JP2008242179A - 光学フィルム、光学フィルムの製造方法、それらを用いた偏光板、及び液晶表示装置、化合物 - Google Patents

光学フィルム、光学フィルムの製造方法、それらを用いた偏光板、及び液晶表示装置、化合物 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、フィルムの変形が低減され、紫外線吸収性能が良好なハードコート層を設けた光学フィルムとその製造方法及び該光学フィルムを用いた偏光板、及び液晶表示装置を提供することである。
【解決手段】本発明の目的は、セルロースエステル、シクロオレフィン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリビニルアルコールから選ばれる少なくとも1つの樹脂と、同一分子内に発光部位Aと紫外線吸収部位Bを有する発光性紫外線吸収剤を含有することを特徴とする光学フィルムによって達成された。
【選択図】なし

Description

本発明は、光学フィルムおよびその製造方法に関するものであり、特に偏光板を構成する偏光板保護フィルムや表面保護フィルムなどに用いられる光学フィルムとその製造方法、それらを用いた偏光板、及び液晶表示装置に関する。
液晶ディスプレーやプラズマディスプレー等(画面表示装置)では、表面反射防止膜や熱線吸収膜等の光学薄膜を表面に付与することが多いが、観察者が画面に直接接触することがあり、傷が付きやすいため、通常はハードコート層付き光学フィルムが表面保護フィルムとして表示装置表面に使用されている。
上記表面保護フィルムとしては、セルロースエステルフィルムを支持体としたその少なくとも一方の面に、活性線硬化性組成物を塗設し、その後活性線を照射することによりハードコート層を設けた光学フィルムが好ましく用いられる。
しかしながら、紫外線吸収剤が多量に添加されている薄膜の光学フィルムでは、紫外線吸収剤が活性線を吸収し、そのエネルギーを熱として放出するためハードコート層を設ける際にフィルムが変形するという問題があった(特許文献1)。
フィルムの変形は、ハードコート層を塗設した反対側にアンチカール層(バックコート層)を設けること、及び紫外線吸収剤の添加量を減らすことである程度対応することができる。
しかしながら、紫外線吸収剤の添加量を減らすという対応では、当然ながら紫外線吸収性能が低下してしまい、本来の光学フィルムとしての機能が不十分となる。
この発熱によるフィルムの変形を改善する方法として、紫外線吸収剤が吸収したエネルギーを熱に変換するのではなく、フィルムに悪影響を及ぼさない他のエネルギーに変換する方法が考えられる。
そのような方法の一つとして、吸収したエネルギーを光に変換する化合物を用いることが、例えば特許文献2に記載されている。ここでは、紫外線を吸収して380nm付近の光を放出する化合物が開示されているが、この化合物では紫外線吸収性能が光学フィルム用途としては十分ではない。
また特許文献3には、紫外線吸収剤としても機能する蛍光増白剤を用いることが記載されている。しかしながら、この化合物も紫外線吸収性能が光学フィルム用途としては十分ではない。
特許文献4には、蛍光増白剤と紫外線吸収剤を併用して用いることが記載されている。しかしながら、この方法では、紫外線による発熱を抑えるために添加しなければならない蛍光増白剤の量が多く、ブリードアウトが発生し実用に耐える光学フィルムを作製することはできなかった。
特開2005−47936号公報 特開平10−59987号公報 特開2002−53824号公報 特開2003−315549号公報
本発明の目的はフィルムの変形が低減され、紫外線吸収性能が良好な光学フィルムとその製造方法及び該光学フィルムを用いた偏光板、及び液晶表示装置を提供することである。
本発明の上記目的は以下の構成により達成される。
1.セルロースエステル、シクロオレフィン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリビニルアルコールから選ばれる少なくとも1つの樹脂と、同一分子内に発光部位Aと紫外線吸収部位Bを有する発光性紫外線吸収剤を含有することを特徴とする光学フィルム。
2.前記発光性紫外線吸収剤が下記一般式(I)で表されることを特徴とする前記1記載の光学フィルム。
一般式(I)A−L−B
(式中、Aはベンゾオキサゾール残基、クマリン残基、スチルベン残基を表し、Bはベンゾトリアゾール残基、トリアジン残基、ベンゾフェノン残基を表し、Lは単結合もしくは分子量10以上100以下の2価の連結基を表す。)
3.前記発光性紫外線吸収剤が下記一般式(II)で表されることを特徴とする前記1または2記載の光学フィルム。
Figure 2008242179
(式中、R1、R2、R3は置換基を表し、R4およびR5はそれぞれ水素原子または置換基を表し、Lは−O−または−NR6−を表し、R6は水素原子または置換基を表す。pは0〜4の整数を表し、qは0〜3の整数を表し、rは0〜3の整数を表す。)
4.前記光学フィルムの少なくとも一方の面に、ハードコート層を有することを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の光学フィルム。
5.光学フィルム上に活性線硬化性組成物を塗布しその後活性線を照射することによりハードコート層を設けることを特徴とする前記4に記載の光学フィルムの製造方法。
6.前記1〜4のいずれか1項に記載の光学フィルムを用いることを特徴とする偏光板。
7.前記6に記載の偏光板を用いることを特徴とする液晶表示装置。
8.下記一般式(I)で表される化合物。
一般式(I) A−L−B
(式中、R1、R2、R3は置換基を表し、R4およびR5はそれぞれ水素原子または置換基を表し、Lは−O−または−NR6−を表し、R6は水素原子または置換基を表す。pは0〜4の整数を表し、qは0〜3の整数を表し、rは0〜3の整数を表す。)
本発明によりフィルムの変形が低減され、紫外線吸収性能が良好なハードコート層を設けた光学フィルムとその製造方法及び該光学フィルムを用いた偏光板、及び液晶表示装置を提供できる。
以下本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明はフィルムの変形が低減され、紫外線吸収性能が良好なハードコート層を設けた光学フィルムを得るものである。
このようなハードコート層を有する光学フィルムを用いることで高品質の偏光板用保護フィルム、反射防止フィルム、位相差フィルム等の光学フィルムを得ることが出来、さらには表示品質の高い偏光板、及び液晶表示装置を得ることが出来る。
本発明者らは鋭意研究の結果、変形が抑制され、かつ紫外線吸収性能が良好な光学フィルムを得るには、セルロースエステル等の樹脂に含有する紫外線吸収剤の構造に発光部位Aと紫外線吸収部位Bを有する発光性紫外線吸収剤を用い、吸収した活性線のエネルギーを光エネルギーに変換してフィルムの発熱を抑えることによって、本発明の目的を達成出来ることを見出した。
本発明者は、特許文献4にあるように紫外線吸収剤と蛍光増白剤を併用してフィルム中に添加した場合は、樹脂中に希釈した状態でそれぞれの化合物が存在していることになり紫外線吸収剤と蛍光増白剤の物理的な距離がかなり離れているので、エネルギー移動などによって紫外線吸収剤が吸収したエネルギーを蛍光材料に受け渡すことが困難であるため、紫外線吸収剤の発熱を抑えることが難しいことを見出し、本発明をするに至った。
以下、本発明を詳細に説明する。
〈光学フィルム〉
