JP4859110B2 - 研磨パッド - Google Patents

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本発明はレンズ、反射ミラー等の光学材料やシリコンウエハ、ハードディスク用のガラス基板、アルミ基板、及び一般的な金属研磨加工等の高度の表面平坦性を要求される材料の平坦化加工を安定、かつ高い研磨効率で行うことが可能な研磨パッドに関するものである。本発明の研磨パッドは、特にシリコンウエハ並びにその上に酸化物層、金属層等が形成されたデバイスを、さらにこれらの酸化物層や金属層を積層・形成する前に平坦化する工程に好適に使用される。
高度の表面平坦性を要求される材料の代表的なものとしては、半導体集積回路(IC、LSI)を製造するシリコンウエハと呼ばれる単結晶シリコンの円盤があげられる。シリコンウエハは、IC、LSI等の製造工程において、回路形成に使用する各種薄膜の信頼できる半導体接合を形成するために、酸化物層や金属層を積層・形成する各工程において、表面を高精度に平坦に仕上げることが要求される。このような研磨仕上げ工程においては、一般的に研磨パッドはプラテンと呼ばれる回転可能な支持円盤に固着され、半導体ウエハ等の加工物は研磨ヘッドに固着される。そして双方の運動により、プラテンと研磨ヘッドとの間に相対速度を発生させ、さらに砥粒を含む研磨スラリーを研磨パッド上に連続供給することにより、研磨操作が実行される。
研磨パッドの研磨特性としては、研磨対象物の平坦性(プラナリティー)及び面内均一性に優れ、研磨速度が大きいことが要求される。研磨対象物の平坦性、面内均一性については研磨層を高弾性率化することによりある程度は改善できる。また、研磨速度については、気泡を含有する発泡体にしてスラリーの保持量を多くすることにより向上できる。
スラリーの保持量をより多くする方法としては、研磨パッド自体を親水性にする方法が挙げられ、具体的には(1)水酸基等の親水性基をマトリクス材料に導入する方法、(2)マトリクス材料と親水性物質とを混合するする方法が挙げられる。例えば、(A)架橋エラストマーと、(B)ヒドロキシル基等の官能基を有する物質とを含有する研磨パッド用組成物が開示されている(特許文献1)。また、研磨工具を構成する材料に、更に親水性物質を加えたり、親水性基を付加(変性)した研磨工具が開示されている(特許文献2)。また、親水性であって、かつ実質的に水に不溶のシート状物を含有する熱硬化性高分子マトリクス樹脂からなる研磨パッドが開示されている(特許文献3)。さらに、親水性基を有する化合物が共重合されたウレタン樹脂を含有し、かつ親水剤を含有するポリウレタン組成物よりなる研磨パッドが開示されている(特許文献4)。
しかし、(1)の方法ではマトリクス材料がポリウレタンの場合、水酸基等の活性水素を含む親水性基がポリウレタン合成の際にイソシアネート基と反応し、その結果未反応のポリオール成分が材料中に残存する恐れがある。そして、この残存ポリオール成分が可塑的効果をもたらすため研磨パッドの物性低下が起こる傾向にある。(2)の方法では親水性物質をマトリクス材料中に均一に混合させることが困難であり、物性の均一な研磨パッドを得ることができない。また、研磨時(スラリー滴下時)の寸法安定性が悪化して研磨特性(平坦化特性など)が悪くなる傾向にある。
一方、研磨速度が、使用直後から使用を終了するまでの間に変動すると、研磨条件を調整しなくてはならず、研磨効率が悪いという問題もあった。
例えば、研磨速度が良好であり、研磨速度の変化が少ない研磨パッドを提供することを目的として、水酸基以外の親水性基を有しない疎水性高分子量ポリオール成分とイソシアネート成分とを原料成分として含有してなる疎水性イソシアネート末端プレポリマー(A)、エチレンオキサイド単位(−CHCHO−)を有する親水性高分子量ポリオール成分とイソシアネート成分とを原料成分として含有してなる親水性イソシアネート末端プレポリマー(B)、及び鎖延長剤とからなるポリウレタン樹脂発泡体を用いることが開示されている(特許文献5)。
さらに、次世代素子への展開を考慮すると、平坦性をさらに向上できるような高硬度の研磨パッドが必要となる。平坦性を向上させるためには、硬い研磨パッドを用いることも可能である。しかし、硬いパッドを用いた場合、研磨対象物の被研磨面にスクラッチ(傷)を付けるという問題が生じる。
特開2002−134445号公報 特開2003−11066号公報 特開2002−59358号公報 特開2003−128910号公報 特開2005−68175号公報
本発明は、研磨速度が大きく、研磨速度の変化が少なく、かつ研磨対象物の表面にスクラッチを生じさせ難い研磨パッドを提供することを目的とする。また、該研磨パッドを用いた半導体デバイスの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示す研磨パッドにより上記目的を達成できることを見出し本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、微細気泡を有するポリウレタン樹脂発泡体からなる研磨層を含む研磨パッドにおいて、前記ポリウレタン樹脂は、エチレンオキサイド単位(−CHCHO−)を有する親水性高分子量ポリオールを含まず、かつ分子側鎖にカルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種の親水性基を有することを特徴とする研磨パッド、に関する。
