JP2008226923A - レジスト塗布処理方法及びレジスト塗布処理装置 - Google Patents

レジスト塗布処理方法及びレジスト塗布処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】プリウエット効果が安定して得られ、レジスト膜厚の均一性を向上させることができるとともに、レジスト塗布処理装置毎のプリウエット効果のばらつきを軽減できるレジスト塗布処理方法を提供する。
【解決手段】コントローラ9から発信されたダミー吐出信号に応じて、レジスト塗布手段にレジストを吐出させて、ダミー吐出信号が発信された発信時点とレジストが吐出された吐出時点との時間差である遅延時間をコントローラ9に算出させるダミーディスペンス工程と、プリウエット溶剤をウェハ3上に塗布し、所定時間よりも遅延時間分短い乾燥時間でプリウエット溶剤の乾燥処理を終了させるプリウエット工程と、乾燥処理が終了したことに応じてコントローラ9から発信されるレジスト吐出信号に応じて、レジスト塗布手段にレジストを吐出させて、ウェハ3上にレジストを塗布するレジスト塗布工程とを備えるレジスト塗布処理方法とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、レジスト塗布処理方法及びレジスト塗布処理装置に関し、特に、プリウエット溶剤の乾燥処理時間を一定にすることができるレジスト塗布処理方法及びレジスト塗布処理装置に関する。
近年のレジスト塗布処理においては、スループット向上のため、レジスト塗布処理装置がパラレル化されてきている。このため、レジストを塗布するレジスト塗布処理装置間におけるレジスト膜厚の均一性を図ることが要求されている。レジスト膜厚の均一性を向上させる方法としては、レジスト塗膜を形成する前のウェハ上に、プリウエット溶剤を塗布する方法がある(例えば、特許文献1〜特許文献3参照)。プリウエット溶剤を塗布することで、ウェハ上におけるレジストの拡がりを促進させる効果が得られる。
特開2002−134399号公報 特開2002−175966号公報 特開2003−145017号公報
しかしながら、従来のプリウエット溶剤を塗布する方法では、レジストをウェハ上で広げる時のプリウエット効果が安定して得られず、レジスト膜厚の均一性を十分に向上させることができず、問題となっていた。特に、レジスト塗布処理装置毎のプリウエット効果のばらつきが大きいことが問題となっていた。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、レジスト塗膜を形成する前のウェハ上にプリウエット溶剤を塗布する方法において、プリウエット効果が安定して得られ、レジスト膜厚の均一性を向上させることができるとともに、レジスト塗布処理装置毎のプリウエット効果のばらつきを軽減できるレジスト塗布処理方法を提供することを目的とする。
また、レジスト塗膜を形成する前のウェハ上にプリウエット溶剤を塗布する場合において、プリウエット効果が安定して得られ、レジスト膜厚の均一性を向上させることができるとともに、レジスト塗布処理装置毎のプリウエット効果のばらつきを軽減できるレジスト塗布処理装置を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記問題を解決するために鋭意研究を重ね、プリウエット溶剤を塗布した後のプリウエット溶剤の乾燥時間のばらつきと、プリウエット効果のばらつきとの関係に着目し、プリウエット溶剤の乾燥時間を一定にすることで、プリウエット効果が安定して得られ、レジスト膜厚の均一性を十分に向上させることができることを見出した。
さらに、本発明者等は鋭意研究を重ね、プリウエット溶剤の乾燥時間のばらつきが、レジストノズルからレジストを吐出させる際における、コントローラから吐出信号が発信された発信時点とレジストが吐出された吐出時点との時間差に起因することを見出し、本発明を想到した。
即ち、本発明は以下に関する。
