JP2008228364A - 減速機構付きモータ - Google Patents

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Abstract

【課題】効率の低下を抑制することができる減速機構付きモータを提供する。
【解決手段】減速機構22を収容するギヤハウジングの内部には、ウォーム部33の軸方向の端面と軸方向に対向し、ウォーム部33の対向する端面にて間接的に押圧されるとウォーム部33との間に発生する摩擦力によりウォーム部33の回転を阻止する当接壁27,28が設けられている。また、ウォーム部33は、当接壁27,28に対して接離可能に配置されるとともに、回転軸12が挿通される挿通孔33bを有する。挿通孔33bの内部には、回転軸12の回転をウォーム部33に伝達するとともに、ウォーム部33の回転時にウォームホイール38からウォーム部33に加えられる軸方向の反力と反対方向の力をウォーム部33に付与する伝達溝33c及び伝達ボール14が設けられている。
【選択図】図5

Description

本発明は、モータ本体の回転力を減速する減速機構を備えた減速機構付きモータに関するものである。
従来、車両に搭載されるパワーウインドウ装置には、回転力を発生するモータ本体と、該モータ本体の回転力を減速して出力する減速機構とを備えた減速機構付きモータが使用されている。このような減速機構付きモータには、モータ本体の停止時におけるウインドウガラスの下降を防止すべく、ウインドウガラスの下降を許容する方向の作動を阻止するための機構が備えられている。
例えば、特許文献1に記載された減速機構付きモータの減速機構は、モータ本体の回転軸の先端側に刻設されたウォームと、該ウォームに噛合された円板状のウォームホイールとから構成されている。そして、回転軸の先端には、スラストプラグが固定されるとともに、減速機構を収容部するギヤハウジングにおいてスラストプラグと軸方向に対向する位置には、クッション材を介してスチールプレートが固定されている。そして、モータ本体の停止時に、ウインドウガラス側から負荷が加えられて所定の方向へウォームホイールが回転しようとすると、該ウォームホイールからウォームを有する回転軸に対して、スチールプレート側に向かう軸方向の力が加えられる。その結果、スラストプラグがスチールプレートに押し付けられ、スラストプラグとスチールプレートとの接触による摩擦力により回転軸の回転が防止され、減速機構の作動が阻止される。一方、モータ本体が駆動されると、回転軸は、スラストプラグとスチールプレートとを摺動させながら回転する。そして、回転軸の回転に伴って、ウォーム部と噛合するウォームホイールが回転され、ウインドウガラスの昇降が行われる。
実開平4−64965号公報
しかしながら、特許文献1に記載の減速機構付きモータでは、モータ本体の駆動時に、回転軸と一体回転するスラストプラグと、ギヤハウジングに固定されたスチールプレートとが互いに摺動するため、当該減速機構付きモータの効率が低下されてしまう。また、回転軸の回転方向によっては、ウォームホイールを回転させる際にウォームホイールからウォームに加えられる反力(噛み合い反力)が回転軸をスチールプレート側に押し付ける方向の力となることがある。この場合には、減速機構付きモータの効率がより低下されてしまう。
そこで、回転軸を、モータ側の部位(モータ側回転軸とする)とウォームが形成された減速機構側の部位(ウォーム軸とする)とに分割し、これらモータ側回転軸とウォーム軸とを、モータ本体側からの回転を許容するとともに減速機構側からの回転を阻止するクラッチを介して連結することが考えられる。しかしながら、モータ側回転軸とウォーム軸とを同軸状(互いの中心軸線が一致した状態)とするために、各部品を高精度に形成する必要が出てくる。その結果、製造コストが増大するという問題がある。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、効率の低下を抑制することができる減速機構付きモータを提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、回転可能に支持された回転軸を有するモータ本体と、ケース内に収容され、外周に螺子歯が形成され前記回転軸と一体的に回転するウォーム部、及び前記ウォーム部と噛合し前記ウォーム部とともに前記回転軸の回転を減速するウォームホイールを有する減速機構とを備えた減速機構付きモータであって、前記ケースの内部には、前記ウォーム部の軸方向の両端面のうち一方の端面と軸方向に対向し、前記ウォーム部の対向する端面にて直接又は間接的に押圧されると前記ウォーム部との間に発生する摩擦力により前記ウォーム部の回転を阻止する当接壁が設けられ、前記ウォーム部は、前記当接壁に対して接離可能に配置されるとともに前記回転軸が挿通される挿通孔を有し、前記挿通孔の内部には、前記回転軸の回転を前記ウォーム部に伝達するとともに、前記ウォーム部の回転時に前記ウォームホイールから前記ウォーム部に加えられる軸方向の反力と反対方向の力を前記ウォーム部に付与する伝達手段が設けられたことをその要旨としている。
