JP2009193054A - 液晶配向剤および液晶表示素子 - Google Patents

液晶配向剤および液晶表示素子 Download PDF

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Abstract

【課題】良好な液晶配向性を有し、高い電圧保持率を示し、残像特性に優れる液晶配向膜を与える液晶配向剤を提供すること。
【解決手段】上記液晶配向剤は、テトラカルボン酸二無水物と、下記式(1−1)
Figure 2009193054

で表される化合物に代表される特定のビスアミノフェニル化合物を含むジアミンとを反応させて得られるポリアミック酸およびそのイミド化重合体よりなる群から選択される少なくとも一種を含有する。
上記液晶配向剤から形成される液晶配向膜は、好ましくはその表面自由エネルギーが38mN/m以下である。
【選択図】なし

Description

本発明は液晶配向剤および液晶表示素子に関する。さらに詳しくは、良好な液晶配向性を有し、高い電圧保持率を示し、残像特性および焼き付き特性に優れる液晶配向膜を与える液晶配向剤およびかかる液晶配向膜を具備する表示特性に優れる液晶表示素子に関する。
現在、液晶表示素子としては、透明導電膜が設けられている基板表面に液晶配向膜を形成して液晶表示素子用基板とし、その2枚を対向配置してその間隙内に正の誘電異方性を有するネマチック型液晶の層を形成してサンドイッチ構造のセルとし、液晶分子の長軸が一方の基板から他方の基板に向かって連続的に90°捻れるようにした、いわゆるTN型(Twisted Nematic)液晶セルを有するTN型液晶表示素子が広く知られている。また、TN型液晶表示素子に比して高いコントラスト比を実現できるSTN(Super Twisted Nematic)型液晶表示素子や視角依存性の少ないIPS(In−Plane Switching)型液晶表示素子、さらに視角依存性が少ないと共に映像画面の高速応答性に優れたOCB(Optical Compensated Bend:光学補償ベンド)型液晶表示素子、負の誘電異方性を有するネマチック型液晶を用いるVA(Vertical Alignment)型液晶表示素子などが開発されている。
これらの液晶表示素子において、液晶分子を配向させるためにポリイミド、ポリアミドおよびポリエステルなどの有機膜からなる液晶配向膜が用いられている。特にポリイミドは、耐熱性、液晶との親和性、機械的強度などに優れており、多くの液晶表示素子に使用されている。ポリイミドからなる液晶配向膜は、ポリイミド前駆体であるポリアミック酸や、可溶性のポリイミドを有機溶媒に溶解した溶液である液晶配向剤を基板上に塗布し、加熱して塗膜とし、必要に応じてラビング処理することにより形成される。
これまで、液晶表示素子の問題点のひとつとして、累積駆動時間が長くなった場合に残像(いわゆる「焼き付き」)が見られることが挙げられる。この残像現象を改善すべく、従来幾つかの試みがなされている。そのほとんどは「焼き付き」と、液晶表示素子を駆動させる際に印加される直流電圧成分の偏在および蓄積(残留DC電圧)との関係に着目し、残留DC電圧を低減することにより「焼き付き」を改善しようとするものであった。例えば特許文献1では、クロマン構造を有する特定のジアミンを用いて合成された特定のポリアミドからなる液晶配向膜が残留DC電圧の低減に有効であるとし、これによる焼き付きの改善を試みている。しかしながら、特許文献1の液晶配向膜は、実施例において残像の改善効果が充分に検証されてはおらず、さらに液晶表示素子における残像発生以外の表示不良、例えば液晶配向の不均一性に基づく表示ムラなどについては考慮されていない。
特開2001−97969号公報 特開平6−222366号公報 特開平6−281937号公報 特開平5−107544号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、良好な液晶配向性を有し、高い電圧保持率を示し、残像特性に優れる液晶配向膜を与える液晶配向剤を提供することにある。
本発明の別の目的は、残像特性および焼き付き特性に優れる液晶表示素子を提供することにある。
本発明のさらに他の目的および利点は、以下の説明から明らかになろう。
本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、第1に、
テトラカルボン酸二無水物と、
下記式(1)
Figure 2009193054
(式(1)中、Xは芳香族環を含む2価の有機基または−O−、−S−、−SO、―NH―、―COO−、−OCO−、−NHCO−、−CONH−、−CONH−、−CO−、−CHO−(ただし、以上において「*」を付した結合手がクロマン構造側である。)、メチレン基もしくは炭素数2〜8のアルキレン基であり、Yは、それぞれ、−O−、−S−、−SO、―NH―、―COO−、−OCO−、−NHCO−、−CONH−、−CONH−、−CO−(ただし、以上において「*」を付した結合手がアミノフェニル基と結合する。)、メチレン基または炭素数2〜8のアルキレン基であり、2つのYは互いに同一であっても異なっていてもよく、R、RIIおよびRIIIは、それぞれ、水素原子または1価の有機基である。)
で表される化合物を含むジアミンとを反応させて得られるポリアミック酸およびそのイミド化重合体よりなる群から選択される少なくとも1種を含有する液晶配向剤によって達成される。
本発明の上記目的および利点は、第2に、
上記の液晶配向剤から形成された液晶配向膜によって達成され、第3に、
該液晶配向膜を具備する液晶表示素子により達成される。
本発明の液晶配向剤は、テトラカルボン酸二無水物と上記式(1)で表される化合物を含むジアミンとを反応させて得られるポリアミック酸およびそのイミド化重合体よりなる群から選択される少なくとも1種を含有する。
<ポリアミック酸>
上記ポリアミック酸は、テトラカルボン酸二無水物と上記式(1)で表される化合物を含むジアミンとを反応させることにより得ることができる。
[テトラカルボン酸二無水物]
上記ポリアミック酸を合成するために使用されるテトラカルボン酸二無水物としては、例えばブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジクロロ−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−テトラメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジシクロヘキシルテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−メチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−エチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−7−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−7−エチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−エチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5,8−ジメチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、ビシクロ[2.2.2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、3−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジオン−6−スピロ−3’−(テトラヒドロフラン−2’,5’−ジオン)、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、3,5,6−トリカルボキシ−2−カルボキシメチルノルボルナン−2:3,5:6−二無水物、4,9−ジオキサトリシクロ[5.3.1.02,6]ウンデカン−3,5,8,10−テトラオン、下記式(T−I)および(T−II)
Figure 2009193054
