JP2008239202A - シールフィルムの製造方法およびインナーシール付き容器の製造方法 - Google Patents

シールフィルムの製造方法およびインナーシール付き容器の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ツマミ部を有するシールフィルムを容易に製造することが可能とする。
【解決手段】第1の基材1をその流れ方向に延在する折り線1cに沿って折り込んだのち、第1の基材1の前記折り線1cを介して分割される2つの部分1a,1bのうち一方の部分1aを第2の基材2に重ね合わせてシールし、次いで、第1から第3の基材からなる積層体4を、前記折り線1cの部分が含まれる所定の形状に打ち抜き、第1および第2の基材1,2の互いにシールされた部分1a,2aからなるツマミ部5を形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、容器の開口部をシールするために用いられるシールフィルムの製造方法に関する。
従来、容器の開口部をキャップの内側でシールするためのインナーシールとして、開口部の外径とほぼ同じ径のシールフィルムを設けることが広く行われている。開封時にシールフィルムを剥がし取るときのツマミ部として、シールフィルムの外縁部を円周状または舌片状に突出させ、容器の開口部上からはみ出した部分をツマミ部とするものが知られている。
しかし、シールフィルムの外縁部をツマミ部とした場合には、つまみやすさのためにツマミ部の寸法を大きく取ると、容器の開口部の上にキャップを閉めるときにツマミ部が容器とキャップとの間に挟みこまれてキャップの取り付け不良を生じるおそれがある。このため、フィルムを折り込み又は貼り合わせることにより、ツマミ部が容器の開口部から横方向へはみ出すことなく上方に突出するように形成したものが提案されている(特許文献1〜3参照)。
特表平4−503650号公報 特表2002−543008号公報 特開2002−179124号公報
しかしながら、フィルムの折り込み又は貼り合わせによってツマミ部を形成すると、ツマミ部が形成された部分とそうでない部分とに厚さの違いが生ずる。このようなツマミ部を有するシールフィルムを生産するには、厚さの違いによる寸法合わせや位置合わせに困難があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ツマミ部を有するシールフィルムを容易に製造することが可能な製造方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、片面にシーラント層を有する長尺フィルムからなる第1の基材をその流れ方向に延在する折り線に沿って前記シーラント層の反対側の面が向かい合うように折り込んだのち、前記第1の基材の前記折り線を介して分割される2つの部分のうち一方の部分を、片面にシーラント層を有する長尺フィルムからなる第2の基材に対し両基材のシーラント層同士を向かい合わせて重ね合わせ、前記第1の基材の前記一方の部分を前記第2の基材にシールする工程と、前記第1および第2の基材のシールによって形成される積層体を所定の形状に打ち抜く際に、打ち抜かれる領域内に前記折り線の部分が含まれるようにして打ち抜き、前記第1および第2の基材の互いにシールされた部分からなるツマミ部を形成する工程と、を有することを特徴とするシールフィルムの製造方法を提供する。
また、本発明は、片面にシーラント層を有する長尺フィルムからなる第1の基材をその流れ方向に延在する折り線に沿って前記シーラント層の反対側の面が向かい合うように折り込んだのち、前記第1の基材の前記折り線を介して分割される2つの部分のうち一方の部分を、片面にシーラント層を有する長尺フィルムからなる第2の基材に対し両基材のシーラント層同士を向かい合わせて重ね合わせ、前記第1の基材の前記一方の部分を前記第2の基材にシールする工程と、前記第1および第2の基材の互いにシールされていない部分を、少なくとも片面にシーラント層を有する長尺フィルムからなる第3の基材に対しこれら基材のシーラント層同士を向かい合わせて重ね合わせ、前記第1の基材の前記一方の部分とは異なる他方の部分を前記第3の基材にシールするとともに前記第2の基材の前記第1の基材にシールされていない部分を前記第3の基材にシールする工程と、前記第1から第3の基材のシールによって形成される積層体を所定の形状に打ち抜く際に、打ち抜かれる領域内に前記折り線の部分が含まれるようにして打ち抜き、前記第1および第2の基材の互いにシールされた部分からなるツマミ部を形成する工程と、を有することを特徴とするシールフィルムの製造方法を提供する。
