JP2008239791A - 樹脂粒子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】単分散性に優れ、親水性が強く、水系媒体中への分散性に優れた樹脂粒子の製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】重合性単量体と水性媒体とから構成されるエマルジョンにシード粒子を添加して、前記シード粒子に前記重合性単量体を吸収させる工程と、前記吸収させた重合性単量体を重合させる工程を含み、前記重合性単量体が前記シード粒子に吸収されている間に末端にチオール基を有する水溶性高分子を前記エマルジョンに添加することを特徴とする樹脂粒子の製造方法により上記課題を解決する。
【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂粒子の製造方法に関する。更に詳しくは、本発明は、シード重合法を利用した樹脂粒子の製造方法に関する。本発明の製造方法により得られた樹脂粒子は、優れた水分散性を示し、LCDスペーサー・銀塩フィルム用表面改質剤・磁気テープ用フィルム用改質剤・感熱紙走行安定剤等の電子工業分野、レオロジーコントロール剤・艶消し剤等の塗料・インク・接着剤等の化学分野、抗原抗体反応検査用粒子等の医療分野、滑り剤、体質顔料等の化粧品分野、不飽和等ポリエステル等の樹脂の低収縮化剤、紙、歯科材料、アンチブロッキング剤、光拡散剤、マット化剤、樹脂改質剤等の一般工業分野等へ使用可能である。
近年、工業分野では環境に対する負荷の少ない水系溶媒を使用することが多くなっている。そのため、溶媒に混合する樹脂粒子には、親水化が求められている。親水化された樹脂粒子としては、従来、親水性ポリマーで粒子表面が被覆された樹脂粒子が知られている。この樹脂粒子は、乳化重合を利用して製造されている。
乳化重合では、重合性単量体が、水相に分散した核である樹脂粒子(核粒子)に付加されて重合反応が進行し、核粒子より大きな樹脂粒子が生成する。そのため、乳化重合において重合性単量体を逐次添加すると、重合安定性を高めたり、反応熱を除去しやすいという利点がある。そして、かかる乳化重合において、重合後期に親水性の重合性単量体を重合系に添加すると、表面が親水性の樹脂粒子を容易に生成できる。また、この重合方法を利用して、核粒子への反応性官能基の導入が行われている。
しかし、乳化重合では光拡散剤、ブロッキング防止剤等に有用な1μm以上の粒子径を有する樹脂粒子を工業的に製造することは困難である。
乳化重合以外の樹脂粒子の製造方法として、懸濁重合がある。この懸濁重合では粒子径が1〜100μmの比較的大粒子径の樹脂粒子を製造できる。しかし、得られた樹脂粒子は分布が広く、単分散の樹脂粒子を製造することは極めて困難である。
従って、単分散の樹脂粒子を得ようとする場合には、懸濁重合により得られた樹脂粒子を分級する必要がある。そのため工程数が多くなり製造が煩雑になるという問題を有する。
更に、懸濁重合の一種として、核になる樹脂粒子(シード粒子)に重合性単量体を吸収させ、次いで吸収させた重合性単量体を重合させて、樹脂粒子を得るシード重合がある。このシード重合においては、通常シード粒子に重合性単量体を吸収させ重合容器で加熱して重合性単量体を重合させて樹脂粒子を得る。そのため、親水性の樹脂粒子を得るために親水性の重合性単量体を使用すると、この重合性単量体が水相に移行して重合反応に関与しないことがある。従って、親水性の樹脂粒子を製造することは困難である。
親水性の樹脂粒子を得る方法として、以下の方法が知られている。
特開平7−228608号公報(特許文献1)には、重合性単量体を転化率90%以上に重合させた後、親水性の重合性単量体10〜90重量%を含む重合性単量体を重合系に添加して重合させることからなる樹脂粒子の製造方法が記載されている。