(式(T−I)および(T−II)中、RおよびRは、それぞれ、芳香環を有する2価の有機基であり、RおよびRは、それぞれ、水素原子またはアルキル基であり、複数存在するRおよびRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)
のそれぞれで表される化合物などの脂肪族テトラカルボン酸二無水物および脂環式テトラカルボン酸二無水物;
ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、3,3’,4,4’−パーフルオロイソプロピリデンジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオキサイド二無水物、p−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、m−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルエーテル二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルメタン二無水物、エチレングリコール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、プロピレングリコール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、1,4−ブタンジオール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、1,6−ヘキサンジオール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、1,8−オクタンジオール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン−ビス(アンヒドロトリメリテート)、下記式(T−1)〜(T−4)
Figure 2009193054
のそれぞれで表される化合物などの芳香族テトラカルボン酸二無水物などを挙げることができる。上記芳香族テトラカルボン酸二無水物のベンゼン環は、1つまたは2つ以上の炭素数1〜4のアルキル基(好ましくはメチル基)で置換されていてもよい。これらは1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
本発明の液晶配向剤に含有されるポリアミック酸を合成するには、上記のうち、ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5,8−ジメチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、ビシクロ[2,2,2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、3−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジオン−6−スピロ−3’−(テトラヒドロフラン−2’,5’−ジオン)、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、3,5,6−トリカルボキシ−2−カルボキシメチルノルボルナン−2:3,5:6−二無水物、4,9−ジオキサトリシクロ[5.3.1.02,6]ウンデカン−3,5,8,10−テトラオン、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、上記式(T−I)で表される化合物のうちの下記式(T−5)〜(T−7)
Figure 2009193054
のそれぞれで表される化合物および上記式(T−II)で表される化合物のうちの下記式(T−8)
Figure 2009193054
で表される化合物よりなる群から選択される少なくとも1種(以下、「特定テトラカルボン酸二無水物」という。)を含むテトラカルボン酸二無水物を使用することが、良好な液晶配向性を発現させることができる観点から好ましい。
特定テトラカルボン酸二無水物のうちより好ましいものとしては、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、3−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジオン−6−スピロ−3’−(テトラヒドロフラン−2’,5’−ジオン)、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、3,5,6−トリカルボキシ−2−カルボキシメチルノルボルナン−2:3,5:6−二無水物、4,9−ジオキサトリシクロ[5.3.1.02,6]ウンデカン−3,5,8,10−テトラオン、ピロメリット酸二無水物および上記式(T−7)で表される化合物よりなる群から選択される少なくとも1種であり、特に2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物が好ましい。
本発明の液晶配向剤に含有されるポリアミック酸を合成するために使用されるテトラカルボン酸二無水物は、上記の如き特定テトラカルボン酸二無水物を、使用されるテトラカルボン酸二無水物の全量に対して、好ましくは20モル%以上、より好ましくは40モル%以上、さらに好ましくは50モル%以上含む。
各化合物を上記のような範囲で含有するテトラカルボン酸二無水物を使用することにより、電気特性に優れるポリアミック酸またはそのイミド化重合体を合成することが可能となり、そのためこれを含有する液晶配向剤は良好な表示性能を有するという利点が得られることから、好ましい。
[ジアミン]
本発明の液晶配向剤に含有されるポリアミック酸を合成するために使用されるジアミンは、上記式(1)で表される化合物を含む。
上記式(1)におけるXとしては−O−、―COO−または−OCO−(ただし、以上において「*」を付した結合手がクロマン構造側である。)であることが好ましく、Yとしては、それぞれ、−O−、−COO−、−OCO−、―NH―または−NHCO−(ただし、以上において「*」を付した結合手がアミノフェニル基と結合する。)であることが好ましく、R、RIIおよびRIIIとしては、それぞれ、水素原子またはメチル基が好ましい。
上記式(1)で表される化合物として、より具体的には、例えば下記式(1−1)〜(1−14)
Figure 2009193054
Figure 2009193054
Figure 2009193054
のそれぞれで表される化合物などを挙げることができる。
上記式(1)において、2つの基Yの位置は、基Xに対して3,5−位であることが好ましい。また、アミノ基の位置は、基Yに対して、それぞれ、パラ位であることが好ましい。
本発明の液晶配向剤に含有されるポリアミック酸を合成するために使用されるジアミンとしては、上記式(1)で表される化合物を単独で用いてもよく、あるいは上記式(1)で表される化合物と他のジアミンとを併用してもよい。
かかる他のジアミンとしては、例えばp−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノベンズアニリド、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,5−ジアミノナフタレン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジトリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジトリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、5−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、6−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)−10−ヒドロアントラセン、2,7−ジアミノフルオレン、9,9−ジメチル−2,7−ジアミノフルオレン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、4,4’−メチレン−ビス(2−クロロアニリン)、2,2’,5,5’−テトラクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジクロロ−4,4’−ジアミノ−5,5’−ジメトキシビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、2,2’−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、4,4’−ビス[(4−アミノ−2−トリフルオロメチル)フェノキシ]−オクタフルオロビフェニルなどの芳香族ジアミン;