本発明のレジスト塗布処理方法は、コントローラから発信されたダミー吐出信号に応じて、レジスト塗布手段にレジストを吐出させて、前記ダミー吐出信号が発信された発信時点と前記レジストが吐出された吐出時点との時間差である遅延時間を前記コントローラに算出させるダミーディスペンス工程と、プリウエット溶剤をウェハ上に塗布し、所定時間よりも前記遅延時間分短い乾燥時間で前記プリウエット溶剤の乾燥処理を終了させるプリウエット工程と、前記乾燥処理が終了したことに応じて前記コントローラから発信されるレジスト吐出信号に応じて、前記レジスト塗布手段に前記レジストを吐出させて、前記ウェハ上に前記レジストを塗布するレジスト塗布工程とを備えることを特徴とする。
上記のレジスト塗布処理方法では、映像装置によって検出された前記吐出時点を用いて、前記遅延時間を前記コントローラに算出させることを特徴とする方法とすることができる。
上記のレジスト塗布処理方法では、前記レジスト塗布手段が、エアーオペレートバルブとレジストポンプとを備え、前記ダミーディスペンス工程を行なう前に、エアーオペレートバルブの動作タイミングとレジストポンプの動作タイミングを合わせる吐出状態の調整を行なう方法とすることができる。
本発明のレジスト塗布処理装置は、プリウエット溶剤をウェハ上に塗布する溶剤塗布手段と、前記プリウエット溶剤を乾燥させる乾燥処理を行なう乾燥手段とを備えるプリウエット手段と、前記ウェハ上にレジストを吐出させるレジスト塗布手段と、前記レジスト塗布手段にダミー吐出信号を発信して前記レジストを吐出させ、前記ダミー吐出信号が発信された発信時点と、前記レジストが吐出された吐出時点との時間差である遅延時間を算出し、前記乾燥手段を制御して所定時間よりも前記遅延時間分短い乾燥時間で前記乾燥処理を終了させ、前記乾燥処理が終了したことに応じて前記レジスト塗布手段に前記レジスト吐出信号を発信して前記レジストを吐出させ、前記ウェハ上に前記レジストを塗布させるコントローラとを備えることを特徴とする
上記のレジスト塗布処理装置では、前記吐出時点を検出する映像装置を備え、前記コントローラが、映像装置によって検出された前記吐出時点を用いて前記遅延時間を算出する装置とすることができる。
本発明のレジスト塗布処理方法は、コントローラから発信されたダミー吐出信号に応じて、レジスト塗布手段にレジストを吐出させて、前記ダミー吐出信号が発信された発信時点と前記レジストが吐出された吐出時点との時間差である遅延時間を前記コントローラに算出させるダミーディスペンス工程と、プリウエット溶剤をウェハ上に塗布し、所定時間よりも前記遅延時間分短い乾燥時間で前記プリウエット溶剤の乾燥処理を終了させるプリウエット工程と、前記乾燥処理が終了したことに応じて前記コントローラから発信されるレジスト吐出信号に応じて、前記レジスト塗布手段に前記レジストを吐出させて、前記ウェハ上に前記レジストを塗布するレジスト塗布工程とを備えるので、プリウエット溶剤の乾燥時間が、プリウエット溶剤の乾燥処理後にウェハ上にレジストが塗布されるまでに要する遅延時間に関わらず一定となる。したがって、本発明のレジスト塗布処理方法では、レジストがウェハ上に拡がる時のプリウエット効果が安定して得られ、レジスト膜厚の均一性を安定させることができるとともに、レジスト塗布処理装置毎のプリウエット効果のばらつきを軽減できる。
また、本発明のレジスト塗布処理装置は、プリウエット手段と、レジスト塗布手段と、レジスト塗布手段にダミー吐出信号を発信して前記レジストを吐出させ、前記ダミー吐出信号が発信された発信時点と、前記レジストが吐出された吐出時点との時間差である遅延時間を算出し、前記乾燥手段を制御して所定時間よりも前記遅延時間分短い乾燥時間で前記乾燥処理を終了させ、前記乾燥処理が終了したことに応じて前記レジスト塗布手段に前記レジスト吐出信号を発信して前記レジストを吐出させ、前記ウェハ上に前記レジストを塗布させるコントローラとを備えるので、プリウエット溶剤の乾燥時間をプリウエット溶剤の乾燥処理後にウェハ上にレジストが塗布されるまでに要する遅延時間に関わらず一定とすることができる。よって、本発明のレジスト塗布処理装置を用いることで、レジストがウェハ上に拡がる時のプリウエット効果を安定して得ることができ、膜厚の均一性に優れたレジスト塗膜が得られるとともに、レジスト塗布処理装置毎のプリウエット効果のばらつきを軽減できる。
本発明の第1の実施形態であるレジスト塗布処理方法およびレジスト塗布処理装置について、図1〜図4を用いて説明する。
(レジスト塗布処理装置)
