JP2008223682A - ポンプ装置及びポンプ装置の制御方法 - Google Patents

ポンプ装置及びポンプ装置の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】液体を供給するとともに、各温度条件であっても熱による構成品の破壊を防止するとともに、効率よく作動することができるポンプ装置を提供すること。
【解決手段】インバータ回路33を有する制御装置30を用いて、ポンプユニット20を制御させるとともに、インバータ回路33に設けられたサーミスタ34によりサーミスタ温度Tを検知し、この検知結果から制御装置30の記憶部32に記憶されたデータとサーミスタ温度Tを比較し、この比較結果によりポンプユニット20の制御設定値の上限を決定させる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、液体を供給するポンプ装置及びポンプ装置の制御方法に関し、特に温度条件による構成品の熱破壊を防止するとともに、効率のよい運転が可能なものに関する。
ビルの上階等に水を給水(揚水)させるために、主として増圧給水装置(以下「ポンプ装置」)が用いられている。このようなポンプ装置は、例えば、ケース内にインバータ回路、モータ及びポンプ等を収容し、インバータ回路によりモータを制御することで、ポンプの回転数及び吐出量を制御可能に形成されている。このようなポンプ装置を用いる上で、ケース内に各構成品を配置させるため、ポンプ装置を作動させると各構成品の発熱によりケース内は高温となる。
ケース内が高温となると、インバータ回路を構成する各種構成品(例えば、スウィッチング素子)が熱により破壊されることがある。この熱による構成品の破壊を防止するために、サーミスタによりインバータ回路の温度を検知し、この温度がある一定を超えるとモータを停止させることができるモータ駆動装置(例えば特許文献1参照)をポンプ装置に用いている。また、供給する水が、常温水だけではなく温水を供給することができるように、常温水用のポンプと温水用のポンプとの2種類のポンプを有するポンプ装置もあった。
特開2005−80349号公報
しかし、上述したポンプ装置では、次のような問題があった。すなわち、温水や常温水等を供給するポンプ装置では、各温度に適したポンプが複数必要であるため、製造コストとともにポンプ装置が大型となる。一方、温水や常温水の供給等の温度条件の異なる場合に一台のポンプで水を供給する場合には、温水と常温水とで同一の電流制限値や回転速度等の上限値設定を用いることとなる。しかし、常温水の設定とした場合に温水を供給すると、ポンプ装置のケース内で温度が異常上昇する可能性がある。逆に、温水に設定し常温水を運転させると、ケース内温度が低温であるにもかかわらず、温水時の設定で運転することで、吐出量が少ない等の効率が悪い運転となる。
特に、ケース内温度が異常上昇すると、インバータ回路等に用いられる熱に弱い構成品は、熱により破壊される虞がある。なお、常温水と温水とを用いる場合だけではなく、例えば夏場と冬場との外気温の差や使用地域等によっても同様の問題は発生する。
そこで本発明は、熱による構成品の破壊を防止するとともに、各温度条件で効率の良い運転が可能なポンプ装置及びポンプ装置の制御方法を提供することを目的としている。
前記課題を解決し目的を達成するために、本発明のポンプ装置及びこの制御方法は次のように構成されている。
モータにより駆動されるポンプと、上記モータを制御するインバータ装置と、このインバータ装置の温度を検知するサーミスタと、上記インバータ装置を制御する制御部と、上記インバータ装置の予め設定された設定温度から、上記ポンプの駆動速度の上限値である高速制御設定値、及び、低速制御設定値の少なくとも2種類の設定値を有する記憶部と、上記モータ、上記ポンプ、及び、上記インバータ装置を収容するケースとを備え、上記制御部は、上記サーミスタにより検知したサーミスタ温度と、上記設定温度とを比較する比較手段と、この比較手段による比較結果に基づいて、上記設定値を選択する運転制御手段とを具備し、上記運転制御手段は、上記サーミスタ温度が上記設定温度より低い場合には、上記高速制御設定値に基づいて上記ポンプを駆動するとともに、上記サーミスタ温度が上記設定温度より高い場合には、上記低速制御設定値に基づいて上記ポンプを駆動することを特徴とする。