同構成によれば、モータ本体の駆動時、即ち回転軸の回転時において、伝達手段は、ウォーム部の回転によりウォームホイールが回転される時にウォームホイールからウォーム部に加えられる軸方向の反力と反対方向の力をウォーム部に付与する。従って、回転軸の回転に伴ってウォーム部が回転する時には、ウォームホイールからウォーム部に加えられる軸方向の反力は、伝達手段からウォーム部に付与される軸方向の力によって弱められる。そのため、ウォームホイールから加えられる軸方向の反力によってウォーム部が当接部材に押し付けられることが抑制される。その結果、モータ本体の駆動時には、ウォーム部の軸方向の端面が当接部材に当接されない、若しくは当接部材とウォーム部の端面とが摺動する際の摩擦力が小さくなるため、ウォーム部と当接部材との間の摺動ロスが低減される。よって、減速機構付きモータの効率の低下を抑制することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の減速機構付きモータにおいて、前記伝達手段は、前記挿通孔の内周面に前記螺子歯の捩れ方向と反対方向に捩れるように形成された伝達溝と、前記伝達溝と前記回転軸との間に配置され、前記回転軸の回転を前記ウォーム部に伝達するとともに前記ウォーム部の回転時に前記ウォームホイールから前記ウォーム部に加えられる軸方向の反力と反対方向の力を前記ウォーム部に付与する伝達部材とを備えることをその要旨としている。
同構成によれば、挿通孔の内周面にウォーム部の螺子歯の捩れ方向と反対方向に捩れるように形成された簡易な構成の伝達溝と、該伝達溝と回転軸との間に配置された伝達部材とによって、回転軸の回転をウォーム部に伝達するとともにウォーム部の回転時にウォームホイールからウォーム部に加えられる軸方向の反力と反対方向の力をウォーム部に付与することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の減速機構付きモータにおいて、前記伝達部材は、前記回転軸の外周面に係合されるとともに前記伝達溝の内周面に当接される球体状の伝達ボールであることをその要旨としている。
同構成によれば、伝達部材は、球体状の伝達ボールであるため、その形状が簡易であるとともに、組付け時にその組付け方向が制限されない。また、回転軸に対するウォーム部の軸方向の移動が妨げられ難い。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の減速機構付きモータにおいて、前記伝達ボールは、複数備えられることをその要旨としている。
同構成によれば、伝達ボールが複数備えられることにより、これらの伝達ボールを介して、回転軸の回転をより安定してウォーム部に伝達することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の減速機構付きモータにおいて、前記伝達溝は、前記ウォーム部の周方向に等角度間隔となる位置に複数設けられ、複数の前記伝達ボールは、前記回転軸に対し周方向に等角度間隔となる位置に係合されることをその要旨としている。
同構成によれば、複数の伝達ボールは、回転軸に対し周方向に等角度間隔となる位置に係合されているため、回転軸の回転力は、ウォーム部に対して周方向に均等に伝達される。従って、更に安定して回転軸の回転をウォーム部に伝達することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項3乃至請求項5の何れか1項に記載の減速機構付きモータにおいて、前記伝達ボールは、前記ウォーム部の軸方向の中央部に配置されることをその要旨としている。
同構成によれば、ウォーム部の径方向のバランスを良好に保つことができる。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の減速機構付きモータにおいて、前記ウォーム部の両端部を軸支する軸受を有することをその要旨としている。
