JP2008237240A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】演出用記憶手段が取り外すことができたとしても、演出用記憶手段に記憶されているプログラムの解析を困難にして、不正行為を断念させたり、解析に多くの時間を要するようにしたりすることによって、不正行為を抑止できる遊技機を提供する。
【解決手段】演出制御用データとして占められる記憶領域に、演出制御手段の動作状態の検査処理を実行する検査プログラムを配置する。
【選択図】図8

Description

記憶手段に記憶された処理手順に従って、遊技や演出の進行を実行する遊技機に関する。
現在のスロットマシンやパチンコ遊技機等の遊技機には、中央処理装置(以下、CPUと称する。)が搭載され、このCPUの演算処理によって遊技や演出が制御される。CPUは、リードオンリーメモリー(以下、ROMと称する。)等の記憶手段に記憶されたプログラムに従って処理をする。このROMに記憶された内容が、遊技の進行や結果を左右するものであるので、遊技の結果を常に有利なものにするためには、ROMを交換さえすればよい。このような発想に基づいて、ROMを交換するという不正な行為が後を絶たない。
このような現状から、ROMが交換されることを前提として、ROMが交換された後の遊技状態を監視して、ROMが交換されたことを容易に発見するためのものが考案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、ROMの基板への取り付け方や構造に特徴を持たせることによって、ROMを交換しにくくしようとしたものもある(例えば、特許文献2参照)。
特開2006−43223号公報 特開2007−44559号公報
上述したような従来の技術では、ROMが交換されたことを容易に発見したり、ROMの交換を困難にしようとするものではあったが、いずれのものも、一旦、ROMを取り外すことができれば、ROMに記憶されているプログラムを解析することによって、不正なROMを作ることは容易であった。
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、仮に、ROMが取り外すことができたとしても、ROMに記憶されているプログラムやデータの解析を困難にして、不正行為を断念させたり、解析に多くの時間を要するようにしたりすることによって、不正行為を抑止できる遊技機を提供することにある。
以上のような目的を達成するために、本発明においては、演出制御用データとして占められる記憶領域に、演出制御手段の動作状態の検査処理を実行する検査プログラムを配置する。
具体的には、本発明に係る遊技機は、
遊技媒体を用いて遊技が行われる遊技機であって、
前記遊技の進行を制御する遊技制御手段と、
前記遊技の進行に基づいて行われる演出を制御する演出制御手段と、を含み、
前記演出制御手段は、
前記演出を進めるための演出制御用プログラムと、
前記演出制御用プログラムによる処理が実行されたときに読み出され、前記演出の内容に対応したデータが定められた演出制御用データと、が記憶される演出用記憶手段を含み、
前記演出制御用プログラムは、
前記演出用記憶手段に実行可能に配置されると共に、
起動されたときに前記演出制御手段を初期化する初期化処理と、
前記初期化処理を終えた後、少なくとも1回繰り返して前記演出の演出制御処理を含む処理を実行する通常処理と、を含み、
前記演出制御用データとして占められる前記演出用記憶手段の記憶領域には、前記演出制御手段の動作状態の検査処理を実行する検査プログラムが実行可能に配置され、
前記初期化処理は、前記検査処理を実行すべきことを示す検査要求情報を設定する検査要求設定処理を含み、
前記演出制御手段は、前記初期化処理を実行したときに、前記検査要求情報が設定されていた場合には、前記通常処理を実行するときに、前記検査プログラムが記憶されている領域に処理を移して、前記検査処理を実行することを特徴とする。
本発明に係る遊技機は、遊技制御手段と演出制御手段とを含む。遊技制御手段は、遊技の進行を制御する。例えば、遊技制御手段は、いわゆるメイン制御手段にするものが好ましい。演出制御手段は、遊技の進行に基づいて行われる演出を制御する。例えば、この演出制御手段は、いわゆるサブ制御手段にするものが好ましい。また、演出制御手段は、遊技制御手段に電気的に接続され、遊技制御手段から演出制御手段に送信された情報に基づいて遊技の進行に応じた演出を決定するものが好ましい。
演出制御手段は、演出用記憶手段を含む。演出用記憶手段には、演出制御用プログラムと演出制御用データとが記憶される。演出制御用プログラムは、演出を進めるためのプログラムである。演出制御用データは、演出制御用プログラムによる処理が実行されたときに読み出されるデータであって、演出の内容に対応したデータが定められたデータである。例えば、各種の画像や動画を表示することによって演出を行うものの場合には、表示すべき画像の内容に対応した画像データや動画データが、演出制御用データとして演出制御用データに記憶される。また、ランプの点灯や点滅によって演出を行うものの場合には、点灯や点滅のパターンのデータが演出制御用データとして演出制御用データに記憶される。さらに、各種の効果音や音楽などの音声によって演出を行うものの場合には、効果音や音楽などの音声データが演出制御用データとして演出制御用データに記憶される。
上述した演出制御用プログラムは、演出用記憶手段に実行可能に配置される。すなわち、演出制御用プログラムは、演出用記憶手段に単に記憶されているのではなく、例えば、演出制御用プログラムが、演出用記憶手段に実行可能に展開されて記憶されている。このようにすることで、他の記憶領域に実行可能に展開する手間を省くことができるとともに、ランダムアクセスメモリ等の書き込み可能な記憶手段を用いずに済むので、不正なプログラムを実行させにくくすることができる。
また、演出制御用プログラムは、初期化処理と通常処理とを実行することができる。初期化処理は、遊技機が起動されたときに演出制御手段を初期化するための処理である。また、通常処理は、上述した初期化処理を終えた後に実行される処理であって、少なくとも1回繰り返して実行される処理である。この通常処理には、演出の演出制御処理が含まれる。
上述した演出用記憶手段の記憶領域には、演出制御用データとして占められる記憶領域がある。この記憶領域には、検査プログラムが実行可能に配置されている。検査プログラムは、演出制御手段の動作状態の検査処理を実行するためのものである。このように、演出制御用データとして占められる記憶領域に、検査プログラムを配置する構成にすることで、演出用記憶手段の内容が解析されても、検査プログラムが存在していないように判断させたり、検査プログラムの存在や場所を特定しにくくしたりすることができる。
上述した初期化処理は、検査要求情報を設定する検査要求設定処理を含む。この検査要求情報は、検査処理を実行すべきことを示す情報である。このようにすることで、初期化処理を実行する時点では、検査要求情報を設定するだけで、検査処理は実行されないので、演出用記憶手段の内容が解析されても、解析している者に対して、演出用のデータの処理のみで、検査処理は存在していないのではないかと判断させることができる。
演出制御手段は、通常処理を実行するときに、検査要求情報が設定されていた場合のみに、検査プログラムが記憶されている領域に処理を移して検査処理を実行する。すなわち、上述した初期化処理が実行されたときに、検査要求情報が設定された場合に、検査処理を実行し、検査要求情報が設定されていない場合には、検査処理を実行しない。
このように、通常処理が実行されたときに、検査処理が常に実行されるわけではないので、検査処理が存在するか否かの解析を困難にすることができる。また、上述したように、検査処理のための検査プログラムは、演出制御用データとして占められる記憶領域に配置されているので、検査プログラムが存在していないように思わせたり、検査プログラムが存在や場所を特定しにくくしたりすることができる。
また、本発明に係る遊技機は、
前記検査処理が、前記演出用記憶手段に記憶されている内容が、所定のものと一致するか否かを判断するものが好ましい。
このようにすることで、演出用記憶手段が正規のものであるか否かを容易に判断することができる。
さらに、本発明に係る遊技機は、
前記通常処理は、第1通常処理と第2通常処理とを含み、
前記第1通常処理は、前記検査要求情報が設定されていたときに、前記検査処理を実行し、
前記第2通常処理は、前記検査要求情報が設定されていないときに、前記演出制御処理を実行するものが好ましい。
上述した通常処理を、第1通常処理と第2通常処理とに分離し、第1通常処理によって検査処理が実行され、第2通常処理によって演出制御処理が実行される。このようにすることで、演出制御処理に検査処理を紛れ込ませることができ、検査処理が存在することの発見を困難にすることができる。
さらにまた、本発明に係る遊技機は、
前記第1通常処理は、少なくとも1つのサブルーチンを含み、
前記演出制御用データとして占められる前記演出用記憶手段の記憶領域には、前記少なくとも1つのサブルーチンが実行可能に配置され、
前記検査処理は、前記少なくとも1つのサブルーチンによる処理が実行された後に実行され、
前記少なくとも1つのサブルーチンには、次に実行されるサブルーチンによる処理又は前記検査処理を実行するための間接ジャンプ命令が少なくとも1つ含まれているものが好ましい。
「少なくとも1つのサブルーチン」が1つのときには、直ちに、検査プログラムが実行され、「少なくとも1つのサブルーチン」が2つ以上のときには、次のサブルーチンが実行される。
このようにすることで、検査処理は、サブルーチンによる処理を少なくとも1つ介して実行され、検査処理の実行は、少なくとも1つの間接ジャンプ命令によって行われるので、検査処理のプログラムが演出用記憶手段に配置されている位置を特定することを困難にすることができる。
演出用記憶手段が取り外すことができたとしても、演出用記憶手段に記憶されているプログラムの解析を困難にして、不正行為を断念させたり、解析に多くの時間を要するようにしたりすることによって、不正行為を抑止できる。
以下に、本発明の実施例について図面に基づいて説明する。以下に示す実施例では、遊技機としてスロットマシンの場合を示したが、パチンコ遊技やアレンジボール遊技機等の他の遊技であってもよい。
<<スロットマシン10の構成>>
図1は、本実施形態に係るスロットマシン10の前面を示す正面図である。また、図2は、スロットマシン10の内部構造を示す図である。
図1及び図2に示すように、スロットマシン10は、箱形形状の基体部20と、前面扉40とを含む。前面扉40は、基体部20の左側側部で枢支されて、基体部20の前面側で開閉可能に設けられている。図1は、前面扉40を基体部20に対して閉じた状態を示し、図2は、前面扉40を基体部20に対して略180度開放した状態を示す。