本発明において光学フィルムとは、液晶ディスプレー、プラズマディスプレー、有機ELディスプレー等の各種表示装置に用いられる機能性樹脂フィルムのことであり、詳しくは液晶表示装置用の偏光板保護フィルム、位相差フィルム、反射防止フィルム、輝度向上フィルム、ハードコートフィルム、防眩フィルム、帯電防止フィルム、視野角拡大等の光学補償フィルム等を含む。
本発明の光学フィルムに用いられる樹脂としては、セルロースエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、シクロオレフィン系樹脂を挙げることができる。
また添加剤として可塑剤、酸化防止剤、その他の添加剤を含有することができ、これらのフィルム上に紫外線硬化性樹脂からなるハードコート層を設けることができる。
本発明による光学フィルムの膜厚は、使用目的によって異なるが、仕上がりのフィルムとして、本発明において使用される膜厚範囲は20〜100μmで、最近の薄手傾向にとっては30〜100μmの範囲が好ましい。
膜厚は、所望の厚さになるように、押し出し流量、ダイスの口金のスリット間隙、冷却ドラムの速度等をコントロールすることで調整できる。また、膜厚を均一にする手段として、膜厚検出手段を用いて、プログラムされたフィードバック情報を上記各装置にフィードバックさせて、調節するのが好ましい。
《光学フィルムを構成する樹脂》
本発明に係る樹脂についてはセルロースエステル、ポリカーボネート、ポリスチレン、シクロオレフィン、ポリビニルアルコールである。これらのフィルムの製膜方法は溶液流涎でも溶融流涎でも特に限定はされない。
セルロースエステルとしては、例えば芳香族カルボン酸エステルなども用いられるが、光学特性等の得られるフィルムの特性を鑑みると、セルロースの低級脂肪酸エステルを使用するのが好ましい。
本発明においてセルロースの低級脂肪酸エステルにおける低級脂肪酸とは炭素原子数が5以下の脂肪酸を意味し、例えばセルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースピバレート等がセルロースの低級脂肪酸エステルの好ましいものとして挙げられる。
炭素原子数が6以上の脂肪酸で置換されたセルロースエステルでは、溶融製膜性は良好であるものの、得られるセルロースエステルフィルムの力学特性が低く、実質的に光学フィルムとして用いることが難しいためである。
力学特性と溶融製膜性の双方を両立させるために、セルロースアセテートプロピオネートやセルロースアセテートブチレート等のように混合脂肪酸エステルを用いてもよい。
ポリカーボネートの具体例としては1−シクロヘキシレンビス(4−フェノール)をビスフェノール成分とするポリカーボネート樹脂、2,2−プロピレンビス(4−フェノール)(ビスフェノール−A)から得られたポリカーボネート樹脂等があげられる。
ポリスチレンの具体例としてはポリ4−ヒドロキシスチレンのポリスチレン、シンジオタクチックポリスチレン等があげられる。
ポリビニルアルコール系樹脂は、ポリ酢酸ビニルをケン化して得られたポリビニルアルコール;その誘導体;更に酢酸ビニルと共重合性を有する単量体との共重合体のケン化物;ポリビニルアルコールをアセタール化、ウレタン化、エーテル化、グラフト化、リン酸エステル化等した変性ポリビニルアルコールがあげられる。
シクロオレフィンとして好ましいものは、シクロオレフィンを重合又は共重合した樹脂である。シクロオレフィンとしては、ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、テトラシクロドデセン、エチルテトラシクロドデセン、エチリデンテトラシクロドデセン、テトラシクロ〔7.4.0.110,13.02,7〕トリデカ−2,4,6,11−テトラエンなどの多環構造の不飽和炭化水素及びその誘導体;シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、3,4−ジメチルシクロペンテン、3−メチルシクロヘキセン、2−(2−メチルブチル)−1−シクロヘキセン、シクロオクテン、3a,5,6,7a−テトラヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデン、シクロヘプテン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエンなどの単環構造の不飽和炭化水素及びその誘導体等が挙げられる。
これらシクロオレフィンには置換基として極性基を有していてもよい。極性基としては、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシル基、エポキシ基、グリシジル基、オキシカルボニル基、カルボニル基、アミノ基、エステル基、カルボン酸無水物基などが挙げられ、特に、エステル基、カルボキシル基又はカルボン酸無水物基が好適である。
また、これらの樹脂は2種類以上混合して用いることができる。
〈ハードコート層〉
本発明のハードコート層は耐傷性を向上させるために光学フィルム上に設けられるもので、一般にハードコート塗料を樹脂フィルム上に直接、或いは0.1〜1μm程度の下引き層を介して3〜10μm程度の膜厚の層として形成される。
通常は活性線硬化性組成物を有機溶媒に溶解してフィルム上に塗布し、乾燥後活性線を照射してハードコート層が形成される。
活性線としては、紫外線、電子線が好ましい活性線としてあげられるが、特に紫外線が好ましい。
ハードコート層塗布の際に用いられる溶媒としては、例えば炭化水素類、アルコール類、ケトン類、エステル類、グリコールエーテル類、その他の溶媒の中から適宜選択し、あるいはこれらを混合し利用できる。好ましくは、プロピレングリコールモノ(炭素数1〜4のアルキル基)アルキルエーテルまたはプロピレングリコールモノ(炭素数1〜4のアルキル基)アルキルエーテルエステルを5質量%以上、さらに好ましくは5〜80質量%以上含有する溶媒が用いられる。
ハードコート層に用いられる活性線硬化性組成物としては、例えば紫外線硬化型アクリルウレタン系樹脂、紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂、紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂、紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂、又は紫外線硬化型エポキシ樹脂等を挙げることが出来る。
紫外線硬化型アクリルウレタン系樹脂は、一般にポリエステルポリオールにイソシアネ ートモノマー、もしくはプレポリマーを反応させて得られた生成物に更に2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(以下アクリレートにはメタクリレートを包含するものとしてアクリレートのみを表示する)、2−ヒドロキシプロピルアクリレート等の水酸基を有するアクリレート系のモノマーを反応させることによって容易に得ることが出来る(例えば特開昭59−151110号)。
紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂は、一般にポリエステルポリオールに2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシアクリレート系のモノマーを反応させることによって容易に得ることが出来る(例えば、特開昭59−151112号)。
紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂の具体例としては、エポキシアクリレートをオリゴマーとし、これに反応性希釈剤、光反応開始剤を添加し、反応させたものを挙げることが出来る(例えば、特開平1−105738号)。
この光反応開始剤としては、ベンゾイン誘導体、オキシムケトン誘導体、ベンゾフェノン誘導体、チオキサントン誘導体等のうちから、1種もしくは2種以上を選択して使用することが出来る。
また、紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂の具体例としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等を挙げることが出来る。
その他、重合可能なモノマーを別途添加使用することもできる。このようなモノマーとしては、例えば、不飽和二重結合が一つのモノマーとして、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、酢酸ビニル、ベンジルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、スチレン等の一般的なモノマーを挙げることが出来る。
また不飽和二重結合を二つ以上持つモノマーとして、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ジビニルベンゼン、1,4−シクロヘキサンジアクリレート、1,4−シクロヘキシルジメチルアジアクリレート、前出のトリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリルエステル等を挙げることができる。
これらの樹脂組成物は通常公知の光増感剤と共に使用される。また上記光反応開始剤も光増感剤としても使用出来る。
具体的には、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ミヒラーケトン、α−アミロキシムエステル、テトラメチルウラムモノサルファイド、チオキサントン等及びこれらの誘導体を挙げることが出来る。
また、エポキシアクリレート系の光反応剤の使用の際、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等の増感剤を用いることが出来る。
紫外線硬化性組成物に用いられる光反応開始剤又光増感剤は該組成物100質量部に対して0.1〜15質量部であり、好ましくは1〜10質量部である。
本発明の樹脂組成物の固形分濃度は10〜95質量%であることが好ましく、塗布方法により適当な濃度が選ばれる。
紫外線硬化性樹脂としては、例えば、アデカオプトマーKR・BYシリーズKR−400、KR−410、KR−550、KR−566、KR−567、BY−320B、(以上ADEKA株式会社製)あるいはコーエイハードA−101−KK、A−101−WS、C−302、C−401−N、C−501、M−101、M−102、T−102、D−102、NS−101、FT−102Q8、MAG−1−P20、AG−106、M−101−C(以上広栄化学工業株式会社製)、あるいはセイカビームPHC2210(S)、PHCX−9(K−3)、PHC2213、DP−10、DP−20、DP−30、P1000、P1100、P1200、P1300、P1400、P1500、P1600、SCR900(以上日精化工業株式会社製)、あるいはKRM7033、KRM7039、KRM7130、KRM7131、UVECRYL29201、UVECRYL29202(以上ダイセル・ユーシービー株式会社)、あるいはRC−5015、RC−5016、RC−5020、RC−5031、RC−5100、RC−5102、RC−5120、RC−5122、RC−5152、RC−5171、RC−5180、RC−5181(以上大日本インキ化学工業株式会社製)、あるいはオーレックスNo.340クリヤ(中国塗料株式会社製)、あるいはサンラッドH−601(三洋化成工業株式会社製)、あるいはSP−1509、SP−1507(昭和高分子株式会社製)、あるいはRCC−15C(グレース・ジャパン株式会社製)、アロニックスM−6100、M−8030、M−8060(以上、東亞合成株式会社製)あるいはこの他の市販のものから適宜選択して利用することもできる。
紫外線硬化性組成物を光硬化反応によりハードコート層を形成するための光源としては、紫外線を発生する光源であればいずれでも使用出来る。
例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を用いることが出来る。
照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、照射光量は20〜10000mJ/cm2 程度あればよく、好ましくは、50〜2000mJ/cm2である。
近紫外線領域から可視光線領域にかけてはその領域に吸収極大のある増感剤を用いることによって使用出来る。また紫外線を照射する際の雰囲気は空気であってもよく、または窒素ガスや炭酸ガス等の不活性ガスであってもよい。
〈本発明の紫外線吸収剤〉
本発明の紫外線吸収剤としては偏光子や表示装置の紫外線に対する劣化防止の観点から、波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れており、かつ液晶表示性の観点から、波長400nm以上の可視光の吸収が少ないものが好ましい。
本発明の紫外線吸収部位Bとしては、ベンゾトリアゾール残基、ベンゾフェノン残基、トリアジン残基があげられ、これらは同一分子内に複数存在しても良い。
発光性紫外線吸収剤の蛍光部位Aとしては、ベンゾオキサゾール残基、クマリン残基、スチルベン残基があげられ、これらは同一分子内に複数存在しても良い。
本発明の発光性紫外線吸収剤は単独で、或いは2種以上を組合せて用いることが出来き、さらに公知の紫外線吸収剤と併用することもできる。
紫外線吸収剤の添加量としては樹脂に対して0.01〜10質量%添加することが好ましく、更に0.1〜5質量%添加することが好ましい。
《紫外線吸収部位B》
ベンゾトリアゾール残基の具体例として、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−(3″,4″,5″,6″−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール)、2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(直鎖及び側鎖ドデシル)−4−メチルフェノール、オクチル−3−〔3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル〕プロピオネートと2−エチルヘキシル−3−〔3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル〕プロピオネートの混合物等を挙げることが出来る。
ベンゾフェノン残基の具体例として、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニルメタン)等を挙げることが出来る。