図1は、本実施形態のレジスト塗布処理装置を説明するための概略図である。図1において符号1はレジストノズルを示している。レジストノズル1はレジストを吐出するものである。レジストノズル1は、ノズルアーム16に支持されている。ノズルアーム16は、レジストノズル1の位置を所定の位置に移動させるものである。また、図1に示すレジスト塗布処理装置には、レジストノズル1にレジストを供給するための供給管17で各々接続されたサックアップバルブ10、エアーオペレートバルブ11、フィルタ12、レジストポンプ13、レジストボトル14が備えられている。エアーオペレートバルブ11は、コントローラ9から発信されたダミー吐出信号またはレジスト吐出信号により、開閉されるものである。また、レジストポンプ13は、コントローラ9から発信されたダミー吐出信号またはレジスト吐出信号により、所定の圧力でレジストを圧送するものである。
また、図1において符号2は溶剤ノズルを示している。溶剤ノズル2はプリウエット溶剤を吐出するものである。溶剤ノズル2は、レジストノズル1とともにノズルアーム16に支持され、ノズルアーム16によって所定の位置に移動されるようになっている。また、図1に示すレジスト塗布処理装置には、溶剤ノズル2にプリウエット溶剤を供給するためのバルブ(図示略)やポンプ(図示略)が備えられている。
また、図1において符号3はウェハを示し、符号5はウェハ3を支持するスピンチャックを示し、符号6はスピンモータを示している。スピンモータ6は、スピンチャック5上に載置されたウェハ3を回転させるものであり、コントローラ9によって回転速度および回転時間が制御されるようになっている。本実施形態においては、スピンモータ6およびスピンチャック5は、ウェハ3を回転させてウェハ3上に供給されたプリウエット溶剤やレジストを乾燥させる乾燥手段として機能する。
また、図1において符号15はウェハ3の裏面を洗浄するための洗浄液を吐出する洗浄ノズルを示し、符号4は余分なレジストや洗浄液を回収し、収容するためのカップを示している。
また、符号7は、後述するダミーディスペンス工程において、レジストノズル1から吐出されるレジストを収容するためのダミーディスペンス槽である。また、符号8は映像装置であるCCDカメラを示している。CCDカメラ8は、レジストノズル1を観測して、レジストノズル1からレジストが吐出された吐出時点を検出し、コントローラ9に吐出時点を送信するものである。
また、図1に示すように、コントローラ9は、エアーオペレートバルブ11、レジストポンプ13、CCDカメラ8、スピンモータ6のそれぞれと電気的に接続され、これらの動作を制御する制御装置である。
コントローラ9としては、PC(パーソナルコンピュータ)を用いることができる。後述するコントローラ9としての機能は、コントローラ9としての機能を実現するためのプログラムを、PCに備わるメモリにロードしてCPU(中央処理装置)が実行することにより実現されるものとする。
コントローラ9は、エアーオペレートバルブ11およびレジストポンプ13に、ダミー吐出信号を発信してレジストを吐出させ、ダミー吐出信号が発信された発信時点と、レジストが吐出された吐出時点との時間差である遅延時間を算出する算出機能を有する。本実施形態においては、コントローラ9は、遅延時間の算出に使用される吐出時点として、CCDカメラ8によって検出された吐出時点を用いるものとされている。
また、コントローラ9は、後述するプリウエット工程においてスピンモータ6を制御して、所定時間よりも遅延時間分短い乾燥時間でプリウエット溶剤の乾燥処理を終了させるとともに、プリウエット溶剤の乾燥処理が終了したことに応じてエアーオペレートバルブ11およびレジストポンプ13にレジスト吐出信号を発信してレジストを吐出させ、ウェハ3上にレジストを塗布させる機能を有する。
(レジスト塗布処理方法)
図1に示すレジスト塗布処理装置を用いて、ウェハ3上にレジストを塗布するには、まず、図4において符号S1で示すように、エアーオペレートバルブ11の動作タイミングとレジストポンプ13の動作タイミングを合わせる吐出状態の調整を行なうことが望ましい。図2は、吐出状態の調整を行なう前のエアーオペレートバルブ11の動作タイミングとレジストポンプ13の動作タイミングの一例を示したグラフである。図2において、Tはコントローラ9から吐出信号が発信された時点、Tはレジストポンプ13の動作開始タイミング、Tはコントローラ9から吐出停止信号が発信された時点、Tはレジストポンプ13の動作終了タイミングを示している。