<前面扉40の前面>
前面扉40は、閉じられたときに基体部20の前面を覆うように、基体部20に開閉可能に取り付けられている。図1に示すように、前面扉40の前面には、主に、操作に関する部材と、表示に関する部材とが設けられている。また、前面扉40の背面には、主に、制御用の回路基板が設けられている。
<操作に関する部材>
図1に示すように、前面扉40の前面側(遊技者側)の略中央には、水平方向に伸長する操作パネル41が設けられている。操作パネル41の前面側には、スタートスイッチ42や、3つのストップスイッチ44a、44b及び44cが設けられている。操作パネル41の上面側には、1ベットスイッチ62、2ベットスイッチ64及び最大ベットスイッチ66や、メダル投入口46が設けられている。前面扉40の下部には、単位遊技の結果に基づいて払い出されたメダルを受けるための受け皿48も設けられている。なお、本明細書においては、後述する3つのリールに付された図柄の表示の態様によって進行が定まる遊技を単位遊技と称する。この単位遊技については、後で詳述する。
スタートスイッチ42や、3つのストップスイッチ44a、44b及び44cは、単位遊技を進めるために遊技者によって操作されるスイッチである。スタートスイッチ42を遊技者が操作することによって、後述する3つのリール30L、30C及び30Rの回転が開始される。また、3つのストップスイッチ44a、44b及び44cを遊技者が操作することによって、操作されたストップスイッチに対応するリール30L〜30Rが停止される。
なお、1ベットスイッチ62、2ベットスイッチ64及び最大ベットスイッチ66の機能については後述する。
<リール表示窓51とリール30L,30C,30R>
図1及び図2に示すように、前面扉40には、前面枠50が形成されている。前面枠50の略中央部には、リール表示窓51が形成されている。図2に示すように、3つのリール30L〜30Rは、リールユニット28内に回転可能に収容されている。リールユニット28は、前面29が開放されており、後述するように、遊技者はリールユニット28の前面29に位置した図柄の種類を視認することができる。リールユニット28は、基体部20に固定された支持板26によって支持されている。前面扉40が閉じられたときには、リール表示窓51は、リールユニット28の前面29の前方に位置する。リール表示窓51は、透明な部材で覆われており、前面扉40が閉じられたときには、遊技者は、リール表示窓51を介して3つのリール30L〜30Rに描かれている図柄の種類を視認することができる。
3つのリール30L〜30Rの各々には複数の種類の図柄が付されている。図柄の種類は、例えば、数字の「赤7」や、果物の「チェリー」等の遊技者が識別できるものである。また、後述するように、3つのリール30L〜30Rが停止したときには、リール表示窓51において、9個の図柄が視認可能に停止表示される。
<リール30L,30C,30Rとストップスイッチ44a,44b,44c>
左リール30Lは、左側のストップスイッチ44aに対応する。遊技者が、左側のストップスイッチ44aを操作したときには左リール30Lが停止する。中リール30Cは、中央のストップスイッチ44bに対応する。遊技者が、中央のストップスイッチ44bを操作したときには中リール30Cが停止する。右リール30Rは、右側のストップスイッチ44cに対応する。遊技者が、右側のストップスイッチ44cを操作したときには右リール30Rが停止する。
<リール表示窓51と入賞ラインL1〜L5>
上述したように、リール表示窓51は透明な部材で覆われている。図1に示すように、リール表示窓51には、5本の入賞ラインL1〜L5が描かれている。このようにすることで、遊技者は、リール表示窓51を介して図柄の種類を視認することができると共に、リール表示窓51上の5本の入賞ラインL1〜L5をも視認することができる。
入賞ラインL1は、水平方向に延びる中段の直線であり、入賞ラインL2は、水平方向に延びる上段の直線であり、入賞ラインL3は、水平方向に延びる下段の直線である。また、入賞ラインL4は、左上から右下へ向かって延びる直線であり、入賞ラインL5は、左下から右上へ向かって延びる直線である。本明細書では、入賞ラインL1の位置を中段と称し、入賞ラインL2の位置を上段と称し、入賞ラインL3の位置を下段と称する場合もある。
なお、図1に示した例では、5本の入賞ラインL1〜L5が、リール表示窓51上に描かれているものを示したが、遊技者に入賞ラインが明確であれば、リール表示窓51上に入賞ラインが描かれていなくてもよい。
<ベットスイッチ62,64及び66と入賞ラインL1〜L5>
上述した操作パネル41のメダル投入口46に規定枚数以上のメダルが投入されると、メダルカウンタ(図示せず)により投入されたメダルの枚数が計数され、その枚数はクレジット数として記憶される。上述した1ベットスイッチ62は、記憶されたクレジット数のうちの1枚のメダルを遊技の賭けの対象とするためのスイッチである。また、2ベットスイッチ64は、クレジット数のうちの2枚のメダルを遊技の賭けの対象とするためのスイッチであり、最大ベットスイッチ66は、クレジット数のうちの3枚のメダルを遊技の賭けの対象とするためのスイッチである。
上述したように、リール表示窓51には5本の入賞ラインL1〜L5が描かれている。1ベットスイッチ62を遊技者が操作したときには、5本の入賞ラインのうちの1本、例えば入賞ラインL1が有効化される。2ベットスイッチ64を操作したときには、5本の入賞ラインのうちの3本、例えば入賞ラインL1、L2及びL3が有効化される。最大ベットスイッチ66を操作したときには、5本の入賞ラインの全て、すなわち、L1、L2、L3、L4及びL5が有効化される。このように3つのベットスイッチ62,64及び66は、遊技の賭けの対象となるメダルの枚数を定めると共に、入賞ラインL1〜L5を有効化する遊技媒体数設定手段として機能する。
<有効ライン>
上述したように、3つのベットスイッチ62,64及び66は、遊技者が操作することにより、入賞ラインL1〜L5を有効化する遊技媒体数設定手段として機能する。1ベットスイッチ62を遊技者が操作したときには、入賞ラインL1が有効化され、2ベットスイッチ64を操作したときには、入賞ラインL1、L2及びL3が有効化され、最大ベットスイッチ66を操作したときには、入賞ラインL1〜L5の全てが有効化される。上述したように、有効化された入賞ラインを有効ラインと称する。
有効ライン上に停止した図柄の並びが、入賞したか否かの判断の対象となる。例えば、上述した有効ラインL1上に「赤7」−「赤7」−「赤7」の並びが揃ったときには、ビッグボーナスという役に入賞したと判断される。なお、役の種類については、後述する。また、有効ラインL1上に役を構成しない図柄の並びが停止したときには、入賞しなかったと判断される。これに対して、入賞ラインであっても、その入賞ラインが有効化されていないときには、その入賞ライン上に「赤7」−「赤7」−「赤7」の並びが揃った場合であっても、その入賞ラインは入賞したか否かの判断の対象とはされない。
<画像表示装置34>
前面扉40の上部には、画像表示装置34が設けられている。画像表示装置34には、演出画像が表示される。演出画像は、遊技が進行するに従って表示される画像であり、主に、その遊技に関する各種の情報が含まれた画像である。例えば、一の単位遊技においては、後述する役抽選手段120によって抽選処理が行われる。この抽選処理の抽選結果に基づいてその抽選結果を示唆する演出画像が画像表示装置34に表示される。
スロットマシン10で行われる単位遊技は、単一の行程の遊技が繰り返され得る遊技である。この単一の行程の遊技を単位遊技と称する。なお、単位遊技については、後で詳述する。
画像表示装置34に表示される演出画像には、各種の情報を文字の態様で表示するものと、文字以外の図画の態様で表示するものとがある。文字の態様で表示される情報は、主として、直接的に各種の情報を遊技者に視認させるために用いられる。この場合には、数値、アルファベット、平仮名、カタカナ、漢字等の人間の意思・感情の伝達手段としての言葉を視覚的に表した記号が文字として使用される。また、図画の態様で表示される情報は、主として、間接的に各種の情報を遊技者に視認させるために用いられる。この場合には、人物や動物等の生き物やロボット等の擬似生命体等を示すキャラクタの画像や、その他の機械類や建築物や風景等を示す画像が含まれる。
<スピーカ36>
スピーカ36は、図1に示すように、上述した画像表示装置34の左右の両側に設けられている。スピーカ36によって、音声による演出が遊技の進行に応じて行われる。後述するサブ制御基板52において所定の条件を満たしたときに、その条件に応じた音声がスピーカ36から発せられる。例えば、後述する役抽選手段120によって行われる抽選処理の抽選結果に基づいて、その抽選結果を示唆する効果音や音楽等がスピーカ36から発せられる。
<ランプ38>
ランプ38は、図1に示すように、前面扉40の上部に設けられている。ランプ38によって、光による演出が遊技の進行に応じて行われる。後述するサブ制御基板52において所定の条件を満たしたときに、その条件に応じてランプ38の点灯や点滅が行われる。例えば、後述する役抽選手段120によって行われる抽選処理の抽選結果に基づいて、その抽選結果を示唆するように、ランプ38は、その役の種類に応じて所定の色で点灯したり所定のパターンで点滅したりする。
なお、光による演出は、上述したランプ38のみならず、3つのリール30L,30C,30Rの内側に配置されたバックランプ(図示せず)等によるものもある。
<基体部20>
図2に示す基体部20は、木材等によって組み立てられて、前面が開口された箱形に形成されている。基体部20の内部の下部には、スロットマシン10に搭載された種々の装置に電源を供給する電源ユニット22や、メダルを貯留しておくホッパーを含むメダル払出し装置24が設けられている。また、これらの電源ユニット22及びメダル払出し装置24の上方には、支持板26が設けられている。この支持板26によって、リール30L、30C及び30Rを回転可能に収容するリールユニット28が支持されている。さらに、基体部20の内部の上部には、スロットマシン10で行われる遊技を全体的に制御するメイン制御基板32が設けられている。
<メイン制御基板32>
メイン制御基板32は、3つのリール30L、30C及び30Rの回転の開始及び停止制御をすると共に、スロットマシン10で行われる遊技の進行等の遊技全体を制御するための制御基板である。
このメイン制御基板32は、演算等を行うCPU(中央処理装置)(図示せず)、遊技プログラムを記憶したROM(リードオンリーメモリー)(図示せず)、及び各データを一時的に記憶するRAM(ランダムアクセスメモリー)(図示せず)等を含む。
例えば、ROMは、後述する図4に示すフローチャートを実行するためのプログラムを記憶する。また、RAMは、このプログラムで用いられる変数の値を記憶する。これらのCPU、ROM及びRAMは、入出力バスによって電気的に接続されており、データ信号やアドレス信号が入出力できるようになされている。
