JP2008240125A - 加工性に優れた高剛性高強度鋼板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】C:0.05〜0.15%、Si:1.5%以下、Mn:1.5〜3.0%、P:0.05%以下、S:0.01以下、Al:0.5%以下、N:0.01%以下、Nb:0.02〜0.15%およびTi:0.01〜0.15%を含有し、残部は実質的に鉄および不可避的不純物からなる成分組成並びに、フェライト相の面積率が50%以上およびマルテンサイト相の面積率が5%以上、かつ(112)[1-10]方位のODF解析強度が5以上である組織とし、さらに、引張強さ(TS)を590MPa以上、降伏強度(YS)と引張強さとの比YS/TSを0.70以下、引張強さと全伸び(El)との積TS×Elを16800MPa・%以上、そして圧延方向に対して直角方向のヤング率を230GPa以上とする。
【選択図】なし
Description
最近では、鋼板の高強度化が顕著に進んだ結果、引張強さが590MPa以上で板厚2.0mmを下回るような薄鋼板が製造可能になり、このような薄鋼板を積極的に適用する動きがある。一方で、部品剛性は、断面形状が同じならば、板厚とヤング率で決まるため、軽量化と部品剛性の両立には、ヤング率の向上が必要である。
(1)質量%で
C:0.05〜0.15%、
Si:1.5%以下、
Mn:1.5〜3.0%、
P:0.05%以下、
S:0.01以下、
Al:0.5%以下、
N:0.01%以下、
Nb:0.02〜0.15%および
Ti:0.01〜0.15%
を含有し、残部は実質的に鉄および不可避的不純物からなる成分組成を有するとともに、フェライト相の面積率が50%以上およびマルテンサイト相の面積率が5%以上、かつ(112)[1-10]方位のODF解析強度が5以上である組織を有し、さらに、引張強さ(TS)は590MPa以上、降伏強度(YS)と引張強さとの比YS/TSが0.70以下、引張強さと全伸び(El)との積TS×Elが16800MPa・%以上、そして圧延方向に対して直角方向のヤング率が230GPa以上であることを特徴とする加工性に優れた高剛性高強度鋼板。
V:0.01〜0.20%および
W:0.01〜0.20%
のいずれか1種または2種を含有する加工性に優れた高剛性高強度鋼板。
Cr:0.1〜1.0%、
Ni:0.1〜1.0%、
Mo:0.1〜1.0%、
Cu:0.1〜2.0%および
B:0.0005〜0.0030%
のいずれか1種または2種以上を含有する加工性に優れた高剛性高強度鋼板。
C:0.05〜0.15%、
Si:1.5%以下、
Mn:1.5〜3.0%、
P:0.05%以下、
S:0.01以下、
Al:0.5%以下、
N:0.01%以下、
Nb:0.02〜0.15%および
Ti:0.01〜0.15%
を含有し、残部は鉄および不可避的不純物からなる成分組成を有する鋼スラブに、仕上温度が800〜950℃の熱間圧延を施したのち、550℃以上で巻取り、酸洗後に40〜75%の圧下率の冷間圧延を行い、その後、780〜860℃の均熱温度まで1℃/s以上の平均加熱速度にて加熱し、該均熱温度での保持時間を150s以下とし、均熱後は、少なくとも350℃までの平均冷却速度を3〜50℃/sとして350℃以下まで冷却することを特徴とする加工性に優れた高剛性高強度鋼板の製造方法。
V:0.01〜0.20%および
W:0.01〜0.20%
のいずれか1種または2種を含有する加工性に優れた高剛性高強度鋼板の製造方法。
Cr:0.1〜1.0%、
Ni:0.1〜1.0%、
Mo:0.1〜1.0%、
Cu:0.1〜2.0%
B:0.0005〜0.0030%
のいずれか1種または2種以上を含有する加工性に優れた高剛性高強度鋼板の製造方法。
C:0.05〜0.15%、
Cは、オーステナイトを安定化させる元素であり、冷間圧延後の焼鈍時における冷却過程において、焼入れ性を高め、マルテンサイト相の生成を大きく促進することによって、高強度化に大きく寄与する。さらに、C量を増加させると、マルテンサイトの生成温度が低下し、マルテンサイトの生成時に発生する歪が大きくなるために、降伏が起こりやすくなって、比YS/TSを低下することができる。このような効果を得るためには、Cの含有量を0.05%以上とする必要がある。