図2に示すように、エアーオペレートバルブ11の動作タイミングが、レジストポンプ13の動作タイミングよりも早く、エアーオペレートバルブ11とレジストポンプ13とでは動作タイミングがずれている。このような状態で、レジストノズル1からレジストを吐出させると、良好な吐出状態とならない場合がある。したがって、図2に示す例においては、エアーオペレートバルブ11の動作開始タイミングをレジストポンプ13の動作開始タイミングTまで遅らせて、図3に示すように、エアーオペレートバルブ11の動作開始タイミングをレジストポンプ13の動作タイミングに合わせ込む吐出状態の調整を行ない、吐出状態を良好な状態とすることが好ましい。
図3は、吐出状態の調整を行なった後のエアーオペレートバルブ11の動作タイミングとレジストポンプ13の動作タイミングの一例を示したグラフである。図3に示すように、レジストの吐出状態の調整を行なった後のレジスト塗布処理装置では、エアーオペレートバルブ11の動作開始タイミングとレジストポンプ13の動作タイミングが一致している。しかし、図3に示すように、コントローラ9から吐出信号が発信された時点とエアーオペレートバルブ11の動作開始タイミングとの間にずれが生じている。したがって、吐出状態の調整を行なうことによって、吐出信号が発信された時点からレジストノズル1によってレジストが吐出される時点までの時間が長いものとされる。
吐出状態の調整が完了した後、図4において符号S2で示すように、ダミーディスペンス工程を行なう。本実施形態のダミーディスペンス工程では、まず、CCDカメラ8によるレジストノズル1の観測を開始させ、ノズルアーム16によってレジストノズル1をダミーディスペンス槽7上に移動させる。その後、コントローラ9からエアーオペレートバルブ11およびレジストポンプ13にダミー吐出信号を発信させ、エアーオペレートバルブ11およびレジストポンプ13を動作させて、レジストノズル1からレジストを吐出させる。レジストノズル1からレジストが吐出されると、CCDカメラ8がレジストの吐出された吐出時点を検出し、コントローラ9に吐出時点が送信される。そして、コントローラ9は、CCDカメラ8から送信された吐出時点を受信すると、ダミー吐出信号が発信された発信時点と吐出時点とから、発信時点と吐出時点との時間差である遅延時間を算出する。
次に、プリウエット工程を行なう。プリウエット工程では、まず、ウェハ3をスピンチャック5上に設置し、ノズルアーム16によって溶剤ノズル2をウェハ3の中心上に移動させる。その後、図4において符号S3で示すように、スピンモータ6を回転させず(例えば、1.0〜4.0秒間)に、溶剤ノズル2からプリウエット溶剤を吐出させ、コントローラ9にスピンモータ6を制御させることにより、図4において符号S4で示すように、ウェハ3をスピンモータ6で例えば800〜1200rpmの回転速度で0.1〜1.0秒間回転させて、塗布・乾燥処理(スピン乾燥)を行なう。ここでのプリウエット溶剤の乾燥時間は、予め設定された所定時間よりも遅延時間分短い乾燥時間で終了される。また、プリウエット溶剤の乾燥処理が終了する前に、次に行なうレジスト塗布工程のために、ノズルアーム16によってレジストノズル1をウェハ3の中心上に移動させる。
続いて、レジスト塗布工程を行なう。レジスト塗布工程では、プリウエット工程におけるスピンモータ6によるウェハ3の回転を停止させずに、図4において符号S5で示すように、例えば1800〜3000rpmの回転速度で1.0〜5.0秒間ウェハ3を回転させながら、プリウエット工程の乾燥処理が終了したことに応じてコントローラ9からエアーオペレートバルブ11およびレジストポンプ13に発信されるレジスト吐出信号に応じて、レジストノズル1からレジストを吐出させ、レジストをウェハ3の全面に広げる。
ここでのレジスト吐出信号が発信されてからレジストが吐出されるまでの時間は、追加のプリウエット溶剤の乾燥時間とみなすことができる。ここで追加されるプリウエット溶剤の乾燥時間は、プリウエット工程において短縮された遅延時間分に相当する。したがって、プリウエット工程におけるプリウエット溶剤の乾燥時間と、レジスト吐出信号が発信されてからレジストが吐出されるまでの時間とを合わせた時間が、実際のプリウエット溶剤の乾燥時間であり、実際のプリウエット溶剤の乾燥時間は、プリウエット溶剤の乾燥時間の予め設定された所定時間となる。
