JP2002255717A - 植物病害防除剤および植物病害防除方法 - Google Patents

植物病害防除剤および植物病害防除方法

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JP2002255717A
JP2002255717A JP2001048836A JP2001048836A JP2002255717A JP 2002255717 A JP2002255717 A JP 2002255717A JP 2001048836 A JP2001048836 A JP 2001048836A JP 2001048836 A JP2001048836 A JP 2001048836A JP 2002255717 A JP2002255717 A JP 2002255717A
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plant disease
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oil
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JP2001048836A
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Masahiro Matsui
正弘 松井
Nobuo Kasahara
信男 笠原
Hiromi Takada
廣身 高田
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YUTAKA PHARMACY KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 土壌汚染等の環境汚染の原因とならないよう
配慮するとともに、有効成分が効果的かつ持続的に残留
する植物病害防除剤を提供する。 【解決手段】 植物病害防除剤は、ヒノキ科植物または
ビャクシン科植物から得られる、ヒノキチオール1等の
精油と、天然乳化剤としての大豆レシチン7等のレシチ
ンとを含有してなるものである。また、植物病害防除剤
には、ヒノキ油、ヒバ油、またはレッドシーダーオイル
を有効成分とする展着作用剤13が別途添加される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、芝生をはじめ、
農作物、果樹園芸作物、森林植物等に発生する植物病原
菌や病害虫に対する植物病害防除剤および植物病害防除
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、台湾ヒノキ、青森ヒバ、アメリカ
ネズコ(ウエスタンレッドシダ)、ニオイヒバ、アスナ
ロ等のヒノキ科植物またはビャクシン等のビャクシン科
植物から得られる精油は、抗菌作用、殺菌作用、防虫作
用等に優れていることが知られており、工業用原料等と
して様々な分野で広く利用されてきた。
【0003】前記精油は、水に難溶で一般有機溶媒に易
溶であることから、例えば、前記抗菌作用等の緒作用を
期待して、前記精油を含有する植物病害防除剤を製造す
る場合には、乳化剤を添加することにより、精油の、水
やアルコール含有水等の水系溶媒に対する分散性を高め
る必要があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記従来の
植物病害防除剤は、前記乳化剤として適当なものを見出
すことが困難であった。すなわち、汎用されるアルキル
ベンゼンスルホン酸塩とかポリオキシエチレンアルキル
エーテル等の石油系由来の合成界面活性剤は、土壌汚染
等の周辺環境に与える影響を考慮すると使用し難かっ
た。
【0005】また、多くの乳化剤は、分散性のみならず
可溶性をも高めてしまうため、植物に付着した有効成分
としての前記精油が、雨や露に溶解して、前記植物の付
着部位から流れ落ちることがあった。そのため、前記抗
菌作用とか防虫作用等が、効果的かつ持続的に発揮され
ないといった問題があった。
【0006】この発明は、上記した従来の問題点を解決
するためになされたものであり、その目的とするところ
は、土壌汚染等の環境汚染の原因とならないよう配慮す
るとともに、有効成分が効果的かつ持続的に残留する植
