本実施形態では、スロットマシンは、画像を表示するディスプレイとして、上側画像表示パネル33及び下側画像表示パネル16と、シンボル表示デバイスとして、表示窓15と、入力デバイスとして、タッチパネル69とを備え、所定数のクレジットが投入されたことを条件として、タッチパネル69への入力に応じて、保険無モードから保険有モードへ移行する。そして、ゲーム回数をカウントし、特定回数に達すると所定数のクレジットのペイアウトを行う。一方、保険有モードであっても、ボーナスゲームに移行するとゲーム回数をリセットする。よって、保険有モードでは、入賞しなくてもゲーム回数が特定回数に達するだけで利益が得られるが、保険有モードにおいてボーナスゲームへ移行するとゲーム回数がリセットされる。この場合には所定数のクレジットのペイアウトが行われない。したがって、遊技によって利益を得ている遊技者との公平が保たれる。以下、本実施形態について、図に従って、説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る遊技機を模式的に示す斜視図である。本実施形態において、遊技機10は、スロットマシンである。ただし、本発明において、遊技機としては、スロットマシンに限定されず、例えば、ビデオスロットマシン、ビデオカードゲーム機等のいわゆるシングルゲーム機であってもよく、競馬ゲームやビンゴゲームや宝くじ等のように結果が表示されるまでに所定の時間を要するゲームを行ういわゆるマスゲーム機(マルチ・ターミナル・ゲーミングマシン)等であってもよい。
遊技機10では、クレジットとして、コイン、紙幣又はこれらに相当する電子的な有価情報が用いられるものである。ただし、本発明において、クレジットとしては、特に限定されるものではなく、例えば、メダル、トークン、電子マネーを挙げることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る遊技機を模式的に示す斜視図である。遊技機10は、キャビネット11を備えている。キャビネット11の内部には、3個のリール14(14L、14C、14R)が回転可能に設けられている。各リール14の外周面には、22個の図柄(以下、シンボルともいう)からなるシンボル列が描かれている。
各リール14の前方には、下側画像表示パネル16が設けられている。下側画像表示パネル16は、透明液晶パネルを備えていて、遊技中には、遊技に関する各種の情報や演出画像等が表示される。下側画像表示パネル16は、本発明における画像の出力装置に相当するものである。下側画像表示パネル16には、クレジット数表示部31及びペイアウト数表示部32が設定されている。クレジット数表示部31には、クレジットされたコインの枚数が画像によって表示される。ペイアウト数表示部32には、入賞ライン上に再配置されたシンボルの組合せが所定の組合せであった場合に払い出されるコインの数が画像によって表示される。
下側画像表示パネル16には、その背面を視認可能な3個の表示窓15(15L、15C、15R)が形成されていて、各表示窓15を介して各リール14の外周面に描かれたシンボルがそれぞれ3個ずつ表示される。下側画像表示パネル16には、3個の表示窓15を水平に横切る1本の入賞ラインが形成されている。入賞ラインは、シンボルの組合せを規定するものである。入賞ライン上に再配置されたシンボルの組合せが所定の組合せであった場合に、その組合せとコインの投入数(BET数)とに応じた枚数のコインが払い出される。
なお、本発明においては、例えば、3個の表示窓15を水平に又は斜めに横切る複数本の入賞ラインが形成されていて、コインの投入数に応じた数の入賞ラインが有効化され、有効化された入賞ライン上に再配置されたシンボルの組合せが所定の組合せであった場合に、その組合せに応じた枚数のコインが払い出されることとしてもよい。
更に、下側画像表示パネル16の前面には、図示しないが、タッチパネル69が設けられていて、遊技者はタッチパネル69を操作して各種の指示を入力することができる。
下側画像表示パネル16の下方には、遊技者によって遊技進行に係る指示が入力される複数のボタン23〜27からなるコントロールパネル20と、コインをキャビネット11内に受け入れるコイン受入口21と、紙幣識別器22とが設けられている。
コントロールパネル20には、スピンボタン23と、チェンジボタン24と、キャッシュアウトボタン25と、1−BETボタン26と、最大BETボタン27とが設けられている。スピンボタン23は、リール14の回転を開始させる指示を入力するためのものである。チェンジボタン24は、遊技施設の係員に両替を要求する際に用いられるものである。キャッシュアウトボタン25は、クレジットされているコインをコイントレイ18に払い出す指示を入力するためのものである。
1−BETボタン26は、クレジットされているコインのうち、1枚のコインを遊技に賭ける指示を入力するためのものである。最大BETボタン27は、クレジットされているコインのうち、1回の遊技に賭けることが可能な最大枚数(本実施形態では50枚)のコインを遊技に賭ける指示を入力するためのものである。
なお、本発明において、クレジットの投入とは、クレジットが消費されることをいう。クレジットが消費される場合には、クレジットが遊技に賭けられる場合と、後述する保険有モードに移行するためにクレジットが消費される場合とが含まれる。例えば、コイン受入口21に投入されたコインが、直接遊技に賭けられる場合、コイン受入口21へのコインの投入が、クレジットの投入に相当する。ただし、本実施形態のように、コイン受入口21へコインが投入されると、一旦クレジットされ、1−BETボタン26又は最大BETボタン27が操作されると、クレジットされたコインが遊技に賭けられる場合、クレジットされたコインが遊技に賭けられることが、クレジットの投入に相当する。
紙幣識別器22は、紙幣の適否を識別するとともに正規の紙幣をキャビネット11内に受け入れるものである。
キャビネット11の前面には、上側画像表示パネル33が設けられている。上側画像表示パネル33は、液晶パネルを備えていて、例えば、演出画像、遊技内容の紹介や遊技のルールの説明を表す画像が表示される。本実施形態においては、上側画像表示パネル33も、下側画像表示パネル16と同様に、本発明における画像の出力装置に相当するものである。なお、本発明においては、下側画像表示パネル16及び上側画像表示パネル33のいずれか一方が、画像の出力装置に相当するものであってもよい。
また、キャビネット11には、スピーカ29が設けられている。スピーカ29は、本発明における音の出力装置に相当するものである。下側画像表示パネル16の下側には、カードリーダ36と、データ表示器37と、キーパッド38とが設けられている。
カードリーダ36は、スマートカードからのデータの読み取り及びスマートカードへのデータの書き込みを行うものである。スマートカードは、遊技者が所持するカードであり、例えば、遊技者を識別するためのデータ、遊技者が行った遊技の履歴に関するデータが記憶される。スマートカードには、コイン、紙幣又はクレジットに相当するデータが記憶されることとしてもよい。また、スマートカードにかえて、磁気ストライプカードを採用してもよい。データ表示器37は、蛍光ディスプレイ等からなり、例えば、カードリーダ36が読み取ったデータや、遊技者によってキーパッド38を介して入力されたデータを表示するものである。
図2は、各リールの外周面に描かれたシンボルの列を示した模式図である。
左リール14L、中リール14C及び右リール14Rの外周面には、それぞれ22個のシンボルが描かれている。各リール14に描かれたシンボルの列は、互いに異なっている。各シンボルの列は、「DO」、「3B」、「2B」、「CHERRY」、「1B」、「PLUM」、「AB」、「APPLE」のシンボルが組合されて構成されている。
「DO」、「3B」、「2B」、「CHERRY」、「1B」、「PLUM」、「AB」は、入賞ライン上に3つ再配置された場合に、予め定められたクレジット数が遊技者の所有するクレジットとして追加される(図15参照)。また、「CHERRY」については、入賞ライン上に1つ又は2つ再配置された場合であっても、その数に応じて、予め定められたクレジット数が遊技者の所有するクレジットとして追加される(図15参照)。
「APPLE」は、ボーナスゲームトリガー(ボーナスゲームに移行するためのシンボル)である。「APPLE」が入賞ライン上に3つ再配置された場合には、ボーナスゲームに移行することができる。本実施形態において、ボーナスゲームは、フリーゲーム(コインをBETすることなく所定回数にわたって遊技を行うことができるゲーム)である。
本発明において、ボーナスゲームは、遊技者にとって有利な遊技状態であれば、特に限定されるものではない。また、遊技者にとって有利な遊技状態としては、通常の遊技状態(ボーナスゲーム又は還元モード以外の遊技状態)より有利であれば、特に限定されるものではなく、例えば、通常の遊技状態より多くのクレジットを獲得し得る状態、通常の遊技状態より高い確率でクレジットを獲得し得る状態、通常の遊技状態よりクレジットの消費数が少なくなる状態等を挙げることができる。具体的に、ボーナスゲームとしては、フリーゲーム、セカンドゲーム、ミステリーボーナス等を挙げることができる。
各リール14に描かれたシンボルの列は、1−BETボタン26又は最大BETボタン27が押下された後にスピンボタン23が押下されてゲームが開始されると、リール14の回転に伴って、表示窓15において上方向から下方向へと表示され、所定時間経過後に、リール14の回転の停止に伴って、表示窓15において再配置される。更に、各シンボルの組合せに基づき各種の役(図15参照)が予め定められていて、役に対応するシンボルの組合せが入賞ライン上で停止した際には、役に応じたコインの払出数が、遊技者が所有するクレジットに加算される。また、ボーナスゲームトリガーが成立したときには、ボーナスゲームが発生する。
