JP5013447B2 - 研磨パッド及びその製造方法 - Google Patents
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Description
1)イソシアネート末端プレポリマーの気泡分散液を作製する発泡工程
イソシアネート末端プレポリマー(第1成分)にシリコン系界面活性剤を添加し、非反応性気体の存在下で撹拌し、非反応性気体を微細気泡として分散させて気泡分散液とする。前記プレポリマーが常温で固体の場合には適宜の温度に予熱し、溶融して使用する。
2)硬化剤(鎖延長剤)混合工程
上記の気泡分散液に鎖延長剤(第2成分)を添加、混合、撹拌して発泡反応液とする。3)注型工程
上記の発泡反応液を金型に流し込む。
4)硬化工程
金型に流し込まれた発泡反応液を加熱し、反応硬化させる。
(平均気泡径及び平均気泡数の測定)
作製した研磨層を厚み1mm以下になるべく薄くミクロトームカッターで平行に切り出したものを測定用試料とした。試料表面を走査型電子顕微鏡(日立サイエンスシステムズ社製、S−3500N)で100倍にて撮影した。そして、画像解析ソフト(MITANIコーポレーション社製、WIN−ROOF)を用いて、任意範囲の全気泡の円相当径を測定し、その測定値から平均気泡径を算出した。また、任意範囲の平均気泡数(個/mm2)も測定した。
JIS Z8807−1976に準拠して行った。作製した研磨層及び高弾性層を4cm×8.5cmの短冊状(厚み:任意)に切り出したものを比重測定用試料とし、温度23℃±2℃、湿度50%±5%の環境で16時間静置した。測定には比重計(ザルトリウス社製)を用い、比重を測定した。
JIS K6253−1997に準拠して行った。作製した研磨層を2cm×2cm(厚み:任意)の大きさに切り出したものを硬度測定用試料とし、温度23℃±2℃、湿度50%±5%の環境で16時間静置した。測定時には、試料を重ね合わせ、厚み6mm以上とした。硬度計(高分子計器社製、アスカーD型硬度計)を用い、硬度を測定した。
作製した研磨層及び高弾性層を3mm×40mmの短冊状(厚み;1mm)に切り出したものを弾性率測定用試料とした。切り出した後の各試料の正確な幅および厚みの計測は、マイクロメータにて行った。弾性率測定装置(UBM社製、レオゲルE4000)を用いて40℃での弾性率を測定した。その際の測定条件を下記に示す。
<測定条件>
引張モード
開始温度:26℃
昇温速度:2℃/min
終了温度:46℃
歪制御:75μm
周波数:1Hz
研磨装置としてSPP600S(岡本工作機械社製)を用い、作製した研磨パッドを用いて、研磨速度の評価を行った。初期研磨速度は、8インチのシリコンウエハに熱酸化膜を1μm製膜したものを、1枚だけ約0.5μm研磨して、このときの時間から算出した。また、同様の方法で研磨を繰り返し、100枚目の研磨速度を測定した。酸化膜の膜厚測定には、干渉式膜厚測定装置(大塚電子社製)を用いた。研磨条件としては、スラリーとして、シリカスラリー(SS12 キャボット社製)を研磨中に流量150ml/min添加した。研磨荷重としては350g/cm2、研磨定盤回転数35rpm、ウエハ回転数30rpmとした。
また、平坦性の評価は、8インチシリコンウエハに熱酸化膜を0.5μm堆積させた後、L/S(ライン・アンド・スペース)=25μm/5μm及び、L/S=5μm/25μmのパターンニングを行い、さらに酸化膜(TEOS)を1μm堆積させて、初期段差0.5μmのパターン付きウエハを製作した。このウエハを上述研磨条件にて研磨を行って、グローバル段差が2000Å以下になる時の、25μmスペースの底部分の削れ量を測定することで評価した。平坦性は値が小さいほど優れていると言える。
作製した研磨パッドの表面をダイヤモンドドレッサー(旭ダイヤモンド社製、Mタイプ#100、20cmψ円形)を用いて回転させながら均一にドレッシングした。この時のドレッサー荷重は450g/cm2、研磨定盤回転数は30rpm、ドレッサー回転数は15rpm、ドレス時間は100minとした。そして、ドレス前後の研磨パッドの厚さからドレス速度を算出した。
作製した研磨パッドの研磨操作前の直径をデジタルノギスで正確に測定した。上記条件で100枚目のウエハを研磨した後の研磨パッドの直径をデジタルノギスで正確に測定した。なお、研磨操作前後において同じ箇所の直径を測定した。そして、測定値を下記式に代入して伸び率を算出した。
