以下、本発明に係る遊技機についてスロットマシン1に具体化した第1及び第2実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。
(第1実施形態)
先ず、第1実施形態に係るスロットマシン1の概略構成について、図1に基づき説明する。図1は第1実施形態に係るスロットマシンの外観を示す斜視図である。
第1実施形態に係るスロットマシン1は、キャビネット2と、キャビネット2の上側に設置されたトップボックス3と、キャビネット2の前面に設けられたメインドア4とを備えている。キャビネット2の内部には、3個のリール5L、5C、5Rが回転可能に設けられている。尚、各リール5L、5C、5Rの外周面には、22個の図柄(以下、シンボルともいう)からなるシンボル列(図2参照)が描かれている。
また、メインドア4における各リール5L、5C、5Rの前方には、下側画像表示パネル6が設けられている。下側画像表示パネル6は、透明液晶パネルを備えていて、遊技中には、遊技に関する各種の情報や演出画像等が表示される。下側画像表示パネル6は、画像の出力装置であり、画像の出力が可能な出力手段として機能するものである。
更に、下側画像表示パネル6には、JP額表示部7、クレジット数表示部8及びペイアウト数表示部9が設けられている。そして、JP額表示部7には、現在までにスロットマシン1に累積記憶されたジャックポット(以下、JPとする)の額が表示される。ここで、第1実施形態に係るスロットマシン1では、後述のように入賞ラインL上に所定の貯留図柄組合せ(BELL−BELL−BELL)が停止表示された際に遊技者がベットしたクレジット数の10%に相当するクレジットがJPとして累積記憶され、入賞ラインL上に所定の払出図柄組合せ(JACKPOT7−JACKPOT7−JACKPOT7)が停止表示された際に累積記憶されているクレジットが払い出されるように構成されている。
また、クレジット数表示部8には、現在遊技者が所有するクレジット数が画像によって表示される。ペイアウト数表示部9には、入賞ラインL上に停止表示されたシンボルの組合せが所定の組合せであった場合に払い出されるクレジット数が画像によって表示される。
一方、下側画像表示パネル6には、その背面を視認可能な3個の表示窓10L、10C、10Rが形成されていて、各表示窓10L、10C、10Rを介して各リール5L、5C、5Rの外周面に描かれたシンボルが夫々3個ずつ表示される。また、下側画像表示パネル6には、3個の表示窓10L、10C、10Rを水平に横切る1本の入賞ラインLが形成されている。入賞ラインLは、シンボルの組合せを規定するものである。そして、入賞ラインL上に停止表示されたシンボルの組合せが所定の組合せであった場合に、その組合せとベットされたクレジット数(ベット数)とに応じたクレジットが払い出される。
尚、本発明においては、例えば、3個の表示窓10L、10C、10Rを水平に又は斜めに横切る複数本の入賞ラインLが形成されていて、ベット数に応じた数の入賞ラインLが有効化され、有効化された入賞ラインL上に停止表示されたシンボルの組合せが所定の組合せであった場合に、その組合せに応じた配当が払い出されることとしてもよい。
更に、下側画像表示パネル6の前面には、図示しないが、タッチパネル11が設けられており、遊技者はタッチパネル11を操作して各種の指示を入力することかできる。
また、下側画像表示パネル6の下方には、遊技者によって遊技進行に係る指示が入力される複数のボタン13〜17からなるコントロールパネル20と、コインをキャビネット2内に受け入れるコイン受入口21と、紙幣識別器22とが設けられている。
コントロールパネル20には、スピンボタン13と、チェンジボタン14と、CASHOUTボタン15と、1−BETボタン16と、最大BETボタン17とが設けられている。スピンボタン13は、リール5L、5C、5Rの回転を開始させる指示を入力するための操作手段である。チェンジボタン14は、遊技施設の係員に両替を要求する際に用いられる操作手段である。CASHOUTボタン15は、遊技者が所有するクレジット数に応じたコイン(1クレジットがコイン1枚に相当)をコイン払出口23からコイントレイ24に払い出す指示、又は後述するバーコード付チケット25により払い出す指示を入力するための操作手段である。
1−BETボタン16は、遊技者の所有するクレジットの内、1クレジットを遊技に賭ける(ベットする)指示を受け付けるための操作手段である。また、最大BETボタン17は、遊技者の所有するクレジットのうち、1回の遊技に賭けることが可能な最大クレジット数(第1実施形態では50クレジット)を遊技に賭ける指示を受け付けるための操作手段である。
コイン受入口21の内部には、リバータ21S及びコインカウンタ21C(図3参照)が設けられている。そして、リバータ21Sによってコイン受入口21に投入されたコインの適否を識別し、正規のコイン以外のものは、コイン払出口23から排出する。また、コインカウンタ21Cによって、受け入れられた正規のコインを検出し、その枚数をカウントする。
また、紙幣識別器22は、紙幣の適否を識別するとともに正規の紙幣をキャビネット2内に受け入れるものである。そして、キャビネット2内に投入された紙幣はコイン枚数に換算され、換算されたコイン枚数に相当するクレジットが遊技者の所有クレジットとして加算される。尚、紙幣識別器22は、後述するバーコード付チケット25を読み取ることができるようにも構成されている。メインドア4の下部前面、すなわち、コントロールパネル20の下方には、スロットマシン1のキャラクタ等が描かれたベリーガラス26が設けられている。
尚、第1実施形態に係るスロットマシン1では、遊技媒体として、コイン、紙幣又はこれらに相当する電子的な有価情報(クレジット)が用いられる。ただし、本発明において、遊技媒体としては、特に限定されるものではなく、例えば、メダル、トークン、電子マネー、チケットを挙げることができる。
また、トップボックス3の前面には、上側画像表示パネル27が設けられている。上側画像表示パネル27は、液晶パネルを備えていて、例えば、遊技内容の紹介や遊技のルールの説明を表す画像が表示される。
また、トップボックス3の側面には、スピーカ28が設けられている。スピーカ28は、音の出力手段であり、音の出力が可能な出力手段として機能する。上側画像表示パネル27の下側には、チケットプリンタ30と、カードリーダ31と、データ表示器32と、キーパッド33とが設けられている。
ここで、チケットプリンタ30は、クレジット数や日時やスロットマシン1の識別番号等のデータがコード化されたバーコードをチケットに印刷し、バーコード付チケット25として出力する印刷装置である。そして、遊技者は、出力されたバーコード付チケット25を他の遊技機に読み取らせて当該遊技機で遊技を行ったり、遊技施設の所定箇所(例えばカジノ内のキャッシャ)で紙幣等に交換したりすることができる。
カードリーダ31は、スマートカードからのデータの読み取り及びスマートカードへのデータの書き込みを行うものである。スマートカードは、遊技者が所持するカードであり、例えば、遊技者を識別するためのデータ、遊技者が行った遊技の履歴に関するデータが記憶される。スマートカードには、コイン、紙幣又はクレジットに相当するデータが記憶されることとしてもよい。また、スマートカードにかえて、磁気ストライプカードを採用してもよい。
データ表示器32は、蛍光ディスプレイ等からなり、例えば、カードリーダ31が読み取ったデータや、遊技者によってキーパッド33を介して入力されたデータを表示する表示手段である。
