JP2008242445A - 液晶配向剤および液晶表示素子 - Google Patents

液晶配向剤および液晶表示素子 Download PDF

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Abstract

【課題】特に垂直配向型の液晶表示素子に適用するのに適した高い垂直配向性と高い耐熱性とを有した液晶配向膜を与える液晶配向剤、および高品位の表示特性を示す液晶表示素子を提供すること。
【解決手段】液晶配向剤は、(a)2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物に代表される特定の化合物を含むテトラカルボン酸二無水物と、(b)1−(3,5−ジアミノフェニル)−3−オクタデシルスクシンイミドに代表される特定の化合物を含むジアミンとの反応によって得られるポリアミック酸および/またはそのイミド化重合体を含有する。
液晶表示素子は、上記液晶配向剤から形成された液晶配向膜を具備する。
【選択図】なし

Description

本発明は液晶配向剤および液晶配向膜を有する液晶表示素子に関する。さらに詳しくは、高い垂直配向性を有しており、かつ耐熱性に優れた液晶配向膜を与える液晶配向剤および該液晶配向剤から形成された液晶配向膜を具備する液晶表示素子に関する。
現在、液晶表示素子としては、ITO(酸化インジウム−酸化スズ)等の透明導電膜が設けられている基板表面にポリアミック酸、ポリイミドなどからなる液晶配向膜を形成して液晶表示素子用基板とし、その2枚を対向配置してその間隙内に正の誘電異方性を有するネマティック型液晶の層を形成してサンドイッチ構造のセルとし、液晶分子の長軸が一方の基板から他方の基板に向かって連続的に90°捻れるようにした、いわゆるTN(Twisted Nematic)型液晶セルを有するTN型液晶表示素子が知られている。また、TN型液晶表示素子に比してコントラストが高くて、その視角依存性の少ないSTN(Super Twisted Nematic)型液晶表示素子が開発されている。このSTN型液晶表示素子は、ネマティック型液晶に光学活性物質であるカイラル剤をブレンドしたものを液晶として用い、液晶分子の長軸が基板間で180°以上にわたって連続的に捻れる状態となることにより生じる複屈折効果を利用するものである。
さらに近年、液晶を駆動するための2つの電極を片側の基板に櫛歯状に配置し、基板面に平行な電界を発生させ、液晶分子をコントロールする横電界型液晶表示素子が提案されている。この素子は一般的にインプレーンスイッチング型(IPS型)と呼ばれ、広視野角特性に優れることで知られている。特にIPS型素子を光学補償フィルムと併用した場合、視野角特性をさらに向上させることができ、階調反転や色調変化のない、ブラウン管にも匹敵する広視野角を得られることが大きな特徴である。
これらのほか、負の誘電異方性を有する液晶分子を基板に垂直に配向してなるMVA(Multi−Domain Vertical Alignment)方式やPVA(Patterned Vertical Alignment)方式と呼ばれる垂直配向型液晶表示素子が提案されている(特許文献1および非特許文献1参照。)。これら垂直配向方式の液晶表示素子は、視野角、コントラストなどに優れ、液晶配向膜の形成においてラビング処理を行わなくて良いなど、製造工程の面でも優れている。
近年、特にテレビ用途で使用される液晶表示素子の品位の向上のため、液晶配向膜への要求特性は多岐にわたって厳しくなってきている。特に垂直配向性の向上および耐熱性の向上に対する要求は厳しい。すなわち、垂直配向方式の液晶表示素子の場合、垂直配向性の確実な付与が必要になるが、液晶パネル設計上ないしプロセス上の要請から、例えば基板の段差、ODF(One Drop Fill)プロセスなどの垂直配向性を低下させる要因となる技術が導入されるようになったため、液晶配向膜にはさらなる垂直配向性の付与が求められてきた。また、液晶テレビにおいては、強い光源を使用することで表示品位を向上させているところ、光源による熱に対して高い耐久性を有する液晶配向膜が求められている。
特開平11−258605号公報 「液晶」、Vol.3(No.2)、p117(1999年)
本発明は上記の事情に基づいてなされたものであり、その目的は、特に垂直配向型の液晶表示素子に適用するのに適した高い垂直配向性と高い耐熱性とを有した液晶配向膜を与える液晶配向剤、および高品位の表示特性を持つ液晶表示素子を提供することにある。
本発明のさらに他の目的および利点は、以下の説明から明らかになろう。
本発明者らは上記目的を達成すべく鋭意検討を行った結果、液晶配向膜の構成成分として、適度な屈曲性を有する特定のテトラカルボン酸二無水物および疎水性の高い特定のジアミンとの反応により得られる特定の重合体を使用することにより、これから得られる液晶配向膜に良好な垂直配向性と優れた耐熱性とを付与することが可能であることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明の上記目的は第1に、
(a)下記式(1)
Figure 2008242445
で表される化合物および下記式(2)
Figure 2008242445
(式(2)中、Rは炭素数1〜10のアルキル基であり、nは0〜2の整数であり、nが2の場合には、2つのRはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1種を含むテトラカルボン酸二無水物と、
(b)下記式(3)〜(6)
Figure 2008242445
(式(3)〜(6)中、R〜Rは、それぞれ独立に、炭素数1〜40の線状、分枝状もしくは環状のアルキル基または炭素数4〜40の線状、分枝状もしくは環状のアルケニル基であり、R〜Rの有する水素原子のうちの1〜15個はフッ素原子で置換されていてもよく、AおよびAは、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基である。)
で表される化合物から選択される少なくとも1種を含むジアミンとの反応によって得られるポリアミック酸および/またはそのイミド化重合体を含有する液晶配向剤により達成される。
本発明の上記目的は第2に、上記の液晶配向剤から得られた液晶配向膜を具備する液晶表示素子によって達成される。
本発明の液晶配向剤により形成される液晶配向膜は、良好な垂直配向性を有し且つ耐熱性に優れていることから、垂直配向型の液晶表示素子に適用した場合、高温条件下でも光漏れ等によるコントラスト低下がなく、性能劣化しにくい利点を有する。
上記の如き液晶配向膜を具備する本発明の液晶表示素子は、種々の液晶表示装置、例えば卓上計算機、腕時計、置時計、携帯電話、計数表示板、ワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ、液晶テレビなどの表示装置として好適に用いることができる。
本発明の液晶配向剤は、
(a)上記式(1)および上記式(2)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1種を含むテトラカルボン酸二無水物と、
(b)上記式(3)〜(6)で表される化合物から選択される少なくとも1種を含むジアミンとの反応によって得られるポリアミック酸(以下、「特定ポリアミック酸」という。)および/またはそのイミド化重合体を含有する。
以下、本発明の液晶配向剤に含有される重合体を合成するために用いられるテトラカルボン酸無水物およびジアミンについて説明する。
<(a)テトラカルボン酸二無水物>
特定ポリアミック酸および/またはそのイミド化重合体の合成に用いられる(a)テトラカルボン酸二無水物は、上記式(1)および上記式(2)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1種(以下、「特定テトラカルボン酸二無水物」という。)を含有する。
上記式(2)で表される化合物の具体例としては、例えば1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−メチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−エチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−7−メチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−7−エチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−エチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5,8−ジメチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオンなどを挙げることができる。