また、特開平7−149993号公報(特許文献2)には、次の方法が記載されている。すなわち、アルキル基の炭素数が1〜4のアルキルメタクリレート、アルキル基の炭素数が1〜8のアルキルアクリレート及び芳香族ビニルモノマーから選ばれた少なくとも1種以上の非架橋性の重合性単量体100重量部と、架橋性の重合性単量体0.5〜50重量部とを重合して架橋性の樹脂粒子を得る。次いで、架橋性の樹脂粒子100重量部に対し、分子構造中に1個以上の二重結合を有する重合性ポリ(アルキレンオキシド)グリコール系単量体を0.01〜25重量部、または重合性スルホン酸塩を0.01〜10重量部を重合系に添加する。この後、グリコール系単量体を重合させ、架橋性の樹脂粒子の表面を被覆させることで、帯電防止性の樹脂粒子が得られると記載されている。
更に、特許第3339091号公報(引用文献3)では水中に分散させたシード粒子の存在下に重合性単量体を重合させることで樹脂粒子を製造するに際し、重合性単量体の水分散液と、水溶性高分子化合物の水溶液とを連続的または間欠的に重合系に添加する方法が記載されている。
しかしながら、重合後期あるいは重合後に親水性の重合性単量体を添加すると、親水性の重合性の単量体単独の樹脂粒子が生成することがある。更に、親水性重合性単量体が水相に移行して重合に関与しないので、親水性の強い樹脂粒子を製造することは困難である。
また、特許第3339091号公報に記載された方法では、水溶性高分子化合物を重合性単量体と同時に入れるため、シード粒子への重合性単量体の吸収が悪くなる。そのため樹脂粒子の均一性が劣るという課題がある。
特開平7−228608号公報 特開平7−149993号公報 特許第3339091号公報
本発明の発明者は、鋭意研究を重ねた結果、シード重合において、末端にチオール基を有する水溶性高分子を使用することにより、単分散性で親水性の強い樹脂粒子が得られることを見いだし、本発明に至った。
かくして本発明によれば、重合性単量体と水性媒体とから構成されるエマルジョンにシード粒子を添加して、前記シード粒子に前記重合性単量体を吸収させる工程と、前記吸収させた重合性単量体を重合させる工程を含み、前記重合性単量体が前記シード粒子に吸収されている間に末端にチオール基を有する水溶性高分子を前記エマルジョンに添加することを特徴とする樹脂粒子の製造方法が提供される。
本発明の製造方法によれば、単分散性に優れ、親水性が強く、水系媒体中への分散性に優れた樹脂粒子を簡便に得ることができる。
本発明の製造方法では、重合性単量体、水性媒体、シード粒子及び末端にチオール基を有する水溶性高分子が少なくとも使用される。
重合性単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン、クロロメチルスチレン等のスチレン又はその誘導体;塩化ビニル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;アクリロニトリル等の不飽和ニトリル類;(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ステアリル等の(メタ)アクリル酸又はそのエステル誘導体;ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン類等の単官能性単量体の他、ジビニルベンゼン、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジメタクリレート等の多官能性単量体が挙げられる。これら重合性単量体は、単独で用いられてもよく、二種以上併用されてもよい。
水性媒体としては、水、水と水溶性溶媒(例えば、低級アルコール)との混合媒体が挙げられる。
シード粒子としては、スチレン系、スチレン・ブタジエン系、(メタ)アクリル酸エステル系、酢酸ビニル系、スチレン系単量体と(メタ)アクリル系単量体の共重合体等の重合体からなる粒子が挙げられる。シード粒子は、平均粒子径0.1〜10μmで、かつCv値〔(粒子径標準偏差/平均粒子径)×100で表される〕が15%以下の非架橋型の粒子が好ましい。シード粒子は、特に限定されず、公知の方法により製造できる。例えば、ソープフリー乳化重合又は分散重合法等を用いて製造できる。なお、(メタ)アクリルは、メタクリル又はアクリルを意味する。