また、本発明は、片面にシーラント層を有する長尺フィルムからなる第1の基材をその流れ方向に延在する折り線に沿って前記シーラント層の反対側の面が向かい合うように折り込んだのち、前記第1の基材の前記折り線を介して分割される2つの部分のうち一方の部分を、片面にシーラント層を有する長尺フィルムからなる第2の基材に対し両基材のシーラント層同士を向かい合わせて重ね合わせ、前記第1の基材の前記一方の部分を前記第2の基材にシールする工程と、前記第1および第2の基材のシールによって形成される積層体をシールフィルムの形状に打ち抜く際に、打ち抜かれる領域内に前記折り線の部分が含まれるようにして打ち抜き、前記第1および第2の基材の互いにシールされた部分からなるツマミ部を形成する工程と、容器開口部の周縁部の上に直接、もしくは両面がシール可能な第4の基材を介在させた上に、前記シールフィルムの打ち抜き形状と同一の形状であって両面にシーラント層を有しかつ内部に金属層を有する第3の基材が載置され、この第3の基材の上に、前記ツマミ部が形成されたシールフィルムの、前記第1および第2の基材の互いにシールされていない部分が載置され、前記容器開口部にキャップが取り付けられ、前記キャップ内で前記シールフィルムが前記容器開口部の周縁部に向けて圧接された状態で、高周波誘導加熱により、前記シールフィルムから前記容器開口部の周縁部までの間を相互にシールする工程と、有することを特徴とするインナーシール付き容器の製造方法を提供する。
また、本発明は、片面にシーラント層を有する長尺フィルムからなる第1の基材をその流れ方向に延在する折り線に沿って前記シーラント層の反対側の面が向かい合うように折り込んだのち、前記第1の基材の前記折り線を介して分割される2つの部分のうち一方の部分を、片面にシーラント層を有する長尺フィルムからなる第2の基材に対し両基材のシーラント層同士を向かい合わせて重ね合わせ、前記第1の基材の前記一方の部分を前記第2の基材にシールする工程と、前記第1および第2の基材の互いにシールされていない部分を、両面にシーラント層を有しかつ内部に金属層を有する長尺フィルムからなる第3の基材に対しこれら基材のシーラント層同士を向かい合わせて重ね合わせ、前記第1の基材の前記一方の部分とは異なる他方の部分を前記第3の基材にシールするとともに前記第2の基材の前記第1の基材にシールされていない部分を前記第3の基材にシールする工程と、前記第1から第3の基材のシールによって形成される積層体をシールフィルムの形状に打ち抜く際に、打ち抜かれる領域内に前記折り線の部分が含まれるようにして打ち抜き、前記第1および第2の基材の互いにシールされた部分からなるツマミ部を形成する工程と、容器開口部の周縁部の上に直接、もしくは両面がシール可能な第4の基材を介在させた上に、前記ツマミ部が形成されたシールフィルムが載置され、前記容器開口部にキャップが取り付けられ、前記キャップ内で前記シールフィルムが前記容器開口部の周縁部に向けて圧接された状態で、高周波誘導加熱により、前記シールフィルムから前記容器開口部の周縁部までの間を相互にシールする工程と、を有することを特徴とするインナーシール付き容器の製造方法を提供する。
本発明のシールフィルムの製造方法によれば、基材を重ね合わせてシールした後、打ち抜きでツマミ部を形成するので、ツマミ部のはみ出しがなく、大きくてつまみやすいツマミ部を容易に設けることができる。
以下、最良の形態に基づき、図面を参照して本発明を説明する。
まず、本発明において、2つの基材からなるシールフィルムおよびこれを用いたインナーシール付き容器の製造方法について説明する。
図1(a)〜(d)は、本発明のシールフィルムの製造方法の第1形態例を説明する断面工程図である。図2(a)〜(d)は、本発明のシールフィルムの製造方法の第2形態例を説明する断面工程図である。図3は、本形態例のシールフィルムの一例を示す斜視図である。図4は、本形態例のシールフィルムで容器の開口部をシールした様子の一例を示す断面図である。図5は、キャップを取り付けた容器の開口部を本形態例のシールフィルムでシールした様子の一例を示す断面図である。
本形態例のシールフィルムの製造方法は、以下の(1)および(2)の工程により、ツマミ部を有するシールフィルムを製造するものである。