同構成によれば、ウォーム部が両端部は軸受によって軸支されるため、ウォーム部の径方向のぐらつきが抑制される。
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至請求項7の何れか1項請求項8に記載の減速機構付きモータにおいて、前記当接部材回転防止部材は、前記ウォーム部の軸方向の両側の2箇所に設けられることをその要旨としている。
同構成によれば、モータ本体の停止時において、ウォームホイールが何れの方向に回転しようとした場合であってもウォーム部の回転が阻止される。
本発明によれば、効率の低下を抑制可能な減速機構付きモータを提供することができる。
以下、本発明を、車両に搭載されるパワーウインドウ装置の駆動源として用いられるパワーウインドウ装置用モータに具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、減速機構付きモータとしてのモータ1は、モータ本体2と減速部3とから構成されている。モータ本体2を構成するヨークハウジング4は、有低筒状をなすとともに、該ヨークハウジング4の底部の中央部には、軸受収容凹部4aが形成されている。軸受収容凹部4aの底部中央には、スチールボール5が配置されるとともに、該軸受収容凹部4aの内周面にはメタル軸受6が固定されている。また、ヨークハウジング4の内周面には、一対の永久磁石7が固定されるとともに、同ヨークハウジング4の開口部内には、一対の給電用ブラシ8を保持するブラシホルダ9が設けられている。
また、前記一対の永久磁石7の内側には、電機子11が回転可能に配置されている。電機子11の回転軸12は、その基端部側の端面が前記スチールボール5に当接するとともに、同基端部が前記メタル軸受6によって軸支されている。また、回転軸12の先端部は、ブラシホルダ9の中央部を貫通しヨークハウジング4の開口部から突出して減速部3内に配置されている。そして、回転軸12の軸方向の略中央部には、電機子11を構成する円筒状の整流子13が固定されるとともに、該整流子13の外周面には、前記一対の給電用ブラシ8の先端がそれぞれ押圧接触されている。
図2に示すように、回転軸12の先端側の所定位置には、2つの係合凹部12aが形成されている。この係合凹部12aは、周方向に等角度間隔となる位置に球状に凹設されており、回転軸12の軸線を含む平面に対して面対称となっている。そして、これら係合凹部12a内には、伝達ボール14がそれぞれ係合されている。球体状の各伝達ボール14は、鋼鉄製であるとともに、その外周面の曲率半径は、係合凹部12aの内周面の曲率半径と等しい値に設定されている。
図1に示すように、前記減速部3は、前記ヨークハウジング4の開口部側の端部に螺子15にて固定されるギヤハウジング21と、該ギヤハウジング21内に収容される減速機構22とを備えている。ギヤハウジング21を構成するウォーム収容部23は、回転軸12の軸方向に沿って延びる略筒状をなすとともに、その内部に前記回転軸12の先端側の部位を収容している。また、ウォーム収容部23におけるヨークハウジング4側の端部の内周面には、回転軸12の軸方向の略中央部を軸支する円筒状のメタル軸受24が固定されている。更に、ウォーム収容部23における回転軸12の先端側の端部には、回転軸12の先端部を回転可能に軸支する円筒状のメタル軸受25が設けられるとともに、回転軸12の先端面に当接するスチールボール26が配置されている。尚、メタル軸受24,25は何れも金属製である。
また、ウォーム収容部23の内部には、回転軸12の軸方向と直交する方向(図1において紙面垂直方向)に沿って一対の当接壁27,28が立設されている。一方の当接壁27は、前記メタル軸受24と回転軸12の軸方向に対向する位置に形成されるとともに、他方の当接壁28は、メタル軸受25と回転軸12の軸方向に対向する位置に形成されている。そして、当接壁27,28は回転軸12の軸方向に互いに所定間隔を有する位置に形成されるとともに、各当接壁27,28には、その先端から基端に向かって凹設された挿通凹部27a,28aがそれぞれ形成されている。挿通凹部27a,28aは、略U字状に凹設されるとともに、回転軸12が挿通されている。そして、これら当接壁27,28間には、一対のスラストプレート31,32及び円筒状のウォーム部33が回転軸12に貫通された状態で配置されている。スラストプレート31,32は、何れも合成樹脂製であるとともに、円環状をなしている。また、鉄製のウォーム部33は、スラストプレート31,32間に配置されている。尚、ウォーム部33は、鋼鉄製若しくは合成樹脂製であってもよい。