物病害防除剤および植物病害防除方法を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明に係る植物病害
防除剤およびその植物病害防除方法は、前記目的を達成
するために、次の構成からなる。すなわち、請求項1に
記載の植物病害防除剤は、ヒノキ科植物またはビャクシ
ン科植物から得られる精油と、レシチンまたはサポニン
とを含有してなることを特徴とする。これにより、植物
病害防除剤は、前記ヒノキ科植物またはビャクシン科植
物から得られる精油の作用により、芝生等の植物から病
害を防除する。そして、植物病害防除剤は、天然素材で
構成されて生分解性が良好なため、周辺環境に対する環
境汚染等の懸念を極めて少なくすることができる。ま
た、レシチンまたはサポニンは、ヒノキ科植物またはビ
ャクシン科植物から得られる精油の、水やアルコール含
有水などの水系溶媒に対する分散性を改善して、過度に
可溶化させないので、植物に付着された植物病害防除剤
中の前記精油は、風雨を受けても、その植物の付着部位
から容易に流れ落ちたりしない。
【0008】また、請求項2に記載の植物病害防除剤の
ように、前記精油は、ヒノキチオールまたはヒノキチオ
ールを含有するフェノール性精油であるのが望ましい。
このようなヒノキチオールまたはヒノキチオールを含有
するフェノール性精油は、構造上のユニークさから活発
な研究が行われており、工業的に採油されることから、
安定供給が可能である。また、抗菌作用も強力である。
【0009】また、請求項3に記載の植物病害防除剤の
ように、前記レシチンは、大豆から得られるのが好まし
い。このような大豆から得られるレシチンは、前記精油
の水に対する分散性を良くする。
【0010】また、請求項4に記載の植物病害防除剤の
ように、木酢液を含有してなるのが好ましい。ここで、
木酢液は、溶液安定性および保存性を高める目的で含有
されるが、その他にも、前記精油と相俟って害虫の発生
を防止する害虫忌避作用とか、土壌を肥沃にする土壌改
良作用とか、植物の生育を促進させる植物生育促進作用
とか、緩和な展着作用等、植物病害防除剤にとって有用
な種々の機能を兼ね備えている。
【0011】また、請求項5に記載の植物病害防除剤の
ように、前記木酢液は、前記ヒノキ科植物またはビャク
シン科植物を由来とする木材から得られるのが好まし
い。これにより、木酢液と精油とは、同一系統の樹種か
ら得られることになるので、資源の有効利用が図れる。
【0012】また、請求項6に記載の植物病害防除剤の
ように、グアーガム、キサンタンガム、ローカストビー
ンガム、アルギン酸、もしくはトロロアオイのうちの、
いずれか一種または二種以上の組み合わせよりなる乳化
安定剤を含有してなるとよい。これにより、植物病害防
除剤は、製品保管中において、有効成分としての精油が
結晶化して沈殿するのを防止できる。
【0013】また、請求項7に記載の植物病害防除剤の
ように、ヒノキ油、ヒバ油、またはレッドシーダーオイ
ルを有効成分とする展着作用剤を添加してなるのが好ま
しい。このようなヒノキ油、ヒバ油、またはレッドシー
ダーオイルは、前記精油と同一系統の樹種から得られる
ので、資源の有効利用が図れる。
【0014】また、請求項8に記載の植物病害防除剤の
ように、ゼオライト、モンモリロライト、ベントナイ
ト、バーミキュライト、もしくは珪藻土のうちの、いず
れか一種または二種以上の組み合わせよりなる多孔性鉱
物を混合してなるものであってもよい。かかる多孔性鉱
物は、展着作用剤として機能する。
【0015】また、請求項9に記載の植物病害防除方法
は、対象となる植物群に、ゼオライト、モンモリロライ
ト、ベントナイト、バーミキュライト、もしくは珪藻土
のうちの、いずれか一種または二種以上の組み合わせよ
りなる、副剤としての多孔性鉱物を散布または塗布し、
次いで、ヒノキ科植物またはビャクシン科植物から得ら
れる精油と、レシチンまたはサポニンとを含有してなる
主剤を散布または塗布することを特徴とする。このよう
に、対象となる植物群に、予め副剤としての多孔性鉱物
を散布または塗布して置くことにより、後に散布または
塗布される主剤は、植物の付着部位に付着し易くなる。
【0016】また、請求項10に記載の植物病害防除方
法のように、前記精油は、ヒノキチオールまたはヒノキ
チオールを含有するフェノール性精油であるのが望まし
い。このようなヒノキチオールまたはヒノキチオールを
含有するフェノール性精油は、工業的に採油されること