Siは、1.5%を超えて含有されると、鋼板の溶接性を劣化させるとともに、熱延加熱時においては、スラブ表面においてファイヤライトの生成を促進することで、いわゆる赤スケールと呼ばれる表面模様の発生を助長する。さらに冷延鋼板として使用される場合には、表面に生成するSi酸化物が化成処理性を劣化させ、溶融亜鉛めっき鋼板として使用される場合には、表面に生成するSi酸化物が不めっきを誘発する。したがって、Si含有量は1.5%以下とする必要があり、表面性状を必要とする鋼板や溶融亜鉛めっき鋼板の場合には、0.5%以下とすることが好ましい。
Mnは、本発明の重要な元素の1つである。オーステナイト安定化元素であるMnは、冷間圧延後の焼鈍工程における昇温過程において、Ac1変態点を低下させ、未再結晶フェライトからのオーステナイト変態を促進することにより、均熱後の冷却過程において生成するフェライトの方位に関し、ヤング率の向上に有利な方位を発達させることができる。またMnは、焼鈍工程における均熱焼鈍後の冷却過程においては、焼き入れ性を高め、低温変態相の生成を大きく促進することで、高強度化に大きく寄与することもできる。そして、固溶強化強化元素として作用することで、鋼の高強度化に寄与することもできる。このような効果を得るためには、Mnの含有量を1.5%以上とする必要がある。一方、多量のMn添加は、均熱後冷却時に、高ヤング率化に必要なフェライトの生成を著しく抑制し、またマルテンサイト相が増加することで、鋼が極端に高強度化するとともに、加工性が劣化してしまう。さらに、多量のMn添加は鋼板の溶接性も劣化させてしまう。したがって、Mn含有量は3.0%以下とする必要がある。
Pは、粒界に偏析して、鋼板の延性および靭性を低下させるとともに、溶接性も劣化させる。また、合金化溶融亜鉛めっき鋼板として使用される場合には、Pにより合金化速度が遅滞してしまう。したがって、Pの含有量は0.05%以下とする必要がある。一方、Pは固溶強化元素として高強度化に有効な元素であり、また、フェライト安定化元素として、オーステナイト中へのC濃化を促進する作用も有する。さらに、Siを添加した鋼においては、赤スケールの発生を抑制する作用も有する。このような作用を得るためには、Pの含有量は0.01%以上とすることが好ましい。
Sは、熱間での延性を著しく低下させて熱間割れを誘発し、表面性状を著しく劣化させる。さらに、Sは、強度にほとんど寄与しないばかりか、不純物元素として粗大なMnSを形成することにより、延性および穴拡げ性を低下させるため、極力低減することが望ましい。これらの問題はS量が0.01%を超えると顕著となるため、S量は0.01%以下とする必要がある。さらに、穴拡げ性をとくに向上させる観点からは、0.005%以下とすることが好ましい。
Alは、フェライト安定化元素であり、焼鈍時のAc3点を大きく上昇させることから、未再結晶フェライトからのオーステナイト変態を抑制することによって、冷却時のオーステナイトからフェライトが生成する際に、ヤング率に有利な方位の発達を妨げることになる。このためAl含有量を0.5%以下とする必要がある。一方、Alは、鋼の脱酸元素として有用であるため、Al含有量は0.01%以上とすることが好ましい。
Nは、多量に含有すると、熱間圧延中にスラブ割れを伴い、表面疵が発生するおそれがある。したがって、N量は0.01%以下とする必要がある。
Nbは、本発明における重要な元素である。冷間圧延後の焼鈍工程における昇温過程において、加工フェライトの再結晶を抑制することによって、未再結晶フェライトからのオーステナイト変態を促進し、さらにオーステナイト粒の粗大化を抑制し、焼鈍均熱後の冷却過程において生成するフェライトに関し、ヤング率の向上に有利な方位を発達させることができる。さらに、Nbの微細な炭窒化物は、強度上昇に寄与することもできる。このような作用を有するために、Nbの含有量を0.02%以上とする必要がある。好ましくは、0.03%以上である。
Tiは、Nbと同様に、本発明において重要な元素である。Tiは、微細な炭窒化物を形成することによって、強度上昇に寄与することができる。また、焼鈍過程において、加工フェライトの再結晶を抑制したり、オーステナイト粒の粗大化を抑制することにより、高ヤング率化に寄与できる。このような作用を有するために、Tiの含有量を0.01%以上とする必要がある。