(1)図1(a)、図2(a)に示すように、片面にシーラント層を有する長尺フィルムからなる第1の基材1をその流れ方向に延在する折り線1cに沿って前記シーラント層の反対側の面が向かい合うように折り込んだのち、図1(b)、図2(b)に示すように、第1の基材1の折り線1cを介して分割される2つの部分1a,1bのうち一方の部分1aを、片面にシーラント層を有する長尺フィルムからなる第2の基材2に対し、両基材1,2のシーラント層同士を向かい合わせて重ね合わせ、第1の基材1の一方の部分1aを第2の基材2にシールする。これにより、図1(c)、図2(c)に示すように、第1および第2の基材のシールによって形成される積層体4が得られる。
また、図1(b)、図2(b)において熱板を用いてヒートシールする際には、第1の基材1および第2の基材2の互いにシールされない部分のシーラント層が熱板などに溶着するのを防ぐため、前記のシールされない部分のシーラント層側に、シーラント層に溶着しないフィルム(ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ナイロンフィルムや、フッ素または、シリコン処理されたフィルムやシート等)を介在させることが好ましい。このシーラント層に溶着しないフィルムとして、第1の基材1および第2の基材2と同様に長尺フィルムを用いると、これら基材1,2と重ねて一緒に搬送することができる。
(2)図1(d)、図2(d)に示すように、打ち抜かれる領域内に折り線1cの部分が含まれるようにして積層体4を所定の形状に打ち抜き、第1の基材1と第2の基材2とが互いにシールされた部分1a,2aからなるツマミ部5を形成する。これにより、図3に示すように、ツマミ部5を有するシールフィルム6が得られる。
本形態例においては、図1に示すように、第1の基材1を第2の基材2のそれぞれの側縁に対応して2枚としてもよい。また、図2に示すように、第1の基材1の2箇所に折り線1cを形成し、第2の基材2に対してシールされる前記一方の部分1aを、第1の基材1の両方の側縁部に形成してもよい。これらの例によれば、各基材の積層体4には折り線1cが2箇所に形成されるので、シールフィルムを2列に打ち抜いて製造することができる。
シールフィルムでシールされる開口部が図4に示すように先端に開口部を有するように形成された筒状部7aにあるときは、シールフィルムを打ち抜く形状は該筒状部7aの外径とほぼ同じ径とし、外側へのはみ出しをなるべく少なくすることが好ましい。また、シールフィルムでシールされる開口部が平坦な壁面に開口しているときは、前記の打ち抜く形状は、開口部の外側にシール代の幅を確保できる程度の大きさとすることが好ましい。
本形態例により製造されるシールフィルム6は、図4に示すように、その外縁部6aを容器7の開口部の周縁部9にシールすることにより、開口部を閉鎖するシールに用いることができる。また、このシールフィルム6は、容器7の筒状部にキャップ8を取り付ける場合に、キャップ8の内側に用いるインナーシールとすることができる。
また、本形態例のシールフィルム6を用いて、インナーシール付き容器を製造する場合には、図5に示すように、容器7の開口部の周縁部9の上に、シールフィルム6の打ち抜き形状と同一の形状であって両面にシーラント層を有しかつ内部に金属層を有する第3の基材3が載置され、この第3の基材3の上に、ツマミ部5が形成されたシールフィルム6の、前記第1および第2の基材1,2の互いにシールされていない部分が載置され、前記容器開口部にキャップ8が取り付けられ、このキャップ8内でシールフィルム6および第3の基材3が容器開口部の周縁部9に向けて圧接された状態で、高周波誘導加熱により、シールフィルム6と第3の基材3との間および第3の基材3と容器開口部の周縁部9との間をシールする方法を用いることができる。これにより、シールフィルム6がキャップ8の内面によって容器開口部の周縁部9に対して位置決めされるので、シールフィルム6の位置合わせが容易である。この場合、高周波が第3の基材3の内部の金属層に到達させるため、容器7の少なくとも筒状部7aおよびキャップ8は、プラスチックなどの絶縁体からなるものとする。
容器開口部の周縁部9の上に第3の基材3およびシールフィルム6を載置する方法として、好ましくは、あらかじめキャップ8内に、ツマミ部5を下向きにしたシールフィルム6と、第3の基材3とをこの順番で装填したのち、このシールフィルム6および第3の基材3が装填されたキャップ8を容器開口部に取り付ける方法が挙げられる。この方法によれば、容器開口部の周縁部9の上に第3の基材3およびシールフィルム6を載置してからキャップ8を取り付ける方法に比べて、自動化された機械においても容易に実施することができる。