図3は、図1に示した遊技機の内部構成を示すブロック図である。ゲーミングボード50は、内部バスによって互いに接続されたCPU(Central Processing Unit)51と、ROM55及びブートROM52と、メモリカード53に対応したカードスロット53Sと、GAL(Generic Array Logic)54に対応したICソケット54Sとを備えている。
メモリカード53は、コンパクトフラッシュ(登録商標)等の不揮発性メモリからなり、ゲームプログラム及びゲームシステムプログラムを記憶している。ゲームプログラムには、抽籤プログラムが含まれている。上記抽籤プログラムは、入賞ライン上に再配置される各リール14のシンボル(シンボルに対応するコードNo.)を決定するためのプログラムである。上記抽籤プログラムには、複数種類のペイアウト率(例えば、80%、84%、88%)のそれぞれに対応したシンボル重み付けデータが含まれている。シンボル重み付けデータは、3つのリール14のそれぞれについて、各シンボルのコードNo.(図2参照)と、所定の数値範囲(0〜256)に属する1又は複数の乱数値との対応関係を示すデータである。ペイアウト率は、GAL54から出力されるペイアウト率設定用データに基づいて定められるものであり、このペイアウト率に対応したシンボル重み付けデータに基づいて抽籤が行われる。
また、カードスロット53Sは、メモリカード53を挿抜可能なように構成されていて、IDEバスによってマザーボード40に接続されている。したがって、カードスロット53Sからメモリカード53を抜き取り、メモリカード53に別のゲームプログラム及びゲームシステムプログラムを書き込み、そのメモリカード53をカードスロット53Sに差し込むことにより、遊技機10で行われる遊技の種類や内容を変更することができる。また、一のゲームプログラム及びゲームシステムプログラムを記憶したメモリカード53を、別のゲームプログラム及びゲームシステムプログラムを記憶したメモリカード53に交換することによって、遊技機10で行われる遊技の種類や内容を変更することも可能である。ゲームプログラムには、遊技進行に係るプログラム、ボーナスゲームを発生させるためのプログラム、還元モードを発生させるためのプログラムが含まれる。また、ゲームプログラムには、遊技中に出力される画像データや音データ、保険有モードに移行していることを報知するための報知用データとしての画像データや音データが含まれる。
GAL54は、OR固定型アレイ構造を有するPLDの一種である。GAL54は、複数の入力ポートと出力ポートとを備えていて、入力ポートに所定のデータが入力されると、該データに対応したデータを出力ポートから出力する。この出力ポートから出力されたデータが、上述したペイアウト率設定用データである。また、ICソケット54Sは、GAL54を着脱可能なように構成されていて、PCIバスによってマザーボード40に接続されている。したがって、ICソケット54SからGAL54を抜き取り、GAL54に格納されるプログラムを書き換えて、そのGAL54をICソケット54Sに取り付けることにより、GAL54から出力されるペイアウト率設定用データを変更することができる。また、GAL54を、別のGAL54に交換することによって、ペイアウト率設定用データを変更することも可能である。
内部バスによって互いに接続されたCPU51、ROM55及びブートROM52は、PCIバスによってマザーボード40に接続されている。PCIバスは、マザーボード40とゲーミングボード50との間の信号伝達を行うとともに、マザーボード40からゲーミングボード50への電力供給を行う。ROM55には、国識別情報及び認証プログラムが記憶される。ブートROM52には、予備認証プログラム及びCPU51が予備認証プログラムを起動するためのプログラム(ブートコード)等が記憶されている。
認証プログラムは、ゲームプログラム及びゲームシステムプログラムを認証するためのプログラム(改竄チェックプログラム)である。認証プログラムは、認証取込処理の対象となるゲームプログラム及びゲームシステムプログラムが改竄されていないことの確認及び証明、すなわち、ゲームプログラム及びゲームシステムプログラムの認証を行う手順(認証手順)に沿って記述されている。予備認証プログラムは、上述した認証プログラムを認証するためのプログラムである。予備認証プログラムは、認証処理の対象となる認証プログラムが改竄されていないことの証明、すなわち、認証プログラムの認証を行う手順(認証手順)に沿って記述されている。
マザーボード40は、市販の汎用マザーボード(パーソナルコンピュータの基本部品を実装したプリント配線板)を用いて構成され、メインCPU41と、ROM(Read Only Memory)42と、RAM(Random Access Memory)43とを備えている。メインCPU41は、本発明における演算処理装置である。
ROM42には、フラッシュメモリ等のメモリデバイスからなり、メインCPU41により実行されるBIOS(Basic Input/Output System)等のプログラムと、恒久的なデータが記憶されている。メインCPU41によってBIOSが実行されると、所定の周辺装置の初期化処理が行われるとともに、メモリカード53に記憶されているゲームプログラム及びゲームシステムプログラムのゲーミングボード50を介した取込処理が開始される。なお、本発明において、ROM42は、内容の書き換えが可能なものであってもよく、不可能なものであってもよい。
RAM43には、メインCPU41が作動する際に用いられるデータやプログラムが記憶される。また、RAM43は、ゲーミングボード50を介して読み出される認証プログラムと、ゲームプログラム及びゲームシステムプログラムとを記憶することができる。RAM43は、本発明における記憶装置である。
また、RAM43には、保険モードフラグの記憶領域が設けられている。保険モードフラグは、保険有モードであるか保険無モードであるかを示すフラグである。保険モードフラグの記憶領域は、例えば、所定ビット数の記憶領域からなり、該記憶領域における記憶内容に応じて保険モードフラグが“ON”又は“OFF”となる。保険モードフラグ“ON”は、保険有モードを示し、保険モードフラグ“OFF”は、保険無モードを示す。
更に、RAM43には、クレジット数や、1回の遊技における投入数や払出数等のデータが記憶される。ゲーム回数をカウントするゲーム回数カウンタの記憶領域も設けられている。
また、マザーボード40には、後述する本体PCB(Printed Circuit Board)60及びサブPCB80とが、それぞれUSBによって接続されている。更に、マザーボード40には、電源ユニット45が接続されている。電源ユニット45からマザーボード40に電力が供給されると、マザーボード40のメインCPU41が起動するとともに、PCIバスを介してゲーミングボード50に電力が供給されてCPU51が起動される。
本体PCB60及びサブPCB80には、メインCPU41に入力される入力信号を発生させる機器や装置と、メインCPU41から出力される制御信号により動作が制御される機器や装置とが接続されている。メインCPU41は、メインCPU41に入力された入力信号に基づいて、RAM43に記憶されたゲームプログラム及びゲームシステムプログラムを実行することにより、所定の演算処理を行ってその結果をRAM43に記憶したり、各機器や装置に対する制御処理として各機器や装置に制御信号を送信したりする。
本体PCB60には、ランプ30、サブCPU61、ホッパー66、コイン検出部67、グラフィックボード68、出力装置としてのスピーカ29、タッチパネル69、紙幣識別器22、カードリーダ36、キースイッチ38S及びデータ表示器37が接続されている。ランプ30は、メインCPU41から出力される制御信号に基づいて、所定のパターンで点灯する。
サブCPU61は、リール14(14L、14C、14R)の回転及び停止の制御を行うものである。サブCPU61には、FPGA(Field Programmable Gate Array)63及びドライバ64を備えたモータ駆動回路62が接続されている。FPGA63は、プログラミング可能なLSI等の電子回路であり、ステッピングモータ70の制御回路として機能するものである。ドライバ64は、ステッピングモータ70に入力するパルスの増幅回路として機能するものである。モータ駆動回路62には、各リール14の回転を行うステッピングモータ70(70L、70C、70R)が接続されている。ステッピングモータ70は、1−2相励磁方式のステッピングモータである。
本発明において、ステッピングモータの励磁方式は、特に限定されるものではなく、例えば、2相励磁方式、1相励磁方式等を採用することも可能である。また、ステッピングモータにかえて、DCモータを採用することとしてもよい。DCモータが採用される場合、サブCPU61には、偏差カウンタ、D/A変換器、サーボ増幅器が順に接続され、サーボ増幅器にDCモータが接続されることになる。また、DCモータの回転位置は、ロータリエンコーダによって検出され、ロータリエンコーダから偏差カウンタに対してDCモータの現在の回転位置がデータとして供給される。
また、サブCPU61には、インデックス検出回路65と、位置変更検出回路71とが接続されている。インデックス検出回路65は、回転中のリール14の位置(後述するインデックス)を検出するものであり、更に、リール14の脱調を検出可能である。なお、リール14の回転及び停止の制御については、後で図面を用いて詳述することにする。
