JP4843981B2 - 高剛性高強度薄鋼板およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、主として自動車の車体用として好適な高剛性高強度薄鋼板およびその製造方法に関する。なお、本発明の高剛性高強度薄鋼板は、自動車のセンターピラー、ロッカー、サイドフレーム、クロスメンバーなど、剛性の板厚感受性指数が1に近いコラム状の構造用部材で、剛性が必要とされる用途に広く適するものである。
近年、地球環境問題への関心の高まりを受けて、自動車でも排ガス規制が行なわれるなど、自動車における車体の軽量化は極めて重要な課題である。そのため、鋼板の高強度化により板厚を減少させることで、車体の軽量化を図ることは有効な方法である。
一方、最近では、鋼板の高強度化が顕著に進んだ結果、板厚が2.0mmを下回るような薄 鋼板の使用が増加してきており、さらなる高強度化による軽量化のためには、薄肉化による部品剛性の低下を同時に抑制することが不可欠になってきている。このような鋼板の薄肉化による部品剛性低下の問題は、引張強度が590MPa以上の鋼板で顕在化してきており、とくに700MPa以上の鋼板においてこの問題は重大である。
一般に、部品の剛性の高めるには、部品形状を変更したり、スポット溶接がなされている部品に対しては、溶接点を増加するか、あるいはレーザ溶接に切り替えるなどの溶接条件を変更することが有効であるが、自動車用部品として用いる場合、自動車内の限られた空間で部品形状を変更するのは容易ではないし、また溶接条件の変更もコストの増加を伴うなどの問題がある。
そこで、部品形状や溶接条件を変更することなく、部品の剛性を高めるには、部品に使用される部材のヤング率を高めることが有効となる。
一般に、部品形状や溶接条件が同じ部品の剛性は、部材のヤング率と部品の断面二次モーメントの積で表され、さらに断面二次モーメントは、材料の板厚をtとしたとき近似的にtλに比例するとして表現できる。ここで、λは板厚感受性指数で、部品の形状により1〜3の値をとる。例えば自動車のパネル部品のような一枚板の形状をとる場合は、λは3に近い値をとり、構造部品のようなコラム状の場合には、λは1に近い値をとる。
そして、例えば部品のλが3のとき、部品の剛性を等価に保ちながら、板厚を10%小さくするには、部材のヤング率を37%向上させる必要があるが、部品のλが1のときは、板厚を10%小さくするのに、ヤング率は11%だけ向上させればよいことになる。
すなわち、コラム部品のように、λが1に近い部品の場合、軽量化のために鋼板自体のヤング率を高めることは非常に有効であり、とくに高強度で板厚の小さい鋼板において、鋼板の高ヤング率化が強く望まれている。
ここで、一般にヤング率は、集合組織に大きく支配され、原子の最密方向に高くなることが知られている。従って、ロールによる圧延と熱処理からなる鉄鋼プロセスにおいて、体心立方格子である鋼のヤング率に有利な方位を発達させるには、{112}<110>を発達させることが有効であり、これにより圧延方向と直角方向のヤング率を高めることができる。
そこで、従来より、集合組織を制御することでヤング率を高めた鋼板の検討が種々なされてきている。
例えば特許文献1では、極低炭素鋼にNbあるいはTiを添加した鋼を用い、熱間圧延工程において、Ar3〜(Ar3+150℃)での圧下率を85%以上とし、未再結晶オーステナイトか らのフェライト変態を促進することで、熱延板段階でのフェライトの集合組織を{311}<011>および{332}<113>とし、これを初期方位として冷間圧延、再結晶焼鈍を施すことで{211}<011>を主方位とすることにより、圧延方向と直角方向のヤング率を高める技術が開示されている。
また、特許文献2では、C量が0.02〜0.15%で、強度に応じてTi、Vを添加した低炭素鋼にNb、Mo、Bを添加し、Ar3〜950℃での圧下率を50%以上とすることで、{211}<011>を発達させ、ヤング率を高めた熱延鋼板の製造方法が開示されている。
さらに、特許文献3 では、C量が0.05%以下の低炭素鋼にSiとAlを添加してAr3変態点を高め、熱間圧延において、Ar3変態点以下での圧下率を60%以上とすることで、圧延方向と直角方向のヤング率を高めた熱延鋼板の製造方法が開示されている。
特開平5−255804号公報 特開平8−311541号公報 特開平9−53118号公報
しかし、前述の技術ではつぎのような問題があった。
すなわち、特許文献1に開示されている技術では、C量が0.01%以下の極低炭素鋼を用いることで集合組織を制御し、鋼板のヤング率を高めているが、引張強度はせいぜい 450MPa程度と低く、この技術の適用により高強度化を図るには問題があった。
また、特許文献2に開示されている技術では、C量が0.02〜0.15%と高く、高強度化は可能であるが、対象とする鋼板が熱延鋼板であるために、冷間加工による集合組織制御を利用することができず、一層の高ヤング率化は困難である他、板厚が2.0mmを下回るような高強度鋼板を低温仕上圧延により安定的に製造することも難しいという問題があった。
さらに、特許文献3に開示されている技術では、フェライト域での圧延を行なうことで、結晶粒が粗大化してしまい、加工性が著しく低下するという問題があった。
このように、従来技術における鋼板の高ヤング率化は、板厚の厚い熱延鋼板や、軟質鋼板を対象にしたものであり、従来技術を用いて、板厚が2.0mm以下と板厚の薄い高強度鋼板を高ヤング率化することは困難であった。
ここで、一般に、鋼板の引張強度を590MPa以上に高めるための強化機構としては、主に析出強化機構と変態組織強化機構がある。
強化機構として析出強化機構を利用した場合には、鋼板のヤング率の低下を極力抑制しつつ高強度化することが可能であるが、次のような困難が伴う。すなわち、例えばTiやNb等の炭窒化物を微細析出させるような析出強化機構を利用すれば、熱延鋼板では、熱間圧延後の巻取り時に微細析出させることにより高強度化は図れるものの、冷延鋼板では、冷間圧延後の再結晶焼鈍過程における析出物の粗大化が避けられず、析出強化による高強度化は困難であった。