トリアジン残基の具体例として2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−エトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−プロポキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−(2−ブトキシエトキシ)フェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジ−p−トルイル−6−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジ−p−トルイル−6−(2−ヒドロキシ−4−エトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジ−p−トルイル−6−(2−ヒドロキシ−4−プロポキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジ−p−トルイル−6−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジ−p−トルイル−6−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジ−p−トルイル−6−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジ−p−トルイル−6−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジ−p−トルイル−6−(2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジ−p−トルイル−6−(2−ヒドロキシ−4−(2−ヘキシルオキシエトキシ)フェニル)−1,3,5−トリアジン(特開平10−17759号公報に記載)等を挙げることが出来る。
《発光部位A》
ベンゾオキサゾール残基として、具体的には、4−(ベンゾオキサゾール−2−イル)−4’−(5−メチルベンゾオキサゾール−2−イル)スチルベン、4,4’−ビス(ベンゾオキサゾール−2−イル)スチルベン、4,4’−ビス(ベンゾオキサゾール−2−イル)フラン等を挙げることが出来る。
クマリン残基として、3−フェニル−7−アミノ−クマリン、3−フェニル−7−(イミノ−1’,3’,5’−トリアジン−2’−ジエチルアミノ−4’−クロロ)−クマリン、3−フェニル−7−(イミノ−1’,3’,5’−トリアジン−2’−ジエチルアミノ−4’−メトキシ)−クマリン、3−フェニル−7−ナフトトリアゾール−クマリン、4−メチル−7−ヒドロキシ−クマリン等を挙げることが出来る。
スチルベン残基として、4,4’−ビス−(トリアジニルアミノ)−スチルベン−2,2’−ジスルホン酸、4,4’−ビス−(トリアゾール−2−イル)−スチルベン−2,2’−ジスルホン酸、4,4’−(ジフェニル)−スチルベン、4,4’−ジスチリル−ビフェニル、4−フェニル−4’−ベンゾオキサゾリル−スチルベン、スチルベン−ナフトトリアゾール、4−スチリル−スチルベン等を挙げることが出来る。
本発明の紫外線吸収剤は一般式(II)であらわされる化合物が好ましい。
前記一般式(II)において、R1、R2およびR3は置換基を表す。R1、R2およびR3で表される置換基としては特に制限はないが、例えば、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリフルオロメチル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基等)、アシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基等)、アルケニル基(例えば、ビニル基、2−プロペニル基、3−ブテニル基、1−メチル−3−プロペニル基、3−ペンテニル基、1−メチル−3−ブテニル基、4−ヘキセニル基、シクロヘキセニル基等)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子等)、アルキニル基(例えば、プロパルギル基等)、複素環基(例えば、ピリジル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、イミダゾリル基等)、アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基等)、アリールスルホニル基(例えば、フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基等)、アルキルスルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル基等)、アリールスルフィニル基(例えば、フェニルスルフィニル基等)、ホスホノ基、アシル基(例えば、アセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基等)、カルバモイル基(例えば、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、ブチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、2−ピリジルアミノカルボニル基等)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、オクチルアミノスルホニル基、ドデシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、ナフチルアミノスルホニル基、2−ピリジルアミノスルホニル基等)、スルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド基、ベンゼンスルホンアミド基等)、シアノ基、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等)、複素環オキシ基、シロキシ基、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等)、スルホン酸基、スルホン酸の塩、アミノカルボニルオキシ基、アミノ基(例えば、アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ドデシルアミノ基等)、アニリノ基(例えば、フェニルアミノ基、クロロフェニルアミノ基、トルイジノ基、アニシジノ基、ナフチルアミノ基、2−ピリジルアミノ基等)、イミド基、ウレイド基(例えば、メチルウレイド基、エチルウレイド基、ペンチルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、オクチルウレイド基、ドデシルウレイド基、フェニルウレイド基、ナフチルウレイド基、2−ピリジルアミノウレイド基等)、アルコキシカルボニルアミノ基(例えば、メトキシカルボニルアミノ基、フェノキシカルボニルアミノ基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル基等)、複素環チオ基、チオウレイド基、カルボキシル基、カルボン酸の塩、ヒドロキシル基、メルカプト基、ニトロ基等の各基が挙げられる。
これらの置換基は同様の置換基によってさらに置換されていてもよい。
一般式(II)におけるR1、R2およびR3で表される置換基として、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基が好ましく、アルキル基、アルコキシ基がより好ましく、アルキル基が特に好ましい。