位置変更検出回路71は、リール14の回転が停止した後におけるリール14の停止位置の変更を検出する。例えば、位置変更検出回路71は、実際には入賞態様となるシンボルの組合せではないにも関わらず、遊技者により強制的に入賞態様となるシンボルの組合せになるように停止位置が変更された場合等に係るリール14の停止位置の変更を検出する。位置変更検出回路71は、例えば、リール14の内側部分に所定間隔で取り付けられたフィン(図示せず)を検出することにより、リール14の停止位置の変更を検出可能に構成されている。
ホッパー66は、キャビネット11内に設置されていて、メインCPU41から出力される制御信号に基づいて、所定数のコインをコイン払出口19からコイントレイ18に払い出す。コイン検出部67は、コイン払出口19の内部に設けられていて、コイン払出口19から所定枚数のコインが払い出されたことを検出した場合には、メインCPU41に対して入力信号を出力する。
グラフィックボード68は、メインCPU41から出力される制御信号に基づいて、出力装置としての上側画像表示パネル33及び下側画像表示パネル16における画像表示を制御する。下側画像表示パネル16のクレジット数表示部31には、RAM43に記憶されているクレジット数が表示される。また、下側画像表示パネル16のペイアウト数表示部32には、コインの払出数が表示される。グラフィックボード68は、メインCPU41から出力される制御信号に基づいて画像データを生成するVDP(Video Display Processor)や、VDPによって生成される画像データを一時的に記憶するビデオRAM等を備えている。なお、VDPによって画像データを生成する際に用いられる画像データは、メモリカード53から読み出されてRAM43に記憶されたゲームプログラム内に含まれている。
紙幣識別器22は、紙幣の適否を識別するとともに正規の紙幣をキャビネット11内に受け入れる。紙幣識別器22は、正規の紙幣を受け入れたとき、その紙幣の額に基づいてメインCPU41に対して入力信号を出力する。メインCPU41は、該入力信号により伝達された紙幣の額に応じたクレジット数をRAM43に記憶する。
カードリーダ36は、スマートカードからのデータを読み取ってメインCPU41へ送信したり、メインCPU41からの制御信号に基づいてスマートカードへのデータの書き込みを行ったりする。キースイッチ38Sは、キーパッド38に設けられていて、キーパッド38が遊技者によって操作されたとき、所定の入力信号をメインCPU41へ出力する。データ表示器37は、メインCPU41から出力される制御信号に基づいて、カードリーダ36が読み取ったデータや遊技者によってキーパッド38を介して入力されたデータを表示する。
サブPCB80には、コントロールパネル20、リバータ21S、コインカウンタ21C及び冷陰極管81が接続されている。コントロールパネル20には、スピンボタン23に対応したスピンスイッチ23S、チェンジボタン24に対応したチェンジスイッチ24S、CASHOUTボタン25に対応したCASHOUTスイッチ25S、1−BETボタン26に対応した1−BETスイッチ26S、及び、最大BETボタン27に対応した最大BETスイッチ27Sが設けられている。各スイッチ23S〜27Sは、対応するボタン23〜27が遊技者によって操作されたとき、メインCPU41に対して入力信号を出力する。
コインカウンタ21Cは、コイン受入口21の内部に設けられていて、遊技者によってコイン受入口21に投入されたコインの適否を識別する。正規のコイン以外のものは、コイン払出口19から排出される。また、コインカウンタ21Cは、正規のコインを検出したときにメインCPU41に対して入力信号を出力する。
リバータ21Sは、メインCPU41から出力される制御信号に基づいて動作するものであり、コインカウンタ21Cによって正規のコインとして認識されたコインを、遊技機10内に設置されたキャッシュボックス(図示せず)又はホッパー66に振り分ける。すなわち、ホッパー66がコインで満たされている場合、正規のコインはリバータ21Sによってキャッシュボックスに振り分けられる。一方、ホッパー66がコインで満たされていない場合には、正規のコインはホッパー66に振り分けられる。冷陰極管81は、下側画像表示パネル16と、上側画像表示パネル33との背面側に設置されるバックライトとして機能するものであり、メインCPU41から出力される制御信号に基づいて点灯する。
次に、遊技機10において行われる処理について説明する。図4は、図3に示したマザーボード40とゲーミングボード50とによるゲームプログラム及びゲームシステムプログラムの認証読取処理の手順を示したチャートである。なお、ゲーミングボード50におけるカードスロット53Sには、メモリカード53が差し込まれ、ICソケット54Sには、GAL54が取り付けられているものとする。
まず、電源ユニット45において電源スイッチの投入(電源の投入)が行われると、マザーボード40及びゲーミングボード50を起動する(ステップS1−1、S2−1)。マザーボード40及びゲーミングボード50が起動すると、それぞれ別個の処理が並行して行われる。すなわち、ゲーミングボード50では、CPU51が、ブートROM52に格納されている予備認証プログラムの読み出しを行い、その読み出した予備認証プログラムに従い、マザーボード40への取込前に予め認証プログラムの改竄が行われていないことを確認及び証明する予備認証を行う(ステップS2−2)。一方、マザーボード40では、メインCPU41が、ROM42に格納されているBIOSを実行して、BIOSに組み込まれている圧縮データをRAM43に展開する(ステップS1−2)。そして、メインCPU41は、RAM43に展開されたBIOSを実行し、各種周辺装置の診断と初期化とを行う(ステップS1−3)。
すると、メインCPU41には、PCIバスを介して、ゲーミングボード50のROM55が接続されているので、メインCPU41は、ROM55に格納されている認証プログラムの読み出しを行うとともに、読み出した認証プログラムをRAM43に記憶させる処理を行う(ステップS1−4)。このとき、メインCPU41は、BIOSの標準BIOSの機能に従い、ADDSUM方式(標準チェック機能)によるチェックサムを取り、格納が間違いなく行われるか否かの確認処理を行いながら、認証プログラムをRAM43に記憶させる。
次に、メインCPU41は、IDEバスに何が接続されているのかを確認した上で、IDEバスを介してカードスロット53Sに差し込まれているメモリカード53にアクセスし、メモリカード53から、ゲームプログラム及びゲームシステムプログラムの読み出しを行う。この場合、メインCPU41は、ゲームプログラム及びゲームシステムプログラムを構成するデータを4バイトずつ読み出す。続いて、メインCPU41は、RAM43に記憶された認証プログラムに従い、読み出したゲームプログラム及びゲームシステムプログラムの改竄が行われていないことを確認及び証明する認証を行う(ステップS1−5)。この認証処理が正常に終了すると、メインCPU41は、認証対象となった(認証された)ゲームプログラム及びゲームシステムプログラムをRAM43に書き込み記憶させる(ステップS1−6)。次に、メインCPU41は、PCIバスを介してICソケット54Sに取り付けられているGAL54にアクセスし、GAL54から、ペイアウト率設定用データを読み込み、RAM43に書き込み記憶させる(ステップS1−7)。次に、メインCPU41は、PCIバスを介して、ゲーミングボード50のROM55に格納されている国識別情報の読み出しを行うとともに、読み出した国識別情報をRAM43に記憶させる処理を行う(ステップS1−8)。
上述した処理を行った後、メインCPU41は、ゲームプログラム及びゲームシステムプログラムを順次読み出して実行することにより、遊技を進行させる。
図4に示した処理が行われた後、メインCPU41は、遊技モード選択処理を行う。図5は、遊技モード選択処理のサブルーチンを示すフローチャートである。なお、メインCPU41は、このサブルーチンを実行している間に、コイン受入口21に投入されたコインがコインカウンタ21Cによって検出された際にコインカウンタ21Cから出力される検出信号を受信したとき、割込処理として、RAM43に記憶されたクレジット数を加算する処理を行う。
まず、メインCPU41は、RAM43に格納された保険モードフラグが“ON”にセットされているか否かを判断する(ステップS111)。保険モードフラグが“ON”にセットされていない、すなわち、保険モードフラグが“OFF”にセットされていると判断した場合、保険無モード画像を表示する処理を行う(ステップS112)。この処理において、メインCPU41は、保険無モード画像の描画命令をグラフィックボード68に送信する。グラフィックボード68では、上記描画命令に基づいて、VDPが画像データをRAM43から抽出してビデオRAMに展開し、1フレームの画像データを生成し、この画像データを上側画像表示パネル33及び下側画像表示パネル16に出力する。その結果、上側画像表示パネル33及び下側画像表示パネル16には、例えば、図6に示すような画像が表示される。
図6は、保険無モードにおいて上側画像表示パネル33及び下側画像表示パネル16に表示される画像の一例(上側画像301、下側画像401)を示す図である。下側画像401中、15(15L、15C、15R)は、表示窓を示している。31は、クレジット数表示部を示している。32は、ペイアウト数表示部を示している。PAYLINE214は、入賞ラインを示している。また、下側画像401の右下部には、「BET FOR RESCUE PAY MORE INFO」を示す画像210が表示されている。遊技者は、画像210の表示領域に対応するタッチパネル69の所定箇所に触れることにより、保険有モードを選択することができる画面へ移行させることができる。図7は、保険無モードにおいて保険有モードを選択する場合、下側画像表示パネルに表示される画像の一例を示す図である。画像210の表示領域に対応するタッチパネル69の所定箇所に触れた場合、下側画像表示パネル16に下側画像402が表示される。この下側画像402中の下方部に、保険有モードの選択を遊技者に要求するための画像220が表示されている。画像220は、還元モードでの所定数のクレジットのペイアウト(レスキューペイ)についての説明とともに、保険有モードを選択するための画像であるYES221と、保険無モードを選択するための画像であるNO222とを表示している。遊技者は、画像YES221の表示領域に対応するタッチパネル69の所定箇所に触れることにより、保険有モードを選択する旨の指示を入力することができる。