特定ポリアミック酸の合成に際しては、本発明の効果を損なわない範囲で、特定テトラカルボン酸二無水物のほか、他のテトラカルボン酸二無水物を併用してもよい。他のテトラカルボン酸二無水物としては、例えば脂肪族テトラカルボン酸二無水物、脂環式テトラカルボン酸二無水物(ただし、特定テトラカルボン酸二無水物を除く。)、芳香族テトラカルボン酸二無水物などを挙げることができる。
上記脂肪族テトラカルボン酸二無水物としては、例えばブタンテトラカルボン酸二無水物等を挙げることができる。
上記脂環族テトラカルボン酸二無水物としては、例えば下記式(7)
Figure 2008242445
(式(7)中、Rは、相互に独立に、水素原子、ハロゲン原子または1価の有機基である。)
で表される化合物、下記式(8)または(9)
Figure 2008242445
(式(8)および(9)中、RおよびRは、それぞれ、芳香環を有する2価の有機基を示し、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子またはアルキル基を示し、複数存在するRおよびRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)
で表される化合物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジシクロヘキシルテトラカルボン酸二無水物、1,2,4−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、3,5,6−トリカルボキシノルボルナン−2−酢酸二無水物、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン−3,4,8,9−テトラカルボン酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、ビシクロ[2.2.2]−オクト−4−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物などを挙げることができる。
上記式(7)におけるRのハロゲン原子としては、例えば塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を挙げることができ、Rの1価の有機基としては、例えば炭素数1〜10のアルキル基、アルコキシル基などを挙げることができ、具体的には例えばメチル基、エチル基、メトキシル基などを挙げることができる。
上記式(7)で表される化合物の具体例としては、例えば1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2−ジエチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジエチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジクロロ−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−テトラメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物などを挙げることができる。
上記芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、例えばピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、3,3’,4,4’−パーフルオロイソプロピリデンジフタル酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオキサイド二無水物、エチレングリコール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、プロピレングリコール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、1,4−ブタンジオール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、1,6−ヘキサンジオール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、1,8−オクタンジオール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン−ビス(アンヒドロトリメリテート)、下記式(10)〜(13)
Figure 2008242445
で表される化合物などを挙げることができる。
これら他のテトラカルボン酸二無水物は1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
特定ポリアミック酸の合成に用いられる(a)テトラカルボン酸二無水物は、上記特定テトラカルボン酸二無水物を含有するが、特定テトラカルボン酸二無水物の合計量が全テトラカルボン酸二無水物中に占める割合は、重合反応性や得られる液晶配向膜の耐熱性の観点から、好ましくは80モル%以上であり、より好ましくは85〜100モル%である。
<(b)ジアミン>
特定ポリアミック酸の合成に用いられるジアミンは、上記式(3)〜(6)で表される化合物から選択される少なくとも1種(以下、「特定ジアミン」ともいう。)を含有する。
上記式(3)〜(6)で表されるジアミンにおいて、R〜Rで表される炭素数1〜40の線状のアルキル基としては、例えばn−ヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−オクタデシル基、n−エイコシル基など;
分枝状アルキル基としては、例えば1−メチルヘキシル基、1−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、2−エチルヘキシル基、1−エチルオクチル基、2−エチルオクチル基、3−エチルオクチル基、1,2−ジメチルヘキシル基、1,2−ジエチルヘキシル基、1,2−ジメチルオクチル基、1,2−ジエチルオクチル基、1−メチルデシル基、1−エチルデシル基、2−メチルデシル基、2−エチルデシル基など;
環状のアルキル基としては、例えばシクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロデカン、ノルボルネン、ビシクロオクタン、ビシクロウンデカン、アダマンタンなどの環状アルカンから水素原子を1個除去して得られる基、ステロイド骨格を有する基を、それぞれ挙げることができる。上記ステロイド骨格を有する基としては、コレスタノールなどのステロイド化合物から水酸基を除去して得られる基を挙げることができる。
〜Rで表される炭素数4〜40の線状、分枝状もしくは環状のアルケニル基としては、上記で例示したアルキル基の有する炭素−炭素結合のうちの1つ以上が二重結合となった基を挙げることができる。このうち、ステロイド骨格を有する環状のアルケニル基としては、例えばコレステロール、ラノステロール、デスモステロールなどのステロイド化合物から水酸基を除去して得られる基などを挙げることができる。
特定ジアミンとしては、上記式(3)〜(6)における基R〜Rがステロイド骨格を有する基であるジアミン、あるいは、
上記式(3)で表され、且つRが炭素数1〜20の線状、分枝状もしくは環状のアルキル基または炭素数4〜20の線状、分枝状もしくは環状のアルケニル基であるジアミンが好ましい。
特定ポリアミック酸の合成に際しては、上記特定ジアミンのほか、他のジアミンを併用してもよい。他のジアミンとしては、例えば脂肪族または脂環式ジアミン、分子内に2つの1級アミノ基および該1級アミノ基以外の窒素原子を有するジアミン、ジアミノオルガノシロキサン、芳香族ジアミンなどを挙げることができる。
上記脂肪族または脂環式ジアミンとしては、例えば1,3−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、4,4−ジアミノヘプタメチレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、1,4−ビス(アミノプロピル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(アミノプロピル)シクロヘキサン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、イソホロンジアミン、テトラヒドロジシクロペンタジエニレンジアミン、ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダニレンジメチレンジアミン、トリシクロ[6.2.1.02,7]−ウンデシレンジメチルジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)など;
