JP2008239632A - 天然植物素材をもとにしたユーカリオイルの薬効増強処理剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 防虫・抗菌・木材防腐・消臭等の機能を拡充させ、人肌に優しく衛生的で環境に対して化学的な負荷を及ぼすことなく、ユーカリオイル特有の臭気を低減した抗菌力増強処理剤を提供する。
【解決手段】 シネオールを主成分とするユーカリオイルに、レモンセントティーツリーオイル、ハッカオイル、天然ピレトリンを添加して有効成分が天然植物精油のみで形成される。希釈剤や溶解剤として水やエタノールが使用される。乳化剤としてソーヤレシチンが混成される。ユーカリオイルの持つ薬効はレモンセントティーツリーオイルによって制菌性が、ハッカオイルによって防腐性殺菌性が、天然ピレトリンによって殺虫性がそれぞれ高められ、ソーヤレシチンによる洗浄作用、植物精油の揮発抑制を加重した処理剤とした。
【選択図】なし

Description

本発明は天然植物素材をもとにしたユーカリオイルの薬効増強処理剤に係り、詳しく述べれば、ユーカリオイルをベースとし、他の植物精油を添加することによりユーカリオイルの持つ効能を増強させるとともに、ユーカリオイル独特の臭気を抑えて家庭等室内使用の利便性を上げたり、化学合成物質の流出や拡散による自然環境バランスの変化や増長、汚染の発生等をきたすことのない天然植物精油のみを有効成分とした防虫・防かび・防菌性を備えた植物素材の乳液状処理剤に関するものである。
これまでの防虫・防腐・抗菌・消臭等を目的とした処理剤や床用ワックス等は、大量消費に備えるため、副次的に人体、動物、土壌等に悪影響を及ぼす化学合成品からなっていたり、それを含んでいたりする。これは動植物の生息域や自然界に無用の負荷を掛けたり環境破壊を招いたりすることから、その種物質の生成を何時までも認めることはもはや許されなくなってきている。
環境や人体に優しい液剤として幾つかの植物精油が知られているが、その一つにユーカリオイルがある。これは、オーストラリアの南に位置するタスマニア島に生育するタスマニアンオークで代表されるユーカリの葉を水蒸気蒸留して得られる香油である。無色もしくは帯黄色であり、シネオールを主たる成分としている。シネオールは防腐作用や虫類忌避作用を発揮するが、酷くはないものの刺激臭を伴う。しかし、化学的に極めて安定性の高い物質であるとともに、異臭を抑制したり塗布面を洗浄する作用も発揮する。
例えば特許第3611126号公報には、ユーカリオイルを主体にした表面処理剤が提案されている。それに開示された幾つかの例の中に、ユーカリオイルを水で希釈するとともに乳化剤を混在させ、木質の床や壁を拭払するなどして、防腐・防菌を兼ねながら洗浄することができる処理液がある。例えば、液全体を100%(重量で)として54%の水に30%のユーカリオイルを希釈し、さらに3%の乳化剤と各種のろう13%を添加したものや、77%の水にユーカリオイル15%、乳化剤2%、各種ろう6%を混成させたものとなっている。
このような処理剤によれば、ろう材がユーカリオイルの揮発を抑えることによって上記したユーカリオイルの各薬効は長く維持され、乳化剤によって洗浄作用も増強される。ユーカリオイルは香味料や化粧品に使用されることからも分かるように、その処理剤の散布空間に留まったり塗布面を素足で歩いたり手で触れるなどしても健康障害をきたすことはない。逆に、触れた人体の表皮を消毒するという二次的な効能すらもたらす。
このようなユーカリオイルを使用した処理剤は、日常生活の場や人の出入りの多い施設例えば神社仏閣宿泊設備等において極めて有用である。上の例では、乳化剤として牛脂系やミルクカゼインなど動物性のものが使用される。牛脂系乳化剤には酢酸が添加されるので塗布間隔があきすぎた場合などユーカリオイルの効能切れ時僅かではあるが腐蝕性が現れることがあったり、またミルクカゼインや卵黄レシチンではそれを餌とする虫の寄りつきがユーカリオイルの忌避作用の減退時にないとも限らない。加えて、ユーカリオイル独特の香りは清涼感を醸しだすとはいえ、人によっては臭気が雰囲気から消失するまで多少の我慢を強いられることもある。
ちなみに、ユーカリオイル(0.5〜6.0%)を含浸させた防虫織物地が特表2001−525016号公報に、造園植物の病害防除剤にユーカリオイルやハッカオイルを使用した例が特開平5−139924号公報に記載されている。その他にもユーカリオイルを使用した食品容器用薬剤や防虫剤の提案もあるが、いずれもユーカリオイル等が主材をなすものでなく、多種多様な精油や合成物質の混在品に添加されるにすぎず、用途もパーソナルケア用品の分野であったり、食品や飼料の栄養補助品の分野であったりする。