また、キーパッド33は、チケット発行等に関する指示やデータを入力するための操作手段である。
更に、トップボックス3の上面にはランプ35が設けられている。ランプ35は、スロットマシン1でエラーが発生した場合や、チェンジボタン14が押下された際に所定の点灯態様で点灯される。
続いて、図2に基づき、各リール5L、5C、5Rの外周面に描かれ、ゲームの際に下側画像表示パネル6の表示窓10L、10C、10Rを介してスクロールしながら可変表示されるシンボルの例について説明する。図2は、各リール5L、5C、5Rの外周面に描かれたシンボルの列を示した模式図である。
左リール5L、中リール5C及び右リール5Rの外周面には、夫々22個のシンボルが描かれている。各シンボルの列は、「JACKPOT7」、「BLUE7」、「BELL」、「CHERRY」、「STRAWBERRY」、「PLUM」、「ORANGE」、「APPLE」のシンボルが組み合わされて構成されている。そして、図2に示すように各リール5L、5C、5Rにはそれぞれ所定の種類のシンボルが所定の順序で配置されている。
「BLUE7」、「CHERRY」、「STRAWBERRY」、「PLUM」、「ORANGE」は、入賞ラインL上に3つ停止表示された場合に、予め定められた配当のクレジット数が遊技者の所有するクレジットに追加される(図7参照)。また、「CHERRY」、「ORANGE」については、入賞ライン上に1つ又は2つ停止表示された場合であっても、その数に応じて、予め定められた配当のクレジット数が遊技者の所有するクレジットとして追加される(図7参照)。
また、「APPLE」は、ボーナスゲームトリガー(ボーナスゲームに移行するためのシンボル)である。「APPLE」が入賞ラインL上に3つ停止表示された場合には、ボーナスゲームに移行することができる。尚、第1実施形態に係るスロットマシン1において実行されるボーナスゲームは、フリーゲーム(ベットを行うことなく所定回数にわたって遊技を行うことができるゲーム)であるが、通常のゲームより遊技者にとって有利な遊技状態へと移行するゲームであれば良い。ここで、遊技者にとって有利な遊技状態とは、例えば、通常の遊技状態より多くの遊技媒体を獲得し得る状態、通常の遊技状態より高い確率で遊技媒体を獲得し得る状態、通常の遊技状態より遊技媒体の消費数が少なくなる状態等を挙げることができる。具体的には、フリーゲームの他に、下側画像表示パネル6に配当が対応付けられた選択肢を表示し、遊技者に表示された選択肢のいずれかを選択させる選択式のボーナスゲームがある。
また、「JACKPOT7」は、ジャックポットの当選トリガーである。「JACKPOT7」が入賞ラインL上に3つ停止表示された場合には、現在までに累積記憶されているJPの額に相当するクレジットの払い出しを受けることができる。
また、「BELL」は、ベットしたクレジットの一部がJPに累積記憶されるジャックポットの貯留トリガーである。「BELL」が入賞ラインL上に3つ停止表示された場合には、遊技者が今回のゲームでベットしたクレジット数の10%が新たにJPに累積記憶される。そして、累積記憶されたクレジットは「JACKPOT7」が入賞ラインL上に3つ停止表示された場合に払い出され、累積されたクレジットは初期化される(例えば、初期値の0クレジットや1000クレジットに戻る)。
そして、図2に示す各リール5L、5C、5Rに描かれたシンボルの列は、1−BETボタン16又は最大BETボタン17が押下された後にスピンボタン13が押下されてゲームが開始されると、リール5L、5C、5Rの回転に伴って、表示窓10L、10C、10Rにおいて上方向から下方向へとスクロール表示され、所定時間経過後に、リール5L、5C、5Rの回転の停止に伴って、表示窓10L、10C、10Rにおいて停止表示される。さらに、各シンボルの組合せに基づき各種の役(図7参照)が予め定められていて、役に対応するシンボルの組合せが入賞ラインL上で停止した際には、役に応じた配当が、遊技者が所有するクレジットに加算される。また、ボーナスゲームトリガーが成立したときには、ボーナスゲームが発生する。更に、ジャックポットの貯留トリガーが成立した場合にはJPの額が新たに加算され、ジャックポットの当選トリガーが成立した場合には累積記憶されたJPび額に相当するクレジットの払い出しが行われる。
次に、第1実施形態に係るスロットマシン1の制御系に係る構成について図3に基づき説明する。図3は第1実施形態に係るスロットマシン1の制御系を模式的に示すブロック図である。
図3に示すように、スロットマシン1の制御系は、基本的にマザーボード40とゲーミングボード50から構成されている。
先ず、ゲーミングボード50について説明すると、ゲーミングボード50は、内部バスによって互い接続されたCPU51、ROM55及びブートROM52と、メモリカード53に対応したカードスロット53Sと、GAL(Generic Array Logic)54に対応したICソケット54Sとを備えている。
メモリカード53は、コンパクトフラッシュ(登録商標)等の不揮発性メモリからなり、ゲームプログラム及びゲームシステムプログラムを記憶している。ゲームプログラムには、抽選プログラムが含まれている。上記抽選プログラムは、入賞ラインL上に停止表示される各リール5L、5C、5Rのシンボル(シンボルに対応するコードNo.)を決定するためのプログラムである。上記抽選プログラムには、複数種類のペイアウト率(例えば、80%、84%、88%)の夫々に対応したシンボル重み付けデータが含まれている。シンボル重み付けデータは、3つのリール5L、5C、5Rの夫々について、各シンボルのコードNo.(図2参照)と、所定の数値範囲(0〜256)に属する1又は複数の乱数値との対応関係を示すデータである。ペイアウト率は、GAL54から出力されるペイアウト率設定用データに基づいて定められるものであり、このペイアウト率に対応したシンボル重み付けデータに基づいて抽選が行われる。
また、カードスロット53Sは、メモリカード53を挿抜可能なように構成されていて、IDEバスによってマザーボード40に接続されている。従って、カードスロット53Sからメモリカード53を抜き取り、メモリカード53に別のゲームプログラム及びゲームシステムプログラムを書き込み、そのメモリカード53をカードスロット53Sに差し込むことにより、スロットマシン1で行われる遊技の種類や内容を変更することができる。また、一のゲームプログラム及びゲームシステムプログラムを記憶したメモリカード53を、別のゲームプログラム及びゲームシステムプログラムを記憶したメモリカード53に交換することによって、スロットマシン1で行われる遊技の種類や内容を変更することも可能である。
ゲームプログラムには、遊技進行に係るプログラム、ボーナスゲームを発生させるためのプログラム等が含まれる。また、ゲームプログラムには、遊技中に出力される画像データや音データ、報知用データとしての画像データや音データが含まれる。
GAL54は、OR固定型アレイ構造を有するPLDの一種である。GAL54は、複数の入力ポートと出力ポートとを備えていて、入力ポートに所定のデータが入力されると、該データに対応したデータを出力ポートから出力する。この出力ポートから出力されたデータが、上述したペイアウト率設定用データである。