また、メイン制御基板32は、上述したベットスイッチ62,64及び66と電気的に接続されている。ベットスイッチ62,64及び66を遊技者が操作したときには、ベット指示信号がベットスイッチ62,64及び66の各々からメイン制御基板32へ発せられる。
さらに、メイン制御基板32は、上述したスタートスイッチ42や、3つのストップスイッチ44a、44b及び44cと電気的に接続されている。スタートスイッチ42や、3つのストップスイッチ44a、44b及び44cを遊技者が操作したときには、操作信号がスタートスイッチ42や、3つのストップスイッチ44a、44b及び44cからメイン制御基板32へ発せられる。スタートスイッチ42から信号がメイン制御基板32に発せられたときには、メイン制御基板32は、3つのリール30L、30C及び30Rの回転制御をする。また、ストップスイッチ44a、44b又は44cから信号がメイン制御基板32に発せられたときには、メイン制御基板32は、3つのリール30L、30C及び30Rのうち、操作されたストップスイッチに対応したリールの停止制御をする。
<サブ制御基板52>
サブ制御基板52は、図2に示すように、前面扉40の背面の上部に配置されている。サブ制御基板52は、主に、遊技中における演出を制御する基板である。例えば、画像表示装置34に演出画像を表示したり、スピーカ36から効果音や音楽を発したり、ランプ38の点灯や点滅をしたりする制御を行う。サブ制御基板52には、演算等を行うCPU(図示せず)、演出プログラム及び演出データを記憶したROM(図示せず)、及び各データを一時的に記憶するRAM(図示せず)等を含む。
例えば、ROMは、図5〜図8に示す演出を制御するための演出制御プログラムや、サブ制御基板52の動作状態の検査処理を実行する検査プログラムや、演出のための画像データや音声データを記憶する。また、RAMは、上述した演出制御プログラムで用いる変数の値を記憶する。これらのCPU、ROM及びRAMは、入出力バスによって電気的に接続されており、データ信号やアドレス信号が入出力できるようになされている。
サブ制御基板52は、メイン制御基板32に、図示しないハーネスにより電気的に接続されている。メイン制御基板32は、サブ制御基板52に対して命令や情報等を送信する。上述したメイン制御基板32は、遊技全体を統括的に制御するのに対して、サブ制御基板52は、メイン制御基板32の下位に属し、メイン制御基板32から送られた命令や情報等に基づいて、演出の全体を制御する。
<スロットマシン10における単位遊技>
3つのリール30L、30C及び30Rが停止したときには、入賞ラインL1〜L5上に、図柄が位置する。スロットマシン10における単位遊技は、有効化された入賞ライン上に位置した図柄の並びによって、遊技の結果が定まる遊技である。このため、遊技者は、回転しているリール30L、30C及び30R上の図柄を目視し、所定の役を構成する図柄の並びが、有効化された入賞ライン上に揃うように、最適と判断したタイミングで、3つのストップスイッチ44a、44b及び44cを操作して、リール30L、30C又は30Rを停止させる。
役は、後述するように、複数の種類のものが予め定められている。後述する役抽選手段120の役抽選処理によって、少なくとも1つの種類の役が定められる。このように、少なくとも1つの種類の役が定められることを、「当り」と称する。また、役抽選処理によっては、いずれの種類の役も定められない場合もあり、この場合を「外れ」と称する。
また、スロットマシン10で行われる単位遊技は、単一の行程の遊技が繰り返され得る遊技である。この単一の行程の遊技を単位遊技と称する。単位遊技は、遊技者によってスタートスイッチ42が操作されたことに基づいて開始され、3つのストップスイッチ44a、44b及び44cが操作されたことに基づいて終了する。遊技者の観点から見た場合には、単位遊技は、スタートスイッチ42を操作して3つのリール30L,30C及び30Rが回転し始めてから、3つのリール30L,30C及び30Rの全てが停止するまでの単一の行程の遊技である。このように、単位遊技は、遊技者がスタートスイッチ42を操作する毎に開始される。なお、本明細書では、単位遊技と表現した場合には、単位遊技が繰り返される遊技を意味する場合と、1つの単位遊技を意味する場合との、双方の場合がある。
上述したように、単位遊技は、遊技者がスタートスイッチ42を操作することに基づいて開始される。この単位遊技の開始の時点は、より詳細には、遊技者がスタートスイッチ42を操作することによって、スタートスイッチ42から始動信号が発せられ、スタートスイッチ42から発せられた始動信号をメイン制御基板32が検出したときとするのが好ましい。また、この単位遊技の開始の時点を、3つのリール30L、30C及び30Rが回転し始めたことを視認できたときとしてもよい。
また、上述したように、単位遊技は、3つのストップスイッチ44a、44b及び44cを操作することによって終了する。この単位遊技の終了の時点は、より詳細には、遊技者が3つのストップスイッチ44a、44b及び44cを操作することによって3つのリール30L、30C及び30Rが停止して、メイン制御基板32において、入賞処理等の終了処理を終えたときとするのが好ましい。また、単位遊技の終了の時点を、3つのリール30L、30C及び30Rが停止したことをメイン制御基板32が検出したときとしてもよい。さらに、単位遊技の終了の時点を、3つのリール30L、30C及び30Rが停止したことを視認できたときとしてもよい。
上述した役の種類には、例えば、小役や、再遊技役や、特別役等の種類がある。
小役は、予め定めた枚数のメダルの払い出しを行う役である。小役には、さらに、複数の種類の役がある。小役は、3つのリール30L、30C又は30Rに付された図柄の種類を用いて役の名称とする場合が多い。例えば、図柄の種類には、「スイカ」、「ベル」、「チェリー」等がある。このため、有効ライン上に図柄「スイカ」が揃う小役をスイカ役と称し、有効ライン上に図柄「ベル」が揃う小役をベル役と称する。また、左リール30Lの図柄「チェリー」が有効ライン上に停止表示されたときには、中リール30C及び右リール30Rの図柄の種類に拘らず入賞したとする。この役をチェリー役と称する。
再遊技役は、現在行われた単位遊技における賭数(ベット枚数)を維持したまま、更なる所定の枚数のメダルを賭けの対象とすることなく、再び単位遊技を行えるようにした役である。なお、本明細書では、再遊技役を、リプレイ役又はRP役とも称し、また、再遊技役に当選したときに行われる単位遊技を再遊技(リプレイ又はRPとも称する。)と称する。
特別役は、単位遊技の遊技状態を通常一般遊技状態から特別遊技状態(遊技者にとって有利な遊技)に移行させることができる役である。この特別役には、例えば、シングルボーナス(以下、SB役と称する。)や、レギュラーボーナス役(以下、RB役と称する。)や、第1種ビッグボーナス役(以下、第1種BB役と称する。)や、チャレンジボーナス役(以下、CB役と称する。)や、第2種ビッグボーナス役(以下、第2種BB役と称する。)がある。また、特別遊技状態には、後述するように、シングルボーナス遊技状態や、レギュラーボーナス遊技状態や、第1種ビッグボーナス遊技状態や、チャレンジボーナス遊技状態や、第2種ビッグボーナス遊技状態がある。
SB役は、単位遊技の遊技状態をシングルボーナス遊技状態(普通役物)(以下、SB遊技状態と称する。)に移行させるための役である。SB役に対応した図柄の並びが有効ラインに揃ったときに、単位遊技の遊技状態をSB遊技状態に移行させる。SB遊技状態に移行させるときには、メダルの払い出しはない。SB遊技状態における単位遊技は、所定の役が高確率で当選する遊技であり、1回の単位遊技で終了する。
RB役は、単位遊技の遊技状態をレギュラーボーナス遊技状態(第1種特別役物)(以下、RB遊技状態と称する。)に移行させるための役である。RB役に対応した図柄の並びが有効ラインに揃ったときに、単位遊技の遊技状態をRB遊技状態に移行させる。RB遊技状態に移行させるときには、メダルの払い出しはない。RB遊技状態における単位遊技は、所定の役が高確率で当選する遊技である。RB遊技状態は、単位遊技の回数が、所定回数(例えば、12回)を超えたとき、また、所定役が所定回数(例えば、8回)入賞したときに終了する。
第1種BB役は、単位遊技の遊技状態を第1種ビッグボーナス遊技状態(第1種特別役物に係る役物連続作動装置)(以下、第1種BB遊技状態と称する。)に移行させるための役である。第1種BB役に対応した図柄の並びが有効ラインに揃ったときに、単位遊技の遊技状態を第1種BB遊技状態に移行させる。第1種BB遊技状態に移行させるときには、メダルの払い出しはない。第1種BB遊技状態は、上述したRB遊技状態の遊技状態からなり、このRB遊技状態で少なくとも1回の単位遊技を行うことができる。また、1回の第1種BB遊技状態では、複数回のRB遊技状態を繰り返すことが可能な遊技状態である。第1種BB遊技状態は、第1種BB遊技状態で払い出したメダルの枚数が、所定枚数(例えば、300枚など)に達したときに終了する。
CB役は、単位遊技の遊技状態をチャレンジボーナス遊技状態(第2種特別役物)(以下、CB遊技状態と称する。)に移行させるための役である。CB役に対応した図柄の並びが有効ラインに揃ったときに、単位遊技の遊技状態をCB遊技状態に移行させる。CB遊技状態に移行させるときには、メダルの払い出しはない。遊技状態がCB遊技状態となったときには、3つのリール30L、30C及び30Rのうちの一定のリールの停止制御を変更することができる。具体的には、その一定のリールに対応したストップスイッチが遊技者によって操作されたときを基準にして75ミリ秒以内(通常は、190ミリ秒)に、そのリールを停止させるように制御する。さらに、遊技状態がCB遊技状態となったときには、所定の小役については、後述する役抽選手段120による抽選処理の結果に拘らず、所定の小役に対応した図柄の並びを有効ラインに揃えることができる。CB遊技状態は、1回の単位遊技を行うことで終了する。
第2種BB役は、単位遊技の遊技状態を第2種ビッグボーナス遊技状態(第2種特別役物に係る役物連続作動装置)(以下、第2種BB遊技状態と称する。)に移行させるための役である。第2種BB役に対応した図柄の並びが有効ラインに揃ったときに、単位遊技の遊技状態を第2種BB遊技状態に移行させる。第2種BB遊技状態に移行させるときには、メダルの払い出しはない。第2種BB遊技状態は、上述したCB役が高確率で当選するCB高確率当選状態と、上述したCB遊技状態と、の2つの遊技状態からなり、その各々で単位遊技を行うことができる。また、遊技状態がCB高確率当選状態からCB遊技状態へ移行したときには、その後、CB遊技状態からCB高確率当選状態へ再び戻すことができる。第2種BB遊技状態は、第2種BB遊技状態で払い出したメダルの枚数が、所定枚数(例えば、286枚など)に達したときに終了する。また、遊技状態が第2種BB遊技状態であるときに、上述したSB役やRB役を、役抽選手段120の抽選処理によって当選できるようにした場合には、SB役やRB役に当選したときに、第2種BB遊技状態は終了する。