その後、スピンモータ6により所望のレジスト膜厚になる回転速度および回転時間(例えば1000〜2500rpm、15.0〜30.0秒間)ウェハ3を回転させて、図4において符号S6で示すように、ウェハ3上にレジスト膜を形成する。
その後、ウェハ3をスピンモータ6で例えば500〜1500rpmの回転速度で5.0〜15.0秒間回転させながら洗浄ノズル15から洗浄液を吐出させ、図4において符号S7で示すように、ウェハ3の裏面に付着したレジストを洗浄・除去し、図4において符号S8で示すように、ウェハ3をスピンモータ06で例えば1500〜2500rpmの回転速度で5.0〜15.0秒間回転させて乾燥させる(ウェハスピン乾燥)。
本実施形態のレジスト塗布処理方法は、遅延時間をコントローラ9に算出させるダミーディスペンス工程と、所定時間よりも遅延時間分短い乾燥時間でプリウエット溶剤の乾燥処理を終了させるプリウエット工程と、プリウエット溶剤の乾燥処理が終了したことに応じてコントローラ9から発信されたレジスト吐出信号により、レジストノズル1からウェハ3上にレジストを吐出させるレジスト塗布工程とを備えるので、プリウエット溶剤の乾燥時間がプリウエット溶剤の乾燥処理後にウェハ3上にレジストが塗布されるまでに要する遅延時間に関わらず一定となる。
ここで、例えば、吐出状態の調整が完了したレジスト塗布処理装置を用いて、プリウエット工程のプリウエット溶剤の乾燥処理を所定時間行なった場合、コントローラ9によりレジスト吐出信号が発信されてからレジスト塗布工程においてレジストノズル1からレジストが吐出されるまでの間分の時間だけ、プリウエット溶剤の乾燥処理時間が延ばされることになり、プリウエット効果が下がり、レジスト膜厚の均一性が低下してしまう。
これに対し、本実施形態のレジスト塗布処理方法では、プリウエット工程において、所定時間よりも遅延時間分短い乾燥時間でプリウエット溶剤の乾燥処理を終了させるので、コントローラ9によりレジスト吐出信号が発信されてからレジスト塗布工程においてレジストノズル1からレジストが吐出されるまでの間分の時間が相殺され、プリウエット溶剤の乾燥時間が自主整合的に自動で一定となる。
したがって、本発明のレジスト塗布処理方法では、レジストがウェハ上に拡がる時のプリウエット効果が安定して得られ、レジスト膜厚の均一性を安定させることができるとともに、レジスト塗布処理装置毎のプリウエット効果のばらつきを軽減できる。
また、本実施形態のレジスト塗布処理方法では、ダミーディスペンス工程を行なう前に、吐出状態の調整を行なって吐出状態を良好な状態とすることにより、吐出信号が発信された時点からレジストノズル1によってレジストが吐出される時点までの時間が長いものとされた場合でも、プリウエット溶剤の乾燥時間がプリウエット溶剤の乾燥処理後にウェハ3上にレジストが塗布されるまでに要する遅延時間に関わらず一定となるので、レジストがウェハ上に拡がる時のプリウエット効果が安定して得られる。
「実施例1」
図1に示すレジスト塗布処理装置を用い、以下に示す方法によりウェハ上にレジストを塗布した。
まず、吐出状態の調整を行なって、エアーオペレートバルブ11の動作タイミングとレジストポンプ13の動作タイミングを合わせた。
すなわち、エアーオペレートバルブ11の動作タイミングと、レジストポンプ13の動作タイミングが0.06秒ずれていたため、エアーオペレートバルブ11の動作開始タイミングをレジストポンプ13の動作開始タイミングまで遅らせた。
吐出状態の調整が完了した後、ダミーディスペンス工程を行なった。ダミーディスペンス工程では、まず、CCDカメラ8によるレジストノズル1の観測を開始させ、ノズルアーム16によってレジストノズル1をダミーディスペンス槽7上に移動させた。その後、コントローラ9からダミー吐出信号を発信させて、エアーオペレートバルブ11およびレジストポンプ13を動作させ、レジストノズル1からレジストを吐出させた。レジストノズル1からレジストが吐出されると、CCDカメラ8によってレジストの吐出された吐出時点が検出され、コントローラ9によって遅延時間が算出された。遅延時間は0.06秒であった。
