JP2008242190A - カラーフィルタ基板およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】プラスチックフィルムを基板とすることで、表示装置の薄型軽量化が可能であり、カラーフィルタをインクジェット印刷方式で形成することで、低温形成が可能であり、さらにロールツーロールプロセスで形成することで、低コスト化が望める可撓性カラーフィルタ基板及びその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】プラスチックフィルムの少なくとも片面にガスバリア層を有するロール状基材上のガスバリア層上に、1)フォトリソ法でパターン状遮光層を形成する工程、2)前記パターン状遮光層上全面に受像層を形成する工程、3)前記パターン状遮光層の開口部に相当する位置の受像層上にインクジェット印刷により赤、緑、青の着色インキを選択的に付与し、着色層を形成する工程、4)前記画素を含む全面にオーバーコート層を形成する工程(全てロールツーロール)からなることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、液晶表示装置等に使用されるカラーフィルタ基板及びその製造方法に係り、特に、プラスチックフィルム基材を使用した薄型軽量のカラーフィルタ基板及びその製造方法に関する。
近年、液晶ディスプレイは40インチを超える大型TVから2インチ程度のモバイル用まであり、そのサイズ、用途は多種多様化している。特に情報端末としてのモバイル分野における表示画素の高解像度化、軽量化、多機能化、等の技術革新は目覚しいものがある。今後のユビキタスネットワークの広がりにより、これらの情報端末は「いつでも、どこでも」利用できることが今まで以上に重要になってくる。こういった背景から次世代ディスプレイは薄く、軽く、壊れにくいという特徴を持つべきであることが予想される。プラスチック基板を用いた液晶ディスプレイは上述した次世代ディスプレイを実現するための手段として有用な技術であり、ガラス基板では成し得ないディスプレイを実現できる。
従来のプラスチックフィルムでは、ガラスを基板とする液晶ディスプレイの製造プロセスに対応し得る耐熱性、寸法安定性を有するものは得られていなかったが、近年、従来のプラスチックフィルムに比べて優れた耐熱性、寸法安定性を有する基板が開発されている(特許文献1、2)。しかし、従来通りの液晶ディスプレイ形成プロセスに対応するのは難しく、各部材の材料、プロセスの見直しが必要であり、カラー化に必要不可欠なカラーフィルタも例外ではない。
現在、ガラスを基板としたカラーフィルタの形成方法は顔料分散型レジストによりフォトリソ方式で形成されるのが一般的である。この方式でのプロセスは塗布→露光→現像→熱硬化の工程を遮光層、R,G,B着色層の4工程を順次繰り返し、各工程間で高温処理により塗膜を熱硬化して他の色との混色を防止することが必要である。品質には優れた方式だが、製造プロセスが長く、その製造設備も大規模なものになる。また、必要な部分以外は現像工程で除去されてしまうため、材料の使用効率も低く、コストも高くなる。
こうしたフォトリソ方式の課題点を克服すべく、近年、インクジェット印刷方式によるカラーフィルタ形成技術の研究開発が盛んになってきている。製造プロセスの短縮、製造設備の小スペース化、材料使用効率の向上、コストダウンに加え、プロセス処理温度の低温化が期待される。
インクジェット印刷はパソコンの周辺機器のプリンタに代表される印刷技術であるが、近年では、様々な分野における工業用途での応用展開が期待されている。その利点としては、主に次の3点が挙げられる。第1に必要な部分に必要な量をパターン印刷出来る、すなわちオンデマンド印刷であるため、材料の消費が最小限で済み、環境への負荷も極めて小さい。第2にパソコンなど上で作成したデータを直接印刷出来るため、マスク、版などの間接部材を必要とせず、コストダウン、工程短縮が可能である。第3に現像、エッチングなどの工程を必要としないため化学的な影響で材料の特性が劣化することがなく、また、非接触印刷であるため原版などが接触して基板を損傷することがない。
こうした背景からインクジェット印刷技術は、液晶ディスプレイ用のカラーフィルタ、有機EL(高分子)、有機TFT、プリント配線板、といったエレクトロニクス分野で盛んに研究開発が行われている。
インクジェット印刷でカラーフィルタを形成する場合、高精細なパターンを要求されるブラックマトリクスまでインクジェット印刷で形成するのは現状、困難であるため、ブラックマトリクスのみ従来技術であるフォトリソ法で形成するのが一般的である。また、インクジェット印刷でカラーフィルタ着色層のパターン形成する場合、インクの着弾制御が必要であり、その構成は大別して2つに分けられる。
1つはブラックマトリクスパターンを隔壁として、仕切られた開口部内にインクを付与して着色層を形成する方法である(特許文献3、4)。この方法はフォトリソに近い画素状態が期待出来るが、インクジェット印刷後の乾燥条件や基板の動きなどのプロセス面に大きく影響される。
もう1つはブラックマトリクスパターン上に受像層を設け、露光処理などで遮光膜上の受像層を撥インク処理し、開口部上の親インク部分に相当する位置にインクを付与し、着色層を形成する方法である(特許文献5)。この方法は、インクジェット印刷直後に画素状態はほぼ固定されるためプロセス面の影響が少ない。しかし、受像層の露光処理など工程が煩雑であり、また、画素表面形状を均一に形成するのが困難である。
WO2003/064530号公報 WO2003/064535号公報 特開平10−104420号公報 特開平10−206627号公報 特開平09−15580号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、プラスチックフィルムを基板とすることで、表示装置の薄型軽量化が可能であり、カラーフィルタをインクジェット印刷方式で形成することで、低温形成が可能であり、さらにロールツーロールプロセスで形成することで、低コスト化が望める可撓性カラーフィルタ基板及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係るカラーフィルタ基板は、プラスチックフィルムの少なくとも片面にガスバリア層を有するロール状基材上のガスバリア層上に、1)フォトリソ法でパターン状遮光層を形成する工程、2)前記パターン状遮光層上全面に受像層を形成する工程、3)前記パターン状遮光層の開口部に相当する位置の受像層上にインクジェット印刷により赤、緑、青の着色インキを選択的に付与し、着色層を形成する工程、4)前記画素を含む全面にオーバーコート層を形成する工程、からなり、且つすべての工程がロールツーロールプロセスからなることを特徴とする。
また、本発明の前記プラスチックフィルムは、架橋樹脂とガラス繊維を含み、ガラス繊維が、プラスチックフィルム組成物に対して10〜90重量%配合され、且つ該プラスチックフィルムの30℃から150℃における線膨張係数が、0ppm/℃以上、40ppm/℃以下であることを特徴とする。
また、本発明の前記ガスバリア層は、ケイ素の酸化物、窒化物または酸化窒素化物を主成分として含み、水蒸気透過率が、0.1g/(m・24hr)以下であることを特徴とする。
また、本発明の前記パターン状遮光層は、少なくとも黒色顔料と感光性樹脂を含み、黒色顔料が、遮光層組成物に対して30〜60重量%配合され、且つ遮光層被膜の反射濃度が3.0以上であることを特徴とする。
