JP2008238324A - 研磨パッド - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 微細気泡を有するポリウレタン発泡体からなる研磨層を有する研磨パッドにおいて、前記ポリウレタン発泡体は、
(1)イソシアネート単量体、高分子量ポリオールα、及び低分子量ポリオールを含有してなるイソシアネート末端プレポリマーA、
(2)多量化ジイソシアネート、及び高分子量ポリオールβを含み、NCO Indexが3〜5である原料成分を反応して得られるイソシアネート末端プレポリマーB、及び
(3)鎖延長剤、
との反応硬化体を含むことを特徴とする研磨パッド。
【選択図】 図1
Description
(1)イソシアネート単量体、高分子量ポリオールα、及び低分子量ポリオールを含有してなるイソシアネート末端プレポリマーA、
(2)多量化ジイソシアネート、及び高分子量ポリオールβを含み、NCO Indexが3〜5である原料成分を反応して得られるイソシアネート末端プレポリマーB、及び
(3)鎖延長剤、
との反応硬化体を含むことを特徴とする研磨パッド、に関する。
前記工程は、イソシアネート末端プレポリマーを含む第1成分にシリコン系界面活性剤をポリウレタン発泡体中に0.05〜10重量%になるように添加し、さらに前記第1成分を非反応性気体と撹拌して前記非反応性気体を微細気泡として分散させた気泡分散液を調製した後、前記気泡分散液に鎖延長剤を含む第2成分を混合し、硬化してポリウレタン発泡体を作製する工程であり、
前記イソシアネート末端プレポリマーは、
(1)イソシアネート単量体、高分子量ポリオールα、及び低分子量ポリオールを含有してなるイソシアネート末端プレポリマーA、及び
(2)多量化ジイソシアネート、及び高分子量ポリオールβを含み、NCO Indexが3〜5である原料成分を反応して得られるイソシアネート末端プレポリマーB、
であることを特徴とする研磨パッドの製造方法、に関する。
1)気泡分散液を作製する発泡工程
イソシアネート末端プレポリマーA及びBを含む第1成分にシリコン系界面活性剤をポリウレタン発泡体中に0.05〜10重量%になるように添加し、非反応性気体の存在下で撹拌し、非反応性気体を微細気泡として分散させて気泡分散液とする。前記プレポリマーが常温で固体の場合には適宜の温度に予熱し、溶融して使用する。
2)硬化剤(鎖延長剤)混合工程
上記の気泡分散液に鎖延長剤を含む第2成分を添加、混合、撹拌して発泡反応液とする。
3)注型工程
上記の発泡反応液を金型に流し込む。
4)硬化工程
金型に流し込まれた発泡反応液を加熱し、反応硬化させる。
(数平均分子量の測定)
数平均分子量は、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィ)にて測定し、標準ポリスチレンにより換算した。
GPC装置:島津製作所製、LC−10A
カラム:Polymer Laboratories社製、(PLgel、5μm、500Å)、(PLgel、5μm、100Å)、及び(PLgel、5μm、50Å)の3つのカラムを連結して使用
流量:1.0ml/min
濃度:1.0g/l
注入量:40μl
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン
作製したポリウレタン発泡体を厚み1mm以下になるべく薄くミクロトームカッターで平行に切り出したものを平均気泡径測定用試料とした。試料をスライドガラス上に固定し、SEM(S−3500N、日立サイエンスシステムズ(株))を用いて100倍で観察した。得られた画像を画像解析ソフト(WinRoof、三谷商事(株))を用いて、任意範囲の全気泡径を測定し、平均気泡径を算出した。
JIS Z8807−1976に準拠して行った。作製したポリウレタン発泡体を4cm×8.5cmの短冊状(厚み:任意)に切り出したものを比重測定用試料とし、温度23℃±2℃、湿度50%±5%の環境で16時間静置した。測定には比重計(ザルトリウス社製)を用い、比重を測定した。
JIS K6253−1997に準拠して行った。作製したポリウレタン発泡体を2cm×2cm(厚み:任意)の大きさに切り出したものを硬度測定用試料とし、温度23℃±2℃、湿度50%±5%の環境で16時間静置した。測定時には、試料を重ね合わせ、厚み6mm以上とした。硬度計(高分子計器社製、アスカーD型硬度計)を用い、硬度を測定した。
作製したポリウレタン発泡体シート(φ380mm、厚さ1.25mm)を研磨装置(MAT社製、MAT−BC15)のプラテンに貼り合わせた。ドレッサー(三菱マテリアル社製、スポットタイプ)を用い、強制ドライブ回転数115rpm、プラテン回転数70rpm、ドレス荷重7ポンド、吸水量200ml/min、及びドレス時間1.5hrの条件にてポリウレタン発泡体シートの表面をドレスした。ドレス終了後、ポリウレタン発泡体シートから幅10mm×長さ380mmの短冊状のサンプルを切り出した。該サンプルの中心部から20mmごとに厚さを測定した(片側9点、トータル18点)。そして、ドレスされていない中心部との厚さの差(磨耗量)を各測定位置において算出し、その平均値を算出した。カットレートは下記式により算出される。