本発明者らは、分子側鎖にカルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種の親水性基を有するポリウレタン樹脂を用いて発泡体を形成し、該発泡体からなる研磨層を用いることにより、研磨時(スラリー滴下時)の寸法安定性が悪化することなく、研磨速度が大きく、研磨速度の変化が少なく、かつ研磨対象物の表面にスクラッチを生じさせ難い研磨パッドが得られることを見出した。ポリウレタン樹脂の主鎖にエチレンオキサイド単位(−CHCHO−)を有する親水性高分子量ポリオールを含む場合には、該ポリウレタン樹脂発泡体からなる研磨層は、研磨時に膨潤しやすく、寸法安定性の悪化や硬度の低下により平坦化特性が悪くなるため好ましくない。
前記ポリウレタン樹脂は、分子側鎖にカルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種の親水性基を有するイソシアネート末端プレポリマーと、鎖延長剤との反応硬化体であることが好ましい。プレポリマー法によって得られるポリウレタン樹脂発泡体は研磨特性に優れるため好ましい。
前記ポリウレタン樹脂の原料成分であるイソシアネート成分は、芳香族ジイソシアネート及び脂環式ジイソシアネートであることが好ましい。また、芳香族ジイソシアネートがトルエンジイソシアネートであり、脂環式ジイソシアネートがジシクロヘキシルメタンジイソシアネート及び/又はイソホロンジイソシアネートであることが好ましい。上記原料を用いることにより、ポリウレタン樹脂発泡体の寸法安定性を向上させることができ、研磨特性に優れる研磨パッドを得ることができる。
また、ポリウレタン樹脂発泡体の比重は、0.5〜1であることが好ましく、より好ましくは0.7〜0.9である。比重が0.5未満の場合には、研磨層全体の硬度が低下して平坦化特性が悪化したり、研磨層の表面摩耗が必要以上に大きくなって研磨パッドの寿命が短くなったり、ドレッシング後の研磨層表面の毛羽立ちがウエハ研磨時にすぐに除去され研磨速度が小さくなる傾向にある。一方、比重が1を超える場合には、ドレッシングしたときのドレス屑が大きくなり、そのドレス屑が溝や微細孔に詰まって目詰まりが起こり、研磨速度が小さくなったり不安定になる傾向にある。
また、ポリウレタン樹脂発泡体は、アスカーD硬度が45〜70度であることが好ましく、より好ましくは50〜65度である。アスカーD硬度が45度未満の場合には、研磨パッドの寸法安定性が低下して、研磨対象物の平坦性が悪くなる傾向にある。一方、70度より大きい場合は、平坦性は良好であるが、研磨対象物の表面にスクラッチが発生しやすくなる。
本発明において、鎖延長剤は芳香族ジアミンであることが好ましい。鎖延長剤として芳香族ジアミンを用いることにより、比重が低くても反応性を十分確保でき、さらに研磨層を高弾性率化することができるため、研磨対象物の平坦性、面内均一性が向上する。
また、本発明においては、前記ポリウレタン樹脂発泡体が、シリコン系界面活性剤を0.05重量%以上5重量%未満含有することが好ましく、より好ましくは0.5〜4重量%である。シリコン系界面活性剤の量が0.05重量%未満の場合には、微細気泡を有するポリウレタン樹脂発泡体が得られない傾向にある。一方、5重量%以上の場合には、シリコン系界面活性剤の可塑効果により、高硬度のポリウレタン樹脂発泡体を得にくい傾向にある。
さらに本発明は、前記研磨パッドを用いて半導体ウエハの表面を研磨する工程を含む半導体デバイスの製造方法、に関する。
本発明の研磨パッドは、微細気泡を有するポリウレタン樹脂発泡体からなる研磨層を有する。本発明の研磨パッドは、前記研磨層のみであってもよく、研磨層と他の層(例えばクッション層など)との積層体であってもよい。
ポリウレタン樹脂は耐摩耗性に優れ、原料組成を種々変えることにより所望の物性を有するポリマーを容易に得ることができるため、研磨層の形成材料として特に好ましい材料である。
前記ポリウレタン樹脂は、例えば、1)イソシアネート成分、2)高分子量ポリオール、及び3)カルボキシル基、スルホン酸基、又はリン酸基を有する低分子量ポリオールを原料として製造することができる。カルボキシル基、スルホン酸基、及びリン酸基は、イソシアネート基と反応しないように事前に適当な塩基性化合物(アミンなど)を用いて中和しておいてもよい。
イソシアネート成分としては、ポリウレタンの分野において公知の化合物を特に限定なく使用できる。イソシアネート成分としては、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−ジシクロへキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネートが挙げられる。これらは1種で用いても、2種以上を混合しても差し支えない。
イソシアネート成分としては、上記ジイソシアネート化合物の他に、3官能以上の多官能ポリイソシアネート化合物も使用可能である。多官能のイソシアネート化合物としては、商品名デスモジュール−N(バイエル社製)や商品名デュラネート(旭化成工業社製)として一連のジイソシアネートアダクト体化合物が市販されている。