1,1−メタキシリレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、テトラヒドロジシクロペンタジエニレンジアミン、ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダニレンジメチレンジアミン、トリシクロ[6.2.1.02,7]−ウンデシレンジメチレンジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンなどの脂肪族ジアミンおよび脂環式ジアミン;
2,3−ジアミノピリジン、2,6−ジアミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン、2,4−ジアミノピリミジン、5,6−ジアミノ−2,3−ジシアノピラジン、5,6−ジアミノ−2,4−ジヒドロキシピリミジン、2,4−ジアミノ−6−ジメチルアミノ−1,3,5−トリアジン、1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン、2,4−ジアミノ−6−イソプロポキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メトキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−1,3,5−トリアジン、4,6−ジアミノ−2−ビニル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−5−フェニルチアゾール、2,6−ジアミノプリン、5,6−ジアミノ−1,3−ジメチルウラシル、3,5−ジアミノ−1,2,4−トリアゾール、6,9−ジアミノ−2−エトキシアクリジンラクテート、3,8−ジアミノ−6−フェニルフェナントリジン、1,4−ジアミノピペラジン、3,6−ジアミノアクリジン、ビス(4−アミノフェニル)フェニルアミン、3,6−ジアミノカルバゾール、N−メチル−3,6−ジアミノカルバゾール、N−エチル−3,6−ジアミノカルバゾール、N−フェニル−3,6−ジアミノカルバゾール、N,N’−ジ(4−アミノフェニル)−ベンジジン、下記式(D−I)
Figure 2009193054
(式(D−I)中、Rはピリジン、ピリミジン、トリアジン、ピペリジンおよびピペラジンよりなる群から選ばれる窒素原子を含む環構造を有する1価の有機基であり、Xは2価の有機基である。)
で表される化合物、下記式(D−II)
Figure 2009193054
(式中、Rはピリジン、ピリミジン、トリアジン、ピペリジンおよびピペラジンよりなる群から選ばれる窒素原子を含む環構造を有する2価の有機基であり、Xは、それぞれ、2価の有機基であり、複数存在するXはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)
で表される化合物などの分子内に2つの1級アミノ基および該1級アミノ基以外の窒素原子を有するジアミン;
下記式(D−III)
Figure 2009193054
(式(D−III)中、Rは−O−、−COO−、−OCO−、−NHCO−、−CONH−または−CO−(ただし、以上において「*」を付した結合手がRと結合する。)であり、Rはステロイド骨格、トリフルオロメチルフェニル基、トリフルオロメトキシフェニル基およびフルオロフェニル基よりなる群から選択される骨格もしくは基を有する1価の有機基または炭素数6〜30のアルキル基もしくはフッ化アルキル基である。)
のそれぞれで表される化合物などのモノ置換フェニレンジアミン;
下記式(D−IV)
Figure 2009193054
(式(D−IV)中、Rは、それぞれ、炭素数1〜12の炭化水素基であり、複数存在するRはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、pは、それぞれ、1〜3の整数であり、qは1〜20の整数である。)
で表される化合物などのジアミノオルガノシロキサン;
下記式(D−1)〜(D−5)
Figure 2009193054
Figure 2009193054
(式(D−4)中のyは2〜12の整数であり、式(D−5)中のzは1〜5の整数である。)
のそれぞれで表される化合物などを挙げることができる。上記芳香族ジアミン、モノ置換フェニレンジアミン、分子内に2つの1級アミノ基および該1級アミノ基以外の窒素原子を有するジアミンならびに上記式(D−1)〜(D−5)のそれぞれで表される化合物のベンゼン環は、それぞれ、1つまたは2つ以上の炭素数1〜4のアルキル基(好ましくはメチル基)で置換されていてもよい。これらのジアミンは、単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
上記式(D−III)におけるRとしては−O−、―COO−または−OCO−(ただし、以上において「*」を付した結合手がRと結合する。)であることが好ましく、Rとしてはステロイド骨格を有する1価の有機基、炭素数8〜30の線状もしくは分枝状のアルキル基または水素原子の1〜5個がフッ素原子で置換された炭素数8〜30の線状もしくは分枝状のフッ化アルキル基が好ましい。上記式(D−III)で表される化合物の具体例としては、例えば下記式(D−6)〜(D−14)
Figure 2009193054
Figure 2009193054
Figure 2009193054
のそれぞれで表される化合物などを挙げることができる。
本発明のポリアミック酸を合成するために用いられる他のジアミンは、上記のうち、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、1,5−ジアミノナフタレン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジトリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,7−ジアミノフルオレン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、1,4−シクロヘキサンジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、上記式(D−1)〜(D−5)のそれぞれで表される化合物、2,6−ジアミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン、2,4−ジアミノピリミジン、3,6−ジアミノアクリジン、3,6−ジアミノカルバゾール、N−メチル−3,6−ジアミノカルバゾール、N−エチル−3,6−ジアミノカルバゾール、N−フェニル−3,6−ジアミノカルバゾール、N,N’−ジ(4−アミノフェニル)−ベンジジン、上記式(D−I)で表される化合物で表される化合物のうちの下記式(D−15)
Figure 2009193054
で表される化合物、上記式(D−II)で表される化合物で表される化合物のうちの下記式(D−16)
Figure 2009193054
で表される化合物、上記式(D−III)で表される化合物および上記式(D−IV)で表される化合物のうちの1,3−ビス(3−アミノプロピル)−テトラメチルジシロキサンよりなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、p−フェニレンジアミンおよび上記式(D−III)で表される化合物よりなる群から選択される少なくとも1種を含むことがより好ましい。
本発明のポリアミック酸を合成するために用いられるジアミンは、上記式(1)で表されるジアミンを、ジアミンの全量に対して好ましくは5モル%以上、より好ましくは5〜50モル%、さらに好ましくは8〜40モル%含む。
