JP2008243548A - 燃料電池のための電極触媒層およびその製造方法 - Google Patents

燃料電池のための電極触媒層およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】燃料電池の出力電圧の低下を抑制しつつ、電極触媒層に含まれる触媒の量を低減する燃料電池用電極触媒層を提供する。
【解決手段】第1の電極触媒層(アノード)114aは、1種類の領域を含んでいる。一方、第2の電極触媒層(カソード)114cは、2種類の領域L1,L2を含んでいる。具体的には、第2の電極触媒層114cは、ストライプ状に交互に配列された複数の第1の領域L1と複数の第2の領域L2とを含んでいる。第1の領域L1は、第2の領域L2よりも親水性の高い領域である(逆に、第2の領域L2は、第1の領域L1よりも撥水性の高い領域である)。
【選択図】図2

Description

この発明は、燃料電池のための電極触媒層に関する。
燃料電池は、通常、交互に積層された複数の発電ユニットと複数のセパレータとを備えている。各発電ユニットは、電解質膜と、電解質膜の両側に配置された2つの電極触媒層と、を含む膜電極接合体を備えている。
なお、特許文献1には、厚さ方向に触媒の濃度分布が異なる第1の触媒層と、面内で触媒の濃度分布が異なる第2の触媒層と、が記載されている。また、特許文献1には、厚さ方向に撥水剤の量の異なる第3の触媒層と、面内で撥水剤の量の異なる第4の触媒層と、が記載されている。さらに、特許文献1には、厚さ方向に親水剤の量の異なる第5の触媒層と、面内で親水剤の量の異なる第6の触媒層と、が記載されている。
特開2003−173785号公報 特開2006−40767号公報 特開2006−134886号公報 特開2006−228501号公報
ところで、電極触媒層には触媒が含まれており、触媒の量は低減されることが好ましい。しかしながら、触媒の量を低減すると、通常、燃料電池の出力電圧が低下してしまう。
この発明は、従来技術における上述の課題を解決するためになされたものであり、燃料電池の出力電圧の低下を抑制しつつ、電極触媒層に含まれる触媒の量を低減することを目的とする。
上述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明の第1の装置は、燃料電池のための電極触媒層であって、
第1の領域と、
前記第1の領域よりも撥水性の高い第2の領域と、
を含み、
前記第1の領域の単位面積あたりの触媒の量は、前記第2の領域の単位面積あたりの前記触媒の量よりも小さいことを特徴とする。
この電極触媒層を含む燃料電池では、第1の領域では主に水が拡散し易くなり、第2の領域では主に反応ガスが拡散し易くなる。そして、反応ガスの拡散量の比較的大きな第2の領域の単位面積あたりの触媒の量は、反応ガスの拡散量の比較的小さな第1の領域の単位面積あたりの触媒の量よりも多いため、第2の領域において、反応ガスを効率よく電気化学反応に利用することができる。すなわち、この電極触媒層を用いて燃料電池を構成すれば、燃料電池の出力電圧の低下を抑制しつつ、電極触媒層に含まれる触媒の量を低減することが可能となる。
前記第2の領域には、撥水性を高めるための処理が施されていてもよい。これに代えて、あるいは、これと共に、前記第1の領域には、親水性を高めるための処理が施されていてもよい。
本発明の第2の装置は、燃料電池のための膜電極接合体であって、
電解質膜と、
前記電解質膜の第1の面側に設けられた第1の電極触媒層と、
前記電解質膜の第2の面側に設けられた第2の電極触媒層と、
を備え、
前記第1の電極触媒層と前記第2の電極触媒層とのうちの少なくとも一方は、上記のいずれかに記載の電極触媒層であることを特徴とする。
この膜電極接合体は、本発明の第1の装置である電極触媒層を含んでいる。したがって、この膜電極接合体を用いて燃料電池を構成すれば、燃料電池の出力電圧の低下を抑制しつつ、電極触媒層に含まれる触媒の量を低減することが可能となる。
本発明の方法は、燃料電池のための電極触媒層の製造方法であって、
(a)触媒を含む第1の分散液と、前記触媒を含む第2の分散液と、を準備する工程と、
(b)支持体上に前記第1の分散液を塗布することによって前記電極触媒層に含まれる第1の領域を形成し、前記支持体上に前記第2の分散液を塗布することによって前記電極触媒層に含まれる第2の領域であって、前記第1の領域よりも撥水性の高い前記第2の領域を形成する工程と、
を含み、