上記のイソシアネート成分のうち、芳香族ジイソシアネートと脂環式ジイソシアネートを併用することが好ましく、特にトルエンジイソシアネートと、ジシクロへキシルメタンジイソシアネート及び/又はイソホロンジイソシアネートを併用することが好ましい。
高分子量ポリオールとしては、ポリテトラメチレンエーテルグリコールに代表されるポリエーテルポリオール、ポリブチレンアジペートに代表されるポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカプロラクトンのようなポリエステルグリコールとアルキレンカーボネートとの反応物などで例示されるポリエステルポリカーボネートポリオール、エチレンカーボネートを多価アルコールと反応させ、次いで得られた反応混合物を有機ジカルボン酸と反応させたポリエステルポリカーボネートポリオール、及びポリヒドキシル化合物とアリールカーボネートとのエステル交換反応により得られるポリカーボネートポリオールなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのなかで、特にポリテトラメチレンエーテルグリコールを用いることが好ましい。ただし、本発明においては、特開2005−68175公報に記載されているようなエチレンオキサイド単位(−CHCHO−)を有する親水性高分子量ポリオールを使用しない。
高分子量ポリオールの数平均分子量は特に限定されるものではないが、得られるポリウレタン樹脂の弾性特性等の観点から500〜2000であることが好ましい。数平均分子量が500未満であると、これを用いたポリウレタン樹脂は十分な弾性特性を有さず、脆いポリマーとなる。そのためこのポリウレタン樹脂から製造される研磨パッドは硬くなりすぎ、ウエハ表面のスクラッチの原因となる。また、摩耗しやすくなるため、パッド寿命の観点からも好ましくない。一方、数平均分子量が2000を超えると、これを用いたポリウレタン樹脂は軟らかくなりすぎるため、このポリウレタン樹脂から製造される研磨パッドは平坦化特性に劣る傾向にある。
カルボキシル基を有する低分子量ポリオールとしては、例えば、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸、及び2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸などが挙げられる。特に、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸を用いることが好ましい。
スルホン酸基を有する低分子量ポリオールとしては、例えば、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸などが挙げられる。
ポリオール成分として、上述した高分子量ポリオールや親水性基を有する低分子量ポリオールの他に、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、トリメチロールプロパン、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、テトラメチロールシクロヘキサン、メチルグルコシド、ソルビトール、マンニトール、ズルシトール、スクロース、2,2,6,6−テトラキス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサノール、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、及びトリエタノールアミン等の低分子量ポリオールを併用することができる。また、エチレンジアミン、トリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、及びジエチレントリアミン等の低分子量ポリアミンを併用することもできる。また、モノエタノールアミン、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール、及びモノプロパノールアミン等のアルコールアミンを併用することもできる。これら低分子量ポリオール等は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
全ポリオール成分中における高分子量ポリオールと前記低分子量ポリオール等とのモル%比は、80/20〜30/70(前者/後者)であることが好ましい。低分子量ポリオール等のモル%が20モル%未満の場合には、高硬度のポリウレタン樹脂発泡体を得にくい傾向にある。一方、70モル%を超える場合には、ポリウレタン樹脂発泡体の硬度が高くなりすぎるため、研磨時に研磨対象物の表面にスクラッチが発生しやすくなる。
親水性基を有する低分子量ポリオールAと共に上記低分子量ポリオール等Bを用いる場合、そのモル%比は、A/B=3/97以上であることが好ましく、より好ましくは5/95以上である。3/97未満の場合には、ポリウレタン樹脂の親水性(スラリーとのなじみ易さ)が不十分になり、研磨速度が大きくなりにくい傾向にある。