また、強化機構として変態組織強化機構を利用する場合には、ベイナイト相やマルテンサイト相など、低温変態相中に含まれる歪みに起因して、鋼板のヤング率が低下してしまうという問題があった。
本発明の目的は、前記課題を解決した、引張強度が590MPa以上、より好ましくは700MPa以上と高強度で、ヤング率が230Gpa以上、より好ましくは240GPa以上と高剛性を兼ね備えた、板厚が2.0mm以下の薄鋼板を、その有利な製造方法と共に提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の要旨構成は以下の通りである。
(I) 質量%で、C:0.02〜0.15%、Si:1.5%以下、Mn:1.0〜3.5%、P:0.05%以下、S:0.01%以下、Al:1.5%以下、N:0.01%以下およびTi:0.02〜0.50%を含有し、かつC、N、SおよびTiの含有量が、下記(1)式および(2)式に示す関係式を満たし、残部は鉄および不可避的不純物からなる組成を有すると共に、組織が、面積率で50%以上のフェライト相を主相とし、面積率で1%以上のマルテンサイト相を有し、さらに引張強度が590 MPa以上でかつヤング率が 230 GPa以上であることを特徴とする高剛性高強度薄鋼板。

Ti*=Ti−(47.9/14)×N−(47.9/32.1)×S≧0.01 ・・・ (1)
0.01≦C−(12/47.9)×Ti*≦0.05 ・・・ (2)
(II)上記(I)に記載の高剛性高強度薄鋼板において、上記組成に加えて、さらに質量%で、Nb:0.005〜0.04%およびV:0.01〜0.20%のうちから選んだ1種または2種を含有し、かつ上記(1)式に示す関係を満たし、さらに上記(2)式に代えて下記(3)式に示す関係式を満たすことを特徴とする高剛性高強度薄鋼板。

0.01≦C−(12/47.9)×Ti*−(12/92.9)×Nb−(12/50.9)×V≦0.05 ・・・ (3)
(III)上記(I)または(II)に記載の高剛性高強度薄鋼板において、上記組成に加えて、さらに質量%で、Cr:0.1〜1.0%、Ni:0.1〜1.0%、Mo:0.1〜1.0%、Cu:0.1〜2.0%およびB:0.0005〜0.0030%の中から選択される1種以上を含有することを特徴とする高剛性高強度薄鋼板。
(IV)前記(I)〜(III)のいずれかに記載の高剛性高強度薄鋼板の製造方法であって、質量%で、C:0.02〜0.15%、Si:1.5%以下、Mn:1.0〜3.5%、P:0.05%以下、S:0.01%以下、Al:1.5%以下、N:0.01%以下およびTi:0.02〜0.50%を含有し、かつC、N、SおよびTiの含有量が、下記(1)式および(2)式に示す関係式を満たし、残部は鉄および不可避的不純物からなる組成鋼素材を、熱間圧延工程において、950℃以下での総圧下量を30%以上とし、さらに仕上圧延を800〜900℃で終了したのち、650℃以下で巻取り、酸洗後に、50%以上の圧下率で冷間圧延を行い、その後500℃からの昇温速度を1〜30℃/sとして、780〜900℃の温度に昇温して均熱した後、500℃までの冷却速度を5℃/s以上の速度として冷却する焼鈍を施すことを特徴とする高剛性高強度薄鋼板の製造方法。

Ti*=Ti−(47.9/14)×N−(47.9/32.1)×S≧0.01 ・・・ (1)
0.01≦C−(12/47.9)×Ti*≦0.05 ・・・ (2)
(V) 上記(IV)に記載の鋼素材が、上記組成に加えて、さらに質量%で、Nb:0.005〜0.04 %およびV:0.01〜0.20%のうちから選んだ1種または2種を含有し、かつ上記(1)式に示す関係を満たし、さらに、上記(2)式に代えて下記(3)式に示す関係式を満たすことを特徴とする高剛性高強度薄鋼板の製造方法。

0.01≦C−(12/47.9)×Ti*−(12/92.9)×Nb−(12/50.9)×V≦0.05 ・・・ (3)
(VI)上記(IV)または(V)に記載の鋼素材が、上記組成に加えて、さらに質量%で、Cr:0.1〜 1.0%、Ni:0.1〜1.0%、Mo:0.1〜1.0%、Cu:0.1〜2.0%およびB:0.0005〜0.0030%の中から選択される1種以上を含有することを特徴とする高剛性高強度薄鋼板の製造方法。
本発明によって、引張強度が590MPa以上と高強度で、ヤング率が230GPa以上の高剛性を兼ね備えた薄鋼板の提供が可能になる。
すなわち、MnおよびTiを添加した低炭素鋼素材を、熱間圧延において、950℃以下で圧 下を行い、未再結晶オーステナイトからのフェライト変態の促進と、その後の冷間圧延を組み合わせることで、ヤング率の向上に有利な結晶方位を発達させ、その後の焼鈍工程における加熱速度の制御と二相域での均熱により、冷却過程においては、ヤング率の低下を抑制する低温変態相を生成させるとともに、ヤング率の向上に有利なフェライト相を多く残留させることで、高強度化と高ヤング率化の双方を満足させた薄鋼板を製造することができ、これは工業上有効な効果を奏する。
さらに詳細に説明すると、MnおよびTiを添加した低炭素鋼素材を、熱間圧延において、オーステナイト低温域での圧下を行なうことで、{112}<111>の結晶方位からなる未再結晶のオーステナイト組織を増加させると共に、その後の冷却過程において、{112}<111>の未再結晶オーステナイトからフェライト変態を促進させることで、{113}<110>のフェライト方位を発達させることができる。
また、巻取り、酸洗後の冷間圧延において、50%以上の圧下率で圧延を行なうことで、{113}<110>の結晶方位をヤング率の向上に有利な{112}<110>に回転させ、その後の焼鈍工程における昇温過程において、1〜30℃/sの加熱速度で500℃から均熱温度まで昇温することで、{112}<110>方位を持つフェライトの再結晶を促進するとともに、一部{112}<110>の未再結晶粒が残った状態で二相域に到達させ、{112}<110>の未再結晶フェライトからのオーステナイト変態を促進させることができる。
さらに、均熱後の冷却時に、オーステナイト相がフェライト相に変態するに際しては、{112}<110>の方位をもつフェライト粒が粒成長することでヤング率が高まると共に、Mn添加により焼き入れ性が高められた鋼を5℃/s以上の速度で冷却することで、低温変態相が生成し、高強度化を図ることもできる。