前記第1の分散液の塗布と前記第2の分散液の塗布とは、前記第1の領域の単位面積あたりの触媒の量が、前記第2の領域の単位面積あたりの前記触媒の量よりも小さくなるように、行われることを特徴とする。
この方法を採用すれば、本発明の電極触媒層を作製することができる。したがって、この電極触媒層を用いて燃料電池を構成すれば、燃料電池の出力電圧の低下を抑制しつつ、電極触媒層に含まれる触媒の量を低減することが可能となる。
上記の方法において、
前記第1の分散液の単位面積あたりの塗布量を前記第2の分散液の単位面積あたりの塗布量よりも小さくすることによって、前記第1の領域の単位面積あたりの前記触媒の量を前記第2の領域の単位面積あたりの前記触媒の量よりも小さくすることが好ましい。
第1の分散液中の触媒の濃度と第2の分散液中の触媒の濃度とが等しい場合には、各領域への塗布量と各領域の触媒量とが比例する。したがって、上記のようにすれば、2つの分散液の単位面積あたりの塗布量を変更することによって、2つの領域の単位面積あたりの触媒の量を変更することができる。なお、各分散液の組成は、基本の組成を同じとし、親水性材料・撥水性材料の添加の有無や添加量の調節のみで、調節可能である。
この発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、電極触媒層、該電極触媒層を含む膜電極接合体、該膜電極接合体を含む燃料電池、これらの製造方法等の形態で実現することができる。
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.燃料電池の構成:
B.発電ユニットの構成:
C.発電ユニットの作製方法:
D.実験結果:
A.燃料電池の構成:
図1は、燃料電池100の内部構造を模式的に示す説明図である。なお、この燃料電池100は、固体高分子型の燃料電池である。図示するように、燃料電池100は、交互に積層された複数の発電ユニット110と複数のセパレータ120とを含んでいる。また、図示されていないが、セパレータには、一般的に、冷却液通路も設けられている。
発電ユニット110は、電解質膜112を含んでおり、電解質膜112の一方の面側には、第1の電極触媒層(アノード)114aと第1のガス拡散層116aとがこの順に設けられており、電解質膜112の他方の面側には、第2の電極触媒層(カソード)114cと第2のガス拡散層116cとがこの順に設けられている。発電ユニット110の一方の側には、第1のガス拡散層116aに接触する第1のセパレータ120が配置されており、発電ユニット110の他方の側には、第2のガス拡散層116cに接触する第2のセパレータ120が配置されている。各セパレータ120の両面には、複数の溝が形成されており、発電ユニット110の第1のガス拡散層116aと第1のセパレータ120との間には、アノード側ガス通路121が形成されており、発電ユニット110の第2のガス拡散層116cと第2のセパレータ120との間には、カソード側ガス通路122が形成されている。
アノード側ガス通路121では、燃料ガス供給部(図示せず)から供給された水素ガスを含む燃料ガスが流通し、カソード側ガス通路122では、酸化ガス供給部(図示せず)から供給された酸素ガスを含む酸化ガス(空気)が流通する。そして、燃料ガスと酸化ガスとは、発電ユニット110において電気化学反応に利用される。
本実施例における発電ユニット110と、第1のセパレータ120のうちのアノード側ガス通路121を含む部分と、第2のセパレータ120のうちのカソード側ガス通路122を含む部分と、を含むブロックが、1つのセルに相当する。すなわち、本実施例では、燃料電池100は、複数(例えば100個)のセルを備えている。
なお、電解質膜112としては、例えば、スルホン酸基を有するフッ素系樹脂などの固体高分子材料で形成された膜が利用される。電極触媒層114a,114cは、例えば、白金(Pt)などの触媒を担持したカーボン粒子を含む。ガス拡散層116a,116cは、ガス透過性および導電性を有する材料で形成され、例えば、カーボンペーパが用いられる。また、セパレータ120は、導電性を有し、ガス透過性を有していない金属やカーボンなどで形成される。また、ガス透過性のあるポーラス材料が用いられることもある。
なお、本実施例における電解質膜112と、電解質膜の両側に配置された2つの電極触媒層114a,114cと、が本発明における膜電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)に相当する。
B.発電ユニットの構成:
図2は、図1の発電ユニット110を拡大して示す説明図である。図示するように、第1の電極触媒層(アノード)114aは、1種類の領域を含んでいる。一方、第2の電極触媒層(カソード)114cは、2種類の領域L1,L2を含んでいる。具体的には、第2の電極触媒層114cは、ストライプ状に交互に配列された複数の第1の領域L1と複数の第2の領域L2とを含んでいる。
第1の領域L1は、第2の領域L2よりも親水性の高い領域である(逆に、第2の領域L2は、第1の領域L1よりも撥水性の高い領域である)。以下では、第1の領域L1を「親水性領域」とも呼び、第2の領域L2を「撥水性領域」とも呼ぶ。
本実施例では、第2の電極触媒層114cの親水性領域L1には、親水性を高めるための処理が施されており、撥水性領域L2には、撥水性を高めるための処理が施されている。なお、第1の電極触媒層114aには、親水性および撥水性を高めるための処理は施されていない。すなわち、本実施例では、第2の電極触媒層114cの親水性領域L1は、第1の電極触媒層114aよりも高い親水性を有しており、撥水性領域L2は、第1の電極触媒層114aよりも高い撥水性を有している。
そして、撥水性領域L2には、親水性領域L1よりも多くの触媒が含まれている。より具体的には、撥水性領域L2の単位面積あたりの触媒量は、親水性領域L1の単位面積あたりの触媒量よりも大きい。
周知のように、発電ユニット110における電気化学反応の進行に伴って、第2の電極触媒層(カソード)114cでは、供給された酸化ガス中の酸素ガスが消費されて水が生成される。なお、この水は、「生成水」とも呼ばれる。生成水は、カソード側ガス通路122(図1)を通る酸化ガスと共に、燃料電池100の外部に排出される。しかしながら、第2の電極触媒層114c内に残留する水が過度に多い場合には、第2の電極触媒層114c内に酸化ガスが充分に流入せず、電気化学反応の進行が抑制される。
本実施例では、前述のように、第2の電極触媒層114cは、撥水性(あるいは親水性)の異なる2種類の領域L1,L2を含んでいる。このため、撥水性領域L2で生成された水は、親水性領域L1に流入する。そして、親水性領域L1に流入した水と、親水性領域L1で生成された水とは、親水性領域L1から第2のガス拡散層116cに排出され、その後、カソード側ガス通路122を流通する酸化ガスと共に燃料電池100の外部に排出される。カソード側ガス通路122を流通する酸化ガスは、生成水の含有量の大きな親水性領域L1よりも、生成水の含有量の小さな撥水性領域L2に流入し易い。すなわち、親水性領域L1は、主に生成水が通る通路として機能し、撥水性領域L2は、主に酸化ガスが通る通路として機能する。換言すれば、第2の電極触媒層114cにおいて、生成水の排出経路と、酸化ガスの流入経路と、は分離されている。このため、本実施例では、生成水の排出と、酸化ガスの供給と、を効率よく行うことができる。
また、前述のように、撥水性領域L2の単位面積あたりの触媒量は、親水性領域L1の単位面積あたりの触媒量よりも大きいため、撥水性領域L2に流入した酸化ガスは、効率よく電気化学反応に利用される。すなわち、酸化ガスの拡散量の比較的大きな撥水性領域L2における酸化ガスの反応効率を高めつつ、酸化ガスの拡散量の比較的小さな親水性領域L1の単位面積あたりの触媒量を低減することができる。
前述したように、親水性領域L1と撥水性領域L2とは、ストライプ状に設けられている。特に、本実施例では、親水性領域L1と撥水性領域L2とは、セパレータ120の形状に整合するように、より具体的には、カソード側ガス通路122の形状に整合するように、設けられている。
図3は、図1の発電ユニット110とセパレータ120との関係を拡大して示す説明図である。図示するように、2種類の領域L1,L2は、親水性領域L1がカソード側ガス通路122に対応する位置に配置されるように、設けられている。こうすれば、各親水性領域L1内の生成水が、第2のガス拡散層116cを介して、対応するカソード側ガス通路122に向かって移動し易いため、生成水を効率よくカソード側ガス通路122に排出することができる。
図3に示すように、本実施例では、親水性領域L1の幅は、カソード側ガス通路122の幅とほぼ一致しているが、これに代えて、カソード側ガス通路122の幅よりも小さくてもよい。こうすれば、各カソード側ガス通路122を流通する酸化ガスが、第2のガス拡散層116cを介して、対応する親水性領域L1の両側に設けられた2つの撥水性領域L2に流入し易くなると考えられる。このように、親水性領域と撥水性領域とは、親水性領域がカソード側ガス通路に対応する位置に配置されるように、配列されていればよい。