ウォーム部33の両端部は、ウォーム収容部23の内周面に固定された一対の円筒状の軸受34,35によって軸支されるとともに、これら軸受34,35は、ウォーム収容部23の軸方向の移動を許容する。図2に示すように、ウォーム部33の外周の軸方向の中央部には、螺子歯33aが螺旋状に形成されている。また、図3に示すように、ウォーム部33の径方向の中心部には、軸方向に貫通した挿通孔33bが形成されるとともに、該挿通孔33bの軸方向と直交する方向の断面形状は円形状をなしている。更に、図4に示すように、ウォーム部33の内周面(即ち挿通孔33bの内周面)には、2つの伝達溝33cが形成されている。本実施形態では、伝達溝33cは、ウォーム部33の軸方向の一端から他端まで形成されるとともに、ウォーム部33を径方向に沿って切った断面形状が台形状をなしている。また、伝達溝33cは、ウォーム部33の中心軸線L1に対して傾斜するように挿通孔33bの内周面に螺旋状に形成されるとともに、その捩れ方向が螺子歯33aの捩れ方向と反対方向となっている。即ち、螺子歯33aと伝達溝33cとは互いに反対方向に捩れた螺旋状をなしている。そして、ウォーム部33の径方向内側から見ると、螺子歯33aは、ウォーム部33の中心軸線L1に対して右上がりとなるように傾斜しているのに対し、各伝達溝33cは、ウォーム部33の中心軸線L1に対して左上がりとなるように形成されている。更に、2つの伝達溝33cは、ウォーム部33の内周面において周方向に等角度間隔(本実施形態では180°間隔)となる位置に形成されている。尚、図4においては、螺子歯33aの歯形の中心軸線を二点鎖線にて図示している。
図2に示すように、前記回転軸がウォーム部33内に挿通される際には、回転軸12は、各前記係合凹部12a内に伝達ボール14を係合した状態で、各伝達ボール14が各伝達溝33c内にそれぞれ収容されるように、ウォーム部33の端部から該ウォーム部33の挿通孔33bに挿通される。そして、図1及び図3に示すように、回転軸12がメタル軸受6,24,25にて軸支された状態では、各伝達ボール14は、ウォーム部33の軸方向の中央部に配置される。また、同状態では、ウォーム部33は、当接壁27,28間で軸方向に移動可能であるとともに、ウォーム部33の軸方向の両端面は、それぞれが軸方向に対向するスラストプレート31,32を介して間接的に当接壁27,28に突き当たることが可能となっている。即ち、ウォーム部33は、当接壁27,28に対して軸方向に離間可能であるとともに間接的に当接可能となっている。そして、ウォーム部33の軸方向の端面が、軸方向に対向する当接壁27,28に対して間接的に押圧されると、ウォーム部33の軸方向の端面と当接するスラストプレート31,32との間に発生する摩擦力、及び互いに当接するスラストプレート31,32と当接壁27,28との間に発生する摩擦力により、ウォーム部33の周方向の回転が阻止されるようになっている。
図1に示すように、ギヤハウジング21を構成するホイール収容部37は、略円盤状をなすとともに、その内部空間は、前記ウォーム収容部23の内部空間と同ウォーム収容部23の長手方向の略中央部で繋がっている。そして、ホイール収容部37内に収容された円板状のウォームホイール38は、ホイール収容部37の内部空間とウォーム収容部23の内部空間とが繋がる部位で、前記ウォーム部33の螺子歯33aと噛合している。尚、本実施形態では、前記減速機構22は、このウォームホイール38と、ウォーム部33とから構成されている。
上記のように構成されたモータ1は、車両のドア内に配置されるとともに、ウォームホイール38の径方向の中央部に該ウォームホイール38と一体回転可能に設けられた出力軸(図示略)がレギュレータ(図示略)等を介して車両のウインドウガラスに駆動連結される。そして、図示しない外部の電源装置(車両のバッテリ等)から給電用ブラシ8を介して電機子11に電流が供給されると(即ちモータ本体2が駆動されると)、電機子11が回転する。電機子11が回転すると、電機子11を構成する回転軸12の回転は、図5(a)に示すように、各伝達ボール14を介してウォーム部33に伝達され、回転軸12とともにウォーム部33が回転する。ウォーム部33が回転すると、それに伴ってウォームホイール38が回転し、ウォームホイール38と一体回転する出力軸(図示略)を介してレギュレータ(図示略)にモータ本体2の駆動力が伝達され、回転軸12の回転方向に応じてウインドウガラスの昇降が行われる(図1参照)。