なお、上記した成分以外の残部は、Feおよび不可避的不純物である。
V:0.01〜0.20%
Vは、微細な炭窒化物を形成することによって、強度上昇に寄与する。このような作用を有するために、Vの含有量を0.01%以上とすることが好ましい。一方、多量のVを添加しても、0.20%を超えた分の強度上昇効果は小さく、そのうえ、合金コストの増加も招いてしまう。したがって、Vの含有量は0.20%以下とすることが好ましい。
Wは、微細な炭窒化物を形成することによって、強度上昇に寄与する。このような作用を有するために、Wの含有量を0.01%以上とすることが好ましい。一方、多量のWを添加しても、0.20%を超えた分の強度上昇効果は小さく、そのうえ、合金コストの増加も招いてしまう。したがって、Wの含有量は0.20%以下とすることが好ましい。
Crは、セメンタイトの生成を抑制することによって、焼き入れ性を高める元素であり、焼鈍工程における均熱後の冷却過程において、マルテンサイト相の生成を大きく促進して高強度化に大きく寄与する。このような効果を得るには、Crを0.1%以上含有することが好ましい。一方、多量にCrを添加しても効果が飽和するだけでなく、合金コストが増加することから、Crは1.0%以下で添加することが好ましい。さらに、溶融亜鉛めっき鋼板として使用される場合には、表面に生成するCrの酸化物が不めっきを誘発してしまうことから、Cr含有量は0.5%以下とすることが好ましい。
Niは、焼鈍工程における均熱焼鈍後の冷却過程において、焼き入れ性を高める元素であり、マルテンサイト相の生成を大きく促進することによって、高強度化に大きく寄与することができる。また、NiはMn同様に、オーステナイト安定化元素であり、冷間圧延後の焼鈍工程における昇温過程において、Ac1変態点を低下させ、未再結晶フェライトからのオーステナイト変態を促進することにより、均熱後の冷却過程において生成するフェライトの方位に関し、ヤング率の向上に有利な方位を発達させることもできる。そして、固溶強化元素として作用することにより、鋼の高強度化に寄与することもできる。さらに、Cu添加鋼の場合には、熱間圧延時において、熱間延性の低下にともなう割れにより表面欠陥が誘発されるが、Niを複合添加することで、表面欠陥の発生を抑制することができる。このような作用を得るためには、Ni含有量を0.1%以上とすることが好ましい。一方、多量のNi添加は、均熱後の冷却時に、高ヤング率化に必要なフェライトの生成を抑制し、また低温変態相が増加することで、鋼が極端に高強度化するとともに、加工性が劣化してしまう。さらに、合金コストも増加することから、Ni含有量は1.0%以下とするのが好ましい。
Moは、界面の移動度を小さくすることによって、焼き入れ性を高める元素であり、冷間圧延後の焼鈍工程における冷却過程においては、マルテンサイト相の生成を大きく促進することで、高強度化に大きく寄与することができる。このような作用を得るためには、Moを0.1%以上含有することが好ましい。一方、多量にMoを添加しても、効果が飽和するだけでなく、合金コストが増加することから、Mo含有量は0.5%以下とすることが好ましい。
Cuは、焼き入れ性を高める元素であり、冷間圧延後の焼鈍工程における冷却過程においては、低温変態相の生成を大きく促進することで、高強度化に大きく寄与する。この効果を得るためには、Cu含有量を0.1%以上とすることが好ましい。一方、過剰なCu添加は熱間での延性を低下させ、熱間圧延時の割れにともなう表面欠陥を誘発するとともに、Cuによる焼き入れ効果も飽和することから、Cu含有量は2.0%以下とすることが好ましい。
Bは、オーステナイトからフェライトへの変態を抑制して焼き入れ性を高める元素であり、冷間圧延後の焼鈍工程における冷却過程においては、マルテンサイト相の生成を大きく促進することによって、高強度化に大きく寄与する。この効果を得るためには、Bを0.0005%以上添加することが好ましい。一方、Bの過剰な添加は、焼鈍均熱後の冷却時のフェライト生成を著しく抑制し、ヤング率を低下させることから、0.0030%以下で添加することが好ましい。