本発明のポリアミック酸を合成するために用いられるジアミンは、さらにp−フェニレンジアミンおよび上記式(D−III)で表される化合物よりなる群から選択される少なくとも1種を含むものであることが好ましい。ジアミンがp−フェニレンジアミンを含むものである場合、p−フェニレンジアミンは、ジアミンの全量に対して、好ましくは95モル%以下、より好ましくは50〜80モル%含まれる。また、ジアミンが上記式(D−III)で表される化合物を含むものである場合、上記式(D−III)で表される化合物は、ジアミンの全量に対して好ましくは40モル%以下、より好ましくは1〜30モル%、さらに好ましくは1〜20モル%含まれる。ここで、ジアミンが上記式(D−III)で表される化合物を含むものである場合において、上記式(1)で表される化合物と上記式(D−III)で表される化合物との合計の使用割合としては、ジアミンの全量に対して、好ましくは5モル%を超えて50モル%以下であり、より好ましくは8〜40モル%である。
各化合物を上記のような範囲で含有するジアミンを使用することにより、安定した液晶配向性が発現可能なポリアミック酸またはそのイミド化重合体を合成することが可能となり、そのためこれを含有する液晶配向剤は配向ムラ等の表示不良が発生しにくいという利点を有することとなり、好ましい。
[ポリアミック酸の合成]
ポリアミック酸の合成反応に供されるテトラカルボン酸二無水物とジアミンの使用割合は、ジアミンに含まれるアミノ基1当量に対して、テトラカルボン酸二無水物の酸無水物基が0.2〜2当量となる割合が好ましく、さらに好ましくは0.3〜1.2当量となる割合である。
ポリアミック酸の合成反応は、好ましくは有機溶媒中において、好ましくは−20〜150℃、より好ましくは0〜100℃の温度条件下において、好ましくは0.1〜99時間、より好ましくは0.5〜48時間の反応時間で行われる。ここで、有機溶媒としては、合成されるポリアミック酸を溶解できるものであれば特に制限はなく、例えばN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルトリアミドなどの非プロトン性極性溶媒;m−クレゾール、キシレノール、フェノール、ハロゲン化フェノールなどのフェノール性溶媒などを挙げることができる。有機溶媒の使用量(a)は、テトラカルボン酸二無水物およびジアミンの総量(b)が、反応溶液の全量(a+b)に対して0.1〜30重量%になるような量であることが好ましい。なお、上記有機溶媒を次に説明する貧溶媒と併用する場合には、上記有機溶媒の使用量(a)とは、有機溶媒と貧溶媒との合計の使用量を意味する。
前記有機溶媒には、ポリアミック酸の貧溶媒であると一般に信じられているアルコール、ケトン、エステル、エーテル、ハロゲン化炭化水素、炭化水素などを、生成するポリアミック酸が析出しない範囲で併用することができる。かかる貧溶媒の具体例としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチル、乳酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルメトキシプロピオネ−ト、エチルエトキシプロピオネ−ト、シュウ酸ジエチル、マロン酸ジエチル、ジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、エチレングリコール−i−プロピルエーテル、エチレングリコール−n−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,4−ジクロロブタン、トリクロロエタン、クロルベンゼン、o−ジクロルベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジイソブチルケトン、イソアミルプロピオネート、イソアミルイソブチレート、ジイソペンチルエーテルなどを挙げることができる。
有機溶媒とともに上記の如き貧溶媒を併用する場合、貧溶媒の使用割合としては、有機溶媒および貧溶媒の合計量に対して好ましくは80重量%以下であり、より好ましくは60重量%以下であり、さらに50重量%以下であることが好ましい。
以上のようにして、ポリアミック酸を溶解してなる反応溶液が得られる。この反応溶液はそのまま液晶配向剤の調製に供してもよく、反応溶液中に含まれるポリアミック酸を単離したうえで液晶配向剤の調製に供してもよく、または単離したポリアミック酸を精製したうえで液晶配向剤の調製に供してもよい。ポリアミック酸の単離は、上記反応溶液を大量の貧溶媒中に注いで析出物を得、この析出物を減圧下乾燥する方法、あるいは、反応溶液をエバポレーターで減圧留去する方法により行うことができる。また、このポリアミック酸を再び有機溶媒に溶解し、次いで貧溶媒で析出させる方法、あるいは、エバポレーターで減圧留去する工程を1回または数回行う方法により、ポリアミック酸を精製することができる。
<イミド化重合体>
本発明の液晶配向剤に含有されるイミド化重合体は、上記の如くして得られるポリアミック酸を、脱水閉環することにより得られる。
本発明の液晶配向剤に含有されるイミド化重合体の合成に用いられるテトラカルボン酸二無水物としては、上述したポリアミック酸の合成に用いられるテトラカルボン酸二無水物と同様である。テトラカルボン酸二無水物が上記の特定テトラカルボン酸二無水物を含むものであることが好ましい点、全テトラカルボン酸二無水物に対する特定テトラカルボン酸二無水物の好ましい使用割合も、ポリアミック酸の場合と同様である。ただし、イミド化重合体の合成に用いられる特定テトラカルボン酸二無水物のうち、好ましいものは2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、3−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジオン−6−スピロ−3’−(テトラヒドロフラン−2’,5’−ジオン)、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、3,5,6−トリカルボキシ−2−カルボキシメチルノルボルナン−2:3,5:6−二無水物および4,9−ジオキサトリシクロ[5.3.1.02,6]ウンデカン−3,5,8,10−テトラオンよりなる群から選択される少なくとも1種であり、特に好ましくは2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物である。
[ジアミン]
上記イミド化重合体の合成に用いられるジアミンとしては、上述したポリアミック酸の合成に用いられるジアミンと同じジアミンを挙げることができる。
[イミド化重合体の合成]
本発明の液晶配向剤に含有されるイミド化重合体は、前駆体たるポリアミック酸の有するアミック酸単位のすべてが脱水閉環されてなる完全イミド化物であってもよく、あるいはアミック酸単位と脱水閉環されたイミド環とが併存する部分イミド化物であってもよい。イミド化重合体のイミド化率としては、好ましくは30%以上であり、より好ましくは40%以上である。ここで、「イミド化率」とは、重合体におけるアミック酸構造の数とイミド環の数の合計に対する、イミド環の数の割合を百分率で表したものである。このとき、イミド環の一部がイソイミド環であっても良い。イミド化率はイミド化重合体を適当な重水素化溶媒(例えば重水素化ジメチルスルホキシド)に溶解し、テトラメチルシランを基準物質として室温でH−NMRを測定した結果から、下記数式(i)により求めることができる。

イミド化率(%)=(1−A/A×α)×100 (i)

(数式(i)中、Aは化学シフト10ppm付近に現れるNH基のプロトン由来のピーク面積であり、Aはその他のプロトン由来のピーク面積であり、αはイミド化重合体の前駆体(ポリアミック酸)におけるNH基のプロトン1個に対するその他のプロトンの個数割合である。)
本発明の液晶配向剤を構成するイミド化重合体は、上記ポリアミック酸を脱水閉環することにより得られる。ポリアミック酸の脱水閉環は、(i)ポリアミック酸を加熱する方法により、または(ii)ポリアミック酸を有機溶媒に溶解し、この溶液中に脱水剤および脱水閉環触媒を添加し必要に応じて加熱する方法により行われる。
