フィルターは複数の層が積層された積層体である。これらの層はそれぞれに特有の機能を持つ機能層となっている。本発明にかかる機能層としては、反射防止層、ハードコート層、透明樹脂層、紫外線カット層、赤外線カット層、電磁波シールド層、色補正層、透明基材層、層間粘着層などが挙げられる。
これらの機能層の積層順番は、特に限定されるものではないが、視認側最表層には凹凸構造を有する反射防止層が配置される。好ましい態様としては、この反射防止層より下側にハードコート層が配置され、さらに下側に色補正層が配置され、さらに下側に電磁波シールド層が配置される態様である。赤外線カット層に赤外線吸収剤を用いる場合には紫外線による劣化を防止するためにこの層より上側に紫外線防止層を配置するのがよい。また、パネル側の最表面には凹凸構造を有する反射防止層が配置される。
好ましい積層順番としては、反射防止層/ハードコート層/透明樹脂層/紫外線カット層/色補正層/赤外線カット層/電磁波シールド層/透明基材層/反射防止層、反射防止層/ハードコート層/透明樹脂層/紫外線カット層/色補正層/赤外線カット層/透明基材層/電磁波シールド層/反射防止層、反射防止層/ハードコート層/透明樹脂層/紫外線カット層/色補正層/透明基材層/赤外線カット層/電磁波シールド層/反射防止層、反射防止層/ハードコート層/透明樹脂層/紫外線カット層/色補正層/透明基材層/電磁波シールド層/赤外線カット層/反射防止層などを例示することができる。
本発明のPDP用フィルターは、PDPの前面に空気層を介して配置される。PDPの表示面(最表面)からフィルター視認側最表面の距離dが20mm以下となるように設置した場合に、最も透過画像を維持して映り込み性能を改善することができる。
次に、本発明のPDP用フィルターを構成する各層について、より具体的に説明する。
(透明樹脂層)
本発明のPDP用フィルターにおける透明樹脂層は、通常、反射防止層、ハードコート層、赤外線カット層、電磁波シールド層などを積層するための基材として用いられる。また、紫外線吸収成分を添加することで紫外線カット層としての役割を担うこともできる。
本発明のPDP用フィルターにおける透明樹脂層としては、溶融製膜や溶液製膜可能なフィルムを用いることができる。その具体例としては、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリフェニレンスルフィド、セルロースエステル、ポリカーボネート、アクリレートなどからなるフィルムを挙げることができる。これらのフィルムは本発明における各機能層の基材として好適に用いられるが、うねり構造を形成する面に用いられる透明樹脂層の材料として好ましいものとしては、透明性、機械的強度および寸法安定性などに優れた樹脂が求められ、具体的にはポリエステル、セルロースエステル、アクリル(ポリアクリレート)などが挙げられ、中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、トリアセチルセルロースが好適な材料として例示することができる。また、ポリアクリレートの中でも分子内に環状構造を有する樹脂は光学等方性に優れる好適な材料である。分子内に環状構造を有する樹脂としてはグルタル酸無水物単位を10〜50重量%含有するアクリル樹脂などを例示することができる。しかし、諸特性のすべてにおいてバランスされた性能を有し、本発明におけるすべての機能層用の基材に適用できるものとしてはポリエステルが特に好ましい。
このようなポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートおよびポリプロピレンナフタレートなどが挙げられるが、ポリエチレンテレフタレートが性能およびコスト面で最も好ましい。また、2種以上のポリエステルが混合されたものであってもよい。また、これらと他のジカルボン酸成分やジオール成分が共重合されたポリエステルであってもよいが、この場合は、結晶配向が完了したフィルムにおいて、その結晶化度が好ましくは25%以上、より好ましくは30%以上、さらに好ましくは35%以上のフィルムが好ましい。また、好ましい結晶化度の上限値は50%である。結晶化度が25%未満の場合には、寸法安定性や機械的強度が不十分となりやすい。結晶化度は、ラマンスペクトル分析法により測定することができる。
上述したポリエステルを使用する場合には、その極限粘度(JIS K7367に従い、25℃のo−クロロフェノール中で測定)は、0.4〜1.2dl/gが好ましく、より好ましくは0.5〜0.8dl/gである。
本発明のPDP用フィルターで用いられる透明樹脂層は、2層以上の積層構造の複合体フィルムであっても良い。複合体フィルムとしては、例えば、内層部に実質的に粒子を含有せず(粒子含有量0.01%以下)、表層部に粒子を含有させた層を設けた複合体フィルム、内層部に粒子を有し、表層部に微細粒子を含有させた積層体フィルムなどが挙げられる。また、上記複合体フィルムは、内層部と表層部が化学的に異種のポリマーであっても同種のポリマーであっても良い。ただし、粒子などを適用する場合には透明性に影響しない程度に止める必要がある。
本発明のPDP用フィルターにおける透明樹脂層にポリエステルを用いる場合、フィルムの熱安定性、特に寸法安定性や機械的強度を十分なものとし、平面性を良好にする観点から、二軸延伸により結晶配向されたフィルムであることが好ましい。ここで、二軸延伸により結晶配向しているとは、未延伸すなわち結晶配向が完了する前の熱可塑性樹脂フィルムを長手方向および幅方向にそれぞれ好適には2.5〜5倍程度延伸し、その後熱処理により結晶配向を完了させたものであり、広角X線回折で二軸配向のパターンを示すものをいう。
本発明で用いられる透明樹脂層の厚みは、使用される用途に応じて適宜選択されるが、機械的強度やハンドリング性などの点から、好ましくは10〜500μm、より好ましくは20〜300μmである。
本発明のPDP用フィルターの透明樹脂層中には、本発明の効果、特に光学特性を阻害しない範囲内で各種の添加剤や樹脂組成物、架橋剤などを含有しても良い。例えば酸化防止剤、耐熱安定剤、紫外線吸収剤、有機、無機の粒子(例えば、シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、アルミナゾル、カオリン、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、カーボンブラック、ゼオライト、酸化チタン、金属微粉末など)、顔料、染料、帯電防止剤、核剤、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ゴム系樹脂、ワックス組成物、メラミン系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、メチロール化、アルキロール化された尿素系架橋剤、アクリルアミド、ポリアミド、エポキシ樹脂、イソシアネート化合物、アジリジン化合物、各種シランカップリング剤、各種チタネート系カップリング剤などを挙げることができる。
本発明に用いる透明樹脂層は全光線透過率が90%以上、ヘイズが1.5%以下であるのが好ましく、このようなものを適用することで画像の視認性や鮮明度を向上させることができる。
さらに、本発明に用いる透明樹脂層は透過b値が1.5以下であるのが好ましい。透過b値が1.5を越えると透明樹脂層自体がやや黄ばんで見えるため画像の鮮明さを損なう場合がある。
透過b値とは、国際照明委員会(CIE)において定められた表色の方法であり、b値は彩度を表しており、正の符号であれば黄色の色相、負の符号で有れば青色の色相を表す。また、絶対値が大きい程その色の彩度が大きく鮮やかな色であることを示し、絶対値が小さい程彩度が小さいことを示す。0である場合には、無彩色であることを示す。表色の調整は例えば、色素を含有させることにより実現できる色素としては、有色無機顔料、有機顔料、染料などを用いることができるが、耐候性に優れることから、カドミウムレッド、べんがら、モリブデンレッド、クロムバーミリオン、サンカクロム、ビリジアン、チタンコバルトグリーン、コバルトグリーン、コバルトクロムグリーン、ビクトリアグリーン、群青、ウルトラマリンブルー、紺青、ベルリンブルー、ミロリブルー、コバルトブルー、セルリアンブルー、コバルトシリカブルー、コバルト亜鉛ブルー、マンガンバイオレット、ミネラルバイオレッド、コバルトバイオレットなどの有機顔料が好ましく使用される。
(ハードコート層)
本発明のPDP用フィルターにおけるハードコート層としては、通常、透明樹脂層の少なくとも片面に積層されたハードコートフィルムが用いられる。ハードコート層成分としては、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、アルキド系樹脂、フッ素系樹脂などの熱硬化型または光硬化型樹脂などが挙げられるが、性能、コスト、生産性などのバランスを考慮するとアクリレート系が好ましく適用される。
アクリレート系ハードコート膜は多官能アクリレートを主成分とする硬化組成物からなるものである。多官能アクリレートは、1分子中に3(より好ましくは4、さらに好ましくは5)個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単量体もしくはオリゴマー、プレポリマーであって、1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基(ただし、本明細書において「・・・(メタ)アクリ・・・」とは、「・・・アクリ・・・または・・・メタアクリ・・・」を略して表示したものである。)を有する単量体、オリゴマー、プレポリマーとしては、1分子中に3個以上のアルコール性水酸基を有する多価アルコールの該水酸基が、3個以上の(メタ)アクリル酸のエステル化物となっている化合物などを挙げることができる。
具体的な例としては、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンEO変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリアクリレートトルエンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリアクリレートイソホロンジイソシアネートウレタンプレポリマーなどを用いることができる。これらは、1種または2種以上を混合して使用することができる。
これらの1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単量体、オリゴマー、プレポリマーの使用割合は、ハードコート層構成成分総量に対して50〜90重量%が好ましく、より好ましくは50〜80重量%である。
上記の化合物以外にハードコート層の剛直性を緩和させたり、硬化時の収縮を緩和させる目的で1〜2官能のアクリレートを併用するのが好ましい。1分子中に1〜2個のエチレン性不飽和二重結合を有する単量体としては、ラジカル重合性のある通常の単量体ならば特に限定されずに使用することができる。
分子内に2個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物としては、下記(a)〜(f)の(メタ)アクリレートなどを用いることができる。すなわち、
(a)炭素数2〜12のアルキレングリコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類:エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートなど、
(b)ポリオキシアルキレングリコールの(メタ)アクリレート酸ジエステル類:ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなど、
(c)多価アルコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類:ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートなど、
(d)ビスフェノールAあるいはビスフェノールAの水素化物のエチレンオキシドおよびプロピレンオキシド付加物の(メタ)アクリル酸ジエステル類:2,2’−ビス(4−アクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−アクリロキシプロポキシフェニル)プロパンなど、
(e)ジイソシアネート化合物と2個以上のアルコール性水酸基含有化合物を予め反応させて得られる末端イソシアネート基含有化合物に、さらにアルコール性水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させて得られる分子内に2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有するウレタン(メタ)アクリレート類など、および、
(f)分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物にアクリル酸またはメタクリル酸を反応させて得られる分子内に2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有するエポキシ(メタ)アクリレート類など、