末端にチオール基を有する水溶性高分子としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリカルボン酸、セルロース類(ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等)、ポリビニルピロリドン等のチオール誘導体が挙げられる。これら水溶性高分子の内、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンのチオール誘導体が好ましく、特にケン化度80〜98%、重合度50〜3000のポリビニルアルコールが好ましい。末端にチオール基を有するポリビニルアルコールとしては、例えば、クラレ社から市販されているポバールMシリーズが挙げられる。ポバールMシリーズ中でも、M115、M205が好適である。
また、トリポリリン酸ナトリウム等の無機系水溶性高分子も末端にチオール基を有する水溶性高分子と併用できる。
以下、樹脂粒子の製造方法について説明する。
まず、重合性単量体と水性媒体とから構成されるエマルジョンにシード粒子を添加する。エマルジョンは、公知の方法により作製できる。例えば、重合性単量体を、水性媒体に添加し、ホモジナイザー、超音波処理機、ナノマイザー等の微細乳化機により分散させることで、エマルジョンを得ることができる。重合性単量体は、必要に応じて重合開始剤を含んでいてもよい。重合開始剤は、重合性単量体に予め混合させた後、水性媒体中に分散させてもよいし、両者を別々に水性媒体に分散させたものを混合してもよい。得られたエマルジョン中の重合性単量体の液滴の粒子径は、シード粒子よりも小さい方が、重合性単量体がシード粒子に効率よく吸収されるので好ましい。
シード粒子は、エマルジョンに直接添加してもよく、シード粒子を水性分散媒に分散させた形態(以下、シード粒子分散液という)で添加してもよい。
シード粒子のエマルジョンへの添加後、シード粒子へ重合性単量体を吸収させる。この吸収は、通常、シード粒子添加後のエマルジョンを、室温(約20℃)で1〜12時間攪拌することで行うことができる。また、エマルジョンを30〜50℃程度に加温することにより吸収を促進してもよい。
シード粒子は、重合性単量体の吸収により膨潤する。シード粒子の膨潤度は、重合性単量体とシード粒子との混合比率を変えることにより調節することが可能である。通常、混合比率は、シード粒子1重量部に対して重合性単量体5〜200重量部の範囲であることが好ましく、10〜100重量部がより好ましい。重合性単量体の混合比率が小さくなると重合による粒子径の増加は小さく、大きくなると完全にシード粒子に吸収されず、水性媒体中で独自に懸濁重合し異常粒子を生成することがある。ここでいう膨潤度とは、膨潤前のシード粒子に対する膨潤後のシード粒子の体積比を意味する。なお、吸収の終了は光学顕微鏡の観察で粒子径の拡大を確認することにより判定できる。
必要に応じて添加される重合開始剤としては、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、オルソクロロ過酸化ベンゾイル、オルソメトキシ過酸化ベンゾイル、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキサイド等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘキサカルボニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系化合物等が挙げられる。重合開始剤は、重合性単量体100重量部に対して、0.1〜1.0重量部の範囲で使用することが好ましい。
更に、本発明では、重合性単量体がシード粒子に吸収されている間に、末端にチオール基を有する水溶性高分子がエマルジョンに添加される。このようなタイミングで末端にチオール基を有する水溶性高分子を添加することで、重合性単量体を吸収させたシード粒子の表面近傍に末端にチオール基を有する水溶性高分子を局在させることができると発明者は考えている。