なお、本実施例では、2種類の領域L1,L2は、ストライプ状に配列されているが、これに代えて、格子状に配列されていてもよいし、ドット状(すなわち2種類の領域L1,L2のうちの一方が他方に囲まれた形状)に配列されていてもよい。
また、本実施例では、第2の電極触媒層114cに親水性領域L1と撥水性領域L2とが含まれているが、これに加えて、第2のガス拡散層116cに親水性の比較的高い領域と撥水性の比較的高い領域とが含まれていてもよい。この場合には、第2のガス拡散層に含まれる親水性の比較的高い領域は、第2の電極触媒層114cの親水性領域に対応する位置に設けられ、第2のガス拡散層に含まれる撥水性の比較的高い領域は、第1の電極触媒層114cの撥水性領域に対応する位置に設けられていればよい。
B−1.発電ユニットの第1の変形例:
図4は、第1の変形例としての発電ユニット110Aを示す説明図であり、図2に対応する。図4は、図2とほぼ同様であるが、第2の電極触媒層114Acが変更されている。
第2の電極触媒層114Acは、ストライプ状に交互に配列された複数の親水性領域LA1と複数の撥水性領域LA2とを含んでいる。そして、撥水性領域LA2の単位面積あたりの触媒量は、親水性領域LA1の単位面積あたりの触媒量よりも大きい。
ただし、親水性領域LA1は、図2の親水性領域L1と異なり、親水性を高めるための処理が施されておらず、撥水性領域LA2は、図2の撥水性領域L2と同様に、撥水性を高めるための処理が施されている。すなわち、第2の電極触媒層114Acの親水性領域LA1は、第1の電極触媒層114aと同等の親水性を有しており、撥水性領域LA2は、第1の電極触媒層114aよりも高い撥水性を有している。
図4の発電ユニット110Aが利用される場合にも、撥水性領域LA2における酸化ガスの反応効率を高めつつ、親水性領域LA1の単位面積あたりの触媒量を低減することができる。
B−2.発電ユニットの第2の変形例:
図5は、第2の変形例としての発電ユニット110Bを示す説明図であり、図2に対応する。図5は、図2とほぼ同様であるが、第2の電極触媒層114Bcが変更されている。
第2の電極触媒層114Bcは、ストライプ状に交互に配列された複数の親水性領域LB1と複数の撥水性領域LB2とを含んでいる。そして、撥水性領域LB2の単位面積あたりの触媒量は、親水性領域LB1の単位面積あたりの触媒量よりも大きい。
ただし、親水性領域LB1は、図2の親水性領域L1と同様に、親水性を高めるための処理が施されており、撥水性領域LB2は、図2の撥水性領域L2と異なり、撥水性を高めるための処理が施されていない。すなわち、第2の電極触媒層114Bcの親水性領域LB1は、第1の電極触媒層114aよりも高い親水性を有しており、撥水性領域LB2は、第1の電極触媒層114aと同等の撥水性を有している。
図5の発電ユニット110Bが利用される場合にも、撥水性領域LB2における酸化ガスの反応効率を高めつつ、親水性領域LB1の単位面積あたりの触媒量を低減することができる。
C.発電ユニットの作製方法:
図6は、発電ユニット110(図2)の作製手順を示すフローチャートである。
ステップS102では、アノード用の1種類の触媒インクが準備される。なお、触媒インクは、触媒を含有する懸濁液(分散液)を意味している。触媒インクには、触媒(例えば白金)を担持する触媒担持カーボンと、電解質(例えばナフィオン(デュポン社の商標))と、溶媒(例えば水やエタノールなどのアルコール)と、が含まれている。
ステップS104では、電解質膜112の一方の面に、アノード用の触媒インクが塗布される。本実施例では、触媒インクは、インクジェット装置を利用して塗布される。この後、真空乾燥により、塗布層に含まれる溶媒の乾燥が行われる。これにより、電解質膜112の一方の面に、第1の電極触媒層114aが形成される。
ステップS106では、カソード用の2種類の触媒インクが準備される。第1種の触媒インクと第2種の触媒インクとは、互いに組成が異なっている。第1種の触媒インクは、第2の電極触媒層114cの親水性領域L1を形成するための触媒インクであり、第2種の触媒インクは、撥水性領域L2を形成するための触媒インクである。