ポリウレタン樹脂発泡体をプレポリマー法により製造する場合において、プレポリマーの硬化には鎖延長剤を使用する。鎖延長剤は、少なくとも2個以上の活性水素基を有する有機化合物であり、活性水素基としては、水酸基、第1級もしくは第2級アミノ基、チオール基(SH)等が例示できる。具体的には、4,4’−メチレンビス(o−クロロアニリン)(MOCA)、2,6−ジクロロ−p−フェニレンジアミン、4,4’−メチレンビス(2,3−ジクロロアニリン)、3,5−ビス(メチルチオ)−2,4−トルエンジアミン、3,5−ビス(メチルチオ)−2,6−トルエンジアミン、3,5−ジエチルトルエン−2,4−ジアミン、3,5−ジエチルトルエン−2,6−ジアミン、トリメチレングリコール−ジ−p−アミノベンゾエート、1,2−ビス(2−アミノフェニルチオ)エタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチル−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、N,N’−ジ−sec−ブチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、m−キシリレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、及びp−キシリレンジアミン等に例示されるポリアミン類、あるいは、上述した低分子量ポリオールや低分子量ポリアミンを挙げることができる。これらは1種で用いても、2種以上を混合しても差し支えない。特に、芳香族ジアミンを用いることが好ましい。
本発明におけるイソシアネート成分、ポリオール成分、及び鎖延長剤の比は、各々の分子量や研磨パッドの所望物性などにより種々変え得る。所望する研磨特性を有する研磨パッドを得るためには、ポリオール成分と鎖延長剤の合計活性水素基(水酸基+アミノ基)数に対するイソシアネート成分のイソシアネート基数は、0.80〜1.20であることが好ましく、さらに好ましくは0.99〜1.15である。イソシアネート基数が前記範囲外の場合には、硬化不良が生じて要求される比重及び硬度が得られず、研磨特性が低下する傾向にある。
ポリウレタン樹脂発泡体は、溶融法、溶液法など公知のウレタン化技術を応用して製造することができるが、コスト、作業環境などを考慮した場合、溶融法で製造することが好ましい。
ポリウレタン樹脂発泡体の製造は、プレポリマー法、ワンショット法のどちらでも可能であるが、事前にイソシアネート成分とポリオール成分からイソシアネート末端プレポリマーを合成しておき、これに鎖延長剤を反応させるプレポリマー法が、得られるポリウレタン樹脂の物理的特性が優れており好適である。
なお、イソシアネート末端プレポリマーは、分子量が800〜5000程度のものが加工性、物理的特性等が優れており好適である。また、イソシアネート末端プレポリマーを作製した後に、分子側鎖のカルボキシル基、スルホン酸基、又はリン酸基を適当な塩基性化合物を用いて中和しておくことが好ましい。それにより、硬化反応時における該親水性基とイソシアネート基との副反応を抑制することができる。その場合、トリエチルアミン等のアミンを用いてアミン塩にすることが好ましい。
前記ポリウレタン樹脂発泡体の製造は、イソシアネート基含有化合物を含む第1成分、及び活性水素基含有化合物を含む第2成分を混合して硬化させるものである。プレポリマー法では、イソシアネート末端プレポリマーがイソシアネート基含有化合物となり、鎖延長剤が活性水素基含有化合物となる。ワンショット法では、イソシアネート成分がイソシアネート基含有化合物となり、鎖延長剤及びポリオール成分が活性水素基含有化合物となる。
ポリウレタン樹脂発泡体の製造方法としては、中空ビーズを添加させる方法、機械的発泡法、化学的発泡法などが挙げられる。
特に、ポリアルキルシロキサンとポリエーテルの共重合体であるシリコン系界面活性剤を使用した機械的発泡法が好ましい。かかるシリコン系界面活性剤としては、SH−192、SH−193、及びL−5340(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)等が好適な化合物として例示される。
なお、必要に応じて、酸化防止剤等の安定剤、滑剤、顔料、充填剤、帯電防止剤、その他の添加剤を加えてもよい。
研磨パッド(研磨層)を構成する微細気泡タイプのポリウレタン樹脂発泡体を製造する方法の例について以下に説明する。かかるポリウレタン樹脂発泡体の製造方法は、以下の工程を有する。
1)イソシアネート末端プレポリマーの気泡分散液を作製する発泡工程
イソシアネート末端プレポリマー(第1成分)にシリコン系界面活性剤を添加し、非反応性気体の存在下で撹拌し、非反応性気体を微細気泡として分散させて気泡分散液とする。前記プレポリマーが常温で固体の場合には適宜の温度に予熱し、溶融して使用する。
2)硬化剤(鎖延長剤)混合工程
上記の気泡分散液に鎖延長剤(第2成分)を添加、混合、撹拌して発泡反応液とする。
3)注型工程
上記の発泡反応液を金型に流し込む。
4)硬化工程
金型に流し込まれた発泡反応液を加熱し、反応硬化させる。
前記微細気泡を形成するために使用される非反応性気体としては、可燃性でないものが好ましく、具体的には窒素、酸素、炭酸ガス、ヘリウムやアルゴン等の希ガスやこれらの混合気体が例示され、乾燥して水分を除去した空気の使用がコスト的にも最も好ましい。
非反応性気体を微細気泡状にしてシリコン系界面活性剤を含む第1成分に分散させる撹拌装置としては、公知の撹拌装置は特に限定なく使用可能であり、具体的にはホモジナイザー、ディゾルバー、2軸遊星型ミキサー(プラネタリーミキサー)等が例示される。撹拌装置の撹拌翼の形状も特に限定されないが、ホイッパー型の撹拌翼の使用にて微細気泡が得られ好ましい。