さらに、上述した遊技状態のほかに、再遊技高確率遊技状態もある。この再遊技高確率遊技状態は、上述した再遊技役に当選しやすいように定められた遊技状態、すなわち、再遊技役の当選確率を高くして役抽選処理を行う遊技状態である。なお、この再遊技高確率遊技状態は、上述した通常一般遊技状態や特別遊技状態のような独立した遊技状態ではなく、これらの遊技状態に重畳することができる遊技状態である。すなわち、通常一般遊技状態でありかつ再遊技高確率遊技状態である遊技状態や、特別遊技状態でありかつ再遊技高確率遊技状態である遊技状態にすることができる。
<<スロットマシン10の機能>>
図3は、スロットマシン10における主要な制御機能の概略を示す機能ブロック図である。図3に示すように、スロットマシン10は、主に、操作手段500と、遊技媒体数設定手段600と、メイン制御手段100と、図柄表示手段400と、サブ制御手段200と、演出手段300とを含む。
<操作手段500>
操作手段500は、遊技者によって操作されるもので、操作されたことを示す信号を後述するメイン制御手段100に遊技者の操作に基づいて発する。操作手段500は、スタートスイッチ42と、ストップスイッチ44a〜44cと、を含むものが好ましい。スタートスイッチ42は、遊技者によって操作されたときに、操作されたことを示す信号を後述するメイン制御手段100に発する。また、ストップスイッチ44a〜44cの各々も、遊技者によって操作されたときに、操作されたことを示す信号をメイン制御手段100に発する。
上述したように、スタートスイッチ42からメイン制御手段100に発せられた信号によって、3つのリール30L、30C及び30Rの回転が始まり、上述した単位遊技の開始の契機が定められる。このスタートスイッチ42からメイン制御手段100に発せられる信号を始動信号と称する。
また、ストップスイッチ44a〜44cの各々からメイン制御手段100に発せられた信号によって、3つのリール30L、30C及び30Rのうち対応したリールが停止する。3つのストップスイッチ44a〜44cの全てが操作されて、3つのリール30L、30C及び30Rの全てが停止したことに基づいて、単位遊技の終了の契機が定められる。このストップスイッチ44a〜44cの各々からメイン制御手段100に発せられる信号を停止信号と称する。このように、上述した始動信号が発せられたことに基づいて単位遊技が開始され、最後に停止させるリールに対応したすトップスイッチから停止信号が発せられたことに基づいて単位遊技が終了する。
<遊技媒体数設定手段600>
遊技媒体数設定手段600も、操作手段500と同様に、遊技者によって操作されるもので、遊技者の操作に基づいて操作された旨の信号を後述するメイン制御手段100に発する。操作手段500からメイン制御手段100へ発せられた信号に基づいて、複数の入賞ラインL1〜L5のうちのいずれのものを有効化するかが定められる。
遊技媒体数設定手段600も、遊技者によって操作されるものであればよい。遊技媒体数設定手段600は、好ましくは、上述した1ベットスイッチ62、2ベットスイッチ64及び最大ベットスイッチ66からなる。
1ベットスイッチ62、2ベットスイッチ64又は最大ベットスイッチ66からメイン制御手段100へ発せられた信号によって、遊技の賭けの対象とするメダルの枚数が定められる。例えば、1ベットスイッチ62からメイン制御手段100へ発せられた信号によって、1枚のメダルを遊技の賭けの対象とし、2ベットスイッチ64からメイン制御手段100へ発せられた信号によって、2枚のメダルを遊技の賭けの対象とし、最大ベットスイッチ66からメイン制御手段100へ発せられた信号によって、3枚のメダルを遊技の賭けの対象とする。
<メイン制御手段100(遊技制御手段)>
メイン制御手段100には、上述した操作手段500や遊技媒体数設定手段600や図柄表示手段400のほか、サブ制御手段200が電気的に接続されている。メイン制御手段100は、遊技の進行等の遊技全体を制御する。このメイン制御手段100は、上述したメイン制御基板32からなるのが好ましい。
上述したように、メイン制御手段100には操作手段500が電気的に接続されている。操作手段500のスタートスイッチ42からは、メイン制御手段100に始動信号が発せられる。これにより、スタートスイッチ42が遊技者によって操作されたことを検出することができる。操作手段500のストップスイッチ44a〜44cの各々からは、メイン制御手段100に停止信号が発せられる。これにより、ストップスイッチ44a〜44cの各々から発せられた停止信号の順番やタイミングを検出することができる。
また、メイン制御手段100には遊技媒体数設定手段600が電気的に接続されている。遊技媒体数設定手段600の1ベットスイッチ62、2ベットスイッチ64及び最大ベットスイッチ66の各々からは、メイン制御手段100にベット信号が発せられる。発せられたベット信号を検出することによって、賭けの対象とするメダルの枚数や、有効ラインの設定の制御をする。
メイン制御手段100は、役抽選手段120と、リール駆動制御手段130と、図柄検出手段150とを含む。
<役抽選手段120(役抽選手段)>
役抽選手段120は、予め定められている種類の役の抽選を行う。役には、上述したように、例えば、小役や、再遊技役や、特別役等の種類がある。このように、役抽選手段120の役抽選処理によって、少なくとも1つの種類の役が定められることを、「当り」と称し、いずれの種類の役も定められないことを、「外れ」と称する。
役抽選手段120は、例えば、乱数発生手段122と、乱数抽出手段124と、乱数判定手段126とを含む。乱数発生手段122は、役抽選処理用の乱数(ハードウェア乱数等)を発生させる。乱数抽出手段124は、乱数発生手段122によって発せられた乱数を抽出する。乱数判定手段126は、乱数抽出手段124が抽出した乱数値に基づいて、役の当選の有無及び当選役を判定する。この役抽選手段120によって、「役抽選手段」が構成され、「役抽選処理」が行われる。
「役抽選処理」は、遊技についての「当り」又は「外れ」を定める抽選処理である。具体的には、後述する図4のステップS13において実行される。
<乱数発生手段122>
乱数発生手段122は、所定の正の整数の範囲(例えば10進法で0〜65535)の乱数を、所定のタイミング毎に継続的に発生させる。
<乱数抽出手段124>
乱数抽出手段124は、乱数発生手段122によって発生させた乱数を、所定のタイミングで抽出する。例えば、本実施の形態では遊技者によってスタートスイッチ42が操作されたときに乱数を抽出する。
<乱数判定手段126>
乱数判定手段126は、乱数抽出手段124によって抽出された乱数値を、後述する確率テーブル記憶手段128に記憶された抽選確率テーブル(確率テーブル)と照合することにより、その乱数値が属する領域に対応する役を決定する。
<リール駆動制御手段130>
リール駆動制御手段130は、上述したスタートスイッチ42から発せられた始動信号や、ストップスイッチ44a〜44cから発せられた停止信号に基づいて、3つのリール30L〜30Rの回転制御と停止制御とを行う。リール駆動制御手段130は、リール回転制御手段132とリール停止制御手段134とからなる。
<リール回転制御手段132>
リール回転制御手段132は、上述した操作手段500、好ましくはスタートスイッチ42から発せられた始動信号を検出したときに、モータ86a、86b及び86cに回転制御信号を発する。後述するように、モータ86aは左リール30Lを駆動し、モータ86bは中リール30Cを駆動し、モータ86cは右リール30Rを駆動する。リール回転制御手段132は、始動信号を検出したときには、これらの3つのモータ86a、86b及び86cに回転制御信号を発する。この回転制御信号によって、3つのリール30L〜30Rは、回転を開始する。この処理は、後述する図4のフローチャートに示すステップS15で実行される。
<リール停止制御手段134>
リール停止制御手段134は、ストップスイッチ44a,44b又は44cが遊技者によって操作されたときのタイミングと、上述した役抽選手段120の抽選処理の結果とに基づいて、モータ86a、86b又は86cへ停止制御信号を発して、左リール30L、中リール30C又は右リール30Rの停止制御をする。
上述したように、ストップスイッチ44a,44b又は44cが遊技者によって操作されたときには、ストップスイッチ44a,44b又は44cから停止信号が発せられる。リール停止制御手段134は、このストップスイッチ44a,44b又は44cから発せられた停止信号を検出する。
リール停止制御手段134は、ストップスイッチ44a,44b又は44cから発せられた停止信号を検出したときには、後述する図柄検出手段150によって定められた候補図柄を図柄検出手段150から得る。この候補図柄は、後述するように、リール30L、30C又は30Rが停止したときに、回転基準位置に位置させることができるものとして選ばれた少なくとも1つ以上の図柄である。なお、この少なくとも1つ以上の図柄とは、後述する制御コマ数分の図柄である。また、本実施の形態では、回転基準位置は、後述するように、入賞ラインL3とするのが好ましい。
以下では、制御コマ数と、候補図柄とについて説明する。
リール停止制御手段134は、ストップスイッチ44a,44b及び44cが操作されてから、リール30L,30C及び30Rがある程度回転してから停止するように制御する。しかし、リール30L,30C及び30Rが停止するまでの時間を余りに長くした場合には、リール30L,30C及び30Rが停止するまでの態様が不自然なものとなる。このようなことから、ストップスイッチ44a,44b及び44cから発せられた停止信号を検出したときからリールが停止するまでの時間を、原則、190ミリ秒以下に設定している。なお、上述したCB遊技状態で説明したように、遊技状態がCB遊技状態となったときには、3つのリール30L、30C及び30Rのうちの一定のリールについては、その停止制御を変更することができる。その一定のリールに対応したストップスイッチから発せられた停止信号を検出したときを基準にして75ミリ秒以内に、そのリールを停止させるように制御する。
また、リール30L,30C及び30Rが一定の速度で回転しているときには、リール30L,30C及び30Rに付された図柄を遊技者がおおむね識別できるようにする必要もある。このため、リール30L,30C及び30Rが1分間に80回転以上回転しないように、リール30L,30C及び30Rの回転速度が定められている。
なお、一般的なスロットマシンの場合には、リール30L,30C及び30Rの各々に付されている図柄の数は21個である。