容器を開封するときには、シールフィルム6のツマミ部5を手指等でつまんで引きはがすことにより、容器を容易に開封することができる。本発明により製造されるシールフィルム6の場合、図4に示すように、ツマミ部5が容器の開口部から上方に突出するように形成されているので、ツマミ部5をつまみやすい。
また、本形態例のシールフィルム6を用いてインナーシール付き容器を製造するときには、シールフィルム6を容器開口部の周縁部9の上に直接載置するほか、図6(a)に示すように、第3の基材3と容器開口部の周縁部9との間に、両面がシール可能な第4の基材21を介在させ、その上に第3の基材3およびシールフィルム6を載置するようにしてもよい。この場合は、キャップ8内に、ツマミ部5を下向きにしたシールフィルム6と、シールフィルム6の打ち抜き形状と同一の形状であって両面にシーラント層を有しかつ内部に金属層を有する第3の基材3と、両面がシール可能な第4の基材21をこの順番で装填したのち、シールフィルム6とその上に第3の基材3および第4の基材21が装填されたキャップ8を容器7の開口部に取り付け、このキャップ8内でシールフィルム6を前記容器開口部の周縁部9に向けて圧接した状態で、高周波誘導加熱を行うことができる。
これにより、シールフィルム6から容器開口部の周縁部9までの間(シールフィルム6の下面と第3の基材3の上面との間、第3の基材3の下面と第4の基材21の上面との間、および第4の基材21の下面と容器開口部の周縁部9との間)が、高周波で第3の基材3の内部に発生した熱により、相互にシールされる。
第4の基材21は、熱可塑性樹脂などのシール可能な部材からなるものであるが、特に、第4の基材21と容器開口部の周縁部9との間のシール強度が強いものが望ましい。これにより、ツマミ部5をつまんでシールフィルム6を引きはがした後で、図6(b)に示すように、第4の基材21が容器開口部の周縁部9側に残るようになる。このような第4の基材21においては、多角形、星型、円形の開口部、あるいは多数の孔や網目状の開口部22を設けることができ、これにより、容器7から注出される内容物の流れをこれら開口部22によって制御することができる。例えば内容物がマヨネーズ等の粘稠物である場合に、開口部22の周縁23を適宜の形状とすることにより、容器7から注出される内容物の断面形状を星型等の特殊形状に成形して注出することができる。
本発明によれば、積層体4の打ち抜きによりシールフィルム6を形成するので、ツマミ部5の半円状の周縁はシールフィルム6の容器開口部をシールする円形の部分の周縁と同じ形状となる。よって、ツマミ部5の周縁がシールフィルム6の円形の部分から外側にはみ出すことがない。また、ツマミ部5の最大幅がシールフィルム6の円形の部分の直径と同程度になるので、ツマミ部5の寸法を大きく確保することができる。
従来のツマミ部を形成する方法として、特許文献1〜3に記載されているように一枚のフィルムを山形に折って内側を接着剤などで接着する方法(例えば特許文献3の図3を参照。)、特許文献3の第30段落および図6に記載されているように、インナーシールを二つのシール片に分割し、左右のシール片の一部分にのみ突出するつまみ部を形成しておき、左右のつまみ部同士が重なるように突き合わせた後、つまみ部を加熱溶着する方法がある。しかし、山形に折り込む方法では、山形にした部分の内側を接着するまで、基材は部分ごとに厚みの違いが大きく、長尺フィルムからの製造に適さないものであった。また、特許文献3の第30段落に記載されているように、左右のシール片にあらかじめ突出して形成したつまみ部を重ね合わせて溶着する方法では、小さなつまみ部を正確に位置合わせすることが難しく、位置ずれが生じるという問題があった。また、この場合、位置ずれによるつまみ部のはみ出しを回避するためには、つまみ部を円形のシール部の一部に小さく形成する必要があった。
これに対して本発明によれば、ツマミ部5は2枚のフィルムをシールした後、打ち抜きで形成するので、ツマミ部5のはみ出しがなく形成できるので、大きくてつまみやすいツマミ部5を容易に設けることができる。
なお、ここでは、打ち抜くときに折り線1cがシールフィルム6の円形の部分の直径に相当するように折り線1cを中央にして打ち抜くようにしたが、ツマミ部5の面積が円形の部分の面積の半分より大きく、あるいは小さくなるように、いずれかに片寄らせてもよい。また、ここでは、打ち抜く形状を円形としたが、楕円形、四角形や六角形等の多角形状のように他の形状でもよい。さらに、シールフィルム6を積層体4から打ち抜いた後で、ツマミ部5の外周部の一部を除去するなどして整形してもよい。
