JP2008222827A - 共重合ポリエステルの連続製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】工程1:スラリー調製工程、工程2:エステル化反応工程、工程3:重縮合反応工程、工程4:チップ化工程を含み、工程4の貯蔵サイロより取り出される共重合ポリエステルチップの水分率が100ppm以下となるように乾燥を行う。
【選択図】なし
Description
近年、市場の多様化により、上記ポリエステルに他のグリコール成分を共重合した共重合ポリエステルが注目されている(例えば、特許文献1と2を参照)。特に、ネオペンチルグリコール残基を含む共重合ポリエステルは、非晶質でガラス転移点が高いという特徴を有しており、フィルム分野等で広く使用されている。
この課題を解決するためには、T−ダイスから溶融押出したシート状物を回転冷却ドラム面で急冷する際に、当該シート状物とドラム表面との密着性を高めることが必要となる。このシート状物とドラム表面の密着性を高める方法として、T−ダイスと回転冷却ドラムの間にワイヤー状の電極を設けて高電圧を印加し、未固化のシート状物面に静電気を析出させて当該シートを冷却体表面に密着させながら急冷する方法(静電密着キャスト法)が有効である。
そこで、本発明が解決すべき課題は、共重合ポリエステルを長期にわたり安定的かつ連続的に製造できる方法であって、高品質な共重合ポリエステルを低コストで且つ品質変動を抑制しつつ製造でき、かつ該共重合ポリエステルの製造における共重合ポリエステルチップの製造工程において、該共重合ポリエステルチップの脱水および乾燥を行うことにより、従来技術で実施されてきているポリエステル成型体の製造工程における乾燥機による乾燥工程を省略し、ポリエステルチップの乾燥の大幅な省エネルギーとコスト低減を行うことによりさらなるコスト低減した共重合ポリエステルの連続製造方法を提供することにある。
すなわち、共重合ポリエステルを連続して製造する方法であって、
工程1: 少なくともテレフタル酸、エチレングリコール、およびネオペンチルグリコールをスラリー調製槽へ導入してスラリーを調製する工程;
工程2: 調製したスラリーを、直列に連結した2以上のエステル化反応槽へ連続的に導入し、エステル化反応に付してオリゴマー化合物を得る工程;および
工程3: 得られたオリゴマー化合物を重縮合反応に付して共重合ポリエステルを製造する工程;および
工程4: 得られた共重合ポリエステルを溶融状態で吐出口金よりストランド状に吐出し、水よりなる冷却槽で冷却、固化後チップ状に切断して得られ共重合ポリエステルチップを空送により貯槽サイロに移送して共重合ポリエステルチップを貯蔵する工程、を含み、
工程1において、新規の固体ネオペンチルグリコールを、溶融状態でおよび/またはエチレングリコール溶液とした後に濾過してスラリー調製槽へ導入し、
工程2において、第2エステル化反応槽以降でネオペンチルグリコールを含むグリコール成分を追加供給し、
当該追加供給するエステル化反応槽の反応温度を、前段階のエステル化反応槽の反応温度よりも低く設定し、
工程4の貯蔵サイロより取り出される共重合ポリエステルチップの水分率が100ppm以下であること、
を特徴とする共重合ポリエステルの連続製造方法である。
また、この場合において、上記ポリエステルチップの脱水を該ポリエステルチップに気体を吹きつけて行うことが好ましい。
また、この場合において、上記の貯蔵サイロに流通させる除湿気体が窒素ガス製造で発生する廃ガスであることが好ましい。
工程1: 少なくともテレフタル酸、エチレングリコール、およびネオペンチルグリコールをスラリー調製槽へ導入してスラリーを調製する工程;
工程2: 調製したスラリーを、直列に連結した2以上のエステル化反応槽へ連続的に導入し、エステル化反応に付してオリゴマー化合物を得る工程;および
工程3: 得られたオリゴマー化合物を重縮合反応に付して共重合ポリエステルを製造する工程;および
工程4: 得られた共重合ポリエステルを溶融状態で吐出口金よりストランド状に吐出し、水よりなる冷却槽で冷却、固化後チップ状に切断して得られ共重合ポリエステルチップを空送により貯槽サイロに移送して共重合ポリエステルチップを貯蔵する工程、を含み、
工程1において、新規の固体ネオペンチルグリコールを、溶融状態でおよび/またはエチレングリコール溶液とした後に濾過してスラリー調製槽へ導入し、
工程2において、第2エステル化反応槽以降でネオペンチルグリコールを含むグリコール成分を追加供給し、
当該追加供給するエステル化反応槽の反応温度を、前段階のエステル化反応槽の反応温度よりも低く設定し、
工程4の貯蔵サイロより取り出される共重合ポリエステルチップの水分率が100ppm以下であること、
を特徴とする。
本発明では、先ず、少なくともテレフタル酸、エチレングリコール、およびネオペンチルグリコールをスラリー調製槽へ導入してスラリーを調製する。