カソード用の第1種および第2種の触媒インクには、アノード用の触媒インクと同様に、触媒担持カーボンと電解質と溶媒とが含まれる。第1種の触媒インクには、さらに、親水性を高めるための添加剤(親水剤)が含まれる。親水剤としては、例えば、シリカ(SiO2 ),チタニア(TiO2 ),ジルコニア(ZrO2 )などの金属酸化物や、ポリビニルアルコール,アクリル酸ソーダなどの親水性樹脂を利用することができる。一方、第2種の触媒インクには、さらに、撥水性を高めるための添加剤(撥水剤)が含まれる。撥水剤としては、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などのフッ素系高分子樹脂を利用することができる。
ステップS108では、電解質膜112の他方の面に、第1種の触媒インクが塗布されると共に、第2種の触媒インクが塗布される。第1の触媒インクと第2の触媒インクとは、インクジェット装置を利用して、ストライプ状に塗布・乾燥される。この後、必要に応じて、真空乾燥が行われる。これにより、電解質膜112の他方の面に、ストライプ状に配列された親水性領域L1と撥水性領域L2とを含む第2の電極触媒層114cが形成される。
本実施例では、第1種の触媒インクと第2種の触媒インクとに含まれる触媒担持カーボンの触媒の担持率は、同じである。このため、撥水性領域L2を形成するための第2種の触媒インクの塗布量は、親水性領域L1を形成するための第1種の触媒インクの塗布量よりも大きく設定される。この結果、撥水性領域L2の単位面積あたりの触媒量は、親水性領域L1の単位面積あたりの触媒量よりも大きくなる。
なお、ステップS106,S108の処理は、ステップS102,104の処理よりも先行して行われてもよい。あるいは、ステップS106の処理は、ステップS104の処理よりも先行して行われてもよい。
ステップS110では、2つのガス拡散層116a,116cが2つの電極触媒層114a,114cに接合される。なお、本実施例では、接合は、ホットプレス法を利用して、行われる。
図6の処理によって発電ユニット110が得られ、複数の発電ユニット110を用いて燃料電池100が作製される。
なお、本実施例では、触媒インクの塗布は、インクジェット装置を利用して行われているが、これに代えて、ディスペンサ装置や、スクリーン印刷装置を用いてもよい。
また、本実施例では、親水性領域L1を形成するために、触媒インクに親水剤が添加されているが、親水性を高めるための他の処理が施されてもよい。例えば、触媒を担持するカーボン粒子に親水基(例えばヒドロキシ基)を修飾することによって、親水性を高めることができる。
同様に、本実施例では、撥水性領域L2を形成するために、触媒インクに撥水剤が添加されているが、撥水性を高めるための他の処理が施されてもよい。例えば、触媒を担持するカーボン粒子に疎水基(例えばアルキル基)を修飾したり、フッ素化したりすることによって、撥水性を高めることができる。
なお、変形例(図4,図5)の発電ユニット110A,110Bも、発電ユニット110と同様に作製可能である。ただし、変形例の発電ユニット110A,110Bが作製される場合には、ステップS106で準備されるカソード用の2種類の触媒インクが変更される。図4の発電ユニット110Aが作製される場合には、例えば、親水性領域LA1を形成する第1種の触媒インクとして、親水剤が添加されていない触媒インクが利用され、撥水性領域LA2を形成する第2種の触媒インクとして、撥水剤が添加された触媒インクが利用されればよい。同様に、図5の発電ユニット110Bが作製される場合には、親水性領域LB1を形成する第1種の触媒インクとして、親水剤が添加された触媒インクが利用され、撥水性領域LB2を形成する第2種の触媒インクとして、撥水剤が添加されていない触媒インクが利用されればよい。
D.実験結果:
5種類の発電ユニットを作製して実験を行った。図7は、実験で利用された5種類の発電ユニットU1〜U5の電極触媒層の特徴を示す説明図である。なお、第4の発電ユニットU2は、図4の発電ユニット110Aに相当し、第5の発電ユニットU5は、図2の発電ユニット110に相当する。
各発電ユニットU1〜U5の第1の電極触媒層(アノード)114aは同じであり、アノード用の標準インクを利用して形成された。なお、標準インクは、親水性および撥水性を高めるための処理が施されていない触媒インクを示す。
各発電ユニットU1〜U5の第2の電極触媒層(アノード)114cは互いに異なっており、1種類または2種類のインクを利用して形成された。具体的には、第1の発電ユニットU1のカソード114cは、カソード用の標準インクを利用して形成された。第2および第4の発電ユニットU2,U4のカソード114cの親水性領域は、カソード用の標準インクを利用して形成され、撥水性領域は、撥水性インクを利用して形成された。第3および第5の発電ユニットU3,U5のカソード114cの親水性領域は、親水性インクを利用して形成され、撥水性領域は、撥水性インクを利用して形成された。なお、親水性インクは、親水性を高めるための処理が施された触媒インクを示し、撥水インクは、撥水性を高めるための処理が施された触媒インクを示す。