インバータ装置によりモータを制御する制御部と、上記モータにより回転駆動されるポンプとを備えたポンプ装置の制御方法であって、上記ポンプの駆動後、インバータ装置の温度を検知する検知工程と、この検知工程により検知された上記インバータ装置の温度が予め設定された設定温度以下であるか否かを比較する比較工程と、この比較工程の結果から、上記ポンプの駆動速度の上限値である高速制御設定値、及び、低速制御設定値の少なくとも2種類の設定値のいずれかを選択するとともに、この設定値により上記ポンプを駆動させる運転制御工程とを備え、上記運転制御工程は、上記比較工程で、上記インバータ装置の温度が上記設定温度以下の場合には上記高速制御設定値に基づいて上記ポンプを駆動するとともに、上記温度が上記設定温度以上の場合には、上記低速制御設定値に基づいて上記ポンプを駆動制御することを特徴とする。
本発明によれば、熱による構成品の破壊を防止するとともに、各温度条件で効率の良い運転が可能となる。
図1は本発明の一実施の形態に係るポンプ装置1を示す縦断面図、図2は同ポンプ装置1を模式的に示す説明図、図3は同ポンプ装置1の制御の一例を示す流れ図、図4は同制御の条件を示す説明図である。なお、図1及び図2中矢印Fは水の流れ方向を示している。
図1及び図2に示すように、ポンプ装置1は、ポンプ装置1を地面に設置するためのベース10と、このベース10上に固定されたポンプユニット20と、ポンプユニット20に接続された制御装置30とを備えている。また、ベース10上部には、ポンプユニット20と制御装置30とを覆うカバー11が設けられている。このカバー11はポンプユニット20や制御装置30を使用環境から保護するとともに、設置上の安全や外観の向上のために設けられている。
ポンプユニット20は、ポンプ21と、このポンプ21を制御装置30により制御駆動させるモータ22と、ポンプ21の吐出側に設けられポンプ21への逆流を防止する逆止弁23と、この逆止弁23の下流に設けられたアキュムレータ24と、逆止弁23の下流に設けられた検知装置25とを備えている。
ポンプユニット20は、ポンプ21の吸込み側に接続され、ケース11の外表面に設けられた吸込継手26と、逆止弁23、アキュムレータ24及び検知装置25に流路を分岐するとともに、この一部がケース11の外表面に設けられた吐出継手27と、を備えている。吸込継手26及び吐出継手27には、それぞれ配水管(不図示)が接続されており、吸込継手26側の配水管の延長上には水道配水管等の供給部が、吐出継手27側の配水管の延長上には給水口(蛇口等)が設けられている。
ポンプ21は、例えば遠心ポンプを用い、ベース10に固定部材12を介して取り付けられている。また、モータ22には、例えばDCモータが用いられており、ポンプ21に動力機構を介して一体に設けられている。アキュムレータ24は、例えばバネ式アキュムレータが用いられ、逆止弁23の下流に設けることで、脈動等を低減させるとともに、蓄圧可能に形成されている。
検知装置25は、例えば流量計28と圧力計29とを備えている。流量計28は、逆止弁23と吐出継手27との間の管路に設けられている。圧力計29は逆止弁23と吐出継手27との間の圧力を検知可能に設けられている。流量計28と圧力計29とは、信号線Sを介して制御装置30に接続することで、検知データを制御装置30へと送信可能に形成されている。