スラリーにおけるこれら成分の含有割合は、スラリーがエステル化反応槽へ運搬されるに十分な流動性を有するものであれば特に制限されないが、共重合ポリエステルにおけるテレフタル酸残基が95モル%以上、エチレングリコール残基が60〜75モル%およびネオペンチルグリコール残基が25〜35モル%となる様に配合することが好ましい。より具体的には、テレフタル酸1モルに対して、エチレングリコールとネオペンチルグリコールとの合計量を1〜3モルとすることが好ましく、より好ましくは1.5〜2.5モルとしてスラリーとする。上記の酸成分およびグリコール成分の組成を満たすスラリーからは、非晶質でガラス転移点が高いという特徴を有する共重合ポリエステルを製造できる。かかる共重合ポリエステルは、例えば、ポリエステルフィルムやポリエステルシート等の各種成型体や、これらの改質剤等として好適に用いることができる
また、ヒドロキシカルボン酸を併用しても良い。ヒドロキシカルボン酸としては、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、ヒドロキシ酢酸、3―ヒドロキシ酪酸、p−ヒドロキシ安息香酸、p―(2―ヒドロキシエトキシ)安息香酸、4―ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸が挙げられる。
近年、共重合ポリエステルよりなるフィルムやシートに対する品質に対する要求特性はますます厳しくなり、それに伴い厚み精度を向上させることが重要な要件となってきており、これも共重合ポリエステルの重要な特性の一つである。
上記の共重合ポリエステルの275℃における溶融比抵抗は、共重合ポリエステルの静電密着性の尺度である。静電密着性とは、例えば、共重合ポリエステルをフィルムやシートに溶融押出し法で成型する場合のキャスティング時に必要な特性である。即ち、押出口金から溶融押出したフィルム状物を回転冷却ドラムで急冷する際、当該フィルム状物の表面に静電荷を析出させ、フィルム状物を冷却ドラムの表面に静電力で密着させる静電密着法が知られている。しかし、この方法においては、生産能力を高めるために冷却ドラムの回転速度を上げるとフィルム状物と冷却ドラムとの密着力が減少し、フィルム状物と冷却ドラムとの間に気体を噛み込むようになってピンナーバブルの発生が起こり、厚み斑や外観不良発生の原因となる。静電密着性とは、この静電密着法において、大きな静電密着力が付与でき、高速でキャスティングしても厚み精度の高い製膜製品が得られる共重合ポリエステルの特性である。
共重合ポリエステルの溶融比抵抗を上記範囲にする方法は限定されないが、マグネシウム化合物およびナトリウム化合物の添加により実施するのが好ましい。
特に、リン化合物は、第2エステル化反応以降で添加することが好ましい。リン化合物を添加する前の反応槽から留出するグリコール成分と、添加以降の反応槽から留出するグリコール成分を、区別してそれぞれ精製できるからである。後述する様に、リン化合物はエステル化反応槽または重縮合反応槽から留出するグリコール成分と共に留出する。回収したグリコール成分に混入したリン化合物は、その量を制御することが極めて困難であるために、目的化合物である共重合ポリエステルの品質に悪影響を及ぼすおそれがある。よって、留出したグリコール成分の精製は、リン化合物を含まない反応系から回収したグリコール成分と含む反応系からのものとを区別して行なった上で、回収グリコール成分を再使用した方がよいからである。また、再利用のためには、低沸点留分のみならず高沸点のリン化合物等をも分留除去しなければならない留出グリコール成分の量を低減できるという効果もある。
但し、工程3の重縮合反応工程でのリン化合物の添加は、減圧系になるためにリン化合物の残存量が低下するので避けた方がよい。従って、リン化合物の添加は、エステル化反応工程の最終段階または当該最終段階から重縮合工程への移送ラインにラインミキサーを設置して、当該ラインミキサーに添加する方法で実施するのが好ましい。
また、本発明の共重合ポリエステルの製造時に、本発明の目的を妨げない限り、酸化チタン、シリカ、炭酸カルシウムなどの不活性粒子、顔料、耐熱・酸化安定剤、離型剤、UV吸収剤、着色剤などを必要に応じて添加してもよい。
但し、本発明においては、新規の固体ネオペンチルグリコールを使用する場合は、溶融状態でおよび/またはエチレングリコールとの混合溶液とした後に濾過したものを用いることが好ましい。ネオペンチルグリコールは常温で固体であるので、通常は紙袋で包装されて流通している。この固体状のネオペンチルグリコールをスラリー原料として用いると、得られる共重合ポリエステルに異物が混入し、その清澄度が低下し得る。特にスラリー調製に用いる新規のネオペンチルグリコールの量は多いため、スラリー調製に新規の固体ネオペンチルグリコールをそのまま用いると、その影響が最終共重合ポリエチレンに直接表れるという問題があった。そこで、上記処理を行なうことにより異物混入が抑制され、共重合ポリエステルの清澄度が向上する。