図8は、図7に示す各触媒インクの組成を示す説明図である。なお、図8では、組成は、重量比で示されている。
図8(A)〜(C)は、カソード用の各触媒インクの組成を示している。具体的には、図8(A)は、標準インクの組成を示しており、図8(B)は、撥水性インクの組成を示しており、図8(C)は、親水性インクの組成を示している。図8(A)〜(C)を比較して分かるように、撥水性インクの組成は、標準インクの組成とほぼ同様であるが、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)が追加されている。また、親水性インクの組成は、標準インクの組成とほぼ同様であるが、TiO2 (チタニア)が追加されている。
図8(D)は、アノード用の標準インクの組成を示している。図8(A),(D)を比較して分かるように、アノード用の標準インクの組成は、カソード用の標準インクの組成とほぼ同様であるが、電解質の重量比が変更されている。
なお、図8(A)〜(D)の触媒担持カーボンは、白金(Pt)触媒を担持しており、触媒の担持率は同じである。
各発電ユニットU1〜U5は、以下のように作製された。まず、図7に示す1種類のアノード用の標準インクが準備されると共に、1種類または2種類のカソード用の触媒インクが準備された。各触媒インクは、図8に示す各材料を混合・攪拌し、超音波ホモジナイザを利用して20分間分散させることによって、作製された。なお、分散処理は、懸濁液内で触媒担持カーボンを均一に分布させるために行われる。
次に、インクジェット装置を用いて、電解質膜上にアノードが形成された。図7に示すように、各発電ユニットU1〜U5に関し、アノード用の標準インクの塗布量は、単位面積あたりの触媒量(Pt量)が0.1mg/cm2 となるように設定された。
また、インクジェット装置を用いて、電解質膜上にカソードが形成された。図7に示すように、第1の発電ユニットU1に関し、カソード用の標準インクの塗布量は、単位面積あたりの触媒量(Pt量)が0.3mg/cm2 となるように設定された。第2〜第5の発電ユニットU2〜U5に関し、ストライプ状に親水性領域と撥水性領域とが形成されるように、1mmピッチで2種類の触媒インクが塗布された。具体的には、第2の発電ユニットU2に関し、カソード用の標準インクの塗布量と撥水性インクの塗布量とは、共に、単位面積あたりの触媒量が0.3mg/cm2 となるように設定された。第3の発電ユニットU3に関し、親水性インクの塗布量と撥水性インクの塗布量とは、共に、単位面積あたりの触媒量が0.3mg/cm2 となるように設定された。第4の発電ユニットU4に関し、カソード用の標準インクの塗布量と撥水性インクの塗布量とは、それぞれ、単位面積あたりの触媒量が0.14mg/cm2 ,0.3mg/cm2 となるように設定された。第5の発電ユニットU5に関し、親水性インクの塗布量と撥水性インクの塗布量とは、それぞれ、単位面積あたりの触媒量が0.14mg/cm2 ,0.3mg/cm2 となるように設定された。
最後に、第1のガス拡散層116aと第2のガス拡散層116cとが、ホットプレス法を利用して、第1の電極触媒層(アノード)114aと第2の電極触媒層(カソード)114cとにそれぞれ接合された。圧熱プレスは、140℃,4MPaの条件下で、3分間行われた。
上記の処理を経て、5種類の発電ユニットU1〜U5が得られた。なお、第1ないし第3の発電ユニットU1〜U3のカソードの単位面積あたりの平均触媒量(Pt量)は、0.3mg/cm2 であるが、第4,第5の発電ユニットU4,U5のカソードの単位面積あたりの平均触媒量(Pt量)は、0.22mg/cm2 (=(0.14+0.3)/2)である。
図9は、5種類の発電ユニットU1〜U5の電圧−電流特性を示す実験結果である。なお、図9(A)〜(C)において、横軸は電流密度(mA/cm2 )を示しており、縦軸は発電ユニットの出力電圧(mV)を示している。
図9(A)には、第1,第2,第3の発電ユニットU1,U2,U3の電圧−電流特性を示す曲線C1,C2,C3が示されている。図9(B)には、第1,第4,第5の発電ユニットU1,U4,U5の電圧−電流特性を示す曲線C1,C4,C5が示されている。なお、図9(A),(B)に示される曲線C1は同じである。また、図9(B)に示される曲線C4,C5はほぼ重なっている。図9(C)には、図9(A),(B)の一点鎖線で囲まれた領域が拡大して示されている。具体的には、電流密度1000mA/cm2 における5種類の発電ユニットU1〜U5の電圧の測定点が示されている。