フェライト相は、ヤング率向上に有利な集合組織の発達に有効であることから、面積率で50%以上とする必要がある。また、マルテンサイト相を含有することにより、強度および強度−伸びバランスが向上することから、面積率で5%以上のマルテンサイト相を含む必要がある。さらに、強度−伸びバランスを向上するためには、フェライト相以外の相が全てマルテンサイト相で構成されることがより好ましい。また、フェライト相およびマルテンサイト相以外の相としては、パーライト、ベイナイト並びにセメンタイトを挙げることができる。
(112)[1−10]方位の集合組織を発達させることにより、圧延方向に対して直角方向のヤング率を向上させることができることから、鋼板の1/4板厚における板面の(112)[1-10]方位のODF解析強度を5以上にする必要がある。
まず、目的とする強度レベルに応じて上記した組成に従う化学成分の鋼を溶製する。溶製方法は、通常の転炉法、電炉法等、適宜適用することができる。溶製された鋼は、スラブに鋳造後、そのまま、あるいは一旦冷却してから、加熱し、仕上温度が800〜950℃の熱間圧延を施す。
本発明において、熱間圧延工程にて集合組織を発達させる必要は特にない。仕上温度を950℃以下とすることによって、未再結晶オーステナイトからフェライトへの変態が進み、微細なフェライト組織が得られ、さらに、冷間圧延および焼鈍により(112)[1-10]方位への集積を促進することが出来る。一方、仕上温度が800℃を下回ると、Ar3変態点を下回る危険が大きくなり、熱延組織に加工組織が混じる結果、冷延焼鈍後に(112)[1-10]方位への集積が妨げられる。そのため、仕上温度の下限を800℃とする。
[巻取り温度:550℃以上]
仕上圧延後の巻取り温度が550℃を下回ると、フェライトの他に硬質なベイナイトやマルテンサイトが生成するようになる。この場合、冷間圧延での変形が不均一になり、ヤング率に有利な方位への集積が妨げられ、その結果、焼鈍後の集合組織が発達せず、ヤング率が向上しない。そのため、巻取り温度は550℃以上とする必要がある。なお、巻取り温度が高すぎると、フェライト粒が粗大化し、冷間圧延での方位の集積が妨げられ、またNbやTiの炭窒化物が粗大化し焼鈍時のフェライトの再結晶を抑制する効果や、オーステナイト粒の粗大化を抑制する効果が小さくなるため、700℃以下にすることが好ましい
[冷間圧延率:40〜75%]
熱間圧延工程後に冷間圧延を行って、ヤング率の向上に有効な(112)[1-10]方位を集積させる。すなわち、冷間圧延により(112)[1-10]方位を発達させることによって、その後の焼鈍工程後の組織でも、(112)[1-10]方位を持つフェライト粒を増やし、ヤング率を高くする。このような効果を得るには、冷間圧延時の圧延率を40%以上とする必要がある。一方、冷間圧延率が大きくなると、圧延荷重が大きくなって製造が困難になるため、圧延率を75%以下とすることが好ましい。さらに、ヤング率を向上させる観点からは、冷間圧延率を50%以上とすることが好ましい。
焼鈍後の鋼板のヤング率を高めるには、焼鈍の昇温過程において、冷間圧延によって発達した(112)[1-10]方位をもつフェライトの再結晶を抑制し、加工フェライトからオーステナイトへ変態させる必要があり、そのためには、1℃/s以上の加熱速度が必要である。なお、加熱温度は室温からの平均加熱温度である。
焼鈍の加熱時に十分な量のフェライトがオーステナイトに変態し、冷却時にフェライトに再変態することで集合組織が発達し、ヤング率が向上する。また、焼鈍温度が低い場合には、圧延組織が残存し、伸びが低下する。これらのため、均熱温度は780℃以上とする必要がある。一方、均熱温度が高すぎると、オーステナイト粒が粗大になり、焼鈍後冷却時に再変態したフェライトが(112)[1-10]方位に集積することが難しくなる。このため、均熱温度は、860℃以下とする必要がある。また、この温度帯での長時間保持によってもオーステナイト粒の粗大化が起こるため、均熱時間を150s以下とする必要がある。
本発明の製造方法では、前記均熱後の冷却条件を制御することが肝要である。均熱後の冷却時にフェライトを生成させることによりヤング率の向上に有利な集合組織が発達するため、50%以上のフェライトを生成させる必要がある。このため冷却速度の上限を50℃/sとする必要がある。一方、冷却が遅すぎる場合、マルテンサイトが生成しないため、冷却速度を3℃/s以上にする必要がある。