なお、発泡工程において気泡分散液を作成する撹拌と、混合工程における鎖延長剤を添加して混合する撹拌は、異なる撹拌装置を使用することも好ましい態様である。特に混合工程における撹拌は気泡を形成する撹拌でなくてもよく、大きな気泡を巻き込まない撹拌装置の使用が好ましい。このような撹拌装置としては、遊星型ミキサーが好適である。発泡工程と混合工程の撹拌装置を同一の撹拌装置を使用しても支障はなく、必要に応じて撹拌翼の回転速度を調整する等の撹拌条件の調整を行って使用することも好適である。
ポリウレタン樹脂発泡体の製造方法においては、発泡反応液を型に流し込んで流動しなくなるまで反応した発泡体を、加熱、ポストキュアすることは、発泡体の物理的特性を向上させる効果があり、極めて好適である。金型に発泡反応液を流し込んで直ちに加熱オーブン中に入れてポストキュアを行う条件としてもよく、そのような条件下でもすぐに反応成分に熱が伝達されないので、気泡径が大きくなることはない。硬化反応は、常圧で行うと気泡形状が安定するために好ましい。
ポリウレタン樹脂発泡体において、第3級アミン系等の公知のポリウレタン反応を促進する触媒を使用してもかまわない。触媒の種類、添加量は、混合工程後、所定形状の型に流し込む流動時間を考慮して選択する。
ポリウレタン樹脂発泡体の製造は、各成分を計量して容器に投入し、撹拌するバッチ方式であっても、また撹拌装置に各成分と非反応性気体を連続して供給して撹拌し、気泡分散液を送り出して成形品を製造する連続生産方式であってもよい。
また、ポリウレタン樹脂発泡体の原料となるプレポリマーを反応容器に入れ、その後鎖延長剤を投入、撹拌後、所定の大きさの注型に流し込みブロックを作製し、そのブロックを鉋状、あるいはバンドソー状のスライサーを用いてスライスする方法、又は前述の注型の段階で、薄いシート状にしても良い。また、原料となる樹脂を溶解し、Tダイから押し出し成形して直接シート状のポリウレタン樹脂発泡体を得ても良い。
前記ポリウレタン樹脂発泡体の平均気泡径は、30〜80μmであることが好ましく、より好ましくは30〜60μmである。この範囲から逸脱する場合は、研磨速度が低下したり、研磨後の研磨対象物(ウエハ)の平坦性が低下する傾向にある。
研磨パッド(研磨層)の研磨対象物と接触する研磨表面は、スラリーを保持・更新するための凹凸構造を有していてもよい。発泡体からなる研磨層は、研磨表面に多くの開口を有し、スラリーを保持・更新する働きを持っているが、研磨表面に凹凸構造を形成することにより、スラリーの保持と更新をさらに効率よく行うことができ、また研磨対象物との吸着による研磨対象物の破壊を防ぐことができる。凹凸構造は、スラリーを保持・更新する形状であれば特に限定されるものではなく、例えば、XY格子溝、同心円状溝、貫通孔、貫通していない穴、多角柱、円柱、螺旋状溝、偏心円状溝、放射状溝、及びこれらの溝を組み合わせたものが挙げられる。また、これらの凹凸構造は規則性のあるものが一般的であるが、スラリーの保持・更新性を望ましいものにするため、ある範囲ごとに溝ピッチ、溝幅、溝深さ等を変化させることも可能である。
前記凹凸構造の作製方法は特に限定されるものではないが、例えば、所定サイズのバイトのような治具を用い機械切削する方法、所定の表面形状を有した金型に樹脂を流しこみ、硬化させることにより作製する方法、所定の表面形状を有したプレス板で樹脂をプレスし作製する方法、フォトリソグラフィを用いて作製する方法、印刷手法を用いて作製する方法、炭酸ガスレーザーなどを用いたレーザー光による作製方法などが挙げられる。
研磨層の厚みは特に限定されるものではないが、通常0.8〜4mm程度であり、1.0〜2.5mmであることが好ましい。前記厚みの研磨層を作製する方法としては、前記微細発泡体のブロックをバンドソー方式やカンナ方式のスライサーを用いて所定厚みにする方法、所定厚みのキャビティーを持った金型に樹脂を流し込み硬化させる方法、及びコーティング技術やシート成形技術を用いた方法などが挙げられる。
また、前記研磨層の厚みバラツキは100μm以下であることが好ましい。厚みバラツキが100μmを越えるものは、研磨層に大きなうねりを持ったものとなり、研磨対象物に対する接触状態が異なる部分ができ、研磨特性に悪影響を与える。また、研磨層の厚みバラツキを解消するため、一般的には、研磨初期に研磨層表面をダイヤモンド砥粒を電着、融着させたドレッサーを用いてドレッシングするが、上記範囲を超えたものは、ドレッシング時間が長くなり、生産効率を低下させるものとなる。
研磨層の厚みのバラツキを抑える方法としては、所定厚みにスライスした研磨シート表面をバフィングする方法が挙げられる。また、バフィングする際には、粒度などが異なる研磨材で段階的に行うことが好ましい。
本発明の研磨パッドは、前記研磨層とクッションシートとを貼り合わせたものであってもよい。
前記クッションシート(クッション層)は、研磨層の特性を補うものである。クッションシートは、CMPにおいて、トレードオフの関係にあるプラナリティとユニフォーミティの両者を両立させるために必要なものである。プラナリティとは、パターン形成時に発生する微小凹凸のある研磨対象物を研磨した時のパターン部の平坦性をいい、ユニフォーミティとは、研磨対象物全体の均一性をいう。研磨層の特性によって、プラナリティを改善し、クッションシートの特性によってユニフォーミティを改善する。本発明の研磨パッドにおいては、クッションシートは研磨層より柔らかいものを用いることが好ましい。