末端にチオール基を有する水溶性高分子の添加時期は、重合性単量体のシード粒子への吸収の完了時間を100とすると、20〜80の間であることが好ましく、25〜75の間であることがより好ましい。上記添加時期の定義は、例えば、重合性単量体を10時間かけてシード粒子に吸収させる場合、末端にチオール基を有する水溶性高分子の添加時期が2〜8時間であることを意味する。
末端にチオール基を有する水溶性高分子の添加量は上記重合性単量体100重量部に対して0.01〜10重量部が好ましく、0.1〜5重量部がより好ましい。また、末端にチオール基を有する水溶性高分子はそのまま加えても良いが、水に溶解して添加するのが好ましい。このとき水の温度を40〜80℃で溶解すると末端にチオール基を有する水溶性高分子が容易に溶けるので好ましい。水100重量部に対し水溶性高分子を0.1〜10重量部溶解するのが好ましい。また、この時、必要に応じてラウリル硫酸ナトリウム等の界面活性剤を水に添加してもよい。
次に、シード粒子に吸収させた重合性単量体を重合させることで、樹脂粒子が得られる。
重合温度は、重合性単量体、重合開始剤の種類に応じて、適宜選択することができる。重合温度は、25〜100℃が好ましく、より好ましくは50〜90℃である。重合反応は、シード粒子に重合性単量体、任意に重合開始剤が完全に吸収された後に、昇温して行うのが好ましい。重合完了後、必要に応じて樹脂粒子を遠心分離して水性媒体を除去し、水及び溶剤で洗浄した後、乾燥、単離される。
上記重合工程において、樹脂粒子の分散安定性を向上させるために、界面活性剤や高分子分散安定剤を添加してもよい。
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアニオン系界面活性剤やポリビニルピロリドン、ゼラチン、デンプン、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルエーテル、ポリビニルアルコール等の高分子分散安定剤が挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、二種以上併用されてもよい。界面活性剤の添加量は、重合性単量体100重量部に対して0.01〜1重量部が好ましい。
高分子分散安定剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリカルボン酸、セルロース類(ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等)、ポリビニルピロリドン等である。またトリポリリン酸ナトリウム等の無機系水溶性高分子化合物も併用することができる。これらのうち、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンが好ましい。高分子分散安定剤の添加量は、重合性単量体100重量部に対して1〜10重量部が好ましい。
界面活性剤は、シード粒子に重合性単量体、任意に重合開始剤を吸収させた後で添加してもよいし、重合性単量体を水系媒体に分散させる時に添加してもよい。分散時の添加によって、分散時の重合性単量体の液滴の分散安定化と重合時の樹脂粒子の分散安定化との両方を得ることができる。
本発明により得られる樹脂粒子の粒子径は、シード粒子の粒子径、重合性単量体とシード粒子の混合割合によって自由に設計可能である。本発明の方法は、粒子径1〜50μm、Cv値15%以下の単分散の樹脂粒子の製造に好適である。
本発明の製造方法により得られた樹脂粒子は、優れた水分散性を示し、LCDスペーサー・銀塩フィルム用表面改質剤・磁気テープ用フィルム用改質剤・感熱紙走行安定剤等の電子工業分野、レオロジーコントロール剤・艶消し剤等の塗料・インク・接着剤等の化学分野、抗原抗体反応検査用粒子等の医療分野、滑り剤、体質顔料等の化粧品分野、不飽和等ポリエステル等の樹脂の低収縮化剤、紙、歯科材料、アンチブロッキング剤、光拡散剤、マット化剤、樹脂改質剤等の一般工業分野等へ使用可能である。