また、ICソケット54Sは、GAL54を着脱可能なように構成されていて、PCIバスによってマザーボード40に接続されている。従って、ICソケット54SからGAL54を抜き取り、GAL54に格納されるプログラムを書き換えて、そのGAL54をICソケット54Sに取り付けることにより、GAL54から出力されるペイアウト率設定用データを変更することができる。また、GAL54を、別のGAL54に交換することによって、ペイアウト率設定用データを変更することも可能である。
内部バスによって互いに接続されたCPU51、ROM55及びブートROM52は、PCIバスによってマザーボード40に接続されている。PCIバスは、マザーボード40とゲーミングボード50との間の信号伝達を行うとともに、マザーボード40からゲーミングボード50への電力供給を行う。ROM55には、国識別情報及び認証プログラムが記憶される。ブートROM52には、予備認証プログラム及びCPU51が予備認証プログラムを起動するためのプログラム(ブートコード)等が記憶されている。
認証プログラムは、ゲームプログラム及びゲームシステムプログラムを認証するためのプログラム(改竄チェックプログラム)である。認証プログラムは、認証取込処理の対象となるゲームプログラム及びゲームシステムプログラムが改竄されていないことの確認及び証明、すなわち、ゲームプログラム及びゲームシステムプログラムの認証を行う手順(認証手順)に沿って記述されている。予備認証プログラムは、上述した認証プログラムを認証するためのプログラムである。予備認証プログラムは、認証処理の対象となる認証プログラムが改竄されていないことの証明、すなわち、認証プログラムの認証を行う手順(認証手順)に沿って記述されている。
続いて、マザーボード40について説明すると、マザーボード40は、市販の汎用マザーボード(パーソナルコンピュータの基本部品を実装したプリント配線板)を用いて構成され、メインCPU41と、ROM42と、RAM43と、通信インターフェイス44とを備えている。
ROM42には、フラッシュメモリ等のメモリデバイスからなり、メインCPU41により実行されるBIOS等のプログラムと、恒久的なデータが記憶されている。メインCPU41によってBIOSが実行されると、所定の周辺装置の初期化処理が行われるとともに、メモリカード53に記憶されているゲームプログラム及びゲームシステムプログラムのゲーミングボード50を介した取込処理が開始される。なお、本発明において、ROM42は、内容の書き換えが可能なものであってもよく、不可能なものであってもよい。
RAM43には、メインCPU41が作動する際に用いられるデータやプログラムが記憶される。また、RAM43は、ゲーミングボード50を介して読み出される認証プログラムと、ゲームプログラム及びゲームシステムプログラムと、遊技者が現在所有するクレジット数と、現在までに累積されているJPの額とを記憶することができる。
また、通信インターフェイス44は、通信回線を介して遊技店内に設置されたサーバとの通信を行うための通信装置である。
また、マザーボード40には、後述する本体PCB(Printed Circuit Board)60及びドアPCB80とが、夫々USBによって接続されている。さらに、マザーボード40には、電源ユニット45が接続されている。電源ユニット45からマザーボード40に電力が供給されると、マザーボード40のメインCPU41が起動するとともに、PCIバスを介してゲーミングボード50に電力が供給されてCPU51が起動される。
本体PCB60及びドアPCB80には、メインCPU41に入力される入力信号を発生させる機器や装置と、メインCPU41から出力される制御信号により動作が制御される機器や装置とが接続されている。メインCPU41は、メインCPU41に入力された入力信号に基づいて、RAM43に記憶されたゲームプログラム及びゲームシステムプログラムを実行することにより、所定の演算処理を行ってその結果をRAM43に記憶したり、各機器や装置に対する制御処理として各機器や装置に制御信号を送信したりする。
本体PCB60には、ランプ35、サブCPU61、ホッパー66、コイン検出部67、グラフィックボード68、出力装置としてのスピーカ28、タッチパネル11、紙幣識別器22、チケットプリンタ30、カードリーダ31、キースイッチ33S及びデータ表示器32が接続されている。ランプ35は、メインCPU41から出力される制御信号に基づいて、所定のパターンで点灯する。
サブCPU61は、リール5L、5C、5Rの回転及び停止の制御を行うものである。サブCPU61には、FPGA(Field Programmable Gate Array)63及びドライバ64を備えたモータ駆動回路62が接続されている。FPGA63は、プログラミング可能なLSI等の電子回路であり、ステッピングモータ70L、70C、70Rの制御回路として機能するものである。ドライバ64は、ステッピングモータ70L、70C、70Rに入力するパルスの増幅回路として機能するものである。モータ駆動回路62には、各リール5L、5C、5Rの回転を行うステッピングモータ70L、70C、70Rが接続されている。ステッピングモータ70L、70C、70Rは、1−2相励磁方式のステッピングモータである。
本発明において、ステッピングモータ70L、70C、70Rの励磁方式は、特に限定されるものではなく、例えば、2相励磁方式、1相励磁方式等を採用することも可能である。また、ステッピングモータにかえて、DCモータを採用することとしてもよい。DCモータが採用される場合、サブCPU61には、偏差カウンタ、D/A変換器、サーボ増幅器が順に接続され、サーボ増幅器にDCモータが接続されることになる。また、DCモータの回転位置は、ロータリエンコーダによって検出され、ロータリエンコーダから偏差カウンタに対してDCモータの現在の回転位置がデータとして供給される。
また、サブCPU61には、インデックス検出回路65と、位置変更検出回路71とが接続されている。インデックス検出回路65は、回転中のリール5L、5C、5Rの位置(後述するインデックス)を検出するものであり、さらに、リール5L、5C、5Rの脱調を検出可能である。なお、リール5L、5C、5Rの回転及び停止の制御については、後で図面を用いて詳述することにする。
位置変更検出回路71は、リール5L、5C、5Rの回転が停止した後におけるリール5L、5C、5Rの停止位置の変更を検出する。例えば、位置変更検出回路71は、実際には入賞態様となるシンボルの組合せではないにも拘わらず、遊技者により強制的に入賞態様となるシンボルの組合せになるように停止位置が変更された場合等に係るリール5L、5C、5Rの停止位置の変更を検出する。位置変更検出回路71は、例えば、リール5L、5C、5Rの内側部分に所定間隔で取り付けられたフィン(図示せず)を検出することにより、リール5L、5C、5Rの停止位置の変更を検出可能に構成されている。
ホッパー66は、キャビネット2内に設置されていて、メインCPU41から出力される制御信号に基づいて、所定数のコインをコイン払出口23からコイントレイ24に払い出す。コイン検出部67は、コイン払出口23の内部に設けられていて、コイン払出口23から所定枚数のコインが払い出されたことを検出した場合には、メインCPU41に対して入力信号を出力する。
グラフィックボード68は、メインCPU41から出力される制御信号に基づいて、上側画像表示パネル27及び出力装置としての下側画像表示パネル6における画像表示を制御する。下側画像表示パネル6のJP額表示部7にはRAM43に記憶されている現在までに累積記憶されたJPの額が表示される。また、クレジット数表示部8には、RAM43に記憶されている遊技者が所有するクレジット数が表示される。また、下側画像表示パネル6のペイアウト数表示部9には、配当によるクレジットの払出数が表示される。