次に、本発明において、3つの基材からなるシールフィルムおよびこれを用いたインナーシール付き容器の製造方法について説明する。
図7(a)〜(d)は、本発明のシールフィルムの製造方法の第3形態例を説明する断面工程図である。図8(a)〜(d)は、本発明のシールフィルムの製造方法の第4形態例を説明する断面工程図である。図9は本形態例のシールフィルムの一例を示す斜視図である。図10は、本形態例のシールフィルムで容器の開口部をシールした様子の一例を示す断面図である。図11は、キャップを取り付けた容器の開口部を本形態例のシールフィルムでシールした様子の一例を示す断面図である。
本形態例のシールフィルムの製造方法は、以下の(1)から(3)の工程により、ツマミ部を有するシールフィルムを製造するものである。
(1)図7(a)、図8(a)に示すように、片面にシーラント層を有する長尺フィルムからなる第1の基材11をその流れ方向に延在する折り線11cに沿って前記シーラント層の反対側の面が向かい合うように折り込んだのち、図7(b)、図8(b)に示すように、第1の基材11の折り線11cを介して分割される2つの部分11a,11bのうち一方の部分11aを、片面にシーラント層を有する長尺フィルムからなる第2の基材12に対し、両基材11,12のシーラント層同士を向かい合わせて重ね合わせ、第1の基材11の一方の部分11aを第2の基材12にシールする。
(2)図7(c)、図8(c)に示すように、第1の基材11と第2の基材12の互いにシールされていない部分11b,12bを、片面にシーラント層を有する長尺フィルムからなる第3の基材13に対し、第1および第2の基材11,12のシーラント層と第3の基材13のシーラント層とを向かい合わせて重ね合わせ、第1の基材11の一方の部分11aとは異なる他方の部分11bを第3の基材13にシールするとともに第2の基材12の第1の基材11にシールされていない部分12bを第3の基材13にシールする。これにより、第1から第3の基材のシールによって形成される積層体14が得られる。
(3)図7(d)、図8(d)に示すように、打ち抜かれる領域内に折り線11cの部分が含まれるようにして積層体14を所定の形状に打ち抜き、第11の基材11と第2の基材12とが互いにシールされた部分11a,12aからなるツマミ部5を形成する。これにより、図9に示すように、ツマミ部15を有するシールフィルム16が得られる。
本形態例においては、図7に示すように、第1の基材11を第2の基材12のそれぞれの側縁に対応して2枚としてもよい。また、図8に示すように、第1の基材11の2箇所に折り線11cを形成し、第2の基材12に対してシールされる前記一方の部分11aを、第1の基材11の両方の側縁部に形成してもよい。これらの例によれば、各基材の積層体14には折り線11cが2箇所に形成されるので、シールフィルムを2列に打ち抜いて製造することができる。
本形態例により製造されるシールフィルム16は、図10に示すように、その外縁部16aを容器17の開口部の周縁部19にシールすることにより、開口部を閉鎖するシールに用いることができる。また、このシールフィルム16は、容器17の筒状部にキャップ18を取り付ける場合に、キャップ18の内側に用いるインナーシールとすることができる。
本形態例のシールフィルム16において、第3の基材13は、両面にシーラント層を有しかつ内部に金属層を有する長尺フィルムからなることが好ましい。その場合、本形態例のシールフィルム16を用いて、インナーシール付き容器を製造する場合には、図11に示すように、容器開口部の周縁部19の上に、ツマミ部15が形成されたシールフィルム16が載置され、容器開口部にキャップ18が取り付けられ、このキャップ18内でシールフィルム16が第3の基材13側の面を容器開口部の周縁部19に向けて圧接した状態で、高周波誘導加熱により、シールフィルム16の第3の基材13と容器開口部の周縁部19との間をシールする方法を用いることができる。これにより、シールフィルム16がキャップ18の内面によって容器開口部の周縁部19に対する位置決めがなされるので、シールフィルム16の位置合わせが容易である。この場合、高周波が第3の基材13の内部の金属層に到達させるため、容器17の少なくとも筒状部17aおよびキャップ18は、プラスチックなどの絶縁体からなるものとする。