制御装置30には、マイクロプロセッサ等で構成された制御部31と、この制御部31に例えばバスラインBで接続され、メモリ等により形成された記憶部32と、モータ22を制御するインバータ回路(インバータ装置)33と、を備えている。
インバータ回路33は、インバータ回路33の温度を検知するサーミスタ34を有している。また、インバータ回路33は、記憶部32に記憶された情報及び検知装置25で検知された情報を基に制御部31からの指示された制御方法によりモータ22を作動可能に形成されている。
また、制御部33は、サーミスタ34により検知されたインバータ回路33の温度と記憶部32に記憶された設定値との比較を行う比較手段、ポンプ21の駆動を制御する複数の運転制御手段、及び、インバータ回路33を保護する運転制御手段を備えている。
このように構成されたポンプ装置1では、ポンプ装置1の電源がONとなると、制御装置30はモータ22を回転させる。モータ22は、動力機構を介してポンプ21に回転を伝達させることで、ポンプ21を駆動させる。この駆動により、図1及び2の流れFに示すように、ポンプ21は、吸込継手26に設けられた配水管からの水を吸込む。ポンプ21に吸込まれた水は、ポンプ21により増圧されるとともに、逆止弁23を介して吐出継手27から吐出される。
このとき、流量計28及び圧力計29では、常時流量及び圧力が検知されている。この検知された流量及び圧力は、流量計28及び圧力計29に接続された信号線Sを介して制御装置30の制御部31へ送信される。制御部31はこれらの検知結果から、ポンプ21の吐出量等を算出し、記憶部32に記憶された目標吐出量と比較する。この比較結果に相違があれば、算出した目標吐出量となるように、インバータ回路33にモータ22の回転数の指示を送る。インバータ回路33は、この指示を基にモータ22へ信号線Sを介して回転数の制御を行う。このように制御部31は、目標吐出量へと近似させるようポンプ21を駆動させる。
また、ポンプ21の駆動開始時及び停止時や給水状況等により、水撃やサージ圧による急激な圧力変動等の脈動が発生することがある。この脈動により、構成品に悪影響を与えるのを防止するため、アキュムレータ24は、このような脈動を緩衝するとともに、蓄圧により圧力調整を行う。
このようにポンプ装置1を作動させる上で、制御装置30及びモータ22には電流を印加するとともに、ポンプ21及びモータ22は回転運動を行う。このため、ポンプ装置1は発熱することとなる。
特に、ポンプ装置1は、ポンプ装置1の容積を小さくするためにケース11内に各構成品が密集して配置されている。このため、ポンプ装置1内の温度は、作動開始から除々に上昇し、高温となる。また、供給する水を常温水から温水へと変化させると、その分ポンプ装置1の温度が上昇することとなる。このようなことにより、ポンプ装置1による発熱の大部分はカバー11内に篭ることとなる。
このようにカバー11内が高温となったままポンプ21の駆動を継続すると、インバータ回路33の構成品(例えば、スウィッチング素子)が熱により破壊される可能性がある。しかし、熱の破壊を防止するためにポンプ21の駆動を停止させると、水を供給することができない。このため、制御装置30は熱による構成品破壊を防止するとともに、ポンプ21を駆動させる制御を行う。
このようなポンプ装置1の制御方法の動作の流れの一例を図3の流れ図を用いて説明する。
図3に示すように、まず、ポンプ装置1に電源が投入され、制御装置30に起動の指示がなされると、制御装置30の制御部31は、インバータ回路33を介してモータ22を回転させる。モータ22が回転すると、動力機構を介してポンプ21が駆動される(ST11)。ポンプ21を駆動後、制御部31は、まず通常運転(ポンプ高速駆動)の指示として、設定値(高速制御設定値)であるインバータ回路33からモータ22へと流す電流の最大値(電流制限値)E(A)をE(通常電流設定値)、モータ22の最大回転速度F(min−1)をF(通常回転設定値)と設定する(ST12:運転制御工程)。