ここで、グラフィックボード68は、メインCPU41から出力される制御信号に基づいて画像データを生成するVDP(Video Display Processor)や、VDPによって生成される画像データを一時的に記憶するビデオRAM等を備えている。なお、VDPによって画像データを生成する際に用いられる画像データは、メモリカード53から読み出されてRAM43に記憶されたゲームプログラム内に含まれている。
また、紙幣識別器22は、紙幣やバーコード付チケット25の適否を識別するとともに正規の紙幣やバーコード付チケット25をキャビネット2内に受け入れる。紙幣識別器22は、正規の紙幣を受け入れたとき、その紙幣の額に基づいてメインCPU41に対して入力信号を出力する。また、正規のバーコード付チケット25に記録されているコインの枚数に基づいてメインCPU41に対して入力信号を出力する。そして、メインCPU41は、該入力信号により伝達された紙幣の額やバーコード付チケット25に応じたクレジット数をRAM43に記憶する。
チケットプリンタ30は、メインCPU41から出力される制御信号に基づいて、RAM43に記憶されたクレジット数、日時やスロットマシン1の識別番号等のデータがコード化されたバーコードをチケットに印刷し、バーコード付チケット25として出力する。
また、カードリーダ31は、スマートカードからのデータを読み取ってメインCPU41へ送信したり、メインCPU41からの制御信号に基づいてスマートカードへのデータの書き込みを行ったりする。キースイッチ33Sは、キーパッド33に設けられていて、キーパッド33が遊技者によって操作されたとき、所定の入力信号をメインCPU41へ出力する。データ表示器32は、メインCPU41から出力される制御信号に基づいて、カードリーダ31が読み取ったデータや遊技者によってキーパッド33を介して入力されたデータを表示する。
一方、ドアPCB80には、コントロールパネル20、リバータ21S、コインカウンタ21C及び冷陰極管81が接続されている。コントロールパネル20には、スピンボタン13に対応したスピンスイッチ13S、チェンジボタン14に対応したチェンジスイッチ14S、CASHOUTボタン15に対応したCASHOUTスイッチ15S、1−BETボタン16に対応した1−BETスイッチ16S、及び、最大BETボタン17に対応した最大BETスイッチ17Sが設けられている。各スイッチ13S〜17Sは、対応するボタン13〜17が遊技者によって操作されたとき、メインCPU41に対して入力信号を出力する。
コインカウンタ21Cは、コイン受入口21の内部に設けられていて、遊技者によってコイン受入口21に投入されたコインの適否を識別する。正規のコイン以外のものは、コイン払出口23から排出される。また、コインカウンタ21Cは、正規のコインを検出したときにメインCPU41に対して入力信号を出力する。
リバータ21Sは、メインCPU41から出力される制御信号に基づいて動作するものであり、コインカウンタ21Cによって正規のコインとして認識されたコインを、スロットマシン1内に設置されたキャッシュボックス(図示せず)又はホッパー66に振り分ける。すなわち、ホッパー66がコインで満たされている場合、正規のコインはリバータ21Sによってキャッシュボックスに振り分けられる。一方、ホッパー66がコインで満たされていない場合には、正規のコインはホッパー66に振り分けられる。冷陰極管81は、下側画像表示パネル6と、上側画像表示パネル27との背面側に設置されるバックライトとして機能するものであり、メインCPU41から出力される制御信号に基づいて点灯する。
続いて、前記構成を有する第1実施形態に係るスロットマシン1において認証を行う認証読取処理について図4に基づき説明する。ここで、図4は図3に示したマザーボード40とゲーミングボード50とによるゲームプログラム及びゲームシステムプログラムの認証読取処理の手順を示したチャートである。なお、ゲーミングボード50におけるカードスロット53Sには、メモリカード53が差し込まれ、ICソケット54Sには、GAL54が取り付けられているものとする。
まず、電源ユニット45において電源スイッチの投入(電源の投入)が行われると、マザーボード40及びゲーミングボード50を起動する(ステップ(以下、Sと略記する)1、S11)。マザーボード40及びゲーミングボード50が起動すると、それぞれ別個の処理が並行して行われる。すなわち、ゲーミングボード50では、CPU51が、ブートROM52に格納されている予備認証プログラムの読み出しを行い、その読み出した予備認証プログラムに従い、マザーボード40への取込前に予め認証プログラムの改竄が行われていないことを確認及び証明する予備認証を行う(S12)。一方、マザーボード40では、メインCPU41が、ROM42に格納されているBIOSを実行して、BIOSに組み込まれている圧縮データをRAM43に展開する(S2)。そして、メインCPU41は、RAM43に展開されたBIOSを実行し、各種周辺装置の診断と初期化とを行う(S3)。
すると、メインCPU41には、PCIバスを介して、ゲーミングボード50のROM55が接続されているので、メインCPU41は、ROM55に格納されている認証プログラムの読み出しを行うとともに、読み出した認証プログラムをRAM43に記憶させる処理を行う(S4)。このとき、メインCPU41は、BIOSの標準BIOSの機能に従い、ADDSUM方式(標準チェック機能)によるチェックサムを取り、格納が間違いなく行われるか否かの確認処理を行いながら、認証プログラムをRAM43に記憶させる。
次に、メインCPU41は、IDEバスに何が接続されているのかを確認した上で、IDEバスを介してカードスロット53Sに差し込まれているメモリカード53にアクセスし、メモリカード53から、ゲームプログラム及びゲームシステムプログラムの読み出しを行う。この場合、メインCPU41は、ゲームプログラム及びゲームシステムプログラムを構成するデータを4バイトずつ読み出す。続いて、メインCPU41は、RAM43に記憶された認証プログラムに従い、読み出したゲームプログラム及びゲームシステムプログラムの改竄が行われていないことを確認及び証明する認証を行う(S5)。この認証処理が正常に終了すると、メインCPU41は、認証対象となった(認証された)ゲームプログラム及びゲームシステムプログラムをRAM43に書き込み記憶させる(S6)。次に、メインCPU41は、PCIバスを介してICソケット54Sに取り付けられているGAL54にアクセスし、GAL54から、ペイアウト率設定用データを読み込み、RAM43に書き込み記憶させる(S7)。次に、メインCPU41は、PCIバスを介して、ゲーミングボード50のROM55に格納されている国識別情報の読み出しを行うとともに、読み出した国識別情報をRAM43に記憶させる処理を行う(S8)。
上述した処理を行った後、メインCPU41は、ゲームプログラム及びゲームシステムプログラムを順次読み出して実行することにより、後述する遊技処理を進行させる。
続いて、前記構成を有する第1実施形態に係るスロットマシン1のメイン遊技処理プログラムについて図5に基づき説明する。図5は第1実施形態に係るスロットマシンにおけるメイン遊技処理プログラムのフローチャートである。尚、以下の図5、図6、図11及び図12にフローチャートで示される各プログラムはスロットマシン1が備えているROM42やRAM43に記憶されており、メインCPU41により実行される。