ところで、畳やカーペットといった和洋式のマット類、床や壁、家具等の木質表面のクリーニングや殺菌・虫類忌避に供しようとする場合、最も重要なことは人間を含めた生物ならびに自然界に好ましからざる影響を持つ化学合成物質を持ち込まないことである。製品素材を例えば植物資源のみから得るなら、自然界の営みに変化や影響を及ぼすことが極めて少なく、動植物の共存共栄が図られやすい。しかし、人肌に優しく衛生的という人間に都合のよいことを優先しつつも環境バランスに変化を与えないようにする努力は、現状の防虫・防腐・抗菌・消臭を目的とした処理剤の開発において、今ひとつ満足できる域に達していない。
特許第3611126号公報 特表2001−525016号公報 特開平5−139924号公報
本発明は上記の問題に鑑みなされたもので、その目的は、ユーカリオイルを主成分として、それが持つ幾つかの薬効を底上げし、防虫(ダニ・蚊・白蟻)・防腐・抗菌(大腸菌・MRSA・かび菌)・木材防腐・消臭といった機能を拡充させ、混成する有効成分、溶解剤、乳化剤の全てを植物性素材で構成し、総じて人肌に優しく衛生的で環境に対して化学的な負荷を及ぼすことのないようにするとともに、ユーカリオイルの持つ特有臭気の低減を図り、有害虫やかび・菌の繁殖しやすい閉め切りがちな空間、例えば家庭等の部屋などでも利便性を高くした天然植物精油のみを有効成分とする天然植物素材をもとにしたユーカリオイルの薬効増強処理剤を提供することである。
本発明は、シネオールを主成分とするユーカリオイルを水で希釈し、床壁材や敷物等に散布もしくは拭払するなどにより防腐・防菌・防虫等に供することができる処理剤に適用される。その特徴とするところは、シトラールとシトロネラールの精油分が60%以上含まれるレモンセントティーツリーオイルが、前記ユーカリオイルとともに天然植物精油のみで有効成分を形成するように添加されていることである。
ソーヤレシチンを乳化剤として混在させておくとよい。希釈水の一部または全部をエタノールに置き換え、植物精油の溶解を促進させるようにしてもよい。ハッカオイルを添加して防腐性殺菌性を高めたり、天然ピレトリンを添加して殺虫性を高めるように、また両方を添加することもできる。ソーヤレシチンに代えてサポニンを乳化剤として使用することも差し支えない。
本発明によれば、防腐や虫類忌避等の薬効を発揮するユーカリオイルに制菌力の高いレモンセントティーツリーオイルが加わるので、ユーカリオイルの防菌作用が強化される。床面や壁面、畳や敷物、木製家具に対して防腐・防菌・防虫等の効果が一層高まる。
レモンセントティーツリーオイルは強いレモンの香りを発するので、少し添加しておくだけでユーカリオイルの刺激臭を和らげる。人に受け入れられやすいレモンの香りに転化することができ、衣服に臭いが移ることがあっても、却って爽やかな香りを漂わせる。
ユーカリオイルとレモンセントティーツリーオイルの有効成分は植物精油であるので、処理剤は純粋に天然植物のみを素材とすることになる。植物精油が揮発しても塗布面などに蛋白質系物質が残るわけではないから虫が寄りつくこともない。
部外環境に転出したり漏出することがあっても、天然植物素材ばかりであるので、自然界のバランスを崩す要因とはならない。植物精油は森林浴雰囲気を醸成する点でも、室内での揮発は却って居住者等に安らぎを与える。
大豆から得られるソーヤレシチンを乳化剤として混在させていると、浄化作用中の滅菌や殺菌もなされる。このレシチンは揮発性の高い有効成分とよく混ざり、植物精油の持続性を向上させる効果も奏する。希釈水の一部または全部をエタノールに置き換え、植物精油の溶解を促進させるようにすれば、精油の分散が図られやすくなるとともに揮発を抑制する。保存中も使用中も無用な消費消散が回避される。エタノールにより香気減退をきたすことはなく、エタノールの持つ殺菌作用も加重される。エタノールは澱粉質等を原料とするから、天然植物素材性が損なわれることはない。
ハッカオイルを添加しておくなら、防腐性や殺菌性はさらに高められる。その主たる成分はメントールであり、防腐・殺菌の効能を呈するからである。エタノールとの融和性も高い植物天然素材であり、他の精油との遊離をきたすことなく噴霧しやすい状態が維持される。