また、本発明の前記受像層は、少なくとも分子量10万以上のアクリル系共重合樹脂を含み、アクリル系共重合樹脂のTgが50℃以下、受像層被膜の全光線透過率が90%以上であることを特徴とする。
また、本発明の前記着色インクは、少なくとも着色顔料と沸点150℃以上の溶剤種を含み、インクの粘度が20cps以下、表面張力が35mN/m以下であることを特徴とする。
また、本発明の前記オーバーコート層は、熱、光、電子線のうち、少なくとも一つ以上のエネルギーで硬化する樹脂を含み、オーバーコート層被膜の全光線透過率が90%以上であることを特徴とする。
また、本発明の前記ガスバリア層は、スッパタリング法により形成されることを特徴とする。
また、本発明の前記パターン状遮光層は、マイクログラビア方式により塗布、乾燥し、一定範囲で間欠に露光後、現像、水洗、硬化して、ロールツーロール形成されることを特徴とする。
また、本発明の前記受像層は、マイクログラビア方式により塗布、乾燥して、ロールツーロール形成されることを特徴とする。
また、本発明の前記着色層は、インクジェット方式で、印刷ピッチに合わせてヘッドの回転角度を変えて、一定範囲で間欠にパターン印刷処理、乾燥して、ロールツーロール形成されることを特徴とする。
また、本発明の前記オーバーコート層は、マイクログラビア方式により塗布、乾燥後、熱、光、電子線のいずれかのエネルギーで硬化して、ロールツーロール形成されることを特徴とする。
請求項1に記載された発明は、プラスチックフィルムと、前記プラスチックフィルムの少なくとも片面に設けられたガスバリア層と、前記ガスバリア層上に設けられたパターン状遮光層と、前記パターン状遮光層の上、全面に設けられた受像層と、前記パターン状遮光層の開口部に相当する位置に設けられた着色層と、前記パターン状遮光層及び前記着色層の上の全面に設けられたオーバーコート層とを含むことを特徴とするカラーフィルタ基板である。
請求項2に記載された発明は、
前記プラスチックフィルムが、架橋樹脂とガラス繊維を含み、該ガラス繊維が、プラスチックフィルム組成物に対して10〜90重量%配合され、且つ該プラスチックフィルムの30℃から150℃における線膨張係数が、0ppm/℃以上、40ppm/℃以下であることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ基板である。
請求項3に記載された発明は、
前記ガスバリア層が、ケイ素の酸化物、窒化物または酸化窒素化物を主成分として含み、水蒸気透過率が、0.1g/(m・24hr)以下であることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載のカラーフィルタ基板である。
請求項4に記載された発明は、 前記パターン状遮光層が、少なくとも黒色顔料、感光性樹脂、光開始剤を含み、黒色顔料が、遮光層組成物に対して30〜60重量%配合され、且つ被膜の反射濃度が3.0以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のカラーフィルタ基板である。
請求項5に記載された発明は、前記受像層が、少なくとも分子量10万以上のアクリル系共重合樹脂を含み、アクリル系共重合樹脂のTgが50℃以下、受像層被膜の全光線透過率が90%以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のカラーフィルタ基板である。
請求項6に記載された発明は、少なくとも片面にガスバリア層を有するロール状基材を用いたカラーフィルタ基板の製造方法であって、
(1)フォトリソグラフィー法でガスバリア層上にパターン状遮光層を形成する工程、
(2)前記パターン状遮光層上全面に受像層を形成する工程、
(3)前記パターン状遮光層の開口部に相当する位置の受像層上にインクジェット印刷により赤、緑、青の着色インクを選択的に付与し、着色層を形成する工程、
(4)前記遮光層、着色層を含む全面にオーバーコート層を形成する工程、
を含み、且つ前記(1)〜(4)のすべての工程がロールツーロールプロセスからなることを特徴とするカラーフィルタ基板の製造方法である。
請求項7に記載された発明は、前記オーバーコート層が、熱、光、電子線のうち、少なくとも一つ以上のエネルギーで硬化する樹脂を含み、前記オーバーコート層の全光線透過率が90%以上であることを特徴とする請求項6に記載のカラーフィルタ基板の製造方法である。
請求項8に記載された発明は、前記(3)工程のインクジェット印刷で用いる着色インクが、少なくとも着色顔料と沸点150℃以上の溶剤種を含み、インクの粘度が20cps以下、表面張力が35mN/m以下であることを特徴とする請求項6又は7のいずれかに記載のカラーフィルタ基板の製造方法である。
請求項9に記載された発明は、
前記ガスバリア層が、ロール状基材上にスッパタリング法により形成されることを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載のカラーフィルタ基板の製造方法である。
請求項10に記載された発明は、
前記(1)工程が、マイクログラビア方式により遮光層材料を塗布、乾燥し、一定範囲で間欠に露光後、現像、水洗、硬化して、ロールツーロール形成されることを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載のカラーフィルタ基板の製造方法である。
請求項11に記載された発明は、
前記(2)工程が、受像層材料をマイクログラビア方式により塗布、乾燥して、ロールツーロール形成されることを特徴とする請求項6〜10のいずれかに記載の可撓性カラーフィルタ基板の製造方法である。
請求項12に記載された発明は、前記(3)工程が、インクジェット方式で、印刷ピッチに合わせてヘッドの回転角度を変えて、一定範囲で間欠に着色インクを選択的にパターン印刷処理、乾燥し、ロールツーロール形成で着色層を形成する工程であることを特徴とする請求項6〜11のいずれかに記載のカラーフィルタ基板の製造方法である。
請求項13に記載された発明は、前記(4)工程が、マイクログラビア方式によりオーバーコート材料を塗布、乾燥した後、熱、光、電子線のいずれかのエネルギーで前記オーバーコート材料を硬化して、オーバーコート層をロールツーロール形成する工程であることを特徴とする請求項6〜12のいずれかに記載のカラーフィルタ基板の製造方法である。
本発明によれば、プラスチックフィルムを基板とした可撓性カラーフィルタを、インクジェット印刷方式によりロールツーロールプロセスで形成することで、低温形成を可能とし、液晶ディスプレイの薄型軽量化が可能なカラーフィルタを低コスト化で容易に得ることが出来る。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、詳細に説明する。
本発明で用いられるプラスチックフィルムは、架橋樹脂とガラス繊維とを含む。プラスチックフィルムは、ガラス繊維に架橋樹脂を含浸させて、この架橋樹脂を硬化させることにより得られる。
本発明のプラスチックフィルムを製造するために用いられる架橋樹脂としては、(A)アクリレートなどの反応性モノマーを活性エネルギー線および/または熱によって架橋した樹脂又は(B)エポキシ樹脂が挙げられる。
本発明において、架橋させるのは後述のガラス繊維を含有せしめた後に行なうのが好ましい。
前記(A)の好ましい架橋樹脂は、脂環式構造を有するアクリレート(a1)と、含イオウアクリレート及びフルオレン骨格を有するアクリレートから選ばれた少なくとも1種のアクリレート(a2)との架橋により得られる透明樹脂が挙げられる。(a1)はガラス繊維よりも屈折率の低い低屈折率モノマーであり、(a2)はガラス繊維よりも屈折率の高いモノマーである。以下にその両者について詳述する。