容器開口部の周縁部19の上にシールフィルム16を載置する方法として、好ましくは、あらかじめキャップ18内に、ツマミ部15を下向きにしたシールフィルム16を装填したのち、シールフィルム16が装填されたキャップ18を容器17の開口部に取り付けて、容器開口部の周縁部19の上にシールフィルム16の第3の基材13側の面を容器開口部の周縁部19に当接させる方法が挙げられる。この方法によれば、容器開口部の周縁部19の上にシールフィルム16を載置してからキャップ18を取り付ける方法に比べて、自動化された機械においても容易に実施することができる。
本形態例のシールフィルム16の場合は、積層体14の打ち抜きを行う前に第1および第2の基材11,12に対して第3の基材13がシールされているので、第1および第2の基材11,12と、第3の基材13とのずれを回避することができる。
また、本形態例のシールフィルム16を用いてインナーシール付き容器を製造するときには、シールフィルム16を容器開口部の周縁部19の上に直接載置するほか、シールフィルム16と容器開口部の周縁部19との間に、両面がシール可能な第4の基材を介在させ、その上にシールフィルム16を載置するようにしてもよい。この場合は、キャップ内に、ツマミ部を下向きにしたシールフィルムと、両面がシール可能な第4の基材をこの順番で装填したのち、これらシールフィルムおよび第4の基材が装填されたキャップを容器開口部に取り付けて、このキャップ内でシールフィルムを容器開口部の周縁部に向けて圧接した状態で、高周波誘導加熱を行うことができる。これにより、シールフィルムから容器開口部の周縁部までの間(シールフィルムの第3の基材の下面と第4の基材の上面との間、および第4の基材の下面と容器開口部の周縁部との間)が、高周波で第3の基材の内部に発生した熱により、相互にシールされる。このような方法によっても、第3の基材13があらかじめシールフィルム16に一体化されているほかは上述の図6に示すものと同様な構造のインナーシール付き容器を製造することができる。ここで第4の基材は、熱可塑性樹脂などのシール可能な部材からなるものである。上述したように、第4の基材と容器開口部の周縁部との間のシール強度が強いものが望ましい。また、第4の基材においては、上述したように、多角形、星型、円形の開口部、あるいは多数の孔や網目状の開口部を設けることができる。
本発明において、第1から第3の基材に用いられるフィルムとしては、片面にシーラント層を有するものが用いられる。このようなフィルムとしては例えば、延伸フィルムなどからなる基材層の表面にヒートシール性を有する樹脂からなるシーラント層を積層してなるラミネートフィルムを用いることができる。また、第3の基材は、容器に対するシールを容易にするため、両面にシーラント層を有するものが好ましい。
ガスバリア性を付与するため、前記フィルムにアルミナ(Al)やシリカ(SiO)等のセラミックを蒸着してなるセラミック蒸着膜や、アルミニウム箔等の金属層を設けることもできる。この場合、酸素や水蒸気などのガスがフィルムを通過することが阻止され、内容物の保存性が向上するので好ましい。
シーラント層を構成する樹脂としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−ビニルアルコール共重合体などのポリオレフィン系樹脂が挙げられ、特に第3の基材の容器にシールする面にはイージーピール性の素材を用いると開封が容易となるので好ましい。
基材層としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル系樹脂、ナイロン等のポリアミド系樹脂などからなる単層または多層の組み合わせを用いることができる。
基材をシールする方法は、ヒートシール(熱シール)、超音波シール、高周波シールなどが挙げられる。この中ではヒートシールが好ましい。
第1の基材と第2の基材は、材質や厚さが互いに同一でも異なるものでもよい。例えば、積層体において、ツマミ部とするため第1の基材と第2の基材とが積層された部分と、ツマミ部以外の部分とで、厚さの差を小さくするため、第1の基材の厚さを第2の基材の厚さより小さくするようにしてもよい。
さらに本発明によれば、長尺フィルムを原反としてシールフィルムを製造できるので、製袋機に利用される技術を応用することができる。例えば、図2、図8に示すように1枚の第2の基材2,12に対して2枚の第1の基材1,11を重ね合わせるとき、第1の基材1,11の原反として1枚の長尺フィルムを用い、搬送時に原反を半裁して2枚の第1の基材1,11を得てからそれぞれを2つ折りにする手法を採用することができる。