以下、実施例に基づいて本発明の重合性粒子の製造方法をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、下記実施例において「部」及び「%」は、各々重量部及び重量%を示す。下記実施例における平均粒子径の測定法、親水性の評価方法を下記する。
(平均粒子径)
測定方法はCoulter Electronics Limited発行のReference MANUAL FOR THE COULTER MULTISIZER(1987)に従って、50μmアパチャーを用いてキャリブレーションを行い測定する。
具体的には、樹脂粒子0.1gを0.1%ノニオン系界面活性剤溶液10ml中にタッチミキサー及び超音波を用いて予備分散させ、これを本体備え付けのISOTON II(ベックマンコールター社製:測定用電解液)を満たしたビーカー中に、緩く攪拌しながらスポイドで滴下して、本体画面の濃度計の示度を10%前後に合わせる。次にマルチサイザーII本体にアパチャーサイズ50μm、Currentを800、Gainを4、Polarityを+と入力してmanualで測定を行う。測定中はビーカー内を気泡が入らない程度に緩く攪拌しておき、樹脂粒子を10万個測定した点で測定を終了する。体積荷重の平均径(体積%モードの算術平均径:体積メジアン径)を樹脂粒子の平均粒子径(x)として算出する。
変動係数(Cv値)とは標準偏差(σ)及び上記平均粒子径(x)から以下の式により算出された値である。
Cv値(%)=(σ/x)×100
(親水性の評価方法)
親水性は次の方法により評価する。
イオン交換水90部、エタノール10部と長さ30mmの攪拌子とを200mlビーカーに入れマグネティックスターラー(柴田科学機器工業製MGP−301型、目盛設定6)により液面が流動する程度攪拌する。その後、樹脂粒子1部を投入し、液面下に沈降分散するまでの時間を測定する。180秒(3分)以内に液中に完全に沈降分散したものは親水性が強く、180秒(3分)経っても液面に樹脂粒子が観察されるものは親水性が弱いと評価する。
(シード粒子の製造例)
温度計と窒素導入管とを装着した容量5リットルのオートクレーブに、重合性単量体であるメタクリル酸エチル100部にノルマルオクチルメルカプタン1部を溶解したものと、イオン交換水600部とを入れた。得られた混合物を攪拌しながら窒素気流中で70℃に昇温し、重合開始剤として過硫酸カリウム0.5部を投入し、70℃で12時間ソープフリーの重合反応を行った。この重合反応により、平均粒子径が0.5μm、Cv値が10%の単分散ポリメタクリル酸メチル粒子(シード粒子A)の分散液を得た。
次に、上記と同じオートクレーブにイオン交換水700部と上記シード粒子Aの分散液30部とを加えて分散液を得た。この分散液を攪拌しながら70℃に昇温した。次いで、過硫酸カリウム0.4部を15部のイオン交換水に溶解した溶液を上記分散液に加えた。更に、メチルメタクリレート80部とノルマルオクチルメルカプタン0.8部とを混合し60分かけて窒素導入管より添加した。得られた混合液を70℃に保持しながら12時間重合反応を行った。この重合反応により、平均粒子径が1.2μm、Cv値が11%の単分散ポリメタクリル酸メチル粒子(シード粒子B)を10部含む分散液を得た。
(実施例1)
重合性単量体としてスチレン60部、メチルメタクリレート10部、エチレングリコールジメタクリレート30部に、重合開始剤としてジメチル−2,2−アゾビスイソブチルニトリル0.6部、ベンゾイルパーオキサイド0.6部を溶解して単量体混合物を得た。得られた単量体混合物を、界面活性剤としてコハクスルホン酸ナトリウム0.5部を含むイオン交換水100部に混合し、混合液をT.KホモミキサーMark2.5(特殊機化工業社製;現プライミクス社製)にて8000rpmで10分間攪拌処理することでエマルジョンを得た。このエマルジョンに平均粒子径が1.2μmのシード粒子Bを10部含む分散液15部を攪拌しながら加えた。