ここで、制御部31は電流制限値Eと最大回転速度Fを上限として、検知装置25の流量計28及び圧力計29により検知された流量及び圧力から、ポンプ21及びモータ22の電流値と回転速度を可変させることで制御する。また、電流制限値E及び最大回転速度Fで制御するのではなく、どちらか一方で制御するようにしてもよい。さらに、最大回転速度Fはモータ22又はポンプ21の回転速度のどちらに設定してもよい。
このように、ポンプ21を駆動させるとともに、インバータ回路33に設けられたサーミスタ34により温度を検知する(ST13:検知工程)。このサーミスタ34にて検知されたインバータ回路33の温度(以下「サーミスタ温度」)は、バスラインBを介して制御部31へと送信される。
制御部31は、記憶部32に記憶された通常運転時のサーミスタ温度の上限値(以下「高温判断温度」)Tと検知したサーミスタ温度Tとを比較することで、インバータ回路33が高温とであるか否かの判断を行う(ST14:比較工程)。サーミスタ温度Tが高温判断温度Tより低い場合(T<T)には(ST14、YES)、サーミスタ温度Tが高温ではないと判断され、通常運転を継続させる。
次に、通常運転を行いながら、外部からのポンプ停止指示があるか否かの判断を行う(ST15)。例えば、外部からポンプ21の停止の指示があった場合には(ST15、YES)、制御部31は、インバータ回路33にモータ22の停止指示を行う。インバータ回路33はこの停止指示に基づきモータ22を停止させる。
ポンプ21はモータ22と動力機構により接続されているため、モータ22停止によりポンプ21も停止されることとなる(ST16)。なお、ポンプ停止の指示がない場合(ST15、NO)には、再びサーミスタ温度Tを検知する(ST13)。なお、サーミスタ温度Tの検知は、一定時間毎に行う。なお、一定時間毎ではなく、常時サーミスタ温度Tを検知するようにしてもよい。
ポンプ停止後、制御部31は、さらに外部からポンプ21の運転開始の指示があるか否かの判断を行う(ST17)。このとき、運転開始指示がない場合(ST17、NO)には、制御部31はさらに、外部から電源停止の指示があるかの判断を行う(ST18)。ここで電源停止の指示があった場合(ST18、YES)には、電源を停止させ、終了となる。
なお、電源停止の指示がない場合(ST18、NO)には、ST17へと戻り、ポンプ21の運転開始指示又は電源停止の指示があるまで待機することとなる。また、ポンプ停止後、さらにポンプ21の運転開始の指示があった場合(ST17、YES)には、再びポンプ21の運転を開始(ST11)させる。
サーミスタ温度Tが高温判断温度Tより高い場合(T>T)には(ST14、NO)、制御部31は、インバータ回路33の温度が高温であると判断する。このため、制御部31は、インバータ回路33の構成品を保護するために、サーミスタ温度Tと記憶部32に記憶されたインバータ保護温度Tとを比較する(ST19:保護比較工程)。
サーミスタ温度Tがインバータ保護温度Tより低い(T<T)場合には(ST19、YES)、制御部31は、インバータ回路33の温度が構成品の破壊温度までは達していないと判断する。また、極力インバータ回路33の温度上昇を抑えるために、制御部31は低速運転(ポンプ低速駆動)として電流制限値E(A)をE(低電流設定値)、モータ22の最大回転速度F(min−1)をF(低回転設定値)に設定する(ST20:運転制御工程)。インバータ回路33は、この設定値(低速制御設定値)によりポンプ21を駆動させる。また、低速運転中のサーミスタ温度Tを検知する(ST21:検知工程)。
制御部31は、低速運転を行うことでサーミスタ温度Tが通常運転に復帰できる温度(以下「復帰温度」)Tに温度が低下したか否かの判断を行う(ST22:比較工程)。サーミスタ温度Tが復帰温度Tより高い場合(T<T)には(ST22、YES)、外部からのポンプ停止指示があるか否かの判断を行う(ST23)。