さらにまた、この低温変態相は、{112}<110>の方位を含むフェライトから変態したオーステナイト相が、冷却時に再変態することで生成することから、低温変態相の結晶方位に関しても、{112}<110>を発達させることができる。
このように、フェライト相の{112}<110>を発達させることでヤング率を高めると共に、とくにヤング率の低下に大きな影響をもつ低温変態相の方位に{112}<110>を増加させることで、低温変態相の生成により高強度化しつつ、低温変態相の生成に伴うヤング率の低下は大きく抑制することができる。
本発明の高剛性高強度薄鋼板は、引張強度が590MPa以上、より好ましくは700MPa以上で、かつヤング率が230GPa以上、より好ましくは240GPa以上であり、板厚が2.0mm以下の鋼板である。なお、本発明が対象とする鋼板の中には、冷延鋼板の他に、合金化を含む溶融亜鉛めっき材や電気亜鉛めっき材などの表面処理を施した鋼板も含む。
次に、本発明の鋼板の成分組成を限定した理由について説明する。なお、鋼板の成分組成における元素の含有量の単位はいずれも「質量%」であるが、以下、特に断らない限り、単に「%」で示す。
・C:0.02〜0.15%、
Cは、オーステナイトを安定化させる元素であり、冷間圧延後の焼鈍時における冷却過程において、焼入れ性を高め、低温変態相の生成を大きく促進することで、高強度化に大きく寄与することができる。さらにCは、焼鈍工程における昇温段階において、冷間圧延後に{112}<110>の方位をもつフェライト粒の、未再結晶フェライトからのオーステナイト変態を促進することで、高ヤング率化に寄与することもできる。
このような効果を得るため、C含有量は0.02%以上とする必要があり、より好ましくは0.05%以上、さらに好ましくは0.06%以上である。一方、C含有量が0.15%よりも多くなると、硬質な低温変態相の分率が大きくなり、鋼が極端に高強度化すると共に、加工性が劣化してしまう。また、多量Cの含有は、冷間圧延後の焼鈍工程において、高ヤング率化に有利な方位の再結晶を抑制してしまう。さらに多量Cの含有は、溶接性の劣化も招く。
このため、C含有量は0.15%以下とする必要があり、より好ましくは0.10%以下とする。
・Si:1.5%以下
Siは、熱間圧延において、Ar3変態点を上昇させることから、800〜900℃で圧延を終了するに際し、1.5%を超える多量のSiを含有させた場合には、オーステナイト域での圧延 が困難となり、高ヤング率化に必要な結晶方位を得ることができなくなる。また、多量のSi添加は、鋼板の溶接性を劣化させると共に、熱間圧延工程での加熱時においては、スラブ表面においてファイヤライトの生成を促進することで、いわゆる赤スケールと呼ばれる表面模様の発生を助長する。さらに、冷延鋼板として使用される場合には、表面に生成するSi酸化物が化成処理性を劣化させ、溶融亜鉛めっき鋼板として使用される場合には、表面に生成するSi酸化物が不めっきを誘発する。このため、Si含有量は1.5%以下とする必要がある。なお、表面性状を必要とする鋼板や溶融亜鉛めっき鋼板の場合には、Si含有量を0.5%以下とすることが好ましい。
また、Siはフェライトを安定化させる元素であり、冷間圧延後の焼鈍工程における二相域均熱後の冷却過程において、フェライト変態を促進し、オーステナイト中にCを濃化させることで、オーステナイトを安定化させ、低温変態相の生成を促進することができる。そのため、必要に応じて鋼の強度を高めることができ、このような効果を得るためには、Si含有量は0.2%以上とすることが望ましい。
・Mn:1.0〜3.5%
Mnは、本発明の重要な元素の1つである。Mnは、熱間圧延時において、加工オーステナイトの再結晶を抑制する作用を有する。そして、未再結晶オーステナイトからのフェライト変態を促進させることで、{113}<110>を発達させることができ、その後の冷間圧延、焼鈍工程でヤング率を向上させることができる。
さらに、オーステナイト安定化元素であるMnは、冷間圧延後の焼鈍工程における昇温過程において、Ac1変態点を低下させ、未再結晶フェライトからのオーステナイト変態を促進し、均熱後の冷却過程において生成する低温変態相の方位に関し、ヤング率の向上に有利な方位を発達させ、低温変態相の生成に伴うヤング率の低下を抑制することができる。
また、Mnは、焼鈍工程における均熱焼鈍後の冷却過程においては、焼入れ性を高め、低温変態相の生成を大きく促進することで、高強度化に大きく寄与することもできる。そして、固溶強化強化元素として作用することで、鋼の高強度化に寄与することもできる。このような効果を得るためには、Mn含有量を1.0%以上とする必要があり、より好ましくは 1.5%以上とする。
一方、3.5%を超える多量Mnの含有は、冷間圧延後の焼鈍工程における昇温過程におい て、Ac3変態点を過度に低下させることから、二相域におけるフェライト相の再結晶を困 難とし、Ac3変態点以上のオーステナイト単相域までの昇温を必要とする。従って、加工フェライトの再結晶により得られる高ヤング率化に有利な{112}<110>方位のフェライトを発達させることができず、ヤング率の低下を招いてしまう。さらに、多量Mnの含有は鋼板の溶接性も劣化させてしまう。さらにまた、熱間圧延時においては、多量のMnは鋼の変形抵抗を高め、圧延荷重が増加することで操業上の困難を伴う。従って、Mn含有量は3.5%以下とする。
・P:0.05%以下
Pは、粒界に偏析するため、P含有量が0.05%を超えると、鋼板の延性および靭性が低下すると共に、溶接性も劣化する。また、合金化溶融亜鉛めっき鋼板として使用される場合には、Pにより合金化速度が遅滞してしまう。従って、P含有量は0.05%以下とする必要がある。一方、Pは、固溶強化元素として高強度化に有効な元素であり、またフェライト安定化元素として、オーステナイト中へのC濃化を促進する作用も有する。さらにSiを添加した鋼においては、赤スケールの発生を抑制する作用も有する。このような作用を得るためには、P含有量は0.01%以上とすることが好ましい。