更に1時間攪拌後イオン交換水10部に末端にチオール基を有するポリビニルアルコール(クラレ社製ポバールM−115)0.5部を溶解した水溶液を添加した。このとき分散液を光学顕微鏡で確認したが、粒度分布は1〜10μmの範囲でブロードであった。更に攪拌を3時間続け分散液を光学顕微鏡で観察したところ、エマルジョン中の重合性単量体はシード粒子に吸収されていることを認めた。この場合、重合性単量体がシード粒子への吸収が完了する時間(4時間)を100とすると、末端にチオール基を有するポリビニルアルコールは、25に対応する時間(1時間)経過後に分散液に添加されたことになる。
その後、分散安定剤としてポリビニルアルコール(クラレ社製PVA−217EE)20部の水溶液200部をオートクレーブに入れ、攪拌しながら70℃で4時間重合を行った。得られた樹脂粒子の粒度分布をコールター社製のコールターカウンターで測定したところ、平均粒子径が4.5μmでCv値が9.0%であり、粒子径が非常に良く揃っていることを認めた。得られた樹脂粒子分散液を脱水、洗浄、乾燥し、篩分けすることで樹脂粒子を単離した。
(実施例2)
末端にチオール基を有するポリビニルアルコールの添加量を4部としたこと以外は実施例1と同様に樹脂粒子を得た。得られた樹脂粒子は、平均粒子径が4.5μmでCv値が9.1%であり、粒子径が非常に良く揃っていることを認めた。
(実施例3)
重合性単量体としてスチレン30部、メチルメタクリレート60部、エチレングリコールジメタクリレート10部に、重合開始剤としてジメチル−2,2−アゾビスイソブチルニトリル0.6部、ベンゾイルパーオキサイド0.6部を溶解して単量体混合物を得た。得られた単量体混合物を、界面活性剤としてコハクスルホン酸ナトリウム0.5部を含むイオン交換水100部に混合し、混合液をT.KホモミキサーMark2.5(特殊機化工業社製)にて8000rpmで10分間攪拌処理することでエマルジョンを得た。このエマルジョンに平均粒子径が1.2μmのシード粒子Bを10部含む分散液25部を攪拌しながら加えた。
更に30分攪拌後イオン交換水10部に末端にチオール基を有するポリビニルアルコール(クラレ社製ポバールM−205)1.0部を溶解した水溶液を添加した。このとき分散液を光学顕微鏡で確認したが、粒度分布は1〜10μmの範囲でブロードであった。更に攪拌を3時間続け分散液を光学顕微鏡で観察したところ、乳化液中の単量体はシード粒子に吸収されていることを認めた。
その後、分散安定剤としてポリビニルアルコール(クラレ社製PVA−217EE)20部の水溶液200部をオートクレーブに入れ、攪拌しながら70℃で4時間重合を行った。得られた樹脂粒子は、平均粒子径が3.8μmでCv値が8.8%であり、粒子径が非常に良く揃っていることを認めた。得られた樹脂粒子分散液を脱水、洗浄、乾燥し、篩分けすることで樹脂粒子を単離した。
(実施例4)
末端にチオール基を有するポリビニルアルコールの添加を、3時間攪拌後としたこと以外は実施例1と同様に樹脂粒子を得た。得られた樹脂粒子は、平均粒子径が4.5μmでCv値が9.3%であり、粒子径が非常に良く揃っていることを認めた。
(比較例1)
末端にチオール基を有するポリビニルアルコールを添加しないこと以外は、実施例1と同様に樹脂粒子を得た。得られた樹脂粒子は、平均粒子径が4.5μmでCv値が9.3%であった。
(比較例2)
重合性単量体としてスチレン60部、メチルメタクリレート10部、エチレングリコールジメタクリレート30部に、重合開始剤としてジメチル−2,2−アゾビスイソブチルニトリル0.6部、ベンゾイルパーオキサイド0.6部を溶解して単量体混合物を得た。得られた単量体混合物を、界面活性剤としてコハクスルホン酸ナトリウム0.5部及び末端にチオール基を有するポリビニルアルコール(クラレ社製M−115)0.5部が含まれたイオン交換水100部に混合し、混合液をT.KホモミキサーMark2.5(特殊機化工業社製)にて8000rpmで10分間処理することでエマルジョンを得た。このエマルジョンに平均粒子径が1.2μmのシード粒子Bを10部含む分散液20部を攪拌しながら加え、3時間攪拌を続けた。