を用いることができ、分子内に1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−およびi−プロピル(メタ)アクリレート、n−、sec−、およびt−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニル−3−メチルピロリドン、N−ビニル−5−メチルピロリドンなどを用いることができる。これらの単量体は、1種または2種以上混合して使用してもよい。
これらの1分子中に1〜2個のエチレン性不飽和二重結合を有する単量体の使用割合は、ハードコート層構成成分総量に対して10〜40重量%が好ましく、より好ましくは20〜40重量%である。アクリルオリゴマーとは、アクリル系樹脂骨格に反応性のアクリル基が結合されたものを始めとして、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレートおよびポリエーテルアクリレートなどであり、また、メラミンやイソシアヌール酸などの剛直な骨格にアクリル基を結合したものなども用いることができる。
また、適宜反応性希釈剤を用いることができる。反応性希釈剤とは、塗布剤の媒体として塗布工程での溶剤の機能を担うと共に、それ自体が一官能性あるいは多官能性のアクリルオリゴマーと反応する基を有し、塗膜の共重合成分となるものである。
これらのアクリルオリゴマー、反応性希釈剤などの具体例は、山下晋三、金子東助編、「架橋剤ハンドブック」、大成社1981年発行、第267頁から第275頁、第562頁から第593頁を参考とすることができる。
また、市販されている多官能アクリル系硬化塗料としては三菱レイヨン株式会社;(商品名 ダイヤビーム(登録商標)シリーズなど)、長瀬産業株式会社;(商品名 デナコール (登録商標)シリーズなど)、新中村株式会社;(商品名 NKエステル (登録商標)シリーズなど)、大日本インキ化学工業株式会社;(商品名 UNIDIC (登録商標)シリーズなど)、東亜合成化学工業株式会社;(商品名 アロニックス (登録商標)シリーズなど)、日本油脂株式会社;(商品名 ブレンマー (登録商標)シリーズなど)、日本化薬株式会社;(商品名 KAYARAD (登録商標)シリーズなど)、共栄社化学株式会社;(商品名 ライトエステル (登録商標)シリーズ、ライトアクリレート (登録商標)シリーズなど)などの製品を利用することができる。
また、本発明では、ハードコート層の改質剤として、塗布性改良剤、消泡剤、増粘剤、帯電防止剤、無機系粒子、有機系粒子、有機系潤滑剤、有機高分子化合物、紫外線吸収剤、光安定剤、染料、顔料あるいは安定剤などを用いることができ、これらは活性線または熱による反応を損なわない範囲内でハードコート層を構成する塗布層の組成物成分として使用され、用途に応じてハードコート層の特性を改良することができる。
本発明において、上記のハードコート組成物を硬化させる方法としては、例えば、活性線として紫外線を照射する方法や高温加熱法などを用いることができ、これらの方法を用いる場合には、前記ハードコート組成物に、光重合開始剤または熱重合開始剤などを加えることが望ましい。
光重合開始剤の具体的な例としては、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、メチルベンゾイルフォメート、p−イソプロピル−α−ヒドロキシイソブチルフェノン、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどのカルボニル化合物、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントンなどの硫黄化合物などを用いることができる。これらの光重合開始剤は単独で使用してもよいし、2種以上組み合せて用いてもよい。また、熱重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイドまたはジ−t−ブチルパーオキサイドなどのパーオキサイド化合物などを用いることができる。
光重合開始剤または熱重合開始剤の使用量は、ハードコート層形成組成物100重量部に対して、0.01〜10重量部が適当である。電子線またはガンマ線を硬化手段とする場合には、必ずしも重合開始剤を添加する必要はない。また200℃以上の高温で熱硬化させる場合には熱重合開始剤の添加は必ずしも必要ではない。
本発明で用いられるハードコート層形成組成物には、製造時の熱重合や貯蔵中の暗反応を防止するために、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテルまたは2,5−t−ブチルハイドロキノンなどの熱重合防止剤を加えることが望ましい。熱重合防止剤の添加量は、ハードコート層形成組成物総重量に対し、0.005〜0.05重量%が好ましい。
一方、ハードコート層上にさらに積層膜を設ける場合には積層膜の塗布性、接着性を阻害しない必要があり、その場合にはアクリル系レベリング剤を用いるのが好ましい。このようなレベリング剤としては「ARUFON−UP1000シリーズ、UH2000シリーズ、UC3000シリーズ(商品名):東亜合成化学(株)製」などを用いるのが好ましい。レベリング剤の添加量はハードコート層形成組成物中に0.01〜5重量%含有させるのが好ましい。
ハードコート層形成組成物の塗剤の塗布手段としては、各種の塗布方法、例えば、リバースコート法、グラビアコート法、ロッドコート法、バーコート法、ダイコート法またはスプレーコート法などを用いることができる。
本発明で必要に応じて用いられる活性線としては、紫外線、電子線および放射線(α線、β線、γ線など)などアクリル系のビニル基を重合させる電磁波が挙げられ、実用的には、紫外線が簡便であり好ましい。紫外線源としては、紫外線蛍光灯、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノン灯または炭素アーク灯などを用いることができる。また、活性線を照射するときに、低酸素濃度下で照射を行なうと、効率よく硬化させることができる。またさらに、電子線方式は、装置が高価で不活性気体下での操作が必要ではあるが、塗布層中に光重合開始剤や光増感剤などを含有させなくてもよい点で有利である。
(透明基材層)
本発明のPDP用フィルターは、少なくとも透明基材を含む積層構成である。そして本発明のPDP用フィルターにおける透明基材層はPDP本体に機械的強度を付与するものであり、無機化合物成形物や透明な有機高分子成形物が用いられる。
無機化合物成形物としては、好ましくはガラス、強化もしくは半強化ガラスなどが挙げられ、厚さは通常0.1〜10mmの範囲であり、より好ましくは1〜4mmである。
高分子成形物は可視波長領域において透明であればよく、その種類を具体的にあげれば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルサルフォン、ポリスチレン、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリイミド、トリアセチルセルロースなどが挙げられる。これら透明な高分子成形物は、主面が平滑であれば板(シート)状であってもフィルム状であってもよい。シート状の高分子成形物を基材として用いた場合には、基材が寸法安定性と機械的強度に優れているため、寸法安定性と機械的強度に優れる透明積層体が得られ、特にそれが要求される場合には好適に使用できる。
また、透明な高分子フィルムは可撓性を有しており機能層をロール・ツー・ロール法で連続的に形成することができるため、これを使用した場合には効率よく、また、長尺大面積に機能層の積層体を生産できる。この場合フィルムの厚さは通常10〜250μmのものが用いられる。フィルムの厚さが10μm未満では、基材としての機械的強度に不足し、厚さが250μmを越えると可撓性が不足するためフィルムをロールで巻きとって利用するのに適さない。
(色調補正層)
色調補正層は、色調補正能を有する色素を含有する層であり、透過可視光の色調補正を行い、PDPの画像特性の向上、より具体的には高コントラスト化および高鮮明色化を図るものである。また、色調補正層によりPDP用フィルター全体の透過率調整が可能であり、映り込み性能の調整をする役割も担っている。
色調補正は、PDP用フィルターを透過する可視光のうち、特定波長の可視光を選択的に吸収することによって達成される。したがって、色調補正層に含有される色素は、特定波長の可視光を選択的に吸収するものであり、色素は染料と顔料のいずれも使用できる。「特定波長の可視光を選択的に吸収する」とは、可視光の波長領域(波長380〜780nm)の光のうち、特定波長領域の光を特異的に吸収することを指す。ここで色素によって特異的に吸収される波長領域は、単一の波長領域であってもよく、または複数の波長領域であってもよい。
このような特定波長を吸収する色素としては、具体的には例えば、アゾ系、縮合アゾ系、フタロシアニン系、アンスラキノン系、インジゴ系、ペリノン系、ペリレン系、ジオキサジン系、キナクリドン系、メチン系、イソインドリノン系、キノフタロン系、ピロール系、チオインジゴ系、金属錯体系などの周知の有機顔料および有機染料、無機顔料が挙げられる。これらの中でも、耐候性が良好であることから、フタロシアニン系、アンスラキノン系色素が特に好ましい。なお、上記した色素のうちいずれか1種類を色調補正層に含有させてもよいし、2種類以上を含有させてもよい。
また、PDP用フィルターは、その透過色がニュートラルグレーまたはブルーグレーであることが要求されることがある。これは、PDPの発光特性およびコントラストを維持または向上させる必要がある場合、標準白色より若干高めの色温度の白色が好まれる場合があるからである。このような要求を達成する際にも上記の色素を適用することができる。
色調補正層は、色調補正能を有する色素を含有する限り様々な態様を取りことができる。色調補正層は、その態様に応じて好適な方法で形成すればよい。例えば、粘着剤中に色調補正能を有する色素を含有させた態様の場合、粘着剤中に色調補正能を有する色素を染料または顔料として添加して、塗布して所望の厚さを有する色調補正層を形成すればよい。粘着剤としては、市販されている粘着剤を使用することができるが、好ましい具体例としては、アクリル酸エステル共重合体、ポリ塩化ビニル、エポキシ樹脂、ポリウレタン、酢酸ビニル共重合体、スチレンーアクリル共重合体、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、スチレンーブタジエン共重合体系ゴム、ブチルゴム、またはシリコーン樹脂などの粘着剤を挙げることができる。
透明樹脂層、透明基材層を着色加工して色調補正層を形成する態様の場合、色調補正能を有する色素を染料または顔料として、そのまま、または溶剤に溶解させて、塗布および乾燥させて、所望の厚さを有する色調補正層を形成すればよい。この目的で使用される溶剤としては、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤、エーテル系溶剤、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤、エチルセロソルブなどのエーテルアルコール系溶剤、ジアセトンアルコールなどのケトンアルコール系溶剤、トルエンなどの芳香族系溶剤などが挙げられる。
また、色調補正層が、色調補正能を有する色素を含有する透明樹脂層である場合、透明樹脂層の原料となる熱可塑性樹脂を所望の溶剤に溶解させて、色調補正能を有する色素を染料または顔料として添加して得た溶液を塗布し、乾燥させて所望の厚さを有する色調補正層を形成すればよい。ここで使用する溶剤は、原料となる樹脂を溶解することができ、かつ添加される染料または顔料を溶解または分散することができればよい。この目的で使用される溶剤としては、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤、エーテル系溶剤、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤、エチルセロソルブなどのエーテルアルコール系溶剤、ジアセトンアルコールなどのケトンアルコール系溶剤、トルエンなどの芳香族系溶剤などが挙げられる。
色調補正能を有する色素を含む溶液、または色調補正能を有する色素および透明樹脂層の原料樹脂とを含む溶液を塗布して色調補正層を形成する方法において、塗工法としては、例えばディップコート法、ロールコート法、スプレーコート法、グラビアコート法、コンマコート法、ダイコート法などを選択できる。これらのコート法は連続加工が可能であり、バッチ式の蒸着法などに比べて生産性が優れている。または薄く均一な塗膜を形成できるスピンコート法も採用し得る。
色調補正層の厚さは、十分な色調補正能を得るために0.5μm以上であることが好ましい。また、光透過性、より具体的には可視光線透過性が優れることから40μm以下が好ましく、1〜25μmであることが特に好ましい。色調補正層の厚さが40μmを越える場合、所望の染料、顔料、透明樹脂を含む溶液を塗布して色調補正層を形成する際に溶媒が残留しやすく、色調補正層を形成する際の操作性が困難となるため好ましくない。
色調補正層が、色調補正能を有する色素を含有する粘着剤層または色調補正能を有する色素を含有する透明樹脂層である場合、色素は、粘着剤または熱可塑性樹脂に対して、0.1質量%以上含有されることが好ましく、1質量%以上が特に好ましい。また、粘着剤層または透明樹脂層の物性を保つため、色調補正能を有する色素の量を10質量%以下に抑えることが好ましい。