(a1)低屈折率モノマー
ガラス繊維よりも屈折率の低い反応性モノマーとしては、脂環式構造や脂肪族鎖を含む各種の(メタ)アクリレートを用いることができ、特に透明性や耐熱性の面から脂環式構造を有する(メタ)アクリレートが好ましい。
脂環式構造を有する(メタ)アクリレートとしては、脂環式構造を含み2つ以上の官能基を有する(メタ)アクリレートであればよく、反応性、耐熱性や透明性の点から下式(1)及び(2)から選ばれた少なくとも1種の(メタ)アクリレートが好ましい。
Figure 2008242190
(式中、R1及びR2は各々独立に水素原子又はメチル基を示す。aは1又は2を示し、bは0又は1を示す。)
Figure 2008242190
(式中、Xは水素原子、−CH3、−CH2OH、NH2、
Figure 2008242190
を示し、R3及びR4は、Hまたは−CH3、pは0または1である。)
式(1)においては、特に、R1、R2が水素で、aが1、bが0である構造を持つジシクロペンタジエニルジアクリレートが粘度などの物性から好ましい。
また、式(2)において、特に、Xが−CH2OCOCH=CH2であり、R3、R4が水素であり、pが1である構造を持つパーヒドロ−1,4,5,8−ジメタノナフタレン−2,3,7−(オキシメチル)トリアクリレート、X、R3、R4がすべて水素であり、pが0または1である構造を持つアクリレートより選ばれた少なくとも1種のアクリレートが好ましい。特に、粘度等の点を考慮すると、X、R3、R4がすべて水素であり、pが0である構造を持つノルボルナンジメチロールジアクリレートが最も好ましい。式(2)の(メタ)アクリレートは、特開平5−70523に開示の方法にて得られる。
ガラス繊維よりも屈折率の低い反応性モノマーとしては、下式(6)の環状エーテル(メタ)アクリレートも透明性や耐熱性が高いことから望ましい。
Figure 2008242190
(式中、R18及びR19は各々独立に水素原子又はメチル基を示す。)
(a2)高屈折率モノマー
ガラス繊維よりも屈折率の高い反応性モノマーとしては、イオウや芳香族環を含む各種の(メタ)アクリレートを用いることができ、特に屈折率が高いことから含イオウ(メタ)アクリレートやフルオレン骨格を有する(メタ)アクリレートが好ましい。
本発明で用いられる含イオウ(メタ)アクリレートとしては、イオウを含む2つ以上の官能基を有する(メタ)アクリレートであればよく、耐熱性や透明性の点から下式(3)に示す(メタ)アクリレートが好ましい。
Figure 2008242190
(式中、Xはイオウ又はSO2を示し、Yは酸素又はイオウを示す。R5〜R10は各々独立に水素原子又はメチル基を示す。nおよびmは0〜2である。)
式(3)で示される(メタ)アクリレートの中でも、反応性、耐熱性や取り扱い易さからXがイオウ、Yが酸素、R5〜R10がすべて水素、n及びmがともに1であるビス[4−(アクリロイロキシエトキシ)フェニル]スルフィドが最も好ましい。
本発明で用いられるフルオレン骨格を有する(メタ)アクリレートとしては、フルオレン骨格を含み2つ乗の官能基を有する(メタ)アクリレートであれば特に限定されないが、耐熱性や透明性の点から下記の式(4)および(5)より選ばれた少なくとも1種の(メタ)アクリレートが好ましい。
Figure 2008242190
(式中、R11〜R14は各々独立に水素原子又はメチル基を示す。rおよびsは0〜2である。)
Figure 2008242190
(式中、R15〜R17は各々独立に水素原子又はメチル基を示す。)
これらの中でも式(4)においてR11〜R14がすべて水素で、r及びsが1であるビス[4−(アクリロイロキシエトキシ)フェニル]フルオレンが最も好ましい。
これら低屈折率モノマーと高屈折率モノマーは、目的とする屈折率に応じて適宜の配合割合で混合して架橋を行うことができ、透明樹脂の屈折率を、これと組み合わせるガラス繊維の屈折率に合わせることができる。
本発明で用いられる2つ以上の官能基を有する(メタ)アクリレートには柔軟性付与などのため、所望の特性を損なうことのない範囲で、単官能(メタ)アクリレートを併用してもよい。この場合、樹脂成分全体の屈折率がガラス繊維の屈折率に適合するよう配合量を調整する。
反応性モノマーを紫外線等の活性エネルギー線により架橋、硬化させるには、樹脂組成物中にラジカルを発生する光重合開始剤を加えるのが好ましい。かかる光重合開始剤としては、例えばベンゾフェノン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン、2,6−ジメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドなどが挙げられる。これらの光重合開始剤は2種以上を併用してもよい。
光重合開始剤の樹脂組成物中における含有量は、適度に硬化させる量であればよく、2つ以上の官能基を有する(メタ)アクリレート(a−1)および(a−2)の合計100重量部に対し、0.01〜2重量部が好ましく、さらに好ましくは、0.02〜1重量部であり、最も好ましくは、0.1〜0.5重量部である。光重合開始剤の添加量が多すぎると、重合が急激に進行し、複屈折の増大、着色、硬化時の割れ等の問題が発生する。また、少なすぎると組成物を充分に硬化させることができず、架橋後に型に付着して取り外せないなどの問題が発生する恐れがある。
活性エネルギー線による硬化及び/又は熱重合による架橋後に高温で熱処理する場合は、その熱処理工程の中に、線膨張係数を低減する等の目的で、窒素雰囲気下又は真空状態で、250〜300℃、1〜24時間の熱処理工程を加えるのが好ましい。
(B)のエポキシ樹脂は、使用した硬化剤によって硬化後のエポキシ樹脂の屈折率が異なるが、本発明においては、各々、硬化後の屈折率が、用いられるガラス繊維の屈折率よりも低いか、或いは高くなるものであれば特に限定されない。
ガラス繊維として、EガラスやSガラスなど屈折率が1.52以上のガラス繊維を用いる場合、屈折率の低いエポキシ樹脂、或いは高いエポキシ樹脂としては、酸無水物を硬化剤として、(i)比較的屈折率の低い脂環式エポキシ樹脂(下式(3)〜(8)など)、及び屈折率が中程度であるトリグリシジルイソシアヌレート(下式(9))から選ばれた少なくとも1種のエポキシ樹脂と、(ii)比較的屈折率の高いイオウ含有エポキシ樹脂(下式(1))及びフルオレン骨格含有エポキシ樹脂(下式(2))から選ばれた少なくとも1種のエポキシ樹脂の組み合わせなどが好ましい。
前記成分(i)としては、それらのうち、トリグリシジルイソシアヌレートが耐熱性の点からより好ましい。
一方、NEガラスなど屈折率が1.52未満のガラス繊維を用いる場合、酸無水物を硬化剤として、(i)比較的屈折率の低い脂環式エポキシ樹脂(下式(3)〜(8)など)から選ばれた少なくとも1種のエポキシ樹脂と、(ii)屈折率が中程度であるトリグリシジルイソシアヌレート(下式(9))、並びに比較的屈折率の高いイオウ含有エポキシ樹脂(下式(1))及びフルオレン骨格含有エポキシ樹脂(下式(2))から選ばれた少なくとも1種のエポキシ樹脂の組み合わせなどが好ましい。
上記の比較的屈折率の低いエポキシ樹脂としては、下式(3)〜(8)で示される脂環式エポキシ樹脂などが挙げられる。
Figure 2008242190
(式中、R6はアルキル基またはトリメチロールプロパン残基を示し、qは1〜20である。)