カットレート(μm/min)=磨耗量の平均値/(1.5×60)
JIS K7312に準拠して行った。作製したポリウレタン発泡体を幅20mm×長さ50mm×厚み1.27mmの大きさに切り出したものをサンプルとした。該サンプルを25℃の蒸留水中に48時間浸漬し、浸漬前後の長さを下記式に代入して寸法変化率を算出した。
寸法変化率(%)=〔(浸漬後の長さ−浸漬前の長さ)/浸漬前の長さ〕×100
作製したポリウレタン発泡体を幅1mm×長さ3mm×厚み2mmの大きさに切り出したものをサンプルとした。測定装置(インストロン社製、5864卓上型試験機システム)を用い、下記条件で曲げ弾性率を測定した。
・曲げ強度測定用治具:支点間距離22mm
・クロスヘッド速度:0.6mm/min
・移動変位量:6.0mm
また、前記サンプルを25℃の蒸留水中に48時間浸漬した。その後、前記と同様の方法で曲げ弾性率を測定した。吸水時の曲げ弾性率の変化率は下記式により算出した。
変化率(%)=〔(ドライ時の曲げ弾性率−浸漬後の曲げ弾性率)/ドライ時の曲げ弾性率〕×100
研磨装置としてSPP600S(岡本工作機械社製)を用い、作製した研磨パッドを用いて、研磨特性の評価を行った。研磨速度は、8インチのシリコンウエハに熱酸化膜を1μm製膜したものを1枚につき0.5μm研磨し、このときの時間から算出した。ウエハ100枚目、300枚目及び500枚目における研磨速度を表1に示す。酸化膜の膜厚測定には、干渉式膜厚測定装置(大塚電子社製)を用いた。研磨条件としては、スラリーとして、シリカスラリー(SS12、キャボット社製)を研磨中に流量150ml/min添加した。研磨荷重としては350g/cm2、研磨定盤回転数35rpm、ウエハ回転数30rpmとした。
面内均一性(%)={(研磨速度最大値−研磨速度最小値)/(研磨速度最大値+研磨速度最小値)}×100
容器にトルエンジイソシアネート(2,4−体/2,6−体=80/20の混合物)1229重量部、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート272重量部、数平均分子量1018のポリテトラメチレンエーテルグリコール1901重量部、ジエチレングリコール198重量部を入れ、70℃で4時間反応させてイソシアネート末端プレポリマーAを得た。
また、容器に多量化1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(住化バイエルウレタン社製、スミジュールN−3300、イソシアヌレートタイプ)100重量部、及び数平均分子量250のポリテトラメチレンエーテルグリコール18.5重量部を入れ(NCO Index:3.5)、100℃で3時間反応させてイソシアネート末端プレポリマーB1を得た。
前記プレポリマーA100重量部、前記プレポリマーB1(11.8重量部)、及びシリコン系界面活性剤(東レダウコーニングシリコン製、SH−192)3.3重量部を重合容器内に加えて混合し、70℃に調整して減圧脱泡した。その後、撹拌翼を用いて、回転数900rpmで反応系内に気泡を取り込むように激しく約4分間撹拌を行った。そこへ予め120℃に溶融した4,4’−メチレンビス(o−クロロアニリン)31.1重量部を添加した。該混合液を約70秒間撹拌した後、パン型のオープンモールド(注型容器)へ流し込んだ。この混合液の流動性がなくなった時点でオーブン内に入れ、100℃で16時間ポストキュアを行い、ポリウレタン発泡体ブロックを得た。
約80℃に加熱した前記ポリウレタン発泡体ブロックをスライサー(アミテック社製、VGW−125)を使用してスライスし、ポリウレタン発泡体シートを得た。次に、バフ機(アミテック社製)を使用して、厚さ1.27mmになるまで該シートの表面バフ処理をし、厚み精度を整えたシートとした。このバフ処理をしたシートを直径61cmの大きさで打ち抜き、溝加工機(テクノ社製)を用いて表面に溝幅0.25mm、溝ピッチ1.50mm、溝深さ0.40mmの同心円状の溝加工を行い研磨シート(研磨層)を得た。この研磨シートの溝加工面と反対側の面にラミ機を使用して、両面テープ(積水化学工業社製、ダブルタックテープ)を貼りつけた。更に、コロナ処理をしたクッションシート(東レ社製、ポリエチレンフォーム、トーレペフ、厚み0.8mm)の表面をバフ処理し、それを前記両面テープにラミ機を使用して貼り合わせた。さらに、クッションシートの他面にラミ機を使用して両面テープを貼り合わせて研磨パッドを作製した。
容器に多量化1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(住化バイエルウレタン社製、スミジュールN−3300、イソシアヌレートタイプ)100重量部、及び数平均分子量650のポリテトラメチレンエーテルグリコール37.6重量部を入れ(NCO Index:4.5)、100℃で3時間反応させてイソシアネート末端プレポリマーB2を得た。
実施例1において、プレポリマーB1(11.8重量部)の代わりにプレポリマーB2(12.8重量部)を用いた以外は実施例1と同様の方法で研磨パッドを作製した。