から、安定供給が可能である。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、この発明に係る植物病害防
除剤および植物病害防除方法の実施の形態を具体的に説
明する。
【0018】この発明に係る植物病害防除剤は、ヒノキ
科植物またはビャクシン科植物から得られる精油と、天
然乳化剤としてのレシチンと、溶液安定性および保存性
を高める木酢液と、グアーガム、キサンタンガム、ロー
カストビーンガム、アルギン酸、もしくはトロロアオイ
のうちのいずれか一種または二種以上の組み合わせより
なる乳化安定剤とを含有してなるものである。また、植
物病害防除剤は、ヒノキ油、ヒバ油、またはレッドシー
ダーオイルを有効成分とする展着作用剤が添加され、あ
るいは/および、ゼオライト、モンモリロライト、ベン
トナイト、バーミキュライト、もしくは珪藻土等の多孔
性鉱物が混合される。これら展着作用剤や多孔性鉱物
は、前記植物病害防除剤に予め添加または混合されてい
てもよいが、取り扱い性の便宜から、使用直前に別途添
加または混合されるとよい。
【0019】ここで、前記ヒノキ科植物としては、セイ
ヨウヒノキ、オオイトスギ、ヒノキ、台湾ヒノキ、ベニ
ヒ、ロウソンヒノキ、アラスカシダ、アスナロ、ヒノキ
アスナロ、青森ヒバ、ニオイヒバ、アメリカネズコ(ウ
エスタンレッドシダ)、ネズコ、オニヒバ、ショウナン
ボク、コノテガシワ、またはマオウヒバ等が用いられ、
また、前記ビャクシン科植物としては、ビャクシン等が
用いられる。そして、これらヒノキ科植物またはビャク
シン科植物から得られる精油は、抗菌作用、殺菌作用、
防虫作用、および害虫忌避作用等に優れていることが一
般に知られており、これら緒作用が有効に発揮されるこ
とで、この発明に係る植物病害防除剤の、芝生等の植物
から病害を防除する植物病害防除作用も有効に発現され
る。
【0020】また、前記ヒノキ科植物またはビャクシン
科植物から得られる精油は、どこの部位から抽出された
かに関わらず、葉油、枝葉油、材油、根油等のいずれで
あってもよく、精油の成分としては、ヒノキチオール
(β−ツジャプリシン)、α−ツジャプリシン、γ−ツ
ジャプリシン、α−ツジャプリシノール、β−ツジャプ
リシノール、β−ドラブリン、ツジアシッド、ネズコ
ン、メチルツジャータ等が含まれ、これら成分の中から
選択される一種もしくは二種以上の精油が用いられる。
この場合、採算性を考慮すれば、単一成分としての精油
を用いるのではなく、中間分離物質として精製過程の途
中で得られる、混合物としての精油を用いるとよい。
【0021】また、前記精油が、ヒノキチオールまたは
ヒノキチオールを含有するフェノール性精油である場合
には、ヒノキチオールが炭素七員環骨格を備えるという
構造上のユニークさから活発な研究が行われ、工業的に
採油されて安定供給が可能であるため、利用価値が高
い。なお、ヒノキチオールは、前記台湾ヒノキ、アスナ
ロ、青森ヒバ、ニオイヒバに多量に含まれており、強力
な抗菌作用を有することが知られている。
【0022】そして、前記天然乳化剤としてのレシチン
は、前記ヒノキ科植物またはビャクシン科植物から得ら
れる精油を、水やアルコール含有水などの水系溶媒に過
度に可溶化させず、適度に分散させる働きがある。よっ
て、植物に付着された植物病害防除剤中の精油は、風雨
を受けても、容易に流れ落ちたりせず、その植物の付着
部位にて、効果的かつ持続的に残留することができる。
この場合、レシチンは、大豆から得られるレシチン(以
下、大豆レシチンと言う。)を用いるのが好ましい。大
豆レシチンは、精油の水に対する分散性を良くするから
である。
【0023】また、前記レシチンの代わりに、天然乳化
剤としてのサポニンを用いても構わない。かかるサポニ
ンとしては、例えば、大豆サポニンとかキラヤサポニン
を用いるとよく、これら大豆サポニンとかキラヤサポニ
ンは、低濃度で良好な気泡性および乳化性を呈する。特
に、キラヤサポニンは、溶液に透明性を付与するととも
に、乳化力も強いので好ましい。
【0024】そして、植物病害防除剤には、溶液安定性
および保存性を高めるために木酢液が含有される。この
木酢液は、単に溶液安定性等を高めるだけではなく、植
物病害防除剤にとって有用な多くの機能を兼ね備えてお
り、例えば、前記精油と相俟って害虫の発生を阻止する
害虫忌避作用とか、土壌を肥沃にする土壌改良作用と
か、植物の生育を促進させる植物生育促進作用とか、さ