Figure 2008242190
(式中、R7及びR8は各々独立して水素原子又はメチル基を示し、rは0〜2である。)
Figure 2008242190
(式中、sは0〜2である。)
また、上記の屈折率が中程度であるトリグリシジルイソシアヌレートは下式(9)にて示される。
Figure 2008242190
上記の比較的屈折率の高いイオウ含有エポキシ樹脂としては、イオウを含有し、2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂であれば特に限定されず、耐熱性や透明性の点から下式(1)に示すエポキシ樹脂が好ましい。
Figure 2008242190
(式中、XはSまたはSO2を示し、YはOまたはSを示す。R1〜R4は各々独立に水素原子又はメチル基を示し、nは0〜2である。)
式(1)で示されるエポキシ樹脂の中でも、反応性、耐熱性や取り扱い易さから、XがSO2、Yが酸素、R5〜R10がすべて水素、nが0〜1であるビスフェノールSが最も好ましい。
前記の比較的屈折率の高いフルオレン骨格含有エポキシ樹脂としては、フルオレン骨格を含有し、2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂であれば特に限定されないが、耐熱性や透明性の点から下式(2)で示されるエポキシ樹脂が好ましい。
Figure 2008242190
(式中、R5は水素又はメチル基を示し、mは0〜2である。)
硬化後の屈折率の異なるエポキシ樹脂は、目的とする屈折率に応じて適宜の配合割合で混合し硬化することができ、エポキシ樹脂の屈折率をガラス繊維の屈折率に調整することができる。
本発明で用いられるエポキシ樹脂には、柔軟性付与するなどのため、所望の特性を損なうことのない範囲で、単官能のエポキシ化合物を併用してもよい。この場合、樹脂全体の屈折率をガラス繊維の屈折率に合うように配合量を調整する。
本発明に用いるエポキシ樹脂は、硬化剤もしくは重合開始剤存在下、加熱又は活性エネルギー線を照射し、硬化して用いる。硬化剤は、特に限定されないが、優れた透明性の硬化物が得られやすいことから、酸無水物系の硬化剤やカチオン系触媒が好ましい。
酸無水物の硬化剤としては、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチル無水ナジック酸、無水ナジック酸、無水グルタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチル水添無水ナジック酸、水添無水ナジック酸などが挙げられ、中でも透明性が優れることからメチルヘキサヒドロ無水フタル酸およびメチル水添無水ナジック酸が好ましい。
酸無水物系硬化剤を使用する場合は、硬化促進剤を併用することが好ましい。この硬化促進剤としては、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、トリエチレンジアミン等の三級アミン類、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート等のリン化合物、四級アンモニウム塩、有機金属塩類、およびこれらの誘導体等があげられ、これらの中でもリン化合物が好ましい。これら硬化促進剤は、単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
酸無水物系硬化剤の使用量は、エポキシ樹脂中のエポキシ基1当量に対して、酸無水物系硬化剤における酸無水物基を0.5〜1.5当量に設定することが好ましく、0.7〜1.2当量がより好ましい。
また、カチオン系触媒としては、酢酸、安息香酸、サリチル酸、パラトルエンスルホン酸等の有機酸、三フッ化ホウ素アミン錯体、三フッ化ホウ素のアンモニウム塩、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨウドニウム塩、アルミニウム錯体を含有するカチオン系触媒等をあげることができ、これらの中でもアルミニウム錯体を含有するカチオン系触媒が好ましい。
本発明のプラスチックフィルムに配合されるガラス繊維の屈折率は特に限定されるものではないが、組み合わせる樹脂の屈折率の調整が容易なように1.50〜1.57の範囲にあるのが好ましい。特にガラス繊維の屈折率が1.50〜1.54である場合は、ガラスのアッベ数に近い樹脂が選択できるため好ましい。樹脂とガラスとのアッベ数が近いと広い波長領域において両者の屈折率が一致し、広い波長領域で高い光線透過率が得られる。
本発明に用いるガラス繊維は、ガラス繊維フィラメント(短繊維又は長繊維)、ガラス繊維織布、ガラス繊維不織布などのいずれでもよいが、中でもガラス繊維織布が好ましい。なお、本発明でガラス繊維という場合には、ガラスパウダー、ガラスビーズ、1mm以下のガラス繊維(短繊維)は含まない。
ガラスの種類としては、Eガラス、Cガラス、Aガラス、Sガラス、Dガラス、NEガラス、Tガラス、クォーツ、低誘導率ガラス、高誘導率ガラスなどが挙げられ、中でもアルカリ金属などのイオン性不純物が少なく、入手が容易なEガラス、Sガラス、Tガラス、NEガラスが好ましい。
ガラス繊維としてガラス繊維織布を用いる場合、フィラメントの織り方に限定はなく、平織り、ななこ織り、朱子織り、綾織りなどが適用でき、中でも平織りが好ましい。
ガラス繊維織布の厚みは、通常、30〜200μmであるのが好ましく、より好ましくは40〜150μmである。
ガラス繊維織布やガラス不織布などのガラス繊維布は1枚だけでもよく、複数枚を重ねて用いてもよい。
プラスチックフィルム組成物におけるガラス繊維の配合量は、10〜90重量%が好ましく、より好ましくは20〜80重量%、さらに好ましくは30〜70重量%である。ガラス繊維の配合量がこれより少ないと、線膨張係数が大きくなり本発明の範囲に入らなくなる傾向があり、一方、これより多いと成形外観が低下する傾向にある。
ガスバリア層を有すると、プラスチックフィルムのガス透過性が大幅に低下するので、外気に含まれる水蒸気、酸素の透過を抑制することができる。液晶ディスプレイに用いる場合においても、ガスバリア層が無いと素子内への水蒸気や酸素などのガス混入により、表示品質を劣化させ寿命を短くする原因となる。
本発明ではプラスチックフィルムにガスバリア層が少なくとも1層設けられる。ガスバリア層を有することで、ガス透過を抑制するだけでなく、プロセス中、洗浄などの液体に接触する工程においても、寸法変化を抑えることができる。
ガスバリア層としては、透明性を有する無機膜を設けることが好ましい。特にこれに限定されるわけではないが、透明性、ガスバリア性の観点から酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化窒化珪素、酸化窒化アルミニウム、SiAlONなどが使用できる。さらに耐酸、耐アルカリ性の観点から、ケイ素の酸化物、窒化物または酸化窒素化物を主成分とすることが好ましい。