・S:0.01%以下
Sは、熱間での延性を著しく低下させることで、熱間割れを誘発し、表面性状を著しく劣化させる。さらに、Sは、強度にほとんど寄与しないばかりか、不純物元素として粗大なMnSを形成することにより、延性および穴広げ性を低下させる。これらの問題はS含有 量が0.01%を超えると顕著になるため、極力低減することが望ましい。従って、S含有量は0.01%以下とする。さらに、穴広げ性をとくに向上させる観点からは、0.005%以下とすることが好ましい。
・Al:1.5%以下
Alは、鋼の脱酸のために添加し、鋼の清浄度を向上させるのに有用な元素である。しかしながら、Alは、フェライト安定化元素であり、鋼のAr3変態点を大きく上昇させることから、800〜900℃で仕上圧延を終了するに際し、1.5%を超える多量のAlを含有する場合には、オーステナイト域での圧延が困難となり、高ヤング率化に必要な結晶方位の発達を抑制してしまう。従って、Al含有量は1.5%以下とする必要があり、この観点では、Al含有量は低い方が好ましく、0.1%以下に制限することがさらに好ましい。一方、フェライト生成元素であるAlは、冷間圧延後の焼鈍工程における二相域均熱後の冷却過程において、フェライト生成を促進し、オーステナイト中にCを濃化させることで、オーステナイトを安定化させ、低温変態相の生成を促進することができる。そのため、必要に応じて鋼の強度を高めることができ、このような効果を得るためには、Al含有量を0.2%以上とすることが望ましい。
・N:0.01%以下
Nは、熱間圧延中にスラブ割れを伴い、表面疵を発生させる有害な元素であり、N含有量が0.01%を超えると、スラブ割れや表面疵の発生が顕著になる。さらにNは、TiあるいはNbなどの炭窒化物形成元素添加時には、高温で粗大な窒化物を形成してしまい、炭窒化物形成元素の添加効果を抑制してしまう。従って、N含有量は0.01%以下とする必要がある。
・Ti:0.02〜0.50%
Tiは、本発明において最も重要な元素である。すなわち、Tiは熱間圧延における仕上圧延工程において、加工されたオーステナイトの再結晶を抑制することで、未再結晶オーステナイトからのフェライト変態を促進し、{113}<110>を発達させることにより、その後の冷間圧延、焼鈍工程でヤング率を向上させることができる。また、冷間圧延後の焼鈍工程における昇温過程において、加工フェライトの再結晶を抑制することで、未再結晶フェライトからのオーステナイト変態を促進し、均熱後の冷却過程において生成する低温変態相の方位に関し、ヤング率の向上に有利な方位を発達させ、低温変態相の生成に伴うヤング率の低下を抑制することができる。さらに、Tiの微細な炭窒化物は、強度上昇に寄与することもできる。このような作用を有するために、Ti含有量は0.02%以上とする必要があり、より好ましくは0.03%以上とする。
一方、0.50%を超える多量のTiを含有しても、通常の熱間圧延工程における再加熱時においては、炭窒化物は全固溶することができず、粗大な炭窒化物が残るため、熱間圧延工程における加工オーステナイトの再結晶抑制効果や、冷間圧延後の焼鈍工程における加工フェライトの再結晶抑制効果を得ることはできない。また、連続鋳造からスラブを一旦冷却したのち再加熱を行なう工程を経ることなく、連続鋳造後、そのまま熱間圧延を開始する場合においても、Tiを0.50%を超えて含有させても、再結晶抑制効果の向上は認められず、その上、合金コストの増加も招いてしまう。
このため、Ti含有量は0.50%以下とする必要があり、より好ましくは0.20%以下とする。
また、本発明では、C、N、SおよびTiの含有量が、下記(1)および(2)式に示す関係式を満たす必要がある。

Ti*=Ti−(47.9/14)×N−(47.9/32.1)×S≧0.01 ・・・ (1)
0.01≦C−(12/47.9)×Ti*≦0.05 ・・・ (2)
Tiは、高温域で粗大な窒化物および硫化物を形成し安く、かかる窒化物および硫化物の形成は、Ti添加による再結晶抑制効果の低減を招く。従って、窒化物、硫化物で固定されないTi量であるTi*=Ti−(47.9/14)×N−(47.9/32.1)×Sの量は0.01%以上とする必要があり、より好ましくは0.02%以上とする。
炭化物として固定されないCが0.05%を超えて多量に存在すると、冷間圧延時の歪みの導入が不均一となり、さらに、冷間圧延後の焼鈍において、高ヤング率化に有利な方位の再結晶も抑制されることから、(C−(12/47.9)×Ti*)で算出される炭化物として固定されないC量は0.05%以下とする必要がある。一方、炭化物として固定されないC量が0.01%未満と少ないと、冷間圧延後の二相域における焼鈍において、オーステナイト中のC量が減少し、冷却後のマルテンサイト相の生成が抑制されることで、鋼の高強度化が困難になる。従って、炭化物として固定されないC量であるC−(12/47.9)×Ti*の量は0.01〜0.05%とする。
なお、これらの手段において「残部が鉄および不可避的不純物である」とは、本発明の作用・効果を損なわない限り、他の微量元素を含有するものが本発明の範囲に含まれることを意味する。
また、さらに強度を向上させる場合には上記化学成分の規定に加え、必要に応じて、Nb:0.005〜0.04%およびV:0.01〜0.20%の1種または2種や、Cr 、Ni、Mo、CuおよびBの中から選択される1種以上の成分を添加してもよい。
・Nb:0.005〜0.04%
Nbは、微細な炭窒化物を形成することで、強度上昇に寄与する元素である。また、熱間圧延における仕上圧延工程においては、加工されたオーステナイトの再結晶を抑制することで、未再結晶オーステナイトからのフェライト変態を促進し、高ヤング率化に寄与する元素でもある。このような作用を有するために、Nbの含有量を0.005%以上とすることが 好ましい。一方、0.04%を超えるNbを含有させても、熱間圧延および冷間圧延における圧延荷重が非常に増大することから、製造上の困難が伴うため、Nbの含有量は0.04%以下とすることが好ましく、より好ましくは0.01%以下とする。
V:0.01〜0.20%