メイン遊技処理においては、先ずS21でメインCPU41は、遊技者が所有するクレジットに基づいてベット操作がなされたか否かを判定する。尚、具体的にメインCPU41は、1−BETボタン16が操作された際に1−BETスイッチ16Sから出力される入力信号、又は、最大BETボタン17が操作された際に最大BETスイッチ17Sから出力される入力信号を受信したか否かに基づいて判定する。
そして、ベット操作がなされたと判定した場合(S21:YES)には、ベット数に応じてRAM43に記憶された所有クレジット数(1ベットにつき1クレジット)を減算する処理を行う(S22)。なお、ベットされるクレジット数がRAM43に記憶されたクレジット数より多い場合には、RAM43に記憶されたクレジット数を減算する処理を行わずに、S21に処理を戻す。また、BETされるクレジット数が、1回の遊技にBETすることが可能な上限値(第1実施形態では50クレジット)を超える場合には、RAM43に記憶されたクレジット数を減算する処理を行わずに、S23に処理を進める。
一方、ベット操作がなされないと判定した場合(S21:NO)には、ベット操作がなされるまで待機する。その際、デモ画面などを下側画像表示パネル6に表示するように構成する。
次に、S23においてメインCPU41は、スピンボタン13がONされたか否かを判定する。尚、具体的にメインCPU41は、スピンボタン13が押下された際にスピンスイッチ13Sから出力される入力信号を受信したか否かに基づいて判定する。
そして、スピンボタン13がONされていないと判定された場合(S23:NO)にはメインCPU41はS22におけるクレジットの減算結果をキャンセルし、S21へと戻る。
尚、第1実施形態では、ベット操作がなされた後に、続いてクレジット数を減算する処理(S22)を行う場合について説明したが、本発明は、この例に限定されるものではない。例えば、ベット操作がなされた後にスピンボタン13がONされたか否かの判定を行い、スピンボタン13がONされたと判定された場合(S23:YES)に、その後にクレジット数を減算する処理(S22)を行うこととしても良い。
一方、スピンボタン13がONされたと判定された場合(S23:YES)にはS24へと移行し、後述する抽選処理を行う(S24)。抽選処理においては、メインCPU41は、RAM43に記憶された抽選プログラムを実行することにより、各リール5L、5C、5Rの停止時におけるコードNo.を決定する。これにより、停止表示されるシンボルの組合せが決定される。抽選処理については、後で図6〜図7を用いて詳述する。
尚、第1実施形態では、停止表示されるシンボルの組合せを決定することにより、複数種類の役の中から1つの役を決定する例について説明するが、本発明においては、例えば、先ず抽選によって、複数種類の役の中から選ばれる1つの役を決定し、その後に、停止表示されるシンボルの組合せを上記役に基づいて決定することとしても良い。
次に、S25においてメインCPU41は、後述するリールの回転制御処理を行う。この処理は、全リール5L、5C、5Rの回転を開始した後、S24の抽選処理において決定された役に対応したシンボルの組合せが入賞ラインL上に停止表示されるように、各リール5L、5C、5Rの回転を停止させる処理である。この処理については、後で図8〜図10を用いて詳述する。
次に、S26ではメインCPU41は、ボーナスゲームトリガーが成立したか否か、即ち、表示窓10L、10C、10Rの入賞ラインL上に3つ「APPLE」のシンボルが停止表示されたか否かを判定する。
その結果、ボーナスゲームトリガーが成立したと判定された場合(S26:YES)には、メインCPU41は、ボーナスゲームを実行するためのプログラムをRAM43から読み出して後述するボーナスゲーム処理を実行する(S27)。ボーナスゲーム処理の詳細については、後に図11を用いて詳述する。
一方、ボーナスゲームトリガーが成立していないと判定された場合(S26:NO)には、続いて、入賞ライン上に停止表示された図柄の組合せによって何らかの役が成立したか否かを判定する(S28)。
その結果、何らかの役が成立したと判定された場合(S28:YES)には、メインCPU41は、JPにベット数に応じたクレジットを累積したり、JPの額又は役の配当に応じたクレジットを遊技者の所有クレジットに加算する後述のJP累積及び払出処理を行う(S29)。尚、加算されたクレジットは、CASHOUTボタン15を押下することによって、クレジット数に応じたコイン(1クレジットがコイン1枚に相当)として払い出される。また、バーコード付チケット25により払い出すことも可能である。また、JP累積及び払出処理の詳細については後述する。
一方、何らの役も成立しなかったと判定された場合(S28:NO)には、当該メイン遊技処理を終了する。
次に、メイン遊技処理プログラムの前記S24において実行される抽選処理のサブルーチンについて図13を用いて説明する。図13は抽選処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
抽選処理において、先ずメインCPU41は、S31において抽選プログラムに含まれる乱数発生用プログラムを実行することにより、0〜255の数値範囲の中から、3つのリール5L、5C、5Rの夫々に対応する乱数値を選択する。第1実施形態では、プログラム上で乱数を発生させる場合(所謂ソフトウェア乱数を用いる場合)について説明する。ただし、本発明においては、乱数発生器を設けておいて当該乱数発生器から乱数を抽出する(所謂ハードウェア乱数を用いる)こととしても良い。
次に、S31でメインCPU41は、GAL54から出力されてRAM43に記憶されたペイアウト率設定用データに応じたシンボル重み付けデータを参照し、更に、選択された3つの乱数値に基づいて、各リール5L、5C、5RのコードNo.(図2参照)を決定する(S32)。各リール5L、5C、5RのコードNo.は、入賞ラインL上に停止表示されるシンボルのコードNo.に対応している。メインCPU41は、各リール5L、5C、5RのコードNo.を決定することにより、役を決定する。例えば、各リール5L、5C、5RのコードNo.を“00”、“00”、“00”に決定した場合、メインCPU41は、役を「JACKPOT7」に決定したことになる。なお、このリールのコードNo.に基づいて、後述するリールの回転制御処理が行われる。
次に、スロットマシン1にてリール5L、5C、5Rを使用して通常ゲーム及びボーナスゲームを行う場合の当選役及びその配当について図7に基づき説明する。図7は、リール5L、5C、5Rを使用してゲームを行う場合における当選役と各役の成立可能性及び配当について示したテーブルである。
ここで、図7に示す配当は、ベット数が「1」である場合の配当を示している。従って、ベット数が「1」である場合には、図7に示す配当の値がクレジットに加算されるが、ベット数が「2」以上である場合には、図7に示す配当の値に当該ベット数を乗じたものがクレジットに加算される。
また、図7に示す各役の成立可能性は、ボーナスゲーム以外におけるペイアウト率が88%である場合を示したものである。尚、図中に示す成立可能性は、シンボル重み付けデータを参照して3つの乱数値に基づいて、各リール5L、5C、5RのコードNo.を決定した場合に、当該役が成立する可能性を示すものである。すなわち、各役に対して乱数値が対応付けられているものではない。