伸び率(%)=〔(研磨操作後の直径−研磨操作前の直径)/研磨操作前の直径〕×100
反応容器にポリエーテル系イソシアネート末端プレポリマー(ユニロイヤル社製、アジプレンL−325、NCO濃度:2.22meq/g)100重量部及びシリコン系界面活性剤(東レダウコーニングシリコーン社製、SF2938F)3重量部を加えて混合し、80℃に調整して減圧脱泡した。その後、撹拌翼を用いて、回転数900rpmで反応系内に気泡を取り込むように激しく約4分間撹拌を行った。そこへ予め120℃で溶融した4,4’−メチレンビス(o−クロロアニリン)(イハラケミカル社製、イハラキュアミンMT)26.2重量部を添加した。該混合液を約1分間撹拌した後、パン型のオープンモールド(注型容器)へ流し込んだ。この混合液の流動性がなくなった時点でオーブン内に入れ、110℃で6時間ポストキュアを行い、ポリウレタン発泡体ブロックを得た。
アジプレンL−325(100重量部)及びSF2938F(3重量部)を含む第1成分に空気を40℃及び0.6MPaの条件で溶解させた。該第1成分100重量部と第2成分である予め120℃で溶融したイハラキュアミンMT(26.2重量部)とをミキシングヘッド内で高圧衝突により混合してポリウレタン組成物(空気含有量20重量%)を調製した。そして、直ちに該ポリウレタン組成物をRIM用金型(直径58cm、厚さ1mm)内に射出した。そして、金型内圧0.3MPa、温度100℃でポリウレタン組成物を反応硬化させ、該組成物中に溶解している空気をガス化させることにより、ポリウレタン樹脂を発泡させてポリウレタン発泡体からなる研磨層(直径58cm、厚さ1mm)を作製した。その後、該研磨層を用いた以外は実施例1と同様の方法で研磨パッドを作製した。
実施例1と同様の方法で研磨層を作製した。凹形状の高弾性層を形成するための空間部を設けた状態で、直径60cmのRIM用金型内に前記研磨層を配置した。イソシアネート末端プレポリマー(バイエル社製、Mondur PF)77重量部からなる第1成分、末端アミン変性ポリオール(三井化学ファイン社製、ジェファーミン T−5000)65重量部、3,5−ジエチルトルエン−2,4−ジアミンと3,5−ジエチルトルエン−2,6−ジアミンの混合物(アルべマール社製、エタキュア100)17.5重量部、及び3,5−ビス(メチルチオ)−2,4−トルエンジアミンと3,5−ビス(メチルチオ)−2,6−トルエンジアミンの混合物(アルベマール社製、エタキュア300)17.5重量部からなる第2成分をミキシングヘッド内で混合して高弾性層形成材料を調製した。そして、直ちに該高弾性層形成材料を前記金型内の空間部に射出し、70℃で硬化させて、前記研磨層の側面及び裏面に密着する凹形状の高弾性層(無発泡体、底部の厚さ1mm、壁部の幅1cm)を一体成形した。その後、実施例1と同様の方法で研磨パッドを作製した。
第1成分であるアジプレンL−325(100重量部)、及び第2成分であるイハラキュアミンMT(27.6重量部)をミキシングヘッド内で混合して高弾性層形成材料を調製した。そして、直ちに該高弾性層形成材料を直径60cm、厚さ2mmの凹形状のRIM用金型内に射出し、100℃で硬化させて高弾性層(無発泡体、底部の厚さ1mm、壁部の幅1cm)を作製した。
実施例3と同様の材料をミキシングヘッド内で混合して高弾性層形成材料を調製した。そして、直ちに該高弾性層形成材料を直径60cm、厚さ2mmの凹形状のRIM用金型内に射出し、70℃で硬化させて高弾性層(無発泡体、底部の厚さ1mm、壁部の幅1cm)を作製した。
実施例1と同様の方法で研磨層(直径60cm、厚さ2mm)を作製した。研磨層の表面に直径1.6mmの貫通孔をパンチングにより均一に形成した。その後、研磨層の裏面にラミ機を使用して、両面テープ(積水化学工業社製、ダブルタックテープ)を貼りつけた。更に、コロナ処理をしたクッション層(東レ社製、ポリエチレンフォーム、トーレペフ、厚み0.8mm)の表面をバフ処理し、それを前記両面テープに貼り合わせた。さらに、クッション層の他面に両面テープを貼り合わせて研磨パッドを作製した。