(赤外線カット層)
PDPから発生する強度の近赤外線は、リモコン、コードレスフォンなどの周辺電子機器に作用して誤動作を引き起こすため、近赤外領域の光を実用上問題ないレベルまでカットする必要がある。問題である波長領域は800〜1000nmであり、当該波長領域における透過率を20%以下、好ましくは10%以下とすることが重要である。近赤外線カットには、通常、最大吸収波長が750〜1100nmである近赤外線吸収能を有する色素、具体的にはポリメチン系、フタロシアニン系、ナフタロシアニン系、金属錯体系、アミニウム系、イモニウム系、ジイモニウム系、アンスラキノン系、ジチオール金属錯体系、ナフトキノン系、インドールフェノール系、アゾ系、トリアリルメタン系の化合物などが好ましく適用され、金属錯体系、アミニウム系、フタロシアニン系、ナフタロシアニン系、ジイモニウム系が特に好ましい。なお、近赤外線吸収能を有する色素を用いる場合、いずれか1種類を含有させてもよいし、2種以上を含有させてもよい。
近赤外線吸収層の構造、形成方法、厚さなどについては上述した色調補正層と同様である。近赤外線吸収層は、色調補正層と同一の層、すなわち、色調補正層に色調補正能を有する色素と、近赤外線吸収能を有する色素とを含有させたものであってもよいし、色調補正層と別の赤外線カット層を設けても良い。近赤外線吸収色素の量はバインダー樹脂に対して、0.1質量%以上含まれることが好ましく、特に2質量%以上が好ましいが、赤外線吸収剤を含有する粘着剤層または透明樹脂層の物性を保つため、色調補正能を有する色素と近赤外線吸収剤の合計量を10質量%以下に抑えることが好ましい。
(Neカット層)
赤外線カット層あるいは色調補正層には、PDPパネル内に封入された放電ガス、例えばネオンとキセノンの二成分ガスからの余分な発光色(主に560〜610nmに波長領域)を選択的に吸収・減衰させるための1種類若しくは複数種類の色調補正剤を混合して含有させることが好ましい。このような色素構成とすることによって、PDPの表示画面から発せられる可視光のうち、放電ガスの発光に起因する余分な光が吸収・減衰され、その結果PDPのパネルから発する可視光の表示色を表示目標の表示色に近づけることができ、自然な色調を表示し得る。
(紫外線カット層)
本発明のPDP用フィルターにおいて、紫外線カット層はこの層よりもパネル側に位置する色調補正層、赤外線カット層などに含まれる色素の光劣化を防止する役割を持つ。紫外線カット層には紫外線吸収剤を含有する透明樹脂層、粘着剤層などが用いられるが、好ましい態様としては、観察者側最表面から、反射防止層/ハードコート層/透明樹脂層・・・と続く構成において、透明樹脂層中に紫外線吸収剤を含有させるのがよい。
また、紫外線吸収剤を含む層のガラス転移点Tgは60℃以上であることが好ましく、80℃以上であることがより好ましい。Tgが低い熱可塑性樹脂中に紫外線吸収剤を含有させると、紫外線吸収剤が粘着界面または接着界面に移動して、粘着性または接着性を阻害する恐れがある。紫外線吸収剤を含有する熱可塑性樹脂のTgが60℃以上であれば、透明樹脂層中で紫外線吸収剤が移動する可能性が低減され、PDP用フィルターの他の構成要素、具体的には例えば透明基材層、色調補正層または反射防止層の一部をなす他の透明樹脂層と層間接着層を介して接合させる場合に、粘着性が阻害されない。
透明樹脂層を構成するガラス転移点Tgが60℃以上の樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートに代表される芳香族ポリエステル、ナイロン6、ナイロン66に代表される脂肪族ポリアミド、芳香族ポリアミド、ポリカーボネートなどが例示される。これらの中、芳香族ポリエステルが好ましく、特に耐熱性、機械的強度に優れる二軸延伸フィルムを形成し得るポリエチレンテレフタレートが好ましい。
紫外線吸収剤としては、例えば、サリチル酸系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、シアノアクリレート系化合物、およびベンゾオキサジノン系化合物、環状イミノエステル系化合物などを好ましく例示することができるが380nm〜390nmにおける紫外線カット性、色調などの点からベンゾオキサジノン系化合物が最も好ましい。これらの化合物は1種で用いても良いし、2種以上併用しても良い。またHALS(ヒンダードアミン系光安定剤)や酸化防止剤などの安定剤の併用はより好ましい。
好ましい材料であるベンゾオキサジノン系化合物の例としては、2−p−ニトロフェニル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−(p−ベイゾイルフェニル)−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−(2−ナフチル)−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−2´−p−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2´−(2,6−ナフチレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)などを例示することができる。これらの化合物の添加量は基材フィルム中に0.5〜5重量%含有させるのが好ましい。
またさらに、優れた耐光性を付与するためにシアノアクリレート系4量体化合物を併用することが好ましい。シアノアクリレート系4量体化合物は、基材フィルム中に0.05〜2重量%含有させることが好ましい。シアノアクリレート系4量体化合物とは、シアノアクリレートの4量体を基本とする化合物であり、例えば1,3−ビス(2´シアノ−3,3−ジフェニルアクリロイルオキシ)−2、2−ビス−(2´シアノ−3,3−ジフェニルアクリロイルオキシメチルプロパン)がある。これと併用する場合には前述の紫外線吸収剤は基材フィルム中に0.3〜3重量%であるのが好適である。
紫外線カット層では波長380nmにおける透過率が5%以下であるのが好ましく、これにより紫外線から基材や染料色素などを保護することができる。
紫外線カット層における紫外線吸収剤の含有量は0.1〜5質量%であることが好ましく、0.2〜3質量%であることがさらに好ましい。紫外線吸収剤の含有量が0.1〜5質量%であると、PDP用フィルターの観察者側から入射する紫外線を吸収し、色調補正層に含まれる色素の光劣化を防止する効果に優れており、かつ、透明樹脂層あるいは粘着層の強度を阻害しない。
紫外線カット層、特に透明樹脂層に紫外線吸収剤を添加する方法は特に限定されないが、熱可塑性樹脂の重合工程、フィルム製膜前の溶融工程での熱可塑性樹脂への練込み、二軸延伸フィルムへの含浸などを例示することができる。特に、熱可塑性樹脂の重合度低下を防止する意味でもフィルム製膜前の溶融工程で熱可塑性樹脂中に練込むことが好ましい。その際の紫外線吸収剤の練込みは、該剤の粉体の直接添加法、該剤を高濃度に含有するマスターポリマーを製膜用ポリマーに添加するマスターバッチ法などにより行うことができる。
紫外線カット層は、厚さが5〜250μmの範囲であることが好ましく、より好ましくは50〜200μm、さらに好ましくは80〜200μmである。紫外線吸収層の厚さが5〜250μmの範囲であると、PDP用フィルターの観察者側から入射する紫外線を吸収する効果に優れており、かつ光透過性、具体的には可視光線透過性に優れている。
(反射防止層)
本発明のPDP用フィルターにおける反射防止層は、反射防止膜を有し、具体的には、可視域において屈折率が1.5以下、好適には1.4以下と低い、フッ素系透明高分子樹脂やフッ化マグネシウム、シリコン系樹脂や酸化珪素の薄膜などを例えば1/4波長の光学膜厚で単層形成したもの、屈折率の異なる、金属酸化物、フッ化物、ケイ化物、窒化物、硫化物などの無機化合物またはシリコン系樹脂やアクリル樹脂、フッ素系樹脂などの有機化合物の薄膜を2層以上多層積層したものなどがあるが、性能とコストのバランスのとれた構成としては、最表層から低屈折率層と高屈折率層を積層した構成が好ましい。この反射防止層は通常ハードコート層の上に積層される。
本発明のPDP用フィルターの反射防止フィルムおいて各々の層の形成方法は特に限定されないが、コストと性能のバランスを考慮すると、ウエットコーティングにより塗料を塗布する方法が好ましい。塗料の塗布方法としては、マイクログラビアコーティング、スピンコーティング、ディップコーティング、カーテンフローコーティング、ロールコーティング、スプレーコーティング、流し塗り法などを好ましく用いることができるが、塗布厚みの均一性の点からマイクログラビアコーティングが好適に用いられる。次いで塗布後に加熱、乾燥および熱または紫外線などの活性線で硬化させることにより各々の被膜を形成する。
本発明のPDP用フィルターの反射防止層は、PDP用フィルターの最表面に設置される。そのため、反射防止層の表面に付着した粉塵などを布で拭き取ったりした際に傷がつくと困るため、耐擦傷性が3級以上であることが好ましい。さらに好ましくは4級以上である。耐擦傷性は、反射防止層側表面を#0000のスチールウールに250gの荷重をかけて、ストローク幅10cm、速度30mm/secで10往復摩擦した後、表面を目視で観察し、傷の付き方を次の5段階で評価したものである。
5級:傷が全く付かない
4級:傷が1本以上5本以下
3級:傷が6本以上10本以下
2級:傷が11本以上
1級:全面に無数の傷
本発明のPDP用フィルターにおける反射防止層は反射防止性能を有していれば特に限定されるものではないが、以下に特に好ましい反射防止層の態様、特に好ましい高屈折率層の態様、特に好ましい低屈折率層の態様を示す。
本発明のPDP用フィルターにおける特に好ましい反射防止層は、波長400〜700nmにおける5°の絶対反射スペクトルにおいて、(1)最低反射率が0.6%以下、(2)最高反射率が2.5%以下、および(3)最高反射率と最低反射率の差が2.5%未満、の3条件を満たすものである。最低反射率が0.6%を越えると反射防止機能が不十分となり好ましくない。また、最高反射率が2.5%を越えると、450nm近辺または700nm近辺の反射率が高くなり、反射光の色調が青みまたは赤みを帯びるため好ましくない。より好ましくは、最低反射率としては、0.5%以下、さらに好ましくは0.3%以下であること、最高反射率としては2.0%以下であること、最高反射率と最低反射率との差が2.0%未満、さらには1.5%未満であることをすべて満たすことで、よりフラットな反射スペクトルとなり、色目もニュートラルになることから好ましい。
特に好ましい反射防止層において、波長400〜700nmにおける絶対反射スペクトルの最低反射率および最高反射率およびその反射率差を前記の範囲とするためには、低屈折率層および高屈折率層の屈折率を以下のように調整する。
低屈折率層の屈折率(nL)は、1.23〜1.42が好ましく、さらに好ましくは1.34〜1.38である。さらには、高屈折率層の屈折率(nH)は1.55〜1.80であることが好ましく、さらに好ましくは1.60〜1.75である。また、低屈折率層と高屈折率層の屈折率差が0.15以上であることが好ましい。
また、ハードコート層の屈折率も調整することが好ましい。ハードコート層の屈折率(nG)は、1.45〜1.55が好ましい。ここで、低屈折率層の屈折率(nL)、および高屈折率層の屈折率(nH)は、下記式(I)および式(II)を満足することが最低反射率をより低くできるので好ましい。
(nH)={(nL)×(nG)}1/2 ± 0.02 (I)
(nL)={(nH)/(nG)}1/2 ± 0.02 (II)
反射防止層がよりフラットな反射スペクトルを得ることためには、前記した範囲にある高屈折率層の屈折率(nH)と高屈折率層の厚さ(dH)との積(光学厚みに相当する)が、反射を防止したい可視光の波長(λ)の1/4の1.0〜1.7倍となるような厚さ(dH)にすることが好ましく、さらには1.3〜1.6倍が好ましい。1.0倍を下回ると最高反射率と最低反射率との差も2.5%を越えるので好ましくない。一方、1.7倍を越えると最低反射率が0.6%よりも高くなり、反射防止性能が不十分となるので好ましくない。ここで、反射を防止したい可視光の波長(λ)は、可視光域にあれば任意に選ばれるが、通常は450〜650nmの範囲にあることが好ましい。
上述した好ましい高屈折率層の屈折率(nH)の範囲や、反射を防止したい波長(λ)を考慮すると、反射防止層がよりフラットな反射スペクトルを得ることためには、高屈折率層の厚さ(dH)は100〜300nmの範囲であり、好ましくは100〜200nmの範囲である。一方、本発明の低屈折率層の厚さ(dL)の好ましい範囲は、前記した範囲にある低屈折率層の屈折率(nL)と低屈折率層の厚さ(dL)との積が、反射を防止したい可視光の波長(λ)の1/4の0.7〜1.0倍となるような厚さ(dL)にすることが好ましく、さらには0.75〜0.95倍が好ましい。これらのことを考慮すると、本発明において、反射防止層がよりフラットな反射スペクトルを得ることためには、低屈折率層の厚さ(dL)は70〜160nmの範囲である。低屈折率層の厚さ(dL)は好ましくは80〜140nm、さらには好ましくは85〜105nmの範囲である。