天然ピレトリンが添加されれば殺虫性を高めることができる。これは空気中に放置すると失効するので塗布面に何時までも残ることがない。エタノールに溶けるから分散性がよく、塗布作業等において効き目が偏ることもない。殺虫性の自然消失特性は生態系を維持するうえで都合がよい。
大豆から採れるソーヤレシチンに代えてサポニンを乳化剤として使用すれば、乳濁化が活発となって泡立ちがよくなり、洗浄効果は向上する。これはエタノールに可溶であり、混成状態にあってもその安定性は高い。処理剤としての劣化が抑えられるゆえに保存性が著しく向上する。サポニンも植物界に存在するもので、人畜や環境に優しいことに変わりはない。
いずれの構成においても植物の天然成分を使用して組成されるため、原材料の選定は自ずと決まり、また品質も概してばらつきの少ないものである。化学合成的製品の市場での氾濫が抑制され、自然界のバランスを崩さない抗菌力増強等の効能を発揮する処理剤とすることができる。
以下に、本発明に係る天然植物素材をもとにしたユーカリオイルの薬効増強処理剤を、その実施の形態に基づいて詳細に説明する。これはユーカリオイル oil of eucalyptus
をベースとし、他の植物精油を添加することによりユーカリオイルの持つ薬効を増強させたもので、床壁材や敷物等に散布もしくは拭払するなどにより防腐・防菌・防虫等をする場合の効能向上を図ったものである。
ユーカリオイルはシネオール cineole C10H18O
を主成分としており、これを水で希釈し溶解するとともに乳化剤を混在させて、洗浄作用も発揮させるようにしている。そのため、ユーカリオイル独特の臭気を抑えて家庭等室内使用の利便性を上げたり、化学合成物質の流出や拡散による自然環境バランスの変化や増長、汚染の発生や拡大等をきたすことのない植物精油を添加して、天然植物精油のみで有効成分を形成させている。これは、まさに環境の保護や保全の機能を飛躍的に向上させた抗菌力増強乳液処理剤となっている。
薬効等を奏する有効成分の主たるものとして上記したユーカリオイルを使用するが、その効能は40〜80%(重量)を占めるシネオールによるものである。この植物精油には元来防腐と刺激作用とがあるが、内服薬や外用薬、香料等としても用いられ、概して人体には有用なものである。このシネオールはユーカリプトール eucalyptol とも言われ、通常は1,8−シネオールがそれである。これは樟脳臭を持つ液体であるが、各種の化学試薬に対して強い安定性を示すので、他の精油や溶解剤、乳化剤との混成も特に問題となることはない。
本処理剤には、シトラール citral とシトロネラール citronellal の精油分が60%以上含まれるレモンセントティーツリーオイル
lemon scented tea tree oil が、ユーカリオイルとともに天然植物精油のみからなる有効成分を形成するように添加される。この精油はレプトスペルマムペテルソニ leptospermum petersonii から採れ、レモンの香りがする。灌木であり形が茶の木に似ているので、レモンの香りがする茶の木「レモンセントティーツリー」とも称されるが、その実態は茶の木でない。それゆえ、ティーツリーオイルと言われるものとは呼び名以外類似性ある要素は存在しない。
シトラールとシトロネラールは非環式モノテルペンに属するアルデヒトで、後者は前者のジヒドロ誘導体である。沸点はいずれも200℃を越えるからユーカリオイルと温度的に扱いを同じくしても問題はない。これらがレモンの香気を持つのが、上記した名の付された所以である。その香気は強く、ユーカリオイルに少し添加されるだけでユーカリオイルの香気を覆い隠すことが、本発明者の研究により確認された。
このレモンセントティーツリーオイルに強い抗菌力があると注目されるようになったのは最近のことであるが、大腸菌と黄色ブドウ球菌に対する抗菌力は格段のものがあり、殺菌剤として十分に機能する。しかし、アルデヒド基が酸化を受けやすいため、有効成分として扱われるレモンセントティーツリーオイルの劣化を抑えることが必要となる。後述するごとくの添加量でユーカリオイルの持つ抗菌力を殺菌力に高め、かつ樟脳臭を抑える。希釈剤としての水は豊富に混成されるのでレモンセントティーツリーオイルの希釈度は大きくなり、その酸化が抑制されて効能持続が図られる。
このように、ユーカリオイルとレモンセントティーツリーオイルの二つの精油を有効成分とし、希釈のための水は難燃化・抑臭化・酸化抑止化剤としても機能する。これに油分を乳化して洗浄作用を発揮させるとともに各精油の持つ防腐・防菌を発揮させながら洗浄することができる乳化剤として、ソーヤレシチン soya lecithin が混成される。これは合成レシチンでなければ動物性レシチンでもない。大豆から得られるもので、その意味で薬剤や食品の乳化剤として使用されているものである。