前記一般式(II)において、R4およびR5はそれぞれ水素原子または置換基を表す。R4およびR5で表される置換基としては特に制限はないが、例えば、前記一般式(II)におけるR1、R2およびR3で表される置換基と同様の基を挙げることができる。
一般式(II)において、R4およびR5はそれぞれ水素原子またはアルキル基、フェニル基が好ましく、水素原子またはアルキル基がより好ましく、水素原子が特に好ましい。
一般式(II)において、Lは−O−または−NR6−を表す。
一般式(II)において、R6はそれぞれ水素原子または置換基を表す。R6で表される置換基としては特に制限はないが、例えば、一般式(II)におけるR1、R2およびR3で表される置換基と同様の基を挙げることができる。
一般式(II)において、R6はそれぞれ水素原子またはアルキル基、フェニル基が好ましく、水素原子またはアルキル基がより好ましく、水素原子が特に好ましい。
一般式(II)において、Lは−O−が好ましい。
一般式(II)において、pが0〜4の整数を表すが、pが2以上のとき複数のR1は同じで合っても異なっていてもよく、隣り合うR1同士が互いに結合して環を形成しても良い。一般式(II)においてpは1または2が好ましい。
一般式(II)において、qが0〜3の整数を表すが、qが2以上のとき複数のR2は同じで合っても異なっていてもよく、隣り合うR2同士が互いに結合して環を形成しても良い。一般式(II)においてqは0が好ましい。
一般式(II)において、rが0〜3の整数を表すが、rが2以上のとき複数のR3は同じで合っても異なっていてもよく、隣り合うR3同士が互いに結合して環を形成しても良い。一般式(II)においてrは0が好ましい。
以下に本発明の発光性紫外線吸収剤の具体例を挙げる。
Figure 2008242179
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Figure 2008242179
《本発明の紫外線吸収剤の合成例》
例示化合物(4)の合成
ナス型フラスコ中に2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)−5−カルボキシル−2H−ベンゾトリアゾールを10gとトルエン50ml、N,N−ジメチルホルムアミド0.5ml、塩化チオニル3.5mlを入れ、60℃で一時間加熱した。反応終了後、エバポレーターで溶媒と未反応の塩化チオニルを留去した。
次に別のフラスコにトルエン30ml、3−フェニル−4−ヒドロキシクマリン7.6g、ピリジン3.9mlを入れ80℃に加熱した。
その溶液中にトルエン50mlに溶解した先ほどの濃縮物を少しずつ滴下し、80℃のまま1時間30分加熱した。
加熱終了後に1規定の塩酸、5%の炭酸水素ナトリウム水溶液でそれぞれ洗浄し、有機層をエバポレーターで濃縮した。その濃縮物を酢酸エチル、ヘキサンの混合溶媒中に加熱溶解し、室温で撹拌しながら放冷することで結晶が析出した。
結晶をろ過、メタノールで洗浄、乾燥することで11.8gの例示化合物(4)を得た(収率68%)。
例示化合物(5)の合成
ナス型フラスコ中に2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−t−ブチルフェニル)−5−カルボキシル−2H−ベンゾトリアゾールを10gとトルエン50ml、N,N−ジメチルホルムアミド0.5ml、塩化チオニル3.5mlを入れ、60℃で一時間加熱した。反応終了後、エバポレーターで溶媒と未反応の塩化チオニルを留去した。
次に別のフラスコにトルエン30ml、6−ヒドロキシクマリン7.6g、ピリジン3.9mlを入れ80℃に加熱した。その溶液中にトルエン50mlに溶解した先ほどの濃縮物を少しずつ滴下し、80℃のまま1時間30分加熱した。
加熱終了後に1規定の塩酸、5%の炭酸水素ナトリウム水溶液でそれぞれ洗浄し、有機層をエバポレーターで濃縮した。その濃縮物を酢酸エチル、ヘキサンの混合溶媒中に加熱溶解し、室温で撹拌しながら放冷することで結晶が析出した。
結晶をろ過、メタノールで洗浄、乾燥することで7.7gの化合物(5)を得た(収率73%)。
例示化合物(12)の合成
ナス型フラスコ中に2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−t−ブチルフェニル)−5−カルボキシル−2H−ベンゾトリアゾールを10gとトルエン50ml、N,N−ジメチルホルムアミド0.5ml、塩化チオニル3.5mlを入れ、60℃で一時間加熱した。反応終了後、エバポレーターで溶媒と未反応の塩化チオニルを留去した。
次に酢酸エチル80mlに先の濃縮物を溶解し、炭酸カリウム50%水溶液20mlを加えた。続いて水浴上で撹拌しながらEA10mlに溶解した3−フェニル−6−アミノクマリン7.6gをゆっくり滴下して30分間撹拌した。
撹拌終了後、純水100mlで3回洗浄してpH7とし、有機層をエバポレーターで濃縮した。その濃縮物を酢酸エチル、ヘキサンの混合溶媒中に加熱溶解し、室温で撹拌しながら放冷することで結晶が析出した。
結晶をろ過、メタノールで洗浄、乾燥することで9.3gの化合物(12)を得た(収率77%)。
〈光学フィルムのその他の添加剤〉
《可塑剤》
本発明の光学フィルムには、可塑剤を添加することができる。例えば、リン酸エステル系可塑剤、多価アルコールエステル系可塑剤、フタル酸エステル系可塑剤、トリメリット酸エステル系可塑剤、ピロメリット酸系可塑剤、グリコレート系可塑剤、クエン酸エステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、脂肪酸エステル系可塑剤、多価カルボン酸エステル系可塑剤等を好ましく用いることができる。
これらの可塑剤は、それぞれ単独で、或いは2種以上を組合せて用いることが出来る。樹脂中の可塑剤の総含有量は、固形分総量に対し、5〜30質量%が好ましく、6〜20質量%がさらに好ましく、特に好ましくは8〜15質量%である。
《酸化防止剤、熱劣化防止剤》
本発明では、酸化防止剤、熱劣化防止剤としては、通常知られているものを使用することができる。特に、ラクトン系、イオウ系、フェノール系、二重結合系、ヒンダードアミン系、リン系化合物のものを好ましく用いることができる。
例えば、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社から、”IrgafosXP40”、”IrgafosXP60”という商品名で市販されているものを含むものが好ましい。
上記フェノール系化合物としては、2,6−ジアルキルフェノールの構造を有するものが好ましく、例えば、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社、”Irganox1076”、”Irganox1010”という商品名で市販されているものが好ましい。
上記リン系化合物は、例えば、住友化学株式会社から、”SumilizerGP”、ADEKA業株式会社からADK STAB PEP−24G”、”ADK STAB PEP−36”及び”ADK STAB 3010”、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社から”IRGAFOS P−EPQ”、エーピーアイコーポレーション株式会社、堺化学工業(株)から“GSY−P101”という商品名で市販されているものが好ましい。
上記ヒンダードアミン系化合物は、例えば、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社から、”Tinuvin144”及び”Tinuvin770”、旭電化工業株式会社から”ADK STAB LA−52”という商品名で市販されているものが好ましい。