上記(i)のポリアミック酸を加熱する方法における反応温度は、好ましくは50〜200℃であり、より好ましくは60〜170℃である。反応温度が50℃未満では脱水閉環反応が十分に進行せず、反応温度が200℃を超えると得られるイミド化重合体の分子量が低下することがある。反応時間は、好ましくは0.1〜99時間であり、より好ましくは0.5〜72時間である。
一方、上記(ii)のポリアミック酸の溶液中に脱水剤および脱水閉環触媒を添加する方法において、脱水剤としては、例えば無水酢酸、無水プロピオン酸、無水トリフルオロ酢酸などの酸無水物を用いることができる。脱水剤の使用割合は、ポリアミック酸の繰り返し単位1モルに対して0.01〜20モルとすることが好ましい。また、脱水閉環触媒としては、例えばピリジン、コリジン、ルチジン、トリエチルアミンなどの3級アミンを用いることができる。しかし、これらに限定されるものではない。脱水閉環触媒の使用割合は、使用する脱水剤1モルに対して0.01〜10モルとすることが好ましい。なお、脱水閉環反応に用いられる有機溶媒としては、ポリアミック酸の合成に用いられるものとして例示した有機溶媒を挙げることができる。そして、脱水閉環反応の反応温度は、好ましくは0〜180℃、より好ましくは10〜150℃であり、反応時間は好ましくは0.1〜48時間であり、より好ましくは0.5〜24時間である。
上記方法(i)において得られるイミド化重合体は、これをそのまま液晶配向剤の調製に供してもよく、あるいは得られるイミド化重合体を精製したうえで液晶配向剤の調製に供してもよい。一方、上記方法(ii)においては、イミド化重合体を含有する反応溶液が得られる。この反応溶液は、これをそのまま液晶配向剤の調製に供してもよく、反応溶液から脱水剤および脱水閉環触媒を除いたうえで液晶配向剤の調製に供してもよく、イミド化重合体を単離したうえで液晶配向剤の調製に供してもよく、または単離したイミド化重合体を精製したうえで液晶配向剤の調製に供してもよい。反応溶液から脱水剤および脱水閉環触媒を除くには、例えば溶媒置換などの方法を適用することができる。イミド化重合体の単離、精製は、ポリアミック酸の単離、精製方法と同様の操作を行うことにより行うことができる。
−末端修飾型の重合体−
上記ポリアミック酸およびそのイミド化重合体は、分子量が調節された末端修飾型の重合体であってもよい。このような末端修飾型の重合体は、ポリアミック酸を合成する際に、反応系に分子量調節剤を添加することにより合成することができる。上記分子量調節剤としては、例えば酸一無水物、モノアミン化合物、モノイソシアネート化合物などを挙げることができる。
ここで、酸一無水物としては、例えば無水マレイン酸、無水フタル酸、無水イタコン酸、n−デシルこはく酸無水物、n−ドデシルこはく酸無水物、n−テトラデシルこはく酸無水物、n−ヘキサデシルこはく酸無水物などを挙げることができる。モノアミン化合物としては、例えば、アニリン、シクロヘキシルアミン、n−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン、n−ウンデシルアミン、n−ドデシルアミン、n−トリデシルアミン、n−テトラデシルアミン、n−ペンタデシルアミン、n−ヘキサデシルアミン、n−ヘプタデシルアミン、n−オクタデシルアミン、n−エイコシルアミンなどを挙げることができる。モノイソシアネート化合物としては、例えばフェニルイソシアネート、ナフチルイソシアネートなどを挙げることができる。
分子量調節剤は、ポリアミック酸を合成する際に使用するテトラカルボン酸二無水物およびジアミンの合計100重量部に対して好ましくは10重量部以下、より好ましくは5重量部以下の範囲で用いられる。
−溶液粘度−
以上のようにして得られるポリアミック酸およびイミド化重合体は、それぞれ濃度10重量%の溶液としたときに、20〜800mPa・sの溶液粘度を持つものであることが好ましく、30〜500mPa・sの溶液粘度を持つものであることがより好ましい。
上記重合体の溶液粘度(mPa・s)は、当該重合体の良溶媒(例えばN−メチル−2−ピロリドンなど)を用い、10重量%の濃度とした重合体溶液についてE型回転粘度計を用いて25℃で測定した値である。
<他の成分>
本発明の液晶配向剤は、上記の如きポリアミック酸およびそのイミド化重合体よりなる群から選択される少なくとも1種を含有する。
本発明の液晶配向剤は、上記の如きポリアミック酸およびそのイミド化重合体よりなる群から選択される少なくとも1種のほかに、本発明の効果を損なわない限り、さらに他の成分を含有していてもよい。このような他の成分としては、上記ポリアミック酸およびそのイミド化重合体以外の重合体(以下、「他の重合体」という。)、分子内に少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物(以下、「エポキシ化合物」という。)、官能性シラン化合物などを挙げることができる。
[他の重合体]
他の重合体としては、例えば上記以外のポリアミック酸(以下、「他のポリアミック酸」という。)、そのイミド化重合体(以下、「他のイミド化重合体」という。)、ポリアミック酸エステル、ポリエステル、ポリアミド、セルロース誘導体、ポリアセタール、ポリスチレン誘導体、ポリ(スチレン−フェニルマレイミド)誘導体、ポリ(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。これらのうち、他の重合体としては、他のポリアミック酸および他のイミド化重合体よりなる群から選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。これら他のポリアミック酸およびそのイミド化重合体は、それぞれ、テトラカルボン酸二無水物と、上記式(1)で表される化合物を含まないジアミンとを用いるほかは上記ポリアミック酸およびそのイミド化重合体の合成方法に準じて合成することができる。このとき原料として使用するテトラカルボン酸二無水物としては、脂環式テトラカルボン酸二無水物およびピロメリット酸二無水物よりなる群から選択される少なくとも1種を含むものが好ましく、特に1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物およびピロメリット酸二無水物よりなる群から選択される少なくとも1種を含むものが好ましい。ジアミンとしては芳香族ジアミンを含むジアミンを用いることが好ましく、特に4,4’−ジアミノジフェニルメタンおよび2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニルよりなる群から選択される少なくとも1種を含むものが好ましい。他の重合体としては、他のポリアミック酸を用いることがより好ましい。
本発明の液晶配向剤が他の重合体を含有するものである場合、他の重合体の含有割合としては、上記ポリアミック酸およびそのイミド化重合体ならびに他の重合体の合計に対して好ましくは75重量%以下であり、より好ましくは65重量%以下であり、さらに60重量%以下であることが好ましい。
本発明の液晶配向剤は、基板表面に対する接着性を向上させる観点から、エポキシ化合物を含有することができる。かかるエポキシ化合物としては、例えばエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、2,2−ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N−ジグリシジル−ベンジルアミン、N,N−ジグリシジル−アミノメチルシクロヘキサン、N,N−ジグリシジル−シクロヘキシルアミンなどを好ましいものとして挙げることができる。これらエポキシ化合物の配合割合は、重合体の合計(上記ポリアミック酸およびそのイミド化重合体ならびに他の重合体の合計をいう。以下同じ。)100重量部に対して、好ましくは40重量部以下であり、より好ましくは0.1〜30重量部である。