上記分子内に2つの1級アミノ基および該1級アミノ基以外の窒素原子を有するジアミンとしては、例えば2,3−ジアミノピリジン、2,6−ジアミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン、2,4−ジアミノピリミジン、5,6−ジアミノ−2,3−ジシアノピラジン、5,6−ジアミノ−2,4−ジヒドロキシピリミジン、2,4−ジアミノ−6−ジメチルアミノ−1,3,5−トリアジン、1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン、2,4−ジアミノ−6−イソプロポキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メトキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−1,3,5−トリアジン、4,6−ジアミノ−2−ビニル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−5−フェニルチアゾール、2,6−ジアミノプリン、5,6−ジアミノ−1,3−ジメチルウラシル、3,5−ジアミノ−1,2,4−トリアゾール、6,9−ジアミノ−2−エトキシアクリジンラクテート、3,8−ジアミノ−6−フェニルフェナントリジン、1,4−ジアミノピペラジン、3,6−ジアミノアクリジン、ビス(4−アミノフェニル)フェニルアミンなど;
上記ジアミノオルガノシロキサンとしては、例えば下記式(14)
Figure 2008242445
(式(14)中、複数あるR10は、相互に独立に、水素原子または1価の有機基を示し、複数存在するR11は、相互に独立に、メチレン基または炭素数2〜20のアルキレン基であり、pは1〜20の整数である。)
で表される化合物など;
上記芳香族ジアミンとしては、例えばp−フェニレンジアミン、2−メチル−1,4−フェニレンジアミン、2−エチル−1,4−フェニレンジアミン、2,5−ジメチル−1,4−フェニレンジアミン、2,5−ジエチル−1,4−フェニレンジアミン、2,3,5,6−テトラメチル−1,4−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノベンズアニリド、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,5−ジアミノナフタレン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、5−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、6−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)−10−ヒドロアントラセン、2,7−ジアミノフルオレン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、4,4’−メチレン−ビス(2−クロロアニリン)、2,2’,5,5’−テトラクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジクロロ−4,4’−ジアミノ−5,5’−ジメトキシビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、1,4,4’−(p−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−(m−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、2,2’−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、4,4’−ビス[(4−アミノ−2−トリフルオロメチル)フェノキシ]−オクタフルオロビフェニル、4−(4−n−ヘプチルシクロヘキシル)フェノキシ−2,4−ジアミノベンゼン、下記式(15)ないし(17)
Figure 2008242445
(式(15)ないし(17)中、Xは、相互に独立に、単結合、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−NHCO−、−CONH−、−S−、メチレン基、炭素数2〜6のアルキレン基またはフェニレン基であり、R12は単素数10〜20のアルキル基、炭素数4〜40の脂環式骨格を有する1価の有機基または炭素数6〜20のフッ素原子を有する一価の有機基であり、R13は炭素数4〜40の脂環式骨格を有する2価の有機基またはフッ素原子を有する炭素数5〜30の2価の有機基であり、qは1〜20の整数である。)
で表される化合物などを、それぞれ挙げることができる。
上記式(15)で表わされるジアミンとしては、例えば下記式(18)〜(32)
Figure 2008242445
Figure 2008242445
で表される化合物などを、また、上記式(16)で表される化合物としては、下記式(33)〜(37)
Figure 2008242445
で表される化合物などを、それぞれ挙げることができる。
特定ポリアミック酸の合成に際して特定ジアミンと他のジアミンとを併用する場合、特定ジアミンの使用割合が全ジアミンに対して1モル%以上であることが好ましく、特に好ましくは5モル%以上である。
<特定ポリアミック酸の合成>
次に、本発明の液晶配向剤が含有することのできる特定ポリアミック酸の合成方法について説明する。
特定ポリアミック酸は、上記特定テトラカルボン酸二無水物および場合により他のテトラカルボン酸二無水物と、特定ジアミンおよび場合により他のジアミンとを、好ましくは有機溶媒中において、好ましくは−20℃〜150℃、より好ましくは0〜100℃の温度条件下で、好ましくは0.5〜72時間反応させることにより合成することができる。
特定ポリアミック酸の合成反応に供されるテトラカルボン酸二無水物とジアミンの使用割合は、ジアミンのアミノ基1当量に対して、テトラカルボン酸二無水物の酸無水物基が0.5〜2当量となる割合が好ましく、さらに好ましくは0.7〜1.2当量となる割合である。
ここで、有機溶媒としては、合成される特定ポリアミック酸を溶解できるものであれば特に制限はなく、例えば1−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、3−ヘキシルオキシ−N,N−ジメチルプロパンアミドなどのアミド系溶剤;ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルトリアミドなどの非プロトン系極性溶媒;m−クレゾール、キシレノール、フェノール、ハロゲン化フェノールなどのフェノール系溶媒などを例示することができる。有機溶媒の使用量(α)は、テトラカルボン酸二無水物およびジアミン化合物の総量(β)の反応溶液の全量(α+β)に対する割合(モノマー濃度)が0.1〜30重量%になるような量であることが好ましい。
上記有機溶媒には、特定ポリアミック酸の貧溶媒であるアルコール、ケトン、エステル、エーテル、ハロゲン化炭化水素、炭化水素などを、生成する特定ポリアミック酸が析出しない範囲で併用することができる。かかる貧溶媒の具体例としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチル、乳酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルメトキシプロピオネ−ト、エチルエトキシプロピオネ−ト、シュウ酸ジエチル、マロン酸ジエチル、ジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、エチレングリコール−i−プロピルエーテル、エチレングリコール−n−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,4−ジクロロブタン、トリクロロエタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、イソアミルプロピオネート、イソアミルイソブチレート、ジイソペンチルエーテルなどを挙げることができる。
有機溶媒および貧溶媒を併用する場合、貧溶媒の使用割合は、有機溶媒および貧溶媒の合計量に対して好ましくは50重量%以下であり、より好ましくは20重量%以下であり、さらに10重量%以下であることが好ましい。
以上のようにして、特定ポリアミック酸を溶解してなる反応溶液が得られる。この反応溶液はそのまま液晶配向剤の調製に供してもよく、反応溶液中に含まれる特定ポリアミック酸を単離したうえで液晶配向剤の調製に供してもよく、または単離した特定ポリアミック酸を精製したうえで液晶配向剤の調製に供してもよい。特定ポリアミック酸の単離は、上記反応溶液を大量の貧溶媒中に注いで析出物を得、この析出物を減圧下乾燥する方法、あるいは、反応溶液をエバポレーターで減圧留去する方法により行うことができる。また、この特定ポリアミック酸を再び有機溶媒に溶解し、次いで貧溶媒で析出させる方法、あるいは、エバポレーターで減圧留去する工程を1回または数回行う方法により、特定ポリアミック酸を精製することができる。