ここで、モータ本体2の駆動時にウォーム部33にてウォームホイール38が矢印α1方向に回転される場合において、各伝達ボール14からウォーム部33の内壁(伝達溝33cの内周面)に加えられる力をFとし、この力Fを、ウォーム部33を回転させる方向の分力Faと、ウォーム部33の軸方向に沿う方向の分力Fbとに分ける。この時、伝達溝33cは、その捩れ方向が螺子歯33aの捩れ方向と反対方向となるように形成されているため、分力Fbは、ウォーム部33の回転によりウォームホイール38が矢印α1方向に回転される場合にウォームホイール38からウォーム部33に対して加えられる軸方向の反力Foと反対方向の力となる。その結果、分力Fbと反力Foとは互いに打ち消し合うことになる。本実施形態では、分力Fbと反力Foとがほぼ同じ大きさとなるように、ウォーム部33の中心軸線L1に対する伝達溝33cの傾斜の度合い、及び螺子歯33aのねじれ角(中心軸線L1と直交する直線に対する螺子歯33aの歯形の中心線とによって作られる角)が設定されている。従って、分力Fbによって反力Foが相殺される。このように、ウォームホイール38からウォーム部33に加えられる軸方向に沿った反力Foは、分力Fbにて相殺されるため、ウォーム部33がスラストプレート31,32の何れか一方の押し付けられることが抑制される。尚、ウォーム部33の中心軸線L1に対する伝達溝33cの傾斜の度合いや螺子歯33aのねじれ角は、実験や計算等により適切な値が求められて設定される。
一方、モータ本体2が停止されている場合において、出力軸にウォームホイール38を回転させるような負荷が加えられると、ウォームホイール38が回転しようとすることにより該ウォームホイール38からウォーム部33に対して軸方向(ウォーム部33の軸方向)の力が加えられる。これにより、ウォーム部33が軸方向に移動されてスラストプレート31,32の何れか一方に押し付けられる。ウォーム部33の軸方向の端面が、軸方向に対向する当接壁27,28に対して間接的に押圧されると、ウォーム部33の軸方向の端面と当接するスラストプレート31,32との間に発生する摩擦力、及び互いに当接するスラストプレート31,32と当接壁27,28との間に発生する摩擦力により、ウォーム部33の周方向の回転が阻止される。例えば、図5(b)に示すように、ウォームホイール38が反時計方向(矢印α2方向)に回転しようとした場合、ウォームホイール38からウォーム部33に対して軸方向に沿って右側に向かう力(矢印Fc方向の力)が加えられ、この力によってウォーム部33は、スラストプレート32及び当接壁28側に移動される。そして、ウォーム部33の軸方向の一端面(図5(b)において右側の端面)がスラストプレート32を介して当接壁28に間接的に押圧され、ウォーム部33の軸方向の一端面とスラストプレート32との間、及びスラストプレート32と当接壁28との間に発生する摩擦力により、ウォーム部33の周方向の回転が阻止される。これにより、モータ本体2の停止時にウインドウガラスが昇降されることが防止される。
上記したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)モータ本体2の駆動時、即ち回転軸12の回転時には、伝達溝33c及び伝達ボール14の作用により、ウォーム部33の回転によりウォームホイール38が回転される時にウォームホイール38からウォーム部33に加えられる軸方向の反力Foと反対方向の力(分力)Fbがウォーム部33に付与される。従って、回転軸12の回転に伴ってウォーム部33が回転する時には、ウォームホイール38からウォーム部33に加えられる軸方向の反力Foは、伝達ボール14及び伝達溝33cを介してウォーム部33に付与される軸方向の力Fbによって相殺される。そのため、ウォームホイール38から加えられる軸方向の反力Foによってウォーム部33が当接壁27,28に押し付けられることが抑制される。その結果、モータ本体2の駆動時には、ウォーム部33の軸方向の端面が当接壁27,28に当接されない、若しくは当接壁27,28とウォーム部33の端面とが間接的に摺動する際の摩擦力が小さくなるため、ウォーム部33と当接壁27,28との間の摺動ロスが低減される。よって、モータ1の効率の低下を抑制することができる。
(2)挿通孔33bの内周面にウォーム部33の螺子歯33aの捩れ方向と反対方向に捩れるように形成された伝達溝33cと、該伝達溝33cと回転軸12との間に配置された球体状の伝達ボール14との簡易な構成によって、回転軸12の回転をウォーム部33に伝達するとともにウォーム部33の回転時にウォームホイール38からウォーム部33に加えられる軸方向の反力Foと反対方向の力Fbをウォーム部33に付与することができる。その結果、モータ1の構成の複雑化が抑制される。