Vは、微細な炭窒化物を形成することで、強度上昇に寄与する元素である。このような作用を有するために、Vの含有量を0.01%以上とすることが好ましい。一方、0.20%を超える多量のVを含有させても、0.20%を超えた分の強度上昇効果は小さく、その上、合金コストの増加も招いてしまう。
従って、Vの含有量は0.01〜0.20%とすることが好ましい。
また、本発明では、Tiに加えて、Nbおよび/またはVを含有する場合には、C、N、S、Ti、NbおよびVの含有量が、上記(2)式に代えて下記(3)式に示す関係式を満たすことが必要である。

0.01≦C−(12/47.9)×Ti*−(12/92.9)×Nb−(12/50.9)×V≦0.05 ・・・ (3)
NbおよびVは、炭化物を形成することで、炭化物として固定されないC量を減少させるので、炭化物として固定されないC量を0.01〜0.05%とするため、Nbおよび/またはVを添加した場合には、C−(12/47.9)×Ti*−(12/92.9)×Nb−(12/50.9)×Vの値が0.01〜0.05%になるようにする必要がある。
・Cr:0.1〜1.0%
Crは、セメンタイトの生成を抑制することで、焼入れ性を高める元素であり、焼鈍工程における均熱後の冷却過程において、低温変態相の生成を大きく促進することで、高強度化に大きく寄与することができる。さらに、熱間圧延工程において、加工オーステナイトの再結晶を抑制することで、未再結晶オーステナイトからのフェライト変態を促進し、{113}<110>を発達させ、その後の冷間圧延、焼鈍工程でヤング率を向上させることができる。このような効果を得るには、Crを0.1%以上含有させることが好ましい。一方、1.0%を超えて多量にCrを含有させても、上記効果が飽和するだけでなく、合金コストが増加することから、Crは1.0%以下で含有させることが好ましい。なお、本発明の薄鋼板を溶融亜 鉛めっき鋼板として使用する場合には、表面に生成するCrの酸化物が不めっきを誘発してしまうので、Crを0.5%以下で含有させることが好ましい。
・Ni:0.1〜1.0%
Niは、オーステナイトを安定化することで焼入れ性を高める元素であり、焼鈍工程における均熱後の冷却過程において、低温変態相の生成を大きく促進することで、高強度化に大きく寄与することができる。さらに、オーステナイト安定化元素であるNiは、冷間圧延後の焼鈍工程における昇温過程において、Ac1変態点を低下させ、未再結晶フェライトからのオーステナイト変態を促進し、均熱後の冷却過程において生成する低温変態相の方位に関し、ヤング率の向上に有利な方位を発達させ、低温変態相の生成に伴うヤング率の低下を抑制することができる。またNiは、熱間圧延時において、加工オーステナイトの再結晶を抑制することから、未再結晶オーステナイトからのフェライト変態を促進することで、{113}<110>を発達させ、その後の冷間圧延、焼鈍工程でヤング率を向上させることができる。さらに、Cuを添加した鋼の場合には、熱間圧延時において、熱間延性の低下に伴う割れにより表面欠陥が誘発されるが、Niを複合添加することで、表面欠陥の発生を抑制することができる。このような作用を得るためには、Niを0.1%以上含有させることが好ま しい。
一方、1.0%を超える多量のNiの含有は、冷間圧延後の焼鈍工程における昇温過程にお いて、Ac3変態点を過度に低下させることで、二相域におけるフェライト相の再結晶を困難とし、Ac3変態点以上のオーステナイト単相域までの昇温を必要としてしまう。従って、加工フェライトの再結晶により得られる高ヤング率化に有利な方位のフェライトを発達させることができず、ヤング率の低下を招いてしまう。さらに、合金コストも増加することから、Niは1.0%以下で含有させるのが好ましい。
・Mo:0.1〜1.0%
Moは、界面の移動度を小さくすることで、焼入れ性を高める元素であり、冷間圧延後の焼鈍工程における冷却過程においては、低温変態相の生成を大きく促進することで、高強度化に大きく寄与することができる。さらに、加工オーステナイトの再結晶を抑制することができ、未再結晶オーステナイトからのフェライト変態を促進することで、{113}<110>を発達させ、その後の冷間圧延、焼鈍工程でヤング率を向上させることができる。このような作用を得るためには、Moを0.1%以上含有させることが好ましい。一方、1.0%を超えて多量にMoを含有しても、上記効果が飽和するだけでなく、合金コストが増加することから、Moは1.0%以下で含有させることが好ましい。
・B:0.0005〜0.0030%
Bは、オーステナイト相からフェライト相への変態を抑制することで、焼入れ性を高める元素で、冷間圧延後の焼鈍工程における冷却過程においては、低温変態相の生成を大きく促進することで、高強度化に大きく寄与することができる。さらに、加工オーステナイトの再結晶を抑制することができ、未再結晶オーステナイトからのフェライト変態を促進することで、{113}<110>を発達させ、その後の冷間圧延、焼鈍工程でヤング率を向上させることができる。この効果を得るためには、Bを0.0005%以上含有させることが好ましい。一方、0.0030%を超えるBの含有は、熱間圧延時の変形抵抗を高め、圧延荷重が増加することで操業上の困難を伴うことから、Bを0.0030%以下で含有させることが好ましい。
・Cu:0.1〜2.0%
Cuは、焼入れ性を高める元素であり、冷間圧延後の焼鈍工程における冷却過程においては、低温変態相の生成を大きく促進することで、高強度化に大きく寄与することができる。この効果を得るためには、Cuを0.1%以上含有させることが好ましい。一方、2.0%を超える過剰なCuの含有は、熱間での延性を低下させ、熱間圧延時の割れに伴う表面欠陥を誘発するとともに、Cuによる焼入れ効果も飽和することから、Cuは2.0%以下で含有させる ことが好ましい。
次に本発明の組織の限定理由を説明する。
本発明の薄鋼板では、フェライト相を主相とし、面積率で1%以上のマルテンサイト相を有する組織とする必要がある。
ここで、フェライト相を主相とするとは、フェライト相の面積率を50%以上とすることを意味する。