上記イオウ系化合物は、例えば、住友化学工業株式会社から、”Sumilizer TPL−R”及び”Sumilizer TP−D”という商品名で市販されているものが好ましい。
上記二重結合系化合物は、住友化学工業株式会社から、”Sumilizer GM”及び”Sumilizer GS”という商品名で市販されているものが好ましい。
さらに、酸捕捉剤として米国特許第4,137,201号明細書に記載されているような、エポキシ基を有する化合物を含有させることも可能である。
これらの酸化防止剤等は、再生使用される際の工程に合わせて適宜添加する量が決められるが、一般には、フィルムの主原料である樹脂に対して、0.05〜20質量%の範囲で添加される。
これらの酸化防止剤、熱劣化防止剤は、一種のみを用いるよりも数種の異なった系の化合物を併用することで相乗効果を得ることができる。例えば、ラクトン系、リン系、フェノール系および二重結合系化合物の併用は好ましい。
《リターデーション調整剤》
本発明のセルロース誘導体フィルムにおいてリターデーションを調整するための化合物を含有させてもよい。
リターデーションを調整するために添加する化合物は、欧州特許第911,656A2号明細書に記載されているような、二つ以上の芳香族環を有する芳香族化合物を使用することも出来る。
また2種類以上の芳香族化合物を併用してもよい。該芳香族化合物の芳香族環には、芳香族炭化水素環に加えて、芳香族性ヘテロ環を含む。芳香族性ヘテロ環であることが特に好ましく、芳香族性ヘテロ環は一般に不飽和ヘテロ環である。中でも1,3,5−トリアジン環を有する化合物が特に好ましい。
《着色剤》
本発明においては、着色剤を使用することが好ましい。着色剤と言うのは染料や顔料を意味するが、本発明では、液晶画面の色調を青色調にする効果またはイエローインデックスの調整、ヘイズの低減を有するものを指す。
着色剤としては各種の染料、顔料が使用可能だが、アントラキノン染料、アゾ染料、フタロシアニン顔料などが有効である。以下に、好ましい着色剤の具体例を挙げるがこれらに限定されない。
《微粒子》
本発明に使用される微粒子としては、無機化合物の例として、二酸化珪素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウムを挙げることができる。
微粒子は珪素を含むものが濁度が低くなる点で好ましく、特に二酸化珪素が好ましい。
微粒子の一次粒子の平均粒径は5〜50nmが好ましく、更に好ましいのは7〜20nmである。これらは主に粒径0.05〜0.3μmの2次凝集体として含有されることが好ましい。
セルロース誘導体フィルム中のこれらの微粒子の含有量は0.05〜1質量%であることが好ましく、特に0.1〜0.5質量%が好ましい。共流延法による多層構成のセルロース誘導体フィルムの場合は、表面にこの添加量の微粒子を含有することが好ましい。
二酸化珪素の微粒子は、例えば、アエロジルR972、R972V、R974、R812、200、200V、300、R202、OX50、TT600,NAX50(以上日本アエロジル(株)製)の商品名で市販されており、使用することができる。
酸化ジルコニウムの微粒子は、例えば、アエロジルR976及びR811(以上日本アエロジル(株)製)の商品名で市販されており、使用することができる。
ポリマーの例として、シリコーン樹脂、フッ素樹脂及びアクリル樹脂を挙げることができる。シリコーン樹脂が好ましく、特に三次元の網状構造を有するものが好ましく、例えば、トスパール103、同105、同108、同120、同145、同3120及び同240(以上東芝シリコーン(株)製)の商品名で市販されており、使用することができる。
これらの中でもでアエロジル200V、アエロジルR972Vがセルロース誘導体フィルムの濁度を低く保ちながら、摩擦係数を下げる効果が大きいため特に好ましく用いられる。
〈偏光板及び液晶表示装置〉
本発明の偏光板は、偏光子の両面を2枚の偏光板保護フィルムで挟む構成を取っており、一般的な方法で作製することが出来る。
例えば、本発明の光学フィルムをアルカリ鹸化処理等の表面処理した後に、偏光子の両面または片方の面に、完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶液を用いて貼り合わせる方法がある。
アルカリ鹸化処理とは、水系接着剤の濡れを良くし、接着性を向上させるために、光学フィルムを高温の強アルカリ液中に浸ける処理のことをいう。
本発明の偏光板に用いる偏光子としては、従来公知のものを用いることが出来る。例えば、ポリビニルアルコールあるいはエチレン単位の含有量1〜4モル%、重合度2000〜4000、けん化度99.0〜99.99モル%であるエチレン変性ポリビニルアルコールの如き親水性ポリマーからなるフィルムを、ヨウ素の如き二色性染料で処理して延伸したものや、塩化ビニルの如きプラスチックフィルムを処理して配向させたものを用いる。
偏光子の膜厚としては、5〜30μmのものが好ましく用いられる。こうして得られた偏光子を、本発明の光学フィルムと貼合する。
このとき、偏光板を構成する偏光板保護フィルムのうちの少なくとも一枚は、本発明の光学フィルムが用いられる。もう一方の面には、別の偏光板保護フィルムを用いることが出来る。
もう一方の面には、市販のセルロースエステルフィルム(KC8UX2M、KC4UX2M、KC5UN、KC4UY、KC8UY(いずれもコニカミノルタオプト(株)製))またはセルロースエステルからなる位相差フィルムを表面側のもう一方の面の偏光板保護フィルムとして用いることが出来る。
上記のようにして得られる、本発明の偏光板を、液晶セルの視認側に本発明のハードコート層が最表面となるように配置して貼合し、本発明の液晶表示装置を作製することが出来る。
また本発明の光学フィルムはTN,VA,OCB,HAN等の各種駆動方式の液晶表示装置で好ましく用いられる。
〈製膜〉
以下、本発明に係わる位相差フィルムの好ましい製膜方法について説明する。
1)溶解工程
光学フィルムを構成する樹脂に対する良溶媒を主とする有機溶媒に、溶解釜中で該光学フィルムを構成する樹脂、添加剤を攪拌しながら溶解しドープを形成する工程、あるいは光学フィルムを構成する樹脂溶液に添加剤溶液を混合してドープを形成する工程である。
光学フィルムを構成する樹脂の溶解には、常圧で行う方法、主溶媒の沸点以下で行う方法、主溶媒の沸点以上で加圧して行う方法、特開平9−95544号公報、特開平9−95557号公報、または特開平9−95538号公報に記載の如き冷却溶解法で行う方法、特開平11−21379号公報に記載の如き高圧で行う方法等種々の溶解方法を用いることが出来るが、特に主溶媒の沸点以上で加圧して行う方法が好ましい。
ドープ中の光学フィルムを構成する樹脂の濃度は10〜35質量%が好ましい。溶解中または後のドープに添加剤を加えて溶解及び分散した後、濾材で濾過し、脱泡して送液ポンプで次工程に送る。
2)流延工程
ドープを送液ポンプ(例えば、加圧型定量ギヤポンプ)を通して加圧ダイに送液し、無限に移送する無端の金属ベルト、例えばステンレスベルト、あるいは回転する金属ドラム等の金属支持体上の流延位置に、加圧ダイスリットからドープを流延する工程である。
ダイの口金部分のスリット形状を調整出来、膜厚を均一にし易い加圧ダイが好ましい。加圧ダイには、コートハンガーダイやTダイ等があり、何れも好ましく用いられる。