また、フラットな反射スペクトルを得ることためには、高屈折率層の厚さ(dH)と低屈折率層の厚さ(dL)の比(dH/dL)を、1.0〜1.9とする。1.0を下回る場合は、最高反射率が2.5%よりも高くなり、最高反射率と最低反射率との差も2.5%を越え、反射スペクトルがV型となって、赤や青の干渉色が現れる。一方、1.9を越える場合は、フラットな反射スペクトルが得られるものの、最低反射率が0.6%よりも高くなり、反射防止性能が不十分となる。(dH/dL)は、好ましくは1.1〜1.8、さらに好ましくは1.2〜1.7であるとフラットな反射スペクトルで、かつ最低反射率も低くできる。
本発明のPDP用フィルターにおける特に好ましい反射防止層において、高屈折率層の構成成分としては、反射防止層表面に帯電防止性を付与するために、樹脂組成物に金属化合物粒子を分散させたものであることが好ましい。樹脂成分には、(メタ)アクリレート化合物が用いられる。(メタ)アクリレート化合物は、活性光線照射によりラジカル重合し、形成される膜の耐溶剤性や硬度を向上させるため好ましく、さらに、(メタ)アクリロイル基が分子内に2個以上の多官能(メタ)アクリレート化合物は、耐溶剤性などが向上するので本発明においては特に好ましい。例えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートや、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、エチレン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス−(2−ヒドロキシエチル)−イソシアヌル酸エステルトリ(メタ)アクリレートなどの3官能(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの4官能以上の(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
樹脂成分は、金属化合物粒子の分散性を向上させるため、カルボキシル基や、リン酸基、スルホン酸基などの酸性官能基を有する(メタ)アクリレート化合物が使用できる。具体的には、酸性官能基含有モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸、2−メタクリロイルオキシエチルフタル酸などの不飽和カルボン酸、モノ(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート、ジフェニル−2−(メタ)アクリロイルオキシエチルホスフェートなどのリン酸(メタ)アクリル酸エステル、2−スルホエステル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。その他、アミド結合、ウレタン結合、エーテル結合などの極性を持った結合を有する(メタ)アクリレート化合物が使用できる。
ここで用いられる金属化合物粒子としては、導電性の各種金属酸化物粒子が好ましく用いられる。特に好ましくは錫含有酸化アンチモン粒子(ATO)、亜鉛含有酸化アンチモン粒子、錫含有酸化インジウム粒子(ITO)、酸化亜鉛/酸化アルミニウム粒子、酸化アンチモン粒子などである。さらに好ましくは錫含有酸化インジウム粒子(ITO)が用いられる。
導電性を構成する導電性金属化合物粒子について、平均1次粒子径(BET法により測定される球相当径)が0.5μm以下の粒子が好適に使用される。より好ましくは、0.001〜0.3μm、さらに好ましくは0.005〜0.2μmの粒子径のものが用いられる。該平均粒子径が、この範囲を超えると生成される被膜(高屈折率層)の透明性を低下させ、この範囲未満では、該金属化合物粒子が凝集し易く生成被膜(高屈折率層)のヘイズ値が増大する。いずれの場合も、所望のヘイズ値を得ることが困難になる。
高屈折率層の構成成分に、導電性の効果をさらに向上させることを目的としてポリピロール、ポリチオフェン、およびポリアニリンなどの導電性ポリマー、金属アルコレートおよびキレート化合物などの有機金属化合物を、さらに含有させることもできる。
高屈折率層を形成する際に、塗布した樹脂成分の硬化を進めるために開始剤を使用してもよい。該開始剤としては、塗布したバインダー成分を、ラジカル反応、アニオン反応、カチオン反応などによる重合および/または架橋反応を開始あるいは促進せしめるものであり、従来から公知のチオキサントン誘導体、アゾ化合物、ジアゾ化合物、芳香族カルボニル化合物、ジアルキルアミノ安息香酸エステル、過酸化物、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、キノキサリン誘導体などの各種光重合開始剤が使用可能である。この光重合開始剤の量は、樹脂成分100質量部に対して、通常、0.1〜20質量部、さらには1〜15質量部の範囲で好ましく添加される。かかる好ましい範囲であると、光重合が十分に早く、硬度および耐擦過性を満足させるために短時間の光照射でよく、一方、塗膜の導電性、耐摩耗性、耐候性などの機能が低下することもない。
また、高屈折率層を形成する際に、上記開始剤の、酸素阻害による感度の低下を防止するために、光重合開始剤にアミン化合物を共存させてもよい。さらに必要に応じて、例えば、重合禁止剤や、硬化触媒、酸化防止剤、分散剤、レベリング剤、シランカップリング剤などの各種添加剤を含有してもよい。また、表面硬度の向上を目的として、アルキルシリケート類およびその加水分解物、コロイダルシリカ、乾式シリカ、湿式シリカ、酸化チタンなどの無機粒子、コロイド状に分散したシリカ微粒子などを、さらに含有させることもできる。
高屈折率層の構成成分の配合割合は、樹脂成分(A) と金属化合物粒子(B) との質量割合〔(A) /(B) 〕が10/90〜30/70であることが好ましく、さらに好ましくは15/85〜25/75である。金属化合物粒子がかかる好ましい範囲であると、得られる膜は透明性十分で、導電性も良好であり、一方、得られる膜の各種物理的、化学的強度が悪くなることもない。
PDP用フィルタは、静電気帯電によりホコリが付着しやすく、また、人体が接触したときに放電して電気ショックを受けることがあるため、帯電防止処理されていることが好ましい。高屈折率層によって所望水準の帯電防止性が付与されるためには、該層の表面抵抗値が1×1011Ω/□以下になるよう添加量を制御することが好ましく、さらには1×1010Ω/□以下になるよう添加量を制御するのが好ましい。
高屈折率層は、鮮明性、透明性の点から、全光線透過率が好ましくは40%以上、さらに好ましくは50%以上の層である。
高屈折率層は、好ましくは溶媒で分散させた塗布液を調整し、その塗布液をハードコート層上に塗布した後、乾燥・硬化させることによって形成することができる。
高屈折率層形成において使用される溶剤は、塗布または印刷作業性を改善し、また金属化合物粒子の分散性を改善するために配合するものであり、樹脂成分を溶解するものであれば、従来から公知の各種有機溶媒を使用することができる。特に、本発明においては、組成物の粘度の安定性、乾燥性の観点から沸点が60〜180℃の有機溶媒が好ましく、さらに、そのうち酸素原子を有する有機溶媒が金属化合物粒子との親和性がよいので好適である。かかる有機溶媒としては、具体的には、例えば、メタノールや、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、tert―ブタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノン、酢酸ブチル、イソプロピルアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジアセチルアセトン、アセチルアセトンなどが好適に挙げられる。これらは単一で使用してもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。
また、有機溶媒の量は、塗布手段や、印刷手段に応じ作業性のよい状態の粘度に組成物がなるように任意の量を配合すればよいが、通常組成物の固形分濃度が60質量%以下、好ましくは、50質量%以下になる程度が適当である。本発明の光硬化性導電膜形成用組成物の調製としては、任意の方法が採用可能であるが、通常樹脂成分を有機溶媒で溶解させた溶液中に、金属化合物粒子を添加し、ペイントシェーカーや、ボールミル、サンドミル、三本ロール、アトライター、ホモミキサーなどの分散機により分散させ、しかる後、光重合開始剤を添加し、均一に溶解させる方法が適当である。
本発明のPDP用フィルターにおける特に好ましい反射防止層の態様において、低屈折率層は内部に空洞を有するシリカ微粒子、およびシロキサン化合物、および硬化剤、および溶媒からなる塗料組成物をコーティングして得られたものとすることが、屈折率をより低くし、表面反射率を低くすることができるので好ましい。
低屈折率層は、表面硬度を向上させ、耐擦傷性を優れたものとするためにマトリックス材料であるシロキサン化合物とシリカ微粒子が強固に結合していることが好ましく、そのためにはコーティング前の塗料組成物の段階で予めシロキサン化合物をシリカ微粒子表面と反応させて結合させることが好ましい。
そのための塗料組成物は、シリカ微粒子の存在下、シラン化合物を溶媒中、酸触媒により、加水分解することによって、シラノール化合物を形成した後、該シラノール化合物を縮合反応させることによって得ることができる。シラノール化合物としては、下記一般式(1)〜(5)で表されるシラン化合物から選ばれた1種以上のシラン化合物が好ましい。
得られた塗料は、これらのシラン化合物の縮合物であるシロキサン化合物を含有する。また、これらのシラン化合物が加水分解されており、縮合していないシラノール化合物を含有しても良い。
R1Si(OR6) (1)
R1はフッ素が3から17のフルオロアルキル基を表わす。R1のフッ素数としては6〜8が好ましい。1分子当りのフッ素原子が多いと、得られた被膜の硬度が低下する傾向にある。R1の炭素数としては3〜10が、得られた被膜の耐擦傷性を高くすることができるので好ましい。特に炭素数3が好ましい。R6はメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基またはアセチル基を表わし、それぞれ、同一でも、異なっていても良い。R6はメチル基またはエチル基がより好ましい。一般式(1)で表される3官能性シラン化合物を用いると、得られる被膜の屈折率を低くすることができるので好ましい。
R2Si(OR7) (2)
R2はビニル基、アリル基、アルケニル基、アクリル基、メタクリル基、メタクリルオキシ基、シアノ基、エポキシ基、グリシドキシ基、アミノ基、およびそれらの置換体から選ばれた基を表す。R2の炭素数としては2〜10が、得られた被膜の耐擦傷性を高くすることができるので好ましい。R7はメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、メトキシエチル基、またはアセチル基を表わし、それぞれ、同一でも、異なっていても良い。R7はメチル基またはエチル基がより好ましい。一般式(2)で表される3官能性シラン化合物を用いると、得られる被膜の硬度を向上させることができるので、好ましい。
R3Si(OR8) (3)
R3は水素、アルキル基、アリール基、およびそれらの置換体から選ばれた基を表す。R3の炭素数としては1〜6が、得られた被膜の耐擦傷性を高くすることができるので好ましい。R3が炭素数6を超えると得られた被膜の硬度が低下する傾向にある。R8はメチル基、エチル基、プロピル基またはブチル基を表わし、それぞれ、同一でも、異なっていても良い。R8はメチル基またはエチル基がより好ましい。一般式(3)で表される3官能性シラン化合物を用いると、得られる被膜の硬度を向上させることができるので、好ましい。
R4R5Si(OR9) (4)
R4およびR5は、それぞれ水素、アルキル基、フルオロアルキル基、アリール基、アルケニル基、メタクリルオキシ基、エポキシ基、グリシドキシ基、アミノ基、およびそれらの置換体から選ばれた基を表わし、それぞれ、同一でも、異なっていても良い。R4、R5の炭素数としては1〜6が、得られた被膜の耐擦傷性を高くすることができるので好ましい。R9はメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基またはアセチル基を表わし、それぞれ、同一でも、異なっていても良い。R9はメチル基またはエチル基がより好ましい。一般式(4)で表される2官能性シラン化合物を用いると、得られる被膜の可とう性を向上させることができるので好ましい。
Si(OR10) (5)
R10はメチル基またはエチル基を表わし、それぞれ、同一でも、異なっていても良い。一般式(5)で表される4官能性シラン化合物を用いると、得られる被膜の硬度を向上させることができるので、好ましい。
これら一般式(1)〜(5)で表されるシラン化合物は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いても良い。
シロキサン化合物の含有量は、被膜を形成した際、被膜の全量に対して、好ましくは、20質量%〜70質量%、特に好ましくは30質量%〜60質量%である。この範囲でシロキサン化合物を含有することが、被膜の屈折率を低く、かつ被膜の硬度を高めることができるため好ましい。したがって、塗料中におけるシロキサン化合物の含有量は、溶媒を除く全成分に対して前記の範囲であることが好ましい。