保険有モードが選択された場合、その後、単位ゲームで所定以上(本実施形態では180)のクレジットの取得をすることなく、かつ、ボーナスゲームも発生することなくゲーム回数が特定回数(例えば1000)に達すると、遊技機10は、還元モードに移行する。還元モードでは、遊技者は、所定数(本実施形態では360)のクレジット、又はそれに相当するコインを取得することができる。すなわち、遊技者は、保険有モードでは、長時間にわたってクレジットの取得やボーナスゲームの発生がなかった場合に生じる損失の全部又は一部を補填するための保険を掛けた状態で、遊技を行うことができる。
一方、保険有モードを選択する旨の指示が入力されなかった場合には、保険無モードが選択される。保険無モードが選択された場合、その後、長期間にわたってボーナスゲームが発生しなかったとしても、遊技機10が、還元モードに移行することもない。
ステップS112の処理の後、メインCPU41は、ヘルプ画像を表示する旨の指示が入力されたか否かを判断する(ステップS113)。ヘルプ画像を表示する旨の指示は、タッチパネル69の所定箇所が遊技者によって触れられたときに入力される。
ヘルプ画像を表示する旨の指示が入力された場合には、ヘルプ画像を表示する処理を行う(ステップS114)。この処理において、メインCPU41は、ヘルプ画像の描画命令をグラフィックボード68に送信する。グラフィックボード68は、上記描画命令に基づいて、上側画像表示パネル33及び下側画像表示パネル16に画像を表示する処理を行う。
ステップS114の処理を実行した場合、又は、ステップS113において、ヘルプ画像を表示する旨の指示が入力されなかった場合、メインCPU41は、保険有モードを選択する旨のを指示が入力されたか否かを判断する(ステップS115)。保険有モードを選択する旨のを指示は、上述したように、画像220中のYES221の表示領域に対応するタッチパネル69の所定箇所が遊技者によって触れられたときに入力される。
保険有モードを選択する旨の指示が入力されたときには、メインCPU41は、RAM43に格納された保険モードフラグを“ON”にセットする(ステップS116)。続いて、メインCPU41は、RAM43に記憶されたクレジット数から、所定数を減算する処理を行う(ステップS117)。
ステップS111において、保険モードフラグが“ON”にセットされていると判断した場合、又は、ステップS117の処理を実行した場合、保険有モード画像を表示する処理を行う(ステップS118)。この処理において、メインCPU41(演算処理装置)は、保険有モード画像の描画命令をグラフィックボード68に送信する。グラフィックボード68では、上記描画命令に基づいて、VDPが、報知用データとしての画像データをRAM43(記憶装置)から抽出してビデオRAMに展開し、1フレームの画像データを生成し、この画像データを上側画像表示パネル33及び下側画像表示パネル16に出力する。その結果、上側画像表示パネル33及び下側画像表示パネル16には、例えば、図8に示すような画像が表示される。
図8は、保険有モードにおいて上側画像表示パネル33及び下側画像表示パネル16に表示される画像の一例を示す図である。図8(1)は、図7において、遊技者がYES221を選択しことに応じて移行した保険有モードにおいて、上側画像表示パネル33及び下側画像表示パネル16に表示される画像の一例(上側画像302、下側画像403)を示す図である。上側画像302は、保険有モードなので「RESCUE ON」の画像230を表示している。下側画像403の右下部には、保険有モードを示す「RESCUE ON MORE INFO」の画像235が表示され、保険有モード中に還元モードになる条件等を示す「MAXBETで1000ゲーム当籤しなかった場合レスキューペイとして360クレジットペイアウトします。」の画像236が表示されている。ここで、MAXBETとは、最大BET数のことをいい、1回の遊技に賭けることが可能な最大枚数をいう。
図8(2)は、保険有モード中に遊技者が単位ゲームを実行した場合、下側画像表示パネル16に表示される画像の一例(下側画像404)を示す図である。下側画像404は、還元モードになるための(レスキューペイされるまでの)残りゲーム数について、例えば、「MAXBETで999ゲーム当籤しなかった場合レスキューペイとして360クレジットペイアウトします。」の画像237を表示している。
ステップS118の処理の後、メインCPU41は、保険有モード時における遊技実行処理を行う(ステップS119)。この処理については後で図9を用いて詳述するが、保険有モードでは、上側画像表示パネル33に上側画像302が表示され、下側画像表示パネル16に下側画像403が表示される。
一方、ステップS115において、保険有モードを選択する旨の指示が入力されなかった場合、メインCPU41は、保険無モード時における遊技実行処理を行う(ステップS120)。この処理は、還元モード移行に係る処理と、ゲーム回数の計数に係る処理とが行われないことを除いて、保険有モード時における遊技実行処理(図9参照)と略同様の処理であるから、ここでの説明は省略する。ステップS119又はS120の処理を実行した場合には、その後、ステップS111に処理を戻す。
本実施形態では、報知用データに基づいて、出力装置としての上側画像表示パネル33及び下側画像表示パネル16に、保険有モードに移行したことを報知するための上側画像302、下側画像403が表示される場合について説明したが、本発明においては、報知用データに基づいて、出力装置としてのスピーカ29から、保険有モードに移行したことを報知するための音を出力することとしてもよい。
図9は、図5に示したサブルーチンのステップS119において呼び出されて実行される保険有モード時の遊技実行処理のサブルーチンを示すフローチャートである。フローチャート上、ゲーム回数カウンタがカウントとする値をGとする。
遊技実行処理においては、まず、メインCPU41は、コインがBETされたか否かを判断する(ステップS10)。この処理において、メインCPU41は、1−BETボタン26が操作された際に1−BETスイッチ26Sから出力される入力信号、又は、最大BETボタン27が操作された際に最大BETスイッチ27Sから出力される入力信号を受信したか否かを判断する。コインがBETされていないと判断した場合、ステップS10に処理を戻す。
一方、ステップS10において、コインがBETされたと判断した場合、メインCPU41は、BETされたコインの枚数に応じて、RAM43に記憶されたクレジット数を減算する処理を行う(ステップS11)。
次に、メインCPU41は、スピンボタン23がONされたか否かを判断する(ステップS12)。この処理において、メインCPU41は、スピンボタン23が押下された際にスピンスイッチ23Sから出力される入力信号を受信したか否かを判断する。スピンボタン23がONされていないと判断した場合、ステップS12に処理を戻す。なお、スピンボタン23がONされなかった場合(例えば、スピンボタン23がONされずに遊技を終了する旨の指示が入力された場合)には、メインCPU41は、ステップS11における減算結果をキャンセルする。
次に、メインCPU41は、MAXBETか否かを判断する(ステップ13)。この処理において、メインCPU41は、BETした値が最大BET数か否かを判断する。MAXBETであると判断した場合、ゲーム回数(G)をカウントする(ステップS14)。ここで、ゲーム回数(G)の値は、保険有モードに移行したときにクリアする(G=0)。
ステップS14の処理を実行した場合、又は、ステップS13において、MAXBETでないと判断した場合、メインCPU41は、抽籤処理を行う(ステップS15)。この抽籤処理において、メインCPU41(演算処理装置)は、RAM43(記憶装置)に記憶された抽籤プログラムを実行することにより、各リール14の停止時におけるコードNo.を決定する。これにより、再配置されるシンボルの組合せが決定される。この処理については、後で図14及び図15を用いて詳述することにする。なお、本実施形態では、再配置されるシンボルの組合せを決定することにより、複数種類の役の中から1つの役を決定する場合について説明するが、本発明においては、例えば、まず、抽籤によって、複数種類の役の中から選ばれる1つの役を決定し、その後に、再配置されるシンボルの組合せを上記役に基づいて決定することとしてもよい。
次に、メインCPU41は、リールの回転制御処理を行う(ステップS16)。この処理は、全リール14の回転を開始した後、ステップS15において決定された役に対応したシンボルの組合せが入賞ライン上に再配置されるように、各リールの回転を停止させる処理である。この処理については、後で図16〜図18を用いて詳述することにする。次に、メインCPU41は、役判定処理を行う(ステップS17)。この処理については、後で図10又は及び図11を用いて詳述することにする。次に、メインCPU41は、計数処理を行う(ステップS18)。この処理については、後で図12を用いて詳述することにする。
図10は、図9に示したサブルーチンのステップS17において呼び出されて実行される役判定処理のサブルーチンの1つの例である役判定処理1のサブルーチンを示すフローチャートである。