なお、ネオペンチルグリコールを溶融状態または溶液状態で取り扱うことは、ネオペンチルグリコール供給量の精度向上にも繋がる。ネオペンチルグリコールの溶融は、共重合ポリエステルの製造設備内に溶融槽を設置して行ってもよいし、溶融状態のものを購入して使用してもよい。
上記工程1で得られたスラリーを、直列に連結した2以上のエステル化反応槽へ導入し、エステル化反応に付することによって、テレフタル酸の両末端カルボキシル基にグリコールが縮合したオリゴマー化合物を得る。
ここで、本発明に係る共重合ポリエステルの連続製造方法は、工程2(エステル化反応)と共に後述する工程3(重縮合反応)を含め、連続的なものであることが重要である。連続式の製造方法は、回分式の製造方法に比して品質の均一性や経済性において有利である。
エステル化反応工程における反応槽の個数やサイズは限定なく適宜選択できる。また、各工程の製造条件は、重縮合触媒や静電密着性向上のための添加剤の種類や量、反応槽の個数やサイズ等により適宜選択できる。
例えば、工程2のエステル化反応は、複数のエステル化反応槽を直列に連結した多段式装置(図1において、エステル化反応槽3〜5)を用いて、反応によって生成した水を蒸留塔9と10で系外に除去しながら実施するのが好ましい。エステル化反応の温度は240〜290℃、好ましくは245〜280℃とし、圧力はゲージ圧で常圧〜290KPa、好ましくは20〜190KPaとする。最終的にはエステル化反応率は90%以上、好ましくは93%以上に達することが望ましい。また、上記エステル化反応槽としては、その内部に堰等を設けて一個の反応槽内で多段化したものを用いてもよい。
本発明方法では、エステル化反応に引き続いて重縮合反応を連続的に行なう。この重縮合反応に必要な重縮合触媒の添加時期は特に問わないが、好適にはエステル化反応の第1段階から供給することが好ましい。重縮合触媒は、エステル化反応の触媒にもなり得るからである。
チタン化合物としては、テトラ−n−プロピルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート、テトライソブチルチタネート、テトラ−tert−ブチルチタネート、テトラシクロヘキシルチタネート、テトラフェニルチタネート、テトラベンジルチタネート、シュウ酸チタン酸リチウム、シュウ酸チタン酸カリウム、シュウ酸チタン酸アンモニウム、酸化チタン、チタンとケイ素やジルコニウムやアルカリ金属やアルカリ土類金属などとの複合酸化物;チタンのオルトエステルまたは縮合オルトエステル、チタンのオルトエステルまたは縮合オルトエステルとヒドロキシカルボン酸からなる反応生成物;チタンのオルトエステルまたは縮合オルトエステルとヒドロキシカルボン酸とリン化合物からなる反応生成物;チタンのオルトエステルまたは縮合オルトエステルと少なくとも2個のヒドロキシル基を有する多価アルコール;2−ヒドロキシカルボン酸および塩基からなる反応生成物などが挙げられ、このうちチタンとケイ素の複合酸化物、チタンとマグネシウムの複合酸化物、チタンのオルトエステルまたは縮合オルトエステルとヒドロキシカルボン酸とリン化合物からなる反応生成物が好ましい。
ゲルマニウム化合物としては、二酸化ゲルマニウム、四塩化ゲルマニウムなどが好適であり、特に好ましくは二酸化ゲルマニウムである。二酸化ゲルマニウムとしては、結晶性のものと非晶性のものもいずれもが使用できる。
本発明では、工程2の第2エステル化反応槽以降でネオペンチルグリコールを含むグリコール成分を追加供給するのが好ましい。従来方法におけるネオペンチルグリコール共重合ポリエステルの製造では、グリコール成分はスラリー調製においてその全量が供給されていた。しかしかかる従来方法では、長期にわたり連続生産をした場合に、共重合ポリエステル中のグリコール成分組成が変動することがあるという問題があり、その抑制方法の確立が嘱望されていた。本発明者らは、この問題を解決するために検討をして、ネオペンチルグリコールを含むグリコール成分を工程2の第2エステル化反応槽以降で追加供給することによって、この変動が抑制できることを見出した。
かかるグリコール成分の分割供給により共重合ポリエステル中のグリコール成分組成の変動が抑制される理由は不明であるが、エステル化反応におけるグリコール成分の系外への留出割合の変動が抑制されることによると推察している。
本発明では、工程2の第2エステル化反応槽以降でネオペンチルグリコールを含むグリコール成分を追加供給する際において、ネオペンチルグリコールを含むグリコール成分を供給する反応槽の反応温度は、前段階の反応温度よりも低く設定するのが好ましい。かかる態様によって、ネオペンチルグリコールを含むグリコールが追加供給されるエステル化反応槽における反応液のネオペンチルグリコールにより引き起こされる発泡が抑制され、長期にわたり安定した運転が可能となる。通常、複数個の反応槽でエステル化反応を行う場合は、反応の進行に従い反応槽内温度を高めて行く方法で実施されるが、それではネオペンチルグリコールを含むグリコールの追加供給により当該追加供給される反応液の発泡が増大することによって、当該反応槽に設置されている蒸留塔への配管や蒸留塔にポリエステルオリゴマーが飛散し、操業が困難になる場合がある。一方本発明では、かかる追加供給を行なうエステル化反応槽における反応温度を前段階よりも低くすることによって、この問題の解決を図っている。