<特定ポリアミック酸のイミド化重合体の合成方法>
次に、本発明の液晶配向剤が含有することのできる特定ポリアミック酸のイミド化重合体の合成方法について説明する。
特定ポリアミック酸のイミド化重合体は、上記特定ポリアミック酸の有するアミック酸構造のうちの一部または全部を脱水閉環することにより合成することができる。本発明に用いることのできるイミド化重合体は、アミック酸構造のすべてが脱水閉環された完全イミド化体であってもよく、あるいはアミック酸構造の数とイミド環の数との合計に対するイミド環の数の割合(以下、「イミド化率」ともいう)が100%未満の、部分的に脱水閉環されたものであってもよい。このイミド化率は、重合体のH−NMRから下記数式(1)により求めることができる。

イミド化率(%)=(1−A1/A2×α)×100 (1)

(数式(1)中、A1はNH基のプロトンに由来する化学シフト10ppm付近のピーク面積であり、A2は芳香族プロトンに由来する化学シフト7〜8ppm付近のピーク面積であり、αはイミド化反応前のポリアミック酸におけるNH基のプロトン1個に対する芳香族プロトンの個数の割合である。)
特定ポリアミック酸の脱水閉環反応は、(i)特定ポリアミック酸を加熱する方法または(ii)特定ポリアミック酸を有機溶媒に溶解しこの溶液中に脱水剤および脱水閉環触媒を添加し必要に応じて加熱する方法により行われる。
上記(i)の特定ポリアミック酸を加熱する方法における反応温度は、好ましくは50〜200℃であり、より好ましくは60〜170℃である。反応温度が50℃未満では脱水閉環反応が十分に進行せず、反応温度が200℃を超えると得られるイミド化重合体の分子量が低下することがある。反応時間は、好ましくは1〜120時間であり、より好ましくは2〜30時間である。
一方、上記(ii)の特定ポリアミック酸の溶液中に脱水剤および脱水閉環触媒を添加する方法において、脱水剤としては、例えば無水酢酸、無水プロピオン酸、無水トリフルオロ酢酸などの酸無水物を用いることができる。脱水剤の使用量は、所望するイミド化率によるが、特定ポリアミック酸の繰り返し単位1モルに対して0.01〜20モルとするのが好ましい。脱水閉環触媒としては、例えばピリジン、コリジン、ルチジン、トリエチルアミンなどの3級アミンを用いることができる。しかし、これらに限定されるものではない。脱水閉環触媒の使用量は、使用する脱水剤1モルに対して0.01〜10モルとするのが好ましい。イミド化率は上記の脱水剤、脱水閉環剤の使用量が多いほど高くすることができる。脱水閉環反応に用いられる有機溶媒としては、特定ポリアミック酸の合成に用いられるものとして上記に例示した有機溶媒を挙げることができる。脱水閉環反応の反応温度は、好ましくは0〜180℃であり、より好ましくは10〜150℃である。反応時間は好ましくは0.5〜30時間であり、より好ましくは2〜10時間である。
上記方法(i)において得られるイミド化重合体は、これをそのまま液晶配向剤の調製に供してもよく、あるいは得られるイミド化重合体を精製したうえで液晶配向剤の調製に供してもよい。一方、上記方法(ii)においてはイミド化重合体を含有する反応溶液が得られる。この反応溶液は、これをそのまま液晶配向剤の調製に供してもよく、反応溶液から脱水剤及び脱水閉環触媒を除いたうえで液晶配向剤の調製に供してもよく、イミド化重合体を単離したうえで液晶配向剤の調製に供してもよく、または単離したイミド化重合体を精製したうえで液晶配向剤の調製に供してもよい。反応溶液から脱水剤及び脱水閉環触媒を除くには、例えば溶媒置換などの方法を適用することができる。イミド化重合体の単離、精製は、それぞれ特定ポリアミック酸の単離、精製方法として上記したのと同様の操作を行うことにより行うことができる。
<末端修飾型の重合体>
本発明で用いられる特定ポリアミック酸またはそのイミド化重合体は、分子量が調節された末端修飾型のものであってもよい。末端修飾型の重合体を用いることにより、本発明の効果が損われることなく液晶配向剤の塗布特性などを改善することができる。このような末端修飾型の重合体は、特定ポリアミック酸を合成する際に、酸一無水物、モノアミン化合物、モノイソシアネート化合物などの分子量調節剤を反応系に添加することにより合成することができる。ここで、酸一無水物としては、例えば無水マレイン酸、無水フタル酸、無水イタコン酸、n−デシルサクシニック酸無水物、n−ドデシルサクシニック酸無水物、n−テトラデシルサクシニック酸無水物、n−ヘキサデシルサクシニック酸無水物などを挙げることができる。モノアミン化合物としては、例えばアニリン、シクロヘキシルアミン、n−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン、n−ウンデシルアミン、n−ドデシルアミン、n−トリデシルアミン、n−テトラデシルアミン、n−ペンタデシルアミン、n−ヘキサデシルアミン、n−ヘプタデシルアミン、n−オクタデシルアミン、n−エイコシルアミンなどを挙げることができる。モノイソシアネート化合物としては、例えばフェニルイソシアネート、ナフチルイソシアネートなどを挙げることができる。
分子量調節剤は、特定ポリアミック酸を合成する際に使用するテトラカルボン酸二無水物およびジアミンの合計100重量部に対して好ましくは20重量部以下、より好ましくは10重量部以下の範囲で用いられる。
<重合体の溶液粘度>
以上のようにして得られる特定ポリアミック酸またはそのイミド化重合体は、濃度10重量%の溶液としたときに、20〜800mPa・sの溶液粘度を持つものであることが好ましく、30〜500mPa・sの溶液粘度を持つものであることがより好ましい。
上記重合体の溶液粘度(mPa・s)は、当該重合体の良溶媒(例えばγ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドンなど)を用いて調製した濃度10重量%の重合体溶液につき、E型回転粘度計を用いて25℃において測定した値である。
<他の重合体>
本発明の液晶配向剤においては、本発明の効果を損なわない限り、上記特定ポリアミック酸またはそのイミド化重合体の一部をその他のポリアミック酸およびそのイミド化重合体からなる群から選択される少なくとも一種(以下、「他の重合体」という。)で置き換えることができる。
上記他の重合体は、特定ポリアミック酸以外のポリアミック酸またはそのイミド化重合体であれば特に限定されるものではないが、上述の他のテトラカルボン酸二無水物と他のジアミンとの反応によって得られる重合体またはそのイミド化重合体であることが好ましい。ここで使用される他のテトラカルボン酸二無水物としては、脂環族テトラカルボン酸二無水物または芳香族テトラカルボン酸二無水物が好ましく、特に1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物またはピロメリット酸二無水物が好ましい。ここで使用される他のジアミンとしては、芳香族ジアミンが好ましく、特に4,4−ジアミノジフェニルメタンが好ましい。
かかる他の重合体の合成は、特定テトラカルボン酸二無水物および特定ジアミンの代わりに他のテトラカルボン酸二無水物および他のジアミンを用いて、特定ポリアミック酸およびそのイミド化重合体の合成と同様にして行うことができる。
本発明の液晶配向剤が他の重合体を含有するものである場合、他の重合体の使用割合としては、重合体の合計量(特定ポリアミック酸およびそのイミド化重合体ならびに他の重合体の合計量をいう。以下同じ。)に対して好ましくは30重量%以下であり、より好ましくは25重量%以下である。
<その他の成分>
本発明の液晶配向剤は、上記の特定ポリアミック酸および/またはそのイミド化重合体を必須成分として含有するが、任意的にその他の成分を含有することができる。かかるその他の添加剤としては、例えばエポキシ化合物、官能性シラン化合物などを挙げることができる。
エポキシ化合物は、分子内に少なくとも1個、好ましくは2個以上のエポキシ基を有する化合物であり、形成される液晶配向膜の膜硬度をより高めるために添加することができる。本発明の液晶配向剤が含有することのできるエポキシ化合物としては、例えばエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、2,2−ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,3,5,6−テトラグリシジル−2,4−ヘキサンジオール、ベンゼン−1,4−ジオールジグリシジルエーテル、2−メチルベンゼン−1,4−ジオールジグリシジルエーテル、2−エチルベンゼン−1,4−ジオールジグリシジルエーテル、2−n−ヘキシルベンゼン−1,4−ジオールジグリシジルエーテル、2−n−ドデシルベンゼン−1,4−ジオールジグリシジルエーテル、2−トリフルオロメチルベンゼン−1,4−ジオールジグリシジルエーテル、2,5−ジエチルベンゼン−1,4−ジオールジグリシジルエーテルなどのグリシジルエーテル型エポキシ化合物;