フェライト相は歪が少なく高ヤング率化に有利であり、また延性にも優れ、加工性が良好であることから、組織はフェライト相を主相とすることが必要である。
また、鋼板の引張強度を590MPa以上とするには、硬質な相である低温変態相を、主相であるフェライト相以外の部分である、いわゆる第2相中に形成して複合組織化する必要がある。ここで、低温変態相の中でも特に硬質なマルテンサイト相を組織中に有することが、目標とする引張強度レベルを得るための第2相の分率を小さくし、フェライト相の分率を大きくして高ヤング率化を達成し、さらに加工性も向上できるため有利であり、このためマルテンサイト相は、組織全体に対する面積率で1%以上とする必要がある。さらに、700MPa以上の強度を得るには、マルテンサイト相の面積率を16%以上とすることが好ましい。
本発明の鋼板の組織は、上記フェライト相およびマルテンサイト相からなる組織とすることが好ましいが、ベイナイト相や残留オーステナイト相あるいはパーライト相やセメンタイト相などの上記フェライト相およびマルテンサイト相以外の相を、面積率で10%以下、より好ましくは5%以下有しても問題ない。すなわち、フェライト相およびマルテンサイト相の面積率の合計を90%以上とすることが好ましく、より好ましくは95%以上とする。
次に、本発明の高剛性高強度薄鋼板を得るために限定した製造条件の理由、および好ましい製造条件について説明する。
本発明の製造方法に用いられる鋼素材の組成は、上述した鋼板の組成と同様であるので、鋼素材組成の限定理由の記載は省略する。
本発明の薄鋼板は、上述した鋼板の組成と同様の組成を有する鋼素材に熱間圧延を施し熱延板とする熱間圧延工程と、該熱延板に酸洗後冷間圧延を施し冷延板とする冷間圧延工程と、該冷延板に再結晶と複合組織化を達成する焼鈍工程とを順次経ることにより製造できる。
(熱間圧延工程)
・仕上圧延:950℃以下での総圧下量を30%以上とし、かつ800〜900℃で圧延を終了する こと
熱間圧延工程における仕上圧延において、より低温での圧下を行なうことで、{112}<111>の結晶方位からなる未再結晶のオーステナイト組織を発達させ、その後の冷却過程においては、{112}<111>未再結晶オーステナイトからフェライト変態させることで、{113}<110>のフェライト方位を発達させることができる。この方位は、その後の冷間圧延、焼鈍工程における集合組織形成において、ヤング率の向上に有利に作用する。このような作用を得るためには、950℃以下での総圧下量(総圧下率)は30%以上とし、さらに、900℃以下で仕上圧延を終了する必要がある。一方、仕上圧延の終了温度が800℃を下回ると、変形 抵抗の増加により圧延荷重が非常に増大することから、製造上の困難が伴う。従って、仕上圧延の終了温度は800℃以上とする必要がある。
・巻取り温度:650℃以下
仕上圧延後の巻取り温度が650℃を上回ると、Tiの炭窒化物が粗大化してしまい、冷間 圧延後の焼鈍工程における昇温過程において、フェライトの再結晶抑制効果が小さくなり、未再結晶フェライトからオーステナイトに変態させることが困難となる。その結果、均熱後の冷却過程で変態する低温変態相の方位を制御することができず、この歪みを持った低温変態相によりヤング率が大きく低下してしまう。従って、仕上圧延後の巻取り温度は650℃以下とする必要がある。なお、前記巻取り温度はあまり低くなると、硬質な低温変態相が多く生成して、その後の冷間圧延での荷重が増加して操業上の困難が伴うため、400℃以上とすることが好ましい。
(冷間圧延工程)
・酸洗後、圧下率:50%以上の冷間圧延を行うこと
熱間圧延工程後、鋼板表面に生成しているスケールを除去するために、酸洗を行なう。酸洗は、常法に従い行なえばよい。その後、冷間圧延を行なう。ここで50%以上の圧下率で冷間圧延を行なうことで、熱延鋼板で発達した{113}<110>方位をヤング率の向上に有効な{112}<110>方位に回転させることができる。このように、冷間圧延により{112}<110>方位を発達させることで、その後の焼鈍工程後の組織も、フェライト中の{112}<110>方位を高め、さらに、低温変態相中にも{112}<110>方位を発達させることで、ヤング率を高くすることができる。このような効果を得るには、冷間圧延時の圧下率を50%以上とする必要がある。
(焼鈍工程)
・500℃から均熱温度までの昇温速度:1〜30℃/s、均熱温度:780〜900℃
焼鈍工程における昇温速度は、本発明における重要なプロセス条件である。焼鈍工程において、二相域となる均熱温度、すなわち780〜900℃の均熱温度まで昇温する過程において、{112}<110>方位を持つフェライトの再結晶を促進すると共に、{112}<110>の方位を持つフェライト粒の一部は、未再結晶の状態で二相域に到達させることで、{112}<110>の方位を持つ未再結晶フェライトからのオーステナイト変態を促進させることができる。従って、均熱後の冷却時にオーステナイトがフェライトに変態するに際しては、{112}<110>の方位を持つフェライトの粒成長を促進することでヤング率を高めることができる。さらに、低温変態相を生成させ、高強度化するに際しては、{112}<110>の方位を含むフェライトから変態したオーステナイト相が、冷却時に再変態することから、低温変態相の結晶方位に関しても、{112}<110>を発達させることができる。このように、フェライト相の{112}<110>を発達させることでヤング率を高めると共に、とくにヤング率の低下に大きな影響をもつ低温変態相の方位に{112}<110>を増加させることで、低温変態相を生成させつつ、低温変態相の生成に伴うヤング率の低下は抑制することができる。このように、昇温過程において、フェライトの再結晶を促進しつつ、未再結晶フェライトからオーステナイト変態させるには、再結晶挙動に大きく影響をおよぼす500℃から均熱温度である780〜900℃までの平均の昇温速度を1〜30℃/sとする必要がある。また、ここで均熱温度を780〜900℃とするのは、780℃を下回ると、未再結晶組織が残ってしまうためであり、また900℃を上回ると、オーステナイトの生成量が多くなり、ヤング率の向上に有利な{112}<110>の方位をもつフェライトを発達させることが困難となるためである。