これらの中でも、低屈折率化のためには、一般式(1)で表されるフッ素含有シラン化合物を必須成分として用い、一般式(2)〜(5)で表されるシラン化合物から選ばれた1種以上のシラン化合物を組み合わせて用いることが好ましい。一般式(1)で表されるシラン化合物の量は、全シラン化合物量に対して、好ましくは、20質量%〜80質量%、特に好ましくは、30質量%〜60質量%である。シラン化合物の量が20質量%を下回ると、低屈折率化が不十分になることがある。一方、シラン化合物の量が80質量%を越えると、被膜の硬度が低下する場合がある。
一般式(1)〜(5)で表されるシラン化合物の具体例を、以下に示す。
一般式(1)で表される3官能性シラン化合物としては、例えば、トリフルオロメチルトリメトキシシラン、トリフルオロメチルトリエトキシシラン、トリフルオロメチルトリアセトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、トリフルオロプロピルトリアセトキシシラン、トリフルオロアセトキシエチルトリメトキシシラン、トリフルオロアセトキシエチルトリエトキシシラン、トリフルオロアセトキシエチルトリアセトキシシラン、パーフルオロプロピルエチルトリメトキシシラン、パーフルオロプロピルエチルトリエトキシシラン、パーフルオロプロピルエチルトリアセトキシシラン、パーフルオロペンチルエチルトリメトキシシラン、パーフルオロペンチルエチルトリエトキシシラン、パーフルオロペンチルエチルトリアセトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリプロポキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリイソプロポキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリエトキシシラン、などが挙げられる。これらのうち、得られた被膜の硬度の観点から、トリフルオロメチルトリメトキシシラン、トリフルオロメチルトリエトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、およびトリフルオロプロピルトリエトキシシランが好ましい。
一般式(2)で表される3官能性シラン化合物としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、β−シアノエチルトリエトキシシラン、グリシドキシメチルトリメトキシシラン、グリシドキシメチルトリエトキシシラン、α−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリプロポキシシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシエトキシシラン、α−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、β−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、δ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、δ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリプロポキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリブトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリフェノキシシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリエトキシシラン、δ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリメトキシシラン、δ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリエトキシシランなどが挙げられる。これらのうち、得られた被膜の硬度の観点から、ビニルトリアルコキシシラン、および3−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシランが好ましい。
一般式(3)で表される3官能性シラン化合物としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシエトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−(N,N−ジグリシジル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシシプロピルトリメトキシシラン、などが挙げられる。これらのうち、得られた被膜の硬度の観点から、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシランおよびフェニルトリエトキシシランが好ましい。
一般式(4)で表される2官能性シラン化合物としては、例えば、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジアセトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、メチルビニルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、グリシドキシメチルジメトキシシラン、グリシドキシメチルメチルジエトキシシラン、α−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシエチルメチルジエトキシシラン、β−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、β−グリシドキシエチルメチルジエトキシシラン、α−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジプロポキシシラン、β−グリシドキシプロピルメチルジブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジフェノキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジアセトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジエトキシシラン、トリフルオロプロピルメチルジメトキシシラン、トリフルオロプロピルメチルジエトキシシラン、トリフルオロプロピルメチルジアセトキシシラン、トリフルオロプロピルエチルジメトキシシラン、トリフルオロプロピルエチルジエトキシシラン、トリフルオロプロピルエチルジアセトキシシラン、トリフルオロプロピルビニルジメトキシシラン、トリフルオロプロピルビニルジエトキシシラン、トリフルオロプロピルビニルジアセトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジメトキシシラン、オクタデシルメチルジメトキシシランなどが挙げられる。これらのうち、得られる被膜に可とう性を付与させる目的には、ジメチルジアルコキシシランが好ましく用いられる。
一般式(5)で表される4官能性シラン化合物としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、などが挙げられる。
低屈折率層で用いられるシリカ微粒子の数平均粒子径は、1nm〜200nmが好ましく、特に好ましくは、数平均粒子径1nm〜70nmである。数平均粒子径が1nmを下回ると、マトリックス材料との結合が不十分となり、被膜の硬度が低下することがある。一方、数平均粒子径が200nmを越えると、粒子を多く導入して生じる粒子間の空隙の発生が少なくなり、低屈折率化の効果が十分発現しないことがある。ここで、シリカ微粒子の平均粒子径は、種々のパーティクルカウンターを用いて、数平均の粒子径を測定することができる。塗料に添加する前のシリカ微粒子の粒子径を測定することが好ましい。また、被膜形成後は、電子走査型顕微鏡や透過型電子顕微鏡を用いて、被膜中のシリカ微粒子の粒子径を測定する方法が好ましい。
低屈折率層で用いられるシリカ微粒子の数平均粒子径は、形成される被膜の膜厚よりも小さいことが好ましい。被膜の膜厚を上回ると、被膜表面にシリカ微粒子が露出し、反射防止性を損なうばかりでなく、被膜の表面硬度および耐汚染性が低下する。
低屈折率層で用いられるシリカ微粒子としては、マトリックスのシロキサン化合物と反応しやすくするため、表面にシラノール基を有するシリカ微粒子が好ましい。また、被膜の低屈折率化のために内部に空洞を有するシリカ微粒子が好ましい。内部に空洞を有しないシリカ微粒子は、一般に粒子自体の屈折率は、1.45〜1.50であるため、屈折率低下効果が少ない。一方、内部に空洞を有するシリカ微粒子は、粒子自体の屈折率は、1.20〜1.40であるため、導入による屈折率低下効果が大きい。内部に空洞を有するシリカ微粒子としては、外殻によって包囲された空洞部を有するシリカ微粒子、多数の空洞部を有する多孔質のシリカ微粒子などが挙げられる。これらのうち、被膜の硬度を考慮した場合、粒子自体の強度が高い多孔質のシリカ微粒子が好ましい。該微粒子の屈折率は、1.20〜1.40であり、1.20〜1.35であるのがより好ましい。また、内部に空洞を有するシリカ微粒子の数平均粒子径は、5nm〜100nmが好ましい。シリカ微粒子の屈折率は、特開2001−233611号公報[0034]段落に開示されている方法によって測定できる。内部に空洞を有するシリカ微粒子は、例えば特開2001−233611号公報の[0033]〜[0046]段落に記載された方法や、特許第3272111号公報の[0043]段落に記載された方法で製造することができる。一般に市販されているものも使用することができる。
低屈折率層で用いられるシリカ微粒子の含有量は、被膜を形成した際、被膜の全量に対して、好ましくは、30質量%〜80質量%、特に好ましくは40質量%〜70質量%である。したがって、塗料中におけるシリカ微粒子の含有量は、溶媒を除く全成分に対して前記の範囲であることが好ましい。この範囲でシリカ微粒子を被膜中に含有させると、屈折率を低くすることができるだけでなく、被膜の硬度を高めることができる。シリカ微粒子の含有量が30質量%を下回ると、粒子間の空隙による屈折率低下効果が少なくなる。また、シリカ微粒子の含有量が80質量%を越えると、コーティング膜中にアイランド現象が多数発生し、被膜の硬度が低下し、また、場所によって、屈折率が不均一になるので好ましくない。
また、前述のように低屈折率層を形成するための塗料組成物は、シリカ微粒子の存在下、シラン化合物を溶媒中、酸触媒により、加水分解することによって、シラノール化合物を形成した後、該シラノール化合物を縮合反応させることによって得ることができるが、この加水分解反応においては、溶媒中、酸触媒および水を1〜180分かけて添加した後、室温〜80℃で1〜180分反応させることが好ましい。このような条件で加水分解反応を行うことにより、急激な反応を抑制することができる。反応温度は、より好ましくは40〜70℃である。また、加水分解反応によりシラノール化合物を得た後、そのまま、反応液を、50℃以上、溶媒の沸点以下で1〜100時間加熱し、縮合反応を行なうのが好ましい。また、シロキサン化合物の重合度を上げるために、再加熱もしくは塩基触媒の添加を行なうことも可能である。
加水分解反応に用いる酸触媒としては、塩酸、酢酸、蟻酸、硝酸、蓚酸、塩酸、硫酸、リン酸、ポリリン酸、多価カルボン酸あるいはその無水物、イオン交換樹脂などの酸触媒が挙げられる。特に蟻酸、酢酸またはリン酸を用いた酸性水溶液が好ましい。これら酸触媒の好ましい添加量としては、加水分解反応時に使用される全シラン化合物量に対して、好ましくは、0.05質量%〜10質量%、特に好ましくは、0.1質量%〜5質量%である。酸触媒の量が、0.05質量%を下回ると、加水分解反応が十分進行しないことがあり。また、酸触媒の量が10質量%を越えると、加水分解反応が暴走する恐れがある。
溶媒は特に限定されないが、塗料組成物の安定性、濡れ性、揮発性などを考慮して決定される。溶媒は一種類のみならず2種類以上の混合物として用いることも可能である。溶媒の具体例としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、3−メチル−2−ブタノール、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノール、ジアセトンアルコールなどのアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチルエーテルなどのエーテル類;メチルエチルケトン、アセチルアセトン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、2−ヘプタノンなどのケトン類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類;エチルアセテート、プロピルアセテート、ブチルアセテート、イソブチルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチルなどのアセテート類;トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサンなどの芳香族あるいは脂肪族炭化水素のほか、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシドなどを挙げることができる。