図7に示すように、第2および第3の発電ユニットU2,U3のカソードの触媒量は同じである。しかしながら、図9(A),(C)に示すように、比較的高い電流密度において、第3の発電ユニットU3の出力電圧は、第2の発電ユニットU2の出力電圧よりも高くなった。同様に、図7に示すように、第4および第5の発電ユニットU4,U5のカソードの触媒量は同じである。しかしながら、図9(B),(C)に示すように、比較的高い電流密度において、第5の発電ユニットU5の出力電圧は、第4の発電ユニットU4の出力電圧よりも高くなった。これは、第3,第5の発電ユニットU3,U5のカソードの親水性領域は、親水剤が添加された親水性インクによって形成されているが、第2,第4の発電ユニットU2,U4のカソードの親水性領域は、親水剤が添加されていない標準インクによって形成されているためである(図7参照)。
また、図7に示すように、第1ないし第3の発電ユニットU1〜U3のカソードの触媒量は同じである。しかしながら、図9(A),(C)に示すように、比較的高い電流密度において、第2および第3の発電ユニットU2,U3の出力電圧は、第1の発電ユニットU1の出力電圧よりも高くなった。これは、第1の発電ユニットU1のカソードは、親水性領域および撥水性領域を含んでいないが、第2および第3の発電ユニットU2,U3のカソードは、親水性領域および撥水性領域を含むためである(図7参照)。
ところで、図7に示すように、第4および第5の発電ユニットU4,U5のカソードの触媒量は第1の発電ユニットU1の触媒量よりも小さい。具体的には、前述したように、第4,第5の発電ユニットU4,U5のカソードの単位面積あたりの平均触媒量は、0.22mg/cm2 (=(0.14+0.3)/2)であり、第1の発電ユニットU1〜U3のカソードの単位面積あたりの平均触媒量(0.3mg/cm2 )よりも、約30%小さい。しかしながら、図9(B),(C)に示すように、比較的高い電流密度において、第4および第5の発電ユニットU4,U5の出力電圧は、第1の発電ユニットU1の出力電圧よりもやや高くなった。これは、第1の発電ユニットU1のカソードは、親水性領域および撥水性領域を含んでいないが、第4および第5の発電ユニットU4,U5のカソードは、親水性領域および撥水性領域を含むためである(図7参照)。この結果から、第4および第5の発電ユニットU4,U5では、親水性領域および撥水性領域を形成し、かつ、各領域の触媒量を調整することにより、発電ユニットの出力電圧の低下を抑制しつつ、触媒量をかなり低減することが可能となっていると言える。
以上説明したように、本実施例では、第2の電極触媒層114cの親水性領域L1では水が拡散し易くなり、撥水性領域L2では、反応ガスが拡散し易くなる。そして、反応ガスの拡散量の比較的大きな撥水性領域L2の単位面積あたりの触媒量は、反応ガスの拡散量の比較的小さな親水性領域L1の単位面積あたりの触媒量よりも多いため、撥水性領域L2において、反応ガスを効率よく電気化学反応に利用することができる。すなわち、燃料電池100の出力電圧の低下を抑制しつつ、第2の電極触媒層114cに含まれる触媒の量を低減することが可能となる。特に、触媒として貴金属触媒(例えば白金(Pt))が利用される場合には、燃料電池100のコストをかなり低減させることができるという利点もある。
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
(1)上記実施例では、第1種の触媒インクに含まれる触媒担持カーボンの触媒の担持率(第1の担持率)と、第2種の触媒インクに含まれる触媒担持カーボンの触媒の担持率(第2の担持率)とは、同じである。このため、上記実施例では、第1種の触媒インクの塗布量と第2種の触媒インクの塗布量とを変更することによって、親水性領域と撥水性領域との単位面積あたりの触媒量が変更されている。
しかしながら、第1の担持率と第2の担持率とは異なっていてもよい。この場合には、第1種の触媒インクの塗布量と第2種の触媒インクの塗布量とを等しくしても、親水性領域と撥水性領域との単位面積あたりの触媒量を変更することができる。具体的には、第1の担持率を第2の担持率よりも小さく設定すれば、2種類の触媒インクの塗布量をほぼ等しくしても、親水性領域の単位面積あたりの触媒量を、撥水性領域の単位面積あたりの触媒量よりも小さくすることができる。