(3)伝達ボール14は球体状をなすため、その形状が簡易であるとともに、組付け時にその組付け方向が制限されない。また、回転軸12に対するウォーム部33の軸方向の移動が妨げられ難いため、ウォーム部33は、モータ本体2の停止時にウォームホイール38が回転しようとした場合に、当接壁27,28に対して円滑に押し付けられる。
(4)伝達ボール14はウォーム部33の内部に2つ備えられるため、伝達ボール14が1つのみ備えられる場合よりも回転軸12の回転がより安定してウォーム部33に伝達される。
(5)2つの伝達ボール14は、回転軸12に対して周方向に等角度間隔となる位置に係合されているため、回転軸12の回転力は、ウォーム部33に対して周方向に均等に伝達される。従って、更に安定して回転軸12の回転をウォーム部33に伝達することができる。
(6)伝達ボール14は、ウォーム部33の軸方向の中央部に配置されるため、ウォーム部33の径方向のバランスが良好に保たれる。
(7)ウォーム部33の軸方向の両端部が軸受34,35にて軸支されているため、ウォーム部33、ウォーム部33の径方向のぐらつきが抑制される。
(8)ウォーム部33の軸方向の両側に当接壁27,28及びスラストプレート31,32がそれぞれ設けられているため、モータ本体2の停止時において、ウォームホイール38が何れの方向に回転しようとした場合であってもウォーム部33の回転が阻止される。
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、ウォーム部33の軸方向の両側に、当接壁27,28及びスラストプレート31,32がそれぞれ設けられている。しかしながら、当接壁27,28及びスラストプレート31,32は、ウォーム部33の軸方向の一方側にのみ設けられても良い。また、スラストプレート31,32を省略し、ウォーム部33の軸方向の端面が当接壁27,28の何れか一方に押し付けられることにより、ウォーム部33の軸方向の端面と当接壁27,28の何れか一方との間の摩擦力によりウォーム部33の回転が阻止されるように構成してもよい。また、当接壁27,28は、ギヤハウジング21と一体に設けられているが、別体に設けられてギヤハウジング21内に固定されてもよい。
・上記実施形態では、ウォーム部33の軸方向の両端部は、軸受34,35によって軸支されている。しかしながら、軸受34,35は省略してもよい。
・上記実施形態では、2つの伝達ボール14は、何れもウォーム部33の軸方向の中央部に配置される。しかしながら、伝達ボール14は、伝達溝33c内であれば、ウォーム部33の軸方向の何れの位置に配置されてもよい。この場合、伝達ボール14が配置される位置に応じて、回転軸12の外周面に係合凹部12aが形成される。
・上記実施形態では、2つの伝達ボール14は、回転軸12に対し周方向に等角度間隔となる位置に係合されている。しかしながら、伝達ボール14は、ウォーム部33の伝達溝33c内に収容されるのであれば、回転軸12の周方向の何れの位置に係合されもよい。
・伝達ボール14は、ウォーム部33内に1つのみ備えられてもよいし、3つ以上備えられてもよい。
・上記実施形態では、伝達溝33cは、ウォーム部33の軸方向の一端から他端まで設けられているが、伝達ボール14の配置位置等に応じて、ウォーム部33の軸方向の一端からウォーム部33の軸方向の所定位置まで形成されるものであってもよい。また、伝達溝33cの周方向位置は、回転軸12に対する伝達ボール14の周方向位置に応じて設定されていればよい。
・伝達ボール14の形状は球体状に限らない。伝達ボール14は、伝達溝33cを介して、回転軸12の回転をウォーム部33に伝達するとともに、ウォーム部33の回転時にウォームホイール38からウォーム部33に加えられる軸方向の反力と反対方向の力を該ウォーム部33に付与することができるのであれば、例えば円柱状等をなしていてもよい。
・上記実施形態では、当接壁27,28はギヤハウジング21のウォーム収容部23内に形成されているが、ウォーム部33の軸方向の両端面との間に若干の隙間を有するように立設されるのであれば、ヨークハウジング4の内部に設けられてもよい。
・上記実施形態では、回転軸12の回転をウォーム部33に伝達する伝達機構は、挿通孔33bの内周面に螺子歯33aの捩れ方向と反対方向に捩れるように形成された伝達溝33cと、伝達溝33cと回転軸12との間に配置された伝達ボール14とから構成されている。しかしながら、回転軸12の回転をウォーム部33に伝達する伝達機構の構成はこれに限らず、ウォーム部33の内部で、回転軸12の回転をウォーム部33に伝達するとともに、ウォーム部33の回転時にウォームホイール38からウォーム部33に加えられる軸方向の反力と反対方向の力をウォーム部33に付与するように構成されていればよい。