例えば、ボーナスゲームトリガーの成立可能性は、0.5%である。ボーナスゲームトリガーに当選すると、「APPLE」のシンボルが入賞ライン上に3つ停止表示され、ボーナスゲームが発生する。ボーナスゲームでは、抽選によって定められた回数のフリーゲームを実行する。
また、「JACKPOT7」の成立可能性は0.1%である。この役が成立すると、「JACKPOT7」のシンボルが入賞ラインL上に3つ停止表示され、現在までに累積されているJPの額に相当するクレジットが払い出される。
また、「BLUE7」の成立可能性は0.8%である。この役が成立すると、1ベットあたり10クレジットが配当として払い出される。
また、「BELL」の成立可能性は1.1%である。この役が成立すると、「BELL」のシンボルが入賞ラインL上に3つ停止表示され、遊技者がベットしたクレジットの10%に相当するクレジットが新たにJPに累積記憶される。
以下同様に図7に示す組合せ毎に成立可能性と払出数が設定されている。ただし、図7に示した役のいずれの組合せにもならないシンボルの組合せが停止表示された場合は、ハズレであり、クレジットの払い出しは行われない。
次に、メイン遊技処理プログラムの前記S25において実行されるリール回転制御処理のサブルーチンについて図8を用いて説明する。図8は抽選処理のサブルーチンを示すフローチャートである。尚、この処理はメインCPU41とサブCPU61との間で行われる処理である。
まず、S41でメインCPU41は、サブCPU61に対して、リールの回転を開始させる旨のスタート信号を送信する。それに対してサブCPU61は、メインCPU41からスタート信号を受信すると、リール回転処理を行う(S51)。この処理において、サブCPU61は、モータ駆動回路62(図3参照)にパルスを供給する。サブCPU61から出力されたパルスは、ドライバ64によって増幅され、各ステッピングモータ70L、70C、70Rに供給される。その結果、各ステッピングモータ70L、70C、70Rが回転し、それに伴って各リール5L、5C、5Rが回転する。1−2相励磁方式のステッピングモータ70L、70C、70Rは、ステップ角が0.9°であり、1回転あたりのステップ数が400である。従って、400個のパルスがステッピングモータ70L、70C、70Rに供給されると、リール5L、5C、5Rは1回転する。
リール5L、5C、5Rの回転開始時には、サブCPU61は、周波数が低いパルスをモータ駆動回路62に供給し、次第にパルスの周波数を高くしていく。それに伴って、リール5L、5C、5Rの回転速度が大きくなる。そして、所定の時間が経過すると、パルスの周波数を一定にする。その結果、リール5L、5C、5Rが定速で回転する。
ここで、リール5L、5C、5Rの回転動作について図9(A)〜(D)を用いて説明する。尚、各リール5L、5C、5Rの回転動作は基本的に同一であるので、以下ではリール5Lの回転動作を例にして説明することとし、リール5C、5Rの回転動作については省略する。
図9(A)〜(D)は、リール5Lの回転動作について説明するための側面図である。図9(A)に示すように、リール5Lの側面には、半円形状の金属板73が設けられている。金属板73は、リール5Lとともに回転する。また、リール5Lの周面には22個のシンボル(図2参照)が設けられている。リール5Lの周面に描かれた22個のシンボルのうち、3個のシンボルが、リール5Lの前方に形成された表示窓10Lを介して視認可能となる。図中、太線の矢印は、リール5Lの回転方向を示している。また、リール5Lの側方には、近接センサ74が設けられている。近接センサ74は、金属板73を検出するためのものである。近接センサ74は、リール5Lが回転しても、移動したり回転したりすることはない。
図9(A)には、近接センサ74によって金属板73が検出され始める時点の金属板73の位置(以下、位置Aともいう)を示している。金属板73が位置Aにあるときにリール5Lが回転すると、金属板73は、図9(A)に示した位置に移動する。図9(B)には、近接センサ74によって金属板73が検出されているときの金属板73の位置(以下、位置Bともいう)を示している。金属板73が位置Bにあるときにリール5Lが回転すると、金属板73は、図9(C)に示した位置に移動する。図9(C)には、近接センサ74によって金属板73が検出されなくなる時点の金属板73の位置(以下、位置Cともいう)を示している。
金属板73が位置Cにあるときにリール5Lが回転すると、金属板73は、図9(D)に示した位置に移動する。図9(D)には、近接センサ74によって金属板73が検出されていないときの金属板73の位置(以下、位置Dともいう)を示している。さらにリール5Lが回転すると、金属板73の位置は、位置Aに戻る。上述したように、リール5Lの回転に伴って、金属板73の位置は、位置A、位置B、位置C、位置D、位置A、・・・の順に変化する。
近接センサ74は、インデックス検出回路65(図3参照)を構成するものである。近接センサ74が金属板73を検出している状態を“High”、近接センサ74が金属板73を検出していない状態を“Low”とすると、金属板73が位置A→位置B→位置Cにあるとき、インデックス検出回路65の状態は“High”であり、金属板73が位置C→位置D→位置Aにあるとき、インデックス検出回路65の状態は“Low”である。なお、サブCPU61は、“Low”から“High”への立ち上がりをインデックス(原点)1とし、“High”から“Low”への立下りをインデックス(原点)2として、リール5Lの回転位置を認識する。
図8に戻って、リール回転制御処理について継続して説明を行うこととすると、メインCPU41は、S41においてサブCPU61に対してスタート信号を送信した後、リール回転時の演出を実行する(S42)。この処理は、抽選処理(図6)の結果等に応じて定められる期間(例えば3秒)にわたって、下側画像表示パネル6への画像の表示や、スピーカ28からの音の出力等を行う処理である。
次に、S43でメインCPU41は、リール5Lの回転の停止を指示するタイミングであるか否かを判定する。ここで、リール5Lの回転の停止を指示するタイミングは、リール回転時の演出を終了する時点から、リール5Lの回転を停止させるために最低限必要な時間だけ前のタイミングである。なお、リール5Lの回転を停止させるために最低限必要な時間は、予め定められている。
そして、リール5Lの回転の停止を指示するタイミングではないと判定した場合(S43:NO)には、引き続きリール回転時の演出を行う。
一方、リール5Lの回転の停止を指示するタイミングであると判定した場合(S43:YES)には、リール5L、5C、5Rの回転の停止を指示するタイミングであると判定した場合、メインCPU41は、RAM43に記憶されたリールのコードNo.をサブCPU61に送信する(S44)。それに対して、サブCPU61は、メインCPU41からリールのコードNo.を受信すると、サブCPU61が備えるROM(図示せず)に記憶されたステップ数とコードNo.との対応表に基づいて、コードNo.を、インデックスからのリールの停止位置(ステップ数)に換算する(S52)。
ここで、図10は、ステップ数とコードNo.との対応表を示した模式図である。各コードNo.には、インデックスと、ステップ数とが対応付けられている。