N,N,N’,N’−テトラグリシジル−p−フェニレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−2−メチル−1,4−フェニレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−2−n−プロピル−1,4−フェニレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−2−n−ヘキシル−1,4−フェニレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−2−トリフルオロメチル−1,4−フェニレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−2,5−ジメチル−1,4−フェニレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−2,2’−ジエチル−4,4’−ジアミノビフェニル、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2−ビス[4−(N,N−ジグリシジル−4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)ベンゼン、1,4−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)ベンゼン、3−(N−アリルーN−グリシジル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(N,N−ジグリシジル)アミノプロピルトリメトキシシラン、N,N,−ジグリシジル−ベンジルアミン、N,N−ジグリシジル−アミノメチルシクロヘキサン、などのグリシジルアミン型エポキシ化合物などを挙げることができる。本発明の液晶配向剤におけるエポキシ化合物の使用割合としては、重合体の合計量100重量部に対して、好ましくは50重量部以下であり、より好ましくは0.1〜40重量部であり、さらに1〜30重量部であることが好ましい。
上記官能性シラン化合物は、得られる液晶配向膜の基板表面に対する接着性をより向上させるために添加することができる。かかる官能性シラン化合物の具体例としては、例えば3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、N−トリメトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、10−トリメトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、10−トリエトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、9−トリエトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(N−アリル−N−グリシジル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(N,N−ジグリシジル)アミノプロピルトリメトキシシランなどを挙げることができる。これらその他の官能性シラン化合物の配合割合は、重合体の合計量100重量部に対して、好ましくは10重量部以下であり、より好ましくは0.01〜5重量部である。
<液晶配向剤>
本発明の液晶配向剤は、特定ポリアミック酸および/またはそのイミド化重合体ならびに任意的に添加されるその他の成分が、好ましくは有機溶媒に溶解して含有された溶液状態として調製される。
本発明の液晶配向剤に使用される有機溶媒としては、特定ポリアミック酸の合成反応に用いられるものとして例示した溶媒を挙げることができる。また、特定ポリアミック酸の合成反応の際に併用することができるものとして例示した貧溶媒も適宜選択して併用することができる。
本発明の液晶配向剤に使用される特に好ましい有機溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、γ−ブチロラクタム、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、エチレングリコールモノメチルエーテル、乳酸ブチル、酢酸ブチル、メチルメトキシプロピオネ−ト、エチルエトキシプロピオネ−ト、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、エチレングリコール−i−プロピルエーテル、エチレングリコール−n−ブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、3−ヘキシルオキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、ジエチルカルビトール、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトール、トリエチレングリコールジメチルエーテル、イソアミルイソブチレート、ジイソペンチルエーテルなどを挙げることができる。これらは単独で使用することができ、または2種以上を混合して使用することができる。
本発明の液晶配向剤における固形分濃度(液晶配向剤中の溶媒以外の成分の合計重量を液晶配向剤の総重量で除した値)は、粘性、揮発性などを考慮して、1〜10重量%の範囲で選択されることが好ましい。本発明の液晶配向剤は、基板表面に塗布され、液晶配向膜となる塗膜が形成されるが、固形分濃度が1重量%未満である場合には、この塗膜の膜厚が過小となって良好な液晶配向膜を得ることができず、一方、固形分濃度が10重量%を超える場合には、塗膜の膜厚が過大となって良好な液晶配向膜を得ることができず、また、液晶配向剤の粘性が増大して塗布特性が劣るものとなる場合があり、いずれも好ましくない。
本発明の液晶配向剤のより好ましい固形分濃度の値は、本発明の液晶配向剤を基板に塗布する際に採用する方法によって異なる。例えばスピンナー法による場合には固形分濃度を1.5〜4.5重量%の範囲とすることが特に好ましい。印刷法による場合には、固形分濃度を4〜10重量%の範囲とし、それにより、溶液粘度を10〜50mPa・sの範囲とするのが特に好ましい。インクジェット法による場合には、固形分濃度を2〜5重量%の範囲とし、それにより、溶液粘度を3〜15mPa・sの範囲とするのが特に好ましい。
本発明の液晶配向剤の表面張力は、25〜40mN/mであることが好ましい。
本発明の液晶配向剤を調製する際の温度は、好ましくは0℃〜200℃であり、より好ましくは20℃〜60℃である。
<液晶表示素子>
本発明の液晶表示素子は、上記の如くして得られた本発明の液晶配向剤から得られた液晶配向膜を具備することを特徴とする。
本発明の液晶表示素子は、例えば次の工程(1)〜(4)により製造することができる。
(1)パターニングされた透明導電膜が設けられている基板の一面に、本発明の液晶配向剤をオフセット印刷法、スピンコート法、インクジェット印刷法などの適宜の塗布方法により塗布し、次いで、塗布面を加熱することにより塗膜を形成する。ここに、基板としては、例えばフロートガラス、ソーダガラスなどのガラス;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネートなどのプラスチックからなる透明基板などを用いることができる。基板の一面に設けられる透明導電膜としては、酸化スズ(SnO)からなるNESA膜(米国PPG社登録商標)、酸化インジウム−酸化スズ(In−SnO)からなるITO膜などを用いることができ、これらの透明導電膜のパターニングには、フォト・エッチング法や、透明導電膜を形成する際に予めマスクを用いる方法が用いられる。液晶配向剤の塗布に際しては、基板表面および透明導電膜と塗膜との接着性をさらに良好にするために、基板の表面に、官能性シラン化合物、官能性チタン化合物などを予め塗布しておいてもよい。液晶配向剤塗布後の加熱温度は好ましくは80〜300℃であり、より好ましくは120〜250℃である。加熱時間は好ましくは5〜200分であり、より好ましくは10〜100分である。なお、本発明の液晶配向剤は塗布後に有機溶媒を除去することによって配向膜となる塗膜を形成するが、本発明の液晶配向剤がアミック酸構造を有する重合体を含有するものである場合、さらに加熱することによってアミック酸構造の脱水閉環を進行させ、よりイミド化された塗膜としてもよい。
形成される塗膜の膜厚は、好ましくは0.001〜1μmであり、より好ましくは0.005〜0.5μmである。
(2)次いで、上記の如くして形成された塗膜面を、例えばナイロン、レーヨン、コットンなどの繊維からなる布を巻き付けたロールで一定方向に擦るラビング処理を行うか、あるいは塗膜表面に偏光紫外線を照射する方法や、塗膜表面にイオンビームを照射する方法により、液晶分子の配向能を塗膜に付与することができ、液晶配向膜を得ることができる。