一般には、親水性領域の単位面積あたりの触媒の量が、撥水性領域の単位面積あたりの触媒の量よりも小さく設定されていればよい。
(2)上記実施例では、電解質膜112上に触媒インクを塗布することによって電解質膜112上に電極触媒層114a,114cが形成されているが、これに代えて、他の支持体上に触媒インクを塗布し、その後、支持体上の塗布層(電極触媒層)を電解質膜112に接合することによって、電解質膜上に電極触媒層が形成されてもよい。支持体としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)膜などのフッ素系樹脂で形成された膜(シート)を用いることができる。なお、この場合には、塗布層(電極触媒層)の接合後に支持体(シート)を剥離すればよい。
なお、上記のように、電解質膜以外の支持体が利用される場合には、前述のように、第1の担持率と第2の担持率とを変更することが好ましい。こうすれば、第1種の触媒インクの塗布量と第2種の触媒インクの塗布量とをほぼ等しく設定することによって、親水性領域の厚みと撥水性領域の厚みとをほぼ等しく設定することができる。
燃料電池100の内部構造を模式的に示す説明図である。 図1の発電ユニット110を拡大して示す説明図である。 図1の発電ユニット110とセパレータ120との関係を拡大して示す説明図である。 第1の変形例としての発電ユニット110Aを示す説明図である。 第2の変形例としての発電ユニット110Bを示す説明図である。 発電ユニット110(図2)の作製手順を示すフローチャートである。 実験で利用された5種類の発電ユニットU1〜U5の電極触媒層の特徴を示す説明図である。 図7に示す各触媒インクの組成を示す説明図である。 5種類の発電ユニットU1〜U5の電圧−電流特性を示す実験結果である。
符号の説明
100…燃料電池
110,A,B…発電ユニット
112…電解質膜
114a…第1の電極触媒層(アノード)
114c,Ac,Bc…第2の電極触媒層(カソード)
116a,116c…ガス拡散層
120…セパレータ
121…アノード側ガス通路
122…カソード側ガス通路
L1,LA1,LB1…親水性領域
L2,LA2,LB2…撥水性領域

Claims (6)

  1. 燃料電池のための電極触媒層であって、
    第1の領域と、
    前記第1の領域よりも撥水性の高い第2の領域と、
    を含み、
    前記第1の領域の単位面積あたりの触媒の量は、前記第2の領域の単位面積あたりの前記触媒の量よりも小さいことを特徴とする電極触媒層。
  2. 請求項1記載の電極触媒層であって、
    前記第2の領域には、撥水性を高めるための処理が施されている、電極触媒層。
  3. 請求項1または2記載の電極触媒層であって、
    前記第1の領域には、親水性を高めるための処理が施されている、電極触媒層。
  4. 燃料電池のための膜電極接合体であって、
    電解質膜と、
    前記電解質膜の第1の面側に設けられた第1の電極触媒層と、
    前記電解質膜の第2の面側に設けられた第2の電極触媒層と、
    を備え、
    前記第1の電極触媒層と前記第2の電極触媒層とのうちの少なくとも一方は、請求項1ないし3のいずれかに記載の電極触媒層であることを特徴とする膜電極接合体。
  5. 燃料電池のための電極触媒層の製造方法であって、
    (a)触媒を含む第1の分散液と、前記触媒を含む第2の分散液と、を準備する工程と、
    (b)支持体上に前記第1の分散液を塗布することによって前記電極触媒層に含まれる第1の領域を形成し、前記支持体上に前記第2の分散液を塗布することによって前記電極触媒層に含まれる第2の領域であって、前記第1の領域よりも撥水性の高い前記第2の領域を形成する工程と、
    を含み、
    前記第1の分散液の塗布と前記第2の分散液の塗布とは、前記第1の領域の単位面積あたりの触媒の量が、前記第2の領域の単位面積あたりの前記触媒の量よりも小さくなるように、行われることを特徴とする製造方法。
  6. 請求項5記載の製造方法であって、
    前記第1の分散液の単位面積あたりの塗布量を前記第2の分散液の単位面積あたりの塗布量よりも小さくすることによって、前記第1の領域の単位面積あたりの前記触媒の量を前記第2の領域の単位面積あたりの前記触媒の量よりも小さくする、製造方法。
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