前記クッションシートとしては、例えば、ポリエステル不織布、ナイロン不織布、アクリル不織布などの繊維不織布やポリウレタンを含浸したポリエステル不織布のような樹脂含浸不織布、ポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォームなどの高分子樹脂発泡体、ブタジエンゴム、イソプレンゴムなどのゴム性樹脂、感光性樹脂などが挙げられる。
研磨層とクッションシートとを貼り合わせる手段としては、例えば、研磨層とクッションシートとを両面テープで挟みプレスする方法が挙げられる。
前記両面テープは、不織布やフィルム等の基材の両面に接着層を設けた一般的な構成を有するものである。クッションシートへのスラリーの浸透等を防ぐことを考慮すると、基材にフィルムを用いることが好ましい。また、接着層の組成としては、例えば、ゴム系接着剤やアクリル系接着剤等が挙げられる。金属イオンの含有量を考慮すると、アクリル系接着剤は、金属イオン含有量が少ないため好ましい。また、研磨層とクッションシートは組成が異なることもあるため、両面テープの各接着層の組成を異なるものとし、各層の接着力を適正化することも可能である。
本発明の研磨パッドは、プラテンと接着する面に両面テープが設けられていてもよい。該両面テープとしては、上述と同様に基材の両面に接着層を設けた一般的な構成を有するものを用いることができる。基材としては、例えば不織布やフィルム等が挙げられる。研磨パッドの使用後のプラテンからの剥離を考慮すれば、基材にフィルムを用いることが好ましい。また、接着層の組成としては、例えば、ゴム系接着剤やアクリル系接着剤等が挙げられる。金属イオンの含有量を考慮すると、アクリル系接着剤は、金属イオン含有量が少ないため好ましい。
半導体デバイスは、前記研磨パッドを用いて半導体ウエハの表面を研磨する工程を経て製造される。半導体ウエハとは、一般にシリコンウエハ上に配線金属及び酸化膜を積層したものである。半導体ウエハの研磨方法、研磨装置は特に制限されず、例えば、図1に示すように研磨パッド(研磨層)1を支持する研磨定盤2と、半導体ウエハ4を支持する支持台(ポリシングヘッド)5とウエハへの均一加圧を行うためのバッキング材と、研磨剤3の供給機構を備えた研磨装置などを用いて行われる。研磨パッド1は、例えば、両面テープで貼り付けることにより、研磨定盤2に装着される。研磨定盤2と支持台5とは、それぞれに支持された研磨パッド1と半導体ウエハ4が対向するように配置され、それぞれに回転軸6、7を備えている。また、支持台5側には、半導体ウエハ4を研磨パッド1に押し付けるための加圧機構が設けてある。研磨に際しては、研磨定盤2と支持台5とを回転させつつ半導体ウエハ4を研磨パッド1に押し付け、スラリーを供給しながら研磨を行う。スラリーの流量、研磨荷重、研磨定盤回転数、及びウエハ回転数は特に制限されず、適宜調整して行う。
これにより半導体ウエハ4の表面の突出した部分が除去されて平坦状に研磨される。その後、ダイシング、ボンディング、パッケージング等することにより半導体デバイスが製造される。半導体デバイスは、演算処理装置やメモリー等に用いられる。
以下、本発明を実施例を上げて説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[測定、評価方法]
(数平均分子量の測定)
数平均分子量は、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィ)にて測定し、標準ポリスチレンにより換算した。
GPC装置:島津製作所製、LC−10A
カラム:Polymer Laboratories社製、(PLgel、5μm、500Å)、(PLgel、5μm、100Å)、及び(PLgel、5μm、50Å)の3つのカラムを連結して使用
流量:1.0ml/min
濃度:1.0g/l
注入量:40μl
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン
(平均気泡径の測定)
作製したポリウレタン樹脂発泡体を厚み1mm以下になるべく薄くカミソリ刃で平行に切り出したものを平均気泡径測定用試料とした。試料をスライドガラス上に固定し、SEM(S−3500N、日立サイエンスシステムズ(株))を用いて100倍で観察した。得られた画像を画像解析ソフト(WinRoof、三谷商事(株))を用いて、任意範囲の全気泡径を測定し、平均気泡径を算出した。
(比重の測定)
JIS Z8807−1976に準拠して行った。作製したポリウレタン樹脂発泡体を4cm×8.5cmの短冊状(厚み:任意)に切り出したものを比重測定用試料とし、温度23℃±2℃、湿度50%±5%の環境で16時間静置した。測定には比重計(ザルトリウス社製)を用い、比重を測定した。
(硬度の測定)
JIS K6253−1997に準拠して行った。作製したポリウレタン樹脂発泡体を2cm×2cm(厚み:任意)の大きさに切り出したものを硬度測定用試料とし、温度23℃±2℃、湿度50%±5%の環境で16時間静置した。測定時には、試料を重ね合わせ、厚み6mm以上とした。硬度計(高分子計器社製、アスカーD型硬度計)を用い、硬度を測定した。
(吸水率の測定)