次に、プリウエット工程を行なった。プリウエット工程では、まず、ウェハ3をスピンチャック5上に設置し、ノズルアーム16によって溶剤ノズル2をウェハ3の中心上に移動させた。その後、スピンモータ6を2.0秒間回転させずに、溶剤ノズル2からプリウエット溶剤を吐出させ、コントローラ9にスピンモータ6を制御させることにより、ウェハ3をスピンモータ6で1200rpmの回転速度で0.1秒間回転させて、塗布・乾燥処理(スピン乾燥)を行なった。ここでのプリウエット溶剤の乾燥時間は、予め設定された所定時間(0.1秒)よりも遅延時間(0.06秒)分短い乾燥時間(0.04秒)で終了された。なお、プリウエット溶剤の乾燥処理が終了する前に、次に行なうレジスト塗布工程のために、ノズルアーム16によってレジストノズル1をウェハ3の中心上に移動させておいた。
続いて、レジスト塗布工程を行なった。レジスト塗布工程では、プリウエット工程におけるスピンモータ6によるウェハ3の回転を停止させずに、1800rpmの回転速度で2.0秒間ウェハ3を回転させながら、プリウエット工程の乾燥処理が終了したことに応じてコントローラ9から発信されるレジスト吐出信号に応じて、レジストノズル1からレジストを吐出させ、レジストをウェハ3の全面に広げた。
したがって、プリウエット工程におけるプリウエット溶剤の乾燥時間(0.04秒)と、レジスト吐出信号が発信されてからレジストが吐出されるまでの時間(0.06秒)とを合わせた、実際のプリウエット溶剤の乾燥時間(0.1秒)が、プリウエット溶剤の乾燥時間の予め設定された所定時間(0.1秒)と一致した。
その後、スピンモータ6により1500rpmの回転速度で20秒間ウェハ3を回転させてレジスト膜を形成した。得られたレジスト膜厚均一性は、レンジで2.0nmであった。
その後、ウェハ3をスピンモータ6で1000rpmの回転速度で5秒間回転させながら洗浄ノズル15から洗浄液を吐出させ、ウェハ3の裏面に付着したレジストを洗浄・除去し、ウェハ3をスピンモータ06で2000rpmの回転速度で5秒間回転させて乾燥させた。
「実施例2」
エアーオペレートバルブ11の動作タイミングと、レジストポンプ13の動作タイミングとのずれが0.02秒であることのみ異なる別のレジスト塗布処理装置を用い、実施例1と同様の方法によりウェハ上にレジストを塗布した。
実施例2においてコントローラ9によって算出された遅延時間は0.02秒であった。また、実施例2のプリウエット工程において、プリウエット溶剤の乾燥時間は、実施例1と同じである所定時間(0.1秒)よりも遅延時間(0.02秒)分短い乾燥時間(0.08秒)で終了された。しかし、実施例2においても、プリウエット溶剤の乾燥時間(0.08秒)と、レジスト吐出信号が発信されてからレジストが吐出されるまでの時間(0.02秒)とを合わせた時間である実際のプリウエット溶剤の乾燥時間(0.1秒)が、プリウエット溶剤の乾燥時間の予め設定された所定時間(0.1秒)と一致した。
また、実施例2において得られたレジスト膜厚均一性は、レンジで2.0nmであった。
「比較例1」
実施例1と同様のレジスト塗布処理装置を用い、実施例1と同様にして吐出状態の調整を行なった。吐出状態の調整が完了した後、プリウエット溶剤の乾燥時間を実施例1と同様の所定時間としたこと以外は実施例1と同様にしてプリウエット工程を行なった。その後、実施例1と同様にしてレジスト塗布工程以降の工程を行なった。
なお、比較例1では、プリウエット溶剤の乾燥時間が実施例1と同じである予め設定された所定時間(0.1秒)であるので、所定時間と、実施例1と同じレジスト吐出信号が発信されてからレジストが吐出されるまでの時間(0.06秒)とを合わせた時間である実際のプリウエット溶剤の乾燥時間(0.16秒)が、レジスト吐出信号が発信されてからレジストが吐出されるまでの時間(0.06秒)分長くなった。
また、比較例1において得られたレジスト膜厚均一性は、レンジで3.0nmであった。
「比較例2」
実施例2と同様のレジスト塗布処理装置を用い、比較例1と同様の方法によりウェハ上にレジストを塗布した。
なお、比較例2では、プリウエット溶剤の乾燥時間が実施例1と同じである予め設定された所定時間(0.1秒)であるので、所定時間と、実施例2と同じレジスト吐出信号が発信されてからレジストが吐出されるまでの時間(0.02秒)とを合わせた時間である実際のプリウエット溶剤の乾燥時間(0.12秒)が、レジスト吐出信号が発信されてからレジストが吐出されるまでの時間(0.02秒)分長くなった。