外部からポンプ21の停止の指示があった場合には(ST23、YES)、制御部31は、インバータ回路33にモータ22の停止指示を行う(ST16)。なお、これ以降はST16以降の動作となる。また、ポンプ21の停止指示がない場合(ST23、NO)には、ST19へと戻り、再びサーミスタ温度Tとインバータ保護温度Tとを比較する。
サーミスタ温度Tが復帰温度Tより低い場合(T<T)には(ST22、NO)、制御部31は、サーミスタ温度Tが通常運転に復帰できる温度まで低下したとの判断を行う。このため、制御部31は、ST12へと戻り、インバータ回路33へ通常運転の指示を行う。なお、これ以降はST12以降の動作となる。
次に、サーミスタ温度Tがインバータ保護温度Tより高い(T>T)場合(ST19、NO)の説明を行う。このように、サーミスタ温度Tがインバータ保護温度Tより高い場合には、インバータ回路33の構成品が破壊される危険がある。このため、制御部31は、これ以上サーミスタ温度Tが上昇しないよう、ポンプ21を最小周波数運転(ポンプ最低速駆動)せる。(ST24:保護運転制御工程)。
この最小周波数運転は、ポンプ21が駆動される際、給水口側(下流側)へと水を供給できる最小の周波数の設定値(最小周波数制御設定値)で運転するものである。これは、例えば、サーミスタ温度Tの上昇を防止するためにポンプ21の運転を停止すると、下流側へ水が供給されない(断水する)。この断水を回避し、給水を継続するとともに、極限までサーミスタ温度Tの上昇を抑えるために最小周波数運転にてポンプ21を駆動させる。
なお、この最小周波数運転において制御部31は、ポンプ21の回転数を徐々に減少させることで、最終的に最小周波数となるように運転制御する。急に最小周波数運転へとポンプ21の回転数を落とした場合、給水口から水を放水していたときに、急激に給水を停止させることによる使用者への不都合・不具合を低減させる。
また、ポンプの回転数を急激に減少させると、水撃やサージ圧等を誘発する可能性もある。これらにより発生する脈動は、アキュムレータ24で吸収することが可能であるが、騒音の原因となることや、各構成品に急激な高い圧力を印加する可能性があるため、あまり好ましくない。これを防止するためにも、ポンプ21の回転数を徐々に減少させる制御とする。なお、急激に回転数を減少させることでも適用は可能である。
このように、最小周波数運転制御を実行後、サーミスタ温度Tを検知する(ST25:検知工程)。制御部31は、最小周波数運転制御を行うことで、サーミスタ温度Tがインバータ保護温度Tまで温度が低下したか否かの判断を行う(ST26:比較工程)。
サーミスタ温度Tがインバータ保護温度Tまで温度が低下していない場合(ST26、YES)には、制御部31は、記憶部32に記憶されたインバータ過熱温度Tからサーミスタ温度Tがインバータ回路33の温度限界であるか否かを判断する(ST27:比較工程)。
サーミスタ温度Tがインバータ過熱温度Tよりも低い場合(ST27、YES)には、サーミスタ温度Tは、限界温度ではないと判断される。従って、最小周波数運転を継続するとともに、外部からのポンプ21停止指示があるか否かの判断を行う(ST28)。
外部からポンプ21の停止の指示があった場合には(ST28、YES)、制御部31は、インバータ回路33にモータ22の停止指示を行う(ST16)。なお、これ以降はST16以降の動作となる。また、ポンプ21の停止指示がない場合(ST28、NO)には、ST25へと戻り、サーミスタ温度Tを検知する。
また、サーミスタ温度Tがインバータ過熱温度Tより高い場合(ST27、NO)には、インバータ回路33の熱破壊による故障防止として、ポンプ21を強制停止させる(ST16)。なお、これ以降はST16以降の動作となる。
ST26において、サーミスタ温度Tがインバータ保護温度T以下である場合(ST26、NO)には、制御部31は、サーミスタ温度Tが復帰温度Tまで温度が低下しているか否かの判断を行う(ST22)。なお、これ以降はST22以降の動作となる。