なお、均熱時間は特に限定する必要はないが、オーステナイトを生成させる上で30秒以上とすることが好ましく、一方長くなりすぎると、生産効率が悪くなるため、300秒以 下程度とすることが好ましい。
・均熱後、500℃までの冷却速度:5℃/s以上
均熱後の冷却過程において、高強度化のためにマルテンサイト相を含む低温変態相を生成させる必要がある。そのため、均熱後、500℃までの平均冷却速度を5℃/s以上とする 必要がある。
発明の実施に当たっては、目的とする強度レベルに応じた化学成分の鋼を溶製する。溶製方法は、通常の転炉法、電炉法等、適宜適用することができる。溶製された鋼は、スラブに鋳造後、そのまま、あるいは冷却して加熱し、熱間圧延を施す。熱間圧延では前述の仕上条件で仕上げた後、前述の巻取り温度で巻取り、その後、通常の酸洗、冷間圧延を施す。焼鈍については、前述の条件で昇温を行い、均熱後の冷却は、目的の低温変態相を得る範囲で冷却速度を高めることができる。その後、冷延鋼板の場合は過時効処理を行なってもよいし、溶融亜鉛めっき鋼板として製造させる場合には、溶融亜鉛中を通板させることでめっきすることもできるし、さらに合金化溶融亜鉛めっき鋼板として製造される場合には、合金化処理のため、500℃以上の温度まで再加熱を行なうこともできる。
本発明の実施例について説明する。なお、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
まず、表1に示す成分の鋼Aを実験室真空溶解炉にて溶製し、一旦室温まで冷却し、鋼塊(鋼素材)を作製した。
Figure 0004843981
その後、実験室にて熱間圧延、酸洗、冷間圧延および焼鈍を順次行なった。基本とした製造条件は以下のとおりである。鋼塊は1250℃で1時間の加熱を行なった後、熱間圧延を開始し、950℃以下の総圧下率、すなわち950℃以下の総圧下量を40%とし、最終の圧延温度(仕上げ圧延の終了温度に相当 )を860℃として板厚:4.0mmの熱延板とした。その後、600℃になったのち、600℃の炉に入れて1時間の保持を行い、その後炉冷することで巻取り条件(巻取り温度 600℃相当)をシミュレートした。このようにして得た熱延板は酸洗し、60%の圧下率で冷間圧延を行い、板厚:1.6mmとしたのち、平均10℃/sで500℃まで昇温したのち、さらに500℃から平均5℃/sで820℃の均熱温度まで昇温した。次に、820℃で180秒間の均熱を行なったのち、500℃まで10℃/sの平均冷却速度で冷却を行い、500℃で80秒間の保持を行なったのち、室温まで空冷した。
以上の製造条件を基本条件として、本実験では、さらに、以下の条件を個別に変化させた。すなわち、950℃以下での総圧下率を20〜60%、熱間仕上圧延の最終温度を800〜920 ℃、巻取り温度を500〜670℃、冷間圧延の圧下率を40〜75%、焼鈍時の500℃から均熱温 度(820℃)までの平均昇温速度を0.5〜35℃/sとし、変化させた個々の条件以外は基本条件で実験を行なった。
焼鈍後のサンプルは、圧延方向に対し直角な方向を長手方向として10mm×120mmの試験片を切り出し、さらに、機械研削と歪みを除去するための化学研磨により板厚:0.8mmに仕上げたのち、横振動型の内部摩擦測定装置を用いてサンプルの共振周波数を測定し、そこからヤング率を計算した。また、0.5%の調質圧延を施した板に関し、圧延方向に対し直角な方向にJIS5号引張り試験片を切り出し、引張試験に供した。さらに、断面組織はナイタール腐食した後、走査型電子顕微鏡(SEM)による観察を行い、組織の種類を観察すると共に、30μm×30μmの視野領域での写真を3枚撮ったのち、画像処理によりフェライト相とマルテンサイト相の面積率を測定して各々の相について平均値を求め、各々の相についての面積率(分率ともいう)とした。
その結果、本発明の製造方法にしたがう本実験における基本条件での機械的特性値は、ヤング率E:242GPa、TS:780MPa、El:23%、およびフェライト相分率:67%、マルテンサイト相分率:28%であり、優れた強度−延性バランスをもち、かつ高ヤング率な薄鋼板であった。
なお、上記組織において、フェライト相およびマルテンサイト相以外の残部は、ベイナイト相、残留オーステナイト相、パーライト相およびセメンタイト相のいずれかであった。
以下、試験調査結果に基づき、製造条件とヤング率の関係を、図を用いて説明する。ここで、いずれの実験条件においても、引張強度に関しては730〜820MPa、フェライト相分 率は55〜80%、マルテンサイト相分率は17〜38%で残部はベイナイト相、残留オーステナイト相、パーライト相およびセメンタイト相のいずれかであった。
図1に、ヤング率に及ぼす950℃以下での総圧下率の影響を示す。総圧下率が本発明の請 求範囲である30%以上の場合、ヤング率は230GPa以上と優れた値を示した。
図2に、ヤング率に及ぼす熱間仕上圧延の最終温度の影響を示す。前記最終温度が本発明の請求範囲である900℃以下の場合、ヤング率は230GPa以上と優れた値を示した。
図3に、ヤング率に及ぼす巻取り温度の影響を示す。巻取り温度が本発明の請求範囲である650℃以下の場合、ヤング率は230GPa以上と優れた値を示した。
図4に、ヤング率に及ぼす冷間圧延における圧下率の影響を示す。前記圧下率が本発明の請求範囲である50%以上の場合、ヤング率は230GPa以上と優れた値を示した。
図5に、ヤング率に及ぼす焼鈍時の500℃から均熱温度である820℃までの平均昇温速度の影響を示す。昇温速度が本発明の請求範囲である1〜30℃/sの場合、ヤング率は230GPa以上と優れた値を示した。
さらに、表2に示す成分の鋼B〜ZおよびAA〜AIを実験室真空溶解炉にて溶製し、一旦室温まで冷却し、鋼塊(鋼素材)を作製した。その後、実験室にて、表3に示す条件にて熱間圧延、酸洗、冷間圧延および焼鈍を順次行なった。鋼塊は1250℃で1時間の加熱を行なった後、熱間圧延を開始し、種々の圧延温度で圧延して、板厚:4.0mmの熱延板とした。その後、目的の巻取り温度になったのち、巻取り温度の炉に入れて1時間の保持を行い、炉冷することで巻取り条件をシミュレートした。熱延板は酸洗し、種々の圧下率で冷間圧延を行い、板厚:0.8〜1.6mmとしたのち、平均10℃/sで500℃まで昇温したのち、さらに表3に示す種々の平均昇温速度で目的の均熱温度まで昇温した。次に、均熱温度で180秒間の均熱を行なったのち、500℃まで表3に示す種々の平均冷却速度で冷却を行い、500℃で80秒間の保持を行なったのち、室温まで空冷した。