らには、前記展着作用剤の機能を補助するような展着作
用を備えている。ここで、木酢液が、前記ヒノキ科植物
またはビャクシン科植物を由来とする木材から得られる
場合には、前記精油と同一系統の樹種から構成されるこ
とになるため、資源の有効利用が図れて好ましい。
【0025】また、植物病害防除剤には、グアーガム、
キサンタンガム、ローカストビーンガム、アルギン酸、
もしくはトロロアオイのうちのいずれか一種または二種
以上の組み合わせよりなる、天然の乳化安定剤が含有さ
れるので、製品保管中において、有効成分としての精油
が結晶化して沈殿する、いわゆるケーキングを防止でき
る。
【0026】また、植物病害防除剤に、予めまたは別途
添加される前記展着作用剤は、ヒノキ油、ヒバ油、また
はレッドシーダーオイルを有効成分とするので、前記木
酢液で説明したのと同様に、前記精油と同一系統の樹種
から得られることによる、資源の有効利用が図れるメリ
ットがある。このように、展着作用剤や木酢液が、精油
と同一系統の樹種から得られるということは、製品保管
中に余計な化学反応が起きる可能性を極力低くすること
ができるという意義もある。なお、植物病害防除剤に含
有される木酢液やレシチンや植物病害防除剤に混合され
る多孔性鉱物も、それぞれ、展着作用を少なからず有し
ているので、前記ヒノキ油、ヒバ油、またはレッドシー
ダーオイルを有効成分とする展着作用剤は、その添加量
が多くならないよう注意する必要がある。
【0027】また、植物病害防除剤に、予めまたは別途
混合される前記多孔性鉱物は、ゼオライト(天然ゼオラ
イト)、モンモリロライト、ベントナイト、バーミキュ
ライト、もしくは珪藻土のうちの、いずれか一種または
二種以上の組み合わせによって構成される。これら多孔
性鉱物は、展着作用剤として機能する他、植物の生育に
必要なミネラルを保持する陽イオン交換容量が大きく、
土壌の保肥力を高めて団粒構造の形成に寄与するため、
土壌改善作用が期待される。
【0028】このように、この発明に係る植物病害防除
剤は、全て天然素材で構成されて生分解性が良好なた
め、周辺環境に対する環境汚染等の懸念を極めて少なく
することができ、動植物に悪影響を及ぼす虞も少ない。
しかも、後述するように、ヒノキチオール等の精油とか
レシチンとか木酢液は、溶液中に、それ程高い濃度で含
有されず、低い濃度で有効に機能し得るので、仮に、こ
れら天然素材の生分解性が悪くても、周辺環境に与える
影響は少ない。
【0029】次に、この発明に係る植物病害防除剤の製
造方法を、図面に基づいて説明する。始めに、前記ヒノ
キチオールと、前記大豆レシチンとを含有してなる主剤
の製造方法を、図1に示す製造工程図に基づいて説明す
る。なお、ヒノキチオールの代わりに、ヒノキチオール
を含有するフェノール性精油とかその他のヒノキ科植物
またはビャクシン科植物から得られる精油を用いてもよ
く、また、レシチンの代わりにサポニンを用いても構わ
ない。
【0030】まず、ヒノキチオール1とアルコール(メ
タノールまたはエタノール)2とを等容量混合して、ヒ
ノキチオール1が、アルコール2によって2倍に希釈さ
れた、ヒノキチオール希釈液3を作製する。次いで、ヒ
ノキ科植物またはビャクシン科植物を由来とする木材か
ら得られる木酢液4を水5で希釈して、5%(V/V
%)木酢希釈液6を作製し、さらに、この木酢希釈液6
に、粉状の大豆レシチン7を、2%(W/W%)添加
し、ミキサー等で攪拌混合して、木酢乳化液8を作製す
る。この木酢乳化液8の90容量部に、前記ヒノキチオ
ール希釈液3の1+0容量部を、攪拌しながら少しずつ
添加混合し、ヒノキチオール1が20倍に希釈された主
剤原液9を作成する。その後、この主剤原液9を水5で
約100倍に希釈して、ヒノキチオール1が2000倍
に希釈された主剤10を作製する。そして、必要に応じ
て、前記グアーガム等の乳化安定剤を、0.05%(W
/W%)添加した後、前記主剤10は、容器30内に保
管される(図3参照)。
【0031】一方、この主剤10に添加される、副剤と
してのヒノキ油、ヒバ油、またはレッドシーダーオイル
を有効成分とする展着作用剤は、図2に示す製造工程図
に従って製造される。すなわち、まず、粉状の大豆レシ
チン7を水5で乳化して、1%(W/W%)大豆レシチ
ン乳化液11を作製する。そして、この1%(W/W
%)大豆レシチン乳化液11の100重量部と、ヒノキ