ガスバリア層は、蒸着、イオンプレーティング、スパッタリングなどの物理蒸着法(PVD)法、プラズマCVD(chemical vapor deposition)などの化学蒸着法、またはゾルゲル法などで作製することができる。中でもスパッタリング法で作製すると、密着力が高く、緻密でガスバリア性の高い膜が得られ易く好ましい。ガスバリア層の成膜工程は、枚葉方式あるいはロール・トゥ・ロール方式のいずれも適用できるが、プラスチックフィルム上に成膜を行なうため、ロール・トゥ・ロール方式で行なうと生産性が向上する。ケイ素の酸化物、窒化物または酸化窒素化物のスパッタリング成膜は、DC(直流)スパッタリング法、RF(高周波)スパッタリング法、これにマグネトロンスパッタリングを組み合わせた方法、さらに中間的な周波数領域を用いたデュアルマグネトロン(DMS)スパッタリング法などの従来技術を、単独でまたは組み合わせて用いることができる。スパッタリング雰囲気中には、He、Ne、Ar、Kr、Xe等の不活性ガス、酸素、窒素のうち少なくとも1種のプロセスガスを用いることができる。DCスパッタリングやDMSスパッタリングでケイ素の酸化物、窒化物または酸化窒素化物のスパッタリングを行なう際には、そのターゲットにSiを用いることができる。プロセスガス中に酸素や窒素を導入することで、ケイ素の酸化物、窒化物または酸化窒素化物の薄膜を作ることができる。RF(高周波)スパッタリング法でこれらを成膜する場合は、SiOやSiなどのセラミックターゲットを用いることもできる。生産性の観点から、Siターゲットを用い、DCスパッタリングやDMSスパッタリング等で、酸素や窒素を導入しながら成膜することが好ましい。
ガスバリア層は両面あるいは片面に2層以上設けても良い。特に、両面にガスバリア層を設けると、工程中の寸法変化が抑えられるため好ましい。片面に2層以上設ける場合、ガスバリア層の間に有機コート層が設けられていることが好ましい。この有機コート層を中間層に設けることは、バリア層を連続して2層設けた場合に比較して、ガス透過率が低下することから好ましい。これは、有機コート層が、先に設けられたバリア層の欠点を覆い隠して平滑化することで、次に設けるバリア層が前のバリア層の欠点をきっかけとした、ピンホールなどの欠点を作りにくくするためと考えられている。また、この有機コート層はプラスチックフィルムとガスバリア層の間にも設けられて良い。各有機コート層は、それぞれが同じ材料でも異なる材料でもよい。
有機コート層は、通常、透明性、密着性および耐熱性を有する化合物が良く、熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、アクリル系架橋樹脂などの紫外線・電子線架橋樹脂などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。有機コート層は原料化合物を溶液、ラテックスあるいは無溶媒のまま、ワイヤーバー、イクストルージョン、マイクログラビア、リバースロールなどの方法で形成することができる。かかる有機コート層の厚さは、0.5μmから5μmの範囲が、欠点の被覆性と密着性や透明性のバランスから好適である。
本発明に係る可撓性カラーフィルタ基板では、パターン状遮光層は、ガスバリア層と受像層との間に設けられる。そのパターン形状は、格子状あるいはストライプ状等である。パターン状遮光層は、着色層の各パターンの間隙に、着色層の各パターンの周囲を囲うように形成され、これにより、表示装置における着色層の表示色の混色を防ぎ、画像のコントラストを上げることができる。また、パターン状遮光層は、全面ではなく部分的に形成されるので、パターン状遮光層を設けても、ガスバリア層とインク受像層は、その少なくとも一部が直接接している。
パターン状遮光層の形成材料としては、黒色遮光材、感光性ポリマー、光重合性モノマー、光重合開始剤及び溶剤を主成分とし、任意に分散剤等を配合した塗布組成物を使用することができる。本発明のパターン状遮光層を構成する材料としては、遮光性に優れること、アルカリ現像性を有すること、露光時の感度に優れること、などの性能が要求される。
黒色遮光材としては、黒色顔料、黒色染料、及び無機材料などがあげられ、例えば黒色有機顔料、カーボンブラック、アニリンブラック、黒鉛、酸化チタン、及び鉄黒からなる群から選択される1種または2種以上を混合して用いることができる。
感光性ポリマーとしては、感光性を付与するエチレン性不飽和二重結合、および現像性を付与するカルボキシキル基を有するアクリルポリマーが好適に用いられる。
光重合性モノマーとしては、エチレン性不飽和二重結合を有する二官能以上のモノマー、オリゴマー、プレポリマー等を用いることが出来る。光重合性モノマーの具体例としては、例えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等を挙げることが出来る。これらの化合物は、単独叉は2種以上を混合して用いることができる。
光開始剤としては、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンゾフェノン、2−メチル−1−{4−(メチルチオ)フェニル}−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、1,2−オクタンジオン、1−{4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)}等を挙げることができる。これらの化合物は、単独叉は2種以上を混合して用いることができる。
分散剤としては、非イオン性界面活性剤例えばポリオキシエチレンアルキルエーテルなど、また、イオン性界面活性剤例えばアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリ脂肪酸塩、脂肪酸塩アルキルリン酸塩、及びテトラアルキルアンモニウム塩など、その他、有機顔料誘導体、及びポリエステルなどが挙げられる。分散剤は一種類を単独で使用してもよく、また、二種類以上を混合して使用してもよい。
溶剤としては、黒色樹脂組成物の塗布性、分散安定性などの点から、適宜選択して使用され、例えばトルエン、キシレン、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、ジクライム、シクロヘキサノンなどが挙げられる。
以上説明した感光性黒色樹脂組成物を塗布し、フォトリゾグラフィによりパターニングすることにより、パターン状遮光層を形成することが出来る。
他の遮光層材料としては、金属CrまたはCr基合金の蒸着膜またはスパッタリング膜を使用することができる。金属CrまたはCr基合金からなる遮光層は、優れた耐食性および遮光性を有している。
また、パターン状遮光層の形成方法としては、蒸着またはスパッタリングにより形成された遮光層上に、フォトリゾグラフィによりレジストパターンを形成し、これをマスクとしてエッチングすることにより微小開口部分を有する格子状パターン膜を成形する方法が挙げられる。
更に、遮光層の反射率が高いと外部からの反射光が表示画像のコントラストを低下させるので、画像を一層見やすくするために、基材と遮光層の間にCrO,CrNなどの化合物薄膜からなる低反射膜を形成することも可能である。
パターン状遮光層の厚さは、例えば、黒色樹脂組成物からなる場合、好ましくは0.5μmないし3.0μmである。0.5μm未満では、十分な遮光性を得にくく、3.0μmを超えると、カラーフィルタ形成時の表面平滑性が低下する傾向となる。
あるいは、パターン状遮光層が、例えばクロム金属またはクロム系合金からなる場合、その厚さは、好ましくは0.05μmないし0.5μmである。0.05μm未満では、十分な遮光性を得にくく、0.5μmを超えると、可撓性が低下する傾向となる。
本発明に係る可撓性カラーフィルタ基板では、着色層の下地として受像層が設けられている。そのため、着色層を形成するための材料をインクジェット用インクとして調製し、インクジェット印刷機に適用して、この受像層上に、着色層を容易に形成することができる。