このように、ストップスイッチ44a,44b及び44cが操作されてから190ミリ秒以内に、21個の図柄が付されたリール30L,30C及び30Rが停止するように停止制御するという第1の制御条件と、リール30L,30C及び30Rが1分間に80回転以上回転しないように回転制御するという第2の制御条件とから、ストップスイッチ44a,44b及び44cが操作されてからリール30L〜30Rが停止するまでの間に、回転基準位置を最も多く通過できる図柄の数(以下、最大通過図柄数と称する。)は、4個となる。回転基準位置を通過できる図柄の数には、ストップスイッチが操作されたときに回転基準位置を通過している最中の図柄も含まれる。
本明細書では、最大通過図柄数と、リールが停止して回転基準位置に位置した図柄との総和を制御コマ数と称する。上述したように、最大通過図柄数は4個である。また、リールが停止することによって回転基準位置に位置する図柄は、1個である。したがって、本実施の形態では、制御コマ数は5個となる。この制御コマ数分の図柄が、回転基準位置に位置する可能性がある図柄であり、後述する図柄検出手段150によって定められる候補図柄である。
リール停止制御手段134は、ストップスイッチ44a,44b及び44cが操作されたときを基準にして、その後、回転基準位置を通過する図柄の数が、最大通過図柄数以下となるように、リール30L,30C及び30Rの停止制御をする。回転基準位置は、例えば、入賞ラインL3とするのが好ましい。回転基準位置を入賞ラインL3とした場合には、ストップスイッチ44a,44b及び44cが操作された後、入賞ラインL3を通過する図柄の数が、最大通過図柄数以下となるように、リールの停止制御をする。すなわち、上述した例では、リール停止制御手段134は、ストップスイッチ44a,44b及び44cが操作されたときから、入賞ラインL3を通過する図柄の数が4個になるまで、リール30L,30C及び30Rを回転させるようにして、リール30L,30C及び30Rを停止させる制御をする。
なお、基準にする回転基準位置は、本実施の形態では、水平方向に延びる入賞ラインL1〜L3のいずれかにするのが好ましい。また、リール30L,30C及び30Rのうちの1つのリールに着目すれば、ストップスイッチが操作されたときから、そのリールが停止するまでの間に入賞ラインL1〜L3を通過する図柄の数は、いずれの入賞ラインでも同じである。例えば、ストップスイッチ44aが操作されたときからリール30Lが停止するまでの間に、入賞ラインL1〜L3を通過する図柄の数は、いずれの入賞ラインでも同じである。
また、リール停止制御手段134は、上述した役抽選手段120の抽選処理の結果にも基づいて、左リール30L、中リール30C又は右リール30Rの停止制御をする。
例えば、役抽選手段120の抽選処理によって所定の役に当選した場合には、リール停止制御手段134は、当選したその役に対応する図柄の並びが有効化された入賞ライン上に容易に揃うように3つのリール30L,30C及び30Rの停止制御を行う。すなわち、図柄検出手段150によって定められた候補図柄の中に、当選した役に対応した図柄が含まれている場合には、その図柄が、有効化された入賞ライン上に位置するように、3つのリール30L,30C及び30Rの停止制御を行う。このように、当選した所定の役に対応する図柄の並びが有効化された入賞ライン上に揃うようにリールの停止制御を行うことを「引き込み制御」と称する。
一方、役抽選手段120の抽選処理によっていずれの役にも当選しなかった場合、すなわち、外れた場合には、リール停止制御手段134は、いずれかの役に対応する図柄の並びが有効化された入賞ライン上に揃わないように3つのリール30L,30C及び30Rの停止制御を行う。すなわち、図柄検出手段150によって定められた候補図柄を構成する図柄が、有効化された入賞ライン上に位置しても、いずれかの役に対応する図柄の並びとならないように、3つのリール30L,30C及び30Rの停止制御を行う。このように、いずれかの役に対応する図柄の並びが有効化された入賞ライン上に揃わないようにリールの停止制御を行うことを「蹴飛ばし制御」と称する。
これらの処理は、後述する図4に示すフローチャートのステップS18のリール停止制御処理で実行される。
<図柄検出手段150(図柄位置検出手段)>
図柄検出手段150は、リール30L,30C及び30Rが回転しているときには、回転基準位置を通過している最中の図柄や、回転基準位置に位置する可能性がある図柄を検出する。上述したように、回転基準位置に位置する可能性がある図柄とは、候補図柄であり、リール30L,30C及び30Rが停止したときに、回転基準位置に位置する可能性がある図柄である。また、図柄検出手段150は、リール30L,30C及び30Rが停止しているときには、回転基準位置に停止して位置している図柄を検出する。
リール30L,30C及び30Rが回転しているときには、図柄検出手段150は、操作手段500から停止信号が発せられたことに基づいて図柄を検出する。このリール30L,30C及び30Rが回転しているときにおける図柄検出手段150の処理は、以下のように行われる。
遊技者が、操作手段500、例えば、ストップスイッチ44a,44b及び44cを操作することに応じて、ストップスイッチ44a,44b及び44cから停止信号が発せられる。遊技者が、左側のストップスイッチ44aを操作したときには、ストップスイッチ44aから停止信号が発せられ、中央のストップスイッチ44bを操作したときには、ストップスイッチ44bから停止信号が発せられ、右側のストップスイッチ44cを操作したときには、ストップスイッチ44cから停止信号が発せられる。
図柄検出手段150は、ストップスイッチ44a,44b又は44cから発せられた停止信号を検出すると、操作されたストップスイッチに対応したリールの回転角度センサから発せられた信号を検出する。具体的には、左側のストップスイッチ44aには、リール30Lが対応し、ストップスイッチ44aが遊技者によって操作されたときには、リール30Lの回転角度を検出するための回転角度センサ83aから発せられた信号を検出する。また、中央のストップスイッチ44bには、リール30Cが対応し、ストップスイッチ44bが遊技者によって操作されたときには、リール30Cの回転角度を検出するための回転角度センサ83bから発せられた信号を検出する。さらに、右側のストップスイッチ44cには、リール30Rが対応し、ストップスイッチ44cが遊技者によって操作されたときには、リール30Rの回転角度を検出するための回転角度センサ83cから発せられた信号を検出する。後述するように、これらの回転角度センサ83a、83b又は83cから発せられる信号は、リール30L,30C及び30Rの一周分の回転角度に対応したパルスの数を示す信号を発する。回転角度センサ83a、83b又は83cから発せられる信号を検出することで、リール30L,30C及び30Rの回転基準位置からの回転位置を得ることができる。
図柄検出手段150は、図柄番号と、図柄番号に対応した図柄との対応関係を定めた図柄対応テーブル(図示せず)が記憶されている。上述したように、本実施の形態では、リール30L,30C及び30Rの各々には、リールの周方向に沿って21個の図柄が付されている。図柄番号は、リールに付された21個の図柄を特定するために、これらの図柄の各々に付した0番目から20番目の番号である。また、図柄番号と、図柄番号に対応した図柄との対応関係は、例えば、左リール30Lの0番目の図柄は、「プラム」であり、8番目の図柄は、「リプレイ」であり、19番目の図柄は、「ベル」であるような関係であり、図柄対応テーブルには、3つのリール30L,30C及び30R毎に、0番目〜20番目の21個の図柄が記憶されている。
また、図柄検出手段150は、回転角度センサ83a,83b及び83cから発せられた信号が示すパルスの数と、0番目〜20番目の図柄番号とのパルス数−図柄番号対応関係を定めたパルス数−図柄番号対応テーブル(図示せず)も記憶されている。
上述したように、遊技者によってストップスイッチが操作されると、図柄検出手段150は、操作されたストップスイッチに対応した回転角度センサ83a,83b又は83cから発せられた信号を検出する。回転角度センサ83a,83b又は83cから発せられた信号を検出することで、回転角度センサ83a,83b及び83cが計数したパルスの数を得る。次に、上述したパルス数−図柄番号対応関係を参照して、パルスの数から、図柄番号を得ることができる。このようにして得られた図柄番号は、回転基準位置、例えば、入賞ラインL3を通過している最中の図柄の図柄番号を示す。さらに、上述した図柄対応テーブルを参照することによって、図柄番号から図柄を得る。
このようにすることで、図柄検出手段150は、ストップスイッチが操作されたときに、回転基準位置、例えば、入賞ラインL3を通過している最中の図柄を得ることができる。さらに、上述したように、本実施の形態では、制御コマ数は、最大通過図柄数と、リールが停止して回転基準位置に位置した図柄との総和である。回転基準位置を通過している最中の図柄を得た後、さらに、図柄対応テーブルを参照することによって、制御コマ数分の図柄も得ることができる。上述したように、本明細書では、制御コマ数分の図柄を候補図柄と称する。上述したリール停止制御手段134は、図柄検出手段150によって候補図柄を得て、操作されたストップスイッチに対応したリールの停止制御を開始する。図柄検出手段150によって得られた候補図柄は、上述したリール停止制御手段134が引き込み制御や蹴飛ばし制御を行うときに、参照される。
上述したように、図柄検出手段150によって候補図柄を得ることにより、回転基準位置に対する候補図柄の位置を決めることもできる。すなわち、候補図柄に含まれる所定の図柄が、回転基準位置に対して、どの程度離れているのかを定めることができる。
また、図柄検出手段150は、リール30L、30C又は30Rが既に停止しているときに、回転基準位置、例えば、入賞ラインL3に位置している図柄も得る。この処理は、まず、回転角度センサ83a〜83cから発せられた信号が示すパルスの数を記憶するパルス数記憶装置(図示せず)から、リール30L,30C又は30Rのうち、停止しているリールに対応したパルスの数を読み出し、読み出したパルスの数から図柄番号を得て、得られた図柄番号から回転基準位置に位置している図柄を得る。回転基準位置に位置している図柄を得た後、さらに、図柄対応テーブルを参照することによって、回転基準位置以外に位置している他の図柄も得ることができる。例えば、左リール30Lが既に停止しているときには、まず、回転角度センサ83aから発せられた信号を検出して、入賞ラインL3に位置している図柄を得る。さらに、図柄対応テーブルを参照することによって、入賞ラインL1やL2に位置している図柄も得ることができる。