・上記実施形態では、モータ1は、パワーウインドウ装置の駆動源として用いられているが、モータ1の用途はこれに限らない。モータ1は、例えばサンルーフ装置、スライドドア装置、バックドア装置等の駆動源として用いられてもよい。
減速機構付きモータの断面図。 電機子の分解斜視図。 減速機構付きモータにおけるウォーム部付近の部分拡大断面図。 ウォーム部の断面図。 (a)はモータ本体駆動時におけるウォーム部の動作を説明するための説明図、(b)はモータ本体停止時におけるウォーム部の動作を説明するための説明図。
符号の説明
1…減速機構付きモータとしてのモータ、2…モータ本体、4…ケースを構成するヨークハウジング、12…回転軸、14…伝達手段を構成する伝達部材としての伝達ボール、21…ケースを構成するギヤハウジング、22…減速機構、27,28…当接部材としての当接壁、33…ウォーム部、33a…螺子歯、33b…挿通孔、33c…伝達手段を構成する伝達溝、34,35…軸受、38…ウォームホイール、Fb…ウォーム部の回転時にウォームホイールからウォーム部に加えられる軸方向の反力と反対方向の力、Fo…反力。

Claims (8)

  1. 回転可能に支持された回転軸を有するモータ本体と、
    ケース内に収容され、外周に螺子歯が形成され前記回転軸と一体的に回転するウォーム部、及び前記ウォーム部と噛合し前記ウォーム部とともに前記回転軸の回転を減速するウォームホイールを有する減速機構と
    を備えた減速機構付きモータであって、
    前記ケースの内部には、前記ウォーム部の軸方向の両端面のうち一方の端面と軸方向に対向し、前記ウォーム部の対向する端面にて直接又は間接的に押圧されると前記ウォーム部との間に発生する摩擦力により前記ウォーム部の回転を阻止する当接部材が設けられ、
    前記ウォーム部は、前記当接部材に対して接離可能に配置されるとともに前記回転軸が挿通される挿通孔を有し、前記挿通孔の内部には、前記回転軸の回転を前記ウォーム部に伝達するとともに、前記ウォーム部の回転時に前記ウォームホイールから前記ウォーム部に加えられる軸方向の反力と反対方向の力を前記ウォーム部に付与する伝達手段が設けられたことを特徴とする減速機構付きモータ。
  2. 請求項1に記載の減速機構付きモータにおいて、
    前記伝達手段は、前記挿通孔の内周面に前記螺子歯の捩れ方向と反対方向に捩れるように形成された伝達溝と、前記伝達溝と前記回転軸との間に配置され、前記回転軸の回転を前記ウォーム部に伝達するとともに前記ウォーム部の回転時に前記ウォームホイールから前記ウォーム部に加えられる軸方向の反力と反対方向の力を前記ウォーム部に付与する伝達部材とを備えることを特徴とする減速機構付きモータ。
  3. 請求項2に記載の減速機構付きモータにおいて、
    前記伝達部材は、前記回転軸の外周面に係合されるとともに前記伝達溝の内周面に当接される球体状の伝達ボールであることを特徴とする減速機構付きモータ。
  4. 請求項3に記載の減速機構付きモータにおいて、
    前記伝達ボールは、複数備えられることを特徴とする減速機構付きモータ。
  5. 請求項4に記載の減速機構付きモータにおいて、
    前記伝達溝は、前記ウォーム部の周方向に等角度間隔となる位置に複数設けられ、
    複数の前記伝達ボールは、前記回転軸に対し周方向に等角度間隔となる位置に係合されることを特徴とする減速機構付きモータ。
  6. 請求項3乃至請求項5の何れか1項に記載の減速機構付きモータにおいて、
    前記伝達ボールは、前記ウォーム部の軸方向の中央部に配置されることを特徴とする減速機構付きモータ。
  7. 請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の減速機構付きモータにおいて、
    前記ウォーム部の両端部を軸支する軸受を有することを特徴とする減速機構付きモータ。
  8. 請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の減速機構付きモータにおいて、
    前記当接部材は、前記ウォーム部の軸方向の両側の2箇所に設けられることを特徴とする減速機構付きモータ。
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