このように本実施の形態に係るポンプ装置1の制御を行うことで、例えば温水と常温水との温度の異なる水を供給する場合においても、サーミスタ温度Tの検知結果により、ポンプ21の駆動上限値を変更することができる。従って、温水及び常温水のいずれかを供給する場合でも、インバータ回路33を保護できる最大の設定上限値を用いることができ、効率よく運転することが可能となる。
また、常温水から温水へと切り替える等でのサーミスタ34の温度上昇にも対応可能となる。さらに、インバータ回路33を保護することも可能となる。これにより、ポンプ21やモータ22等を複数設置しなくともよい。
上述したように、本実施の形態に係るポンプ装置1によれば、サーミスタ温度Tに応じてポンプ21の駆動を制御することで、インバータ回路33の破壊を防止することが可能となる。また、サーミスタ温度Tにより、ポンプ21の駆動の上限値を変更可能とすることで、各温度条件に適宜対応した運転を行うことができる。これにより、ポンプ装置1を効率よく運転することが可能となる。
また、供給水の温度や、夏季及び冬季等の外気温度条件等による温度の変化に対応できるため、ポンプ装置1の汎用性を向上させることもできる。さらに、サーミスタ温度Tに応じてポンプ21駆動の設定値を変更可能となり、各温度条件に対応したポンプ21及びその他の構成品を設ける必要が無い。このように、単体のポンプユニット20を設けるだけでよいことから、製造コストの低減及びポンプ装置1の小型化も可能となる。
なお、本発明は本実施の形態に限定されるものではない。例えば、上述した例では、電流制限値E及び最大回転速度Fを変えることで通常運転時、低速運転及び最小周波数運転の3種類の制御設定にてポンプ装置1を運転させているが、この制御設定をさらに増やしてもよい。例えば、通常運転と低速運転との中間の運転を行うようにする。このようにすることで、より詳細な温度の調整ができ、ポンプ21をより効率よく運転させることができる。
また、ST26では、サーミスタ温度Tがインバータ保護温度Tまで低下したか否かを判断することで、その後の制御を行ったが、これを復帰温度Tにより判断してもよい。これにより、よりサーミスタ34を保護することが可能となる。
さらに、上述した例では、運転停止(ST15、ST23及びST28)は、外部からの停止指示としたが、これを一定の時間経過後、制御部31により停止させる構成としてもよい。同様に、ポンプ運転開始指示(ST17)も一定時間経過後にポンプ21を駆動させるように構成してもよい。
また、上述した例では、インバータ回路33にサーミスタ34を設けて、このサーミスタ温度により制御を行うとしたが、ポンプ21の近くにさらに温度検知器を有する構成としてもよい。これにより、ポンプ21周辺の温度とサーミスタ34との温度を用いることによりさらに詳細な制御が可能となる。また、温水及び常温水条件のみで制御することとしてもよい。温度検知をポンプ21周辺で行うことで、供給水の温度が温水なのか否かの判断をし、温水と常温水とにより制御方法を変更させる。これにより、より簡易な制御となり、装置を安くすることが可能となる。
さらに、同構成品のポンプユニットを2つ設けたポンプ装置とし、2つのポンプユニットで同一の制御を行ってもよい。これにより、例えばポンプユニットの一方が故障等により運転不可能となっても、他方を運転することにより、確実に給水することが可能となる。また、例えばポンプ装置の補修又は点検時に、片方ずつ補修又は点検することで断水させることなく補修又は点検を行うことが可能となる。この他、表示機及び外部入力装置等を有する構成としてもよい。表示機を設けることで現在の回転数や、吐出量、さらに現在の制御設定等を確認可能としてもよい。また、外部入力装置を設けることで、適宜設定値を変更可能としたり、強制的にユーザの指定する設定値により運転することを可能としてもよい。この他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実行可能である。