まず、メインCPU41は、ボーナスゲームトリガーが成立したか否か、すなわち、表示窓15内に「APPLE」が再配置されたか否かを判断する(ステップS121)。ボーナスゲームトリガーが成立したと判断した場合には、メインCPU41(演算処理装置)は、ボーナスゲームを行うためのプログラムをRAM43(記憶装置)から読み出してボーナスゲーム処理を実行する(ステップS122)。ボーナスゲーム処理については、後で図19を用いて詳述することにする。
ステップS122の処理の後、ゲーム回数カウンタを0にする(ステップS123)。なお、本実施例では、ゲーム回数カウンタを0にしたが、保険有モードから保険無モードへ移行する(保険モードフラグをOFFにする)としてもよい。ボーナスゲームへ移行することに応じて、保険無モードに戻ることにより、遊技で利益を得ている遊技者との公平感を保つことができる。
一方、ステップS121において、ボーナスゲームトリガーが成立していないと判断した場合、メインCPU41は、役が成立したか否かを判断する(ステップS124)。役が成立したと判断した場合、メインCPU41は、ペイアウト処理(投入数及び役に応じたコインの払い出し)を行う(ステップS125)。コインの貯留を行う場合、メインCPU41は、RAM43に記憶されたクレジット数を加算する処理を行う。一方、コインの払い出しを行う場合には、メインCPU41は、ホッパー66に制御信号を送信して所定数のコインの払い出しを行う。その際、コイン検出部67は、ホッパー66から払い出されるコインの枚数を計数し、その計数値が指定された数に達したときに、払出完了信号をメインCPU41に送信する。これにより、メインCPU41は、ホッパー66の駆動を停止し、コインの払出処理を終了する。
ステップS123若しくはステップS125の処理を実行した場合、又は、ステップS124において、いずれの役も成立していないと判断した場合(ハズレであると判断した場合)、メインCPU41は、本サブルーチンを終了する。
図11は、図9に示したサブルーチンのステップS17において呼び出されて実行される役判定処理のサブルーチンの他の例である役判定処理2のサブルーチンを示すフローチャートである。役判定処理1では、ボーナスゲーム処理の後にゲーム回数カウンタを0(又は保険モードフラグをOFF)としたが、ペイアウトが予め定められた所定数以上である場合にゲーム回数を0(又は保険モードフラグをOFF)にする処理を行う。フローチャート上、予め定められた所定数をPで表す。
まず、メインCPU41は、ボーナスゲームトリガーが成立したか否か、すなわち、表示窓15内に「APPLE」が再配置されたか否かを判断する(ステップS150)。ボーナスゲームトリガーが成立したと判断した場合には、メインCPU41(演算処理装置)は、ボーナスゲームを行うためのプログラムをRAM43(記憶装置)から読み出してボーナスゲーム処理を実行する(ステップS151)。ボーナスゲーム処理については、後で図19を用いて詳述することにする。
一方、ステップS150において、ボーナスゲームトリガーが成立していないと判断した場合、メインCPU41は、役が成立したか否かを判断する(ステップS153)。役が成立したと判断した場合、メインCPU41は、ペイアウト処理(投入数及び役に応じたコインの払い出し)を行う(ステップS154)。コインの貯留を行う場合、メインCPU41は、RAM43に記憶されたクレジット数を加算する処理を行う。一方、コインの払い出しを行う場合には、メインCPU41は、ホッパー66に制御信号を送信して所定数のコインの払い出しを行う。その際、コイン検出部67は、ホッパー66から払い出されるコインの枚数を計数し、その計数値が指定された数に達したときに、払出完了信号をメインCPU41に送信する。これにより、メインCPU41は、ホッパー66の駆動を停止し、コインの払出処理を終了する。
ステップS151若しくはS154の処理を実行した場合、又は、ステップS153において、いずれの役も成立していないと判断した場合(ハズレであると判断した場合)、ペイアウトはP以上か否かを判断する(ステップS152)。この処理において、Pは予め定められた所定のペイアウト数(本実施形態では180クレジット)を表す。ペイアウトはP以上であると判断した場合、メインCPU41は、ゲーム回数カウンタを0にする。なお、本実施例では、ゲーム回数カウンタを0にしたが、保険有モードから保険無モードへ移行する(保険有モードをOFFにする)としてもよい。ボーナスゲームへ移行することに応じて、保険無モードに戻ることにより、遊技で利益を得ている遊技者との公平感を保つことができる。
ステップS152において、ペイアウトはP以上ではないと判断した場合、又はステップS155の処理を実行した場合、メインCPU41は、本サブルーチンを終了する。
図12は、図9に示したサブルーチンのステップS18において呼び出されて実行される計数処理のサブルーチンを示すフローチャートである。フローチャート上、ゲーム回数カウンタがカウントとした値をGで、保険有モードへ移行するゲーム回数である特定回数をXで表す。
まず、メインCPU41は、GがX−10の値より以上であるか否かを判断する(ステップS130)。すなわち、メインCPU41は、ゲーム回数カウンタの値(G)が、保険有モードへ移行するゲーム回数である特定回数(X)まで、残り10以下であるか否かを判断する。残りゲーム数が10以下であると判断した場合、保険予告演出表示処理を行う(ステップS131)。保険予告演出表示処理は、図13を用いて詳述するように、還元モードへの移行が近いので残りゲーム数を大きく表示する等の演出表示(図20から図24)を行う。
次に、メインCPU41は、GがXと等しいか否かを判断する(ステップS132)。すなわち、メインCPU41は、ゲーム回数カウンタ(G)と特定回数(X)とが等しいか否かを判断し、等しいと判断した場合、還元モードとなり、保険発生演出表示を行う(ステップS133)。この処理は、図25で示される画像を表示する。
次に、メインCPU41は、抽籤処理を行う(ステップS134)。メインCPU41は、図14で詳述する抽籤処理を呼び出し、還元モードになった場合に行う抽籤を行い、再配置するシンボルの組合せを決定する。
次に、メインCPU41は、図16で詳述するリール回転制御処理を呼び出し、抽籤結果に基づいたシンボルの組合せのリール回転制御処理を行う(ステップS135)。次に、メインCPU41は、図10又は図11で詳述した役判定処理を呼び出し、回転表示したシンボルの組合せについて、役の判定を行う(ステップS136)。
次に、メインCPU41は、払出処理を行う(ステップS137)。この処理で、メインCPU41は、役に応じた払出処理を行うとともに、還元モードでのペイアウト(本実施例では360クレジットのレスキューペイ)を行う。次に、メインCPU41は、保険モードフラグをOFFにする(ステップS138)。その後、メインCPU41は、本サブルーチンを終了する。
図13は、図12に示したサブルーチンのステップS131において呼び出されて実行される保険予告演出表示処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
まず、メインCPU41は、このゲームはMAXBETだったか否かを判断する(ステップS160)。具体的には、メインCPU41は、図9のステップS13の判断がMAXBETだったか否かを判断する。MAXBETだったと判断した場合、メインCPU41は、特定回数(X)からゲーム回数のカウント値(G)を減算した、特定回数とゲーム回数との差を表示する(ステップS161)。
ステップS161の処理を実行した場合、又は、ステップS160において、MAXBETではなかったと判断した場合、メインCPU41は、演出画像表示を行う(ステップS162)。この処理では、特定回数からゲーム回数のカウント値を減算した値が10以下の場合なので、還元モード(所定数のクレジットのペイアウトであるレスキューペイを行う)までの残りゲーム数(10から1)を大きく表示し、図20から図24で示すような特別な演出を行う。
図20は、保険有モードにおいて上側画像表示パネル及び下側画像表示パネルに表示される画像の一例を示す図である。図20(1)は、保険有モードにおいて上側画像表示パネル33及び下側画像表示パネル16に表示される画像の一例(上側画像306、下側画像406)を示す図である。上側画像306中、中央部の画像240は、レスキューペイまでの残りゲーム数である10ゲームを「MAXBETした場合にレスキューペイまでの残りゲーム数」という説明文とともに、「10GAMES」の画像240を表示している。また、上側画像306中、下方部の画像238は、レスキューオン中であることを「RESCUE ON RESCUE PAY 360CREDITS」と表示している。下側画像406中、下方部の画像242は、レスキューペイまでの残りゲーム数である10ゲームを「10GAMES」と表示している。
図20(2)は、図20(1)の状態で単位ゲームが実行され、ゲーム回数がカウントされた結果、残りゲーム数が1減少し9ゲームになった場合の画像を示す図である。図の画像は、上側画像表示パネル33及び下側画像表示パネル16に表示される画像の一例(上側画像307、下側画像407)である。上側画像307及び下側画像407は、ともに残りゲーム数9を表示している。また、下側画像407中の下方部に、光245が表示されている。光245は、レスキューペイまでの演出が始まることを示唆している。この演出により、遊技者は、レスキューペイまでの残りゲーム数がわずかであることを実感することができる。