また、折り込みフィルムである第1の基材を搬送しつつ第2の基材に重ね合わせるとき、サーボモータを備えた合わせロールを用いて基材の送り方向を偏向させ、両基材の重なり位置を制御するようにすることができる。サーボモータの作動には、第1の基材および第2の基材のいずれかの基材にピッチ印刷図柄を設け、その図柄の位置を光学センサで測定して位置ずれを検出する方法が挙げられる。光学センサには、例えば光電管やCCDカメラ等を使用することができる。ピッチ印刷図柄は、シールフィルムを構成する部分に設けることもでき、また、打ち抜きで除去される部分に設けることもできる。
本発明のシールフィルム6,16をインナーシールとして用いる場合、図5,図11に示すように、キャップ8,18を取り付けている状態ではツマミ部5,15は寝ているが、ツマミ部5,15の裏側を構成する第1の基材1,11と、ツマミ部5,15の表側を構成する第2の基材2,12とで、厚さや弾性を調整することにより、図4,図10に示すように、キャップ8,18を外したとき、ツマミ部5,15がそれ自体の弾性によって自然に立ち上がるように構成することもできる。
また、本発明のシールフィルム6,16においては、ツマミ部5,15の裏側を構成する第1の基材1,11と、ツマミ部5,15の表側を構成する第2の基材2,12とで、色や模様を異なるものとすることにより、ユーザーがシールフィルム6,16でシールされた開口部を見たときにツマミ部5,15の存在が分かりやすく、ツマミ部5,15をつまんで容易に開封できるものであることを認識しやすくすることができる。これにより、ツマミ部5,15が存在するにもかかわらずツマミ部がない場合と同様にシールフィルム6,16を外縁部6a,16aからはがそうと試みる不便さを解消することができる。また、ツマミ部5,15の表側を構成する第2の基材2,12の上面(シーラント層とは反対側の面)に、矢印などで引きはがし方向の表示を設けることもできる。
本発明により製造されるシールフィルムは、容器のシールに利用することができ、食品、飲料、調味料、医薬品等、種々の内容物に適用することができる。
(a)〜(d)は、本発明のシールフィルムの製造方法の第1形態例を説明する断面工程図である。 (a)〜(d)は、本発明のシールフィルムの製造方法の第2形態例を説明する断面工程図である。 シールフィルムの一例を示す斜視図である。 シールフィルムで容器の開口部をシールした様子の一例を示す断面図である。 キャップを取り付けた容器の開口部をシールフィルムでシールした様子の一例を示す断面図である。 キャップを取り付けた容器の開口部に第4の基材を設け、その開口部をシールフィルムでシールした様子の一例を示す断面図である。 (a)〜(d)は、本発明のシールフィルムの製造方法の第3形態例を説明する断面工程図である。 (a)〜(d)は、本発明のシールフィルムの製造方法の第4形態例を説明する断面工程図である。 シールフィルムの改変例を示す斜視図である。 改変例のシールフィルムで容器の開口部をシールした様子の一例を示す断面図である。 キャップを取り付けた容器の開口部を改変例のシールフィルムでシールした様子の一例を示す断面図である。
符号の説明
1,11…第1の基材、1a,11a…一方の部分、1b,11b…他方の部分、1c,11c…折り線、2,12…第2の基材、2a,12a…第2の基材の第1の基材にシールされる部分、2b,12b…第2の基材の第1の基材にシールされていない部分、3,13…第3の基材、4,14…積層体、5,15…ツマミ部、6,16…シールフィルム、7,17…容器、8,18…キャップ、9,19…容器開口部の周縁部、21…第4の基材、22…第4の基材の開口部。

Claims (4)

  1. 片面にシーラント層を有する長尺フィルムからなる第1の基材をその流れ方向に延在する折り線に沿って前記シーラント層の反対側の面が向かい合うように折り込んだのち、前記第1の基材の前記折り線を介して分割される2つの部分のうち一方の部分を、片面にシーラント層を有する長尺フィルムからなる第2の基材に対し両基材のシーラント層同士を向かい合わせて重ね合わせ、前記第1の基材の前記一方の部分を前記第2の基材にシールする工程と、
    前記第1および第2の基材のシールによって形成される積層体を所定の形状に打ち抜く際に、打ち抜かれる領域内に前記折り線の部分が含まれるようにして打ち抜き、前記第1および第2の基材の互いにシールされた部分からなるツマミ部を形成する工程と、
    を有することを特徴とするシールフィルムの製造方法。