(3)上記(1)ないし(2)のようにして得られた液晶配向膜は、必要に応じて洗浄を行ってもよい。洗浄溶剤としては、例えば水、アセトン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、テトラヒドロフラン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどを用いることができる。洗浄効率を高めるために、洗浄溶剤に界面活性剤を添加してもよく、あるいは溶剤を加熱して洗浄する方法、ブラッシングを併用する方法、超音波を併用する方法によってもよい。洗浄後は、そのまままたは適当な溶剤でリンス等を実施したのち、必要に応じて加熱乾燥を実施することもできる。
(4)上記のようにして液晶配向膜が形成された基板を2枚作製し、それぞれの液晶配向膜におけるラビング方向が直交または逆平行となるように、2枚の基板を、間隙(セルギャップ)を介して対向配置し、2枚の基板の周辺部をシール剤を用いて貼り合わせ、基板表面およびシール剤により区画されたセルギャップ内に液晶を注入充填し、注入孔を封止して液晶セルを構成する。そして、液晶セルの外表面、すなわち、液晶セルを構成するそれぞれの基板の他面側に、偏光板を、その偏光方向が当該基板の一面に形成された液晶配向膜のラビング方向と一致または直交するように貼り合わせることにより、液晶表示素子が得られる。ここに、シール剤としては、例えば硬化剤およびスペーサーとしての酸化アルミニウム球を含有するエポキシ樹脂などを用いることができる。液晶としては、ネマティック型液晶およびスメクティック型液晶を挙げることができ、その中でもネマティック型液晶が好ましく、例えばシッフベース系液晶、アゾキシ系液晶、ビフェニル系液晶、フェニルシクロヘキサン系液晶、エステル系液晶、ターフェニル系液晶、ビフェニルシクロヘキサン系液晶、ピリミジン系液晶、ジオキサン系液晶、ビシクロオクタン系液晶、キュバン系液晶などを用いることができる。また、これらの液晶に、例えばコレスチルクロライド、コレステリルノナエート、コレステリルカーボネートなどのコレステリック型液晶;商品名「C−15」「CB−15」(メルク社製)として販売されているようなカイラル剤;p−デシロキシベンジリデン−p−アミノ−2−メチルブチルシンナメートなどの強誘電性液晶などを添加して使用してもよい。
液晶セルの外表面に貼り合わされる偏光板としては、ポリビニルアルコールを延伸配向させながら、ヨウ素を吸収させた「H膜」と称される偏光膜を酢酸セルロース保護膜で挟んだ偏光板またはH膜そのものからなる偏光板を挙げることができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
以下の実施例、比較例において調製した液晶配向剤の評価は、以下の方法によった。
[垂直配向性の評価]
片面にITO膜からなる透明導電膜を有する厚さ1mmのガラス基板を2枚用意し、それぞれの基板の透明導電膜上に各実施例または比較例で調製した液晶配向剤溶液をスピンナーにより塗布し、200℃で60分間加熱することにより、膜厚0.06μmの被膜を有する基板を2枚得た。次いで、ナイロン製の布を巻き付けたロールを有するラビングマシーンを用いて、各基板について被膜面のラビング処理を行って液晶配向膜を得た。ラビング処理条件は、ロール回転数400rpm、ステージの移動速度30mm/秒、毛足押し込み長さ0.4mmとした。
これら基板の液晶配向膜を有するそれぞれの外縁に、直径5.5μmの酸化アルミニウム球入りエポキシ樹脂接着剤を液晶注入口を除いて塗布した後、液晶配向膜が内側になり、ラビング方向が逆平行になるように重ね合わせて圧着し、接着剤を硬化させた。次いで、液晶注入口より基板間に、ネマティック型液晶(ネガ型、メルク社製、MLC−6608)を充填した後、アクリル系光硬化接着剤で液晶注入口を封止し、基板の外側の両面に偏光板を張り合わせ、液晶表示素子を作製した。
この液晶表示素子につき、クリスタルローテーション法によりプレチルト角を測定した。
[電圧保持率の評価]
加熱後の被膜表面にラビング処理を行わなず、使用した液晶の種類をネマティック型液晶(ネガ型、メルク社製、MLC−6683)としたほかは上記[垂直配向性の評価]と同様にして液晶表示素子を作製した。
この液晶表示素子に対して60℃において5Vの電圧を60マイクロ秒の印加時間、16.7マイクロ秒のスパンで印加した後、印加解除から16.7ミリ秒後の電圧保持率を測定した。
[耐熱性の評価]
上記[電圧保持率の評価]と同様にして作製した液晶表示素子について、100℃で100時間の温度ストレスを与え、温度ストレスの前後における電圧保持率の変化が1%未満のものを「良好」とし、1%以上の場合を「不良」とした。
合成例
<特定ジアミンの合成例>
合成例b−1(1−(3,5−ジアミノフェニル)−3−オクタデシルスクシンイミドの合成)
窒素ガスで置換した300mL三口フラスコ中に3,5−ジニトロアニリン 12.81g(0.07mol)および酢酸70mLを加え、窒素ガスを流通しながら攪拌して固形物を溶解させた。ここに、オクタデシルコハク酸無水物24.64g(0.07mol)を加え窒素下で20h還流して反応させた。反応液を室温まで冷却した後、メタノール70mLを加えて一晩静置した。析出した固形分を濾別し、メタノールで洗浄した後に乾燥し、1−(3,5−ジニトロフェニル)−3−オクタデシルスクシンイミド30g(収率83%)を得た。
次に、窒素ガスで置換した500mLフラスコに、上記で合成した1−(3,5−ジニトロフェニル)−3−オクタデシルスクシンイミド30g(0.058mol)、エタノール100mL、テトラヒドロフラン(THF)100mLおよび還元触媒パラジウム炭素(Pd/C)25gを加えて70℃で1時間攪拌した。ここにヒドラジン一水和物42.5mL(43.75g)を加え6時間加熱還流し反応させた。Pd/Cを濾別し、濾液をロータリーエバポレーターにて濃縮した。得られた粗生成物をN−メチル−2−ピロリドン中で加熱溶解した後冷却して再結晶し、目的生成物である1−(3,5−ジアミノフェニル)−3−オクタデシルスクシンイミド14.6g(0.032mol、収率55%)を得た。
同様の操作を3回行い、後述する重合体の合成に必要な量の目的生成物を確保した。
合成例b−2(1−(3,5−ジアミノフェニル)−3−ドデシルスクシンイミドの合成)
オクタデシルコハク酸無水物24.64g(0.07mol)の代わりに、ドデシルコハク酸無水物18.76g(0.07mol)を用いたほかは、合成例b−1と同様にして、1−(3,5−ジアミノフェニル)−3−ドデシルスクシンイミド11g(0.030mol、収率51%)を得た。
合成例b−3(1−(3,5−ジアミノフェニル)−3−ヘプタデシル−4−メチルマレイミドの合成)
窒素置換した2,000mL三口フラスコにジメチルマレイン酸無水物31.5g(0.25mol)、N−ブロモスクシンイミド89.0g(0.5mol)、過酸化ベンゾイル1.0g(4.15mmol)および四塩化炭素1,500mLを加え、5h加熱還流した。反応液を室温まで冷却し、室温で一晩静置した後、濾過した。濾液を水で洗浄した後、有機層をロータリーエバポレーターで濃縮した。得られた油状の粗生成物を高真空下で蒸留し(120〜125℃/2mmHg)、中間体である3−ブロモメチル−4−メチルマレイン酸無水物20.0g(0.1mol、収率39%)を得た。
次に、アルゴンガスで置換した2,000mL三口フラスコに、上記で得られた3−ブロモメチル−4−メチルマレイン酸無水物16.4g(80mmol)、ヨウ化銅1.52g(8.0mmol)、ジエチルエーテル400mLおよびHMPA(ヘキサメチルリン酸トリアミド)160mLを加えた後、アルゴンガス流通下−5〜0℃に冷却した。この混合液を攪拌しながら、別途準備したヘキサデシルマグネシウムブロマイド400mmolのジエチルエーテル400mL溶液を、約20分かけて滴下した。混合液を室温に戻し、さらに8h攪拌した。その後、ジエチルエーテル600mLで希釈した4N−硫酸600mLを加えて溶液を酸性にした。分離した水層をジエチルエーテル600mLにてさらに洗浄し、有機層を合わせた。有機層を水で洗浄して硫酸ナトリウムで脱水した後、ロータリーエバポレーターで溶液を濃縮して油状の粗生成物を得た。この粗生成物を、展開溶剤として石油エーテル/酢酸エチル(19:1)混合溶液を用いシリカゲルカラムにて精製し、3−ヘプタデシル−4−メチル無水マレイン酸14.0g(0.04mol 収率50%)を得た。
次に窒素ガス置換された200mL三口フラスコ中に、3,5−ジニトロアニリン6.4g(0.035mol)および酢酸35mLを加えた。窒素ガスを流通させながら攪拌し、固形物を溶解した。ここに、上記で得られた3−ヘプタデシル−4−メチルマレイン酸無水物12.3g(0.035mol)を加え窒素下で20h還流し反応させた。反応液を室温まで冷却した後、メタノール35mLを加えて一晩静置した。固形分を濾別してメタノールで洗浄した後乾燥し、1−(3,5−ジニトロフェニル)−3−ヘプタデシル−4−メチルマレイミド14.6g(0.029mol 収率81%)を得た。