受像層の形成材料としては、高分子ポリマー、溶剤を主成分とし、任意に微粒子などを添加した塗布組成物を使用することができる。本発明の受像層を構成する材料としては、透明であること、インク中の溶剤成分の吸収性、および色材の定着性に優れること、また変色や褪色がないこと、などの性能が要求される。
高分子ポリマーとしては、ポリアクリル酸エステル、ポリメタアクリル酸エステル、ポリエチルアクリル酸エステル、スチレンーブタジエン共重合体、ブタジエン共重合体、アクリロニトリルーブタジエン共重合体、クロロプレン共重合体、架橋アクリル樹脂、架橋スチレン樹脂、フッ素樹脂、フッ化ビニリデン、ベンゾグアナミン樹脂、フエノール樹脂、ポリオレフィン樹脂、セルロース、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタアクリル酸エステル共重合体、ポリスチレン、スチレン−アクリルアミド共重合体、n−イソブチルアクリレート、アクリロニトリル、酢酸ビニル、アクリルアミド、シリコーン樹脂、ポリビニルアセタール、ポリアミド、ロジン系樹脂、ポリエチレン、ポリカーボネート、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール、セルロース系樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−アクリル共重合体、塩化ビニル樹脂、ポリウレタン、等が挙げられるがこれに限定されるものではない。これらポリマーにアクリル基、カルボキシル基、イソシアネート基などの反応性部位を付与したもの、更にはこれらに必要に応じて架橋剤、光開始剤などを添加して、硬化型ポリマーとしても使用できる。
溶剤としては、受像層組成物の塗布性、分散安定性などの点から、適宜選択して使用されるものであり、水、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、トルエン、キシレン、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、ジクライム、シクロヘキサノンなどが挙げられる。
また、インクの吸収性を高めるために、透明性を損なわない範囲内で、インク受像層に微粒子(フィラー)を含有させることも有効である。フィラーとしては、無機微粒子では微粉末珪酸、有機微粒子ではアクリル樹脂、スチレン樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、シリコーン樹脂、及びフッソ樹脂などが挙げられる。透明性の点からは、アクリル樹脂が好ましい。また、フィラーの添加量は、インク受像層100重量%に対し1〜10重量%が好ましい。
受像層の厚さは、例えば0.3μmないし10μmにすることができる。0.3μm未満では、溶剤の吸収性の低下に伴う印刷性の低下が生ずる傾向があり、10μmを超えると、溶剤の吸収性の増加に伴う印刷性の低下が生ずる傾向がある。
本発明に係る可撓性カラーフィルタ基板では、着色層を着色インクによりインクジェット印刷で受像層上にパターン形成塗布することにより形成される。
着色インクの形成材料としては、着色顔料、溶剤、分散剤を主成分とした塗布組成物を使用することができる。本発明の着色インクとしては、インクジェットヘッドからの吐出性に優れること、すなわち低粘度、低表面張力であること、などの性能が要求される。
着色顔料としては、Pigment Red 9、19、38、43、97、122、123、144、149、166、168、177、179、180、192、215、216、208、216、217、220、223、224、226、227、228、240、Pigment Blue 15、15:6、16、22、29、60、64、Pigment Green7、36、Pigment Red 20、24、86、81、83、93、108、109、110、117、125、137、138、139、147、148、153、154、166、168、185、 Pigment Orange36、Pigment Violet23などを挙げることができる。 さらに、これらの顔料は要望の色相を得るために1種または2種以上を混合して用いることができる。
溶剤としては、例えば2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−エトキシエチルアセテート、2−ブトキシエチルアセテート、2−メトキシエチルアセテート、2−エトキシエチルエーテル、2−(2−エトキシエトキシ)エタノール、2−(2−ブトキシエトキシ)エタノール、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアセテート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチルアセテート、2−フェノキシエタノール、及びジエチレングリコールジメチルエーテルなどを、必要に応じて1種または2種類混合して用いることができる。
分散剤としては、非イオン性界面活性剤例えばポリオキシエチレンアルキルエーテルなど、また、イオン性界面活性剤例えば、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリ脂肪酸塩、及び脂肪酸塩アルキルリン酸塩、テトラアルキルアンモニウム塩など、その他に有機顔料誘導体、及びポリエステルなどが挙げられる。分散剤は単独で、あるいは二種類以上を混合して使用することができる。
本発明に係る可撓性カラーフィルタ基板では、オーバーコート層は、着色層を形成した受像層上に全面塗布することにより形成される。
オーバーコート層の形成材料としては、硬化性ポリマー、架橋剤、溶剤を主成分とした塗布組成物を使用することができる。本発明のオーバーコート層としては、熱、光、電子線などのエネルギーにより硬化すること、透明であること、形成した塗膜の表面が平滑であること、また変色や褪色がないこと、耐溶剤性があること、などの性能が要求される。
硬化性ポリマーとしては、エチレン性不飽和二重結合、イソシアネート基、カルボキシキル基、アミノ基、水酸基など、熱、光、電子線で硬化可能な成分を有するポリマーが使用することができる。
架橋剤としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、エチレングリコール(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等のアクリルモノマーやジカルボン酸ジヒドラジドはマロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、ピメリン酸ジヒドラジド、ズベリン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジドのアミン系架橋剤、等を挙げることが出来る。これらの化合物は、単独で、叉は2種以上を混合して用いることが出来る。
溶剤としては、オーバーコート層組成物の塗布性、分散安定性などの点から、適宜選択して使用されるものであり、水、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、トルエン、キシレン、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、ジクライム、シクロヘキサノンなどが挙げられる。
オーバーコート層の厚さは、例えば0.3μmないし10μmにすることができる。0.3μm未満では、表面の平滑性への効果が乏しく、また10μmを超えると可撓性に影響が生ずる傾向がある。