  2. 片面にシーラント層を有する長尺フィルムからなる第1の基材をその流れ方向に延在する折り線に沿って前記シーラント層の反対側の面が向かい合うように折り込んだのち、前記第1の基材の前記折り線を介して分割される2つの部分のうち一方の部分を、片面にシーラント層を有する長尺フィルムからなる第2の基材に対し両基材のシーラント層同士を向かい合わせて重ね合わせ、前記第1の基材の前記一方の部分を前記第2の基材にシールする工程と、
    前記第1および第2の基材の互いにシールされていない部分を、少なくとも片面にシーラント層を有する長尺フィルムからなる第3の基材に対しこれら基材のシーラント層同士を向かい合わせて重ね合わせ、前記第1の基材の前記一方の部分とは異なる他方の部分を前記第3の基材にシールするとともに前記第2の基材の前記第1の基材にシールされていない部分を前記第3の基材にシールする工程と、
    前記第1から第3の基材のシールによって形成される積層体を所定の形状に打ち抜く際に、打ち抜かれる領域内に前記折り線の部分が含まれるようにして打ち抜き、前記第1および第2の基材の互いにシールされた部分からなるツマミ部を形成する工程と、
    を有することを特徴とするシールフィルムの製造方法。
  3. 片面にシーラント層を有する長尺フィルムからなる第1の基材をその流れ方向に延在する折り線に沿って前記シーラント層の反対側の面が向かい合うように折り込んだのち、前記第1の基材の前記折り線を介して分割される2つの部分のうち一方の部分を、片面にシーラント層を有する長尺フィルムからなる第2の基材に対し両基材のシーラント層同士を向かい合わせて重ね合わせ、前記第1の基材の前記一方の部分を前記第2の基材にシールする工程と、
    前記第1および第2の基材のシールによって形成される積層体をシールフィルムの形状に打ち抜く際に、打ち抜かれる領域内に前記折り線の部分が含まれるようにして打ち抜き、前記第1および第2の基材の互いにシールされた部分からなるツマミ部を形成する工程と、
    容器開口部の周縁部の上に直接、もしくは両面がシール可能な第4の基材を介在させた上に、前記シールフィルムの打ち抜き形状と同一の形状であって両面にシーラント層を有しかつ内部に金属層を有する第3の基材が載置され、この第3の基材の上に、前記ツマミ部が形成されたシールフィルムの、前記第1および第2の基材の互いにシールされていない部分が載置され、前記容器開口部にキャップが取り付けられ、前記キャップ内で前記シールフィルムが前記容器開口部の周縁部に向けて圧接された状態で、高周波誘導加熱により、前記シールフィルムから前記容器開口部の周縁部までの間を相互にシールする工程と、
    を有することを特徴とするインナーシール付き容器の製造方法。
  4. 片面にシーラント層を有する長尺フィルムからなる第1の基材をその流れ方向に延在する折り線に沿って前記シーラント層の反対側の面が向かい合うように折り込んだのち、前記第1の基材の前記折り線を介して分割される2つの部分のうち一方の部分を、片面にシーラント層を有する長尺フィルムからなる第2の基材に対し両基材のシーラント層同士を向かい合わせて重ね合わせ、前記第1の基材の前記一方の部分を前記第2の基材にシールする工程と、
    前記第1および第2の基材の互いにシールされていない部分を、両面にシーラント層を有しかつ内部に金属層を有する長尺フィルムからなる第3の基材に対しこれら基材のシーラント層同士を向かい合わせて重ね合わせ、前記第1の基材の前記一方の部分とは異なる他方の部分を前記第3の基材にシールするとともに前記第2の基材の前記第1の基材にシールされていない部分を前記第3の基材にシールする工程と、
    前記第1から第3の基材のシールによって形成される積層体をシールフィルムの形状に打ち抜く際に、打ち抜かれる領域内に前記折り線の部分が含まれるようにして打ち抜き、前記第1および第2の基材の互いにシールされた部分からなるツマミ部を形成する工程と、
    容器開口部の周縁部の上に直接、もしくは両面がシール可能な第4の基材を介在させた上に、前記ツマミ部が形成されたシールフィルムが載置され、前記容器開口部にキャップが取り付けられ、前記キャップ内で前記シールフィルムが前記容器開口部の周縁部に向けて圧接された状態で、高周波誘導加熱により、前記シールフィルムから前記容器開口部の周縁部までの間を相互にシールする工程と、
    を有することを特徴とするインナーシール付き容器の製造方法。
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