油、ヒバ油、またはレッドシーダーオイル12の10重
量部とを、ホモジナイザー等によって乳化した後、必要
に応じて、前記グアーガム等の乳化安定剤を、0.05
%(W/W%)添加して、展着作用剤13を作製する。
なお、主剤10および副剤としての展着作用剤13に含
有される前記大豆レシチン7は、取り扱い性の良さか
ら、粉状物を用いたが、液状物であっても構わない。
【0032】こうして、製造された展着作用剤13と主
剤10とは、対象となる植物群に散布または塗布するに
際し、主剤10の1000容量部に対して、展着作用剤
13の10容量部を添加混合して用いる。
【0033】なお、前記植物病害防除剤の製造方法は、
上記態様に限定されるわけではなく、その他種々の変更
が可能である。例えば、ヒノキチオールとアルコール
(メタノールまたはエタノール)とを混合して、10%
(V/V%)ヒノキチオール希釈液を作製するととも
に、粉状の大豆レシチンを水で乳化して、0.5%(W
/W%)大豆レシチン乳化液を作製する。そして、前記
0.5%(W/W%)大豆レシチン乳化液の990容量
部に、前記10%(V/V%)ヒノキチオール希釈液の
10容量部を、攪拌しながら少しずつ添加混合し、ヒノ
キチオールが1000倍に希釈された主剤を作製する。
【0034】上記製造方法で示すように、この発明に係
る植物病害防除剤は、少なくとも、ヒノキチオール等の
ヒノキ科植物またはビャクシン科植物から得られる精油
と、大豆レシチン等のレシチンまたはサポニンとから構
成される主剤を含有していればよく、前記木酢液や前記
乳化安定剤は、使用目的および使用状況等に応じて適宜
含有される任意的要素であって、含有されなくてもよ
い。もちろん、副剤としての前記展着作用剤やゼオライ
ト等の多孔性鉱物が添加または混合されるか否かも、任
意である。
【0035】ところで、前記多孔性鉱物は、例えば、天
然ゼオライトを、摂氏200度以下の条件で、10%以
下の水分含量となるまで熱風乾燥し、その後、100メ
ッシュの篩別を行って調製する。この副剤としての多孔
性鉱物は、主剤に予めまたは別途混合されてもよいが、
植物病害防除方法として、以下の使用態様で用いるのが
好ましい。
【0036】すなわち、この発明に係る植物病害防除方
法は、まず、対象となる植物群に、ゼオライト、モンモ
リロライト、ベントナイト、バーミキュライト、もしく
は珪藻土のうちの、いずれか一種または二種以上の組み
合わせよりなる、副剤としての多孔性鉱物を散布または
塗布する。このとき、植物の病害損傷部には、多めに散
布または塗布するとよく、例えば、前記病害損傷部でな
い周辺部の2倍容量以上を散布または塗布する。次い
で、前記ヒノキ科植物またはビャクシン科植物から得ら
れる精油と、レシチンまたはサポニンとを含有してなる
主剤を散布または塗布する。この主剤は、前記ヒノキチ
オールが2000倍に希釈された主剤であってもよい
し、また、前記ヒノキチオールが1000倍に希釈され
た主剤であってもよい。さらに、主剤には、前記副剤と
してのヒノキ油、ヒバ油、またはレッドシーダーオイル
を有効成分とする展着作用剤が添加されていても構わな
い。なお、かかる作業は、雨天や雨上がり直後は、ロス
が大きいので避けるのが望ましく、およそ一日一回の頻
度で、全部で三回程度行うとよい。
【0037】こうして、対象となる植物群に、予め副剤
としての前記多孔性鉱物を散布または塗布して置くこと
により、後に散布または塗布される主剤は、植物の付着
部位に付着し易くなる。
【0038】
【発明の効果】以上、詳述したところから明らかなよう
に、この発明に係る植物病害防除剤および植物病害防除
方法によれば、次の効果がある。
【0039】請求項1に記載された植物病害防除剤によ
れば、ヒノキ科植物またはビャクシン科植物から得られ
る精油の作用によって芝生等の植物から病害を防除する
ことができる。また、天然素材で構成されているので、
生分解性が良好となり、周辺環境に対する環境汚染等の
懸念を極めて少なくすることができる。さらに、ヒノキ
科植物またはビャクシン科植物から得られる精油は、レ
シチンまたはサポニンの作用により、植物の付着部位か
ら容易に流れ落ちたりせず、その付着部位に、効果的か
つ持続的に残留することができる。
【0040】請求項2に記載された植物病害防除剤によ
れば、加えて、精油の安定供給が可能である。
【0041】請求項3に記載された植物病害防除剤によ