既に停止しているリールの図柄は、上述したリール停止制御手段134が引き込み制御や蹴飛ばし制御を行うときに、参照される。役抽選手段120の抽選処理によって所定の役に当選した場合には、リール停止制御手段134は、既に停止しているリールの図柄と、これから停止しようとするリールの候補図柄とから、当選した役に対応した図柄の並びが、有効化された入賞ライン上に並ぶように、停止しようとしているリールの停止制御を行う。また、役抽選手段120の抽選処理によっていずれの役にも当選しなかった場合には、リール停止制御手段134は、既に停止しているリールの図柄と、これから停止しようとするリールの候補図柄とから、いずれかの役に対応する図柄の並びが有効化された入賞ライン上に揃わないように、停止しようとしているリールの停止制御を行う。
この図柄検出手段150による図柄の検出は、図4のステップS18のリール停止制御の処理を行うときに実行され、図柄の検出の結果は、図4のステップS20の入賞処理においても参照される。
<図柄表示手段400>
図柄表示手段400は、3つのリール30L,30C及び30Rを含む。本実施の形態では、上述したように、リール30L、30C及び30Rの各々には、所定数、例えば21個の図柄がリールの回転方向に沿って配置されている。
リール30Lは、リール30Lを回転駆動するためのモータ86aと、リール30Lの回転角度を検出するための回転角度センサ83aとからなる。リール30Cは、リール30Cを回転駆動するためのモータ86bと、リール30Cの回転角度を検出するための回転角度センサ83bとからなる。リール30Rは、リール30Rを回転駆動するためのモータ86cと、リール30Rの回転角度を検出するための回転角度センサ83cとからなる。本実施の形態では、モータ86a、86b及び86cの回転軸に、リール30L,30C及び30Rの中心部が連結されており、モータ86a、86b及び86cが1回転すると、リール30L,30C及び30Rも1回転する。
本実施の形態では、モータ86a、86b及び86cの各々は、ステッピングモータからなる。モータ86a、86b及び86cの各々には、モータ86a、86b及び86cを駆動するためのモータ駆動回路(図示せず)が電気的に接続されている。モータ駆動回路は、メイン制御手段100に電気的に接続されている。
モータ駆動回路は、メイン制御手段100からパルス信号が供給されると、供給されたパルス信号に基づいて駆動信号を生成し、生成した駆動信号をモータ86a、86b及び86cの各々に発する。モータ駆動回路は、メイン制御手段100から供給されるパルス信号のパルスの数に応じた回転角度だけモータ86a、86b又は86cが回転するように、駆動信号を生成する。本実施の形態では、モータ86a、86b又は86cの1回転分、すなわち、360度を400個のステップに等分に分割した構成としている。すなわち、メイン制御手段100から400個のパルスからなるパルス信号が、モータ駆動回路に供給されると、モータ駆動回路は、モータ86a、86b又は86cが1回転するように、駆動信号を生成する。
回転角度センサ83a,83b及び83cは、メイン制御手段100からモータ駆動回路に供給されたパルス信号のパルスの数を計数するカウンタ(図示せず)を含む。回転角度センサ83a,83b及び83cは、カウンタで計数したパルスの数を示す信号を発する。また、回転角度センサ83a,83b及び83cは、カウンタで計数したパルスの数を初期化するための初期化手段(図示せず)を含む。初期化手段は、リール30L,30C及び30Rが、回転方向における一定の回転基準位置に達したときに、パルスの数を初期化する。したがって、リール30L,30C及び30Rが一定の回転基準位置に達するたびに、カウンタで計数したパルスの数は初期化される。この一定の回転基準位置が、リール30L,30C及び30Rの各々の回転方向の原点となる。上述したように、このリール30L,30C及び30Rの各々の回転方向の原点は、上述した回転基準位置、例えば、入賞ラインL3とするのが好ましい。
上述した構成にすることで、回転角度センサ83a,83b及び83cは、リール30L,30C及び30Rの一周分の回転角度に対応したパルスの数を示す信号を発することができる。上述したように、本実施の形態では、モータ86a、86b又は86cの1回転分を400個のステップに等分に分割した構成としている。したがって、リール30L,30C及び30Rが、回転基準位置に位置するときには、計数したパルスの数が0個であることを示す信号が回転角度センサ83a,83b及び83cから発せられる。また、リール30L,30C及び30Rが、回転基準位置から90度だけ回転した回転位置にあるときには、計数したパルスの数が99個であることを示す信号が回転角度センサ83a,83b及び83cから発せられる。
また、図柄表示手段400は、計数したパルスの数をリール30L,30C及び30R毎に記憶するパルス数記憶装置(図示せず)も有する。パルス数記憶手段に記憶されるパルスの数は、リール30L,30C及び30Rが回転しているときには、常に更新されている。したがって、リール30L,30C又は30Rが完全に停止するまで、パルスの数は更新されるので、リール30L,30C又は30Rのいずれかが停止したときには、停止したリールについては、停止したときのパルスの数が記憶されることになる。リール30L,30C及び30Rが停止しているときには、このパルス数記憶装置に記憶されているパルスの数が読み出される。
このように、回転角度センサ83a,83b及び83cから発せられる信号から、リール30L,30C及び30Rの回転基準位置からの回転位置を得ることができる。なお、上述した説明は、回転角度センサ83a,83b及び83cから発せられる信号を、概念的に説明するためのものである。スロットマシン10は、リール30L,30C及び30Rの回転位置を得る目的で、回転角度センサ83a,83b及び83cから発せられる信号を検出するわけではない。後述するように、図柄番号や、図柄番号に対応した図柄を得たり、所定の図柄の位置を得るために、回転角度センサ83a,83b及び83cから発せられる信号を検出する。
上述したように、図柄検出手段150には、図柄番号と、図柄番号に対応した図柄との対応関係を定めた図柄対応テーブル(図示せず)が記憶されている。また、回転角度センサ83a,83b及び83cのカウンタで計数したパルスの数と、0番目〜20番目の図柄番号との対応を示すパルス数−図柄番号対応関係が予め定められている。このようにすることで、図柄検出手段150は、まず、回転角度センサ83a,83b及び83cから発せられた信号を検出することで、回転角度センサ83a,83b及び83cが計数したパルスの数を得る。次いで、上述したパルス数−図柄番号対応関係を用いて、パルスの数から、図柄番号を得る。このようにして得られた図柄番号は、回転基準位置、例えば、入賞ラインL3に位置している図柄の図柄番号を示す。さらに、上述した図柄対応テーブルを用いることによって、図柄番号から図柄を得る。このようにして、回転基準位置、例えば、入賞ラインL3に位置している図柄を得ることができる。
また、リール30L,30C及び30Rのうち、いずれかのものが停止しているときには、その停止したリールについては、上述したパルス数記憶装置に記憶されているパルスの数を読み出し、上述したパルス数−図柄番号対応関係を用いて、読み出したパルスの数から、図柄番号を得、さらに、上述した図柄対応テーブルを用いることによって、図柄番号から図柄を得る。
図柄検出手段150は、このようにして入賞ラインL3に位置している図柄を得ることで、この図柄検出手段150における処理は、リールが、回転している場合と、停止している場合とに拘らず実行でき、リールが回転しているときに行えば、入賞ラインL3に停止する可能性のある候補図柄を決定することができる。また、リールが停止しているときに行えば、入賞ラインL3上に停止して位置している図柄を決定することができる。
<サブ制御手段200(演出制御手段)>
上述したように、メイン制御手段100には、サブ制御手段200が電気的に接続されており、メイン制御手段100から発せられた各種の信号や情報は、サブ制御手段200に供給される。
メイン制御手段100から発せられる各種の信号には、役抽選手段120による役抽選処理の結果を示す信号や、ストップスイッチ44a、44b又は44cが操作されたことを示す信号等がある。これらの信号は、後述する図4のフローチャートのステップS14やS17の処理で、メイン制御手段100から送信される。
サブ制御手段200は、これらの信号を受信して、後述する演出手段300で行う演出の制御をする。演出は、単位遊技に関する情報を報知するためのものである。特に、サブ制御手段200(演出制御手段)は、遊技の進行に基づいて行われる演出を制御する。
サブ制御手段200は、上述したサブ制御基板52からなるのが好ましい。サブ制御手段200は、演出用記憶手段220と情報送信手段270とを含む。
<演出用記憶手段220>
サブ制御手段200(演出制御手段)は、演出用記憶手段220を含む。演出用記憶手段220は、データを容易に書き込んだり変更したりできないリードオンリーメモリ(ROM)であるものが好ましい。不正行為をより的確に防止することができるからである。
演出用記憶手段220には、演出制御用プログラムと演出制御用データとが記憶される。例えば、図9に示すように、演出用記憶手段220の所定の領域には、演出制御用プログラムが配置され、演出制御用プログラムが配置された領域とは異なる領域に、演出制御用データが配置される。この図9は、演出用記憶手段220の記憶領域の概略を示す図である。演出制御用プログラムは、演出を進めるためのプログラムである。演出制御用データは、演出制御用プログラムによる処理が実行されたときに読み出されるデータであって、演出の内容に対応したデータが定められたデータである。
例えば、後述する画像表示装置34で、各種の画像や動画を表示することによって演出を行うものの場合には、画像表示装置34に表示すべき画像の内容に対応した画像データや動画データが、演出制御用データとして演出制御用データに記憶される。また、後述するランプ38の点灯や点滅によって演出を行うものの場合には、点灯や点滅のパターンのデータが演出制御用データとして演出制御用データに記憶される。さらに、後述するスピーカ36で各種の効果音や音楽などの音声によって演出を行うものの場合には、効果音や音楽などの音声データが演出制御用データとして演出制御用データに記憶される。
上述した演出制御用プログラムは、演出用記憶手段220に実行可能に配置される。すなわち、演出制御用プログラムは、演出用記憶手段220に単に記憶されているのではなく、例えば、演出制御用プログラムが、演出用記憶手段220に実行可能に展開されて記憶されている。
さらに、演出制御用プログラムは、初期化処理と通常処理とを実行することができる。初期化処理は、遊技機が起動されたときに演出制御手段を初期化するための処理である。また、通常処理は、上述した初期化処理を終えた後に実行される処理であって、少なくとも1回繰り返して実行される処理である。この通常処理には、演出の演出制御処理が含まれる。