まず、表1に示す成分の鋼Aを真空溶解炉にて溶製し、熱間圧延、冷間圧延、そして焼鈍を行って冷延鋼板を作製した。この際、熱間圧延に先立つ加熱条件:1250℃で1時間、熱間圧延の仕上温度:880℃、熱間圧延後の板厚:2.7mm、巻取り条件:600℃で1時間保持後に炉冷する巻取り相当処理、冷間圧延の圧下率:55%、冷間圧延後の板厚:1.2mm、830℃までの加熱速度:3℃/s、830℃での保持時間:60s、300℃までの冷却速度:15℃/sであり、その後室温までの冷却は空冷を基本条件とした。
さらに、以上の基本条件に加えて、均熱後の冷却速度および制御冷却停止温度(急冷温度)を表3に示すように変化させた。すなわち、ここで変化させた条件以外は上記の条件である。
なお、本実施例において、均熱後の冷却は、制御冷却停止温度まで一定速度としており、350℃以下まで冷却した場合、均熱温度から350℃までの平均冷却速度は、制御冷却停止温度までの冷却速度と等しい。
また、上述した方法に従って、フェライト相の面積率(α)およびマルテンサイト相の面積率(M)と、鋼板の1/4板厚における板面の(112)[1-10]方位のODF解析強度を求めた。
Claims (6)
- 質量%で
C:0.05〜0.15%、
Si:1.5%以下、
Mn:1.5〜3.0%、
P:0.05%以下、
S:0.01以下、
Al:0.5%以下、
N:0.01%以下、
Nb:0.02〜0.15%および
Ti:0.01〜0.15%
を含有し、残部は鉄および不可避的不純物からなる成分組成を有するとともに、フェライト相の面積率が50%以上およびマルテンサイト相の面積率が5%以上、かつ(112)[1-10]方位のODF解析強度が5以上である組織を有し、さらに、引張強さ(TS)は590MPa以上、降伏強度(YS)と引張強さとの比YS/TSが0.70以下、引張強さと全伸び(El)との積TS×Elが16800MPa・%以上、そして圧延方向に対して直角方向のヤング率が230GPa以上であることを特徴とする加工性に優れた高剛性高強度鋼板。 - 請求項1において、前記成分組成として、さらに、質量%で
V:0.01〜0.20%および
W:0.01〜0.20%
のいずれか1種または2種を含有する加工性に優れた高剛性高強度鋼板。 - 請求項1または2において、前記成分組成として、さらに、質量%で
Cr:0.1〜1.0%、
Ni:0.1〜1.0%、
Mo:0.1〜1.0%、
Cu:0.1〜2.0%および
B:0.0005〜0.0030%
のいずれか1種または2種以上を含有する加工性に優れた高剛性高強度鋼板。 - 質量%で
C:0.05〜0.15%、
Si:1.5%以下、
Mn:1.5〜3.0%、
P:0.05%以下、
S:0.01以下、
Al:0.5%以下、
N:0.01%以下、
Nb:0.02〜0.15%および
Ti:0.01〜0.15%
を含有し、残部は鉄および不可避的不純物からなる成分組成を有する鋼スラブに、仕上温度が800〜950℃の熱間圧延を施したのち、550℃以上で巻取り、酸洗後に40〜75%の圧下率の冷間圧延を行い、その後、780〜860℃の均熱温度まで1℃/s以上の平均加熱速度にて加熱し、該均熱温度での保持時間を150s以下とし、均熱後は、少なくとも350℃までの平均冷却速度を3〜50℃/sとして350℃以下まで冷却することを特徴とする加工性に優れた高剛性高強度鋼板の製造方法。 - 請求項4において、前記鋼スラブがさらに、質量%で
V:0.01〜0.20%および
W:0.01〜0.20%
のいずれ1種または2種を含有する加工性に優れた高剛性高強度鋼板の製造方法。 - 請求項4または5において、前記鋼スラブがさらに、質量%で
Cr:0.1〜1.0%、
Ni:0.1〜1.0%、
Mo:0.1〜1.0%、
Cu:0.1〜2.0%および
B:0.0005〜0.0030%
のいずれか1種または2種以上を含有する加工性に優れた高剛性高強度鋼板の製造方法。
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