れば、加えて、精油の水に対する分散性を良くする。
【0042】請求項4に記載された植物病害防除剤によ
れば、加えて、溶液安定性および保存性が高まるととも
に、植物病害防除剤にとって有用な種々の効果が奏され
る。
【0043】請求項5に記載された植物病害防除剤によ
れば、加えて、木酢液と精油とが、同一系統の樹種から
得られるので、資源の有効利用が図れる。
【0044】請求項6に記載された植物病害防除剤によ
れば、加えて、精油が結晶化して沈殿するのを防止でき
る。
【0045】請求項7に記載された植物病害防除剤によ
れば、加えて、展着作用剤と精油とが、同一系統の樹種
から得られるので、資源の有効利用が図れる。
【0046】請求項8に記載された植物病害防除剤によ
れば、加えて、展着効果が奏される。
【0047】請求項9に記載された植物病害防除方法に
よれば、加えて、主剤が、植物に付着し易くなる。
【0048】請求項10に記載された植物病害防除方法
によれば、加えて、安定供給が可能な精油を用いること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る植物病害防除剤の主剤の製造工
程図である。
【図2】この発明に係る植物病害防除剤の副剤としての
展着作用剤の製造工程図である。
【図3】この発明に係る植物病害防除剤の主材を容器に
保管した状態を示す一部破断正面図である。
【符号の説明】
1 ヒノキチオール 4 木酢液 7 大豆レシチン(レシチン) 13 展着作用剤

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒノキ科植物またはビャクシン科植物か
    ら得られる精油と、レシチンまたはサポニンとを含有し
    てなることを特徴とする植物病害防除剤。
  2. 【請求項2】 前記精油は、ヒノキチオールまたはヒノ
    キチオールを含有するフェノール性精油であることを特
    徴とする請求項1に記載の植物病害防除剤。
  3. 【請求項3】 前記レシチンは、大豆から得られること
    を特徴とする請求項1または2に記載の植物病害防除
    剤。
  4. 【請求項4】 木酢液を含有してなることを特徴とする
    請求項1ないし3のいずれか1項に記載の植物病害防除
    剤。
  5. 【請求項5】 前記木酢液は、前記ヒノキ科植物または
    ビャクシン科植物を由来とする木材から得られることを
    特徴とする請求項4に記載の植物病害防除剤。
  6. 【請求項6】 グアーガム、キサンタンガム、ローカス
    トビーンガム、アルギン酸、もしくはトロロアオイのう
    ちの、いずれか一種または二種以上の組み合わせよりな
    る乳化安定剤を含有してなることを特徴とする請求項1
    ないし5のいずれか1項に記載の植物病害防除剤。
  7. 【請求項7】 ヒノキ油、ヒバ油、またはレッドシーダ
    ーオイルを有効成分とする展着作用剤を添加してなるこ
    とを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載
    の植物病害防除剤。
  8. 【請求項8】 ゼオライト、モンモリロライト、ベント
    ナイト、バーミキュライト、もしくは珪藻土のうちの、
    いずれか一種または二種以上の組み合わせよりなる多孔
    性鉱物を混合してなることを特徴とする請求項1ないし
    7のいずれか1項に記載の植物病害防除剤。
  9. 【請求項9】 対象となる植物群に、ゼオライト、モン
    モリロライト、ベントナイト、バーミキュライト、もし
    くは珪藻土のうちの、いずれか一種または二種以上の組
    み合わせよりなる、副剤としての多孔性鉱物を散布また
    は塗布し、次いで、ヒノキ科植物またはビャクシン科植
    物から得られる精油と、レシチンまたはサポニンとを含
    有してなる主剤を散布または塗布することを特徴とする
    植物病害防除方法。
  10. 【請求項10】 前記精油は、ヒノキチオールまたはヒ
    ノキチオールを含有するフェノール性精油であることを
    特徴とする請求項9に記載の植物病害防除方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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