次に、窒素ガス置換された300mLフラスコに1−(3,5−ジニトロフェニル)−3−ヘプタデシル−4−メチルマレイミド13.4g(0.026mol)、エタノール50mL、THF50mLおよび還元触媒Pd/C12.5gを加え70℃で1時間攪拌した。次いでヒドラジン一水和物19mL(19.6g)を加え6時間加熱還流し反応させた。Pd/Cを濾別し、濾液をロータリーエバポレーターにて濃縮した。得られた粗生成物をN−メチル−2−ピロリドンで加熱溶解して冷却することにより再結晶し、目的生成物である1−(3,5−ジアミノフェニル)−3−ヘプタデシル−4−メチルマレイミド6.6g(0.015mol 収率56%)を得た。
同様の操作を2回行い、後述する重合体の合成に必要な量の目的生成物を確保した。
合成例b−4(1−(3,5−ジアミノフェニル)−3−ヘキサデカノキシメチル−4−メチルマレイミドの合成)
窒素置換した300mL三口フラスコに3,5−ジニトロアニリン12.81g(0.07mol)および酢酸70mLを加えた後、窒素ガスを流通しながら攪拌して固形物を溶解させた。ここに、合成例b−3の中間体と同様にして合成した3−(ブロモメチル)−4−メチルマレイン酸無水物14.35g(0.07mol)を加え窒素下で20h還流し反応させた。反応溶液を室温まで冷却した後、メタノール70mLを加えて一晩静置した。固形分を濾別し、メタノールで洗浄した後乾燥し、1−(3,5−ジニトロフェニル)−3−ブロモメチル−4−メチルマレイミド18.9g(0.051mol 収率73%)を得た。
次に、窒素置換した500mL三口フラスコに1−(3,5−ジニトロフェニル)−3−ブロモメチル−4−メチルマレイミド18.1g(0.049mol)、1−ヘキサデカノールナトリウム塩12.9g(0.049mol)およびジメチルスルホキシド100mLを加えた後、100℃で10h攪拌し反応させた。反応液を室温まで冷却した後、メタノール70mLを加えて一晩静置した。固形分を濾別し、メタノールで洗浄した後乾燥し、1−(3,5−ジニトロフェニル)−3−ヘキサデカノキシメチル−4−メチルマレイミド20.8g(0.039mol 収率80%)を得た。
次に、窒素ガス置換した300mLフラスコに1−(3,5−ジニトロフェニル)−3−ヘキサデカノキシメチル−4−メチルマレイミド13.8g(0.026mol)、エタノール50mL、THF50mLおよび還元触媒Pd/C12.5gを加え70℃で1時間攪拌した。その後ヒドラジン一水和物19mL(19.6g)を加え6時間加熱還流し反応させた。Pd/Cを濾別し、濾液をロータリーエバポレーターにて濃縮した。得られた粗生成物をN−メチル−2−ピロリドンで加熱溶解して冷却することにより再結晶し、目的生成物である1−(3,5−ジアミノフェニル)−3−ヘキサデカノキシメチル−4−メチルマレイミド8.2g(0.018mol 収率67%)を得た。
同様の操作を3回行い、後述する重合体の合成に必要な量の目的生成物を確保した。
<重合体の合成>
合成例P−1(特定ポリアミック酸のイミド化重合体の合成)
(a)テトラカルボン酸二無水物として2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物22.4g(0.1モル)ならびに(b)ジアミンとしてp−フェニレンジアミン8.1g(0.075モル)および上記合成例b−1で合成した1−(3,5−ジアミノフェニル)−3−オクタデシルスクシンイミド11.4g(0.025モル)を、N−メチル−2−ピロリドン168gに溶解し、60℃で4時間反応させた。次いで、反応溶液を大過剰のメタノールに注いで反応生成物を沈澱させた。沈殿物をメタノールで洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥することにより、特定ポリアミック酸34gを得た。得られた特定ポリアミック酸のうちの20gをN−メチル−2−ピロリドン380gに溶解し、ピリジン9.4gおよび無水酢酸12.2gを添加して110℃で4時間脱水閉環反応を行い、その後上記と同様にして沈殿させ、洗浄および減圧乾燥を行うことにより、イミド化率85%のイミド化重合体(PI−1)12.1gを得た。
合成例P−2(特定ポリアミック酸のイミド化重合体の合成)
(a)テトラカルボン酸二無水物として2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物22.4g(0.1モル)ならびに(b)ジアミンとしてp−フェニレンジアミン8.1g(0.075モル)および上記合成例b−2で合成した1−(3,5−ジアミノフェニル)−3−ドデシルスクシンイミド9.3g(0.025モル)を、N−メチル−2−ピロリドン159gに溶解し、60℃で4時間反応させた。次いで、反応溶液を大過剰のメタノールに注いで反応生成物を沈澱させた。沈殿物をメタノールで洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥することにより、特定ポリアミック酸36gを得た。得られた特定ポリアミック酸のうちの20gをN−メチル−2−ピロリドン380gに溶解し、ピリジン9.9gおよび無水酢酸12.8gを添加して110℃で4時間脱水閉環反応を行い、その後上記と同様にして沈殿させ、洗浄および減圧乾燥を行うことにより、イミド化率83%のイミド化重合体(PI−2)10.4gを得た。
合成例P−3(特定ポリアミック酸のイミド化重合体の合成)
(a)テトラカルボン酸二無水物として2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物22.4g(0.1モル)ならびに(b)ジアミンとしてp−フェニレンジアミン8.1g(0.075モル)および上記合成例b−3で合成した1−(3,5−ジアミノフェニル)−3−ヘプタデシル−4−メチルマレイミド11.4g(0.025モル)を、N−メチル−2−ピロリドン168gに溶解し、60℃で4時間反応させた。次いで、反応溶液を大過剰のメタノールに注いで反応生成物を沈澱させた。沈殿物をメタノールで洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥することにより、特定ポリアミック酸32gを得た。得られた特定ポリアミック酸のうちの20gをN−メチル−2−ピロリドン380gに溶解し、ピリジン9.4gおよび無水酢酸12.2gを添加して110℃で4時間脱水閉環反応を行い、その後上記と同様にして沈殿させ、洗浄および減圧乾燥を行うことにより、イミド化率85%のイミド化重合体(PI−3)11.1gを得た。
合成例P−4(特定ポリアミック酸のイミド化重合体の合成)
(a)テトラカルボン酸二無水物として2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物22.4g(0.1モル)ならびに(b)ジアミンとして4,4’−ジアミノジフェニルメタン14.9g(0.075モル)および上記合成例b−1で合成した1−(3,5−ジアミノフェニル)−3−オクタデシルスクシンイミド11.4g(0.025モル)を、N−メチル−2−ピロリドン195gに溶解し、60℃で4時間反応させた。次いで、反応溶液を大過剰のメタノールに注いで反応生成物を沈澱させた。沈殿物をメタノールで洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥することにより、特定ポリアミック酸31gを得た。得られた特定ポリアミック酸のうちの20gをN−メチル−2−ピロリドン380gに溶解し、ピリジン8.1gおよび無水酢酸10.5gを添加して110℃で4時間脱水閉環反応を行い、上記と同様にして沈殿させ、洗浄および減圧乾燥を行ることにより、イミド化率82%のイミド化重合体(PI−4)13.1gを得た。
合成例P−5(特定ポリアミック酸のイミド化重合体の合成)
(a)テトラカルボン酸二無水物として1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン31.4g(0.1モル)ならびに(b)ジアミンとして4,4’−ジアミノジフェニルメタン14.9g(0.075モル)および上記合成例b−1で合成した1−(3,5−ジアミノフェニル)−3−オクタデシルスクシンイミド11.4g(0.025モル)を、N−メチル−2−ピロリドン231gに溶解し、60℃で4時間反応させた。次いで、反応溶液を大過剰のメタノールに注いで反応生成物を沈澱させた。沈殿物をメタノールで洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥することにより、特定ポリアミック酸29gを得た。得られた特定ポリアミック酸のうちの20gをN−メチル−2−ピロリドン380gに溶解し、ピリジン6.9gおよび無水酢酸8.8gを添加して110℃で4時間脱水閉環反応を行い、上記と同様にして沈殿させ、洗浄および減圧乾燥を行うことにより、イミド化率89%のイミド化重合体(PI−5)11.8gを得た。