ネオペンチルグリコールを含むグリコール成分を追加供給する段階の反応温度は、前段階よりも5〜15℃低くすることが好ましい。15℃を超えて反応温度を低くすると、エステル化反応を効率的に行なえないおそれがある一方で、5℃未満であると発泡する場合がある。
本発明における工程2または後述する工程3において、反応系から留出するグリコール成分を、蒸留塔へ導入して精製し、再使用することが好ましい。かかる態様によって、新規グリコールの使用量を減らすことができるので、共重合ポリエステルの製造コストの大幅な低減が可能となる。また、回収したグリコール成分は、新規のグリコール成分を添加する場合に比べて、その組成を調節する手間が少ない。さらに、新規のグリコール成分をそのまま反応槽へ投入すると反応温度が下がり、製造効率が低下する場合があるが、回収グリコール成分は比較的温度が高いため、かかる熱ショックも少ない。
前述した様に、本発明の工程2または工程3で添加されるリン化合物は、その一部が留出グリコールに混入する。かかるリン化合物の量は制御し難い上に、構造が変化して活性も変わっている場合がある。よって、留出グリコール成分を精製して再使用する場合には、リン化合物の混入を阻止またはできる限り抑制した上で、目的物である共重合ポリエステルに配合されるリン化合物の量は、最初の添加量のみで制御することによって、共重合ポリエステルの特性を維持することが好ましい。
共重合ポリエステルの製造工程で添加されたリン化合物は、化学反応によりその構造が変化して、例えばリン酸のグリコールエステル等の構造になっている。その結果、留出するグリコール成分中に含まれるリン化合物は、グリコールより高沸点の化合物に変質している。従って、上記の回収グリコール中のリン原子含有量が10ppm以下になるようにするには、蒸留塔による蒸留により高沸点留分を分留除去することが好ましい。
リン化合物を添加する前の反応槽より留出する留出物(A)を処理する蒸留塔の本数や性能は限定されないが、8〜18段が好ましく、9〜15段がより好ましい。また、泡鐘カラムおよび充填カラムのどちらでもよい。還流比は蒸留塔の段数や回収グリコールの要求品質により適宜設定される。
上記の低沸点留分を分留除去する分留においては、蒸留塔の塔底より抜き出した残留分の一部を同蒸留塔に循環させること(以下、「蒸留塔液循環法」と称する)が好ましい実施態様である。当該方法の実施により、残留分の送液ラインのライン詰りの発生が抑制され、長期の安定操業が可能となる。留出するグリコール成分中には、飛沫同伴等により共重合ポリエステルのオリゴマー類等よりなるグリコールに難溶性または不溶性の固形分が含まれる。この固形分は、当然のことであるが上記蒸留において、蒸留塔残留分中に含まれ共重合ポリエステル製造工程に循環される。従って、共重合ポリエステルの製造を長期にわたり連続して実施した場合に、残留分の送液ラインにおいて、残留分中に存在する固形分または送液ライン中で析出する固形分により送液ラインの送液性の低下やライン詰まりが発生し、安定運転が困難になるという課題を有しており、その改善が嘱望されていた。この問題は、蒸留塔液循環法により解決することができる。この蒸留塔液循環法の実施により上記問題が解決される理由は明確でないが、残留分の送液流量および流速の増加、液温度維持、該温度変動抑制および残留分の蒸留塔内の滞留延長による固形分の構造変化等の複数の要因の総和によって、固形分の析出が抑制されることにより引き起こされるものと推察される。ここで、構造変化は、化学変化と物理変化の両方の効果が加味されていると推察される。即ち化学変化としては、固形分中のオリゴマーのグリコリシスによる低分子量化によりグリコールへの溶解性の向上および結晶性低下等が起こり、また、物理変化としては、固形分の結晶性等の変化が考えられる。また、蒸留塔液循環法の実施は、ライン詰りの抑制に加えて分留精度の向上にも繋がる。
留出物(B)については、従来技術の様に、留出物(A)と同様に低沸点留分のみを分留除去し、残留分を共重合ポリエステル製造用のグリコールの一部または全量として再使用すると、回収グリコールにリン化合物が混入して、共重合ポリエステルに残存するリン原子の量が設計値から変動する。その結果、静電密着性や触媒活性が不安定になり、品質や操業性に悪影響を及ぼす場合がある。
それに対して、留出物(A)も留出物(B)と同様に低沸点留分と高沸点留分の両方を分留除去した中留分を再使用する場合は、留出物(A)の処理が過剰となり、設備や運転経費の増大に繋がり経済的に不利となり好ましくない。一般に、留出物(A)は留出物(B)に比して量が多いので、本発明の方法である両者を区分して回収処理を実施することによる経済的効果は大きい。