以下、本発明の実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明する。
<実施例1>
(ガラス繊維含有架橋樹脂入りプラスチックフィルムロールの作製)
下記多官能アクリレート樹脂組成物(架橋後の屈折率1.531)を下記ガラス繊維に含浸した後に紫外線硬化装置により連続的に硬化し、樹脂50重量%、ガラス繊維50重量%、幅30cm、長さ100m、厚さ100μmのプラスチックフィルムを得た。
〜多官能アクリレート樹脂組成物〜
ジシクロペンタジエニルジアクリレート(式1)
(東亞合成(株)製M−203、架橋後の屈折率1.527) 96重量部
ビス[4−(アクリロイロキシエトキシ)フェニル]フルオレン(式4)
(東亞合成(株)試作品TO−2065、架橋後の屈折率1.624) 4重量部
光重合開始剤 1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(チバスペシャリティケミカル製、イルガキュア184) 0.5重量部
〜ガラス繊維〜
Sガラス系のガラスクロス(厚さ50μm、屈折率1.530、ユニチカクロス製(#2117))
得られたプラスチックフィルムの30℃から150℃における線膨張係数は、10ppmであった。またこのプラスチックフィルムのガラス転移温度は、tanδmaxで評価したところ250℃以上であった。このプラスチックフィルムの全光線透過率は90.9%であった。
(ガスバリア層付プラスチックフィルムロールの作製)
このプラスチックフィルムを、スパッタロールコート装置に装填し、DCマグネトロンスパッタにより、Siをターゲットとして用いて、到達真空度1.0×10−4Pa以下、成膜温度180℃でプロセスガスとしてアルゴンガスと酸素ガスを導入し反応性スパッタでプラスチックフィルム上に膜厚70nmのSiOx(x=1.8,XPSによる)の成膜を行って、ガスバリア層を形成した。
次にガスバリア層の上に、ロール巻き出し装置、マイクログラビアコーター、乾燥炉、UV照射装置、ロール巻取り装置を備える連続塗工機にて、エポキシアクリレートプレポリマー100重量部、ジエチレングリコール200重量部、酢酸エチル100重量部、ベンゼンエチルエーテル2重量部、シランカップリング剤1重量部の均一混合溶液を、連続塗工機のマイクログラビアコーターで塗布し、120℃の乾燥ゾーンを通過させた後、紫外線を照射して、3μmの厚さの有機コート層を形成した。
次にこの有機コート層を形成したプラスチックフィルムをこの有機コート層と反対面にガスバリア層を成膜するために、スパッタロールコート装置に装填し、DCマグネトロンスパッタにより、Siをターゲットとして用いて、到達真空度1.0×10−4Pa以下、成膜温度180℃でプロセスガスとしてアルゴンガスと酸素ガスを導入し反応性スパッタで膜厚70nmのSiOx(x=1.8,XPSによる)の成膜を行って、ガスバリア層を形成した。
(パターン状遮光層付プラスチックフィルムロールの作製)
前記ガスバリア層付プラスチックフィルムロール上に、カーボンブラックを含有する黒色レジスト(新日鐵化学製、V−259BK)98部に光開始剤(チバスペシャリティケミカル製、ダロキュアTPO)2部を添加した塗液をマイクログラビア方式により乾燥後膜厚が約1.5μmとなるようにロールツーロールで連続塗布、プレ乾燥した。引き続き、露光装置および現像装置を備える連続パターニング装置を用いて、ブラックマトリクス線幅;20μm、開口部幅;80μmのストライプ状パターンを配置したフォトマスクを介してパターン露光し、アルカリ現像、水洗を行った後、連続式乾燥炉にて150℃で20分間の加熱硬化を行い、パターン状遮光層付プラスチックフィルムロールを形成した。
(受像層付プラスチックフィルムロールの作製)
前記パターン状遮光層付プラスチックフィルムロール上に、メチルメタクリレート50部、エチルアクリレート40部、アクリル酸10部を水200部中で乳化重合し、アクリル共重合ポリマーを合成した。この塗液をマイクログラビア方式により乾燥後膜厚が約3.0μmとなるようにロールツーロールで連続塗布、乾燥し、受像層付プラスチックフィルムロールを形成した。
(インクジェット印刷用着色インクの調製)
メタクリル酸20部、メチルメタクリレート10部、ブチルメタクリレート55部、ヒドロキシエチルメタクリレート15部を乳酸ブチル300部に溶解し、窒素雰囲気下でアゾビスイソブチルニトリル0.75部を加え70℃にて5時間の反応によりアクリル共重合樹脂を得た。得られたアクリル共重合樹脂を樹脂濃度が10%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで希釈しアクリル共重合樹脂の希釈液とした。
この希釈液80.1部に対し、赤インクは赤色顔料クロモフタルレッドA2B(C,I,Pig Red177 65300:チバガイキー製)19.0部、分散剤0.9部を添加、緑インクは緑色顔料リオノールグリーン2YS(C,I,Pig Green 36:東洋インキ製造製)19.0部、分散剤0.9部を添加、青インクは青色顔料ヘリオゲンブルーL6700F(BASF製)19.0部、分散剤0.9部を添加し、いずれも3本ロールにて混練し、赤色、緑色、青色の各着色ワニスを得た。この各着色ワニスをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで粘度が9〜10cps程度になるように調整しR,G,B着色インクを得た。
(着色層付プラスチックフィルムロールの作製)
次いでピエゾ方式、ノズル解像度50dpi、吐出量10plのヘッドを搭載したロールツーロール対応インクジェット記録装置を用い、前記受像層付プラスチックフィルムロールのパターン状遮光膜の開口部に相当する所定位置に、前記R,G,Bそれぞれのインクを使用し、ストライプ状着色層パターンを1画面毎に間欠送りでインクジェット印刷して、着色層付プラスチックフィルムロールを形成した。
(オーバーコート層付プラスチックフィルムロールの作製)
前記着色層付プラスチックフィルムロール上に、光硬化型アクリルポリマー(東亞合成製、アロニックスUVT−101)80部、多官能アクリルモノマー(東亞合成製、M−305)18部、光開始剤(チバスペシャリティケミカル製、ダロキュア4265)2部を混合した塗液をマイクログラビア方式により乾燥後膜厚が約3.0μmとなるようにロールツーロールで連続塗布、乾燥後、UV照射により塗膜を硬化してオーバーコート層付プラスチックフィルムロールを形成した。
(ロール状カラーフィルタ基板の評価)
前記工程を経ることにより得たインクジェット印刷方式によるロール状カラーフィルタ基板は、プラスチック基板の平滑性、ガスバリア性、遮光膜の遮光性、インクジェット吐出性能、着色層の均一性、耐溶剤性、カラーフィルタ基板の平滑性に優れた性能を示した。それぞれの評価の合格基準を下記に示す。
・プラスチック基板の平滑性
プラスチック基板表面のRa(μm)値が0.02以下であること
・ガスバリア性
水蒸気透過率が0.1g/(m・24hr)以下であること
・遮光膜の遮光性
遮光膜全面塗布時の反射濃度が3.0以上
・着色インクのインクジェットヘッド吐出性能
吐出ノズルが95%以上、且つ吐出角度0.5°以内のノズルが90%以上
・着色層の均一性
目視観察で顔料の凝集なきこと
・耐溶剤性
オーバーコート層表面がNMP、30minのスポットラビングテストで塗膜損傷なきこと
・カラーフィルタ基板の平滑性
オーバーコート層表面のRa(μm)値が0.1以下であること