尚、各コードNo.は、リール5L、5C、5Rの外周面に描かれたシンボルに対応していて(図2参照)、コードNo.“00”〜“10”のシンボルは、インデックス1に対応している。また、コードNo.“11”〜“21”のシンボルは、インデックス2に対応している。また、図10に示す対応表におけるステップ数は、インデックス1を基準としたステップ数である。例えば、コードNo.が“08”であれば、インデックス1から145ステップが、リールの停止位置である。また、コードNo.が“12”であれば、インデックス1から218ステップが、リールの停止位置である。
次に、S53でサブCPU61はリール停止処理を実行する。この処理において、サブCPU61は、インデックス検出回路65における“Low”から“High”への立ち上がり(インデックス1)の検出を各リール5L、5C、5Rに対して行い、インデックス1を検出したタイミングで、前記S52においてコードNo.から換算されたステップ数に相当するパルスをモータ駆動回路62に供給し、その後、パルスの供給を停止する。
例えば、S52において、リールの停止位置が、インデックス1から145ステップであると決定された場合、サブCPU61は、インデックス1を検出したタイミングで、145個のパルスをモータ駆動回路62に供給し、その後、パルスの供給を停止する。また、S52において、リールの停止位置が、インデックス1からの218ステップであると決定された場合、サブCPU61は、インデックス1を検出したタイミングで、218個のパルスをモータ駆動回路62に供給する。その結果、リール5L、5C、5Rが、図6のS32において決定されたコードNo.のとおりに停止し、入賞ラインL上には決定された役に対応するシンボルの組合せが停止表示される。一方、メインCPU41は、リール回転時の演出を終了する。S45及びS53の処理を終了した後、本処理を終了する。
尚、S44において送信されたコードNo.に対応するインデックスと、リール5L、5C、5Rの回転が停止したときにインデックス検出回路65によって検出されるインデックスとが異なる場合、リール5L、5C、5Rに脱調が生じているので、メインCPU41は、エラーメッセージを下側画像表示パネル6に表示する等の処理を行い、遊技を中断する。例えば、インデックス2に対応するコードNo.12でリール5Lを停止させる処理を行ったにも拘わらず、リール5Lの回転が停止したときにインデックス検出回路65によってインデックス1が検出された場合には、遊技を中断する。
次に、メイン遊技処理プログラムの前記S27において実行されるボーナスゲーム処理のサブルーチンについて図11を用いて説明する。図11はボーナスゲーム処理のサブルーチンを示すフローチャートである。尚、この処理はメインCPU41とサブCPU61との間で行われる処理である。
ボーナスゲーム処理においては、先ず、S61においてメインCPU41は、RAM43に記憶された抽選プログラムに含まれる乱数発生プログラムを実行して得られた乱数値に基づいて、10〜25ゲームのいずれかの中から決定する。メインCPU41は、決定したボーナスゲームのゲーム数をデータとしてRAM43に記憶する。
続いて、メインCPU41は、抽選処理(S62)及びリール回転制御処理(S63)を行う。ここで、S62の抽選処理は、前記図6を用いて説明した処理と略同様の処理である。また、S63のリール回転制御処理は、前記図8を用いて説明した処理と略同様の処理である。これらの処理については、既に説明済であるから、ここでの説明は省略する。
次に、S64においてメインCPU41はボーナスゲームトリガーが成立したか否か、即ち、表示窓10L、10C、10Rの入賞ラインL上に3つ「APPLE」のシンボルが停止表示されたか否かを判定する。
その結果、ボーナスゲームトリガーが成立したと判定された場合(S64:YES)には、ボーナスゲームの繰り返し回数tが新たに抽選により決定され(S65)、その決定された繰り返し回数tは、現在のボーナスゲームのゲーム数Tに加算される(S66)。これにより、ボーナスゲーム中にボーナスゲームに当選すると、ボーナスゲームの残り回数が増える。具体的に言えば、例えば、20回のボーナスゲームに初めて移行した場合に、そのボーナスゲームの12回目で17回のボーナスゲームに当選したときには、その後、25回(20回−12回+17回)のボーナスゲームが行われる。
一方、ボーナスゲームトリガーが成立していないと判定された場合(S64:NO)には、続いて、入賞ライン上に停止表示された図柄の組合せによって何らかの役が成立したか否かを判定する(S67)。その結果、何らかの役が成立したと判定された場合(S67:YES)には、メインCPU41はJPにベット数に応じたクレジットを累積したり、ベット数及び役の配当に応じたクレジットを遊技者の所有クレジットに加算する後述のJP累積及び払出処理を行う(S68)。尚、ボーナスゲーム中のベット数はボーナスゲームトリガーが成立した際のベット数が継続して用いられ、そのベット数に応じたクレジットの累積や払い出しが行われる。
一方、何らの役も成立しなかったと判定された場合(S67:NO)には、メインCPU41は、RAM43に記憶されたボーナスゲームのゲーム数Tを読み出し、読み出したゲーム数Tの値を1減算する。そして、減算後のゲーム数Tを再びRAM43に格納する(S69)。
次に、S70でメインCPU41は、ボーナスゲームの回数TがS61で決定された回数に到達したか否かを判定する。具体的には、RAM43に記憶されたゲーム数Tが0となったか否かにより判定する。
その結果、ゲーム数Tが0でないと判定された場合(S70:NO)には、即ちボーナスゲームの実行回数が、S61で決定された回数に到達していないと判定された場合にはS62へと戻り、上述した処理が繰り返し実行される。
一方、ゲーム数Tが0であると判定された場合(S70:YES)には、即ちボーナスゲームの実行回数が、S61で決定された回数に到達したと判定された場合には当該ボーナスゲーム処理を終了する。
次に、メイン遊技処理プログラムの前記S29及びボーナスゲーム処理プログラムの前記S68において実行されるJP累積及び払出処理のサブルーチンについて図12を用いて説明する。図12はJP累積及び払出処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
JP累積及び払出処理においては、先ず、S81においてメインCPU41は、成立した役の内、特にJPの当選トリガーが成立したか否か、即ち、表示窓10L、10C、10Rの入賞ラインL上に3つ「JACKPOT7」のシンボルが停止表示されたか否かを判定する。
そして、JPの当選トリガーが成立したと判定された場合(S81:YES)には、S82でRAM43に累積記憶されているJPの額に相当するクレジットを払い出す。具体的には、RAM43に記憶されている遊技者の所有クレジットに対してクレジットを追加する。
その後、S83では累積記憶されているJPのクレジットを初期化する。尚、初期化した場合にはJPのクレジット数を「0」としても良いし、所定の初期値(例えば1000クレジット)とすることとしても良い。
一方、JPの当選トリガーが成立しないと判定された場合(S81:NO)には、続いて、JPの貯留トリガーが成立したか否か、即ち、表示窓10L、10C、10Rの入賞ラインL上に3つ「BELL」のシンボルが停止表示されたか否かを判定する(S84)。
そして、JPの貯留トリガーが成立したと判定された場合(S84:YES)には、S85で今回のゲームでベットしたクレジット数(ベット数)の10%に相当するクレジット(例えば、20クレジットをベットした場合には2クレジット)が新たにJPに累積記憶される。具体的には、RAM43に記憶されているJPのクレジット数を読み出して、クレジットを追加して再度格納する。