本発明の工程2(エステル化反応)は、直列に連結した2以上のエステル化反応槽で行なう。具体的には、図1の様に複数のエステル化反応槽を設け、各反応槽での液面が一定となる様に反応液の供給と抜き出しをし、次の反応段階における反応槽へ反応液を供給する。エステル化反応の最終段階を経た反応液は、続いて工程3(重縮合反応)へ供給される。なお、本発明においては、工程2や工程3を通じて、或いはこれらを連結するパイプ等において、オリゴマーやポリマーをフィルターにより濾過することが好ましい。これにより、反応物の清澄度を高めることができる。ここで使用できるフィルターの目開き、構造、容量および設置場所等は、特に限定されない。
工程2のエステル化反応を経た反応液は、引き続き重縮合反応槽に移送して重縮合反応を行う。
重縮合反応工程における反応槽の個数やサイズは限定なく適宜選択できる。また、各工程の製造条件は、前記した重縮合触媒や静電密着性向上のための添加剤の種類や量、反応槽の個数やサイズ等により適宜選択できる。
重縮合反応条件は、第1段階目の重縮合の反応温度は250〜290℃、好ましくは260〜280℃であり、圧力は10〜2.7KPa、好ましくは2.7〜0.27KPaで、最終段階の重縮合反応の温度は265〜300℃、好ましくは275〜295℃であり、圧力は1.3〜0.13KPa、好ましくは0.65〜0.065KPaである。3段階以上で実施する場合には、中間段階の重縮合反応の反応条件は、上記第1段目の反応条件と最終段目の反応条件の間の条件とする。これらの重縮合反応工程の各々において到達される固有粘度の上昇の度合は滑らかに分配されることが好ましい。
本発明における重縮合反応の条件は、共重合ポリエステルの品質や生産性を考慮し適宜設定すればよい。
但し、重縮合反応槽からの留出物は、湿式コンデンサーで冷却凝縮して回収されるので、加熱して蒸留塔に供給することが必要となる。また、重縮合反応槽より留出する留分に含有される固形分は融点が高く、これが回収グリコールに含有されたままポリエステル製造工程に循環されると、ポリエステル製造工程でポリエステルに反応せずに異物の発生に繋がる場合があるので好ましくない。従って、かかる固形分を回収グリコールに混入させない方策を取り入れるのが好ましい。その様な方策は限定されないが、湿式コンデンサーで冷却凝縮して回収された凝縮液中の固形分を除去し蒸留塔に供給するのが好ましい。該固形分の除去方法も限定されない。例えば、濾過、遠心分離あるいは自然沈降等およびこれらを組み合わせた方法で実施するのが好ましい。
工程3の重縮合反応工程経た溶融状態の共重合ポリエステルは、引き続きダイヘッドからストランド状に吐出し、水よりなる冷却槽で冷却、固化後チップ状に切断して得られる共重合ポリエステルチップ(以下、単にポリエステルチップと称する)を空送によりポリエステルチップ貯蔵サイロに移送しポリエステルチップを貯蔵するのが好ましい。さらに本発明では、該チップ化工程において、該チップ化直後からポリエステルチップ貯蔵サイロに入るまでの間に該ポリエステルチップを実質的に滞留させること無しに連続的に脱水し、かつ上記の貯蔵サイロに除湿気体を流通させることによりポリエステルチップの乾燥を行うことが好ましい。
また、本発明方法で得られる共重合ポリエステルは、静電密着性等の特性に優れ、また、粗大粒子の含有量が少ない高品質なものであり、特にフィルムやシート等の材料として非常に有用である。
なお、下記実施例における評価は、以下の方法で実施した。
フェノール:テトラクロロエタン=60:40(重量比)の混合溶媒を用いて、30℃で測定した。
275℃で溶融した共重合ポリエステル中に2枚の電極板を置き、120Vの電圧を印加した時の電流値(i0)を測定し、比抵抗値ρiを次式により求めた。
ρi(Ω・cm)=A/l×V/ i0
ここで、A=電極面積(cm2)、l=電極間距離(cm)、V=電圧(V)である。
押出機の口金部と冷却ドラムとの間にタングステンワイヤー製の電極を設け、電極とキャスティングドラム間に10〜15KVの電圧を印加してキャスティングを行い、得られたキャスティング原反の表面を肉眼で観察し、ピンナーバブルの発生が起こり始めるキャスティング速度で評価した。キャスティング速度が大きいポリマー程、静電密着性が良好であることを示す。
サンプル約5mgを、重クロロホルム:トリフルオロ酢酸=9:1(体積比)の混合溶媒0.7mlに溶解し、1H−NMR(Varian製、UNITY500)を使用して求めた。
試料液に30容量%のジメチルスルホキサイドを添加し、1H−NMRおよび13C−NMR測定を行い評価した。
試料を硝酸マグネシウム共存下、550℃で灰化後、1.2M塩酸溶液としてから高周波プラズマ発光分析法により定量した。