図21は、保険有モードにおいて上側画像表示パネル及び下側画像表示パネルに表示される画像の一例を示す図である。図21(1)は、図20(2)の状態で単位ゲームが実行され、ゲーム回数がカウントされた結果、残りゲーム数が1減少し8ゲームになった場合の画像を示す図である。図の画像は、上側画像表示パネル33及び下側画像表示パネル16に表示される画像の一例(上側画像308、下側画像408)である。上側画像308及び下側画像408は、ともに残りゲーム数8を表示している。下側画像408中の下方部の天使246は、羽を少しずつ開き、レスキューペイが間近であることを演出している。この演出により、遊技者は、レスキューペイが更に近づいたことを実感することができる。
図21(2)は、図21(1)の状態で単位ゲームが実行され、ゲーム回数がカウントされた結果、残りゲーム数が1減少し7ゲームになった場合の画像を示す図である。図の画像は、上側画像表示パネル33及び下側画像表示パネル16に表示される画像の一例(上側画像309、下側画像409)である。上側画像309及び下側画像409は、ともに残りゲーム数7を表示している。下側画像409中の下方部の天使246は、羽を少しずつ開き、レスキューペイが間近であることを演出している。この演出により、遊技者は、レスキューペイが更に近づいたことを実感することができる。
図21(3)は、図21(2)の状態で単位ゲームが実行され、ゲーム回数がカウントされた結果、残りゲーム数が1減少し6ゲームになった場合の画像を示す図である。図の画像は、上側画像表示パネル33及び下側画像表示パネル16に表示される画像の一例(上側画像310、下側画像410)である。上側画像310及び下側画像410は、ともに残りゲーム数6を表示している。下側画像410中の下方部の天使246は、羽を少しずつ開き、レスキューペイが間近であることを演出している。この演出により、遊技者は、レスキューペイが更に近づいたことを実感することができる。
図22は、保険有モードにおいて上側画像表示パネル及び下側画像表示パネルに表示される画像の一例を示す図である。図22(1)は、図21(3)の状態で単位ゲームが実行され、ゲーム回数がカウントされた結果、残りゲーム数が1減少し5ゲームになった場合の画像を示す図である。図の画像は、上側画像表示パネル33及び下側画像表示パネル16に表示される画像の一例(上側画像311、下側画像411)である。上側画像311及び下側画像411は、ともに残りゲーム数5を表示している。下側画像411中の下方部の天使246は、羽を少しずつ開き、レスキューペイが間近であることを演出している。この演出により、遊技者は、レスキューペイが更に近づいたことを実感することができる。
図22(2)は、図22(1)の状態で単位ゲームが実行され、ゲーム回数がカウントされた結果、残りゲーム数が1減少し4ゲームになった場合の画像を示す図である。図の画像は、上側画像表示パネル33及び下側画像表示パネル16に表示される画像の一例(上側画像312、下側画像412)である。上側画像312及び下側画像412は、ともに残りゲーム数4を表示している。下側画像412中の下方部の天使248は、羽を大きく開き、レスキューペイが目前であることを演出している。この演出により、遊技者は、レスキューペイが更に近づいたことを実感することができる。
図23は、保険有モードにおいて上側画像表示パネル及び下側画像表示パネルに表示される画像の一例を示す図である。図23(1)は、図22(2)の状態で単位ゲームが実行され、ゲーム回数がカウントされた結果、残りゲーム数が1減少し3ゲームになった場合の画像を示す図である。図の画像は、上側画像表示パネル33及び下側画像表示パネル16に表示される画像の一例(上側画像313、下側画像413)である。上側画像313及び下側画像413は、ともに残りゲーム数3を表示している。下側画像413中の下方部の天使248は、羽を大きく開き、レスキューペイが目前であることを演出している。この演出により、遊技者は、レスキューペイが更に近づいたことを実感することができる。
図23(2)は、図23(1)の状態で単位ゲームが実行され、ゲーム回数がカウントされた結果、残りゲーム数が1減少し2ゲームになった場合の画像を示す図である。図の画像は、上側画像表示パネル33及び下側画像表示パネル16に表示される画像の一例(上側画像314、下側画像414)である。上側画像314及び下側画像414は、ともに残りゲーム数2を表示している。下側画像414中の下方部の天使248は、羽を大きく開き、レスキューペイが目前であることを演出している。この演出により、遊技者は、レスキューペイが更に近づいたことを実感することができる。
図24は、保険有モードにおいて上側画像表示パネル及び下側画像表示パネルに表示される画像の一例を示す図である。図23(2)の状態で単位ゲームが実行され、ゲーム回数がカウントされた結果、残りゲーム数が1減少し1ゲームになった場合の画像を示している。図の画像は、上側画像表示パネル33及び下側画像表示パネル16に表示される画像の一例(上側画像315、下側画像415)である。上側画像315及び下側画像415は、ともに残りゲーム数1を表示している。下側画像415中の下方の天使249は、羽を更に大きく開き、レスキューペイが直前であることを演出している。この演出により、遊技者は、レスキューペイの直前であることを実感することができる。
図25は、還元モード移行時に上側画像表示パネル及び下側画像表示パネルに表示される画像の一例を示す図である。図25(1)は、図24の状態で単位ゲームが実行され、ゲーム回数がカウントされた結果、残りゲーム数が1減少し0ゲームになり、還元モードに入った場合の画像を示す図である。図の画像は、上側画像表示パネル33及び下側画像表示パネル16に表示される画像の一例(上側画像316、下側画像416)である。上側画像316は、レスキューペイとして360クレジットを支払うことを大きく表示している。下側画像416は、還元モードでゲームが行われ、表示窓15L、15C、15RのシンボルがDOの組合せとなり(画像254)、役に相当しているので、90クレジットが支払われ、CREDITが876(786+90)となったことを示す画像を表示している。更に、下側画像416は、レスキューペイが支払われることを示す画像252と、レスキューペイを受け取るように促す天使の画像253を表示している。
図25(2)は、還元モードが終了した場合、下側画像表示パネル16に表示される画像の一例(下側画像417)を示す図である。レスキューペイとして360クレジットが支払われた結果、下側画像417は、CREDITを1236(876+360)と表示し、還元モードが終了したことを示す「RESCUE OFF」の画像255を表示している。
図14は、図9に示したサブルーチンのステップS15において呼び出されて実行される抽籤処理のサブルーチンを示すフローチャートである。この処理は、RAM43に記憶された抽籤プログラムをメインCPU41が実行することによって行われる処理である。
まず、メインCPU41は、抽籤プログラムに含まれる乱数発生用プログラムを実行することにより、0〜255の数値範囲の中から、3つのリール14のそれぞれに対応する乱数値を選択する(ステップS31)。本実施形態では、プログラム上で乱数を発生させる場合(いわゆるソフトウェア乱数を用いる場合)について説明する。ただし、本発明においては、乱数発生器を設けておいて該乱数発生器から乱数を抽出する(いわゆるハードウェア乱数を用いる)こととしてもよい。
次に、メインCPU41(演算処理装置)は、GAL54から出力されてRAM43(記憶装置)に記憶されたペイアウト率設定用データに応じたシンボル重み付けデータを参照し、選択された3つの乱数値に基づいて、各リール14のコードNo.(図2参照)を決定する(ステップS32)。各リール14のコードNo.は、入賞ライン上に再配置されるシンボルのコードNo.に対応している。メインCPU41は、各リール14のコードNo.を決定することにより、役を決定する。例えば、各リール14のコードNo.を“00”、“00”、“00”に決定した場合、メインCPU41は、役を「DO」に決定したことになる。なお、このリールのコードNo.に基づいて、後述するリールの回転制御処理が行われる。
ここで、本実施形態における役について説明する。図15は、本実施形態における複数種類の役と各役の成立可能性及び払出数との関係を説明するための図である。図15に示す各役の成立可能性は、ボーナスゲーム以外におけるペイアウト率が88%である場合のものである。なお、図中に示す成立可能性は、シンボル重み付けデータを参照して3つの乱数値に基づいて、各リール14のコードNo.を決定した場合に、当該役が成立する可能性を示すものである。すなわち、各役に対して乱数値が対応付けられているものではない。
ボーナスゲームトリガーの成立可能性は、0.5%である。ボーナスゲームトリガーに当籤すると、「APPLE」のシンボルが入賞ライン上に3つ再配置され、ボーナスゲームが発生する。ボーナスゲームでは、抽籤によって定められた回数のフリーゲームを実行する。
「DO」の成立可能性は0.5%である。この役が成立すると、「DO」のシンボルが入賞ライン上に3つ再配置され、コイン投入数1枚あたり30枚のコインが払い出される。成立可能性は低い役ほど、払出数は多く設定されている。ただし、図15に示した役のいずれの組合せにもならないシンボルの組合せが再配置された場合は、ハズレであり、コインの払い出しは行われない。
図16は、図9に示したサブルーチンのステップS16において呼び出されて実行されるリール回転制御処理のサブルーチンを示すフローチャートである。なお、この処理は、メインCPU41とサブCPU61との間で行われる処理である。