上記官能性シラン化合物としては、例えば3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、N−トリメトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、10−トリメトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、10−トリエトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、9−トリエトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノナン酸メチル、9−トリエトキシシリル−3,6−ジアザノナン酸メチル、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、グリシドキシメチルトリメトキシシラン、グリシドキシメチルトリエトキシシラン、2―グリシドキシエチルトリメトキシシラン、2―グリシドキシエチルトリエトキシシラン、3―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3―グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどを挙げることができる。
官能性シラン化合物の配合割合は、重合体の合計100重量部に対して、好ましくは40重量部以下である。
<液晶配向剤>
本発明の液晶配向剤は、上記の如きポリアミック酸およびそのイミド化重合体よりなる群から選択される少なくとも1種ならびに必要に応じて任意的に配合されるその他の成分が、好ましくは有機溶媒中に溶解含有されて構成される。
本発明の液晶配向剤に使用できる有機溶媒としては、例えばN−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、γ−ブチロラクタム、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、エチレングリコールモノメチルエーテル、乳酸ブチル、酢酸ブチル、メチルメトキシプロピオネ−ト、エチルエトキシプロピオネ−ト、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、エチレングリコール−i−プロピルエーテル、エチレングリコール−n−ブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、イソアミルプロピオネート、イソアミルイソブチレート、ジイソペンチルエーテル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどを挙げることができる。これらは単独で使用することができ、または2種以上を混合して使用することができる。
本発明の液晶配向剤における固形分濃度(液晶配向剤の溶媒以外の成分の合計重量が液晶配向剤の全重量に占める割合)は、粘性、揮発性などを考慮して適宜に選択されるが、好ましくは1〜10重量%の範囲である。すなわち、本発明の液晶配向剤は、後述するように基板表面に塗布され、好ましくは加熱されることにより液晶配向膜となる塗膜が形成されるが、固形分濃度が1重量%未満である場合には、この塗膜の膜厚が過小となって良好な液晶配向膜を得ることができず、一方固形分濃度が10重量%を超える場合には、塗膜の膜厚が過大となって良好な液晶配向膜を得ることができず、また、液晶配向剤の粘性が増大して塗布特性が劣るものとなる。
特に好ましい固形分濃度の範囲は、基板に液晶配向剤を塗布する際に用いる方法によって異なる。例えばスピンナー法による場合には固形分濃度1.5〜4.5重量%の範囲が特に好ましい。印刷法による場合には、固形分濃度を3〜9重量%の範囲とし、それにより溶液粘度を12〜50mPa・sの範囲とすることが特に好ましい。インクジェット法による場合には、固形分濃度を1〜5重量%の範囲とし、それにより、溶液粘度を3〜15mPa・sの範囲とすることが特に好ましい。
<液晶表示素子>
本発明の液晶表示素子は、上記の如き本発明の液晶配向剤から形成された液晶配向膜を具備するものである。
本発明の液晶表示素子は、例えば次の工程(1)〜(4)により製造することができる。
(1)パターニングされた透明導電膜が設けられている基板の一面に、本発明の液晶配向剤を、例えばオフセット印刷法、スピンコート法、インクジェット印刷法などの適宜の塗布方法により塗布し、次いで、塗布面を加熱することにより塗膜を形成する。ここに、基板としては、例えばフロートガラス、ソーダガラスなどのガラス;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、脂環式ポリオレフィンなどのプラスチックからなる透明基板などを用いることができる。基板の一面に設けられる透明導電膜としては、例えば酸化スズ(SnO)からなるNESA膜(米国PPG社登録商標)、酸化インジウム−酸化スズ(In−SnO)からなるITO膜などを用いることができる。これらの透明導電膜のパターニングには、フォト・エッチング法や、透明導電膜を形成する際に予めマスクを用いる方法が用いられる。液晶配向剤の塗布に際しては、基板表面および透明導電膜と塗膜との接着性をさらに良好にするために、基板の該表面に、官能性シラン化合物、官能性チタン化合物などを予め塗布することもできる。液晶配向剤塗布後、塗布した配向剤の液垂れ防止等の目的で、好ましくは先ず予備加熱(プレベーク)が実施される。プレベーク温度は、好ましくは30〜200℃であり、より好ましくは40〜150℃であり、特に好ましくは40〜100℃である。プレベーク時間は好ましくは0.1〜60分であり、より好ましくは0.5〜30分である。そして溶媒を完全に除去した後、さらに加熱(ポストベーク)工程が実施されることが好ましい。このポストベーク温度は好ましくは80〜300℃であり、より好ましくは120〜250℃である。ポストベーク時間は好ましくは0.5〜180分であり、より好ましくは1〜120分である。本発明の液晶配向剤は上記の如くして塗布後に有機溶媒を除去することによって配向膜となる塗膜を形成するが、本発明の液晶配向剤に含有される重合体にアミック酸構造が残存している場合には、塗膜形成後にさらに加熱することによって脱水閉環反応を進行させ、よりイミド化された塗膜としてもよい。
形成される塗膜の膜厚は、好ましくは0.001〜1μmであり、より好ましくは0.005〜0.5μmである。
(2)上記のようにして形成された塗膜は、これをそのまま垂直配向型液晶配向膜として用いることができるが、任意的に次に説明するラビング処理を行ってもよい。一方、本発明の液晶配向剤をTN型、STN型などの水平配向型液晶配向膜に適用する場合には、上記のようにして形成された塗膜に対して必要的にラビング処理が行われる。
上記ラビング処理は、塗膜面に対して例えばナイロン、レーヨン、コットンなどの適当な繊維からなる布を巻き付けたロールで一定方向に擦るラビング処理を行ったうえで液晶配向膜として用いてもよい。さらに、ラビング処理後の塗膜に対し、例えば特許文献2(特開平6−222366号公報)や特許文献3(特開平6−281937号公報)に示されているような液晶配向膜の一部に紫外線を照射することによって液晶配向膜の一部の領域のプレチルト角を変化させる処理や、特許文献4(特開平5−107544号公報)に示されているような液晶配向膜表面の一部にレジスト膜を形成したうえで先のラビング処理と異なる方向にラビング処理を行った後にレジスト膜を除去する処理を行い、液晶配向膜が領域ごとに異なる液晶配向能を持つようにすることによって得られる液晶表示素子の視界特性を改善することが可能である。
(3)上記(1)ないし(2)のようにして得られた液晶配向膜は、その後必要に応じて洗浄を行ってもよい。洗浄溶媒としては、例えば水、アセトン、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、テトラヒドロフラン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどを用いることができる。洗浄効率を高めるために、洗浄溶媒に界面活性剤を添加する方法、溶媒を加熱して洗浄する方法、ブラッシングを併用する方法および超音波を併用する方法よりなる群から選択される少なくとも一つの方法を併用してもよい。洗浄後は、そのままま液晶配向膜として使用することがででき、またはさらに適当な溶媒でリンスなどを施した後に、必要に応じて加熱により溶媒を除去したうえで使用してもよい。