本発明の一実施の形態に係るポンプ装置を示す縦断面図。 同ポンプ装置を模式的に示す説明図。 同ポンプ装置の制御の一例を示す流れ図。 同制御条件を示す説明図。
符号の説明
1…ポンプ装置、10…ベース、11…カバー、20…ポンプユニット、21…ポンプ、22…モータ、23…逆止弁、24…アキュムレータ、25…検知装置、26…吸込継手、27…吐出継手、30…制御装置、31…制御部、32…記憶部、33…インバータ回路、34…サーミスタ、F…水の流れ方向。

Claims (4)

  1. モータにより駆動されるポンプと、
    上記モータを制御するインバータ装置と、
    このインバータ装置の温度を検知するサーミスタと、
    上記インバータ装置を制御する制御部と、
    上記インバータ装置の予め設定された設定温度と上記ポンプの駆動速度の上限値である高速制御設定値、及び、低速制御設定値の少なくとも2種類の設定値を有する記憶部と、
    上記モータ、上記ポンプ、及び、上記インバータ装置を収容するケースとを備え、
    上記制御部は、
    上記サーミスタにより検知したサーミスタ温度と、上記設定温度とを比較する比較手段と、
    この比較手段による比較結果に基づいて、上記設定値を選択する運転制御手段とを具備し、
    上記運転制御手段は、上記サーミスタ温度が上記設定温度より低い場合には、上記高速制御設定値に基づいて上記ポンプを駆動するとともに、上記サーミスタ温度が上記設定温度より高い場合には、上記低速制御設定値に基づいて上記ポンプを駆動することを特徴とするポンプ装置。
  2. 上記記憶部は、上記低速制御設定値よりもさらに低速にて駆動させる最小周波数制御設定値を有し、
    上記制御部は、上記運転制御手段として、上記サーミスタ温度が上記設定温度より所定値以上高い場合に、上記最小周波数制御設定値に基づいて上記ポンプを駆動させるとともに、上記ポンプを駆動停止後、さらに再起動したときに、上記比較手段により比較を行うことを特徴とする請求項2に記載のポンプ装置。
  3. インバータ装置によりモータを制御する制御部と、上記モータにより回転駆動されるポンプとを備えたポンプ装置の制御方法であって、
    上記ポンプの駆動後、インバータ装置の温度を検知する検知工程と、
    この検知工程により検知された上記インバータ装置の温度が予め設定された設定温度以下であるか否かを比較する比較工程と、
    この比較工程の結果から、上記ポンプの駆動速度の上限値として高速の設定値、及び、低速の設定値の少なくともいずれかの設定値を選択し、この設定値により上記ポンプを駆動制御する運転制御工程とを備え、
    上記運転制御工程は、上記比較工程で、上記インバータ装置の温度が上記設定温度以下の場合には上記高速の設定値に基づいて上記ポンプを駆動するとともに、上記インバータ装置の温度が上記設定温度以上の場合には、上記低速の設定値に基づいて上記ポンプを駆動制御することを特徴とするポンプ装置の制御方法。
  4. 上記比較工程で上記インバータ装置の温度が上記設定値以上であった場合には、上記インバータ装置の温度が上記設定温度より所定値以上であるか否かをさらに比較する保護比較工程と、
    この保護比較工程で、上記インバータ装置の温度が上記設定値より所定値以上であった場合には、上記ポンプを、上記低速の設定値よりもさらに低速である上記ポンプの最小周波数にて駆動させる保護運転制御工程と、をさらに備え、
    上記保護運転制御工程終了後、上記ポンプを再駆動させたときに、上記検知工程、上記比較工程及び上記運転制御工程を実行することを特徴とする請求項3に記載のポンプ装置の制御方法。
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