反応容器にアジプレンL−325(100重量部)、トルエンジイソシアネート(2,4−体/2,6−体=80/20の混合物)20重量部、及びSF2938F(3重量部)を加えて混合し、80℃に調整して減圧脱泡した。その後、撹拌翼を用いて、回転数900rpmで反応系内に気泡を取り込むように激しく約4分間撹拌を行った。そこへ予め120℃で溶融したイハラキュアミンMT(47重量部)を添加した。該混合液を約1分間撹拌した後、パン型のオープンモールドへ流し込んだ。撹拌時に反応の進行により混合物が増粘し、空気の巻き込みが多かった。この混合液の流動性がなくなった時点でオーブン内に入れ、110℃で6時間ポストキュアを行い、ポリウレタン発泡体ブロックを得た。その後、実施例1と同様の方法で研磨層を作製した。そして、該研磨層を用いた以外は比較例1と同様の方法で研磨パッドを作製した。
2:研磨層
3:高弾性層
4:壁部
5:底部
6:研磨定盤
7:被研磨材(半導体ウエハ)
8:支持台(ポリシングヘッド)
9:研磨剤(スラリー)
10、11:回転軸
Claims (17)
- 凹形状の高弾性層の凹内に、ポリウレタン発泡体からなる研磨層が密着状態で設けられ、
前記研磨層の側面全面及び裏面全面が前記高弾性層によって囲まれており、
前記高弾性層は無発泡体であり、かつ前記高弾性層の弾性率は研磨層の弾性率よりも10MPa以上大きいことを特徴とする研磨パッド。 - 前記凹形状の高弾性層は、研磨に使用しないことを特徴とする請求項1に記載の研磨パッド。
- 前記凹形状の高弾性層は、ポリウレタン樹脂からなることを特徴とする請求項1または2に記載の研磨パッド。
- 前記凹形状の高弾性層のポリウレタン樹脂は、研磨層のポリウレタン発泡体に用いられるポリウレタン樹脂と同種の原料からなることを特徴とする請求項3に記載の研磨パッド。
- 高弾性層の底部と研磨層の厚さの比が、5:95〜60:40(前者:後者)である請求項1〜4のいずれかに記載の研磨パッド。
- 高弾性層の壁部の幅が、研磨パッドの半径の0.2〜5%である請求項1〜5のいずれかに記載の研磨パッド。
- 研磨層の弾性率が200〜400MPaである請求項1〜6のいずれかに記載の研磨パッド。
- 凹形状の高弾性層を形成するための空間部を設けた状態で金型内に研磨層を配置する工程、及び反応射出成形法により高弾性層形成材料を前記金型内の空間部に射出し硬化させて、前記研磨層の側面全面及び裏面全面に密着する凹形状の高弾性層を一体形成する工程を含む研磨パッドの製造方法。
- 反応射出成形法により高弾性層形成材料を金型内に射出し硬化させて、凹形状の高弾性層を形成する工程、イソシアネート成分を含む第1成分及び/又は活性水素基含有化合物を含む第2成分に非反応性気体を加圧下で溶解させる工程、前記第1成分及び第2成分を混合したポリウレタン組成物を、反応射出成形法により金型内に設けた前記高弾性層の凹内に射出し発泡硬化させて研磨層の側面全面及び裏面全面を前記凹形状の高弾性層に密着させて一体形成する工程を含む研磨パッドの製造方法。
- 凹形状の高弾性層を金型内に配置する工程、イソシアネート成分を含む第1成分及び/又は活性水素基含有化合物を含む第2成分に非反応性気体を加圧下で溶解させる工程、前記第1成分及び第2成分を混合したポリウレタン組成物を、反応射出成形法により金型内に設けた前記高弾性層の凹内に射出し発泡硬化させて研磨層の側面全面及び裏面全面を前記凹形状の高弾性層に密着させて一体形成する工程を含む研磨パッドの製造方法。
- ポリウレタン組成物は、非反応性気体を0.01〜1重量%含有する請求項9又は10記載の研磨パッドの製造方法。
- 非反応性気体は、窒素及び/又は二酸化炭素である請求項9〜11のいずれかに記載の研磨パッドの製造方法。
- 非反応性気体を超臨界状態にして第1成分及び/又は第2成分中に溶解させる請求項9〜12のいずれかに記載の研磨パッドの製造方法。
- ポリウレタン組成物は、シリコン系界面活性剤を0.05〜10重量%含有する請求項9〜13のいずれかに記載の研磨パッドの製造方法。
- 請求項8〜14のいずれかに記載の方法によって製造される研磨パッド。
- 研磨層は、平均気泡径が5〜60μmであり、平均気泡数が100〜2000個/mm2である請求項15記載の研磨パッド。
- 請求項1〜7、15及び16のいずれかに記載の研磨パッドを用いて半導体ウエハの表面を研磨する工程を含む半導体デバイスの製造方法。
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