容器に多量化1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(住化バイエルウレタン社製、スミジュールN−3300、イソシアヌレートタイプ)100重量部、及び数平均分子量1000のポリテトラメチレンエーテルグリコール57.9重量部を入れ(NCO Index:4.5)、100℃で3時間反応させてイソシアネート末端プレポリマーB3を得た。
実施例1において、プレポリマーB1(11.8重量部)の代わりにプレポリマーB3(14.0重量部)を用い、4,4’−メチレンビス(o−クロロアニリン)の添加量を31.1重量部から30.9重量部に変更した以外は実施例1と同様の方法で研磨パッドを作製した。
実施例1において、プレポリマーB1(11.8重量部)の代わりに1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート20重量部を用い、シリコン系界面活性剤の添加量を3.3重量部から3.6重量部に変更し、4,4’−メチレンビス(o−クロロアニリン)の添加量を31.1重量部から39.3重量部に変更した以外は実施例1と同様の方法で研磨パッドを作製した。
容器に多量化1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(住化バイエルウレタン社製、スミジュールN−3300、イソシアヌレートタイプ)100重量部、及び数平均分子量250のポリテトラメチレンエーテルグリコール26.1重量部を入れ(NCO Index:2.5)、100℃で3時間反応させてイソシアネート末端プレポリマーB4を得た。
実施例1において、プレポリマーB1(11.8重量部)の代わりにプレポリマーB4(12.6重量部)を用い、4,4’−メチレンビス(o−クロロアニリン)の添加量を31.1重量部から30.3重量部に変更した以外は実施例1と同様の方法で研磨パッドを作製した。
2:研磨定盤
3:研磨剤(スラリー)
4:被研磨材(半導体ウエハ)
5:支持台(ポリシングヘッド)
6、7:回転軸
Claims (9)
- 微細気泡を有するポリウレタン発泡体からなる研磨層を有する研磨パッドにおいて、前記ポリウレタン発泡体は、
(1)イソシアネート単量体、高分子量ポリオールα、及び低分子量ポリオールを含有してなるイソシアネート末端プレポリマーA、
(2)多量化ジイソシアネート、及び高分子量ポリオールβを含み、NCO Indexが3〜5である原料成分を反応して得られるイソシアネート末端プレポリマーB、及び
(3)鎖延長剤、
との反応硬化体を含むことを特徴とする研磨パッド。 - 高分子量ポリオールαは、数平均分子量500〜5000のポリエーテルポリオールであり、イソシアネート単量体は、トルエンジイソシアネート及びジシクロへキシルメタンジイソシアネートである請求項1記載の研磨パッド。
- 高分子量ポリオールβは、数平均分子量200〜1000のポリエーテルポリオールであり、多量化ジイソシアネートは、イソシアヌレートタイプ及び/又はビュレットタイプの多量化ヘキサメチレンジイソシアネートである請求項1又は2記載の研磨パッド。
- イソシアネート末端プレポリマーBの添加量は、イソシアネート末端プレポリマーA100重量部に対して5〜30重量部である請求項1〜3のいずれかに記載の研磨パッド。
- ポリウレタン発泡体は、平均気泡径が20〜70μmであり、カットレートが2μm/min以下である請求項1〜4のいずれかに記載の研磨パッド。
- ポリウレタン発泡体は、吸水時の寸法変化率が0.8%以下であり、吸水時の曲げ弾性率の変化率が40%以下である請求項1〜5のいずれかに記載の研磨パッド。
- ポリウレタン発泡体は、シリコン系界面活性剤を0.05〜10重量%含有する請求項1〜6のいずれかに記載の研磨パッド。
- イソシアネート末端プレポリマーを含む第1成分と鎖延長剤を含む第2成分とを混合し、硬化してポリウレタン発泡体を作製する工程を含む研磨パッドの製造方法において、
前記工程は、イソシアネート末端プレポリマーを含む第1成分にシリコン系界面活性剤をポリウレタン発泡体中に0.05〜10重量%になるように添加し、さらに前記第1成分を非反応性気体と撹拌して前記非反応性気体を微細気泡として分散させた気泡分散液を調製した後、前記気泡分散液に鎖延長剤を含む第2成分を混合し、硬化してポリウレタン発泡体を作製する工程であり、
前記イソシアネート末端プレポリマーは、
(1)イソシアネート単量体、高分子量ポリオールα、及び低分子量ポリオールを含有してなるイソシアネート末端プレポリマーA、及び
(2)多量化ジイソシアネート、及び高分子量ポリオールβを含み、NCO Indexが3〜5である原料成分を反応して得られるイソシアネート末端プレポリマーB、
であることを特徴とする研磨パッドの製造方法。 - 請求項1〜7のいずれかに記載の研磨パッドを用いて半導体ウエハの表面を研磨する工程を含む半導体デバイスの製造方法。
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