ユーカリオイルとレモンセントティーツリーオイルは植物精油であり、乳化剤も植物性であるので、処理剤は純粋に天然植物のみを素材とすることになる。従って、噴霧したり塗布することにより直接もしくは間接的に肌が触れることがあっても、それ自体の薬効も加わり皮膚障害等を起こすなどといったことはない。また、植物精油が揮発しても塗布面などに蛋白質系物質が残るわけではないから虫が寄りつくこともほとんどなく、清潔感が保たれ衛生的となる。なお、レシチンは有効成分とよく混ざり、揮発性の高い植物精油の持続を助長する。
上記したように、防腐や虫類忌避等の薬効を発揮するユーカリオイルに制菌力の高いレモンセントティーツリーオイルを加えるので、ユーカリオイルの防菌作用が強化される。床面や壁面、畳や敷物、木製家具といったものの防腐・防菌・防虫等の効果が一層高まるだけでなく、乳化剤による浄化作用中も滅菌や殺菌がなされ、クリーニング効果は格段に優れたものとなる。
レモンセントティーツリーオイルは強いレモンの香りを発するので、少し添加しておくだけでユーカリオイルの刺激臭を和らげる。誰しもが受け入れやすいレモンの香りに転化することができ、若い世代にも抵抗感を与えない。衣服に臭いが付いても却って爽やかな香りを漂わせ、世代を越えた普及が図りやすくなる。
部外環境に転出したり漏出することがあっても、天然植物素材ばかりであるので、自然界のバランスを崩す要因はない。すなわち、自然消失するのに時間がかからなかったり残存しても在来種に負荷を掛けたり攪乱を与えるようなこともない。植物精油は森林浴雰囲気を醸成する点でも、室内での揮発は却って居住者等に安らぎを与え健康も増進させる。
ところで、希釈水の一部または全部をエタノール ethanol に置き換え、植物精油の溶解を促進させるようにしてもよい。アルコールは溶剤として使用されることはよく知られるところであるが、メタノール(メチルアルコール)は失明をきたすなどするし、プロパノール(プロピルアルコール)は酸化しやすい。エタノール(エチルアルコール ethyl alcohol)は酒類中に含まれるもので、人に対して直接的な害を与えるものでない。このエタノールは酸化しやすいレモンセントティーツリーオイルの溶解を促すから、その揮発を抑制する。保存中も使用中も無用な消費消散が回避されて都合がよい。
エタノールは酒の香りを有するが、レモンの香りが酒精とマッチすることは多くの人の知るところであり、エタノールにより香気減退をきたすことはない。もちろん、エタノールの持つ殺菌作用も加重される。エタノールは澱粉質、糖類を含む果実等を原料とするから、エタノールを使用したからといって抗菌力増強処理剤の天然植物素材性が崩れたり損なわれるわけではない。
このような処理剤にさらにハッカオイル perrermint
oil を添加すれば、防腐性殺菌性を高めることができる。これはハッカ(薄荷:紫蘇科の多年草)の乾草を水蒸気蒸留して留出されるが、和洋種いずれからも得ることができる。その主たる成分はメントール mentholであり、防腐・殺菌の効能を呈してユーカリオイルの薬効を増強する。エタノールとの融和性も高い植物天然素材であり、他の精油との遊離をきたすことなく均一に混和させた状態で噴霧などすることができる。
さらには、天然ピレトリン natural pyrethrin も添加して、殺虫性を高めておいてもよい。これは除虫菊の成分であり、その殺虫能力は植物界では比類がない。空気中に放置すると失効する性質があるから、塗布面に何時までも残ることがない。エタノールに溶けるので分散性はよく、塗布作業等において効き目にむらが生じることもない。殺虫性が強いといっても植物成分であり、殺虫性の自然消失特性は生態系を乱す要因となることもない。
以上有効成分としてユーカリオイルのほかに、レモンセントティーツリーオイル、ハッカオイル、天然ピレトリンを挙げた。ユーカリオイルをベースにして混成するにおいて、後者の三つが是非添加されていなければならないというものでもなく、用途によってはハッカオイルと天然ピレトリンは入っていてもよいし入っていなくてもよい。処理剤に託す特性によって適宜選択される。それぞれにおいて溶解剤・希釈剤としてのエタノールの量も調整すればよい。いずれにしても、レモンセントティーツリーオイルがユーカリオイルに添加されていることが基本であり、これによって少なくとも防菌性の強化と刺激臭の低減を図ることができる。