合成例P−6(特定ポリアミック酸のイミド化重合体の合成)
(a)テトラカルボン酸二無水物として1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン31.4g(0.1モル)ならびに(b)ジアミンとして4,4’−ジアミノジフェニルメタン14.9g(0.075モル)および上記合成例b−4で合成した1−(3,5−ジアミノフェニル)−3−ヘキサデカノキシメチル−4−メチルマレイミド11.8g(0.025モル)を、N−メチル−2−ピロリドン231gに溶解し、60℃で4時間反応させた。次いで、反応溶液を大過剰のメタノールに注いで反応生成物を沈澱させた。沈殿物をメタノールで洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥することにより、特定ポリアミック酸34gを得た。得られた特定ポリアミック酸のうちの20gをN−メチル−2−ピロリドン380gに溶解し、ピリジン6.8gおよび無水酢酸8.8gを添加して110℃で4時間脱水閉環反応を行い、上記と同様にして沈殿させ、洗浄および減圧乾燥を行うことにより、イミド化率89%のイミド化重合体(PI−6))12.2gを得た。
合成例P−7(特定ポリアミック酸のイミド化重合体の合成)
(a)テトラカルボン酸二無水物として2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物18.0g(0.08モル)および1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物3.9g(0.02モル)ならびに(b)ジアミンとして4,4’−ジアミノジフェニルメタン14.9g(0.075モル)および上記合成例b−4で合成した1−(3,5−ジアミノフェニル)−3−ヘキサデカノキシメチル−4−メチルマレイミド11.4g(0.025モル)を、N−メチル−2−ピロリドン193gに溶解し、60℃で4時間反応させた。次いで、反応溶液を大過剰のメタノールに注いで反応生成物を沈澱させた。沈殿物をメタノールで洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥することにより、特定ポリアミック酸31gを得た。得られたポリアミック酸のうちの20gをN−メチル−2−ピロリドン380gに溶解し、ピリジン8.2gおよび無水酢酸10.6gを添加して110℃で4時間脱水閉環反応を行い、上記と同様にして沈殿させ、洗浄および減圧乾燥を行うことにより、イミド化率83%のイミド化重合体(PI−7)12.7gを得た。
合成例P−8(ポリアミック酸の合成)
テトラカルボン酸二無水物としてピロメリット酸二無水物10.9g(0.05モル)および1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物9.8g(0.05モル)ならびにジアミンとして4,4’−ジアミノジフェニルメタン20.4g(0.1モル)を、γ−ブチロラクトン185gおよびN−メチル−2−ピロリドン185gに溶解し、40℃で4時間反応させた。次いで、反応溶液を大過剰のメタノールに注いで反応生成物を沈澱させた。沈殿物をメタノールで洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥することにより、ポリアミック酸(PA−1)33.8gを得た。
合成例P−9(イミド化重合体の合成)
テトラカルボン酸二無水物として5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物26.4g(0.1モル)ならびにジアミンとしてp−フェニレンジアミン8.1g(0.075モル)およびオクタデカノキシ−2,4−ジアミノベンゼン9.6g(0.025モル)を、N−メチル−2−ピロリドン184gに溶解し、60℃で4時間反応させた。次いで、反応溶液を大過剰のメタノールに注いで反応生成物を沈澱させた。沈殿物をメタノールで洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥することにより、ポリアミック酸37gを得た。得られたポリアミック酸のうちの20gをN−メチル−2−ピロリドン380gに溶解し、ピリジン9.7gおよび無水酢酸12.6gを添加して110℃で4時間脱水閉環反応を行い、上記と同様にして沈殿させ、洗浄および減圧乾燥を行うことにより、イミド化率89%のイミド化重合体(PI−8)13.5gを得た。
合成例P−10(イミド化重合体の合成)
テトラカルボン酸二無水物として5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物26.4g(0.1モル)ならびにジアミンとして4,4’−ジアミノジフェニルメタン14.9g(0.075モル)およびオクタデカノキシ−2,4−ジアミノベンゼン9.6g(0.025モル)を、N−メチル−2−ピロリドン211gに溶解し、60℃で4時間反応させた。次いで、反応溶液を大過剰のメタノールに注いで反応生成物を沈澱させた。沈殿物をメタノールで洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥することにより、ポリアミック酸33gを得た。得られたポリアミック酸のうちの20gをN−メチル−2−ピロリドン380gに溶解し、ピリジン8.3gおよび無水酢酸10.8gを添加して110℃で4時間脱水閉環反応を行い、上記と同様にして沈殿させ、洗浄および減圧乾燥を行うことにより、イミド化率91%のイミド化重合体(PI−9)12.1gを得た。
実施例1
合成例P−1で得たイミド化重合体PI−1を、γ―ブチロラクトン/N−メチル−2−ピロリドン/ブチルセロソルブ混合溶液(重量比40:30:30)に溶解して、固形分濃度4.0重量%の溶液を調製した。この溶液を目視にて観察したところ、濁りのない透明な溶液であった。
この溶液を孔径0.2μmのフィルターを用いて濾過し、液晶配向剤を得た。
この液晶配向剤を用いて上述した方法に従って、垂直配向性、電圧保持率および耐熱性の評価を行った。結果を表1に示した。
実施例2〜11、比較例1、2
使用した重合体の種類を表1に示したとおりとしたほかは実施例1と同様にして液晶配向剤を調製し、評価した。評価結果は表1に示した。
なお、実施例7〜11では重合体は各2種類ずつを使用し、その使用割合(重量比)は表1のカッコ内に示した。
Figure 2008242445

Claims (5)

  1. (a)下記式(1)
    Figure 2008242445
    で表される化合物および下記式(2)
    Figure 2008242445
    (式(2)中、Rは炭素数1〜10のアルキル基であり、nは0〜2の整数であり、nが2の場合には、2つのRはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
    で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1種を含むテトラカルボン酸二無水物と、
    (b)下記式(3)〜(6)
    Figure 2008242445
    (式(3)〜(6)中、R〜Rは、それぞれ独立に、炭素数1〜40の線状、分枝状もしくは環状のアルキル基または炭素数4〜40の線状、分枝状もしくは環状のアルケニル基であり、R〜Rの有する水素原子のうちの1〜15個はフッ素原子で置換されていてもよく、AおよびAは、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基である。)
    で表される化合物から選択される少なくとも1種を含むジアミンとの反応によって得られるポリアミック酸および/またはそのイミド化重合体を含有することを特徴とする液晶配向剤。
  2. 上記式(1)で表される化合物および上記式(2)で表される化合物の合計量が、全テトラカルボン酸二無水物に対して80モル%以上である、請求項1に記載の液晶配向剤。
  3. 上記式(3)〜(6)で表されるジアミンの有する基R〜Rが、ステロイド骨格を有する基である、請求項1または2に記載の液晶配向剤。
  4. (b)ジアミンが、上記式(3)で表され、Rが炭素数1〜20の線状、分枝状もしくは環状のアルキル基または炭素数4〜20の線状、分枝状もしくは環状のアルケニル基であるジアミンである、請求項1または2に記載の液晶配向剤。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の液晶配向剤から得られた液晶配向膜を具備することを特徴とする、液晶表示素子。
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