実施例及び比較例に記載の材料を用いて、無発泡ポリウレタン樹脂ブロックを作製し、該ブロックから厚さ2mm、縦20mm及び横20mmのサンプルを切り出した。該サンプルを20℃の蒸留水に24時間浸漬した。浸漬前後のサンプルの重量から下記式により吸水率(%)を算出した。
吸水率(%)=〔(浸漬後の重量−浸漬前の重量)/浸漬前の重量〕×100
(研磨特性の評価)
研磨装置としてSPP600S(岡本工作機械社製)を用い、作製した研磨パッドを用いて、研磨特性の評価を行った。研磨速度は、8インチのシリコンウエハに熱酸化膜を1μm製膜したものを1枚につき0.5μm研磨し、このときの時間から算出した。酸化膜の膜厚測定には、干渉式膜厚測定装置(大塚電子社製)を用いた。研磨条件としては、スラリーとして、シリカスラリー(SS12 キャボット社製)を研磨中に流量150ml/min添加した。研磨荷重としては350g/cm、研磨定盤回転数35rpm、ウエハ回転数30rpmとした。
研磨速度安定性は、下記式により求めた。平均研磨速度は、上記研磨条件にて研磨を行い、ウエハの研磨開始1枚目から10枚目までの研磨速度を平均した値である。最大研磨速度とは、ウエハの研磨開始1枚目から処理枚数(100枚、300枚、500枚)までの研磨速度の最大値であり、最小研磨速度とは、ウエハの研磨開始1枚目から同処理枚数までの研磨速度の最小値である。
研磨速度安定性(%)=〔(最大研磨速度−最小研磨速度)/平均研磨速度〕×100
また、平坦性の評価は、8インチシリコンウエハに熱酸化膜を0.5μm堆積させた後、L/S(ライン・アンド・スペース)=25μm/5μm及び、L/S=5μm/25μmのパターンニングを行い、さらに酸化膜(TEOS)を1μm堆積させて、初期段差0.5μmのパターン付きウエハを製作した。このウエハを上述研磨条件にて研磨を行って、グローバル段差が2000Å以下になる時の、25μmスペースの底部分の削れ量を測定することで評価した。平坦性は削れ量の値が小さいほど優れていると言える。
(スクラッチの評価)
前記条件で1枚目のウエハを研磨した後に、トプコン社製のウエハ表面検査装置(WM2500)を用いて、ウエハ上に0.2μm以上の条痕がいくつあるかを測定した。
実施例1
反応容器にポリテトラメチレングリコール(三菱化学社製、PTMG−1000、数平均分子量1018)543重量部、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸(日本化成社製、DMBA)16重量部、及びジエチレングリコール(DEG)45重量部を入れ、撹拌しながら減圧脱水を約1時間行った。その後、反応容器内を窒素置換した。そして、反応容器にトルエンジイソシアネート(三井武田ケミカル社製、TDI−80、2,4−体/2,6−体=80/20の混合物)278重量部、及びイソホロンジイソシアネート(degussa社製、IPDI)118重量部を添加した。そして、反応系内の温度を約80℃に保持しつつ約4時間反応させてイソシアネート末端プレポリマーAを合成した。その後、トリエチルアミン11重量部を加えてイソシアネート末端プレポリマーAのカルボキシル基を完全に中和した。
前記プレポリマーA100重量部、及びシリコン系界面活性剤(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製、SH−192)3重量部を混合し、60℃に調整して減圧脱泡した。その後、撹拌翼を用いて回転数900rpmで反応系内に気泡を取り込むように約4分間激しく撹拌を行った。そこへ予め120℃で溶融した4,4’−メチレンビス(o−クロロアニリン)(イハラケミカル社製、イハラキュアミンMT)26重量部を添加した。約1分間撹拌を続けた後に、パン型のオープンモールドへ反応溶液を流し込んだ。この反応溶液の流動性がなくなった時点でオーブン内に入れ、100℃で16時間ポストキュアを行い、ポリウレタン樹脂発泡体ブロックを得た。このポリウレタン樹脂発泡体ブロックをバンドソータイプのスライサー(フェッケン社製)を用いてスライスし、ポリウレタン樹脂発泡体シートを得た。次にこのシートをバフ機(アミテック社製)を使用して、所定厚さになるように表面バフをし、厚み精度を整えたシートとした(シート厚み:1.27mm)。このバフ処理をしたシートを直径61cmの大きさで打ち抜き、溝加工機(テクノ社製)を用いてシート表面に溝幅0.25mm、溝ピッチ1.50mm、溝深さ0.40mmの同心円状の溝加工を行って研磨層を作製した。この研磨層の溝加工面と反対側の面にラミ機を使用して両面テープ(積水化学工業社製、ダブルタックテープ)を貼りつけた。そして、コロナ処理をしたクッションシート(東レ社製、ポリエチレンフォーム、トーレペフ、厚さ0.8mm)の表面をバフ掛け、ラミ機を使用して前記両面テープに貼り合わせた。その後、クッションシートの他面にラミ機を使用して両面テープを貼り合わせて研磨パッドを作製した。
実施例2
PTMG−1000(540重量部)、DMBA(31重量部)、DEG(34重量部)、TDI−80(277重量部)、IPDI(118重量部)、及びトリエチルアミン(22重量部)に変更した以外は実施例1と同様の方法でイソシアネート末端プレポリマーBを合成した。そして、イソシアネート末端プレポリマーBを100重量部用い、イハラキュアミンMTを25重量部用いた以外は実施例1と同様の方法で研磨パッドを作製した。