また、比較例2において得られたレジスト膜厚均一性は、レンジで2.6nmであった。
実施例1および実施例2に示すように、本発明によれば、実際のプリウエット溶剤の乾燥時間がプリウエット溶剤の乾燥処理後にウェハ3上にレジストが塗布されるまでに要する遅延時間に関わらず一定となることが確認できた。また、実施例1および実施例2に示すように、本発明によれば、得られたレジスト膜厚が均一となることが確認できた。
これに対し、比較例1および比較例2では、実際のプリウエット溶剤の乾燥時間がプリウエット溶剤の乾燥処理後にウェハ3上にレジストが塗布されるまでに要する遅延時間によって変動した。このため、プリウエット効果が下がり、得られたレジスト膜厚の均一性が実施例1および実施例2と比較して低くなった。
本発明の活用例として、ウェハ上にプリウエット溶剤を塗布してからレジスト塗布する工程を備える製造方法により得られる半導体装置などが挙げられる。
図1は、本実施形態のレジスト塗布処理装置を説明するための概略図である。 図2は、吐出状態の調整を行なう前のエアーオペレートバルブの動作タイミングとレジストポンプの動作タイミングの一例を示したグラフである。 図3は、吐出状態の調整を行なった後のエアーオペレートバルブの動作タイミングとレジストポンプの動作タイミングの一例を示したグラフである。 図4は、本実施形態のレジスト塗布処理方法を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
1…レジストノズル、2…溶剤ノズル、3…ウェハ、5…スピンチャック、6…スピンモータ、8…CCDカメラ、9…コントローラ、10…サックアップバルブ、11…エアーオペレートバルブ、12…フィルタ、13…レジストポンプ、14…レジストボトル、15…裏面洗浄ノズル、16…ノズルアーム。

Claims (5)

  1. コントローラから発信されたダミー吐出信号に応じて、レジスト塗布手段にレジストを吐出させて、前記ダミー吐出信号が発信された発信時点と前記レジストが吐出された吐出時点との時間差である遅延時間を前記コントローラに算出させるダミーディスペンス工程と、
    プリウエット溶剤をウェハ上に塗布し、所定時間よりも前記遅延時間分短い乾燥時間で前記プリウエット溶剤の乾燥処理を終了させるプリウエット工程と、
    前記乾燥処理が終了したことに応じて前記コントローラから発信されるレジスト吐出信号に応じて、前記レジスト塗布手段に前記レジストを吐出させて、前記ウェハ上に前記レジストを塗布するレジスト塗布工程とを備えることを特徴とするレジスト塗布処理方法。
  2. 映像装置によって検出された前記吐出時点を用いて、前記遅延時間を前記コントローラに算出させることを特徴とする請求項1に記載のレジスト塗布処理方法。
  3. 前記レジスト塗布手段が、エアーオペレートバルブとレジストポンプとを備え、
    前記ダミーディスペンス工程を行なう前に、エアーオペレートバルブの動作タイミングとレジストポンプの動作タイミングを合わせる吐出状態の調整を行なうことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のレジスト塗布処理方法。
  4. プリウエット溶剤をウェハ上に塗布する溶剤塗布手段と、前記プリウエット溶剤を乾燥させる乾燥処理を行なう乾燥手段とを備えるプリウエット手段と、
    前記ウェハ上にレジストを吐出させるレジスト塗布手段と、
    前記レジスト塗布手段にダミー吐出信号を発信して前記レジストを吐出させ、前記ダミー吐出信号が発信された発信時点と、前記レジストが吐出された吐出時点との時間差である遅延時間を算出し、前記乾燥手段を制御して所定時間よりも前記遅延時間分短い乾燥時間で前記乾燥処理を終了させ、前記乾燥処理が終了したことに応じて前記レジスト塗布手段に前記レジスト吐出信号を発信して前記レジストを吐出させ、前記ウェハ上に前記レジストを塗布させるコントローラとを備えることを特徴とするレジスト塗布処理装置。
  5. 前記吐出時点を検出する映像装置を備え、前記コントローラが、映像装置によって検出された前記吐出時点を用いて前記遅延時間を算出するものであることを特徴とする請求項4に記載のレジスト塗布処理装置。
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