一方、JPの貯留トリガーについても成立しないと判定された場合(S81:NO)には、ベット数と成立した役とに基づいて図7に示す配当のクレジットが払い出される(S86)。
以上説明した通り第1実施形態に係るスロットマシン1では、投入されたコインに基づいてベット操作が行われた後にリール5L、5C、5Rが回転駆動され(S25)、入賞ラインL上に停止表示された図柄の組合せが所定の貯留組合せとなった場合(S84:YES)に、ベットされたクレジット数の10%のクレジットをJPに累積記憶する(S85)とともに、入賞ラインL上に停止表示された図柄の組合せがJPの当選組合せとなった場合(S81:YES)に、累積記憶されたJPのクレジットを遊技者に払い出す(S82)ので、停止表示された図柄の態様に基づいて遊技媒体の累積が行われることとなり、図柄と遊技媒体の累積記憶とを組合せた新たな遊技を提供することが可能となる。従って、累積された遊技媒体を払い出す際に遊技者が大きな達成感を得ることが可能となる。
また、停止表示された図柄の態様に基づいて遊技媒体の累積とともに累積された遊技媒体の払い出しについても行われることとなるので、遊技者は遊技に対するより大きな達成感を得ることが可能となる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係るスロットマシンについて図13に基づいて説明する。尚、以下の説明において上記図1乃至図12の第1実施形態に係るスロットマシン1の構成と同一符号は、前記第1実施形態に係るスロットマシン1等の構成と同一あるいは相当部分を示すものである。
この第2実施形態に係るスロットマシンの概略構成は、第1実施形態に係るスロットマシン1とほぼ同じ構成である。また、各種制御処理も第1実施形態に係るスロットマシン1とほぼ同じ制御処理である。
ただし、第1実施形態に係るスロットマシン1が入賞ラインL上に停止表示された図柄の組合せがJPの当選組合せとなった場合(S81:YES)に、累積記憶されたJPの額に相当するクレジットを遊技者に対して払い出す(S82)のに対し、第2実施形態にかかるスロットマシンは累積記憶されたJPの額が払出価値である所定クレジットに到達したと判定された場合に、累積記憶されたJPの額に相当するクレジットを遊技者に対して払い出す点で前記第1実施形態に係るスロットマシン1と異なっている。
以下に、第2実施形態に係るスロットマシンのメイン遊技処理プログラムの前記S29及びボーナスゲーム処理プログラムの前記S68において実行されるJP累積及び払出処理のサブルーチンについて図13を用いて説明する。図13はJP累積及び払出処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
JP累積及び払出処理においては、先ず、S101においてメインCPU41は、JPの貯留トリガーが成立したか否か、即ち、表示窓10L、10C、10Rの入賞ラインL上に3つ「BELL」のシンボルが停止表示されたか否かを判定する(S101)。
そして、JPの貯留トリガーが成立したと判定された場合(S101:YES)には、S102で今回のゲームでベットしたクレジット数(ベット数)の10%に相当するクレジット(例えば、20クレジットをベットした場合には2クレジット)が新たにJPに累積記憶される。具体的には、RAM43に記憶されているJPのクレジット数を読み出して、クレジットを追加して再度格納する。
その後、S103では前記S102で累積記憶されたJPのクレジットが、払出価値である所定の累積上限クレジット数(例えば3000クレジット)に到達したか否かが判定される。そして、累積上限クレジット数に到達したと判定された場合(S103:YES)には、S104でRAM43に累積記憶されているJPの額に相当するクレジットを払い出す。具体的には、RAM43に記憶されている遊技者の所有クレジットに対してクレジットを追加する。
その後、S105では累積記憶されているJPのクレジットを初期化する。尚、初期化した場合にはJPのクレジット数を「0」としても良いし、所定の初期値(例えば1000クレジット)とすることとしても良い。
一方、JPの貯留トリガーについて成立しないと判定された場合(S101:NO)には、ベット数と成立した役とに基づいて図7に示す配当のクレジットが払い出される(S106)。但し、第2実施形態に係るスロットマシンでは、「JACKPOT7」が入賞ラインL上に3つ停止表示された場合には、JPの当選ではなく1ベットあたり30クレジットが配当として払い出される。
以上説明した通り第2実施形態に係るスロットマシン1では、投入されたコインに基づいてベット操作が行われた後にリール5L、5C、5Rが回転駆動され(S25)、入賞ラインL上に停止表示された図柄の組合せが所定の貯留組合せとなった場合(S101:YES)に、ベットされたクレジット数の10%のクレジットをJPに累積記憶する(S102)とともに、累積記憶されたJPの額が所定の累積上限クレジット数(例えば3000クレジット)に到達した場合(S103:YES)に、累積記憶されたJPのクレジットを遊技者に払い出す(S104)ので、停止表示された図柄の態様に基づいて遊技媒体の累積が行われることとなり、図柄と遊技媒体の累積記憶とを組合せた新たな遊技を提供することが可能となる。従って、累積された遊技媒体を払い出す際に遊技者が大きな達成感を得ることが可能となる。
また、JPが累積上限クレジット数に到達したと判定された場合にJPの払い出しを行うので、累積された遊技媒体の価値に基づいて払い出しを行う新たな遊技を提供することが可能となる。また、スロットマシンに累積されたJPの価値の大きさに基づいて遊技者の払い出しに対する期待感が増すこととなるので、遊技者の遊技意欲を向上させることができる。
尚、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
例えば、第1及び第2実施形態では、JPの貯留トリガーが成立した際に、ベットしたクレジットの10%に相当するクレジットを累積記憶させることとしているが、例えば、ベット数に関わらず所定数のクレジット(例えば1クレジット)を累積記憶させることとしても良い。
また、第1実施形態では、JPの当選トリガーが成立した際に、現在RAM43に累積記憶されているJPに相当する全クレジットを払い出すこととしているが、例えば、JPに累積記憶されているクレジットの内、所定割合(例えば50%)のクレジットのみ払い出すこととしても良い。
同様に、第2実施形態では、累積されたJPの額が所定の上限クレジットに到達した場合に、現在RAM43に累積記憶されているJPに相当する全クレジットを払い出すこととしているが、例えば、JPに累積記憶されているクレジットの内、所定割合(例えば50%)のクレジットのみ払い出すこととしても良い。
また、第1及び第2実施形態では、JPの当選トリガー及びJPの貯留トリガーの成立条件として、所定のシンボルの組合せが成立したことを条件としているが、入賞ラインL上に所定のシンボルが少なくとも一以上停止表示されたことを条件としても良い。例えば、入賞ライン上に「JACKPOT7」のシンボルが一以上停止表示された場合にJPの当選トリガーが成立したと判定し、入賞ライン上に「BELL」のシンボルが一以上停止表示された場合にJPの貯留トリガーが成立したと判定しても良い。