加水分解反応時に使用される溶媒の量は、全シラン化合物量に対して、50質量%〜500質量%の範囲が好ましく、特に好ましくは、80質量%〜200質量%の範囲である。溶媒の量が50質量%を下回ると、反応が暴走し、ゲル化する場合がある。一方、溶媒の量が500質量%を越えると、加水分解が進行しない場合がある。
また、加水分解反応に用いる水としては、イオン交換水が好ましい。水の量は任意に選択可能であるが、シラン化合物1モルに対して、1.0〜4.0モルの範囲で用いるのが好ましい。
また、塗剤を硬化させ低屈折率層を形成する目的で添加する硬化剤としては、塗料組成物の硬化を促進させる、あるいは硬化を容易ならしめる各種の硬化剤あるいは三次元架橋剤が挙げられる。硬化剤の具体例としては、窒素含有有機物、シリコーン樹脂硬化剤、各種金属アルコレート、各種金属キレート化合物、イソシアネート化合物およびその重合体、メラミン樹脂、多官能アクリル樹脂、尿素樹脂などがあり、これらを一種類、ないし2種類以上添加しても良い。なかでも、硬化剤の安定性、得られた被膜の加工性などから金属キレート化合物が好ましく用いられる。用いられる金属キレート化合物としてはチタニウムキレート化合物、ジルコニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物および、マグネシウムキレート化合物が挙げられる。これらの中から、低屈折率化の目的には、屈折率の低いアルミニウムキレート化合物および/またはマグネシウムキレート化合物が好ましい。これらの金属キレート化合物は、金属アルコキシドにキレート化剤を反応させることにより容易に得ることができる。キレート化剤の例としては、アセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、ジベンゾイルメタンなどのβ−ジケトン;アセト酢酸エチル、ベンゾイル酢酸エチルなどのβ−ケト酸エステルなどを用いることができる。金属キレート化合物の好ましい具体的な例としては、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムモノアセチルアセテートビス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)などのアルミニウムキレート化合物、エチルアセトアセテートマグネシウムモノイソプロピレート、マグネシウムビス(エチルアセトアセテート)、アルキルアセトアセテートマグネシウムモノソプロピレート、マグネシウムビス(アセチルアセトネート)などのマグネシウムキレート化合物が挙げられる。これらのうち、好ましくは、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、マグネシウムビス(アセチルアセトネート)、およびマグネシウムビス(エチルアセトアセテート)である。保存安定性および入手容易さを考慮すると、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)およびアルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)が、特に好ましい。添加される硬化剤の量は、塗料組成物中の全シラン化合物量に対して、好ましくは0.1質量%〜10質量%であり、特に好ましくは、1質量%〜6質量%である。ここで、全シラン化合物量とは、シラン化合物、その加水分解物およびその縮合物の全てを含んだ量のことをいう。含有量が、0.1質量%を下回ると、得られる被膜の硬度が低下する。一方、含有量が10質量%を越えると、硬化が十分となり、得られる被膜の硬度は向上するが、屈折率も高くなり、好ましくない。
さらに塗料組成物には、大気圧下沸点100〜180℃の溶媒と大気圧下沸点100未満の溶媒を混合して用いることが好ましい。大気圧下沸点100〜180℃の溶媒を含むことにより、塗液の塗布性が良くなり、表面が平坦な被膜を得ることができる。また、大気圧下沸点100未満の溶媒を含むことによって、被膜形成時に、溶媒が有効に揮発し、硬度の高い被膜を得ることができる。すなわち、表面が平坦で、かつ、硬度の高い被膜を得ることができる。
大気圧下沸点100〜180℃の溶媒としては、具体的には、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテルなどのエーテル類、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピルアセテート、ブチルアセテート、イソブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチルなどのアセテート類、アセチルアセトン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、2−ヘプタノンなどのケトン類、ブタノール、イソブチルアルコール、ペンタノ−ル、4−メチル−2−ペンタノール、3−メチル−2−ブタノール、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノール、ジアセトンアルコールなどのアルコール類、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類が挙げられる。これらは単独あるいは混合して用いてもかまわない。これらのうち、特に好ましい溶媒の例は、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジアセトンアルコールなどである。
大気圧下沸点100℃未満の溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、t−ブタノール、メチルエチルケトンなどがあげられる。これらは単独あるいは混合して用いてもかまわない。
塗料組成物における全溶媒の含有量は、全シラン化合物含有量に対して、1300質量%〜9900質量%の範囲が好ましく、特に好ましくは、1500質量%〜6000質量%の範囲である。全溶媒の含有量が1300質量%を下回るか、もしくは、9900質量%を越えると、所定の膜厚の被膜を形成することが困難となる。ここで、全シラン化合物量とは、シラン化合物、その加水分解物およびその縮合物の全てを含んだ量のことをいう。
(電磁波シールド層)
PDPはその構造や動作原理上パネルから強度の漏洩電磁波が発生する。近年、電子機器からの漏洩電磁波が人体や他の機器に与える影響について取り沙汰されており、例えば日本では、VCCI(voluntary control council for interference by processing equipment electronic office machine)による基準値内におさえることが求められている。具体的には、VCCIにおいては、業務用途の規制値を示すclassAでは放射電界強度50dBμV/m未満であり、民生用途の規制値を示すclassBでは40dBμV/m未満であるが、PDPの放射電界強度は20〜90MHz帯域内で50dBμV/m(対角40インチ型の場合)を越えるため、このままでは家庭用途には使用できない。このため、電磁波シールド層の配置が必須となる。電磁波シールド性能を発揮するためには導電性が必要であり、PDPの電磁波シールドに必要な導電性は、面抵抗で10Ω/□以下、好ましくは5Ω/□以下、さらに好ましくは3Ω/□以下である。面抵抗の下限値は特に限定されないが0.01Ω/□程度である。導電層の面抵抗値は、4端子法により測定することができる。
導電層としては様々なものが提案されているが、導電性メッシュは、スパッタ法や真空蒸着法などによって形成された金属薄膜あるいは導電性フィラーと樹脂バインダーからなる導電層に比べて、低い面抵抗値が得られるという利点がある。特に、導電性フィラーと樹脂バインダーからなる導電層では本発明が所望する面抵抗値が得られず、またスパッタ法や真空蒸着法などによって金属薄膜を形成するためには大がかりな装置が必要であり、高い生産性が得られないという問題がある。
また、導電層は、導電層を被覆するハードコート層との密着性(接着力)の観点からも、導電性メッシュが好ましい。本発明の好ましい態様においては、導電層上にハードコート層を塗工形成するのが生産性の観点から好ましいが、スパッタ法や真空蒸着法などによって形成された金属薄膜の上に組成の異なるハードコート層を塗工形成した場合、密着性が不十分となりハードコート層が剥離することがある。
これに対して導電性メッシュは、上記した10Ω/□以下の面抵抗値が容易に得られ、また導電性メッシュの開口部を通してハードコート層と基材であるプラスチックフィルムとが接するので、ハードコート層と基材のプラスチックフィルムとの密着性も十分に確保することができる。導電性メッシュの場合は、ディスプレイ用フィルターの透過率を低下させないために70%以上の開口率になるように設計するのが好ましく(ここで、導電性メッシュの開口率とは、導電性メッシュの投影面積における開口部分が占める面積割合を意味する)、したがって、導電性メッシュからなる導電層の上に塗工されるハードコート層と導電層との接触面積はわずかであり、上記のような密着性の問題は生じない。
一方、ハードコート層の塗工性の観点から、導電性メッシュの厚みは小さい方が好ましく、本発明においては、導電性メッシュの厚みは8μm以下が好ましく、6μm以下がより好ましい。導電性メッシュの厚みが8μmを越えて大きくなると、導電層表面の凹凸が大きくなり平滑性が低下するので、ハードコート層の塗布性が悪化する傾向となる。また導電性メッシュの厚みの下限は電磁波遮蔽性能の観点から0.5μm以上が好ましく、1.0μm以上がより好ましい。
メッシュの線幅および線間隔(ピッチ)は、開口率が70%以上となるように設計されるが、線幅としては5〜40μmが好ましく、線間隔は50〜400μmの範囲が好ましい。
また、導電性メッシュからなる導電層は、基材であるプラスチックフィルム上に接着層を介さずに形成するのが好ましい。ここで接着層は、粘着材あるいは接着材で構成される層を意味する。導電層と基材であるプラスチックフィルムとの間に接着層が存在すると導電層面の平滑性がさらに低下し、ハードコート層の塗布性を悪化させる。またさらに、基材であるプラスチックフィルム上に接着層を介さずに直接に導電性メッシュを形成することによって、塗工形成された機能層の大部分はプラスチックと接触するので、機能層として上述したような樹脂を含むハードコート層を用いることによって、基材であるプラスチックフィルムとハードコート層との密着性が向上する。基材であるプラスチックフィルムとハードコート層との密着性を向上させるために、下引き層(プライマー層)を有するプラスチックフィルムを基材として用いるのが好ましい。
上記観点から本発明の導電層に好適な導電性メッシュの形成方法として、1)金属薄膜をエッチング加工する方法、2)印刷パターン上にメッキする方法、3)感光性銀塩を用いる方法、4)印刷パターン上に金属膜積層後に現像する方法、および5)金属薄膜をレーザーアブレーションする方法が挙げられる。以下にそれぞれの方法を詳細に説明する。
1)金属薄膜をエッチング加工する方法
この方法は、基材であるプラスチックフィルム上に粘着材あるいは接着材からなる接着層を介さずに金属薄膜を形成し、この金属薄膜をフォトリソグラフ法あるいはスクリーン印刷法などを利用してエッチングレジストパターンを作製した後、金属薄膜をエッチングする方法である。金属薄膜の形成は、金属(例えば銀、金、パラジウム、銅、インジウム、スズ、あるいは銀とそれ以外の金属の合金など)をスパッタリング、イオンプレーティング、真空蒸着、あるいはメッキなどの公知の方法を用いて行うことができる。
上記フォトリソグラフ法は、金属薄膜に紫外線などの照射により感光する感光層を設け、この感光層にフォトマスクなどを用いて像様露光し、現像してレジスト像を形成し、次に、金属薄膜をエッチングして導電性メッシュを形成し、最後にレジストを剥離する方法である。
上記スクリーン印刷法は、金属薄膜表面にエッチングレジストインクをパターン印刷し、硬化させた後エッチング処理により導電性メッシュを形成し、この後レジストを剥離する方法である。
エッチングする方法としては、ケミカルエッチング法などがある。ケミカルエッチングとは、エッチングレジストで保護された導体部分以外の不要導体をエッチング液で溶解し、除去する方法である。エッチング液としては、塩化第二鉄水溶液、塩化第二銅水溶液、アルカリエッチング液などがある。
2)印刷パターン上にメッキする方法
この方法は、基材であるプラスチックフィルムに触媒インクなどでメッシュ状パターンを印刷し、これに金属メッキを施す方法である。この1つの方法として、パラジウムコロイド含有ペーストからなる触媒インクを用いてメッシュ状パターンに印刷し、これを無電解銅メッキ液中に浸漬して無電解銅メッキを施し、続いて電解銅メッキを施し、さらにNi−Sn合金の電解メッキを施して導電性メッシュ状パターンを形成する方法がある。
3)感光性銀塩を用いる方法
この方法は、ハロゲン化銀などの銀塩乳剤層を基材であるプラスチックフィルムにコーティングし、フォトマスク露光あるいはレーザー露光の後、現像処理して銀のメッシュを形成する方法である。形成された銀メッシュはさらに銅、ニッケルなどの金属でメッキするのが好ましい。この方法は、WO2004/7810号公報、特開2004−221564号公報、特開2006−12935号公報などに記載されており、参照することができる。