ところで、乳化剤とソーヤレシチンを用いた例を挙げてきたが、サポニン saponin を乳化剤として採用してもよい。サポニンは乳濁化が活発となって泡立ちをよくし、洗浄効果が向上する。乳化剤であるとはいえエタノールに可溶であり、混成状態にあってもその安定性は高い。処理剤としての劣化が抑えられるがゆえに保存性は著しく向上する。サポニンも植物界に存在するものであるから、天然植物素材のみから構成されることに変わりがなく、人畜や環境に優しいことも同じである。
ここで、幾つかの実施例を挙げる(数字は重量%)。
防虫効果の持続性試験としてヤケヒョウダニによる忌避試験を行った。結果は以下のとおりで、その忌避効果の有無の目安は忌避率60%で判定するものとした。
幾つかの実施例を記載したが、本発明においてはユーカリオイルを主成分としレモンセントティーツリーオイルを常に添加するとしているので、実施例1から実施例5までのいずれにおいても1・2時間のうちなら極めて高い忌避効果が発揮される。しかし、実施例5と実施例1〜4との違いは、ソーヤレシチンの有無である。ソーヤレシチンを混成させておけば、忌避効果持続性の高まっていることが明瞭に把握される。従って、本発明はレモンセントティーツリーオイルを添加するだけでなく、ソーヤレシチンも加えたこともポイントとなっている。
ちなみに、上記した実施例はあくまでも例示にすぎず、有効成分の主たる構成をなすユーカリオイルは5%ないし50%の範囲で適宜選択され、それに応じて希釈剤や溶解剤の量が調製される。しかし、レモンセントティーツリーオイル、ハッカオイル、天然ピレトリン、ソーヤレシチンといったものは、概して数%未満で十分であることが多い。
ユーカリオイルの保有する幾つかの薬効が嵩上げされ、防虫(ダニ・蚊・白蟻)・防腐・抗菌(大腸菌・MRSA,かび菌)・木材防腐・消臭・洗浄さらには床壁用表面保護といった機能の一部もしくは全部を拡充させることができる。配合される有効成分の全てと溶解剤や乳化剤も植物性天然素材で構成され、総じて衛生的で環境に対して無用の負荷を及ぼさないように配慮することができる。ユーカリオイルの持つ特有臭気の低減も同じ植物素材オイルによって図られ、害虫やかび・菌の繁殖しやすい陽光の射しにくい部屋などでの使用においても利便性の高いものとなる。
いずれの構成においても植物の天然成分のみを使用して組成されるため、原材料の選定は自ずと決まり、また品質も概してばらつきの少ないものとなる。製品は生活環境と人体に優しいものであって市場に氾濫する化学合成的製品の減少が図られる。天然素材で組成した自然界のバランスを崩さない抗菌力増強等の効能を発揮する処理剤とすることができる。

Claims (6)

  1. シネオールを主成分とするユーカリオイルを水で希釈し、床壁材や敷物等に散布もしくは拭払するなどにより防腐・防菌・防虫等に供することができる処理剤において、
    シトラールとシトロネラールの精油分が60%以上含まれるレモンセントティーツリーオイルが、前記ユーカリオイルとともに天然植物精油のみで有効成分を形成するように添加されていることを特徴とする天然植物素材をもとにしたユーカリオイルの薬効増強処理剤。
  2. ソーヤレシチンが乳化剤として混在されていることを特徴とする請求項1に記載の天然植物素材をもとにしたユーカリオイルの薬効増強処理剤。
  3. 希釈水の一部または全部がエタノールに置き換えられ、植物精油の溶解を促進させたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の天然植物素材をもとにしたユーカリオイルの薬効増強処理剤。
  4. ハッカオイルが添加され、防腐性殺菌性を高めたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の天然植物素材をもとにしたユーカリオイルの薬効増強処理剤。
  5. 天然ピレトリンが添加され、殺虫性を高めたことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の天然植物素材をもとにしたユーカリオイルの薬効増強処理剤。
  6. 前記ソーヤレシチンに代えてサポニンが乳化剤として使用されたことを特徴とする請求項2ないし請求項5のいずれか一項に記載された天然植物素材をもとにしたユーカリオイルの薬効増強処理剤。
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