上述した演出用記憶手段220の記憶領域には、図9に示すように、演出制御用データとして占められる記憶領域(図9に示す演出制御用データ領域)がある。この演出制御用データとして占められる記憶領域には、演出制御用データと検査プログラムとが配置されている。検査プログラムは、演出用記憶手段220に実行可能に配置されている。図9に示した例では、検査プログラムは、演出制御用データと分離して、演出制御用データよりも上位に配置されている。検査プログラムは、演出制御手段の動作状態の検査処理を実行するためのものである。一般的に、演出用記憶手段220の記憶領域では、演出制御用プログラムと演出制御用データとは、分離して配置される。このため、演出制御用データとして占められる記憶領域に、検査プログラムを配置する構成にすることで、演出用記憶手段220の内容が解析されても、検査プログラムが存在していないように判断させたり、検査プログラムの存在や場所を特定しにくくしたりすることができる。
上述した初期化処理は、検査要求情報を設定する検査要求設定処理を含む。この検査要求情報は、検査処理を実行すべきことを示す情報である。このようにすることで、初期化処理を実行する時点では、検査要求情報を設定するだけで、具体的な検査処理は実行されないので、演出用記憶手段220の内容が解析されても、演出用のデータを処理しているのみで、検査処理が存在しないのではないかと思わせることができる。
サブ制御手段200は、上述した通常処理を実行するときに、検査要求情報が設定されていた場合のみに、検査プログラムが記憶されている領域に処理を移して検査処理を実行する。すなわち、上述した初期化処理が実行されたときに、検査要求情報が設定された場合に、検査処理を実行し、検査要求情報が設定されていない場合には、検査処理を実行しない。
このように、通常処理が実行されたときに、常に、検査処理が実行されるわけではないので、検査処理が存在するか否かの解析を困難にすることができる。また、上述したように、検査処理のための検査プログラムは、演出制御用データとして占められる記憶領域に配置されているので、検査プログラムが存在していないように思わせたり、検査プログラムが存在を確認しにくくしたりすることができる。
<情報送信手段270>
情報送信手段270は、演出に関する情報を、演出手段300に送信する。演出が決定されたときには、演出手段300で行う演出に関する情報、例えば画像データ等が演出手段300に送信される。一方、演出をしないと決定されたときには、演出に関する情報は、演出手段300に送信されない。
<<制御処理>>
以下に、上述したメイン制御手段100(メイン制御基板32)及びサブ制御手段200(サブ制御基板52)において行われる制御について説明する。図4は、メイン制御手段100における制御処理を実行するためのサブルーチンである。また、図5〜図8は、サブ制御手段200における制御処理を実行するためのサブルーチンである。この図4や図5〜図8に示すフローチャートは、メイン制御手段100やサブ制御手段200における制御処理を実行するための1つの例を示したにすぎず、この処理手順には限られない。
<メイン制御手段100における制御>
図4は、メイン制御手段100における制御を示すフローチャートである。
最初に、上述した1ベットスイッチ62、2ベットスイッチ64又は最大ベットスイッチ66を遊技者が操作することによって発せられた信号に基づいて、投入枚数を決定する(ステップS11)。この投入枚数は、1回の遊技をするために賭けの対象とされたメダルの数を示し、上述したクレジット数として一時的に蓄積されてから賭けの対象とされたメダルの数のみならず、メダル投入口46から投入されて直接賭けの対象とされたメダルの数も含む。
次いで、スタートスイッチ42が遊技者によって操作されたか否かを判断する(ステップS12)。この判断処理は、スタートスイッチ42から始動信号が発せられたか否かによって判断する。スタートスイッチ42が操作されていないと判別したとき(NO)には、ステップS12の判断処理を繰り返す。一方、遊技者によってスタートスイッチ42が操作されたと判別したとき(YES)には、役抽選手段120による役抽選処理を実行する(ステップS13)。
次に、役抽選手段120による役抽選処理の結果を示す信号(以下、抽選結果信号と称する。)をサブ制御手段200に送信する(ステップS14)。その後、上述したリール駆動制御手段130のリール回転制御手段132によって、3つのリール30L、30C及び30Rの回転制御を開始する(ステップS15)。
次いで、ストップスイッチ44a、44b又は44cが遊技者によって操作されたか否かを判断する(ステップS16)。この判断処理は、ストップスイッチ44a,44b又は44cから停止信号が発せられたか否かによって判断する。ストップスイッチ44a、44b又は44cが操作されていないと判別したとき(NO)には、ステップS16の判断処理を繰り返す。
一方、遊技者によって、ストップスイッチ44a、44b又は44cが操作されたと判別したとき(YES)には、ストップスイッチ44a、44b又は44cが操作されたことを示す信号(以下、ストップ信号と称する。)をサブ制御手段200に送信し(ステップS17)、ストップスイッチ44a、44b又は44cが操作されたことに基づいて、リール駆動制御手段130のリール停止制御手段134によって、3つのリール30L、30C及び30Rの停止制御を実行する(ステップS18)。
上述したステップS17の処理で、ストップ信号をサブ制御手段200に送信することで、サブ制御手段200は、3つのストップスイッチ44a、44b及び44cが操作された順番を得ることができる。
上述したステップS18の処理を実行した後、3つのリール30L、30C及び30Rの全てが停止したか否かを判断する(ステップS19)。上述したリール30Lを駆動するためのモータ86aや、リール30Cを駆動するためのモータ86bや、リール30Rを駆動するためのモータ86cは、これらのモータの各々の全ての相を励磁させることで、停止させることができる。例えば、モータ86a,86b及び86cの各々が3相励磁によって駆動される場合には、各々のモータの3相の全てを同時に励磁させることによって、そのモータを停止させることができる。上述したステップS19の判断処理は、このようなモータを停止させるための励磁制御を、3つのモータ86a、モータ86b、及びモータ86cの全てに対して行ったか否かを判断する処理である。
上述したステップS19の判断処理で、3つのリール30L、30C及び30Rの全てが停止していないと判別したとき、すなわち、3つのリール30L、30C及び30Rのうちの少なくとも1つのリールが停止していないと判別したとき(NO)には、上述したステップS16に処理を戻す。一方、3つのリール30L、30C及び30Rの全てが停止したと判別したとき(YES)には、今回行われた単位遊技の入賞処理を実行し(ステップS20)、本サブルーチンを終了させる。ステップS20の処理は、例えば、RB役に入賞したときには、RB遊技状態へ移行させ、所定の小役に入賞したときには、役に対応した枚数の遊技媒体を払い出す等の処理を行い、いずれの役に入賞しなかったときには、入賞に関する処理は行わない。
<サブ制御手段200における制御>
図5は、サブ制御手段200において実行される起動処理のルーチンを示す。このルーチンは、サブ制御手段200が起動されたときに実行される。
最初に、変数等の初期化を行う初期化処理を実行する(ステップS21)。次に、検査要求情報を設定する(ステップS22)。
この検査要求情報は、後述する図8に示す検査処理を実行すべきことを示す情報である。検査要求情報は、後述するサブ制御手段200のランダムアクセスメモリ(以下、RAMと称する。)の一定の範囲に確保された記憶領域に書き込むことで行われる。後述するように、RAMの一定の範囲に確保された記憶領域は、ページ0とページ1と称される領域からなり、この検査要求情報は、ページ1に書き込まれる。書き込まれる内容は、後述する演出用記憶手段220における記憶領域の位置を示すアドレスである。ページ0とページ1とは、サブ制御手段200における制御の状態を管理するための記憶領域(以下、管理記憶領域と称する)であり、メイン制御手段100から送信された情報に応じて、書き換えられることができる領域である。例えば、図4のステップS14やS17の処理によって、メイン制御手段100から送信された情報に応じて、管理記憶領域の内容を書き換えることができる。この管理記憶領域に書き込まれた情報に基づいて、サブ制御手段200は、演出の制御と検査処理とを実行する。
ステップS22の処理を実行した後、サブ制御手段200をコールドスタートさせるか否かを判断する(ステップS23)。コールドスタートさせないと判別したとき(NO)には、スタックエリアを復帰させて(ステップS24)、電断が発生したときの処理に移行させて(ステップS25)、本サブルーチンを終了させる。
一方、ステップS23の判断処理で、コールドスタートさせると判別したとき(YES)には、スタックポインタを初期化し(ステップS26)、このサブ起動処理を終了して、後述する図6に示すサブ制御手段200におけるメイン処理に処理を移す。
<サブ制御手段200におけるメイン処理>
図6は、上述した図5のステップS26の処理を実行した後に実行されるサブ制御手段200におけるメイン処理を示すフローチャートである。
最初に、ランプ38の点灯・点滅パターンの制御を実行する(ステップS31)。次に、後述する図7に示すLCD表示制御のサブルーチンを呼び出して、画像表示装置34の表示制御を実行する(ステップS32)。1フレームを終了させるか否かを判断する(ステップS33)。このステップS33の判断処理は、所定時間だけ経過したか否か、例えば、16ミリ秒経過したか否かを判断する処理である。
ステップS33の判断処理で、1フレームを終了させると判別したとき(YES)、すなわち、所定時間経過したと判別したときには、処理を上述したステップS31に戻す。一方、1フレームを終了させないと判別したとき(NO)、すなわち、所定時間経過していないと判別したときには、その1フレーム内に処理すべきコマンドが存在しているか否かをチェックし、コマンドが存在している場合には、そのコマンドを実行して(ステップS34)、上述したステップS33に処理を戻す。
なお、図6に示したフローチャートには、音声処理に関して示さなかったが、音声に関する処理も実行することができる。
<LCD表示制御処理>
図7は、上述した図6のステップS32で呼び出されて実行されるLCD表示制御処理のサブルーチンである。
最初に、上述した管理記憶領域のページ0に書き込まれた内容に基づいて制御をしている最中であるか否かを判断する(ステップS41)。ページ0に書き込まれた内容に基づいて制御をしている最中であると判別したとき(YES)には、制御中のデータテーブルからデータを取得して、そのデータに基づいて制御処理を実行する(ステップS42)。