試料中の水分量に見合った量の試料をマイクロシリンジあるいは注射器で採取し、電子天秤で精秤した後、KF水分率計(京都電子工業(株)製、MKC−210を用いて水の量を測定し、試料に対する質量%として算出した。
ポリエステルチップ(一粒)を2枚のカバーグラス間に挟んで280℃で溶融プレスし、急冷した後に100倍の位相差顕微鏡で20視野観察し、イメージアナライザーで5μm以上の粒子の数をカウントした。
約2gのポリエステルチップを精秤し、測定装置(三菱化学 電量滴定式水分測定装置VA−06型、CA−06型)に入れ、試料を230℃に加熱気化し、250ml/分の窒素流量で気化した水分を測定セルに送る、セル内の電解液(アクアミクロンAX及びアクアミクロンCXU)に吸収された水分を電位差滴定により測定した。
実施例1
(1)スラリー調製
スラリー調製槽に、テレフタル酸1質量部;後述の方法で留出物(A)より回収した水分3.4質量%、エチレングリコール70.8質量%、ネオペンチルグリコール25.8質量%よりなる回収グリコール成分0.464質量部;および留出物(B)より回収された回収グリコール成分および/または新規のエチレングリコールと新規のネオペンチルグリコールよりなるエチレングリコール45.7質量%とネオペンチルグリコール54.3質量%からなる混合グリコール成分を0.325質量部入れた。ここへ、新規のエチレングリコールを0.044質量部ずつ供給し攪拌しながら、テレフタル酸のグリコールスラリーを調製した。なお、新規のネオペンチルグリコールは、ネオペンチルグリコールの溶融槽で溶融し、エチレングリコールと上記組成になるように混合槽で混合したものを、平均孔径が5μmのフィルターで濾過した上で、スラリー調製槽へ供給した。
エステル化反応装置として、攪拌装置、蒸留塔、原料仕込口および生成物取り出し口を有する3段の完全混合槽よりなる連続エステル化反応装置を使用した。上記(1)で調製したテレフタル酸のグリコールスラリー1651kg/時間と共に、三酸化アンチモンのエチレングリコール溶液(濃度1.3wt%)を41kg/時間、DEGを2kg/時間ずつ第1のエステル化反応槽に供給し、絶対圧122kpa、温度258℃、平均滞留時間6時間でエステル化反応を行った。
上記第3エステル化反応槽内の液面が一定となるように反応液を取り出し、第1重縮合反応槽に投入して、圧力5.3kpa、温度261℃、平均滞留時間1.5時間で第1重縮合反応を行った。
第1重縮合反応槽内の液面が一定となるように反応液を取り出し、第2重縮合反応槽に投入した。圧力0.45kpa、温度272℃、平均滞留時間1.2時間で第2重縮合反応を行った。
第2重縮合反物の液面が一定となるように反応液を取り出し、第3重縮合反応槽に投入した。温度272℃、平均滞留時間1.2時間で、反応生成物の平均固有粘度が0.74となるように真空度(圧力)を調節した。圧力は0.06〜0.15kpaの範囲であった。
第3重縮合反応内の液面が一定となるように共重合ポリエステルをストランド状に取り出し、当該共重合ポリエステルを水冷却固化し、ストランドカッターでペレット化した。なお、第3重縮合反応槽出口に平均孔径20μmのフィルターを設置して、共重合ポリエステルを濾過した。
重縮合反応で生産された溶融状態のポリエチレンテレフタレートに圧力をかけて2トン/時間の速度でストランド状に口金より押し出し、該ポリエステルを水冷却槽を通過させることにより冷却固化した。チップ化カッターでチップ化した。チップの重さは100個当たり3.2gであった。チップは楕円柱形であり、切断面の短径が2.5mm、長径が4.0mmの楕円状、非切断面の長さが3.2mmであった。
上記(1)〜(3)に示した共重合ポリエステル製造工程におけるグリコール成分の流れを図1に示す。
第1エステル化反応槽3および第2エステル化反応槽4より留出する留出分(留出分A)を、段数が15段の泡鐘タイプの蒸留塔9に、第3エステル化反応槽5および3基の重縮合反応槽6〜8よりから留出する留出分(留出分B)を、段数が9段の泡鐘タイプの蒸留塔10に供給し、水を主体とする低沸点留分を除去した。両蒸留塔ともに、底部より取り出される残留分の一部を、それぞれの蒸留塔の中間部に循環させた。当該循環液の温度は、168℃近辺で安定していた。これら蒸留塔9と10では、塔頂の圧力を100kPa±1.3%以内に制御した。この圧力は、蒸留塔ベント配管に設置した調圧弁で制御した。なお、エステル化反応槽3〜5からの留出分に関しては、蒸留に必要な熱は留出分自体が有する熱量で足りるので加熱の必要はなかった。かかる循環によって、蒸留塔底部より取り出される残留液(本実施例の場合は回収グリコール成分)の送液ラインの詰まりは発生しなかった。
蒸留塔10において、水を主体とする低沸点留分が除去されており、蒸留塔底部より取り出される残留液は、高沸点留分除去用の25段の蒸留塔14に供給した。蒸留塔14で高沸点留分を留去した回収グリコール成分中の水分は0.1wt%以下、DEG成分は0.2wt%であり、特にリン原子含有量は1.3ppmまで低減できた。この回収グリコール成分へ新規ネオペンチルグリコールを添加してネオペンチルグリコール含有量を54.3質量%に調節した後、回収グリコール成分貯槽16に貯留し、スラリー調合の原料の一部とした。