金属支持体の表面は鏡面となっている。製膜速度を上げるために加圧ダイを金属支持体上に2基以上設け、ドープ量を分割して重層してもよい。あるいは複数のドープを同時に流延する共流延法によって積層構造のフィルムを得ることも好ましい。
3)溶媒蒸発工程
ウェブ(光学フィルムの完成品となる前の状態であって、まだ溶媒を多く含むものをこう呼ぶ)を金属支持体上で加熱し、金属支持体からウェブが剥離可能になるまで溶媒を蒸発させる工程である。
溶媒を蒸発させるには、ウェブ側から風を吹かせる方法及び/または金属支持体の裏面から液体により伝熱させる方法、輻射熱により表裏から伝熱する方法等があるが、裏面液体伝熱の方法が乾燥効率がよく好ましい。
またそれらを組み合わせる方法も好ましい。裏面液体伝熱の場合は、ドープ使用有機溶媒の主溶媒または最も低い沸点を有する有機溶媒の沸点以下で加熱するのが好ましい。
4)剥離工程
金属支持体上で溶媒が蒸発したウェブを、剥離位置で剥離する工程である。剥離されたウェブは次工程に送られる。なお、剥離する時点でのウェブの残留溶媒量(下記式)があまり大き過ぎると剥離し難かったり、逆に金属支持体上で充分に乾燥させ過ぎてから剥離すると、途中でウェブの一部が剥がれたりする。
ここで、製膜速度を上げる方法(残留溶媒量が出来るだけ多いうちに剥離することで製膜速度を上げることが出来る)としてゲル流延法(ゲルキャスティング)がある。例えば、ドープ中に光学フィルムを構成する樹脂に対する貧溶媒を加えて、ドープ流延後、ゲル化する方法、金属支持体の温度を低めてゲル化する方法等がある。
金属支持体上でゲル化させ剥離時の膜の強度を上げておくことによって、剥離を早め製膜速度を上げることが出来る。
金属支持体上でのウェブの剥離時残留溶媒量は、乾燥の条件の強弱、金属支持体の長さ等により5〜150質量%の範囲で剥離することが好ましいが、残留溶媒量がより多い時点で剥離する場合、ウェブが柔らか過ぎると剥離時平面性を損なったり、剥離張力によるツレや縦スジが発生し易いため、経済速度と品質との兼ね合いで剥離時の残留溶媒量が決められる。
本発明においては、該金属支持体上の剥離位置における温度を−50〜40℃とするのが好ましく、10〜40℃がより好ましく、15〜30℃とするのが最も好ましい。
また、該剥離位置におけるウェブの残留溶媒量を10〜150質量%とすることが好ましく、更に10〜120質量%とすることが好ましい。
残留溶媒量は下記の式で表すことが出来る。
残留溶媒量(質量%)={(M−N)/N}×100
ここで、Mはウェブの任意時点での質量、Nは質量Mのものを110℃で3時間乾燥させた時の質量である。
5)乾燥及び延伸工程
剥離後、ウェブを乾燥装置内に複数配置したロールに交互に通して搬送する乾燥装置、及び/またはクリップでウェブの両端をクリップして搬送するテンター装置を用いて、ウェブを乾燥する。
本発明においては、クリップ間の幅手方向に対して1.0〜2.0倍延伸する方法として、テンター装置を用いて延伸することが好ましい。更に好ましくは縦及び横方向に2軸延伸されたものである。
本発明においては、延伸する前に光学フィルムのガラス転移温度をTg(a)としたとき、Tg(a)+10〜Tg(a)+40℃で該ウェブを熱処理することが好ましい。
2軸延伸の際に縦方向に0.8〜1.0倍に緩和させて所望のリターデーション値を得ることも出来る。延伸倍率は目的の光学特性(Ro、Rt)に応じて設定される。又、本発明に係る位相差フィルムを製造する場合、長尺方向に一軸延伸することもできる。延伸の際の温度はTg(a)−10℃〜Tg(a)が好ましい。
乾燥の手段はウェブの両面に熱風を吹かせるのが一般的であるが、風の代わりにマイクロウエーブを当てて加熱する手段もある。全体を通して、通常乾燥温度は40〜250℃の範囲で行われる。使用する溶媒によって、乾燥温度、乾燥風量及び乾燥時間が異なり、使用溶媒の種類、組合せに応じて乾燥条件を適宜選べばよい。
このようにして得られたウェブを巻き取り、最終完成物である位相差フィルムを得ることができる。
実施例1
〈フィルム1の作製〉
トリアセチルセルロース30gと可塑剤としてトリメチロールプロパントリベンゾエートを3g、紫外線吸収剤として化合物(1)0.9gをジクロロメタン160mlとエタノール40mlの混合溶媒に溶解し、固形分が完全に溶解するまで撹拌した。
得られたドープを膜厚が20μmになるように製膜し、製膜後120℃のオーブンに20分入れて乾燥させてセルロースフィルムを得た。
紫外線吸収剤、膜厚を表1に記載のように変えてフィルム2〜27まで作成した。
〈フィルム28の作製〉
トリアセチルセルロース30gと可塑剤としてトリメチロールプロパントリベンゾエートを3g、紫外線吸収剤として化合物(4)0.9gをジクロロメタン160mlとエタノール40mlの混合溶媒に溶解し、固形分が完全に溶解するまで撹拌した。
膜厚が40μmになるように製膜し、製膜後120℃のオーブンに20分入れて乾燥させてセルロースフィルムを得た。
同様の方法で紫外線吸収剤の種類を表2に記載のように変えることでフィルム29〜37を製膜した。
〈フィルム38の作製〉
トリアセチルセルロース30gと可塑剤としてトリメチロールプロパントリベンゾエートを3g、紫外線吸収剤として化合物(1)0.9gをジクロロメタン160mlとエタノール40mlの混合溶媒に溶解し、固形分が完全に溶解するまで撹拌した。
膜厚が20μmになるように製膜し、製膜後120℃のオーブンに20分入れて乾燥させてセルロースフィルムを得た。同様の方法で膜厚及び紫外線吸収剤を変えてフィルム39〜52を製膜した。比較化合物A、B及びその他の比較化合物の構造は下記の通りである。
Figure 2008242179
Figure 2008242179
〈フィルム53の作製〉
ポリカーボネート30gと可塑剤としてトリメチロールプロパントリベンゾエートを3g、紫外線吸収剤として化合物(1)0.6gをジクロロメタン160mlとエタノール40mlの混合溶媒に溶解し、固形分が完全に溶解するまで撹拌した。
膜厚が40μmになるように製膜し、製膜後120℃のオーブンに20分入れて乾燥させてセルロースフィルムを得た。同様の方法で紫外線吸収剤、光学フィルムを構成する樹脂を変えることでフィルム54〜60を製膜した。
〈光学フィルムの変形の評価〉
フィルム1〜60のフィルム上に下記組成のハードコート層を塗布し乾燥後、1000mJ/cm2の紫外線を20秒間照射してフィルム形状の評価を、平らな机に紫外線照射後のフィルムを置いて以下の基準により目視で行った。
○:形状変化無し
△:少し変化
×:大きく変化
《硬化性組成物》
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート単量体 60質量部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート2量体 20質量部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート3量体以上の成分20質量部
ジメトキシベンゾフェノン光反応開始剤 4質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 75質量部
メチルエチルケトン 75質量部
結果を表1〜表4に示す。
Figure 2008242179
Figure 2008242179
Figure 2008242179
Figure 2008242179