<実施例2>
実施例1におけるガラス繊維含有架橋樹脂入りプラスチックフィルムの比率を樹脂70重量%、ガラス繊維30重量%、およびガスバリア層の膜厚を100nmにした以外は、実施例1と同様の方法で行い、ロール状カラーフィルタ基板を得た。このロール状カラーフィルタ基板は実施例1同様、プラスチック基板の平滑性、ガスバリア性、遮光膜の遮光性、インクジェット吐出性能、着色層の均一性、耐溶剤性、カラーフィルタ基板の平滑性に優れた性能を示した。
<実施例3>
実施例1におけるパターン状遮光層の膜厚を約2.0μm、受像層のアクリル共重合ポリマーの組成比をメチルメタクリレート35部、エチルアクリレート60部、アクリル酸5部とした以外は、実施例1と同様の方法で行い、ロール状カラーフィルタ基板を得た。このロール状カラーフィルタ基板は実施例1同様、プラスチック基板の平滑性、ガスバリア性、遮光膜の遮光性、インクジェット吐出性能、着色層の均一性、耐溶剤性、カラーフィルタ基板の平滑性に優れた性能を示した。
<実施例4>
実施例1における受像層の膜厚を約5μm、着色インクの調整粘度を4〜5cpsとした以外は、実施例1と同様の方法で行い、ロール状カラーフィルタ基板を得た。このロール状カラーフィルタ基板は実施例1同様、プラスチック基板の平滑性、ガスバリア性、遮光膜の遮光性、インクジェット吐出性能、着色層の均一性、耐溶剤性、カラーフィルタ基板の平滑性に優れた性能を示した。
<比較例1>
実施例1におけるガラス繊維含有架橋樹脂入りプラスチックフィルムの比率を樹脂5重量%、ガラス繊維95重量%、およびガスバリア層の膜厚を30nmにした以外は、実施例1と同様の方法で行ったが、プラスチック基板の平滑性、およびガスバリア性に劣り、ロール状カラーフィルタ基板の作成に至らなかった。
<比較例2>
実施例1におけるパターン状遮光層の膜厚を約1.0μm、受像層のアクリル共重合ポリマーの組成比をメチルメタクリレート80部、エチルアクリレート15部、アクリル酸5部とした以外は、実施例1と同様の方法で行ったが、遮光膜の遮光性、および着色層の均一性に劣り、ロール状カラーフィルタ基板の作成に至らなかった。
<比較例3>
実施例1における受像層の膜厚を約1μm、着色インクの調整粘度を20cpsとした以外は、実施例1と同様の方法で行ったが、インクジェット吐出性能、および着色層の均一性に劣り、ロール状カラーフィルタ基板の作成に至らなかった。
<比較例4>
実施例1におけるオーバーコート層の組成比を光硬化型アクリルポリマー90部、アクリルモノマー8部、光開始剤2部とし、塗布膜厚を約1.5μmとした以外は、実施例1と同様の方法でロール状カラーフィルタ基板を作成したが、耐溶剤性、カラーフィルタ基板の平滑性に劣る性能であった。

Claims (13)

  1. プラスチックフィルムと、
    前記プラスチックフィルムの少なくとも片面に設けられたガスバリア層と、
    前記ガスバリア層上に設けられたパターン状遮光層と、
    前記パターン状遮光層の上、全面に設けられた受像層と、
    前記パターン状遮光層の開口部に相当する位置に設けられた着色層と、
    前記パターン状遮光層及び前記着色層の上の全面に設けられたオーバーコート層とを含むことを特徴とするカラーフィルタ基板。
  2. 前記プラスチックフィルムが、架橋樹脂とガラス繊維を含み、該ガラス繊維が、プラスチックフィルム組成物に対して10〜90重量%配合され、且つ該プラスチックフィルムの30℃から150℃における線膨張係数が、0ppm/℃以上、40ppm/℃以下であることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ基板。
  3. 前記ガスバリア層が、ケイ素の酸化物、窒化物または酸化窒素化物を主成分として含み、水蒸気透過率が、0.1g/(m・24hr)以下であることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載のカラーフィルタ基板。
  4. 前記パターン状遮光層が、少なくとも黒色顔料、感光性樹脂、光開始剤を含み、黒色顔料が、遮光層組成物に対して30〜60重量%配合され、且つ被膜の反射濃度が3.0以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のカラーフィルタ基板。
  5. 前記受像層が、少なくとも分子量10万以上のアクリル系共重合樹脂を含み、アクリル系共重合樹脂のTgが50℃以下、受像層被膜の全光線透過率が90%以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のカラーフィルタ基板。
  6. 少なくとも片面にガスバリア層を有するロール状基材を用いたカラーフィルタ基板の製造方法であって、
    (1)フォトリソグラフィー法でガスバリア層上にパターン状遮光層を形成する工程、
    (2)前記パターン状遮光層上全面に受像層を形成する工程、
    (3)前記パターン状遮光層の開口部に相当する位置の受像層上にインクジェット印刷により赤、緑、青の着色インクを選択的に付与し、着色層を形成する工程、
    (4)前記遮光層、着色層を含む全面にオーバーコート層を形成する工程、
    を含み、且つ前記(1)〜(4)のすべての工程がロールツーロールプロセスからなることを特徴とするカラーフィルタ基板の製造方法。
  7. 前記オーバーコート層が、熱、光、電子線のうち、少なくとも一つ以上のエネルギーで硬化する樹脂を含み、前記オーバーコート層の全光線透過率が90%以上であることを特徴とする請求項6に記載のカラーフィルタ基板の製造方法。
  8. 前記(3)工程のインクジェット印刷で用いる着色インクが、少なくとも着色顔料と沸点150℃以上の溶剤種を含み、インクの粘度が20cps以下、表面張力が35mN/m以下であることを特徴とする請求項6又は7のいずれかに記載のカラーフィルタ基板の製造方法。
  9. 前記ガスバリア層が、ロール状基材上にスッパタリング法により形成されることを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載のカラーフィルタ基板の製造方法。
  10. 前記(1)工程が、マイクログラビア方式により遮光層材料を塗布、乾燥し、一定範囲で間欠に露光後、現像、水洗、硬化して、ロールツーロール形成されることを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載のカラーフィルタ基板の製造方法。
  11. 前記(2)工程が、受像層材料をマイクログラビア方式により塗布、乾燥して、ロールツーロール形成されることを特徴とする請求項6〜10のいずれかに記載の可撓性カラーフィルタ基板の製造方法。
  12. 前記(3)工程が、インクジェット方式で、印刷ピッチに合わせてヘッドの回転角度を変えて、一定範囲で間欠に着色インクを選択的にパターン印刷処理、乾燥し、ロールツーロール形成で着色層を形成する工程であることを特徴とする請求項6〜11のいずれかに記載のカラーフィルタ基板の製造方法。
  13. 前記(4)工程が、マイクログラビア方式によりオーバーコート材料を塗布、乾燥した後、熱、光、電子線のいずれかのエネルギーで前記オーバーコート材料を硬化して、オーバーコート層をロールツーロール形成する工程であることを特徴とする請求項6〜12のいずれかに記載のカラーフィルタ基板の製造方法。
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