実施例1の方法において、蒸留塔10の塔底留分を蒸留塔14に供給した後に高沸点留分の除去処理を行うことなくグリコール成分貯槽15に供給するように変更する以外は実施例1と同様にして重縮合を行って、共重合ポリエステルを得た。本比較例1に係る共重合ポリエステル製造工程におけるグリコール成分の流れを図2に示す。
蒸留塔10の塔底留分を分析したところ、リン原子が200ppm含まれていた。また、本比較例で得られた共重合ポリエステルの性質を、上記方法により測定した。結果を表2に示す。
溶融比抵抗の平均値は0.88×108Ω・cmと高く、最大キャスティング速度は28m/分であり、静電密着性が著しく劣っていた。また、当該共重合ポリエステルの溶融比抵抗を実施例1と同様の方法で求めたところ、その変動範囲は表2の通り0.78〜1.05×108Ω・cmであり、著しく劣っていた。本比較例において、静電密着性が低下し且つ溶融比抵抗の変動が増大するのは、回収グリコール成分中のリン化合物が重縮合系に循環されるために引き起こされたものである。
実施例1の方法において、回収グリコール成分を第2エステル化反応槽へ供給しない以外は実施例1と同様にして、比較例2の共重合ポリエステルを得た。結果を表2に示す。表2の通り、10日間連続運転をした時の共重合ポリエステル特性の平均値は同等であったが、12時間毎に測定した時のネオペンチルグリコール含有量の変動範囲は26〜34モル%であり、実施例1の方法に比べて劣っていた。
実施例1の方法において、第2エステル化反応槽温度を260℃に変更する以外は、比較例1と同様の方法で実施した。その結果、第2エステル化反応槽の発泡が多く、長期の安定生産が困難であった。
実施例1の方法において、新規のネオペンチルグリコールをスラリー調製槽へ供給するに当り、溶融濾過することなく、固体状態のままスラリー調製槽へ直接添加するように変更する以外は実施例1と同様の方法で、共重合ポリエステルを製造した。結果を表2に示す。表2の通り、本比較例で得られた共重合ポリエステルは粗大粒子の量が多く低品質であった。
比較例1の方法において、蒸留塔9および10に設けた蒸留塔底部より抜き出した残留分の蒸留塔への循環ラインを取り外し、循環を取りやめて残留分の全量をそれぞれの供給先に送液するように変更した。本比較例で実施した場合は、比較例1の方法での課題に加えて、蒸留塔底部から抜き出した残留分の送液ラインにおいて、時々固形分析出によるライン詰りが起こり、長期に渡り安定生産をすることが困難な場合があった。よって、蒸留塔における留出グリコール成分の精製では、蒸留塔残留液の一部を循環することがより好ましいということが明らかとなった。
実施例2の方法において、グリコール成分の回収方法を比較例1と同様の方法に変更する以外は実施例2と同様にして、比較例6の共重合ポリエステルを得た。その結果、回収グリコール成分中に存在するリン化合物の影響で、比較例1方法における課題に加えてチタン触媒の失活が起こり、固有粘度が0.50で頭打ちになり所定の固有粘度の共重合ポリエステルは得られなかった。
実施例1の方法において、脱水処理を行うことなくチップカッターでチップ化したチップを直接空送するように変更する以外は、実施例1と同様の方法でポリエステルチップを製造した。得られたポリエステルチップのポリエステルチップ貯蔵サイロに供給するポリエステルチップ中の水分率は500〜2000ppmであり、貯蔵サイロより取り出されるポリエステルチップの水分率が80〜250ppmであり、成型に用いるにはポリエステルチップの乾燥が必要であった。
実施例1の方法において、貯蔵サイロへの廃ガスの導入を取りやめる以外は、実施例1と同様の方法で貯蔵サイロに滞留させた後に貯蔵サイロより抜き出したポリエステルチップの水分率は500〜2200ppmであり、成型に用いるにはポリエステルチップの乾燥が必要であった。
実施例1の方法で、回収グリコール成分の第2エステル化反応槽への供給を取りやめ、代わりに新規のネオペンチルグリコール/エチレングリコール=73/27の混合溶液(質量比)を50Kg/時間で供給するように変更する以外は実施例1と同様の方法で、実施例2の共重合ポリエステルを得た。結果を表1に示す。表1の通り、実施例1と同等の特性の共重合ポリエステルが安定生産できた。
実施例1の方法において、(1)溶融状態のネオペンチルグリコールを平均孔径が5μmのフィルターで濾過した後にエチレングリコールと混合し、当該混合溶液は濾過せずスラリー調製槽に導入したこと、および(2)第3エステル化反応槽より留出したグリコール成分の蒸留塔10による分留を取り止め、全量を凝縮器16で凝縮し、全重縮合反応槽より留出したグリコール成分の凝縮液とを併せて、段数が30段の蒸留塔15を用いて分留し、低沸点留分および高沸点留分をカットした中留分を回収グリコール成分貯槽18に貯留しスラリー調合の原料の一部とするように変更する以外は実施例1と同様の方法で、実施例3の共重合ポリエステルを得た。