表1〜3より本発明の化合物を添加したセルロースフィルムは紫外線照射によってフィルムが変形しなかったのに対して、比較化合物では紫外線照射によりフィルムが変形した。表4より比較化合物はシクロオレフィン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリビニルアルコールに対しても紫外線照射時にフィルムの変形が起こるのに対して、本発明の化合物はそれらの樹脂においてもフィルムの変形が起こらなかった。
これらの結果から本発明の化合物は紫外線照射におけるフィルムの変形を抑える効果があることが明らかになった。
実施例2
実施例1の光学フィルム構成に準じて40μmのフィルム61〜75を作製し、紫外線照射により変形する紫外線吸収剤の添加量および380nmの紫外線透過率を分光光度計で測定した。
同様の実験を紫外線吸収剤を変えて行った。評価に用いたフィルムは紫外線吸収剤、膜厚及びその添加量以外は実施例1と同様の方法で製膜した。
なお、フィルムの変形が見られなかったサンプルは、紫外線吸収剤がトリアセチルセルロースに対して添加量3質量%のときの透過率を測定した。
〈紫外線吸収性能の評価〉
380nmにおける紫外線透過率x%を島津製作所(株)製MPS−2000を用いて測定し、下記の基準により評価した。
◎:0≦x<2
○:2≦x<5
△:5≦x<10
×:10≦x
評価結果を表5に示す。
Figure 2008242179
表5より比較化合物は紫外線照射時にフィルムの変形を引き起こす紫外線吸収剤の添加量が明らかに少ないため、380nmの透過率が高くなった。
これに対して本発明の紫外線吸収剤は、フィルムの変形が起こらなかったので紫外線吸収剤の添加量を増やすことができ、380nmの透過率が比較化合物よりも低くなった。
そのためフィルムを薄膜化した際にも紫外線吸収性能が良好な光学フィルムを作ることが可能となる。
実施例4
〈偏光板の作製と評価〉
〔偏光板の作製〕
以下に記載の方法に従い、作製したフィルム61〜75の光学フィルムをアルカリケン化処理を行った後、それぞれ偏光板1〜15を作製した。
〈アルカリケン化処理〉
ケン化工程:2モル/L NaOH 50℃ 90秒
水洗工程 : 水 30℃ 45秒
中和工程 :10質量%HCl 30℃ 45秒
水洗工程 : 水 30℃ 45秒
上記条件で各試料を、ケン化、水洗、中和、水洗の順に行い、次いで80℃で乾燥を行った。
厚さ120μmのポリビニルアルコールフィルムを、沃素1kg、ホウ酸4kgを含む水溶液100kgに浸漬し、50℃で6倍に延伸して偏光膜を作製した。この偏光膜の片面にフィルム61〜75を、反対面にコニカミノルタタックKC8UCR(コニカミノルタオプト(株)製)を上記アルカリケン化処理を行った後、完全ケン化型ポリビニルアルコール5質量%水溶液を粘着剤として各々貼り合わせて偏光板を作製した。
〈耐光性の評価〉
強制劣化未処理試料の平行透過率(H0)と直行透過率(H90)を測定し、下式に従って偏光度を算出した。その後、各々の偏光板をサンシャインウェザーメーター500時間、UVカットフィルター無しの条件で強制劣化処理を施した後、再度、強制劣化処理後の平行透過率(H0′)と直行透過率(H90′)を測定し、下式に従って偏光度P0、P500を算出し、偏光度変化量を下記式により求めた。
〈偏光度P0、P500の算出〉
偏光度P0=〔(H0−H90)/(H0+H90)〕1/2×100
偏光度P500=〔(H0′−H90′)/(H0′+H90′)〕1/2×100
偏光度変化量=P0−P500
P0:強制劣化処理前の偏光度
P500:強制劣化処理500時間後の偏光度
以上のようにして求めた偏光度変化量を、以下の基準に則り判定し、耐光性の評価を行った。
◎:偏光度変化量が10%未満
○:偏光度変化量が10%以上25%未満
×:偏光度変化量が25%以上
結果を表6に示す。
Figure 2008242179
表6より比較例の偏光板は、紫外線吸収剤が紫外線照射により変形してしまう添加量で作成したフィルムを偏光板保護フィルムとして用いているが、その添加量では偏光子の偏光度変化量が大きくなり、耐光性の低い偏光板となった。
フィルムの変形を抑えるためにはこれよりもさらに少ない添加量にしなければならないため、偏光板の耐光性はさらに劣化する。
一方、本発明のフィルムを偏光板保護フィルムとして用いた偏光板では、偏光度変化量を10%未満にするのに十分な量の紫外線吸収剤を添加してもフィルムの変形が起こらないため、耐光性が良好な偏光板となった。
実施例5
〈液晶表示装置としての特性評価〉
SONY製40型ディスプレイKLV−40V1000の視認側の偏光板を剥がし、上記で作製した各々の偏光板を液晶セルのサイズに合わせて偏光板の偏光軸が元と変わらないように互いに直交するように貼り付け、40型TFT型カラー液晶ディスプレイを作製し、セルロースエステルフィルムの偏光板としての特性を評価した。
本発明の偏光板1〜11を用いた液晶表示装置は、比較の偏光板12〜15を用いた液晶表示装置に対してコントラストも高く、優れた表示性を示した。これにより、液晶ディスプレイ等の画像表示装置用の偏光板として優れていることが確認された。

Claims (8)

  1. セルロースエステル、シクロオレフィン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリビニルアルコールから選ばれる少なくとも1つの樹脂と、同一分子内に発光部位Aと紫外線吸収部位Bを有する発光性紫外線吸収剤を含有することを特徴とする光学フィルム。
  2. 前記発光性紫外線吸収剤が下記一般式(I)で表されることを特徴とする請求項1記載の光学フィルム。
    一般式(I)A−L−B
    (式中、Aはベンゾオキサゾール残基、クマリン残基、スチルベン残基を表し、Bはベンゾトリアゾール残基、トリアジン残基、ベンゾフェノン残基を表し、Lは単結合もしくは分子量10以上100以下の2価の連結基を表す。)
  3. 前記発光性紫外線吸収剤が下記一般式(II)で表されることを特徴とする請求項1または2記載の光学フィルム。
    Figure 2008242179
    (式中、R1、R2、R3は置換基を表し、R4およびR5はそれぞれ水素原子または置換基を表し、Lは−O−または−NR6−を表し、R6は水素原子または置換基を表す。pは0〜4の整数を表し、qは0〜3の整数を表し、rは0〜3の整数を表す。)
  4. 前記光学フィルムが少なくとも一方の面に、ハードコート層を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  5. 光学フィルム上に活性線硬化性組成物を塗布しその後活性線を照射することによりハードコート層を設けることを特徴とする請求項4に記載の光学フィルムの製造方法。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学フィルムを用いることを特徴とする偏光板。
  7. 請求項6に記載の偏光板を用いることを特徴とする液晶表示装置。
  8. 下記一般式(I)で表される化合物。
    一般式(I) A−L−B
    (式中、R1、R2、R3は置換基を表し、R4およびR5はそれぞれ水素原子または置換基を表し、Lは−O−または−NR6−を表し、R6は水素原子または置換基を表す。pは0〜4の整数を表し、qは0〜3の整数を表し、rは0〜3の整数を表す。)
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