実施例3
トリエチルアミン11重量部を加えなかった以外は実施例1と同様の方法でイソシアネート末端プレポリマーCを合成した。そして、イソシアネート末端プレポリマーCを100重量部用いた以外は実施例1と同様の方法で研磨パッドを作製した。
実施例4
PTMG−1000(530重量部)、DMBA(31重量部)、DEG(33重量部)、TDI−80(272重量部)、4,4’−ジシクロへキシルメタンジイソシアネート(以下、HMDIと略す、134重量部)、及びトリエチルアミン(21.1重量部)に変更した以外は実施例1と同様の方法でイソシアネート末端プレポリマーDを合成した。そして、イソシアネート末端プレポリマーDを100重量部用い、イハラキュアミンMTを25重量部用いた以外は実施例1と同様の方法で研磨パッドを作製した。
実施例5
PTMG−1000(542重量部)、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸(11重量部)、DEG(51重量部)、TDI−80(278重量部)、及びIPDI(118重量部)に変更した以外は実施例1と同様の方法でイソシアネート末端プレポリマーEを合成した。そして、イソシアネート末端プレポリマーEを100重量部用い、イハラキュアミンMTを25重量部用いた以外は実施例1と同様の方法で研磨パッドを作製した。
比較例1
PTMG−1000(545重量部)、DEG(57重量部)、TDI−80(279重量部)、及びIPDI(119重量部)に変更した以外は実施例1と同様の方法でイソシアネート末端プレポリマーFを合成した。そして、イソシアネート末端プレポリマーFを100重量部用いた以外は実施例1と同様の方法で研磨パッドを作製した。
比較例2
PTMG−1000(528重量部)、DEG(55重量部)、TDI−80(341重量部)、及びHMDI(76重量部)に変更した以外は実施例1と同様の方法でイソシアネート末端プレポリマーGを合成した。そして、イソシアネート末端プレポリマーGを100重量部用い、イハラキュアミンMTを27重量部用いた以外は実施例1と同様の方法で研磨パッドを作製した。
比較例3
PTMG−1000(412重量部)、DEG(40重量部)、TDI−80(237重量部)、及びHMDI(61重量部)に変更した以外は実施例1と同様の方法でイソシアネート末端プレポリマーHを合成した。また、ポリエチレングリコール(第一工業製薬社製、PEG−1000、数平均分子量1000)100重量部、ポリエチレングリコール(第一工業製薬社製、PEG−600、数平均分子量600)32重量部、DEG(15重量部)、及びTDI−80(103重量部)に変更した以外は実施例1と同様の方法でイソシアネート末端プレポリマーIを合成した。そして、イソシアネート末端プレポリマーHを75重量部、イソシアネート末端プレポリマーIを25重量部用い、イハラキュアミンMTを27重量部用いた以外は実施例1と同様の方法で研磨パッドを作製した。
実施例及び比較例にて得られた研磨パッドを使用して研磨試験を行い、研磨特性を評価した。その結果を表1に示す。
Figure 0004859110
表1の結果より、分子側鎖に親水性基を有するポリウレタン樹脂を用いることにより、研磨速度が大きく、長時間連続使用した場合でも研磨速度が低下しにくく、かつ研磨対象物にスクラッチを生じさせ難い研磨パッドが得られることがわかる。
CMP研磨で使用する研磨装置の一例を示す概略構成図
符号の説明
1:研磨パッド(研磨層)
2:研磨定盤
3:研磨剤(スラリー)
4:研磨対象物(半導体ウエハ)
5:支持台(ポリシングヘッド)
6、7:回転軸

Claims (6)

  1. 微細気泡を有するポリウレタン樹脂発泡体からなる研磨層(ポリウレタン樹脂を不織布に含浸させた研磨層を除く)を含む研磨パッドにおいて、前記ポリウレタン樹脂は、1)イソシアネート成分、2)エチレンオキサイド単位(−CH CH O−)を有さない高分子量ポリオール、及び3)カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、又はそれらの塩を有する低分子量ポリオールを原料とする分子側鎖にカルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種の親水性基を有するイソシアネート末端プレポリマーと、鎖延長剤との反応硬化体であることを特徴とする研磨パッド。
  2. 記イソシアネート成分が、芳香族ジイソシアネート及び脂環式ジイソシアネートである請求項1記載の研磨パッド。
  3. 芳香族ジイソシアネートがトルエンジイソシアネートであり、脂環式ジイソシアネートがジシクロヘキシルメタンジイソシアネート及び/又はイソホロンジイソシアネートである請求項記載の研磨パッド。
  4. 鎖延長剤が、芳香族ジアミンである請求項のいずれかに記載の研磨パッド。
  5. ポリウレタン樹脂発泡体は、シリコン系界面活性剤を0.05重量%以上5重量%未満含有する請求項1〜のいずれかに記載の研磨パッド。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載の研磨パッドを用いて半導体ウエハの表面を研磨する工程を含む半導体デバイスの製造方法。
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