4)印刷パターン上に金属膜形成後に現像する方法
この方法は、基材であるプラスチックフィルム上に剥離可能な樹脂でメッシュ状パターンとは逆パターンの印刷を施し、その印刷パターン上に金属薄膜を上記1)と同様の方法で形成した後、現像して樹脂とその上の金属膜を剥離して金属のメッシュ状パターンを形成する方法である。剥離可能な樹脂として、水、有機溶剤あるいはアルカリに可溶な樹脂やレジストを用いることができる。この方法は、特開2001−185834号公報、特開2001−332889号公報、特開2003−243881号公報、特開2006−140346号公報、特開2006−156642号公報などに記載されており、参照することができる。
5)金属薄膜をレーザーアブレーションする方法
この方法は、上記1)と同様の方法で基材であるプラスチックフィルム上に形成された金属薄膜をレーザーアブレーション方式で導電性メッシュを作製する方法である。
レーザーアブレーションとは、レーザー光を吸収する固体表面へエネルギー密度の高いレーザー光を照射した場合、照射された部分の分子間の結合が切断され、蒸発することにより、照射された部分の固体表面が削られる現象である。この現象を利用することで固体表面を加工することができる。レーザー光は直進性、集光性が高い為、アブレーションに用いるレーザー光の波長の約3倍程度の微細な面積を選択的に加工することが可能であり、レーザーアブレーション法により高い加工精度を得ることができる。
かかるアブレーションに用いるレーザーは金属が吸収する波長のあらゆるレーザーを用いることができる。例えばガスレーザー、半導体レーザー、エキシマレーザー、または半導体レーザーを励起光源に用いた固体レーザーを用いることができる。また、これら固体レーザーと非線形光学結晶を組み合わせることにより得られる第二高調波光源(SHG)、第三高調波光源(THG)、第四高調波光源(FHG)を用いることができる。
かかる固体レーザーの中でも、基材であるプラスチックフィルムを加工しないという観点から、波長が254nmから533nmの紫外線レーザーを用いることが好ましい。中でも好ましくはNd:YAG(ネオジウム:イットリウム・アルミニウム・ガーネット) などの固体レーザーのSHG(波長533nm)、さらに好ましくはNd:YAG などの固体レーザーのTHG(波長355nm)の紫外線レーザーを用いることが好ましい。
かかるレーザーの発振方式としてはあらゆる方式のレーザーを用いることができるが,加工精度の点からパルスレーザーを用い,さらに望ましくはパルス幅がns以下のQスイッチ方式のパルスレーザーを用いることが好ましい。
金属薄膜の上(視認側)にさらに0.01〜0.1μmの金属酸化物層を形成した後に、金属薄膜と金属酸化物層とをレーザーアブレーションするのが好ましい。金属酸化物としては銅、アルミニウム、ニッケル、鉄、金、銀、ステンレス、クロム、チタン、すずなどの金属酸化物を用いることができるが、価格や膜の安定性などの点から銅酸化物が好ましい。金属酸化物の形成方法は、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレート法、化学蒸着法、無電解および電解めっき法などを用いることができる。
上述した方法によって形成された導電性メッシュを有する導電層は、その厚みを6μm以下にすることが可能であり、ハードコート層を導電層上に直接に塗工形成することが可能となる。
上記の導電性メッシュの形成方法の中でも、1)金属薄膜をエッチング加工する方法、2)印刷パターン上にメッキする方法、および3)感光性銀塩を用いる方法が好ましく、特に1)および2)の方法が好ましい。上記の1)、2)および3)の方法で得られた導電性メッシュはヘイズ値が比較的低く、特に上記1)および2)の方法で得られた導電性メッシュはヘイズ値が低いので好ましい。
本発明に用いることができる細線パターン層である導電性メッシュの、メッシュ状パターンとしては、四角形パターン(正方形、長方形、菱形)、5角形以上の多角形からなるパターン、円形パターン、あるいはこれらの複合パターンが挙げられ、さらにランダムパターンも好ましく用いられる。
本発明において、導電性メッシュは黒化処理するのが好ましい。黒化処理は、酸化処理や黒色印刷により行うことができる。例えば、特開平10−41682号公報、特開2000−9484号公報、2005−317703号公報などに記載の方法を用いることができる。黒化処理は、導電性メッシュの視認側の表面と両側面を行うのが好ましく、さらに導電性メッシュの両面および両側面を黒化処理するのが好ましい。
また、ディスプレイ用フィルターを連続生産ラインで効率よく製造するためには、導電性メッシュは連続メッシュであることが好ましい。連続メッシュとは、例えば、長尺ロール状の基材に導電性メッシュを形成するときに、基材の長尺方向に導電性メッシュが連続的に途切れることなく形成された状態をいう。このような連続メッシュは、ハードコート層を塗工するのに好適である。
電磁波シールド層は、PDP用フィルタのパネル側寄りに形成しても、観察者側寄りに形成してもよいが、反射率を考慮するとパネル側寄りに形成することが好ましい。また、電磁波シールド層より観察者側にフィルターの透過率を低下させる色調補正層や近赤外線カット層を配置することは、電磁波シールド層からの反射光を低減させることができるため好ましい態様である。
(層間接着層)
本発明のPDP用フィルターにおいて、上記した様々な機能層を貼合するために接着性を有する層間接着層を用いてもよい。このとき用いられる粘着剤としては、2つの物体をその粘着作用により接着させる接着剤であれば特に限定されず、ゴム系、アクリル系、シリコーン系あるいはポリビニルエーテル系などからなる接着剤を用いることができる。
さらに、粘着剤は、溶剤型粘着剤と無溶剤型粘着剤の2つに大別される。乾燥性、生産性、加工性において優れた溶剤型粘着剤は依然として主流であるが、近年、公害、省エネルギ、省資源、安全性などの点で無溶剤型粘着剤に移り変わりつつある。中でも、活性線を照射することで秒単位で硬化し、可撓性、接着性、耐薬品性などに優れた特性を有する粘着剤である活性線硬化型粘着剤を使用することが好ましい。
活性線硬化型アクリル系粘着剤の具体例は、日本接着学会編集、「接着剤データブック」、日刊工業新聞社1990年発行、第83頁から第88頁を参考とすることができるが、これらに限定されるものではない。市販品として多官能アクリル系紫外線硬化塗料として、日立化成ポリマー株式会社;(商品名 XY (登録商標)シリーズなど)、東邦化成工業株式会社;(商品名 ハイロック (登録商標)シリーズなど)、株式会社スリーボンド;(商品名 スリーボンド (登録商標)シリーズなど)、東亜合成化学工業株式会社;(商品名 アロンタイト (登録商標)シリーズなど)、セメダイン株式会社;(商品名 セメロックスーパー (登録商標)シリーズなど)などの製品を利用することができるがこれらに限定されるものではない。
本発明のPDP用フィルターの評価方法について以下に述べる。
1)中心線平均粗さRa、10点平均粗さRz、平均凹凸間隔Sm、1μm以上突起数
PDP用フィルターサンプルの表面粗さを、表面粗さ測定器SE−3400((株)小坂研究所製)を用いて測定する。フィルター0.5mを5等分し、各々のサンプルの中心部を下記の方法で評価する。各測定点での測定はフィルターの長辺方向と短辺方向について実施して平均値を求める。さらに5サンプルの平均値を求めてこのPDP用フィルターサンプルのRa、Rzの値とする。
・測定条件:SPEED;0.5mm/S、カットオフ値;0.25mm、測定長さ;8mm
・中心線平均粗さRa:表面粗さ測定器SE−3400((株)小坂研究所製)でRaと定義されたパラメータ。JISB0601−1982の方法に基づいて測定した。
・10点平均粗さRz:表面粗さ測定器SE−3400((株)小坂研究所製)でRzと定義されたパラメータ。JISB0601-1982の方法に基づいて測定した。
・平均凹凸間隔Sm:表面粗さ測定器SE−3400((株)小坂研究所製)でSmと定義されたパラメータ。
・高さ1μm以上の突起数:表面粗さ測定器SE−3400((株)小坂研究所製)で得られた粗さ曲線を基準線(ゼロ)として1μm以上の高さを有する山の全測定長さ当たりの個数(個/8mm)。
2)厚み測定
PDP用フィルターサンプルの断面を透過型電子顕微鏡(日立製H−7100FA型)を用いて加速電圧100kVにて観察する。ガラス基板を用いたフィルターの場合はガラスから剥がして評価する。試料調整は超薄切片法を用いる。10万倍または20万倍の倍率で観察し、各々の層の厚みを測定する。
3)視感透過率
PDP用フィルターサンプルについて、分光光度計(島津製作所製、UV3150PC)を用いて、視認側からの入射光に対する透過率を波長300〜1300nmの範囲で測定し、可視光波長領域(380〜780nm)の視感透過率(JIS Z8701−1999において規定されているXYZ表色系における透過による物体色の刺激値Y)を求める。
Figure 2009115882
積分区間は380〜780nm
S(λ):色の表示に用いる標準の光の分光分布
y(λ):XYZ表示系における等色関数
T(λ):分光立体角透過率
4)映り込みの評価
PDP用フィルターサンプルを視認面が表面になるように黒紙(王子特殊紙(株)製 ACカード #300)の上に置き4隅を透明テープで固定する。得られたサンプルを暗室中で視認側面が鉛直方向になるように設置し、フィルターサンプルの直上50cmの場所に3波長蛍光灯(ナショナル パルック 3波長形昼白色(F.L 15EX-N 15W))を設置する。フィルターの視認面を正面20cmの距離から肉眼観察し、フィルター視認面に映り込んだ観察者像の鮮明性を評価する。
・映り込み像の輪郭が極めて不鮮明 :◎
・映り込み像の輪郭が不鮮明 :○
・映り込み像の輪郭が僅かに不鮮明 :△
・映り込み像の輪郭が鮮明に見える :×
評価は5名で各水準について1枚のフィルターを評価して、最も頻度の高い判定結果を採用する。最も頻度の高い判定結果が2つある場合は、悪い方の評価結果を採用する(最も頻度の高い判定結果が「○」と「△」の2つなら「△」、「△」と「×」の2つなら「×」、「○」と「×」の2つなら「×」と判定する)。
5)透過画像の評価
PDP用フィルターサンプルをPDPテレビ(TH-42PZ700、松下電器産業(株)社製。但し、純正のフィルターを取り外したものを使用。)に、裏面(視認側とは反対側の表面)がPDPパネルに面するようにし、PDPパネル表面からフィルターの視認側最表面までの距離が20mmとなる位置に、パネル表面とフィルター視認面が平行になるように設置する。PDPテレビのPDPパネルにパターン画像(白地に黒色パターン:大きさ5×100mmを配置)を表示する。
(フィルターを設置した場所にパターン画像を表示する)フィルター越しにパターン画像を目視評価して、透過画像の鮮明度を判定する。観察はフィルタの視認面の正面方向、および30°方向から、20cmの観察距離で行う。但し、30°とはフィルタ表面の法線に対する角度を指すものとする。
・透過像が極めて明瞭に見える:◎
・透過像が明瞭に見える :○
・透過像が僅かに不鮮明 :△
・透過像がぼける :×
評価は5名で各水準について1枚のフィルターを評価して、最も頻度の高い判定結果を採用する。最も頻度の高い判定結果が2つある場合は、悪い方の評価結果を採用する(最も頻度の高い判定結果が「○」と「△」の2つなら「△」、「△」と「×」の2つなら「×」、「○」と「×」の2つなら「×」と判定する)。
本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらによりなんら制限されるものではない。
1.低屈折率塗料の調整
(塗料A)
メチルトリメトキシシラン 95.2質量部、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン 65.4質量部をプロピレングリコールモノメチルエーテル300質量部、イソプロパノール100質量部に溶解した。この溶液に、数平均粒子径50nmの外殻の内部に空洞を有するシリカ微粒子分散液(イソプロパノール分散型、固形分濃度20.5%、触媒化成工業社製)297.9質量部、水54質量部およびギ酸1.8質量部を、撹拌しながら、反応温度が30℃を越えないように滴下した。滴下後、得られた溶液をバス温40℃で2時間加熱し、その後、溶液をバス温85℃で2時間加熱し、内温を80℃まで上げて、1.5時間加熱した後、室温まで冷却し、ポリマー溶液Aを得た。
得られたポリマー溶液Aに、アルミニウム系硬化剤として、アルミニウムトリス(アセチルアセテート)(商品名 アルミキレートA(W)、川研ファインケミカル(株)社製)4.8質量部をメタノール125質量部に溶解したものを添加し、さらにイソプロパノール 1500質量部およびプロピレングリコールモノメチルエーテル250質量部を添加して、室温にて2時間撹拌し、塗料Aを作製した。
塗料Aの被膜をシリコンウエハー上に形成し、上記した方法で求めた屈折率は1.36であった。
2.色素を含有する塗料の調整
(塗料−1)