(4)上記のようにして液晶配向膜が形成された基板を2枚作製し、ラビングを行った場合には、それぞれの液晶配向膜におけるラビング方向が直交または逆平行となるように、2枚の基板を、間隙(セルギャップ)を介して対向配置し、2枚の基板の周辺部をシール剤を用いて貼り合わせ、基板表面およびシール剤により区画されたセルギャップ内に液晶を注入充填し、注入孔を封止して液晶セルを構成する。そして、液晶セルの外表面、すなわち、液晶セルを構成するそれぞれの基板の他面側に、偏光板を貼り合わせることにより、本発明の液晶表示素子を製造することができる。
ここに、シール剤としては、例えば硬化剤およびスペーサーとしての酸化アルミニウム球を含有するエポキシ樹脂などを用いることができる。液晶としては、ネマティック型液晶およびスメクティック型液晶を挙げることができ、その中でもネマティック型液晶が好ましく、例えばシッフベース系液晶、アゾキシ系液晶、ビフェニル系液晶、フェニルシクロヘキサン系液晶、エステル系液晶、ターフェニル系液晶、ビフェニルシクロヘキサン系液晶、ピリミジン系液晶、ジオキサン系液晶、ビシクロオクタン系液晶、キュバン系液晶などを用いることができる。また、これらの液晶に、例えばコレスチルクロライド、コレステリルノナエート、コレステリルカーボネートなどのコレステリック型液晶;商品名「C−15」、「CB−15」(メルク社製)として販売されているようなカイラル剤;p−デシロキシベンジリデン−p−アミノ−2−メチルブチルシンナメートなどの強誘電性液晶を添加して使用してもよい。
液晶セルの外表面に貼り合わされる偏光板としては、ポリビニルアルコールを延伸配向させながら、ヨウ素を吸収させた「H膜」と称される偏光膜を酢酸セルロース保護膜で挟んだ偏光板またはH膜そのものからなる偏光板を挙げることができる。
<液晶配向膜の表面自由エネルギー>
本発明の液晶配向剤から形成された液晶配向膜は、従来知られている液晶配向膜に比べて、その表面自由エネルギーが低いという特性を有する。この特性により、これを具備する液晶表示素子が均一な液晶配向性を示すことが可能となり、さらに残像特性にも優れることとなるものと推察される。本発明の液晶配向剤から形成される液晶配向膜は、その表面自由エネルギーを38mN/m以下とすることができ、さらに37mN/m以下とすることができ、特に36mN/m以下とすることができる。
本発明の液晶配向剤から形成された液晶配向膜は、垂直配向型液晶表示素子用の液晶配向膜として、特に好適に使用することができる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
以下の実施例において、イミド化重合体のイミド化率は、イミド化重合体を室温にて減圧下で十分に乾燥した後、重水素化ジメチルスルホキシドに溶解し、テトラメチルシランを基準物質として室温にて測定したH−NMRスペクトルから上記数式(i)に従って計算した。
重合体溶液の溶液粘度は、E型回転粘度計を用いて25℃で測定した。
合成例1(上記式(1)で表される化合物の合成例)
窒素雰囲気下、500mL三口フラスコにDL−α−トコフェロール21.5g(0.05モル)、トリエチルアミン5.3g(0.0525モル)およびテトラヒドロフラン150mLを仕込み、0℃で攪拌した。ここに、3,5−ジクロロベンゾイルクロリド10.9g(0.0525モル)とテトラヒドロフラン50mLとからなる溶液を30分かけて滴下した。次いでこの溶液を室温で3時間攪拌し反応を行った。その後、反応系中に析出した塩をろ別した後、溶液からテトラヒドロフランを留去した。その結果得られた固体にクロロホルム200mLを加えて全量溶解し、有機層を蒸留水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで脱水後、ロータリーエバポレーターで濃縮し、得られた粗精製物につき、シリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム)による精製を行った後、エタノールで再結晶することにより、ジクロロ体である中間体29.5gを得た。
次いで、窒素雰囲気下、1,000mL三口フラスコ中において、上記で合成した中間体15.1g(0.025モル)、4−ニトロフェノール7.3g(0.0525モル)および炭酸カリウム20.7g(0.15モル)を混合し、ここにジメチルホルムアミド300mLを加え、さらに攪拌した。この溶液を窒素下、室温で6時間攪拌して反応を行った。反応終了後、反応溶液に蒸留水300mLを加え十分に攪拌した後、クロロホルム300mLにより抽出し、得られた有機層を蒸留水で洗浄した。次いで有機層を硫酸マグネシウムで脱水後、ロータリーエバポレーターで濃縮し、得られた粗精製物をエタノール中で再結晶することにより、下記式(1−5−1a)
Figure 2009193054
で表される化合物(化合物(1−5−1a))17.2gを得た。
次いで、窒素雰囲気下、300mL三口フラスコ中において、上記で合成した化合物(1−5−1a)16.2g(0.02モル)および塩化スズ二水和物45.1g(0.2モル)を混合し、ここに酢酸エチル150mLを加えた溶液を窒素下、還流状態で3時間加熱攪拌して反応を行った。反応終了後、反応溶液を飽和フッ化カリウム水溶液400mLと混合して十分攪拌した後、分液し、得られた有機層を蒸留水で洗浄した。さらに有機層を硫化マグネシウムで脱水後、ロータリーエバポレーターで濃縮し、得られた粗精製物をエタノールで再結晶することにより、下記式(1−5−1)
Figure 2009193054
で表される化合物(化合物(1−5−1))14.2gを得た。
比較合成例1(比較用ジアミンの合成)
比較用ジアミンとして、下記式(R−1)
Figure 2009193054
で表される化合物(化合物(R−1))を、特許文献1(特開2001−97969号公報)に記載の方法に従って合成した。
合成例2〜9および比較合成例2(イミド化重合体の合成)
N−メチル−2−ピロリドンに、表1に示した種類および量のジアミンおよびテトラカルボン酸二無水物をこの順で加え、テトラカルボン酸二無水物およびジアミンの合計量(b)が、反応溶液の全量(a+b)に対して20重量%である溶液とし、これを60℃で4時間反応させることにより、ポリアミック酸(A−1)〜(A−8)および(a−1)をそれぞれ含有する溶液を得た。これらの溶液を少量ずつ分取し、それぞれN−メチル−2−ピロリドンを加えてポリアミック酸濃度10重量%の溶液として測定した溶液粘度を表1に示した。
上記で得られたポリアミック酸を含有する溶液に、各ポリアミック酸の有するアミック酸単位数に対してそれぞれ表1に示した量のピリジンおよび無水酢酸を加え、110℃に加熱して4時間脱水閉環反応を行った。脱水閉環反応後、系内の溶媒を新たなN−メチル−2−ピロリドンで溶媒置換(本操作にて脱水閉環反応に使用したピリジンおよび無水酢酸を系外に除去した。)することにより、イミド化重合体(B−1)〜(B−8)および(b−1)をそれぞれ15重量%含有する溶液を得た。各イミド化重合体のイミド化率および各溶液を少量分取しN−メチル−2−ピロリドンを加えてイミド化重合体濃度10重量%の溶液として測定した溶液粘度の値を表1に示した。
合成例10および11(ポリアミック酸の合成)
N−メチル−2−ピロリドンに、表1に示した種類および量のジアミンおよびテトラカルボン酸二無水物をこの順で加え、テトラカルボン酸二無水物およびジアミンの合計量(b)が、反応溶液の全量(a+b)に対して20重量%である溶液とし、これを60℃で4時間反応させることにより、ポリアミック酸(A−9)、(A−10)、(a−2)および(a−3)をそれぞれ含有する溶液を得た。これらの溶液を少量ずつ分取し、それぞれN−メチル−2−ピロリドンを加えてポリアミック酸濃度10重量%の溶液として測定した溶液粘度を表1に示した。
比較合成例3および4(比較用ポリアミドの合成)
N−メチル−2−ピロリドンに、それぞれ表2に示した種類および量のジアミンおよびジカルボン酸をこの順で加えた後、これらに縮合剤として亜リン酸トリフェニルおよびピリジンを、ジカルボン酸の1モルに対してそれぞれ2倍モルおよび10倍モル加え、ジアミン、ジカルボン酸、亜リン酸トリフェニルおよびピリジンの総量(b)が、反応溶液の全量(a+b)に対して20重量%である溶液とし、これを120℃で3時間反応させることにより、ポリアミド(a−2)および(a−3)をそれぞれ含有する溶液を得た。これらの溶液を少量ずつ分取し、それぞれN−メチル−2−ピロリドンを加えてポリアミック酸濃度10重量%の溶液として測定した溶液粘度を表2に示した。