表4に試験調査により得られた特性をまとめて示す。ここで、マルテンサイト相およびフェライト相以外の組織は、ベイナイト相、残留オーステナイト相、パーライト相およびセメンタイト相のいずれかであった。
Figure 0004843981
Figure 0004843981
Figure 0004843981
鋼種Dは、C含有量が0.01%と小さく、マルテンサイト分率が0%となり、TSが本発明の請求範囲より小さくなった。鋼種Eは、炭化物として固定されないC量(SC)が0.08%と高く、フェライト相分率が30%と小さくなり、ヤング率が本発明の請求範囲より小さくなった。鋼種Fは、SCが0.06%と高く、ヤング率が本発明の請求範囲より小さくなった。鋼種Kは、Mn含有量が3.6%と高く、ヤング率が本発明の請求範囲より小さくなった。 鋼種ADは、C含有量が0.16%と高く、またSCも0.14%と高く、フェライト相分率が25%と小さくなり、ヤング率が本発明の請求範囲より小さくなった。鋼種AFは、Mn含有量が0.9%と低く、TSおよびヤング率が本発明の請求範囲より小さくなった。鋼種AIは、Ti含有量が0.01%と低く、またTi*も0.00%と小さく、ヤング率が本発明の請求範囲より小さくなった。
その他の鋼種に関しては、いずれも本発明の適正範囲内にあり、TSおよびヤング率とも本発明の請求範囲を満たした。
本発明によって、引張強度が590MPa以上と高強度で、ヤング率が230GPa以上と高剛性を兼ね備えた薄鋼板の提供が可能になる。
ヤング率に及ぼす950℃以下での総圧下率の影響を示す図である。 ヤング率に及ぼす熱間仕上圧延の最終温度の影響を示す図である。 ヤング率に及ぼす巻取り温度の影響を示す図である。 ヤング率に及ぼす冷間圧延における圧下率の影響を示す図である。 ヤング率に及ぼす焼鈍時の500℃から均熱温度までの平均昇温速度の影響を示す 図である。

Claims (6)

  1. 質量%で、C:0.02〜0.15%、Si:1.5%以下、Mn:1.0〜3.5%、P:0.05%以下、S :0.01%以下、Al:1.5%以下、N:0.01%以下およびTi:0.02〜0.50%を含有し、かつ C、N、SおよびTiの含有量が、下記(1)式および(2)式に示す関係式を満たし、残部は鉄および不可避的不純物からなる組成を有すると共に、組織が、面積率で50%以上のフェライト相を主相とし、面積率で1%以上のマルテンサイト相を有し、さらに引張強度が590 MPa以上でかつヤング率が 230 GPa以上であることを特徴とする高剛性高強度薄鋼板。

    Ti*=Ti−(47.9/14)×N−(47.9/32.1)×S≧0.01 ・・・ (1)
    0.01≦C−(12/47.9)×Ti*≦0.05 ・・・ (2)
  2. 請求項1に記載の高剛性高強度薄鋼板において、上記組成に加えて、さらに質量%で、Nb:0.005〜0.04%およびV:0.01〜0.20%のうちから選んだ1種または2種を含有し、かつ上記(1)式に示す関係を満たし、さらに上記(2)式に代えて下記(3)式に示す関係式を満たすことを特徴とする高剛性高強度薄鋼板。

    0.01≦C−(12/47.9)×Ti*−(12/92.9)×Nb−(12/50.9)×V≦0.05 ・・・ (3)
  3. 請求項1または2に記載の高剛性高強度薄鋼板において、上記組成に加えて、さらに質量%で、Cr:0.1〜1.0%、Ni:0.1〜1.0%、Mo:0.1〜1.0%、Cu:0.1〜2.0%およびB:0.0005〜0.0030%の中から選択される1種以上を含有することを特徴とする高剛性高強度薄鋼板。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の高剛性高強度薄鋼板の製造方法であって、質量%で、C:0.02〜0.15%、Si:1.5%以下、Mn:1.0〜3.5%、P:0.05%以下、S:0.01%以下、Al:1.5%以下、N:0.01%以下およびTi:0.02〜0.50%を含有し、かつC、N、SおよびTiの含有量が、下記(1)式および(2)式に示す関係式を満たし、残部は鉄および不可避的不純物からなる組成鋼素材を、熱間圧延工程において、950℃以下での総圧下量を30%以上とし、さらに仕上圧延を800〜900℃で終了したのち、650℃以下で巻取り、酸洗後に、50%以上の圧下率で冷間圧延を行い、その後500℃からの昇温速度を1〜30℃/sとして、780〜900℃の温度に昇温して均熱した後、500℃までの冷却速度を5℃/s以上の速度として冷却する焼鈍を施すことを特徴とする高剛性高強度薄鋼板の製造方法。

    Ti*=Ti−(47.9/14)×N−(47.9/32.1)×S≧0.01 ・・・ (1)
    0.01≦C−(12/47.9)×Ti*≦0.05 ・・・ (2)
  5. 請求項4に記載の鋼素材が、上記組成に加えて、さらに質量%で、Nb:0.005〜0.04 %およびV:0.01〜0.20%のうちから選んだ1種または2種を含有し、かつ上記(1)式に示す関係を満たし、さらに、上記(2)式に代えて下記(3)式に示す関係式を満たすことを特徴とする高剛性高強度薄鋼板の製造方法。

    0.01≦C−(12/47.9)×Ti*−(12/92.9)×Nb−(12/50.9)×V≦0.05 ・・・ (3)
  6. 請求項4または5に記載の鋼素材が、上記組成に加えて、さらに質量%で、Cr:0.1〜 1.0%、Ni:0.1〜1.0%、Mo:0.1〜1.0%、Cu:0.1〜2.0%およびB:0.0005〜0.0030%の中から選択される1種以上を含有することを特徴とする高剛性高強度薄鋼板の製造方法。
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