エマルジョンを光学顕微鏡で観察したところ、エマルジョン中の重合性単量体は完全にシード粒子に吸収され均一な粒子径であることを認めた。
その後、分散安定剤としてポリビニルアルコール(クラレ社製PVA−217EE)10部の水溶液200部をオートクレーブに入れ、攪拌しながら70℃で2時間重合を行った。得られた樹脂粒子は、平均粒子径が4.2μmでCv値が10.2%であった。得られた樹脂粒子分散液を脱水、洗浄、乾燥し、篩分けすることで樹脂粒子を単離した。
(比較例3)
重合性単量体としてスチレン60部、メチルメタクリレート10部、エチレングリコールジメタクリレート30部に、重合開始剤としてジメチル−2,2−アゾビスイソブチルニトリル0.6部、ベンゾイルパーオキサイド0.6部を溶解して単量体混合物を得た。得られた単量体混合物を、界面活性剤としてコハクスルホン酸ナトリウム0.5部を含むイオン交換水100部に混合し、混合液をT.KホモミキサーMark2.5(特殊機化工業社製)にて8000rpmで10分間攪拌処理することでエマルジョンを得た。このエマルジョンに平均粒子径が1.2μmのシード粒子Bを10部含む分散液20部を攪拌しながら加え、3時間攪拌を続けた。
エマルジョンを光学顕微鏡で観察したところ、エマルジョン中の重合性単量体は完全にシード粒子に吸収され均一な粒子径であることを認めた。
その後、末端にチオール基を有するポリビニルアルコール(クラレ社製M−115)10部の水溶液200部をオートクレーブに入れ、攪拌しながら70℃で2時間重合を行ったが、重合中に凝集が生じ、安定な水分散体は得られなかった。
(比較例4)
平均粒子径が1.2μmのシード粒子Bの分散液を使用しないこと以外は実施例1と同様に樹脂粒子を得た。得られた樹脂粒子は、平均粒子径が4.6μmでCv値が30.3%であり、1〜10μmの粒度分布のブロードなものであった。
(比較例5)
末端にチオール基を有するポリビニルアルコールを末端に代えて、チオール基を有しないポリビニルアルコール(クラレ社製PVA−224E)を使用すること以外は実施例1と同様に樹脂粒子を得た。得られた樹脂粒子は、平均粒子径が4.4μmでCv値が9.8%であった。
実施例及び比較例の分散時間、平均粒子径、Cv値、末端にチオール基を有する水溶性高分子の添加時期及び添加量をまとめて表1に示す。
Figure 2008239791
実施例1〜4及び比較例1から、末端にチオール基を有する水溶性高分子を使用することで、水系媒体中への分散性に優れた樹脂粒子が得られることがわかる。
実施例1〜4及び比較例2〜3から、末端にチオール基を有する水溶性高分子を特定の時期に重合系に添加することで、単分散性に優れ、水系媒体中への分散性に優れた樹脂粒子が得られることがわかる。
実施例1〜4及び比較例4から、シード重合法を採用することで、単分散性に優れ、水系媒体中への分散性に優れた樹脂粒子が得られることがわかる。
実施例1〜4及び比較例5から、水溶性高分子が末端にチオール基を有することで、水系媒体中への分散性に優れた樹脂粒子が得られることがわかる。

Claims (3)

  1. 重合性単量体と水性媒体とから構成されるエマルジョンにシード粒子を添加して、前記シード粒子に前記重合性単量体を吸収させる工程と、前記吸収させた重合性単量体を重合させる工程を含み、前記重合性単量体が前記シード粒子に吸収されている間に末端にチオール基を有する水溶性高分子を前記エマルジョンに添加することを特徴とする樹脂粒子の製造方法。
  2. 前記水溶性高分子が、前記重合性単量体の前記シード粒子への吸収の完了時間を100とすると、20〜80の間に前記エマルジョンに添加される請求項1に記載の樹脂粒子の製造方法。
  3. 前記水溶性高分子が、前記重合性単量体100重量部に対し、0.1〜5重量部の範囲で添加される請求項1又は2に記載の樹脂粒子の製造方法。
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