このページ0における処理は、通常の演出制御に関する処理であり、各種の画像や動画を画像表示装置34に表示することによって行われる演出を制御したり、ランプ38の点灯や点滅によって行われる演出を制御したり、スピーカ36から各種の効果音や音楽などの音声を発することによって行われる演出を制御したりするためのものである。このページ0における処理が、「第2通常処理」や「演出制御処理」に対応する。
次に、ページ0の処理が終了したか否かを判断する(ステップS43)。ページ0の処理が終了していないと判別したとき(NO)には、処理を上述したステップS41に処理を戻す。
上述したステップS41の判断処理で、ページ0に書き込まれた内容に基づいて制御をしている最中でないと判別したとき(NO)、又は、ページ0の処理が終了したと判別したとき(YES)には、上述した管理記憶領域のページ1に書き込まれた内容に基づいて制御をしている最中であるか否かを判断する(ステップS44)。ページ1に書き込まれた内容に基づいて制御をしている最中であると判別したとき(YES)には、制御中のデータテーブルからデータを取得して、そのデータに基づいて制御処理を実行する(ステップS45)。
このページ1における処理は、検査処理に関する処理であり、ページ1に検査要求情報が書き込まれているときには、後述する検査処理が実行される。上述した図5のステップS22の処理で、検査要求情報を設定する処理は、ページ1に検査要求情報を書き込む処理である。このページ1における処理が、「第1通常処理」や「検査処理」に対応する。
次に、ページ1の処理が終了したか否かを判断する(ステップS46)。ページ1の処理が終了していないと判別したとき(NO)には、処理を上述したステップS44に処理を戻す。
上述したステップS44の判断処理で、ページ1に書き込まれた内容に基づいて制御をしている最中でないと判別したとき(NO)、又はページ1の処理が終了したと判別したとき(YES)には、本サブルーチンを終了する。
<検査処理>
図8は、検査処理の流れを示す図である。なお、この図8は、単一のサブルーチンによる処理ではなく、上述した各種のルーチンにおける処理を含んだ処理を示す図であり、検査処理の概略的な流れを示す図である。
まず、図9に示すジャンププログラムのアドレスを示すデータを、管理記憶領域のページ1に書き込む(ステップS51)。この処理は、上述した図5のステップS22に示した処理であり、演出用記憶手段220に配置されたジャンププログラムのアドレスを示すデータが、「検査要求情報」に対応する。ジャンププログラムは、検査処理を直ちに実行せずに、間接的に検査処理を実行するためのプログラムである。このジャンププログラムが、「少なくとも1つのサブルーチン」に対応する。図9に示すように、ジャンププログラムは、演出制御用データが配置されている領域の一部に配置するのが好ましい。このように配置することで、演出用記憶手段220の配置された検査プログラムの位置を示すアドレスを演出制御用データに紛れ込ませることができ、演出用記憶手段220の解析を困難にすることができる。
次いで、管理記憶領域のページ1に記憶されているデータを読み出し(ステップS52)、読み出したデータが示すアドレスに配置されているジャンププログラムを呼び出して実行する(ステップS53)。このステップS52及びS53の処理は、上述した図7のステップS45に示した処理に対応する。
次に、呼び出して実行したジャンププログラムに従って、検査処理が配置されているアドレスに処理を移す(ステップS54)。ジャンププログラムには、演出用記憶手段220の配置された検査プログラムのアドレスが、データとして記憶されている。このステップS54の処理は、図9に示した「検査プログラム」が記憶されている先頭のアドレスに処理を移す処理である。この図9に示した「検査プログラム」が、検査プログラムの本体であり、サブ制御手段200の動作状態の検査処理を実行するためのプログラムである。処理を、「検査プログラム」が記憶されている先頭のアドレスに移すことによって、「検査プログラム」が実行される(ステップS55)。
「検査プログラム」が実行した結果、演出用記憶手段220の所定の領域に記憶されているデータのチェックサムを算出し、その値が、所定のものと一致するか否かを判断する(ステップS56)。一致したと判断した場合には、正規の演出用記憶手段220が用いられていると判別して、本サブルーチンを終了し、処理を通常のものに戻す。処理を通常のものに戻すことによって、図7に示した管理記憶領域のページ0の処理が実行されて、通常の演出の処理(第2通常処理、演出制御処理)が実行される。
一方、ステップS56の判断処理で、チェックサムの値が、所定のものと一致していないと判別したときには、管理記憶領域のページ0の処理が実行されないようにするために、無限ループの処理を実行する(ステップS57)。
上述した図9に示した例では、演出制御用データと検査プログラムとが分離するように配置したが、演出制御用データの領域内に検査プログラムが含まれるように検査プログラムを配置してもよい。このように配置することで、検査処理の本体である検査プログラムをより発見しにくくすることができる。
また、上述した実施例は、メイン制御手段100に設けられた記憶手段ではなく、サブ制御手段200に設けられた演出用記憶手段220に記憶された内容を解析しにくくすることによって、不正行為を断念させたり、解析に多くの時間を要するようにしたりするものである。このサブ制御手段200は、演出として、メイン制御手段100の抽選処理によって当選した図柄に関する情報を遊技者に報知する、いわゆるATと称される機能を実行する場合がある。このため、演出用記憶手段220に対する不正行為として、メイン制御手段100の抽選処理の結果を常に表示させるように変更したプログラムを記憶させた記憶手段に交換されるような不正行為が想定される。
このように、サブ制御手段200が、演出用記憶手段220が交換されたことを検出した場合であっても、演出用記憶手段220が交換されたことを示す情報を、サブ制御手段200からメイン制御手段100に送信しないようにするのが好ましい。さらに、演出用記憶手段220が交換されたことをサブ制御手段200が検出した場合には、サブ制御手段200は、演出を中止するように、例えば、画像表装置34における表示、特に、上述したAT機能を中止するように制御するのが好ましい。このようにすることで、メイン制御手段100によって遊技を滞りなく進めることができる一方、抽選処理の結果の報知は、サブ制御手段200によって中止されているので、遊技者に不正な利益を与えることなく、遊技を行わせることによって楽しませることができる。さらに、このようにして遊技者が遊技を進めても、遊技者に不正な利益を与えることがないので、遊技店に損害を与えることを防ぐこともできる。
さらに、上述したステップS57の処理で、無限ループの処理を実行する際に、画像表示装置34の表示を中断したり、不正行為が行われたことを示す何らかの情報を画像表示装置34に表示するようにしてもよい。このようにすることで、仮に、演出用記憶手段220が交換され、メイン制御手段100が機能しているような場合であっても、画像表示手段34における演出がされないようにすることができ、上述したような抽選処理の結果を表示するような機能を阻止することができる。
本実施形態に係るスロットマシン10の前面を示す正面図である。 スロットマシン10の内部構造を示す図である。 スロットマシン10における主要な機能の概略を示す機能ブロック図である。 メイン制御手段100における制御のフローチャートである。 サブ制御手段200において実行される起動処理のルーチンを示すフローチャートである。 図5のステップS26の処理を実行した後に実行されるサブ制御手段200におけるメイン処理を示すフローチャートである。 図6のステップS32で呼び出されて実行されるLCD表示制御処理のサブルーチンである。 検査処理の流れを示す図である。 演出用記憶手段220の記憶領域の概略を示す図である。
符号の説明
10 スロットマシン
100 メイン制御手段(遊技制御手段)
200 サブ制御手段(演出制御手段)
220 演出用記憶手段
300 演出手段

Claims (4)

  1. 遊技媒体を用いて遊技が行われる遊技機であって、
    前記遊技の進行を制御する遊技制御手段と、
    前記遊技の進行に基づいて行われる演出を制御する演出制御手段と、を含み、
    前記演出制御手段は、
    前記演出を進めるための演出制御用プログラムと、
    前記演出制御用プログラムによる処理が実行されたときに読み出され、前記演出の内容に対応したデータが定められた演出制御用データと、が記憶される演出用記憶手段を含み、
    前記演出制御用プログラムは、
    前記演出用記憶手段に実行可能に配置されると共に、
    起動されたときに前記演出制御手段を初期化する初期化処理と、
    前記初期化処理を終えた後、少なくとも1回繰り返して前記演出の演出制御処理を含む処理を実行する通常処理と、を含み、
    前記演出制御用データとして占められる前記演出用記憶手段の記憶領域には、前記演出制御手段の動作状態の検査処理を実行する検査プログラムが実行可能に配置され、
    前記初期化処理は、前記検査処理を実行すべきことを示す検査要求情報を設定する検査要求設定処理を含み、
    前記演出制御手段は、前記初期化処理を実行したときに、前記検査要求情報が設定されていた場合には、前記通常処理を実行するときに、前記検査プログラムが記憶されている領域に処理を移して、前記検査処理を実行することを特徴とする遊技機。
  2. 前記検査処理は、前記演出用記憶手段に記憶されている内容が、所定のものと一致するか否かを判断する請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記通常処理は、第1通常処理と第2通常処理とを含み、
    前記第1通常処理は、前記検査要求情報が設定されていたときに、前記検査処理を実行し、
    前記第2通常処理は、前記検査要求情報が設定されていないときに、前記演出制御処理を実行する請求項1又は2に記載の遊技機。
  4. 前記第1通常処理は、少なくとも1つのサブルーチンを含み、
    前記演出制御用データとして占められる前記演出用記憶手段の記憶領域には、前記少なくとも1つのサブルーチンが実行可能に配置され、
    前記検査処理は、前記少なくとも1つのサブルーチンによる処理が実行された後に実行され、
    前記少なくとも1つのサブルーチンには、次に実行されるサブルーチンによる処理又は前記検査処理を実行するための間接ジャンプ命令が少なくとも1つ含まれている請求項3に記載の遊技機。
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