Figure 2009193054
Figure 2009193054
表1および表2において、ジアミンおよびテトラカルボン酸二無水物の略称はそれぞれ以下の意味である。
[ジアミン]
D−1:化合物(1−5−1)
D−2:上記式(D−8)で表される化合物
D−3:上記式(D−10)で表される化合物
D−4:化合物(R−1)
D−5:p−フェニレンジアミン
D−6:4,4’−ジアミノジフェニルメタン
D−7:2,2‘−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル
[テトラカルボン酸二無水物]
T−1:2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物
T−2:1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物
T−3:ピロメリット酸二無水物
[ジカルボン酸]
C−1:テレフタル酸
実施例1
上記合成例2で得られたイミド化重合体(B−1)を含有する溶液をイミド化重合体(B−1)に換算して100重量部に相当する量だけとり、これにγ−ブチロラクトン(BL)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)およびブチロセロソルブ(BC)を加え、さらにエポキシ化合物としてN,N,N’,N’−テトラグリシジル−2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル5重量部を加えて溶媒組成がBL:NMP:BC=40:30:30(重量比)、固形分濃度が4重量%の溶液とし、これを孔径0.2μmのフィルターを用いて濾過することにより、液晶配向剤を調製した。
この液晶配向剤につき、以下のようにして評価した。結果を表3に示した。
(1)液晶配向膜の表面自由エネルギーの評価
厚さ1mmのガラス基板の片面に設けられたITO膜からなる透明導電膜上に、上記で調製した液晶配向剤をスピンナーにより塗布し、80℃で1分間加熱(プレベーク)し、さらに200℃で60分間加熱(ポストベーク)することにより、膜厚0.08μmの塗膜(液晶配向膜)を形成した。
この液晶配向膜につき水およびジヨードメタンの接触角をそれぞれ測定し、これら測定値を用いて拡張ホークスの式により液晶配向膜の表面自由エネルギーを求めた。
(2)液晶表示素子の製造
厚さ1mmのガラス基板の片面に設けられたITO膜からなる透明導電膜上に、上記で調製した液晶配向剤をスピンナーにより塗布し、80℃で1分間加熱(プレベーク)し、さらに200℃で60分間加熱(ポストベーク)することにより、膜厚0.08μmの塗膜(液晶配向膜)を形成した。この操作を繰り返し、液晶配向膜を有する基板を2枚(一対)製造した。
これら一対の基板の液晶配向膜を有するそれぞれの外縁に、直径3.5μmの酸化アルミニウム球入りエポキシ樹脂接着剤を塗布した後、液晶配向膜面が相対するように重ね合わせて圧着し、接着剤を硬化させた。次いで、液晶注入口より基板間に、ネガ型液晶(メルク社製、MLC−6608)を充填した後、アクリル系光硬化接着剤で液晶注入口を封止し、基板の外側の両面に偏光板を貼り合わせることにより、垂直配向型の液晶表示素子を製造した。
(3)垂直配向性の評価
上記で製造した液晶表示素子につき、電圧無印加時および交流電圧8V(ピーク−ピーク)印加時に、液晶表示素子に対し垂直方向から目視で観察したとき、光漏れ等の表示不良が観察されず、電圧無印加時においては均一な黒表示、電圧印加時においては均一な白表示がなされたときを、垂直配向性「良好」とした。
(4)電圧保持率の評価
上記で製造した液晶表示素子に、60℃の環境温度において5Vの電圧を60マイクロ秒の印加時間、167ミリ秒のスパンで印加した後、印加解除から167ミリ秒後の電圧保持率を測定した。測定装置は(株)東陽テクニカ製の品名「VHR−1」を使用した。
(5)残像特性の評価
上記と同様にして製造した2つの液晶表示素子を準備し、そのうちの1つに直流電圧1V、もう1つに直流電圧5Vを、それぞれ室温にて2時間印加した。その後、両液晶表示素子の印加電圧を2.5Vとしたときの両素子の輝度を256階調で表したときの輝度差(階調差)を調べた。この値が15階調以下であった場合に残像特性は「良好」であるといえる。
実施例2〜16および比較例1〜5
重合体を含有する溶液として表3に示した重合体を含有する溶液をそれぞれ用い、表3に示した種類および使用割合のエポキシ化合物を使用したほかは、実施例1と同様にして液晶配向剤を調製し、評価した。結果は表3に示した。
なお、実施例13〜16および比較例5においては、重合体を含有する溶液をそれぞれ2種類ずつ使用した。
Figure 2009193054
表3において、重合体名の後にカッコで付した数値は、使用した重合体溶液に含有される重合体の量(重量部)である。エポキシ化合物の後にカッコで付した数値は各エポキシ化合物の使用割合(重量部)である。
エポキシ化合物の略称は、それぞれ以下の意味である。
E−1:N,N,N’,N’−テトラグリシジル−2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル
E−2:N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン
E−3:N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン

Claims (6)

  1. テトラカルボン酸二無水物と、
    下記式(1)
    Figure 2009193054
    (式(1)中、Xは芳香族環を含む2価の有機基または−O−、−S−、−SO、―NH―、―COO−、−OCO−、−NHCO−、−CONH−、−CONH−、−CO−、−CHO−(ただし、以上において「*」を付した結合手がクロマン構造側である。)、メチレン基もしくは炭素数2〜8のアルキレン基であり、Yは、それぞれ、−O−、−S−、−SO、―NH―、―COO−、−OCO−、−NHCO−、−CONH−、−CONH−、−CO−(ただし、以上において「*」を付した結合手がアミノフェニル基と結合する。)、メチレン基または炭素数2〜8のアルキレン基であり、2つのYは互いに同一であっても異なっていてもよく、R、RIIおよびRIIIは、それぞれ、水素原子または1価の有機基である。)
    で表される化合物を含むジアミンとを反応させて得られるポリアミック酸およびそのイミド化重合体よりなる群から選択される少なくとも1種を含有することを特徴とする、液晶配向剤。
  2. ジアミンが、さらにp−フェニレンジアミンおよび下記式(D−III)
    Figure 2009193054
    (式(D−III)中、Rは−O−、−COO−、−OCO−、−NHCO−、−CONH−または−CO−(ただし、以上において「*」を付した結合手がRと結合する。)であり、Rはステロイド骨格、トリフルオロメチルフェニル基、トリフルオロメトキシフェニル基およびフルオロフェニル基よりなる群から選択される骨格もしくは基を有する1価の有機基または炭素数6〜30のアルキル基もしくはフッ化アルキル基である。)
    で表される化合物よりなる群から選択される少なくとも1種を含むものである、請求項1に記載の液晶配向剤。
  3. テトラカルボン酸二無水物が、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物を含むものである、請求項1または2に記載の液晶配向剤。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の液晶配向剤から形成された液晶配向膜。
  5. 表面自由エネルギーが38mN/m以下である、請求項4に記載の液晶配向膜。
  6. 請求項4または5に記載の液晶配向膜を具備することを特徴とする、液晶表示素子。
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