まず、メインCPU41は、サブCPU61に対して、リールの回転を開始させる旨のスタート信号を送信する(ステップS40)。サブCPU61は、メインCPU41からスタート信号を受信すると、リール回転処理を行う(ステップS51)。この処理において、サブCPU61は、モータ駆動回路62にパルスを供給する。サブCPU61から出力されたパルスは、ドライバ64によって増幅され、各ステッピングモータ70(70L、70C、70R)に供給される。その結果、各ステッピングモータ70が回転し、それに伴って各リール14(14L、14C、14R)が回転する。1−2相励磁方式のステッピングモータ70は、ステップ角が0.9°であり、1回転あたりのステップ数が400である。したがって、400個のパルスがステッピングモータ70に供給されると、リール14は1回転する。
リール14の回転開始時には、サブCPU61は、周波数が低いパルスをモータ駆動回路62に供給し、次第にパルスの周波数を高くしていく。それに伴って、リール14の回転速度が大きくなる。そして、所定の時間が経過すると、パルスの周波数を一定にする。その結果、リール14が定速で回転する。
ここで、リール14の回転動作について図17を用いて説明する。図17(a)〜(d)は、リール14の回転動作について説明するための側面図である。図17(a)に示すように、リール14の側面には、半円形状の金属板14aが設けられている。金属板14aは、リール14とともに回転する。また、リール14の周面には22個のシンボル(図2参照)が設けられている。リール14の周面に描かれた22個のシンボルのうち、3個のシンボルが、リール14の前方に形成された表示窓15を介して視認可能となる。図中、太線の矢印は、リール14の回転方向を示している。また、リール14の側方には、近接センサ65aが設けられている。近接センサ65aは、金属板14aを検出するためのものである。近接センサ65aは、リール14が回転しても、移動したり回転したりすることはない。
図17(a)には、近接センサ65aによって金属板14aが検出されはじめる時点の金属板14aの位置(以下、位置Aともいう)を示している。金属板14aが位置Aにあるときにリール14が回転すると、金属板14aは、図17(b)に示した位置に移動する。図17(b)には、近接センサ65aによって金属板14aが検出されているときの金属板14aの位置(以下、位置Bともいう)を示している。金属板14aが位置Bにあるときにリール14が回転すると、金属板14aは、図17(c)に示した位置に移動する。図17(c)には、近接センサ65aによって金属板14aが検出されなくなる時点の金属板14aの位置(以下、位置Cともいう)を示している。
金属板14aが位置Cにあるときにリール14が回転すると、金属板14aは、図17(d)に示した位置に移動する。図17(d)には、近接センサ65aによって金属板14aが検出されていないときの金属板14aの位置(以下、位置Dともいう)を示している。更にリール14が回転すると、金属板14aの位置は、位置Aに戻る。上述したように、リール14の回転に伴って、金属板14aの位置は、位置A、位置B、位置C、位置D、位置A、・・・の順に変化する。
近接センサ65aは、インデックス検出回路65(図3参照)を構成するものである。近接センサ65aが金属板14aを検出している状態を“High”、近接センサ65aが金属板14aを検出していない状態を“Low”とすると、金属板14aが位置A→位置B→位置Cにあるとき、インデックス検出回路65の状態は“High”であり、金属板14aが位置C→位置D→位置Aにあるとき、インデックス検出回路65の状態は“Low”である。なお、サブCPU61は、“Low”から“High”への立ち上がりをインデックス(原点)1とし、“High”から“Low”への立ち下がりをインデックス(原点)2として、リール14の回転位置を認識する。
メインCPU41は、ステップS40においてサブCPU61に対してスタート信号を送信した後、リール回転時の演出を実行する(ステップS41)。この処理は、抽籤処理(図9、ステップS15)の結果等に応じて定められる期間(例えば3秒)にわたって、下側画像表示パネル16への画像の表示や、スピーカ29からの音の出力等を行う処理である。
次に、メインCPU41は、リール14の回転の停止を指示するタイミングであるか否かを判断する(ステップS42)。ここで、リール14の回転の停止を指示するタイミングは、リール回転時の演出を終了する時点から、リール14の回転を停止させるために最低限必要な時間だけ前のタイミングである。なお、リール14の回転を停止させるために最低限必要な時間は、予め定められている。
ステップS42において、リール14の回転の停止を指示するタイミングではないと判断した場合、ステップS42に処理を戻し、引き続きリール回転時の演出を行う。一方、ステップS42において、リール14の回転の停止を指示するタイミングであると判断した場合、メインCPU41は、RAM43に記憶されたリールのコードNo.をサブCPU61に送信する(ステップS43)。サブCPU61は、メインCPU41からリールのコードNo.を受信すると、サブCPU61が備えるROM(図示せず)に記憶されたステップ数とコードNo.との対応表に基づいて、コードNo.を、インデックスからのリールの停止位置(ステップ数)に換算する(ステップS52)。
図18は、ステップ数とコードNo.との対応表を示した模式図である。各コードNo.には、インデックスと、ステップ数とが対応付けられている。なお、各コードNo.は、リール14の外周面に描かれたシンボルに対応していて(図2参照)、コードNo.“00”〜“10”のシンボルは、インデックス1に対応している。また、コードNo.“11”〜“21”のシンボルは、インデックス2に対応している。また、図18に示す対応表におけるステップ数は、インデックス1を基準としたステップ数である。例えば、コードNo.が“08”であれば、インデックス1から145ステップが、リールの停止位置である。また、コードNo.が“12”であれば、インデックス1から218ステップが、リールの停止位置である。
次に、サブCPU61は、リール停止処理を実行する(ステップS53)。この処理において、サブCPU61は、インデックス検出回路65における“Low”から“High”への立ち上がり(インデックス1)の検出を各リール14に対して行い、インデックス1を検出したタイミングで、ステップS52においてコードNo.から換算されたステップ数に相当するパルスをモータ駆動回路62に供給し、その後、パルスの供給を停止する。
例えば、ステップS52において、リールの停止位置が、インデックス1から145ステップであると決定された場合、サブCPU61は、インデックス1を検出したタイミングで、145個のパルスをモータ駆動回路62に供給し、その後、パルスの供給を停止する。また、ステップS52において、リールの停止位置が、インデックス1からの218ステップであると決定された場合、サブCPU61は、インデックス1を検出したタイミングで、218個のパルスをモータ駆動回路62に供給する。その結果、リール14が、図14のステップS32において決定されたコードNo.のとおりに停止し、入賞ライン上には、図14のステップS32において決定された役に対応するシンボルの組合せが再配置される。一方、メインCPU41は、リール回転時の演出を終了する。ステップS44及びS53の処理を終了した後、本処理を終了する。
なお、ステップS43において送信されたコードNo.に対応するインデックスと、リール14の回転が停止したときにインデックス検出回路65によって検出されるインデックスとが異なる場合、リール14に脱調が生じているので、メインCPU41は、エラーメッセージを下側画像表示パネル16に表示する等の処理を行い、遊技を中断する。例えば、インデックス2に対応するコードNo.12でリール14Lを停止させる処理を行ったにも関わらず、リール14Lの回転が停止したときにインデックス検出回路65によってインデックス1が検出された場合には、遊技を中断する。
図19は、図10又は図11に示したサブルーチンのステップS122又はステップS151において呼び出されて実行されるボーナスゲーム処理のサブルーチンを示すフローチャートである。ボーナスゲーム処理においては、まず、メインCPU41は、RAM43に記憶された抽籤プログラムに含まれる乱数発生プログラムを実行して得られた乱数値に基づいて、10〜25ゲームのいずれかの中から決定する(ステップS60)。メインCPU41は、決定したボーナスゲームのゲーム数をデータとしてRAM43に記憶する。
続いて、メインCPU41は、抽籤処理(ステップS61)及びリール回転制御処理(ステップS63)を行う。ステップS61の処理は、図14を用いて説明した処理と略同様の処理である。また、ステップS63の処理は、図16を用いて説明した処理と略同様の処理である。これらの処理については、既に説明済であるから、ここでの説明は省略する。
次に、メインCPU41は、ボーナスゲームトリガーが成立したか否か、すなわち、表示窓15内に「APPLE」が再配置されたか否かを判断する(ステップS64)。ボーナスゲームトリガーが成立したと判断した場合には、ボーナスゲームの繰り返し回数tが新たに抽籤により決定され(ステップS65)、その決定された繰り返し回数tは、現在のボーナスゲームのゲーム数Tに加算される(ステップS66)。これにより、ボーナスゲーム中にボーナスゲームに当籤すると、ボーナスゲームの残り回数が増える。具体的に言えば、例えば、20回のボーナスゲームにはじめて移行した場合に、そのボーナスゲームの12回目で17回のボーナスゲームに当籤したときには、その後、25回(20回−12回+17回)のボーナスゲームが行われる。
ボーナスゲームトリガーが成立しなかった場合、メインCPU41は、役が成立したか否かを判断する(ステップS67)。役が成立したと判断した場合、メインCPU41は、投入数及び役に応じたコインの払い出しを行う(ステップS68)。
ステップS66若しくはS68の処理を実行した場合、又は、ステップS67において、いずれの役も成立していないと判断した場合(ハズレであると判断した場合)、メインCPU41は、RAM43に記憶されたボーナスゲームのゲーム数Tを読み出し、読み出したゲーム数Tの値を1減算する。そして、減算後のゲーム数Tを再びRAM43に格納する(ステップS69)。