近赤外線吸収色素として、日本化薬(株)製 KAYASORB(登録商標) IRG−050を14.5質量部、日本触媒(株)製 イーエクスカラー(登録商標) IR−10Aを8質量部、さらに593nmに主吸収ピークを有する有機色素として、山田化学工業(株)製TAP−2を2.9質量部をメチルエチルケトン2000質量部に攪拌混合して溶解させた。この溶液を透明高分子樹脂バインダー溶液として、日本触媒(株)製 ハルスハイブリッド(登録商標) IR−G205(固形分濃度29%溶液)2000質量部と攪拌混合して塗料−1を作製した。
3.電磁波シールドフィルム
(EMI1)
光学用ポリエステルフィルム(東レ(株)製のルミラー(登録商標)U46、厚み100μm)の片面に、常温にて3×10−3Paの真空下で、真空蒸着法によりニッケル層(厚み0.05μm)を形成した。さらにその上に、同じく常温にて3×10−3Paの真空下で、真空蒸着法により銅層(厚み3μm)を形成した。
その後、この銅層側の表面にフォトレジスト層を塗工形成し、正方形のメッシュ状パターンのマスクを介してフォトレジスト層を露光、現像し、次いでエッチング処理を施して、線幅10μm、ピッチ250μm、厚み3μmの銅メッシュを作製した。さらに、銅メッシュの表面と両側面に黒化処理(酸化処理)を施して、電磁波シールドフィルム(EMI1)を作製した。
(EMI2)
光学用ポリエステルフィルム(東レ(株)製のルミラー(登録商標)U46、厚み100μm)の片面に、パラジウムコロイド含有ペーストからなる触媒インクを用いて正方形のメッシュ状パターンに印刷し、これを無電解銅メッキ液中に浸漬して無電解銅メッキを施し、続いて電解銅メッキを施し、さらにNi−Sn合金の電解メッキを施すことによって、線幅20μm、ピッチ300μm、厚み5μmのメッシュ状パターンが形成された電磁波シールドフィルム(EMI2)を作製した。
4.ハードコートフィルムの作製
(HC1〜HC12)
上述のEMI1を用い、銅メッシュ面に、市販のハードコート剤(JSR製 デソライト (登録商標) Z7528)にアクリル樹脂粒子を表1に示した処方で添加しイソプロピルアルコールで固形分濃度30%に希釈した塗料を、表1に示したdry塗布量でマイクログラビアコーター塗工し、80℃で1分間乾燥後、紫外線1.0J/cmを照射して硬化させ、ハードコート層を設け、アンチグレアタイプのハードコートフィルムHC1〜12を作製した。
(HC13〜HC14)
上述のEMI2を用い、銅メッシュ面に、市販のハードコート剤(JSR製 デソライト (登録商標) Z7528)にアクリル樹脂粒子を表1に示した処方で添加しイソプロピルアルコールで固形分濃度30%に希釈した塗料を、表1に示したdry塗布量でマイクログラビアコーター塗工し、80℃で1分間乾燥後、紫外線1.0J/cmを照射して硬化させ、ハードコート層を設け、アンチグレアタイプのハードコートフィルムHC13〜14を作製した。
(HC15〜HC21)
光学用ポリエステルフィルム(東レ(株)製、U46、厚み100μm)を用い、易接着面に、市販のハードコート剤(JSR製 デソライト (登録商標) Z7528)にアクリル樹脂粒子を表1に示した処方で添加しイソプロピルアルコールで固形分濃度30%に希釈した塗料を、表1に示したdry塗布量でマイクログラビアコーター塗工し、80℃で1分間乾燥後、紫外線1.0J/cmを照射して硬化させ、ハードコート層を設け、アンチグレアタイプのハードコートフィルムHC15〜21を作製した。
5.反射防止層の作製
ハードコートフィルム(HC1〜21)のハードコート層形成面に、上記した低屈折率塗料Aをマイクログラビアコーターで塗布した。次いで130℃で1分間、乾燥および硬化させ、ハードコート層上に屈折率1.36、厚み90nmの低屈折率層を形成することで、反射防止フィルムを作製した(AR1〜21)。得られたARフィルムのハードコート層表面の表面うねり構造のデータを表2に示す。
6.赤外線カット層の作製
(NIR1)
反射防止フィルムの反射防止面に、保護フィルムとしてサンエー科研製 サニテクト (登録商標)(厚み50μm)を貼り合わせた後、反射防止層と反対側の基材フィルム面に、ダイコーターを用いて有機色素を含有する塗料−1を塗工し、120℃で乾燥して、厚み10μmの樹脂層を形成し、反射防止・赤外線カットフィルムを作製した(この赤外線カット層をNIR1とする)。
7.色補正層の作製
(色補正層1)
アクリル系透明粘着剤中に有機系色補正色素を含有させた。各水準における色素添加量は最終的なフィルターの視感透過率が40%になるように調整した。
[実施例1]
反射防止フィルム(AR1)の反射防止面とは逆の面に、上記の方法で赤外線カット層(NIR1)を積層して、反射防止・赤外線カットフィルムを作製した。
得られた反射防止・赤外線カットフィルムを、色補正色素含有粘着剤(色補正層1)を用いてガラス基板に貼合した後、オートクレーブ処理(圧力:0.5MPa、温度:70℃、処理時間:1時間)を行った。
次に、ガラス基板の反対面(反射防止・赤外線カットフィルムを貼合していない面)に、アクリル系透明粘着剤を用いてAR面が外側になるように反射防止フィルム(AR17)を貼合した後、オートクレーブ処理(圧力:0.5MPa、温度:70℃、処理時間:1時間)を行い、表3に示した構成のPDP用フィルターを作製した。
なお、前述した通り、作成したPDP用フィルターの視感透過率が40%となるように、色補正層1は調整した。
作製したPDP用フィルターの特性を表3に示す。映り込み抑制効果が高く、正面と斜め30°から観察した透過画像も極めて鮮明であった。
[実施例2〜11]
PDP用フィルターに用いる最表層のフィルムを表3のように変更する以外は、実施例1と同様にして、PDP用フィルターを作製した。なお、前述した通り、作成したPDP用フィルターの視感透過率が40%となるように、色補正層1は調整した。
作製したPDP用フィルターの特性を表3に示す。いずれのフィルターにおいても、映り込み抑制効果が高く、正面と斜め30°から観察した透過画像も極めて鮮明であった。
[実施例12〜13]
実施例12の場合、反射防止フィルム(AR15)の反射防止面とは逆の面に、上記の方法で赤外線カット層(NIR1)を積層して、反射防止・赤外線カットフィルムを作製した。
得られた反射防止・赤外線カットフィルムを、色補正色素含有粘着剤(色補正層1)を用いて、EMIフィルム(EMI1)のメッシュ面に貼合した後、アクリル系透明粘着剤を用いてAR面が外側になるようにガラス板に貼り付けた。
次に、ガラス基板の反対面(反射防止・赤外線カットフィルムを貼合していない面)に、アクリル系透明粘着剤を用いてAR面が外側になるように反射防止フィルム(AR21)を貼合した後、オートクレーブ処理(圧力:0.5MPa、温度:70℃、処理時間:1時間)を行い、表3に示した構成のPDP用フィルターを作製した。
なお、前述した通り、作成したPDP用フィルターの視感透過率が40%となるように、色補正層1は調整した。
実施例13の場合、使用するARフィルムを表3のように変えた以外は実施例12と同様にしてPDP用フィルターを作製した。
作製したPDP用フィルターの特性を表3に示す。いずれのフィルターにおいても、映り込み抑制効果が高く、正面と斜め30°から観察した透過画像も極めて鮮明であった。
[実施例14〜15]
実施例14では、反射防止フィルム(AR21)の反射防止面とは逆の面に、上記の方法で赤外線カット層(NIR1)を積層して、反射防止・赤外線カットフィルムを作製した。得られた反射防止・赤外線カットフィルムを、色補正色素含有粘着剤(色補正層1)を用いて、電磁波シールドフィルム(EMI1)の銅メッシュ側に貼合した後、アクリル系透明粘着剤を用いてAR面が外側になるようにガラス基板に貼合した。
次に、ガラス基板の反対面(反射防止・赤外線カットフィルムを貼合していない面)に、アクリル系透明粘着剤を用いてAR面が外側になるように反射防止フィルム(AR17)を貼合した後、オートクレーブ処理(圧力:0.5MPa、温度:70℃、処理時間:1時間)を行い、表3に示した構成のPDP用フィルターを作製した。
なお、前述した通り、作成したPDP用フィルターの視感透過率が40%となるように、色補正層1は調整した。
実施例15では反対面のAR17のかわりにAR21を使用する以外は実施例14と同様にしてフィルターを作製した。
作製したPDP用フィルターの特性を表3に示す。映り込み抑制効果が高く、正面と斜め30°から観察した透過画像も極めて鮮明であった。
[実施例16〜17]
ガラス基板に紫外線硬化型塗剤Aをダイ方式で塗工し(dry塗布量10g/m)、80℃で1分間乾燥後、紫外線1.0J/cmを照射して硬化させることにより、表面処理ガラス(ガラス1)を得た。また、紫外線硬化型塗剤Bを用いて同様の方法にて表面処理ガラス(ガラス2)を得た。各ガラスの処理面の表面構造を表2に示す。
紫外線硬化型塗剤A:市販のハードコート剤(JSR製 デソライト (登録商標) Z7528)にアクリル樹脂粒子(平均粒子径8μm、添加量8重量部)を添加しイソプロピルアルコールで固形分濃度40%に希釈した塗料。
紫外線硬化型塗剤A:市販のハードコート剤(JSR製 デソライト (登録商標) Z7528)にアクリル樹脂粒子(平均粒子径10μm、添加量8重量部)を添加しイソプロピルアルコールで固形分濃度40%に希釈した塗料。
実施例16では、反射防止フィルム(AR1)の反射防止面とは逆の面に、上記の方法で赤外線カット層(NIR1)を積層して、反射防止・赤外線カットフィルムを作製した。
得られた反射防止・赤外線カットフィルムを、色補正色素含有粘着剤(色補正1)を用いて表面処理ガラス(ガラス1)の非処理面に貼合した後、オートクレーブ処理(圧力:0.5MPa、温度:70℃、処理時間:1時間)を行い、表3に示した構成のPDP用フィルターを作製した。
なお、前述した通り、作成したPDP用フィルターの視感透過率が40%となるように、色補正層1は調整した。実施例17では、ガラス1のかわりにガラス2を用いた以外は実施例16と同様にしてフィルターを作製した。
作製したPDP用フィルターの特性を表3に示す。映り込み抑制効果が高く、正面と斜め30°から観察した透過画像も極めて鮮明であった。
[比較例1〜3]
PDP用フィルターに用いる最表面のARフィルムを表3のように変更する以外は、実施例1と同様にして、PDP用フィルターを作製した。比較例2,3については、パネル側表面はガラス面となっており、Raは7nm、Rzは0.1μm、Smは100μmであった。なお、前述した通り、作成したPDP用フィルターの視感透過率が40%となるように、色補正層1は調整した。
作製したPDP用フィルターの特性を表3に示す。比較例1は表面粗さが小さいため、映り込みが比較的明瞭に観察できるものであった。比較例2は、パネル側最表面にうねり構造が存在しないため、光拡散効果が小さく、映り込み抑制効果が不良であった。また、比較例3は視認側表面の表面粗さが大きすぎるため、映り込み抑制効果は大きいが斜め30°から観察した透過画像鮮明性が不良であった。
Figure 2009115882
Figure 2009115882
Figure 2009115882
うねり構造の模式図であり、(A)はPDPパネル、(B)はフィルターを示す。
符号の説明
1:PDPパネル
2:フィルター
3:パネル側表面うねり構造
4:視認側表面うねり構造

Claims (8)

  1. 少なくとも透明基材を含む積層構成を有し、
    一方の面が、中心線平均粗さRaが30〜250nm、10点平均粗さRzが0.4〜2.0μm、平均凹凸間隔Smが50〜400μm、高さ1μm以上の突起数が50個以下である表面うねり構造であり(以後A面と称す)、
    他方の面が、中心線平均粗さRaが30〜300nm、10点平均粗さRzが0.4〜3.0μm、平均凹凸間隔Smが20〜400μmである表面うねり構造である(以後B面と称す)ことを特徴とする、プラズマディスプレイパネル用フィルター。
  2. 透明基材のA面側に、少なくともハードコート層、反射防止層がこの順に設けられていることを特徴とする、請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル用フィルター。
  3. 透明基材のA面側に、少なくとも細線パターン層、ハードコート層、反射防止層がこの順に設けられていることを特徴とする、請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル用フィルター。
  4. 細線パターン層の高さが、0.5〜8μmであることを特徴とする、請求項3に記載のプラズマディスプレイパネル用フィルター。
  5. 細線パターン層のパターンがメッシュ状パターンであり、ピッチが50〜400μmであることを特徴とする、請求項3または4に記載のプラズマディスプレイパネル用フィルター。
  6. メッシュ状パターンが、導電性メッシュであることを特徴とする、請求項5に記載のプラズマディスプレイパネル用フィルター。
  7. 透明基材のA面側に、少なくとも細線パターン層、ハードコート層、反射防止層がこの順に設けられており、
    透明基材のB面側に、少なくとも反射防止層が設けられていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル用フィルター。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載されたプラズマディスプレイ用フィルターを、A面側が視認側になるように用いてなることを特徴とする、プラズマディスプレイパネル。
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