得られた共重合ポリエステルの品質は、表1に示す通り、実施例1で得られた共重合ポリエステルと同等の品質を有しており高品質であった。なお、上記中留分のリン原子含有量は1.8ppmと十分に抑制されていた。本実施例4における共重合ポリエステル製造工程におけるグリコール成分の流れを図3に示す。
実施例1の方法において、ストランドの冷却槽の冷却を強化してカッターから排出後の脱水機に供給するポリエステルチップの表面温度は30℃にする以外は、実施例1と同様にしてポリエステルチップを得た。本実施例の方法においては実施例1の方法に比べて脱水および乾燥効率が低下し、脱水機出口および貯槽サイロ出口におけるポリエステルチップの含水率の変動範囲が大きくなり貯槽サイロ出口で水分率が100ppmを超えることが時々起こることがあり、ポリエステルの水分率管理を厳しくすることが必要な成形においては乾燥不足によるトラブルが発生することがあり、実施例1の方法より、長期運転におけるポリエステルチップの乾燥に対する信頼性がやや劣っていた。
2:スラリー調製槽
3:第1エステル化反応槽
4:第2エステル化反応槽
5:第3エステル化反応槽
6:第1重縮合反応槽
7:第2重縮合反応槽
8:第3重縮合反応槽
9、10、14、15:蒸留塔
16:凝縮器
11〜13:湿式コンデンサー
17、18:回収グリコール成分貯槽
19〜22:グリコール成分凝縮液貯槽
23〜25:冷却器
26:熱交換器
27〜44:ポンプ
Claims (8)
- 共重合ポリエステルを連続して製造する方法であって、
工程1: 少なくともテレフタル酸、エチレングリコール、およびネオペンチルグリコールをスラリー調製槽へ導入してスラリーを調製する工程;
工程2: 調製したスラリーを、直列に連結した2以上のエステル化反応槽へ連続的に導入し、エステル化反応に付してオリゴマー化合物を得る工程;および
工程3: 得られたオリゴマー化合物を重縮合反応に付して共重合ポリエステルを製造する工程;および
工程4: 得られた共重合ポリエステルを溶融状態で吐出口金よりストランド状に吐出し、水よりなる冷却槽で冷却、固化後チップ状に切断して得られ共重合ポリエステルチップを空送により貯槽サイロに移送して共重合ポリエステルチップを貯蔵する工程;
の各工程を含み、
工程1において、新規の固体ネオペンチルグリコールを、溶融状態でおよび/またはエチレングリコール溶液とした後に濾過してスラリー調製槽へ導入し、
工程2において、第2エステル化反応槽以降でネオペンチルグリコールを含むグリコール成分を追加供給し、
当該追加供給するエステル化反応槽の反応温度を、前段階のエステル化反応槽の反応温度よりも低く設定し、
工程4の貯蔵サイロより取り出される共重合ポリエステルチップの水分率が100ppm以下であることを特徴とする共重合ポリエステルの連続製造方法。 - ネオペンチルグリコールを溶融状態でおよび/またはエチレングリコール溶液としたものを、平均孔径が20μm以下のフィルターで濾過することを特徴とする請求項1に記載の共重合ポリエステルの連続製造方法。
- ネオペンチルグリコールを含むグリコール成分を追加供給するエステル化反応槽の反応温度を、前段階のエステル化反応槽の反応温度より5〜15℃低くすることを特徴とする請求項1または2に記載の共重合ポリエステルの連続製造方法。
- 工程4において、チップ化直後からポリエステルチップ貯蔵サイロに入るまでの間に該ポリエステルチップを実質的に滞留させること無しに連続的に脱水し、かつ上記の貯蔵サイロに除湿気体を流通させることによりポリエステルチップの乾燥を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の共重合ポリエステルの連続製造方法。
- 上記ポリエステルチップ貯蔵サイロに供給するポリエステルチップ中の水分率が、150〜1000ppmであることを特徴とする請求項4に記載の共重合ポリエステルの連続製造方法。
- 上記ポリエステルチップの脱水を、該ポリエステルチップに気体を吹きつけて行うことを特徴とする請求項4または5に記載の共重合ポリエステルの連続製造方法。
- 上記脱水処理に供給するポリエステルチップの表面温度を、40℃から該ポリエステルチップのガラス転移温度に制御することを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の共重合ポリエステルの連続製造方法。
- 上記の貯蔵サイロに流通させる除湿気体が窒素ガス製造で発生する廃ガスであることを特徴とする請求項4〜7のいずれかに記載の共重合ポリエステルの連続製造方法。
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