次に、メインCPU41は、ボーナスゲームの回数Tが、ステップS60で決定された回数に到達したか否かを判断する(ステップS70)。具体的には、RAM43に記憶されたゲーム数Tが0となったか否かにより判断し、ゲーム数Tが0でない場合、すなわちボーナスゲームの実行回数が、ステップS60で決定された回数に到達していないと判断する場合、ステップS61に処理を戻し、上述した処理を繰り返す。一方、ゲーム数Tが0である場合、すなわち、ステップS60で決定された回数に到達したと判断した場合には、その後、本サブルーチンを終了する。
図26は、MAXBET設定変更処理のサブルーチンを示すフローチャートである。この処理は、MAXBETとしてベットする値の設定変更を行う。図27は、MAXBETの設定値とMAXBET時のペイアウト値とを対応付けているテーブルを示す図である。このテーブルは、MAXBETとしてベットする値の設定変更を行う際に用いられ、MAXBETとしてベットする値と、保険有モードにおけるペイアウトの上限値(P)とを対応付けている。
まず、メインCPU41は、設定変更スイッチ85の設定を読み込む処理を行う(ステップS140)。ここで、設定変更スイッチ85とは、MAXBETの値を変更する入力装置である。設定変更スイッチ85は、電源投入時等に遊技機10の管理者が変更を行う。次に、MAXBETの設定を更新する処理を行う(ステップS141)。次に、保険有モードにおけるペイアウトの上限値(P)の変更処理を行う(ステップS142)。この処理で、メインCPU41は、テーブル(図27)を介して、読み込んだ設定変更スイッチの値に応じた上限値(P)を求め、MAXBETとしてベットする値に対応する上限値として変更する。保険有モードでは、この上限値より高いペイアウトが行われるとゲーム回数又は保険有モードがリセットされる(図11参照)。したがって、上限値を高い値に設定しておけば(例えば、MAXBETとしてベットする値を50に設定すると上限値は3000)、保険有モードにおいて、入賞した場合であっても、上限値が高いので、容易にはゲーム回数又は保険有モードがリセットされない。ステップS142の処理を終了した後、メインCPU41は、本サブルーチンを終了する。
本実施形態では、保険有モードにおいて、MAXBETでゲームを行う時にゲーム回数をカウントし、ゲーム回数が特定回数に達すると還元モードへ移行する場合について説明した(図9参照)。ただし、本発明は、この例に限定されるものではない。例えば、MAXBETでなくても、ゲームごとにゲーム回数をカウントし特定回数に達したとき還元モードへ移行することとしてもよい。
以上、本実施形態に係る遊技機10は、メインCPU41(演算処理装置)と、RAM43(記憶装置)と、上側画像表示パネル33及び下側画像表示パネル16とを備え、メインCPU41は、RAM43に記憶された抽籤プログラムを実行することにより、予め定められた複数種類の役の中から選択される1つの役を決定する処理(図14参照)と、所定数のクレジットが投入されたことを条件として、保険無モードから保険有モードに移行するためのプログラムをRAM43から読み出して実行する処理(図5参照)と、保険有モードに移行していることを報知するための報知用データ及び演出用データをRAM43から読み出し、報知用データ及び演出用データに基づいて上側画像表示パネル33及び下側画像表示パネル16に画像(図20等参照)を表示する処理(図12等参照)と、保険有モードに移行した後から、MAXBETで遊技が行われるごとにゲーム回数をカウントし(図9参照)、特定回数とゲーム回数との差を表示(図8等参照)し、ゲーム回数が特定回数に達したときに、還元モードへの移行を行うためのプログラムをRAM43から読み出して実行する処理(図12参照)と、役を判定しボーナスゲームの場合、ゲーム回数若しくは保険有モードをリセットする処理(図10参照)と、役によるペイアウトが所定以上の場合にゲーム回数若しくは保険有モードをリセットする処理(図11参照)と、MAXBETの設定とペイアウト値を変更する処理(図26参照)と、を実行することを特徴とする遊技機である。
遊技機10によれば、所定数のクレジットが投入されたことを条件として、保険無モードから保険有モードに移行する。そして、保険有モードに移行した後から、MAXBETで遊技が行われるごとに累積的に計数されるゲーム回数が特定回数に達したとき、還元モードに移行する。したがって、遊技者は、所定数のクレジットを投入して、保険無モードから保険有モードに移行させることができる。また、保険有モードにおいては、長期間にわたってボーナスゲームが発生せずに多数のコインを消費した場合等であっても、ゲーム回数が特定回数に達するまで遊技を行えば、還元モードに移行し、遊技者は、その利益を得ることができる。一方、保険有モードに移行するためには、遊技者が所定数のクレジットを投入することが必要であり、MAXBETで遊技を行う場合のみ、ゲーム回数がカウントされるので、遊技によって利益を得ている遊技者との公平が保たれる。
更に、保険有モードに移行していることを報知する画像(図8参照)が表示されるとともに、特定回数とゲーム回数との差が表示されるため、保険有モードに移行していることを遊技者に認識させることができるだけでなく、更に還元モードに対する興味や関心を高めることができる。したがって、多数のコインを消費した遊技者が、遊技機に対して不快感や不信感を募らせたり、遊技に対する興味や関心を失ったりすることを防止することができる。
また、本実施形態に係る遊技機10は、ゲーム回数が特定回数に達したとき、還元モードへの移行が行われるものであるが、本発明は、この例に限定されるものではない。本発明の遊技機10は、コインの収支が特定回数以下になったとき、還元モードへの移行が行われるものであってもよい。
本実施形態では、遊技者識別情報については特に触れなかったが、本発明においては、例えば、遊技者ごとに遊技者識別情報を付与し、遊技者識別情報に対応付けて各遊技者の所定の変数(例えば、ゲーム回数、クレジットの収支)を累積的に計数することとしてもよい。このようにする場合、遊技開始時又は保険有モードへの移行時に、遊技者識別情報の入力を要求することとし、遊技者識別情報が入力された時点で、それまでに計数されていた所定の変数を0に戻す処理を行えばよい。このようにした場合、多数のクレジットを消費した遊技者に対してより確実に還元を行うことが可能になるため、遊技に対する遊技者の興味や関心をより高めることができる。
本実施形態では、シンボルが再配置され(図9、ステップS16)、再配置されたシンボルの組合せに基づく処理(図9、ステップS17)が行われた後、ゲーム回数の計数(図9、ステップS18)が行われる場合について説明した。しかし、本発明において、ゲーム回数の計数が行われるタイミングは、特に限定されるものではない。例えば、シンボルの表示が開始されてから、シンボルが再配置され、再配置されたシンボルの組合せに基づく処理が行われるまでの所定のタイミング(例えば、シンボルが再配置されたタイミング)で、ゲーム回数の計数が行われることとしてもよい。なお、クレジットの収支を計数するタイミングについても、上述したものを採用することが可能である。
また、本発明においては、ゲーム回数が特定回数に達してから、還元モードを発生させるまでの間に、特別の役が成立した場合には、還元モードのみを発生させることとしてもよく、ボーナスゲーム及び還元モードのいずれか1を遊技状況等に応じて選択し、発生させることとしてもよい。
なお、クレジットの収支に応じて還元モードを発生させる場合についても、上述した形態と同様の形態を採用することができる。すなわち、クレジットの収支が特定回数以下となってから、還元モードを発生させるまでの間に、特別の役が成立した場合には、ボーナスゲームのみを発生させることとしてもよく、還元モードのみを発生させることとしてもよく、ボーナスゲーム及び還元モードのいずれか1を遊技状況等に応じて選択し、発生させることとしてもよいのである。
また、ゲーム回数が特定回数に達したとき、フリーゲーム、セカンドゲーム、ミステリーボーナス等と同様の形態での特典を遊技者に付与する還元モードを設定可能に構成し、これらの形態のいずれかによって、所定数のクレジットの払い出しを行うこととしてもよい。
また、所定数のクレジットの払い出しを行うタイミングとしては、前述したようなミステリーボーナスのように、単位ゲームが終了してシンボルが再配置されたタイミングに限定されるものではなく、例えば、ゲーム回数が特定回数に達したとき、直ちにクレジットの払い出しを行うこととしてもよい。
更に、所定数のクレジットの払い出し方法としても、特に限定されるものではなく、例えば、実際にコインを払い出すこととしてもよく、クレジット数を増加させることとしてもよい。
しかしながら、遊技者が通常の遊技やボーナスゲームによる払い出しを受けたのか、還元モードによる払い出しを受けたのかを区別して認識することができるようにするためには、以下のようにする必要がある。すなわち、還元モードにおけるミステリーボーナスで実際にコインを払い出す場合には、そのタイミングを、通常の遊技やボーナスゲームとは異なるタイミングで払い出す必要がある。また、通常の遊技やボーナスゲームでの払い出しを実際のコインで行い、還元モードでの払い出しをクレジットで行う必要がある。このようにすることによって、通常の遊技やボーナスゲームの遊技での払い出しと、還元モードでの払い出しとを差別化することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、各手段等の具体的構成は、適宜設計変更可能である。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。